JP6613182B2 - 油圧装置、油圧ダンパ、制震構造及び免震構造 - Google Patents

油圧装置、油圧ダンパ、制震構造及び免震構造 Download PDF

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Description

本発明は、油圧装置、当該油圧装置を備える油圧ダンパ、当該油圧ダンパを利用した制震構造及び免震構造に関する。
地震や風に対する構造物の揺れを低減する技術として、同調質量ダンパ(TMD)を備えた制震構造が知られている。この制震構造は、構造物の上部に配置されるものであり、構造物に印加される振動に応じて水平方向に移動可能な質量体と、質量体を構造物に連結するバネと、ダンパと、を備えている。また、別の技術として、免震構造も知られている。この免震構造は、基礎と構造物との間に配置された免震層を備え、免震層は、バネとダンパとを備えている。
このような制震構造や免震構造には、想定された揺れに対して制震性能や免震性能を発揮しつつ、想定外の揺れに対して損傷を抑制できることが望まれている。このような制震構造や免震構造には、振動体の速度が閾値を超えたときに急激に抵抗力が大きくなる、いわゆるハードニング型の減衰特性が設定されたダンパを備えることが有効である。
特許文献1には、振動体の低速度域においては所定の相対的に小さな減衰係数を発揮し、振動体の高速度域において急激に減衰抵抗力を増大させ得る油圧ダンパが開示されている。
特開2015−169294号公報
特許文献1に記載された油圧ダンパは、互いに異なるハードニング型の減衰特性を有する2個の油圧回路と、当該油圧回路を切り替えるための別の回路とを有するので、油圧ダンパ全体の油圧回路構成が複雑化する。
そこで、本発明は、振動体の低速度域においては所定の相対的に小さな減衰係数を発揮し、振動体の高速度域において急激に減衰抵抗力を増大させ得る油圧装置、当該油圧装置を備える油圧ダンパ、当該油圧ダンパを利用した制震構造及び免震構造を提供することを目的とする。
本発明の一形態は、圧油が充填された油圧室を有するシリンダと、シリンダに配置されて油圧室を第1の油圧室部と第2の油圧室部とに分割し、シリンダ内を往復移動するピストンと、を備えた油圧ダンパに適用される油圧装置であって、第1の油圧室部と接続された第1の圧力ポートと、第2の油圧室部と接続され、第1の圧力ポートに対して所定の方向に離間するように設けられた第2の圧力ポートと、所定の方向に延在し、第1の圧力ポートと第2の圧力ポートとを連通させる流路部と、を有する本体部と、流路部に配置され、所定の方向に沿って往復移動するスプール弁であって、第1の圧力ポートにおいて圧油が流動可能な第1の開口の面積を制御する第1の弁部と、第2の圧力ポートにおいて圧油が流動可能な第2の開口の面積を制御する第2の弁部と、第1の弁部を第2の弁部に連結する軸部と、を有するスプール弁と、を備え、本体部は、第1の弁部から第2の弁部へ向かう方向に、第1の圧力を第1の弁部に付与する第1の圧力付与部と、第2の弁部から第1の弁部へ向かう方向に、第2の圧力を第2の弁部に付与する第2の圧力付与部と、を有し、スプール弁は、第1圧力と第2の圧力との圧力差に起因して往復移動し、第1の弁部は、スプール弁の移動に起因して、第1の圧力が大きくなるに従って第1の開口の面積が小さくなるように第1の開口の面積を制御し、第2の弁部は、スプール弁の移動に起因して、第1の圧力が大きくなるに従って第2の開口の面積が大きくなるように第2の開口の面積を制御し、スプール弁は、第2の開口の面積が第1の開口の面積よりも小さい第1の状態から、第1の開口の面積が第2の開口の面積よりも小さい第2の状態に切り替える。
この油圧装置は、ピストンが所定の速度で移動することにより第1の圧力が大きくなると、第1の圧力と第2の圧力とが釣り合う位置までスプール弁が第2の弁部側に移動する。スプール弁が第2の弁部側に移動すると、第2の開口の面積が大きくなり、第1の開口の面積が小さくなる。第2の開口の面積が第1の開口の面積より小さい間は、油圧装置が発生させる抵抗力は第2の開口の面積により規定される。油圧装置が発生させる抵抗力が第2の開口の面積によって規定されているときには、第2の開口の面積が徐々に大きくなるので、ピストンが移動する速度に比例する抵抗力が得られる。従って、振動体の低速度域において揺れを好適に減衰可能な所定の減衰係数を発揮することが可能となる。そして、さらに第1の圧力が大きくなると、スプール弁はさらに第2の弁部側に移動する。そうすると、第2の開口の面積が第1の開口の面積より大きくなるので、油圧装置の抵抗力は第1の開口の面積によって規定される。油圧装置の抵抗力が第1の開口の面積によって規定されているときには、第1の開口の面積は第1の圧力の増加に伴って小さくなるので、抵抗力は急激に増加する。従って、振動体の高速度域において高い減衰係数を発揮することが可能になる。よって、この油圧装置は、振動体の低速度域においては所定の相対的に小さな減衰係数を発揮し、振動体の高速度域において高い減衰係数を発揮するために、所定のハードニング特性を有する複数の油圧装置を準備する必要がなく、さらに当該油圧装置を切り替えるための別の回路も必要ない。従って、異なる減衰特性を有する油圧装置の構成を簡易にすることができる。
第1の圧力は、第1の圧力ポートにおける圧油が有する圧力であり、第2の圧力は、第2の圧力ポートにおける圧油が有する圧力と、第2の弁部に当接された付勢部が発揮する付勢圧力とを合計した圧力であり、第1の圧力付与部は、第1の圧力ポートから第1の弁部へ第1の圧力を伝達する第1の圧力伝達部を有し、第2の圧力付与部は、第2の圧力ポートから第2の弁部へ第2の圧力ポートにおける圧油が有する圧力を伝達する第2の圧力伝達部と、付勢圧力を発揮する付勢部と、を有していてもよい。この構成によれば、第1の圧力と第2の圧力との圧力差に対応してスプール弁を移動させる構成を簡易にすることができる。
流路部は、第1の弁部及び第2の弁部によって、所定の方向に配置された第1の圧力室と流路本体部と第2の圧力室とに分割され、第1の圧力伝達部は、一端が第1の圧力ポートに接続され、他端が第1の圧力室に接続された管状体であり、第2の圧力伝達部は、一端が第2の圧力ポートに接続され、他端が第2の圧力室に接続された管状体であり、付勢部は、一端が第2の弁部に当接し、他端が第2の圧力室の端壁に当接してもよい。この構成によれば、第1の圧力と第2の圧力との圧力差に対応したスプール弁の移動量を構成を簡易な構成で制御することができる。
本発明の別の形態は、油圧ダンパである。油圧ダンパは、圧油が充填された油圧室を有するシリンダと、シリンダに配置されて油圧室と第1の油圧室部と第2の油圧室部とに分割し、シリンダ内を往復移動するピストンと、第1の油圧室部と第2の油圧室部との間に接続された油圧回路と、を備え、油圧回路は、上記の油圧装置を有する。この油圧装置によれば、上記の油圧装置を備えているので、振動体の低速度域においては所定の相対的に小さな減衰係数を発揮し、且つ振動体の高速度域において十分な減衰性能を簡易な構成によって発揮し得る。
本発明のさらに別の形態は、構造物の揺れを低減する制震構造であって、構造物上に配置された質量体と、質量体と構造物とのそれぞれに接続された弾性部と、質量体と構造物とのそれぞれに接続された上記の油圧ダンパと、を備える。この制震構造によれば、上記の油圧ダンパを備えているので、簡易な構成によって、振動体の低速度域においては所定の相対的に小さな減衰係数を発揮し、高速度域において十分な減衰性能を発揮することにより、揺れを好適に減衰することができる。
本発明のさらに別の形態は、基礎上に設けられた構造物の揺れを低減する免震構造であって、基礎と構造物とのそれぞれに接続された弾性部と、基礎と構造物とのそれぞれに接続された上記の油圧ダンパと、を備える。この免震構造によれば、上記の油圧ダンパを備えているので、振動体の低速度域においては所定の相対的に小さな減衰係数を発揮し、且つ振動体の高速度域において十分な減衰性能を簡易な構成によって発揮し得る。
本発明によれば、振動体の低速度域においては所定の相対的に小さな減衰係数を発揮し、且つ振動体の高速度域において十分な減衰性能を簡易な構成によって発揮し得る油圧装置、当該油圧装置を備える油圧ダンパ、当該油圧ダンパを利用した制震構造及び免震構造が提供される。
第1実施形態に係る油圧ダンパを有する制震構造を建物に適用した様子を示す図である。 第1実施形態に係る油圧ダンパの油圧回路を示す図である。 第1実施形態に係る油圧装置の構成を示す図である。 第1実施形態に係る油圧ダンパの特性を示すグラフである。 第1実施形態に係る油圧装置の動作を示す図である。 第1実施形態に係る油圧ダンパの特性を説明するためのグラフである。 第2実施形態に係る油圧ダンパの油圧回路を示す図である。 油圧ダンパを免震構造に適用した様子を示す図である。 変形例に係る油圧ダンパの油圧回路を示す図である。 変形例に係る油圧ダンパの特性を示すグラフである。 別の変形例に係る油圧ダンパの油圧回路を示す図である。 比較例に係る制震構造を説明するための図である。 比較例に係る制震構造が備える油圧ダンパとその特性を説明するための図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明を実施するための形態を詳細に説明する。図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
<第1実施形態>
図1に示されるように、建物100に適用された制震構造1は、質量体2と、バネ3(弾性体)と、油圧ダンパ4とを有する。制震構造1は、一自由度の振動系であり、建物100の固有周期に同調する固有周期を有する。このような制震構造は、同調質量ダンパ(Tuned Mass Damper:TMD)とも呼ばれる。制震構造1の固有周期は、質量体2の質量とバネ3の弾性係数とにより設定される。油圧ダンパ4は、水平方向に沿った質量体2の揺れを低減させる。質量体2は、建物100の上にバネ3と油圧ダンパ4を介して配置される。バネ3は、一端が質量体2に連結され、他端が建物100に連結されている。油圧ダンパ4も同様に、一端が質量体2に連結され、他端が建物100に連結されている。
この制震構造1によれば、地震時に質量体2が建物100よりも大きく動く。この質量体2の動きによって振動エネルギが吸収されるので、建物100の揺れを低減することができる。
次に、油圧ダンパ4について詳細に説明する。図2に示されるように、油圧ダンパ4は、シリンダ6と、ピストン7と、油圧回路8とを有する。シリンダ6は、建物100に連結されている。また、ピストン7の一端は、質量体2に連結されている。
シリンダ6は、筒状を呈する。シリンダ6の内部は油圧室5を形成し、油圧室5には圧油が充填されている。また、シリンダ6の内部には、ピストン7が往復移動可能に配置されている。シリンダ6の油圧室5は、ピストン7によって分割された第1の油圧室部6aと第2の油圧室部6bとを有する。第1の油圧室部6aには、ポート9を介して油圧回路8の一端が接続されている。第2の油圧室部6bには、ポート11を介して油圧回路8の他端が接続されている。油圧回路8を介して第1の油圧室部6aと第2の油圧室部6bの間を圧油が行き来することにより、シリンダ6とピストン7との間に減衰力を発生させる。
油圧回路8は、4個の逆止弁12,13,14,16と、2個のオリフィス17,18と、アキュームレータ19と、ハードニング油圧装置20と、を有する。
逆止弁12,13,14,16は、一方向への圧油の移動を許容し、逆方向への圧油の移動を規制する。逆止弁12は、入力口12aがシリンダ6のポート9に接続され、出力口12bがハードニング油圧装置20の高圧側に接続されている。逆止弁13は、入力口13aがシリンダ6のポート11に接続され、出力口13bがハードニング油圧装置20の高圧側に接続されている。逆止弁14は、入力口14aがハードニング油圧装置20の低圧側に接続され、出力口14bがシリンダ6のポート9に接続されている。逆止弁16は、入力口16aがハードニング油圧装置20の低圧側に接続され、出力口16bがシリンダ6のポート11に接続されている。
オリフィス17は、逆止弁14に対して並列に接続されている。また、オリフィス18は、逆止弁16に対して並列に接続されている。アキュームレータ19は、逆止弁14の入力口14a、逆止弁16の入力口16a及びハードニング油圧装置20の低圧側に接続されている。
ハードニング油圧装置20とシリンダ6との接続関係からみると、ハードニング油圧装置20の高圧側は、逆止弁12及びポート9を介してシリンダ6の第1の油圧室部6aに接続されると共に逆止弁13及びポート11を介してシリンダ6の第2の油圧室部6bに接続されている。また、ハードニング油圧装置20の低圧側は、逆止弁14及びポート9を介してシリンダ6の第1の油圧室部6aに接続されると共に逆止弁16及びポート11を介してシリンダ6の第2の油圧室部6bに接続されている。
この構成によれば、例えば、ピストン7が左方向に移動するとき、ピストン7の第1の油圧室部6aにおける圧油はポート9及び逆止弁12を介してハードニング油圧装置20の高圧側に供給される。ハードニング油圧装置20の低圧側から排出された圧油は、逆止弁16及びポート11を介してピストン7の第2の油圧室部6bに供給される。この構成によれば、第1の油圧室部6aから第2の油圧室部6bへ圧油が流動するときに、ハードニング油圧装置20においてピストン7が移動する速度に対応した抵抗力が生じる。従って、建物100に連結されたシリンダ6と、質量体2に連結されたピストン7との間の相対速度に応じた減衰力を生じさせることができる。
次に、ハードニング油圧装置20について詳細に説明する。ハードニング油圧装置20は、入力される圧油が有する圧力に対応した抵抗力を生じさせる。図3に示されるように、ハードニング油圧装置20は、本体部21とスプール弁22とを有する。
本体部21は、筒状を呈する。本体部21は、高圧側ポート23(第1の圧力ポート)と低圧側ポート24(第2の圧力ポート)とを有する。高圧側ポート23は、逆止弁12を介してシリンダ6の第1の油圧室部6aに接続されている。また、高圧側ポート23は、逆止弁13を介してシリンダ6の第2の油圧室部6bに接続されている。低圧側ポート24は、高圧側ポート23に対して所定の方向に離間するように配置され、逆止弁14を介してシリンダ6の第1の油圧室部6aに接続されている。また、低圧側ポート24は、逆止弁16を介してシリンダ6の第2の油圧室部6bに接続されている。本体部21は、高圧側ポート23と低圧側ポート24とを連通させる流路部26を有する。圧油は、流路部26を介して高圧側ポート23から低圧側ポート24へ導かれる。
スプール弁22は、流路部26に配置されている。スプール弁22は、高圧側ポート23における第1の開口23aの面積を制御すると共に、低圧側ポート24における第2の開口24aの面積を制御する。スプール弁22は、第1の弁部27と第2の弁部28と軸部29とを有する。円柱状を呈する第1の弁部27及び第2の弁部28は、本体部21の内径と略同じ外径を有し、本体部21の内周面に対して摺動可能である。第1の弁部27及び第2の弁部28は、本体部21と共に圧油が流動可能な隙間を形成する。第1の弁部27は、軸部29が連結されると共に第2の弁部28と対面する第1の連結端面27aと、第1の連結端面27aと逆側の第1の圧力付与面27bとを有する。第2の弁部28は、軸部29が連結されると共に第1の弁部27と対面する第2の連結端面28aと、第2の連結端面28aと逆側の第2の圧力付与面28bとを有する。
スプール弁22が第1の弁部27側に位置したとき、第1の弁部27は、第1の開口23aを塞がない。第2の弁部28は、第2の開口24aの大部分を塞ぎ、設定される最も狭い隙間を形成する。一方、スプール弁22が第2の弁部28側に位置したとき、第1の弁部27は、第1の開口23aの大部分を塞ぎ、設定される最も狭い隙間を形成する。第2の弁部28は、第2の開口24aをほとんど塞がない。これらの状態を満たすように、高圧側ポート23、低圧側ポート24、第1の弁部27、第2の弁部28及び軸部29の各寸法が適宜設定される。
スプール弁22は、高圧側ポート23における圧油の第1の圧力と低圧側ポート24における圧油の第2の圧力との差分(圧力差)によって動作する。本体部21は、この圧力差を利用してスプール弁22を動作させるための第1の圧力付与部31と第2の圧力付与部32とをさらに有する。第1の圧力付与部31は、第1の圧力を第1の弁部27に付与する。第2の圧力付与部32は、第2の圧力を第2の弁部28に付与する。
第1の圧力付与部31は、第1の圧力伝達部31aを有する。第1の圧力伝達部31aは、一端が高圧側ポート23に接続されると共に他端が本体部21の第1の圧力室26bに接続されている。第1の圧力伝達部31aは、例えば、管状体であるパイプである。第1の圧力室26bは、第1の弁部27によって隔てられた流路部26の一部であり、第1の弁部27における第1の圧力付与面27bが面している。換言すると、流路部26は、第1の圧力室26bと、流路本体部26aと、後述する第2の圧力室26cとを含む。高圧側ポート23、第1の圧力伝達部31a及び第1の圧力室26bには圧油が満たされているので、高圧側ポート23における圧力が第1の圧力室まで静圧として伝達される。
第2の圧力付与部32は、第2の圧力伝達部32aを有する。第2の圧力伝達部32aは、一端が低圧側ポート24に接続されると共に他端が本体部21の第2の圧力室26cに接続されている。第2の圧力室26cは、第2の弁部28によって隔てられた流路部26の一部であり、第2の弁部28における第2の圧力付与面28bが面している。第2の圧力伝達部32aは、例えば、パイプである。低圧側ポート24、第2の圧力伝達部32a及び第2の圧力室26cには圧油が満たされているので、低圧側ポート24における圧力が第2の圧力室まで静圧として伝達される。
第2の圧力付与部32は、バネ33(付勢部)をさらに有する。バネ3は、圧縮ばねであり、第2の圧力付与面28bと第2の圧力室26cの端壁との間に配置され、第2の圧力付与面28bに当接されている。バネ33は、スプール弁22が移動すると圧縮されて第2の弁部28における第2の圧力付与面28bに付勢圧力を付与する。従って、第2の圧力付与面28bには、バネ33による付勢圧力と、第2の圧力伝達部32aにより伝達される低圧側ポート24における圧力とが加わる。換言すると、第2の圧力付与面28bに作用する第2の圧力は、バネ33による付勢圧力と、低圧側ポート24における圧力と、の合計である。
次に、圧力差に基づくスプール弁22の動作について説明する。ピストン7が静止しているとき、高圧側ポート23と低圧側ポート24との間には圧力差が生じない。そうすると、スプール弁22に作用する圧力は、バネ3の付勢圧力の分だけ第2の圧力が第1の圧力よりも大きくなる。従って、スプール弁22は、第1の弁部27における第1の圧力付与面27bが本体部21の段差面26dに押し当てられる。ピストン7が所定の速度で移動しているとき、高圧側ポート23と低圧側ポート24との間には圧力差が生じる。この圧力差に対応して、バネ3が圧縮させられる。従って、スプール弁22は、圧力差に対応する付勢圧力をバネ3が発生させる圧縮長さまでバネ3を縮めるように移動する。従って、圧力差が大きくなるとスプール弁22は高圧側ポート23から低圧側ポート24に向かう方向に移動する。
以下、比較例に係る油圧装置、当該油圧装置を備える油圧ダンパ、及び当該油圧装置を備える制震構造の作用と比較しつつ、本実施形態に係るハードニング油圧装置20、油圧ダンパ4及び制震構造1の作用効果について説明する。
地震や風に対する構造物の揺れを低減する技術として、同調質量ダンパを備えた制震構造が知られている。この制震構造は、構造物の上部に配置されるものであり、構造物に印加される振動に応じて水平方向に移動可能な質量体と、質量体を構造物に連結するバネと、ダンパと、を備えている。また、別の技術として、免震構造も知られている。この免震構造は、基礎と構造物との間に配置された免震層を備え、免震層は、バネとダンパとを備えている。
制震構造や免震構造において、低減可能な揺れの大きさには限界がある。そこで、低減可能な揺れよりも大きい揺れが生じた場合に対応するための方策が講じられている。例えば、図12には、建物100に設けられた制震構造110が示されている。この制震構造110は、バネ102と、ダンパ103と、質量体104とを有している。さらに、制震構造110は、質量体104の揺れの最大値を規制するバッファ106を有する。また、免震構造における地下擁壁52(図8参照)のように、揺れの振幅を物理的に規制する方策がある。しかし、移動中の質量体104は大きい運動エネルギを有するのでバッファ106や地下擁壁52には大きな荷重が作用する。従って、揺れの振幅を物理的に規制する方策には上限がある。
また、別の方策として、ダンパの減衰係数を大きく設定することにより、制震構造における質量体や免震構造における構造物の単位入力あたりの揺れを小さくすることもある。しかし、単位入力あたりの揺れに注目して設定されたダンパの減衰係数では、制震構造における同調の効果や免震構造における免震効果が損なわれることもあり得る。
従って、想定された揺れに対して制震性能や免震性能を発揮しつつ、想定外の揺れに対して損傷を抑制できる制震構造や免震構造が望まれている。このような制震構造や免震構造には、振動体の速度が閾値を超えたときに急激に抵抗力が大きくなる、いわゆるハードニング型の減衰特性を設定することが有効である。
ハードニング型のダンパ特性を設定可能な構成として、例えば、図13の(a)部に示された油圧ダンパ200がある。油圧ダンパ200は、シリンダ201とピストン202とオリフィス203とを有している。油圧装置としてのオリフィス203を備えた油圧ダンパ200は、図13の(b)部に示されるような速度の2乗に比例した荷重を発生させる。図13の(b)部のグラフは、横軸がピストン202の速度であり、縦軸がシリンダ201とピストン202との間に発生する荷重である。実線のグラフG5は、オリフィス203によって得られる特性である。破線のグラフG6は、2つの折れ線で近似した特性である。グラフG6を参照すると、オリフィス203によれば低速度域の傾き(すなわち減衰係数)よりも高速度域の傾きを大きくすることができることがわかる。しかし、実際の速度−荷重特性G5は、低速度域において非線形を有するので質量体や免震層の振動に同調させにくくなる。さらに、高速度域における荷重も過大な揺れを十分に低減させるためには十分でないこともあり得る。
続いて、本実施形態に係るハードニング油圧装置20、油圧ダンパ4及び制震構造1の作用効果について説明する。既に述べたように、ハードニング油圧装置20は、第1の弁部27、第2の弁部28、高圧側ポート23及び低圧側ポート24によって、第1の開口23aにおける流路面積と第2の開口24aにおける流路面積とが変化することを説明した。また、ハードニング油圧装置20は、高圧側ポート23と低圧側ポート24との圧力差によって、スプール弁22が移動することも説明した。これらの2個の動作によれば、油圧ダンパ4は、図4に示すような減衰特性を奏する。
図4は、油圧ダンパ4において、シリンダ6とピストン7との間の相対速度と、その相対速度において油圧ダンパ4が発生する荷重との関係を示す。このグラフにおける傾き(荷重/速度)が、減衰係数を示す。相対速度がゼロの状態(すなわち、建物100に対する質量体2の揺れが生じていない状態)から徐々に増加すると、ハードニング油圧装置20の高圧側ポート23と低圧側ポート24との間に圧力差が発生する。この圧力差に起因してスプール弁22が移動し始める。このとき、低圧側ポート24における第2の開口24aの流路面積が極めて小さい。従って、抵抗力(荷重)は、開口面積の小さい方に支配されるので、低圧側ポート24側の隙間に対応した抵抗力が発生し、所定の初期減衰係数C1が実現される。従って、想定される揺れを好適に減衰させ得る減衰性能が得られる。低圧側ポート24における第2の開口24aが減衰特性を支配する第1の状態は、グラフG1aにより示される。例えば、速度と荷重との関係がグラフG1a上の点P1で示されるとき、ハードニング油圧装置20におけるスプール弁22、高圧側ポート23及び低圧側ポート24の概略の位置関係は、図5の(a)部に示される。
圧力差が大きくなるとスプール弁22はさらに移動し、ある時点において高圧側ポート23の流路面積と低圧側ポート24における流路面積とが等しくなり(図4の点P2及び図5の(b)部参照)、その後、流路面積の大小関係が逆転する(図5の(c)部参照)。従って、抵抗力は、高圧側ポート23における第1の開口23aの流路面積が支配的になる。ここで、高圧側ポート23における第1の開口23aの流路面積は、圧力差が大きくなるに従って、小さくなる。そうすると、ハードニングに関する圧力の閾値(図4の符号F0)を超えると、抵抗力は急激に増加する(図4のグラフG1b及び点P3参照)。換言すると、速度に対する荷重の傾き(減衰係数C2)は、第1の開口23aが抵抗力を支配している状態(第2の状態)の方が、第2の開口24aが抵抗を支配している状態(第1の状態)の傾き(初期減衰係数C1)よりも大きい。従って、大きい揺れを大きく減衰させることが可能な減衰性能が得られる。
すなわち、本実施形態に係る油圧ダンパ4では、ハードニング油圧装置20において抵抗力を支配する構成が低圧側ポート24における流路面積から、高圧側ポート23における流路面積に切り替わる。そして、低圧側ポート24における流路面積は圧力差が大きくなると大きくなり、高圧側ポート23における流路面積は圧力差が大きくなると小さくなるというように、圧力差に対する振る舞いが異なる。従って、本実施形態に係る油圧ダンパ4は、互いに異なる減衰特性を奏することができる。
要するに、このハードニング油圧装置20は、第2の圧力に対して第1の圧力がそれほど大きくないとき(即ち、第1の圧力が十分大きくないとき)、スプール弁22は第1の弁部27側に配置されて、第1の状態になる。第1の状態では、第2の開口24aの面積が第1の開口23aの面積よりも小さいので、第2の開口24aの面積に起因してハードニング油圧装置20の減衰係数が規定される。次に、第1の圧力が大きくなると、第1の圧力と第2の圧力とが釣り合う位置までスプール弁22が第2の弁部28側に移動する。スプール弁22が第2の弁部28側に移動すると、第2の開口24aの面積が大きくなり、第1の開口23aの面積が小さくなる。第2の開口24aの面積が第1の開口23aの面積と略等しくなるまでは、ハードニング油圧装置20の減衰係数は第2の開口24aの面積により規定される。ハードニング油圧装置20の減衰係数が第2の開口24aの面積によって規定されているときには、第2の開口24aの面積は徐々に大きくなるので、減衰力は徐々に増加する。従って、低速度域において揺れを好適に減衰可能な所定の減衰係数を発揮することが可能となる。そして、さらに第1の圧力が大きくなると、スプール弁22はさらに第2の弁部28側に移動する。そうすると、第2の開口24aの面積が第1の開口23aの面積より大きくなるので、ハードニング油圧装置20の減衰係数は第1の開口23aの面積によって規定される。ハードニング油圧装置20の減衰係数が第1の開口23aの面積によって規定されているときには、第1の開口23aの面積は徐々に小さくなるので、減衰係数は急激に増加する。従って、高速度域において高い減衰係数を発揮することが可能になる。よって、ハードニング油圧装置20は、低速度域においては揺れを好適に減衰可能な所定の減衰係数を発揮し、振動体の高速度域において高い減衰係数を発揮するために、所定のハードニング特性を有する油圧回路を準備する必要なく、さらに当該油圧回路を切り替えるための別の回路も必要ない。従って、ハードニング油圧装置20の構成を簡易にすることができる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る油圧ダンパについて説明する。図7に示されるように、油圧ダンパ4Aは、油圧回路8Aが2個のハードニング油圧装置20A,20Bを備える点で第1実施形態に係る油圧ダンパ4と相違する。なお、ハードニング油圧装置20A,20Bは、接続構成がハードニング油圧装置20と相違するのみであり、単体の構成は同様である。油圧回路8Aは、2個の逆止弁37,38と、2個のハードニング油圧装置20A,20Bと、オリフィス17,18と、アキュームレータ19とを有する。
逆止弁37は、入力口37aが逆止弁38の入力口38a及びアキュームレータ19に接続されている。また、逆止弁37は、出力口37bがハードニング油圧装置20Aの低圧側と、ハードニング油圧装置20Bの高圧側と、シリンダ6のポート9と、に接続されている。逆止弁38は、入力口38aが逆止弁37の入力口37a及びアキュームレータ19に接続されている。また、逆止弁38は、出力口38bがハードニング油圧装置20Aの低圧側と、ハードニング油圧装置20Bの高圧側と、シリンダ6のポート11に接続されている。オリフィス17は、逆止弁37に対して並列に接続されている。オリフィス18は、逆止弁38に対して並列に接続されている。なお、高圧側に接続されているとは、ハードニング油圧装置20A,20Bの高圧側ポート23及び第1の圧力付与部31に接続されていることをいう。また、低圧側に接続されているとは、ハードニング油圧装置20A,20Bの低圧側ポート24及び第2の圧力付与部32に接続されていることをいう。
ハードニング油圧装置20Aは、高圧側ポート23がハードニング油圧装置20Bの低圧側ポート24と、シリンダ6のポート11と、逆止弁38の出力口38bとに接続されている。また、ハードニング油圧装置20Aは、低圧側ポート24がハードニング油圧装置20Bの高圧側ポート23と、シリンダ6のポート9と、逆止弁37の出力口37bと、に接続されている。ハードニング油圧装置20Bは、高圧側ポート23がハードニング油圧装置20Aの低圧側ポート24と、シリンダ6のポート9と、逆止弁37の出力口37bとに接続されている。また、ハードニング油圧装置20Bは、低圧側ポート24がハードニング油圧装置20Aの高圧側ポート23と、シリンダ6のポート11と、逆止弁38の出力口38bと、に接続されている。
すなわち、ハードニング油圧装置20A,20Bは、高圧側と低圧側とが互いに逆になるようにシリンダ6に対して並列に接続されている。
この構成によれば、ピストン7が第1の油圧室部6aから第2の油圧室部6bの方向へ移動するとき、ハードニング油圧装置20Bによってピストン7が移動する速度に比例する抵抗力が発生される。逆に、ピストン7が第2の油圧室部6bから第1の油圧室部6aの方向へ移動するとき、ハードニング油圧装置20Aによってピストン7が移動する速度に比例する抵抗力が発生される。従って、油圧ダンパ4Aによれば、ピストン7の往復移動に対応した抵抗力を簡易な構成により生じさせることができる。
なお、上述した実施形態は本発明に係る油圧装置、油圧ダンパ、制震構造及び免震構造の一例を示すものである。本発明に係る油圧装置、油圧ダンパ、制震構造及び免震構造は、実施形態に係る油圧装置、油圧ダンパ、制震構造及び免震構造に限られるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲で、変形し又は他のものに適用したものであってもよい。
例えば、油圧ダンパ4は、図8に示されるような免震構造50に適用してもよい。免震構造50は、地下擁壁52を有する基礎51と建物100との間に配置されている。免震構造50は、バネ3(弾性部)と油圧ダンパ4とを有する。バネ3及び油圧ダンパ4は、それぞれ一端が基礎51に連結され、他端が建物100に連結されている。油圧ダンパ4を備える免震構造50によれば、簡易な構成によって、低速度域においては揺れを好適に減衰可能な所定の減衰係数を発揮し、高速度域において十分な減衰性能を発揮することができる。
また、図9に示されるように、油圧ダンパ4Bの油圧回路8Bは、2個のリリーフ弁39,41を有していてもよい。油圧回路8Bは、第1実施形態に係る油圧回路8に2個のリリーフ弁39,41を追加したものである。
リリーフ弁39は、入力口39aがシリンダ6のポート11、リリーフ弁41の出力口41b、逆止弁13の入力口13a及び逆止弁16の出力口16bに接続されている。また、リリーフ弁39は、出力口39bがシリンダ6のポート9、リリーフ弁41の入力口41a、逆止弁14の入力口12a及び逆止弁14の出力口14bに接続されている。リリーフ弁41は、入力口41aがシリンダ6のポート9、リリーフ弁39の出力口39b、逆止弁12の入力口12a及び逆止弁14の出力口14bに接続されている。また、リリーフ弁41は、出力口41bがシリンダ6のポート11、リリーフ弁39の入力口39a、逆止弁13の入力口13a及び逆止弁16の出力口16bに接続されている。
この変形例に係る油圧ダンパ4Bによれば、図10のグラフに示されるような減衰特性を簡易な構成をもって得ることができる。図10は、油圧ダンパ4Bにおいて、シリンダ6とピストン7との間の相対速度と、その相対速度において油圧ダンパ4Bが発生する荷重との関係を示す。油圧ダンパ4Bの油圧回路8Bは、第1実施形態に係る油圧回路8を含んでいるので、グラフG1a,G1bは、第1実施形態に係る油圧ダンパ4Bと同様の特性を示す。一方、油圧ダンパ4Bの油圧回路8Bは、さらにリリーフ弁39,41を含んでいる。これらリリーフ弁39,41を利用して第1の圧力に対して、閾値(図10に示された符号Fr)を設定する。この第1の圧力がこの閾値を超えると、リリーフ弁39,41によってハードニング油圧装置20に付加される第1の圧力が抑制される。そうすると、グラフG1cに示されるように、減衰特性(傾きC3)が小さくなる。従って、発生する荷重を設計許容値(図10に示された符号Fmax)以内に制限し、油圧ダンパ4Bを保護することができる。
また、図11に示されるように、油圧ダンパ4Cの油圧回路8Cは、2個のリリーフ弁42,43を有していてもよい。油圧回路8Cは、第2実施形態に係る油圧回路8Aに2個のリリーフ弁42,43を追加したものである。
リリーフ弁42は、入力口42aがシリンダ6のポート11、リリーフ弁43の出力口43b、ハードニング油圧装置20Bの低圧側、及びハードニング油圧装置20Aの高圧側に接続されている。また、リリーフ弁42は、出力口42bがシリンダ6のポート9、リリーフ弁43の入力口43a、ハードニング油圧装置20Bの高圧側、及びハードニング油圧装置20Aの低圧側に接続されている。リリーフ弁43は、入力口43aがシリンダ6のポート9、リリーフ弁42の出力口42b、ハードニング油圧装置20Bの高圧側、及びハードニング油圧装置20Aの低圧側に接続されている。また、リリーフ弁43は、出力口43bがシリンダ6のポート11、リリーフ弁42の入力口42a、ハードニング油圧装置20Bの低圧側、及びハードニング油圧装置20Aの高圧側に接続されている。
この変形例に係る油圧ダンパ4Cによっても、図10のグラフに示されるような減衰特性を簡易な構成をもって得ることができる。
また、上記実施形態では、いわゆる両ロッド型と呼ばれるシリンダ6及びピストン7の構成を例示した。油圧装置は、片ロッド型と呼ばれるシリンダ及びピストンを備える構成に適用してもよい。
また、上記実施形態では、ハードニング油圧装置20は、2個の圧力ポート23,24と、2個の弁部27,28とを有していたがこの構成に限定されることはない。ハードニング油圧装置は、2個以上である複数の圧力ポートと、圧力ポートの数に対応する2個以上である複数の弁部を有する構成であってもよい。この場合には、2個の圧力ポートとそれらに対応する弁部とを利用することにより、上記実施形態に係るハードニング油圧装置20と同様の効果を得ることができる。
1…制震構造、2…質量体、3,33…バネ(弾性部)、4,4A,4B,4C…油圧ダンパ、5…油圧室、6…シリンダ、7…ピストン、8,8A,8B,8C…油圧回路、6a…第1の油圧室部、6b…第2の油圧室部、9…ポート、11…ポート、12,13,14,16…逆止弁、17,18…オリフィス、19…アキュームレータ、20,20A,20B…ハードニング油圧装置、21…本体部、22…スプール弁、23…高圧側ポート(第1の圧力ポート)、24…低圧側ポート(第2の圧力ポート)、26…流路部、23a…第1の開口、24a…第2の開口、27…第1の弁部、28…第2の弁部、29…軸部、27a…第1の連結端面、27b…第1の圧力付与面、28a…第2の連結端面、28b…第2の圧力付与面、31…第1の圧力付与部、32…第2の圧力付与部、31a…第1の圧力伝達部、26b…第1の圧力室、26a…流路本体部、26c…第2の圧力室、32a…第2の圧力伝達部、33…バネ(付勢部)、100…建物。

Claims (6)

  1. 圧油が充填された油圧室を有するシリンダと、前記シリンダに配置されて前記油圧室を第1の油圧室部と第2の油圧室部とに分割し、前記シリンダ内を往復移動するピストンと、を備えた油圧ダンパに適用される油圧装置であって、
    前記第1の油圧室部と接続された第1の圧力ポートと、前記第2の油圧室部と接続され、前記第1の圧力ポートに対して所定の方向に離間するように設けられた第2の圧力ポートと、前記所定の方向に延在し、前記第1の圧力ポートと前記第2の圧力ポートとを連通させる流路部と、を有する本体部と、
    前記流路部に配置され、前記所定の方向に沿って往復移動するスプール弁であって、前記第1の圧力ポートにおいて前記圧油が流動可能な第1の開口の面積を制御する第1の弁部と、前記第2の圧力ポートにおいて前記圧油が流動可能な第2の開口の面積を制御する第2の弁部と、前記第1の弁部を前記第2の弁部に連結する軸部と、を有する前記スプール弁と、を備え、
    前記本体部は、前記第1の弁部から前記第2の弁部へ向かう方向に、前記シリンダと前記ピストンとの間の相対速度に応じて生じる第1の圧力を第1の弁部に付与する第1の圧力付与部と、前記第2の弁部から前記第1の弁部へ向かう方向に、前記相対速度に応じて生じる圧力成分を含む第2の圧力を第2の弁部に付与する第2の圧力付与部と、を有し、
    前記スプール弁は、前記第1の圧力と前記第2の圧力との圧力差に起因して往復移動し、
    前記第1の弁部は、前記スプール弁の移動に起因して、前記第1の圧力が大きくなるに従って前記第1の開口の面積が小さくなるように前記第1の開口の面積を制御し、
    前記第2の弁部は、前記スプール弁の移動に起因して、前記第1の圧力が大きくなるに従って前記第2の開口の面積が大きくなるように前記第2の開口の面積を制御し、
    前記スプール弁は、前記第2の開口の面積が前記第1の開口の面積よりも小さい第1の状態から、前記第1の開口の面積が前記第2の開口の面積よりも小さい第2の状態に切り替える、油圧装置。
  2. 前記第1の圧力は、前記第1の圧力ポートにおける前記圧油が有する圧力であり、
    前記第2の圧力は、前記第2の圧力ポートにおける前記圧油が有する圧力と、前記第2の弁部に当接された付勢部が発揮する付勢圧力とを合計した圧力であり、
    前記第1の圧力付与部は、前記第1の圧力ポートから前記第1の弁部へ前記第1の圧力を伝達する第1の圧力伝達部を有し、
    前記第2の圧力付与部は、前記第2の圧力ポートから前記第2の弁部へ前記第2の圧力ポートにおける前記圧油が有する圧力を伝達する第2の圧力伝達部と、前記付勢圧力を発揮する前記付勢部と、を有する、請求項1に記載の油圧装置。
  3. 前記流路部は、前記第1の弁部及び前記第2の弁部によって、前記所定の方向に配置された第1の圧力室と流路本体部と第2の圧力室とに分割され、
    前記第1の圧力伝達部は、一端が前記第1の圧力ポートに接続され、他端が前記第1の圧力室に接続された管状体であり、
    前記第2の圧力伝達部は、一端が前記第2の圧力ポートに接続され、他端が前記第2の圧力室に接続された管状体であり、
    前記付勢部は、一端が前記第2の弁部に当接し、他端が前記第2の圧力室の端壁に当接する、請求項2に記載の油圧装置。
  4. 圧油が充填された油圧室を有するシリンダと、
    前記シリンダに配置されて前記油圧室と第1の油圧室部と第2の油圧室部とに分割し、前記シリンダ内を往復移動するピストンと、
    前記第1の油圧室部と前記第2の油圧室部との間に接続された油圧回路と、を備え、
    前記油圧回路は、請求項1〜3の何れか一項に記載された前記油圧装置を有する、油圧ダンパ。
  5. 構造物の揺れを低減する制震構造において、
    前記構造物上に配置された質量体と、
    前記質量体と前記構造物とのそれぞれに接続された弾性部と、
    前記質量体と前記構造物とのそれぞれに接続された請求項4に記載された油圧ダンパと、を備える制震構造。
  6. 基礎上に設けられた構造物の揺れを低減する免震構造において、
    前記基礎と前記構造物とのそれぞれに接続された弾性部と、
    前記基礎と前記構造物とのそれぞれに接続された請求項4に記載された油圧ダンパと、を備える免震構造。
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