JP2014107309A - 伝送光学系、照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 - Google Patents

伝送光学系、照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法 Download PDF

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馨 井上
Hideki Komatsuda
秀基 小松田
Nobumichi Kanayamatani
信道 金山谷
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Abstract

【課題】 光源の出力分布が変化してもほぼ均一な強度分布を有する光束を空間光変調器へ安定的に導く。
【解決手段】 光源からの光により被照射面を照明する照明光学系であって該照明光学系の照明瞳に瞳強度分布を形成するために入射光に角度分布を付与する作用面を持つ照明光学系の光路中に配置されて、光源からの光を作用面まで導く伝送光学系。並列的に配置された複数の屈折光学要素からなるフライアイ光学系と、フライアイ光学系により波面分割された複数の光束を作用面上で重畳させるコンデンサー光学系とを備えている。複数の屈折光学要素における第1屈折光学要素を経た光束がコンデンサー光学系を介して作用面上に第1照野を形成し、第1屈折光学要素とは異なる第2屈折光学要素を経た光束がコンデンサー光学系を介して作用面上において第1照野から位置ずれした領域に第2照野を形成するように構成されている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、伝送光学系、照明光学系、露光装置、およびデバイス製造方法に関する。
半導体素子等のデバイスの製造に用いられる露光装置では、光源から射出された光が、オプティカルインテグレータとしてのフライアイレンズを介して、多数の光源からなる実質的な面光源としての二次光源(一般には照明瞳における所定の光強度分布)を形成する。以下、照明瞳での光強度分布を、「瞳強度分布」という。また、照明瞳とは、照明瞳と被照射面(露光装置の場合にはマスクまたはウェハ)との間の光学系の作用によって、被照射面が照明瞳のフーリエ変換面となるような位置として定義される。
二次光源からの光は、コンデンサー光学系により集光された後、所定のパターンが形成されたマスクを重畳的に照明する。マスクを透過した光は投影光学系を介してウェハ上に結像し、ウェハ上にはマスクパターンが投影露光(転写)される。マスクに形成されたパターンは微細化されており、この微細パターンをウェハ上に正確に転写するにはウェハ上において均一な照度分布を得ることが不可欠である。
従来、ズーム光学系を用いることなく瞳強度分布(ひいては照明条件)を連続的に変更することのできる照明光学系が提案されている(例えば特許文献1を参照)。特許文献1に開示された照明光学系では、アレイ状に配列され且つ傾斜角および傾斜方向が個別に駆動制御される多数の微小なミラー要素により構成された可動マルチミラーを用いて、入射光束を反射面毎の微小単位に分割して偏向させることにより、光束の断面を所望の形状または所望の大きさに変換し、ひいては所望の瞳強度分布を実現している。
米国特許出願公開第2009/0116093号明細書
従来の照明光学系では、姿勢が個別に制御される複数のミラー要素を有する空間光変調器を用いているので、瞳強度分布の変更(外形形状、光強度の分布、偏光の状態などの変更)に関する自由度は高い。しかしながら、空間光変調器へ入射する光束の強度分布が変動して、複数のミラー要素で分割された複数の光束の強度比が変化すると、所望の瞳強度分布を形成することができない。すなわち、所望の瞳強度分布を安定的に形成し、ひいては所望の結像性能を安定的に得るためには、光源の出力分布が変化してもほぼ均一な強度分布を有する光束を空間光変調器へ安定的に導くことが望まれる。
本発明は、前述の課題に鑑みてなされたものであり、光源の出力分布が変化してもほぼ均一な強度分布を有する光束を空間光変調器へ安定的に導くことのできる伝送光学系を提供することを目的とする。また、本発明は、光源の出力分布が変化してもほぼ均一な強度分布を有する光束を空間光変調器へ安定的に導く伝送光学系を用いて、所望の瞳強度分布を安定的に形成することのできる照明光学系を提供することを目的とする。また、本発明は、所望の瞳強度分布を安定的に形成する照明光学系を用いて、適切な照明条件のもとで微細パターンを感光性基板に転写することのできる露光装置およびデバイス製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、第1形態では、光源からの光により被照射面を照明する照明光学系であって該照明光学系の照明瞳に瞳強度分布を形成するために入射光に角度分布を付与する作用面を持つ照明光学系の光路中に配置されて、前記光源からの光を前記作用面まで導く伝送光学系において、
並列的に配置された複数の屈折光学要素からなるフライアイ光学系と、
前記フライアイ光学系により波面分割された複数の光束を前記作用面上で重畳させるコンデンサー光学系とを備え、
前記複数の屈折光学要素における第1屈折光学要素を経た光束が前記コンデンサー光学系を介して前記作用面上に第1照野を形成し、前記第1屈折光学要素とは異なる第2屈折光学要素を経た光束が前記コンデンサー光学系を介して前記作用面上において前記第1照野から位置ずれした領域に第2照野を形成するように構成されていることを特徴とする伝送光学系を提供する。
第2形態では、光源からの光により被照射面を照明する照明光学系であって該照明光学系の照明瞳に瞳強度分布を形成するために入射光に角度分布を付与する作用面を持つ照明光学系の光路中に配置されて、前記光源からの光を前記作用面まで導く伝送光学系において、
並列的に配置された複数の屈折光学要素からなるフライアイ光学系と、
前記フライアイ光学系により波面分割された複数の光束を前記作用面上で重畳させるコンデンサー光学系とを備え、
前記フライアイ光学系は、前記屈折光学要素の前側焦点位置が前記屈折光学要素の入射面よりも後側に位置し、前記屈折光学要素の後側焦点位置は前記屈折光学要素の射出面よりも後側に位置するように構成されていることを特徴とする伝送光学系を提供する。
第3形態では、光源からの光により被照射面を照明する照明光学系であって該照明光学系の照明瞳に瞳強度分布を形成するために入射光に角度分布を付与する作用面を持つ照明光学系の光路中に配置されて、前記光源からの光を前記作用面まで導く伝送光学系において、
並列的に配置された複数の屈折光学要素からなるフライアイ光学系と、
前記フライアイ光学系により波面分割された複数の光束を前記作用面上で重畳させるコンデンサー光学系とを備え、
前記フライアイ光学系は、前記屈折光学要素の前側焦点位置が前記屈折光学要素の入射面よりも前側に位置し、前記屈折光学要素の後側焦点位置は前記屈折光学要素の射出面よりも前側に位置するように構成されていることを特徴とする伝送光学系を提供する。
第4形態では、光源からの光により被照射面を照明する照明光学系において、
第1形態、第2形態または第3形態の伝送光学系と、
前記作用面に沿って配列されて個別に制御される複数の光学要素を有し、入射光を空間的に変調して射出する空間光変調器とを備えていることを特徴とする照明光学系を提供する。
第5形態では、所定のパターンを照明するための第4形態の照明光学系を備え、前記所定のパターンを基板に露光することを特徴とする露光装置を提供する。
第6形態では、第5形態に記載の露光装置を用いて、前記所定のパターンを前記基板に露光することと、
前記所定のパターンが転写された前記基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記基板の表面に形成することと、
前記マスク層を介して前記基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法を提供する。
本発明の伝送光学系では、光源の出力分布が変化してもほぼ均一な強度分布を有する光束を空間光変調器へ安定的に導くことができる。本発明の照明光学系では、光源の出力分布が変化してもほぼ均一な強度分布を有する光束を空間光変調器へ安定的に導く伝送光学系を用いて、所望の瞳強度分布を安定的に形成することができる。本発明の露光装置およびデバイス製造方法では、所望の瞳強度分布を安定的に形成する照明光学系を用いて、適切な照明条件のもとで微細パターンを感光性基板に転写することができる。
実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。 伝送光学系の内部構成を概略的に示す図である。 伝送光学系の光路中に配置されたフライアイレンズの構成を概略的に示す図である。 空間光変調器の構成および作用を説明する図である。 空間光変調器の要部の部分斜視図である。 隣り合う2つの屈折光学要素を経た部分光束が干渉縞を形成する様子を示す図である。 干渉縞の位相ずれにより干渉縞のコントラストを低減する手法を説明する図である。 干渉縞のコントラストを低減するために空間光変調器の配列面をデフォーカスさせている様子を示す図である。 フライアイ光学系の後側焦点面と射出面とが一致する理想的な配置に光学的に対応する結像系を示す図である。 図9の結像系において光源から入射する光束が光軸に対して傾いた場合を示す図である。 フライアイ光学系の後側焦点面が射出面よりも後側にある通常の配置に光学的に対応する結像系を示している。 別の実施形態におけるフライアイ光学系の焦点位置について説明する図である。 図12の構成に光学的に対応する結像系を示す図である。 変形例におけるフライアイ光学系の焦点位置について説明する図である。 (a)はフライアイ光学系の後側焦点面が射出面よりも前側にある通常の配置に光学的に対応する結像系を示す図であり、(b)は図14の構成に光学的に対応する結像系を示す図である。 半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。 液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。
以下、実施形態を添付図面に基づいて説明する。図1は、実施形態にかかる露光装置の構成を概略的に示す図である。図1において、感光性基板であるウェハWの転写面(露光面)の法線方向に沿ってZ軸を、ウェハWの転写面内において図1の紙面に平行な方向にY軸を、ウェハWの転写面内において図1の紙面に垂直な方向にX軸をそれぞれ設定している。
図1を参照すると、本実施形態の露光装置では、光源LSから露光光(照明光)が供給される。光源LSとして、たとえば193nmの波長のパルス光を供給するArFエキシマレーザ光源や、248nmの波長のパルス光を供給するKrFエキシマレーザ光源などを用いることができる。この光源LSは、露光装置本体EXが収容されている筐体とは異なる筐体内に収容されている。光源LSから−Y方向に射出された光は、伝送光学系1を介して、露光装置本体EX内の空間光変調器2に入射する。
空間光変調器2は、後述するように、所定面内に配列されて個別に制御される複数のミラー要素と、露光装置の動作を統括的に制御する制御系CRからの制御信号に基づいて複数のミラー要素の姿勢を個別に制御駆動する駆動部とを有する。空間光変調器2の複数のミラー要素の配列面(以下、「空間光変調器の配列面」という)は、伝送光学系1を含む照明光学系(1〜7)の照明瞳に瞳強度分布を形成するために入射光に角度分布を付与する作用面として機能する。
伝送光学系1は、図2に示すように、光源LSからの光の入射順に、光路折曲げミラー11、フライアイ光学系12、リレー光学系13、およびビームスプリッター14を備えている。光路折曲げミラー11で+Z方向へ反射された光は、光軸AX方向に間隔を隔てて配置された一対のレンズアレイ部材12aおよび12bからなるフライアイ光学系12に入射する。レンズアレイ部材12a,12bは、光軸AXと直交する面に沿って縦横に且つ稠密に並列配置された複数のレンズ要素(屈折光学素子)により構成されている。
具体的には、図3に示すように、第1レンズアレイ部材12aを構成するレンズ要素12aaは、球面状の入射面および平面状の射出面を有する正レンズ要素であって、空間光変調器2の配列面における有効反射領域の外形とほぼ相似な矩形状の断面形状を有する。第2レンズアレイ部材12bを構成するレンズ要素12baは、平面状の入射面および球面状の射出面を有する正レンズ要素であって、レンズ要素12aaに対応する矩形状の断面形状を有する。
フライアイ光学系12の後側焦点位置は、第2レンズアレイ部材12bよりも後側(射出側)にある。フライアイ光学系12の後側焦点位置をレンズ要素12aa,12baの外側に設定することにより、レンズ要素12aa,12baの照射エネルギによる損傷を回避することができる。波面分割型のオプティカルインテグレータとしてのフライアイ光学系12に入射した光束は、第1レンズアレイ部材12aの入射面において二次元的に分割され、第2レンズアレイ部材12bを経て、例えばフライアイ光学系12の後側焦点面に沿って二次元的に配列された複数の小光源を形成する。
すなわち、フライアイ光学系12において互いに対応する一対のレンズ要素12aa,12baからなる屈折光学要素は単位波面分割要素を構成しており、フライアイ光学系12は並列的に配置された複数の屈折光学要素(12aa,12ba)により構成されている。フライアイ光学系12の後側焦点面に形成された複数の小光源からの光は、前側レンズ群13aと後側レンズ群13bとからなるリレー光学系13を介して、空間光変調器2の配列面(作用面)を重畳的に照明する。
フライアイ光学系12の射出側の開口数は、フライアイ光学系12に入射する光束の発散角の正弦よりも大きい値に設定されている。この構成により、第1レンズアレイ部材12aの入射面で波面分割された各部分光束のレンズ要素12aa,12baにおける光量損失、すなわちレンズ要素12aa,12baの内側面(入射面および射出面以外の面)への光の入射に起因する光量損失を小さく抑えることができる。光源LSとして、193nmの波長の光を供給するArFエキシマレーザ光源を用いる場合、フライアイ光学系12は例えば蛍石により形成されても良い。
フライアイ光学系12およびリレー光学系13を経た光は、ビームスプリッター14に入射する。ビームスプリッター14を透過した光は、上述したように、空間光変調器2に入射する。ビームスプリッター14で反射された光、すなわちビームスプリッター14により照明光路から取り出された光は、ビームモニター15に入射する。ビームモニター15は、照明光路から取り出された光に基づいて、空間光変調器2へ入射する光の配列面内の位置、空間光変調器2へ入射する光の配列面に対する角度、および空間光変調器2の配列面における光強度分布をモニターする。
ビームモニター15のモニター結果は、制御系CRへ供給される。制御系CRは、ビームモニター15の出力に基づいて、伝送光学系1および空間光変調器2を制御する。ビームモニター15は、位置モニター15aと、角度モニター15bと、強度分布モニター15cとを備えている。位置モニター15aは、空間光変調器2の配列面における光の入射位置をモニターする。角度モニター15bは、空間光変調器2へ入射する光の配列面における光の入射角度をモニターする。
強度分布モニター15cは、空間光変調器2の配列面における光強度分布を計測する。位置モニター15aおよび強度分布モニター15cは、空間光変調器2の配列面と光学的にほぼ共役な位置に配置された光電変換面を有する撮像部を備えている。角度モニター15bは、空間光変調器2の配列面に対してほぼ光学的にフーリエ変換となる位置に配置された光電変換面を有する撮像部を備えている。ビームモニター15の内部構成は、例えば米国特許公開第2011/0069305号公報に開示されている。
フライアイ光学系12およびリレー光学系13は、フライアイ光学系12の後側焦点位置とリレー光学系13の前側焦点位置とが一致するように配置されている。その結果、フライアイ光学系12の後側焦点面に形成された各小光源からの光は、リレー光学系13を介して平行光となり、空間光変調器2の配列面に入射する。別の表現をすれば、光軸AX上の小光源からの発散光線群は、リレー光学系13を介して光軸AXと平行な光線群となって空間光変調器2の配列面に入射する。なお、リレー光学系13の後側焦点位置と空間光変調器2の配列面との関係については後述する。
再び図1を参照すると、空間光変調器2から+Y方向へ射出された光は、リレーレンズ3を介して、マイクロフライアイレンズ(またはフライアイレンズ)4に入射する。リレーレンズ3は、その前側焦点位置が空間光変調器2の配列面の近傍に位置し、且つその後側焦点位置がマイクロフライアイレンズ4の入射面の近傍に位置しており、空間光変調器2の配列面とマイクロフライアイレンズ4の入射面とを光学的にフーリエ変換の関係に設定している。したがって、空間光変調器2を経た光は、後述するように、複数のミラー要素の姿勢に応じた光強度となるようにマイクロフライアイレンズ4の入射面に可変的に分布する。
マイクロフライアイレンズ4は、たとえば縦横に且つ稠密に配列された多数の正屈折力を有する微小レンズからなる光学素子であり、平行平面板にエッチング処理を施して微小レンズ群を形成することによって構成されている。マイクロフライアイレンズでは、互いに隔絶されたレンズエレメントからなるフライアイレンズとは異なり、多数の微小レンズ(微小屈折面)が互いに隔絶されることなく一体的に形成されている。しかしながら、レンズ要素が縦横に配置されている点でマイクロフライアイレンズはフライアイレンズと同じ波面分割型のオプティカルインテグレータである。
マイクロフライアイレンズ4における単位波面分割面としての矩形状の微小屈折面は、マスクM上において形成すべき照野の形状(ひいてはウェハW上において形成すべき露光領域の形状)と相似な矩形状である。なお、マイクロフライアイレンズ4として、例えばシリンドリカルマイクロフライアイレンズを用いることもできる。シリンドリカルマイクロフライアイレンズの構成および作用は、例えば米国特許第6913373号明細書に開示されている。
マイクロフライアイレンズ4に入射した光束は多数の微小レンズにより二次元的に分割され、その後側焦点面またはその近傍の照明瞳には、入射面に形成される光強度分布とほぼ同じ光強度分布を有する二次光源(多数の小光源からなる実質的な面光源:瞳強度分布)が形成される。マイクロフライアイレンズ4の直後の照明瞳に形成された二次光源からの光は、コンデンサー光学系5を介して、マスクブラインド6を重畳的に照明する。
こうして、照明視野絞りとしてのマスクブラインド6には、マイクロフライアイレンズ4の矩形状の微小屈折面の形状と焦点距離とに応じた矩形状の照野が形成される。なお、マイクロフライアイレンズ4の後側焦点面またはその近傍に、すなわち後述する投影光学系PLの入射瞳面と光学的にほぼ共役な位置に、二次光源に対応した形状の開口部(光透過部)を有する照明開口絞りを配置してもよい。
マスクブラインド6の矩形状の開口部(光透過部)を介した光束は、結像光学系7の集光作用を受け、且つ結像光学系7の光路中に配置された光路折曲げミラーにより−Z方向へ反射された後、所定のパターンが形成されたマスクMを重畳的に照明する。すなわち、結像光学系7は、マスクブラインド6の矩形状開口部の像をマスクM上に形成することになる。
マスクステージMS上に保持されたマスクMを透過した光束は、投影光学系PLを介して、ウェハステージWS上に保持されたウェハ(感光性基板)W上にマスクパターンの像を形成する。こうして、投影光学系PLの光軸AXと直交する平面(XY平面)内においてウェハステージWSを二次元的に駆動制御しながら、ひいてはウェハWを二次元的に駆動制御しながら一括露光またはスキャン露光を行うことにより、ウェハWの各露光領域にはマスクMのパターンが順次露光される。
本実施形態の露光装置は、伝送光学系1を含む照明光学系(1〜7)を介した光に基づいて照明光学系の射出瞳面における瞳強度分布を計測する第1瞳強度分布計測部DTrと、投影光学系PLを介した光に基づいて投影光学系PLの瞳面(投影光学系PLの射出瞳面)における瞳強度分布を計測する第2瞳強度分布計測部DTwと、第1および第2瞳強度分布計測部DTr,DTwのうちの少なくとも一方の計測結果に基づいて空間光変調器2を制御し且つ露光装置の動作を統括的に制御する制御系CRとを備えている。
第1瞳強度分布計測部DTrは、例えば照明光学系の射出瞳位置と光学的に共役な位置に配置された光電変換面を有する撮像部を備え、照明光学系による被照射面上の各点に関する瞳強度分布(各点に入射する光が照明光学系の射出瞳位置に形成する瞳強度分布)をモニターする。また、第2瞳強度分布計測部DTwは、例えば投影光学系PLの瞳位置と光学的に共役な位置に配置された光電変換面を有する撮像部を備え、投影光学系PLの像面の各点に関する瞳強度分布(各点に入射する光が投影光学系PLの瞳位置に形成する瞳強度分布)を計測する。
第1および第2瞳強度分布計測部DTr,DTwの詳細な構成および作用については、例えば米国特許公開第2008/0030707号明細書を参照することができる。また、瞳強度分布計測部として、米国特許公開第2010/0020302号公報の開示を参照することもできる。
本実施形態では、マイクロフライアイレンズ4により形成される二次光源を光源として、照明光学系の被照射面に配置されるマスクM(ひいてはウェハW)をケーラー照明する。このため、二次光源が形成される位置は投影光学系PLの開口絞りASの位置と光学的に共役であり、二次光源の形成面を照明光学系の照明瞳面と呼ぶことができる。また、この二次光源の形成面の像を照明光学系の射出瞳面と呼ぶことができる。典型的には、照明瞳面に対して被照射面(マスクMが配置される面、または投影光学系PLを含めて照明光学系と考える場合にはウェハWが配置される面)が光学的なフーリエ変換面となる。瞳強度分布とは、照明光学系の照明瞳面または当該照明瞳面と光学的に共役な面における光強度分布(輝度分布)である。
マイクロフライアイレンズ4による波面分割数が比較的大きい場合、マイクロフライアイレンズ4の入射面に形成される大局的な光強度分布と、二次光源全体の大局的な光強度分布(瞳強度分布)とが高い相関を示す。このため、マイクロフライアイレンズ4の入射面および当該入射面と光学的に共役な面も照明瞳面と呼ぶことができ、これらの面における光強度分布についても瞳強度分布と称することができる。図1の構成において、リレーレンズ3およびマイクロフライアイレンズ4は、空間光変調器2を経た光束に基づいてマイクロフライアイレンズ4の直後の照明瞳に瞳強度分布を形成する分布形成光学系を構成している。
次に、空間光変調器2の構成および作用を具体的に説明する。空間光変調器2は、図4に示すように、所定面内に配列された複数のミラー要素2aと、複数のミラー要素2aを保持する基盤2bと、基盤2bに接続されたケーブル(不図示)を介して複数のミラー要素2aの姿勢を個別に制御駆動する駆動部2cとを備えている。図4では、空間光変調器2からマイクロフライアイレンズ4の入射面4aまでの光路を示している。
空間光変調器2では、制御系CRからの指令に基づいて作動する駆動部2cの作用により、複数のミラー要素2aの姿勢がそれぞれ変化し、各ミラー要素2aがそれぞれ所定の向きに設定される。空間光変調器2は、図5に示すように、二次元的に配列された複数の微小なミラー要素2aを備え、入射した光に対して、その入射位置に応じた空間的な変調を可変的に付与して射出する。説明および図示を簡単にするために、図4および図5では空間光変調器2が4×4=16個のミラー要素2aを備える構成例を示しているが、実際には16個よりもはるかに多数、典型的には4000個〜100,000個程度のミラー要素2aを備えている。
図4を参照すると、空間光変調器2に入射する光線群のうち、光線L1は複数のミラー要素2aのうちのミラー要素SEaに、光線L2はミラー要素SEaとは異なるミラー要素SEbにそれぞれ入射する。同様に、光線L3はミラー要素SEa,SEbとは異なるミラー要素SEcに、光線L4はミラー要素SEa〜SEcとは異なるミラー要素SEdにそれぞれ入射する。ミラー要素SEa〜SEdは、その位置に応じて設定された空間的な変調を光L1〜L4に与える。
空間光変調器2では、すべてのミラー要素2aの反射面が1つの平面に沿って設定された基準状態において、伝送光学系1の光軸AXと平行な方向に沿って入射した光線が、空間光変調器2で反射された後に、リレーレンズ3の光軸AXと平行な方向に進むように構成されている。また、上述したように、空間光変調器2の複数のミラー要素2aの配列面とマイクロフライアイレンズ4の入射面4aとは、リレーレンズ3を介して光学的にフーリエ変換の関係に位置決めされている。
したがって、空間光変調器2の複数のミラー要素SEa〜SEdによって反射されて所定の角度分布が与えられた光は、マイクロフライアイレンズ4の入射面4aに所定の光強度分布SP1〜SP4を形成する。すなわち、リレーレンズ3は、空間光変調器2の複数のミラー要素SEa〜SEdが射出光に与える角度を、空間光変調器2のファーフィールド(フラウンホーファー回折領域)である入射面4a上での位置に変換する。こうして、マイクロフライアイレンズ4が形成する二次光源の光強度分布(瞳強度分布)は、空間光変調器2およびリレーレンズ3がマイクロフライアイレンズ4の入射面4aに形成する光強度分布に対応した分布となる。
空間光変調器2は、図5に示すように、平面状の反射面を上面にした状態で1つの平面に沿って規則的に且つ二次元的に配列された多数の微小な反射素子であるミラー要素2aを含む可動マルチミラーである。各ミラー要素2aは可動であり、その反射面の傾き、すなわち反射面の傾斜角および傾斜方向は、制御系CRからの制御信号に基づいて作動する駆動部2cの作用により独立に制御される。各ミラー要素2aは、その反射面に平行な二方向であって互いに直交する二方向を回転軸として、所望の回転角度だけ連続的或いは離散的に回転することができる。すなわち、各ミラー要素2aの反射面の傾斜を二次元的に制御することが可能である。
各ミラー要素2aの反射面を離散的に回転させる場合、回転角を複数の状態(例えば、・・・、−2.5度、−2.0度、・・・0度、+0.5度・・・+2.5度、・・・)で切り換え制御するのが良い。図5には外形が正方形状のミラー要素2aを示しているが、ミラー要素2aの外形形状は正方形に限定されない。ただし、光利用効率の観点から、ミラー要素2aの隙間が少なくなるように配列可能な形状(最密充填可能な形状)とすることができる。また、光利用効率の観点から、隣り合う2つのミラー要素2aの間隔を必要最小限に抑えることができる。
本実施形態では、空間光変調器2として、たとえば二次元的に配列された複数のミラー要素2aの向きを連続的にそれぞれ変化させる空間光変調器を用いている。このような空間光変調器として、たとえば欧州特許公開第779530号公報、米国特許第5,867,302号公報、米国特許第6,480,320号公報、米国特許第6,600,591号公報、米国特許第6,733,144号公報、米国特許第6,900,915号公報、米国特許第7,095,546号公報、米国特許第7,295,726号公報、米国特許第7,424,330号公報、米国特許第7,567,375号公報、米国特許公開第2008/0309901号公報、米国特許公開第2011/0181852号公報、並びに米国特許公開第2011/188017号公報に開示される空間光変調器を用いることができる。なお、二次元的に配列された複数のミラー要素2aの向きを離散的に複数の段階を持つように制御してもよい。
空間光変調器2では、制御系CRからの制御信号に応じて作動する駆動部2cの作用により、複数のミラー要素2aの姿勢がそれぞれ変化し、各ミラー要素2aがそれぞれ所定の向きに設定される。空間光変調器2の複数のミラー要素2aによりそれぞれ所定の角度で反射された光は、マイクロフライアイレンズ4の入射面4aの照明瞳に、ひいてはマイクロフライアイレンズ4の直後の照明瞳に、所望の瞳強度分布を形成する。
さらに、マイクロフライアイレンズ4の直後の照明瞳と光学的に共役な別の照明瞳の位置、すなわち結像光学系7の瞳位置および投影光学系PLの瞳位置(開口絞りASが配置されている位置)にも、所望の瞳強度分布が形成される。このように、空間光変調器2は、マイクロフライアイレンズ4の直後の照明瞳に瞳強度分布を可変的に形成する。リレーレンズ3は、空間光変調器2からの射出光束の角度方向の分布を、分布形成光学系からの射出光束の断面における位置分布に変換する。
本実施形態において、制御部CRには、必要に応じて、ビームモニター15の強度分布モニター15cから、空間光変調器2の配列面における光強度分布の計測結果が供給される。この場合、制御部CRは、強度分布モニター15cの光強度分布に関する計測結果を随時参照し、光源LSから供給される光のビームプロファイルの経時的な変動に応じて空間光変調器2を適宜制御することにより、所望の瞳強度分布を安定的に形成する。
また、制御部CRは、位置モニター15aの出力を参照して空間光変調器2の作用面へ入射する光束の位置変動を位置調整部材により微調整し、角度モニター15bの出力を参照して空間光変調器2の作用面へ入射する光束の角度変動を角度調整部材により微調整する。位置調整部材および角度調整部材として、例えばリレー光学系13の前側レンズ群13aとビームスプリッター14との間の光路中に配置された一対の電動チルトミラー(不図示)を用いることができる。
露光装置本体EX、すなわち空間光変調器2からウェハステージWSへ至る部分は、全体的にかなり大きな装置であり、設置のための所要床面積は大きい。また、露光装置に露光光(照明光)を供給する光源LSとして用いられるArFエキシマレーザ光源(またはKrFエキシマレーザ光源)もかなり大きな装置である。したがって、エキシマレーザ光源を用いる露光装置では、光源LSを露光装置本体(EX;2〜WS)からある程度離間させて配置することが多い。
一例として、光源LSが設置される階の上階に露光装置本体(EX;2〜WS)を設置し、光源LSの光出力口から射出された光を、伝送光学系1を介して、露光装置本体(EX;2〜WS)の光取入口に配置された空間光変調器2の配列面(作用面)まで導く場合もある。すなわち、光源LSの光出力口から空間光変調器2の配列面までの光路は比較的長い。
本実施形態の伝送光学系1では、フライアイ光学系12により波面分割された複数の部分光束が、リレー光学系13を介して、空間光変調器2の配列面(作用面)で重畳される。したがって、光源LSから射出された不均一なビームプロファイルを有する光が、フライアイ光学系12の作用により強度分布の均一性が向上した光となって、空間光変調器2の配列面へ入射する。すなわち、フライアイ光学系12の作用により、空間光変調器2の各ミラー要素2aへ入射する光束の光強度分布が均一化され、ひいては各ミラー要素2aから射出される光束の光強度分布も均一化される。
ここで、フライアイ光学系12に入射する光束の光束断面における強度分布よりも空間光変調器2の配列面に達する光束の光束断面における強度分布の方が均一性が良い場合、配列面においてほぼ均一な強度分布であるとみなすことができる。なお、均一性の評価尺度としては、光束断面内での強度分布のPV値(peak to valley value:最大値と最小値との差)、RMS(root mean square:自乗平均平方根)、標準偏差、またはコントラスト(最大強度をImax、最小強度をIminとするとき、(Imax−Imin)/(Imax+Imin)またはImax/Imin)などを用いることができる。
しかしながら、フライアイ光学系12を経て波面分割された複数の部分光束を空間光変調器2の配列面上の同じ領域で重畳させることにより各ミラー要素2aへ入射する光束の光強度分布の均一化を図る構成では、光源LSの空間コヒーレンシーが比較的高い場合、空間光変調器2の配列面上で干渉縞が発生する恐れがある。干渉縞の分布は光源LSの出力分布の変化に敏感に反応するため、空間光変調器2の配列面での光束の光強度分布の均一化に悪影響を及ぼす。
図6に示すように、コンデンサー光学系としてのリレー光学系13の後側焦点位置に空間光変調器2の配列面(作用面)2dが配置される通常の構成では、フライアイ光学系12の複数の屈折光学要素(12aa,12ba)を経た複数の部分光束は、配列面2d上の同じ領域で重畳される。その結果、第1屈折光学要素(12aaa,12baa)を経た第1部分光束31aと、第1屈折光学要素(12aaa,12baa)に隣り合う第2屈折光学要素(12aab,12bab)を経た第2部分光束31bとは、配列面2d上の同じ領域に達して干渉縞を形成する。
ただし、エキシマレーザ光源のような光源LSでは、空間コヒーレンシーがそれほど高くないので、第1屈折光学要素(12aaa,12baa)を経た第1部分光束31aと、第1屈折光学要素(12aaa,12baa)から離れた屈折光学要素を経た部分光束とは、空間光変調器2の配列面2d上の同じ領域に達しても干渉縞を形成しない。
そこで、図7に示すように、隣り合う第1の対をなす屈折光学要素(12aaa,12baa;12aab,12bab)を経た部分光束31a,31bが空間光変調器2の配列面2d上に形成する干渉縞と、第1の対から離れて隣り合う第2の対をなす屈折光学要素(12aac,12bac;12aad,12bad)を経た部分光束31c,31dが配列面2d上に形成する干渉縞との間で位相ずれを起こすように構成すれば、いわゆる相殺効果により配列面2d上での干渉縞のコントラストを低減することができる。
換言すれば、隣り合う第1の対をなす屈折光学要素(12aaa,12baa;12aab,12bab)を経た部分光束31a,31bが空間光変調器2の配列面2d上に重畳的に形成する照野と、第1の対から離れて隣り合う第2の対をなす屈折光学要素(12aac,12bac;12aad,12bad)を経た部分光束31c,31dが配列面2d上に重畳的に形成する照野とが互いに位置ずれするように構成すれば、相殺効果により配列面2d上での干渉縞のコントラストを低減することができる。
さらに別の表現をすれば、複数の屈折光学要素(12aa,12ba)における第1屈折光学要素を経た光束がリレー光学系13を介して空間光変調器2の配列面2d上に第1照野を形成し、第1屈折光学要素とは異なる第2屈折光学要素を経た光束がリレー光学系13を介して配列面2d上において第1照野から位置ずれした領域に第2照野を形成するように構成すれば、相殺効果により配列面2d上での干渉縞の発生を低減することができる。
本実施形態では、干渉縞の位相ずれにより配列面2d上での干渉縞のコントラストを低減する最も簡素な構成として、図8に示すように、リレー光学系13の後側焦点位置13cから光軸AX方向に距離Lだけ位置ずれした位置に空間光変調器2の配列面2dを配置する構成を採用している。なお、図8では、空間光変調器2の配列面2dが後側焦点位置13cから光軸AXに沿って後側(マスク側:図8中右側)に位置ずれした状態を示しているが、後側焦点位置13cから光軸AXに沿って前側(光源側:図8中左側)に配列面2dを位置ずれさせても良い。
具体的には、リレー光学系13の後側焦点位置13cと空間光変調器2の配列面2dとの光軸AXに沿った間隔Lが次の条件式(1)を満足することにより、干渉縞の位相ずれにより配列面2d上での干渉縞のコントラストを良好に低減することができる。条件式(1)において、Pはフライアイ光学系12において並列的に配置された複数の屈折光学要素(12aa,12ba)のピッチであり、Dはフライアイ光学系12からの射出光束の断面サイズであり、Fはフライアイ光学系12の焦点距離であり、λは光源LSから供給される光の波長である。
L>λ×F2/(P×D) (1)
本実施形態の伝送光学系1では、フライアイ光学系12により空間光変調器2の各ミラー要素2aへ入射する光束の光強度分布の均一化を図るとともに、リレー光学系13の後側焦点位置13cから光軸AX方向に距離Lだけ位置ずれした位置に空間光変調器2の配列面2dを配置しているので、干渉縞の位相ずれにより配列面2d上での干渉縞のコントラストを良好に低減し、ひいては光源LSの出力分布が変化してもほぼ均一な強度分布を有する光束を空間光変調器2の作用面へ安定的に導くことができる。その結果、瞳強度分布の形成に際して多数のミラー要素2aを駆動すべき空間光変調器2の制御性が向上する。
本実施形態の照明光学系(1〜7)では、光源LSの出力分布が変化してもほぼ均一な強度分布を有する光束を空間光変調器2の作用面へ安定的に導く伝送光学系1を用いて、マイクロフライアイレンズ4の直後の照明瞳に、所望の瞳強度分布を安定的に形成することができる。本実施形態の露光装置(1〜WS)では、所望の瞳強度分布を安定的に形成する照明光学系(1〜7)を用いて、転写すべきマスクMのパターンの特性に応じて実現された適切な照明条件のもとで、微細パターンをウェハWに正確に転写することができる。
ところで、フライアイ光学系12を用いて空間光変調器2の各ミラー要素2aへ入射する光束の光強度分布の均一化を図る構成では、屈折光学要素(12aa,12ba)のフレネルナンバーが比較的小さい場合、図9〜図11を参照して以下に説明するように、回折の影響により、光源LSの出力分布の変化に伴って空間光変調器2の配列面での光束の光強度分布が変化する恐れがある。
フライアイ光学系12を構成する複数の屈折光学要素のうちの1つの屈折光学要素に着目し、この屈折光学要素を経た部分光束がリレー光学系13を介して空間光変調器2の配列面を照射する系は、図9に示すようなパーシャリーコヒーレント照明下の結像系と考えることができる。図9は、フライアイ光学系12の後側焦点面(すなわち屈折光学要素(12aa,12ba)の後側焦点面)とフライアイ光学系12の射出面(すなわちレンズ要素12baの射出面)とが一致する理想的な配置に光学的に対応する結像系を示している。
図9において、フライアイ光学系12の屈折光学要素の入射面(すなわちレンズ要素12aaの入射面)が結像系の物体面41に対応し、フライアイ光学系12の射出面が開口絞り42の面に対応し、空間光変調器2の配列面が結像系の像面43に対応している。図9では、光源LSから光軸AXに沿った光束がフライアイ光学系12に入射する状態を示している。図9の構成では、屈折光学要素(12aa,12ba)を経た光が小光源44を形成する位置と、開口絞り42の位置(フライアイ光学系12の射出面の位置)とが一致している。また、小光源44は、開口絞り42の開口部の中央に形成される。
図10は、図9の結像系において、光源LSからフライアイ光学系12に入射する光束が光軸AXに対して傾いた場合を示している。この場合、物体面41と像面43とは光学的に共役であるから、像面43に対応する空間光変調器2の配列面上の照度分布は図9の状態から変化しない。また、屈折光学要素(12aa,12ba)を経た光が小光源44を形成する位置と、開口絞り42の位置とが一致している。ただし、小光源44は、開口絞り42の開口部の中央から偏心して形成される。
実際には、上述したように照射エネルギによる損傷を回避するために、フライアイ光学系12の後側焦点位置(すなわち屈折光学要素(12aa,12ba)の後側焦点位置)は、フライアイ光学系12の射出面(すなわちレンズ要素12baの射出面)よりも後側(射出側)にある。図11は、フライアイ光学系12の後側焦点面がフライアイ光学系12の射出面よりも後側にある通常の配置に光学的に対応する結像系を示している。図11に示す通常の構成では、フライアイ光学系12の前側焦点面がフライアイ光学系12の屈折光学要素の入射面(すなわちレンズ要素12aaの入射面)と一致しているので、物体面41と像面43とは光学的に共役である。
また、図11の構成では、屈折光学要素(12aa,12ba)を経た光により小光源44の形成される位置が、開口絞り42の位置(フライアイ光学系12の射出面の位置)よりも後側になっている。したがって、図11の結像系において、光源LSからフライアイ光学系12に入射する光束が光軸AXに対して傾いた場合、小光源44を形成する光束の一部が開口絞り42において矢印F1で示す領域で遮られ、ひいては像面43(空間光変調器2の配列面)において矢印F2で示す領域の照度が低下してしまう。
図11に示すように、開口絞り42の位置(フライアイ光学系12の射出面の位置)が小光源44の形成される位置(フライアイ光学系12の後側焦点位置)に対して位置ずれしていると、開口絞り42により回折光が遮られる程度が像面43における像高により異なり、ひいては空間光変調器2の配列面上の光強度分布に偏りが生じる。屈折光学要素(12aa,12ba)のフレネルナンバーが比較的大きい場合には開口絞り42により回折光が遮られることの影響は軽微であるが、フレネルナンバーが比較的小さい場合にはそもそも開口絞り42の開口部を通過できる回折光の総量が小さいため、開口絞り42により回折光が遮られることの影響は大きい。
そこで、図12に示す別の実施形態では、屈折光学要素(12aa,12ba)の前側焦点位置12cがレンズ要素12aaの入射面よりも後側に位置し、屈折光学要素(12aa,12ba)の後側焦点位置12dがレンズ要素12baの射出面よりも後側に位置するように、フライアイ光学系12を構成している。換言すれば、屈折光学要素(12aa,12ba)の前側焦点位置12cが屈折光学要素(12aa,12ba)の入射面よりも後側に位置し、屈折光学要素(12aa,12ba)の後側焦点位置12dが屈折光学要素(12aa,12ba)の射出面よりも後側に位置するように、フライアイ光学系12を構成している。
図13は、図12の構成に光学的に対応する結像系を示す図である。図12の構成では、フライアイ光学系12の前側焦点面がフライアイ光学系12の屈折光学要素の入射面(すなわちレンズ要素12aaの入射面)よりも後側に位置しているので、図13に示すように、物体面41と像面43とは光学的に共役ではなく、物体面41は像面43と光学的に共役な位置(図中破線で示す位置)よりも前側に位置することになる。換言すれば、フライアイ光学系12の入射面に対応する物体面41が、空間光変調器2の作用面に対応する像面43に対して位置ずれ(デフォーカス)している。その結果、開口絞り42において回折光が遮られることによって像面43において照度が低下する領域の方へ(図中下方へ)照度分布が全体的にシフトし、ひいては像面43における照度分布の偏りが良好に調整(補正)される。
図12に示す別の実施形態にかかる伝送光学系1では、フライアイ光学系12の前側焦点位置がフライアイ光学系12の入射面(すなわちレンズ要素12aaの入射面)よりも後側に位置し、フライアイ光学系12の後側焦点位置がフライアイ光学系12の射出面(すなわちレンズ要素12baの射出面)よりも後側に位置している。その結果、空間光変調器2の作用面に対するフライアイ光学系12の入射面のデフォーカス効果により、回折の影響による空間光変調器2の作用面での照度分布の偏りが良好に調整され、ひいては光源LSの出力分布が変化してもほぼ均一な強度分布を有する光束を空間光変調器2の作用面へ安定的に導くことができる。
なお、図12に示す別の実施形態ではフライアイ光学系12の後側焦点位置が射出面よりも後側にあるが、これに限定されることなく、フライアイ光学系12の後側焦点位置が射出面よりも前側にある変形例も可能である。一例として、図14に示すように、屈折光学要素(12aa,12ba)の前側焦点位置12cがレンズ要素12aaの入射面よりも前側に位置し、屈折光学要素(12aa,12ba)の後側焦点位置12dがレンズ要素12aaと12baとの間に、すなわちレンズ要素12baの入射面よりも前側に位置するように、フライアイ光学系12を構成することも可能である。
換言すれば、図14の変形例では、屈折光学要素(12aa,12ba)の前側焦点位置12cが屈折光学要素(12aa,12ba)の入射面よりも前側に位置し、屈折光学要素(12aa,12ba)の後側焦点位置12dが屈折光学要素(12aa,12ba)の射出面よりも前側に位置するように、フライアイ光学系12を構成している。
図15(a)は、フライアイ光学系12の後側焦点面がフライアイ光学系12の射出面よりも前側にある通常の配置に光学的に対応する結像系を示している。図15(a)に示す通常の構成では、フライアイ光学系12の前側焦点面がフライアイ光学系12の屈折光学要素の入射面(すなわちレンズ要素12aaの入射面)と一致しているので、物体面41と像面43とは光学的に共役である。
また、図15(a)の構成では、屈折光学要素(12aa,12ba)を経た光により小光源44の形成される位置が、開口絞り42の位置(フライアイ光学系12の射出面の位置)よりも前側になっている。したがって、図15(a)の結像系において、光源LSからフライアイ光学系12に入射する光束が光軸AXに対して傾いた場合、小光源44を形成する光束の一部が開口絞り42において矢印F1で示す領域で遮られ、ひいては像面43(空間光変調器2の配列面)において矢印F2で示す領域の照度が低下してしまう。
図15(b)は、図14の構成に光学的に対応する結像系を示す図である。図14の変形例では、フライアイ光学系12の前側焦点面がフライアイ光学系12の屈折光学要素の入射面(すなわちレンズ要素12aaの入射面)よりも前側に位置しているので、図15(b)に示すように、物体面41と像面43とは光学的に共役ではなく、物体面41は像面43と光学的に共役な位置(図中破線で示す位置)よりも後側に位置することになる。換言すれば、フライアイ光学系12の入射面に対応する物体面41が、空間光変調器2の作用面に対応する像面43に対して位置ずれしている。その結果、開口絞り42において回折光が遮られることによって像面43において照度が低下する領域の方へ(図中上方へ)照度分布が全体的にシフトし、ひいては像面43における照度分布の偏りが良好に調整される。
なお、上述の説明では、一対のレンズアレイ部材12aおよび12bからなるフライアイ光学系12を用いている。しかしながら、これに限定されることなく、フライアイ光学系の具体的な構成については様々な変形例が可能である。一例として、フライアイ光学系12に代えて、単一のレンズアレイ部材からなるフライアイ光学系、シリンドリカルマイクロフライアイレンズなどを用いることもできる。
また、フライアイ光学系12の一対のレンズアレイ部材12aおよび12bのレンズ要素12aa,12baの屈折力は負屈折力であっても良く、それらの屈折面(レンズ面)は非球面形状、たとえば各レンズ要素の光軸を中心とした回転対称な非球面形状であっても良い。また、シリンドリカルマイクロフライアイレンズの構成および作用は、例えば米国特許第6913373号明細書に開示されている。
上述の実施形態では、二次元的に配列されて個別に制御される複数のミラー要素を有する空間光変調器として、二次元的に配列された複数の反射面の向き(角度:傾き)を個別に制御可能な空間光変調器2を用いている。しかしながら、これに限定されることなく、たとえば二次元的に配列された複数の反射面の高さ(位置)を個別に制御可能な空間光変調器を用いることもできる。このような空間光変調器としては、たとえば米国特許第5,312,513号公報、並びに米国特許第6,885,493号公報の図1dに開示される空間光変調器を用いることができる。これらの空間光変調器では、二次元的な高さ分布を形成することで回折面と同様の作用を入射光に与えることができる。なお、上述した二次元的に配列された複数の反射面を持つ空間光変調器を、たとえば米国特許第6,891,655号公報や、米国特許公開第2005/0095749号公報の開示に従って変形しても良い。
上述の実施形態では、照明光学系(1〜7)の照明瞳に瞳強度分布を形成するために入射光に角度分布を付与する作用面を持つ光学部材として、作用面内で二次元的に配列された複数のミラー要素2aを有する反射型の空間光変調器2を用いている。しかしながら、これに限定されることなく、所定面内に配列されて個別に制御される複数の透過光学要素を備えた透過型の空間光変調器、回折光学面(作用面)を有する回折光学素子などを用いることもできる。
上述の実施形態では、マスクの代わりに、所定の電子データに基づいて所定パターンを形成する可変パターン形成装置を用いることができる。なお、可変パターン形成装置としては、たとえば所定の電子データに基づいて駆動される複数の反射素子を含む空間光変調素子を用いることができる。空間光変調素子を用いた露光装置は、たとえば米国特許公開第2007/0296936号公報に開示されている。また、上述のような非発光型の反射型空間光変調器以外に、透過型空間光変調器を用いても良く、自発光型の画像表示素子を用いても良い。
上述の実施形態の露光装置は、本願特許請求の範囲に挙げられた各構成要素を含む各種サブシステムを、所定の機械的精度、電気的精度、光学的精度を保つように、組み立てることで製造される。これら各種精度を確保するために、この組み立ての前後には、各種光学系については光学的精度を達成するための調整、各種機械系については機械的精度を達成するための調整、各種電気系については電気的精度を達成するための調整が行われる。各種サブシステムから露光装置への組み立て工程は、各種サブシステム相互の、機械的接続、電気回路の配線接続、気圧回路の配管接続等が含まれる。この各種サブシステムから露光装置への組み立て工程の前に、各サブシステム個々の組み立て工程があることはいうまでもない。各種サブシステムの露光装置への組み立て工程が終了したら、総合調整が行われ、露光装置全体としての各種精度が確保される。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行っても良い。
次に、上述の実施形態にかかる露光装置を用いたデバイス製造方法について説明する。図16は、半導体デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図16に示すように、半導体デバイスの製造工程では、半導体デバイスの基板となるウェハWに金属膜を蒸着し(ステップS40)、この蒸着した金属膜上に感光性材料であるフォトレジストを塗布する(ステップS42)。つづいて、上述の実施形態の投影露光装置を用い、マスク(レチクル)Mに形成されたパターンをウェハW上の各ショット領域に転写し(ステップS44:露光工程)、この転写が終了したウェハWの現像、つまりパターンが転写されたフォトレジストの現像を行う(ステップS46:現像工程)。
その後、ステップS46によってウェハWの表面に生成されたレジストパターンをマスクとし、ウェハWの表面に対してエッチング等の加工を行う(ステップS48:加工工程)。ここで、レジストパターンとは、上述の実施形態の投影露光装置によって転写されたパターンに対応する形状の凹凸が生成されたフォトレジスト層であって、その凹部がフォトレジスト層を貫通しているものである。ステップS48では、このレジストパターンを介してウェハWの表面の加工を行う。ステップS48で行われる加工には、例えばウェハWの表面のエッチングまたは金属膜等の成膜の少なくとも一方が含まれる。なお、ステップS44では、上述の実施形態の投影露光装置は、フォトレジストが塗布されたウェハWを、感光性基板としてパターンの転写を行う。
図17は、液晶表示素子等の液晶デバイスの製造工程を示すフローチャートである。図17に示すように、液晶デバイスの製造工程では、パターン形成工程(ステップS50)、カラーフィルタ形成工程(ステップS52)、セル組立工程(ステップS54)およびモジュール組立工程(ステップS56)を順次行う。ステップS50のパターン形成工程では、プレートPとしてフォトレジストが塗布されたガラス基板上に、上述の実施形態の投影露光装置を用いて回路パターンおよび電極パターン等の所定のパターンを形成する。このパターン形成工程には、上述の実施形態の投影露光装置を用いてフォトレジスト層にパターンを転写する露光工程と、パターンが転写されたプレートPの現像、つまりガラス基板上のフォトレジスト層の現像を行い、パターンに対応する形状のフォトレジスト層を生成する現像工程と、この現像されたフォトレジスト層を介してガラス基板の表面を加工する加工工程とが含まれている。
ステップS52のカラーフィルタ形成工程では、R(Red)、G(Green)、B(Blue)に対応する3つのドットの組をマトリックス状に多数配列するか、またはR、G、Bの3本のストライプのフィルタの組を水平走査方向に複数配列したカラーフィルタを形成する。ステップS54のセル組立工程では、ステップS50によって所定パターンが形成されたガラス基板と、ステップS52によって形成されたカラーフィルタとを用いて液晶パネル(液晶セル)を組み立てる。具体的には、例えばガラス基板とカラーフィルタとの間に液晶を注入することで液晶パネルを形成する。ステップS56のモジュール組立工程では、ステップS54によって組み立てられた液晶パネルに対し、この液晶パネルの表示動作を行わせる電気回路およびバックライト等の各種部品を取り付ける。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置への適用に限定されることなく、例えば、角型のガラスプレートに形成される液晶表示素子、若しくはプラズマディスプレイ等のディスプレイ装置用の露光装置や、撮像素子(CCD等)、マイクロマシーン、薄膜磁気ヘッド、及びDNAチップ等の各種デバイスを製造するための露光装置にも広く適用できる。更に、本発明は、各種デバイスのマスクパターンが形成されたマスク(フォトマスク、レチクル等)をフォトリソグラフィ工程を用いて製造する際の、露光工程(露光装置)にも適用することができる。
なお、上述の実施形態では、露光光としてArFエキシマレーザ光(波長:193nm)やKrFエキシマレーザ光(波長:248nm)を用いているが、これに限定されることなく、他の適当なパルスレーザ光源、たとえば波長157nmのレーザ光を供給するF2レーザ光源、波長146nmのレーザ光を供給するKr2レーザ光源、波長126nmのレーザ光を供給するAr2レーザ光源などを用いることができる。また、g線(波長436nm)、i線(波長365nm)などの輝線を発する超高圧水銀ランプなどのCW(Continuous Wave)光源を用いることも可能である。また、YAGレーザの高調波発生装置などを用いることもできる。この他、例えば米国特許第7,023,610号明細書に開示されているように、真空紫外光としてDFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。
また、上述の実施形態において、投影光学系と感光性基板との間の光路中を1.1よりも大きな屈折率を有する媒体(典型的には液体)で満たす手法、所謂液浸法を適用しても良い。この場合、投影光学系と感光性基板との間の光路中に液体を満たす手法としては、国際公開第WO99/49504号パンプレットに開示されているような局所的に液体を満たす手法や、特開平6−124873号公報に開示されているような露光対象の基板を保持したステージを液槽の中で移動させる手法や、特開平10−303114号公報に開示されているようなステージ上に所定深さの液体槽を形成し、その中に基板を保持する手法などを採用することができる。ここでは、国際公開第WO99/49504号パンフレット、特開平6−124873号公報および特開平10−303114号公報の教示を参照として援用する。
また、上述の実施形態において、米国公開公報第2006/0170901号及び第2007/0146676号に開示されるいわゆる偏光照明方法を適用することも可能である。ここでは、米国特許公開第2006/0170901号公報及び米国特許公開第2007/0146676号公報の教示を参照として援用する。
また、上述の実施形態では、露光装置においてマスク(またはウェハ)を照明する照明光学系に対して本発明を適用しているが、これに限定されることなく、マスク(またはウェハ)以外の被照射面を照明する一般的な照明光学系に対して本発明を適用することもできる。
1 伝送光学系
12 フライアイ光学系
13 リレー光学系
14 ビームスプリッター
15 ビームモニター
2 空間光変調器
3 リレーレンズ
4 マイクロフライアイレンズ
5 コンデンサー光学系
6 マスクブラインド
7 結像光学系
LS 光源
DTr,DTw 瞳強度分布計測部
CR 制御系
M マスク
MS マスクステージ
PL 投影光学系
W ウェハ
WS ウェハステージ

Claims (17)

  1. 光源からの光により被照射面を照明する照明光学系であって該照明光学系の照明瞳に瞳強度分布を形成するために入射光に角度分布を付与する作用面を持つ照明光学系の光路中に配置されて、前記光源からの光を前記作用面まで導く伝送光学系において、
    並列的に配置された複数の屈折光学要素からなるフライアイ光学系と、
    前記フライアイ光学系により波面分割された複数の光束を前記作用面上で重畳させるコンデンサー光学系とを備え、
    前記複数の屈折光学要素における第1屈折光学要素を経た光束が前記コンデンサー光学系を介して前記作用面上に第1照野を形成し、前記第1屈折光学要素とは異なる第2屈折光学要素を経た光束が前記コンデンサー光学系を介して前記作用面上において前記第1照野から位置ずれした領域に第2照野を形成するように構成されていることを特徴とする伝送光学系。
  2. 前記作用面は、前記コンデンサー光学系の後側焦点位置から前記コンデンサー光学系の光軸方向に位置ずれした位置に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の伝送光学系。
  3. 並列的に配置された前記複数の屈折光学要素のピッチをPとし、前記フライアイ光学系からの射出光束の断面サイズをDとし、前記フライアイ光学系の焦点距離をFとし、前記光源から供給される光の波長をλとするとき、前記光軸に沿った前記後側焦点位置と前記作用面との間隔Lは、
    L>λ×F2/(P×D)
    の条件を満足することを特徴とする請求項2に記載の伝送光学系。
  4. 光源からの光により被照射面を照明する照明光学系であって該照明光学系の照明瞳に瞳強度分布を形成するために入射光に角度分布を付与する作用面を持つ照明光学系の光路中に配置されて、前記光源からの光を前記作用面まで導く伝送光学系において、
    並列的に配置された複数の屈折光学要素からなるフライアイ光学系と、
    前記フライアイ光学系により波面分割された複数の光束を前記作用面上で重畳させるコンデンサー光学系とを備え、
    前記フライアイ光学系は、前記屈折光学要素の前側焦点位置が前記屈折光学要素の入射面よりも後側に位置し、前記屈折光学要素の後側焦点位置は前記屈折光学要素の射出面よりも後側に位置するように構成されていることを特徴とする伝送光学系。
  5. 前記屈折光学要素は、第1要素と、該第1要素から後側へ間隔を隔てて配置された第2要素とを有し、
    前記フライアイ光学系は、前記屈折光学要素の前側焦点位置が前記第1要素の入射面よりも後側に位置し、前記屈折光学要素の後側焦点位置は前記第2要素の射出面よりも後側に位置するように構成されていることを特徴とする請求項4に記載の伝送光学系。
  6. 光源からの光により被照射面を照明する照明光学系であって該照明光学系の照明瞳に瞳強度分布を形成するために入射光に角度分布を付与する作用面を持つ照明光学系の光路中に配置されて、前記光源からの光を前記作用面まで導く伝送光学系において、
    並列的に配置された複数の屈折光学要素からなるフライアイ光学系と、
    前記フライアイ光学系により波面分割された複数の光束を前記作用面上で重畳させるコンデンサー光学系とを備え、
    前記フライアイ光学系は、前記屈折光学要素の前側焦点位置が前記屈折光学要素の入射面よりも前側に位置し、前記屈折光学要素の後側焦点位置は前記屈折光学要素の射出面よりも前側に位置するように構成されていることを特徴とする伝送光学系。
  7. 前記屈折光学要素は、第1要素と、該第1要素から後側へ間隔を隔てて配置された第2要素とを有し、
    前記フライアイ光学系は、前記屈折光学要素の前側焦点位置が前記第1要素の入射面よりも前側に位置し、前記屈折光学要素の後側焦点位置は前記第2要素の射出面よりも前側に位置するように構成されていることを特徴とする請求項6に記載の伝送光学系。
  8. 前記コンデンサー光学系と前記作用面との間の光路から取り出した光に基づいて、前記作用面へ入射する光の前記光路を横切る面内の位置をモニターする位置モニターを備えていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の伝送光学系。
  9. 前記コンデンサー光学系と前記作用面との間の光路から取り出した光に基づいて、前記作用面へ入射する光の前記作用面に対する角度をモニターする角度モニターを備えていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の伝送光学系。
  10. 光源からの光により被照射面を照明する照明光学系において、
    請求項1乃至9のいずれか1項に記載の伝送光学系と、
    前記作用面に沿って配列されて個別に制御される複数の光学要素を有し、入射光を空間的に変調して射出する空間光変調器とを備えていることを特徴とする照明光学系。
  11. 前記空間光変調器は、前記作用面内で二次元的に配列された複数のミラー要素と、該複数のミラー要素の姿勢を個別に制御駆動する駆動部とを有することを特徴とする請求項10に記載の照明光学系。
  12. 前記空間光変調器を介した光に基づいて、前記照明瞳に前記瞳強度分布を形成する分布形成光学系を備えていることを特徴とする請求項10または11に記載の照明光学系。
  13. 前記分布形成光学系は、前記作用面と光学的にフーリエ変換の関係にある位置に入射面が配置された波面分割型のオプティカルインテグレータを有することを特徴とする請求項12に記載の照明光学系。
  14. 前記被照射面と光学的に共役な面を形成する投影光学系と組み合わせて用いられ、前記照明瞳は前記投影光学系の開口絞りと光学的に共役な位置であることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の照明光学系。
  15. 所定のパターンを照明するための請求項1乃至14のいずれか1項に記載の照明光学系を備え、前記所定のパターンを基板に露光することを特徴とする露光装置。
  16. 前記所定のパターンの像を前記基板上に形成する投影光学系を備え、前記照明瞳は前記投影光学系の開口絞りと光学的に共役な位置であることを特徴とする請求項15に記載の露光装置。
  17. 請求項15または16に記載の露光装置を用いて、前記所定のパターンを前記基板に露光することと、
    前記所定のパターンが転写された前記基板を現像し、前記所定のパターンに対応する形状のマスク層を前記基板の表面に形成することと、
    前記マスク層を介して前記基板の表面を加工することと、を含むことを特徴とするデバイス製造方法。
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