以下、本発明の一実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図面の説明において、同一の要素同士、或いは相当する要素同士には互いに同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。
図1は、本実施形態に係る電池パックの部分的な構成を示す図である。図1に示されるように、電池パック1は、筐体2と、複数の電池モジュール3と、複数のバスバー4,5,6と、別の複数のバスバー7,8,9と、さらに別の一対のバスバー10,11と、を備えている。筐体2は、例えば箱状である。筐体2は、電池モジュール3を収容している。筐体2は、複数の壁部を有する。ここでは、複数の壁部のうち、1つの壁部12の一部を図示する。壁部12は、壁面12sを含む。電池モジュール3は、それぞれ、壁面12sに取り付けられている。
図2は、図1に示された電池モジュールを示す斜視図である。図3は、図1に示された電池モジュールの上面図である。図1〜3に示されるように、ここでは、3つの電池モジュール3(電池モジュール3A,3B,3C)が示されている。電池モジュール3は、複数の電池セル13と、一対のモジュール端子14,15と、一対の固定部材16,17と、弾性部材18と、複数のセルホルダ19と、複数の伝熱プレート20と、を有している。電池セル13の個数は、一例として13個である。セルホルダ19の個数及び伝熱プレート20の個数は、例えば、電池セル13の個数と同数である。
図4は、図1〜3に示された電池セルの斜視図である。図1〜4に示されるように、電池セル13は、第1の方向に沿って互いに積層されている。電池セル13は、例えば、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。電池セル13は、電極組立体21と、ケース22と、一対の電極端子24,25と、を有している。電極組立体21は、複数の正極(不図示)及び負極(不図示)と、正極と負極との間に介在されたセパレータ(不図示)と、を含む。
正極及び負極は、セパレータを介して交互に積層されている。正極及び負極の積層方向は、電池セル13の積層方向(第1の方向)と実質的に一致している。電極組立体21は、ケース22に収容されている。電極端子24,25は、電極組立体21の電極(正極及び負極のそれぞれ)に電気的に接続されている。電極端子24の極性と電極端子25の極性とは互いに異なる。例えば、電極端子24は正極側の端子であり、電極端子25は負極側の端子である。
ケース22は、例えば直方体状である。ケース22は、互いに略平行な一対の側面22a,22bと、互いに略平行な一対の側面22c,22dと、互いに略平行な上面22e及び底面22fと、を含む。側面22a,22b、上面22e、及び、底面22fは、第1の方向に沿った面である。側面22c,22dは、第1の方向に交差する面である。電極端子24,25は、上面22eから突出している。電池セル13は、それぞれ、セルホルダ19に保持されている。
セルホルダ19は、互いに略平行な一対の側壁部19a,19bと、背面部19e及び底壁部19fと、を含む。背面部19eは、側壁部19a,19bの長手方向の一端部において側壁部19aと側壁部19bとを互いに接続している。底壁部19fは、側壁部19a,19bの長手方向の他端部において側壁部19aと側壁部19bとを互いに接続している。セルホルダ19においては、側壁部19a,19bと背面部19e及び底壁部19fとによって、電池セル13が嵌め合される直方体状の空間部が画成されている。
側壁部19a,19bは、それぞれ、当該空間部に電池セル13が嵌め合されたときに側面22a,22b上に配置される。同様に、背面部19eは、上面22e近傍において、側面22d上に配置される。さらに、底壁部19fは、底面22f上に配置される。背面部19eには、一対の突設部19pが設けられている。また、底壁部19fにも、一対の突設部19pが設けられている。突設部19pには、貫通孔19hが形成されている。この貫通孔19hには、電池セル13を拘束する際にボルトA1が挿通される。
伝熱プレート20は、電池セル13と筐体2とを熱的に接続する。伝熱プレート20は、矩形板状の本体部20aと、矩形板状の延在部20bと、を含む。伝熱プレート20は、一例として、本体部20aと延在部20bとによってL字板状に形成されている。本体部20aは、電池セル13(ケース22)の側面22d上に配置される。延在部20bは、本体部20aから第1の方向に沿って延び、電池セル13の側面22a上に配置される。延在部20bは、セルホルダ19の側壁部19aを介して側面22a上に配置される。
引き続き、電池モジュール3の各部を説明する。ここでは、固定部材16,17は、電池モジュール3の第1の方向における両端に配置されている。固定部材16,17は、電池モジュール3を筐体2の壁面12sに固定する。より具体的には、固定部材16は、電池モジュール3の第1の方向における一端3aに配置されている。固定部材16は、拘束部16aと固定部16bとを含む。
拘束部16aは、例えば矩形板状である。拘束部16aは、第1の方向に交差する。拘束部16aは、電池セル13の側面22c,22dに対向している。固定部16bは、例えば矩形板状である。固定部16bは、第1の方向に沿って拘束部16aから電池モジュールの外側に向けて延設されている。固定部16bは、壁面12sに対向している。固定部材16は、拘束部16aと固定部16bとによって、L字板状に形成されている。
固定部材17は、電池モジュール3の第1の方向における他端3bに配置されている。固定部材17は、拘束部17aと固定部17bとを含む。拘束部17aは、例えば矩形板状である。拘束部17aは、第1の方向に交差する。拘束部17aは、電池セル13の側面22c,22dに対向している。固定部17bは、例えば矩形板状である。固定部17bは、第1の方向に沿って拘束部17aから電池モジュールの外側に向けて延設されている。固定部17bは、壁面12sに対向している。固定部材17は、拘束部17aと固定部17bとによって、L字板状に形成されている。
固定部材16,17は、拘束部16aと拘束部17aとによって電池セル13を挟んだ状態において、拘束部16aと拘束部17aとを締結することにより、複数の電池セル13を互いに拘束して一体化する。拘束部16aと拘束部17aとの締結は、例えば、セルホルダ19の貫通孔19hを介して拘束部16aと拘束部17aとに挿通された複数のボルトA1を用いて行うことができる。なお、弾性部材18は、ここでは、電池モジュール3の第1の方向における一端3a側の固定部材16と、固定部材16に隣接する電池セル13との間に配置されている。弾性部材18は、電池セル13と共に拘束されている。
固定部材16,17は、拘束部16a,17aを用いて電池セル13を拘束した状態において、固定部16b,17bを壁面12sに接触させて固定することにより、電池モジュール3を壁面12sに固定する。したがって、固定部16b,17bは、電池モジュール3における壁面12s側の端部3cに配置される。固定部16b,17bの壁面12sへの固定には、例えば、固定部16b,17bに挿通されたボルトA2を用いることができる。
なお、電池モジュール3は、壁面12sへの固定の際に、伝熱プレート20の延在部20bが壁面12s側になるように配置される。これにより、延在部20bの表面が壁面12sに対向する。そして、延在部20bと壁面12sとの間には、互いの熱的な接触を確保するために、熱伝導部材(不図示)が介在される場合がある。
ここで、モジュール端子14,15は、電池セル13の電極端子24,25に電気的に接続されている。より具体的には、まず、複数の電池セル13は、その積層方向に沿って電極端子24及び電極端子25の位置が交互になるように配列されている。そして、電池セル13は、例えばバスバー(不図示)によって互いに隣り合う電池セル13の電極端子24と電極端子25とを接続することにより、互いに直列に電気的に接続されている。
モジュール端子14は、例えば、電池モジュール3における第1の方向の一端3aに位置する電池セル13の電極端子24に電気的に接続されている。また、モジュール端子15は、例えば、電池モジュール3における第1の方向の他端3bに位置する電池セル13の電極端子25に電気的に接続されている。一例として、モジュール端子14は、正極側の端子であり、いわゆる総プラス端子である。また、一例として、モジュール端子15は、負極側の端子であり、いわゆる総マイナス端子である。
モジュール端子14,15は、電池モジュール3における筐体2の壁面12s側の端部3cに配置されている。すなわち、モジュール端子14,15は、電池モジュール3における第1の方向に交差する第2の方向(幅方向)について、中心よりも壁面12s側に配置されている。また、モジュール端子14,15は、筐体2において、電池モジュール3同士を電気的に接続する際に開放されている側(例えば蓋部材側)に面している。すなわち、モジュール端子14,15は、第1の方向及び壁面12sに沿うと共に壁面12sと反対側に臨む。
モジュール端子14は、例えば、電極端子24からトレイT上に引き出されたバスバーB1によって、電極端子24に電気的に接続されている。モジュール端子14には、ネジ孔14hが形成されている。モジュール端子14における壁面12s側の面上には、板状のモジュール端子14を支持する支持体14sが配置されている。ネジ孔14hは、モジュール端子14を貫通し、支持体14sに設けられたネジ孔(不図示)に連続している。支持体14sは、例えば、トレイTと一体に形成されている。
モジュール端子15は、例えば、電極端子25からトレイT上に引き出されて電子部品Eに接続されるバスバーB2と、電子部品Eから引き出されてモジュール端子15に接続されるバスバーB3と、によって、電極端子25に電気的に接続されている。モジュール端子15には、ネジ孔15hが形成されている。モジュール端子15における壁面12s側の面上には、板状のモジュール端子15を支持する支持体15sが配置されている。ネジ孔15hは、モジュール端子15を貫通し、支持体15sに設けられたネジ孔(不図示)に連続している。支持体15sは、例えば、トレイTと一体に形成されている。
なお、トレイTは、電池セル13の電極端子24,25が配列された面(上面22e)上に配置され、セルホルダ19に保持(固定)されている。電子部品Eは、トレイT上に配置されている。電子部品Eは、例えば、電池セル13の放電と放電の遮断とを制御するリレーである。
ここで、図5は、図1に示された電池モジュール同士のバスバーによる接続部分の拡大図である。図6は、図1,5に示されたバスバーを示す図である。図1,5,6に示されるように、電池モジュール3同士は、バスバー4,5,7,8により互いに電気的に接続される。さらに、電池モジュール3は、バスバー6に接続されたバスバー10、及び、バスバー9に接続されたバスバー11を用いて、外部に電気的に接続される。
ここでは、電池モジュール3は、互いに並列接続される。したがって、バスバー4〜6は、電池モジュール3の同極性のモジュール端子14に接続される。また、バスバー7〜9は、電池モジュール3の同極性のモジュール端子15に接続される。すなわち、一例として、バスバー4〜6,10は、正極側のバスバーであり、バスバー7〜9,11は、負極側のバスバーである。
なお、電池モジュール3は、第1の方向に交差すると共に壁面12sに沿う第2の方向に沿って配列されている。電池モジュール3のうちの電池モジュール3Aと電池モジュール3Bとは、第2の方向に沿って互いに隣接している。また、電池モジュール3のうちの電池モジュール3Bと電池モジュール3Cとは、第2の方向に沿って互いに隣接している。また、バスバー4〜6,10は、電池モジュール3からバスバー4〜6,10を通じて外部に向かう電流経路CPを形成する。
電池モジュール3Aは、電流経路CP上において、最も前段側の電池モジュール3である。電池モジュール3Bは、電流経路CP上において、電池モジュール3Aの後段側であって電池モジュール3Aに隣接する電池モジュール3である。電池モジュール3Cは、電流経路CP上において電池モジュール3Bの後段側であって電池モジュール3Bに隣接する電池モジュール3である。なお、電流経路CPの前段及び後段は、電流経路CPの方向の定義により逆になる場合がある。
バスバー4,7は、電池モジュール3A(一の電池モジュール)と電池モジュール3B(別の電池モジュール)とを互いに電気的に接続する。バスバー5,8は、電池モジュール3B(一の電池モジュール)と電池モジュール3C(別の電池モジュール)とを互いに接続する。バスバー6は、電池モジュール3Cとバスバー10とを互いに電気的に接続する。バスバー9は、電池モジュール3Cとバスバー11とを互いに電気的に接続する。
図5及び図6の(a)に示されるように、バスバー4は、板状部(第1の板状部)41と、板状部(第2の板状部)42と、板状部(第3の板状部)43と、から単一の板として構成されている。板状部41〜43は、例えば矩形板状である。板状部43は、板状部41と板状部42とに接続されている。すなわち、板状部41,42は、板状部43から延設されている。板状部41には、貫通孔41hが形成されており、板状部42には、貫通孔42hが形成されている。
板状部41は、位置P41において(例えば略直角に)屈曲している。板状部42は、位置P42において(例えば略直角に)屈曲している。これにより、板状部43は、第1の方向に交差する。つまり、板状部41,42は、板状部43が第1の方向に交差するように屈曲している。このため、バスバー4においては、板状部41の先端41tから位置P41までの部分と、板状部42の先端42tから位置P42までの部分とが、第1の方向及び壁面12sに沿って延在し、且つ、板状部43が第1の方向に交差する。なお、板状部43が第1の方向に交差するとは、板状部43の相対的に薄い方向における厚さT4を規定する一対の主面43sが、第1の方向に交差することを意味する。
ここで、板状部41と板状部43との接続部から位置P41までの距離D41cと、板状部42と板状部43との接続部から位置P42までの距離D42cとは、互いに実質的に同一である。また、位置P41から貫通孔41hまでの距離D41pと、位置P42から貫通孔42hまでの距離D42pとは、互いに実質的に同一である。さらに、板状部41の先端41tから貫通孔41hまでの距離D41tと、板状部42の先端42tから貫通孔42hまでの距離D42tとは、互いに実質的に同一である。
板状部41の先端41t側の一部は、電池モジュール3Aのモジュール端子14上に配置される。このとき、貫通孔41hは、モジュール端子14のネジ孔14hに重ねられる。そして、板状部41は、例えば、貫通孔41h及びネジ孔14hにボルトA3が挿通されることにより、モジュール端子14に締結される。つまり、板状部41は、電池モジュール3Aのモジュール端子14に取り付けられる取付部(第1の取付部)45を構成する。
板状部42の先端42t側の一部は、電池モジュール3Bのモジュール端子14上に配置される。このとき、貫通孔42hは、モジュール端子14のネジ孔14hに重ねられる。そして、板状部42は、例えば、貫通孔42h及びネジ孔14hにボルトA3が挿通されることにより、モジュール端子14に締結される。つまり、板状部42は、電池モジュール3Bのモジュール端子14に取り付けられる取付部(第2の取付部)46を構成する。
板状部43は、上述したように、板状部41と板状部42とを互いに接続する。また、板状部43は、第1の方向に沿って相対的に薄い。したがって、板状部43は、第1の方向に撓みやすい。つまり、板状部43は、取付部45と取付部46とを互いに接続すると共に第1の方向に可撓性を有する可撓部47を構成する。
一方、バスバー5は、板状部(第1の板状部)51と、板状部(第2の板状部)52と、板状部(第3の板状部)53と、から単一の板として構成されている。板状部51〜53は、例えば矩形板状である。板状部53は、板状部51と板状部52とに接続されている。すなわち、板状部51,52は、板状部53から延設されている。板状部51には、貫通孔51hが形成されており、板状部52には、貫通孔52hが形成されている。
板状部51は、位置P51において(例えば略直角に)屈曲している。板状部52は、位置P52において(例えば略直角に)屈曲している。これにより、板状部53は、第1の方向に交差する。つまり、板状部51,52は、板状部53が第1の方向に交差するように屈曲している。このため、バスバー5においては、板状部51の先端51tから位置P51までの部分と、板状部52の先端52tから位置P52までの部分とが、第1の方向及び壁面12sに沿って延在し、且つ、板状部53が第1の方向に交差する。なお、板状部53が第1の方向に交差するとは、板状部53の相対的に薄い方向における厚さT5を規定する一対の主面53sが、第1の方向に交差することを意味する。
ここで、板状部51と板状部53との接続部から位置P51までの距離D51cと、板状部52と板状部53との接続部から位置P52までの距離D52cとは、互いに異なる。すなわち、距離D51cは、距離D52cよりも、バスバー4の厚さ(板状部42の厚さ)T4の分だけ大きい。これは、後述するように、板状部51が板状部42に重ねられてモジュール端子14に締結されることに起因する。
一方、位置P51から貫通孔51hまでの距離D51pと、位置P52から貫通孔52hまでの距離D52pとは、互いに実質的に同一である。さらに、板状部51の先端51tから貫通孔51hまでの距離D51tと、板状部52の先端52tから貫通孔52hまでの距離D52tとは、互いに実質的に同一である。
板状部51の先端51t側の一部は、バスバー4の板状部42を介在させた状態で、電池モジュール3Bのモジュール端子14上に配置される。このとき、貫通孔51hは、板状部42の貫通孔42h及びモジュール端子14のネジ孔14hに重ねられる。そして、板状部51は、例えば、貫通孔51h及びネジ孔14hにボルトA3が挿通されることにより、板状部42と共にモジュール端子14に締結される。つまり、板状部51は、電池モジュール3Bのモジュール端子14に取り付けられる取付部(第1の取付部)55を構成する。
板状部52の先端52t側の一部は、電池モジュール3Cのモジュール端子14上に直接(すなわち別のバスバーを介在させずに)配置される。このとき、貫通孔52hは、モジュール端子14のネジ孔14hに重ねられる。そして、板状部52は、例えば、貫通孔52h及びネジ孔14hにボルトA3が挿通されることにより、モジュール端子14に締結される。つまり、板状部52は、電池モジュール3Cのモジュール端子14に取り付けられる取付部(第2の取付部)56を構成する。
このように、バスバー5においては、一方の板状部51が板状部42を介してモジュール端子14に締結され、他方の板状部52が直接的にモジュール端子14に締結される。このため、上述したように、バスバー5においては、板状部51の長さが、バスバー4の板状部42の厚さT4の分だけ、板状部52の長さよりも長い。なお、板状部51の長さは、距離D51cと距離D51pと距離D51tとの合計である。また、板状部52の長さは、距離D52cと距離D52pと距離D52tとの合計である。そして、距離D51cのみが、距離D52cよりも厚さT4の分だけ大きい。
板状部53は、上述したように、板状部51と板状部52とを互いに接続する。また、板状部53は、第1の方向に沿って相対的に薄い。したがって、板状部53は、第1の方向に撓みやすい。つまり、板状部53は、取付部55と取付部56とを互いに接続すると共に第1の方向に可撓性を有する可撓部57を構成する。
他方、バスバー6は、板状部(第1の板状部)61と、板状部(第2の板状部)62と、板状部(第3の板状部)63と、から単一の板として構成されている。板状部61〜63は、例えば矩形板状である。板状部63は、板状部61と板状部62とに接続されている。すなわち、板状部61,62は、板状部63から延設されている。板状部61には、貫通孔61hが形成されており、板状部62には、貫通孔62hが形成されている。
板状部61は、位置P61において(例えば略直角に)屈曲している。板状部62は、位置P62において(例えば略直角に)屈曲している。これにより、板状部63は、第1の方向に交差する。つまり、板状部61,62は、板状部63が第1の方向に交差するように屈曲している。このため、バスバー6においては、板状部61の先端61tから位置P61までの部分と、板状部62の先端62tから位置P62までの部分とが、第1の方向及び壁面12sに沿って延在し、且つ、板状部63が第1の方向に交差する。なお、板状部63が第1の方向に交差するとは、板状部63の相対的に薄い方向における厚さT6を規定する一対の主面63sが、第1の方向に交差することを意味する。
ここで、板状部61と板状部63との接続部から位置P61までの距離D61cと、板状部62と板状部63との接続部から位置P62までの距離D62cとは、互いに異なる。すなわち、距離D61cは、距離D62cよりも、バスバー5の厚さ(板状部52の厚さ)T5の分だけ大きい。これは、後述するように、板状部61が板状部52に重ねられてモジュール端子14に締結されることに起因する。
一方、位置P61から貫通孔61hまでの距離D61pと、位置P62から貫通孔62hまでの距離D62pとは、互いに実質的に同一である。さらに、板状部61の先端61tから貫通孔61hまでの距離D61tと、板状部62の先端62tから貫通孔62hまでの距離D62tとは、互いに実質的に同一である。
板状部61の先端61t側の一部は、バスバー5の板状部52を介在させた状態で、電池モジュール3Cのモジュール端子14上に配置される。このとき、貫通孔61hは、板状部52の貫通孔52h及びモジュール端子14のネジ孔14hに重ねられる。そして、板状部61は、例えば、貫通孔61h及びネジ孔14hにボルトA3が挿通されることにより、板状部52と共にモジュール端子14に締結される。つまり、板状部61は、電池モジュール3Cのモジュール端子14に取り付けられる取付部(第1の取付部)65を構成する。
板状部62の先端62t側の一部は、壁面12s上に設けられた絶縁性の支持片C1上に直接(すなわち別のバスバーを介在させずに)配置される。このとき、貫通孔62hは、支持片C1のネジ孔(不図示)に重ねられる。そして、板状部62は、例えば、貫通孔62h及び支持片C1のネジ孔にボルトA3が挿通されることにより、支持片C1に締結される。このとき、板状部62上には、バスバー10が重ねられ、板状部62と共に支持片C1に締結される。したがって、板状部62は、外部に通じるバスバー10に取り付けられる取付部66を構成する。
このように、バスバー6においては、一方の板状部61が板状部52を介してモジュール端子14に締結され、他方の板状部62が直接的に支持片C1に締結される。このため、上述したように、バスバー6においては、板状部61の長さが、バスバー5の板状部52の厚さT5の分だけ、板状部62の長さよりも長い。なお、板状部61の長さは、距離D61cと距離D61pと距離D61tとの合計である。また、板状部62の長さは、距離D62cと距離D62pと距離D62tとの合計である。そして、距離D61cのみが、距離D62cよりも厚さT5の分だけ大きい。
板状部63は、上述したように、板状部61と板状部62とを互いに接続する。また、板状部63は、第1の方向に沿って相対的に薄い。したがって、板状部63は、第1の方向に撓みやすい。つまり、板状部63は、取付部65と取付部66とを互いに接続すると共に第1の方向に可撓性を有する可撓部67を構成する。
なお、上述したように、電池モジュール3A,3Bは、第1の方向における一端3a側の固定部材16と電池セル13との間に配置された弾性部材18を有する。そして、バスバー4,5は、その一端3a側において、電池モジュール3A,3B同士を電気的に接続する。一方、電池モジュール3における他端3b側においては、バスバー7〜10が用いられる。
すなわち、バスバー7は、例えば矩形平板状であり、電池モジュール3Aのモジュール端子15と電池モジュール3Bのモジュール端子15とにボルトA3を用いて締結される。バスバー8は、例えば矩形平板状であり、電池モジュール3Bのモジュール端子15と電池モジュール3Cのモジュール端子15とにボルトA3を用いて締結される。バスバー9は、例えば矩形平板状であり、電池モジュール3Cのモジュール端子15と支持片C2とにボルトA3を用いて締結される。なお、支持片C2は、壁面12s上に設けられた絶縁性の部材である。バスバー11は、バスバー9と共に支持片C2に締結される。
ここで、バスバー4,7よりもバスバー5,8の方が、大きな電流が流れる。また、バスバー5,8よりもバスバー6,9の方が、大きな電流が流れる。このため、バスバー4,7の断面積よりもバスバー5,8の断面積の方が大きくされ、電気抵抗が下げられている。また、バスバー5,8の断面積よりもバスバー6,9の断面積が大きくされ、電気抵抗が下げられている。すなわち、一例として、電流経路CP上において、バスバー5の断面積は、バスバー5よりも電流経路CPの前段側のバスバー4の断面積よりも大きい。ここでは、断面積の増大は、各バスバーの厚さを増大することにより実現される。なお、バスバー10,11の断面積は、例えば、バスバー6,9と実質的に同等である。
引き続いて、電池パック1の奏する効果について説明する。なお、以下の効果の説明においては、複数の電池モジュールやバスバー等の一部のものを代表して説明する場合がある。電池パック1においては、複数の電池モジュール3がバスバー5により電気的に接続されている。このため、複数の電池モジュール3をハーネスにより電気的に接続する場合と比較して、ハーネスの取り回しのためのスペースを確保する必要がない。また、バスバー5は、取付部55において電池モジュール3Aのモジュール端子14に取り付けられ、取付部56において電池モジュール3Bのモジュール端子14に取り付けられる。すなわち、バスバー5は、2つの電池モジュール3A,3Bにわたって取り付けられ、それらを電気的に接続する。
したがって、それぞれの電池モジュール3から独立して延びるハーネスを端子台で集約する必要がない。このため、端子台を設置するためのスペースが不要である。以上のように、電池パック1によれば、ハーネスの取り回しのためのスペースや端子台を設置するためのスペースをなくして小型化を実現することが可能である。なお、バスバー5は、電池セル13の積層方向(第1の方向)に可撓性を有する可撓部57を有している。このため、電池セル13の膨張に起因して、電池セル13の積層方向にモジュール端子14の位置が変動しても、可撓部57が撓むことでその変動の影響がバスバー5の取付部55,56に及ぶことを抑制できる。したがって、上記のようにバスバー5を用いて小型化を実現しつつ、信頼性を確保可能である。
また、電池パック1においては、モジュール端子14は、電池モジュール3の壁面12s側の端部3cに配置されている。このため、バスバー5を筐体2の壁面12sに固定しやすくなる。また、モジュール端子14に対して定型のバスバー5を締結するので、ハーネスを用いる場合と比較して組付け性が向上する。
また、電池パック1においては、電池モジュール3からバスバー4〜6,11を通じて外部に向かう電流経路CP上において、バスバー5の断面積は、バスバー5よりも電流経路CPの前段側のバスバー4の断面積よりも大きい。このため、相対的に大きな電流が流れるバスバー5の断面積が、相対的に大きくなる。したがって、バスバー5等の発熱を抑制可能である。
また、電池パック1においては、電池モジュール3は、第1の方向における一端3a側の固定部材16と電池セル13との間に配置された弾性部材18を有する。そして、バスバー5は、電池モジュール3の一端3a側において、電池モジュール3同士を電気的に接続する。このように、電池モジュール3の一端3a側に弾性部材18が配置されている場合には、電池セル13の膨張によるモジュール端子14の位置の変動が、その一端3a側において大きくなる。このため、電池モジュール3の一端3a側において可撓部57を有するバスバー5を用いることにより、信頼性を十分に確保可能である。
また、電池パック1においては、バスバー5は、板状部51及び板状部52と、板状部51と板状部52とに接続された板状部53と、からなる。また、板状部51及び板状部52は、板状部53が第1の方向に交差するように屈曲している。取付部55は、板状部51により構成され、取付部56は、板状部52により構成される。可撓部57は、板状部53により構成される。このように、板状部51〜53からなる単一の板状の部材としてバスバー5を構成することができる。このとき、電池セル13の積層方向に交差する板状部53が、電池セル13の積層方向に撓みやすく、可撓部57を構成する。
また、電池パック1においては、バスバー5の板状部51は、モジュール端子14との間にバスバー4の板状部42を介在させた状態で当該モジュール端子14に締結される。そして、バスバー5において、板状部51の長さは、バスバー4の板状部42の厚さの分だけ、板状部52の長さよりも長くてもよい。この場合、2つのバスバー4,5を部分的に重複させることにより生じる段差を、板状部51を相対的に長くすることにより吸収可能である。
さらに、バスバー5においては、板状部51と板状部52とのそれぞれの屈曲位置が異なるが、それぞれの先端51t,52tから貫通孔51h,52hの距離D51t,D52tが互いに実質的に等しい。このため、貫通孔51h,52hを用いてバスバー5をモジュール端子14に締結したときに、先端51t及び先端52tの一方が他方よりも電池モジュール3側に突出することがない。このため、先端51t,52tが電池モジュール3に干渉することが避けられる。
以上の実施形態は、本発明に係る電池パックの一実施形態を説明したものである。したがって、本発明に係る電池パックは、上記の電池パック1に限定されない。本発明に係る電池パックは、各請求項の要旨を変更しない範囲において、電池パック1を任意に変更したものとすることができる。
例えば、バスバー5においては、電池セル13の積層方向(第1の方向)に沿って相対的に薄い板状部53によって、可撓部57を構成した。しかしながら、可撓部57は、取付部55と取付部56との間において第1の方向に可撓性を有していればよく、その構成については限定されない。例えば、可撓部57は、取付部55と取付部56との間に強度の低い部分を設けることにより構成されてもよい。
また、バスバー5は、矩形板状の板状部51〜53によってU字板状に形成される形態に限定されず、例えば、円弧状等の他の任意の形状の板であってもよい。また、モジュール端子14が、第1の方向及び壁面12sに交差するように設けられる場合には、そのモジュール端子14間に架け渡されるように延びる単一の矩形平板状であってもよい。
また、電池モジュール3の他端3b側に弾性部材18が配置される場合には、他端3b側においても、バスバー7〜9に代えてバスバー4〜6を用いることができる。また、弾性部材18は、電池モジュール3の一端3a及び他端3bに限らず、電池モジュール3における一端3a及び他端3bよりも中心側に配置されていてもよい。つまり、弾性部材18の位置は任意である。さらに、弾性部材18は、電池モジュール3の任意の位置に2つ以上設けられてもよい。
さらに、筐体2の壁面12sへの電池モジュール3の固定方法は、上記のように第1の方向における電池モジュール3の両端に配置された固定部材16,17を用いた方法に限定されず、任意の別の固定方法とすることができる。一例として、電池モジュール3は、第1の方向における電池モジュール3の一端3a及び他端3bよりも中心側の部分において壁面12sに固定されてもよい。より具体的には、例えば、電池モジュール3の中心側の部分において、第2の方向(電池モジュール3の幅方向)の両側から電池モジュール3を挟むように一対の固定部材を配置し、それらの固定部材により電池モジュール3を壁面12sに固定してもよい。
或いは、電池モジュール3における壁面12sと反対側の面上に固定部材を配置し、その固定部材と壁面12sとの間で電池モジュール3を挟むようにして電池モジュール3を壁面12sに固定してもよい。なお、固定部材16,17を用いない場合には、複数の電池セル13を互いに拘束して一体化するための拘束部材を別途用いてもよいし、上記のような別の固定方法に用いられる固定部材が電池セル13の拘束のための構成を兼ねていてもよい。
さらに、以上のバスバーは、電池モジュール3同士を直列に接続する場合にも適用可能である。