JP6613090B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents
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Description
そして、近年のさらなる高画質対応、トナー消費量抑制の観点から更なるかぶりの改善が望まれている。
また、本発明の他の目的は、上記電子写真感光体を有する電子写真装置、プロセスカートリッジを提供することにある。
該電荷発生層が、有機化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶を含有し、
該電荷輸送層が、下記式(1)および(2)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂を含有し、
前記有機化合物の含有量が、前記ガリウムフタロシアニンに対して0.3質量%以上1.5質量%以下であり、
前記有機化合物がN−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−ビニルホルムアミド、N−メチルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、および、クリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
該電荷発生層が、有機化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶を含有し、該有機化合物が、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−ビニルホルムアミド、N−メチルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。そして、該有機化合物の含有量が、ガリウムフタロシアニン結晶中のガリウムフタロシアニンに対して0.1質量%以上2.0質量%以下である。
さらに、該電荷輸送層が、下記式(1)および(2)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする。
をホスゲン、炭酸エステルあるいはクロロホルメートと反応して得られる。
4,4′−ジヒドロキシビフェニル、
4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルビフェニル、
4,4′−ジヒドロキシ−2,2′−ジメチルビフェニル、
4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5−トリメチルビフェニル、
4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラメチルビフェニル、
4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジブチルビフェニル、
4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジシクロヘキシルビフェニル、
3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、
4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジフェニルビフェニル。
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ブタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−シクロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン
及び
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン
等が挙げられ、これらを2種類以上併用することも可能である。
本発明の有機化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶は、ガリウムフタロシアニンを有機化合物を含む溶剤に加えて湿式ミリング処理することにより、ガリウムフタロシアニンの結晶変換を行う工程で得られる。有機化合物を含んだ溶剤を用いてミリング処理することにより得られる。湿式ミリング処理に用いるガリウムフタロシアニンは、アシッドペースティング法により、または乾式ミリング処理することにより得られたガリウムフタロシアニンであることが好ましい。
ここで行う湿式ミリング処理とは、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボールなどの分散剤とともにサンドミル、ボールミルなどのミリング装置を用いて行う処理である。湿式ミリング時間は、30〜3000時間程度が好ましい。特に好ましい方法は、10〜100時間おきにサンプルをとり、NMR測定によりガリウムフタロシアニン結晶中の有機化合物の含有量を確認することである。湿式ミリング処理で用いる分散剤の量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの10〜50倍が好ましい。
有機化合物の使用量は、質量基準でガリウムフタロシアニン結晶の5〜30倍が好ましい。
[粉末X線回折測定]
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT−TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロメーター:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター
[NMR測定]
使用測定器:BRUKER製、AVANCEIII 500
溶媒:重硫酸(D2SO4)
有機化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶を含有する電荷発生層と
上記式(1)および(2)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂を含有した電荷輸送層とを積層した積層型感光体である。また、電荷発生層と電荷輸送層の積層関係は電荷発生層が下層である。
下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド、にかわおよびゼラチンなどが用いられる。下引き層は、上記材料を含有する下引き層用塗布液を支持体上に塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥させて形成することができる。また、抵抗制御剤として金属酸化物を添加することもある。
下引き層の膜厚は0.3〜5.0μmであることが好ましい。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子および金属酸化物などの導電性粒子を、結着樹脂中に分散して形成することができる。
導電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
電荷発生層の膜厚は、0.05〜1μmであることが好ましく、0.1〜0.3μmであることがより好ましい。
アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル系溶剤;
トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素溶剤;
1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;
ハロゲン原子で置換されたクロロホルムなどの炭化水素溶剤;
などが用いられる。これら溶剤は、単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。これらの溶剤のなかでも、双極子モーメント1.0D以下の溶媒が好ましく、キシレン、メチラール(ジメトキシメタン)がより好ましい。
電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して20〜80質量%であることが好ましく、特には30〜60質量%であることが好ましい。
1は円筒状(ドラム状)の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
窒素フローの雰囲気下、フタロニトリル5.46部およびα−クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱し、温度30℃まで昇温させた後、この温度を維持した。次に、この温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液の水分値は150ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を4.65部(収率71%)得た。
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下、氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて濾過した。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返し、その後、固形分23%のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)を得た(アシッドペースティング処理)。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、専用円形プラスチックトレイにフィルタープレスより取り出したままの固まりの状態(含水ケーキ厚4cm以下)で載せ、遠赤外線はオフ、乾燥機の内壁の温度は50℃になるように設定した。そして、マイクロ波照射時は真空ポンプとリークバルブを調整し、真空度を4.0〜10.0kPaに調整した。
以上、合計3時間で、含水率1%以下のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を1.52kg得た。
合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン0.5部、および、N,N−ジメチルホルムアミド10部を、直径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下、120rpmの条件で400時間行った。この分散液からヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図2に示す。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN,N−ジメチルホルムアミドが1.4質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1において、ミリング処理時間を400時間から2000時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN,N−ジメチルホルムアミドが0.8質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に、ミリング処理時間を400時間から100時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.40部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してジメチルスルホキシドが2.0質量%含有されていることが確認された。
実施例1−3において、ミリング処理時間を100時間から2000時間に変更した以外は、実施例1−3と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.39部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してジメチルスルホキシドが0.7質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチルホルムアミド10部に、ミリング処理時間を400時間から200時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−メチルホルムアミドが1.2質量%含有されていることが確認された。
実施例1−5において、ミリング処理時間を200時間から1000時間に変更した以外は、実施例1−5と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−メチルホルムアミドが0.5質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−プロピルホルムアミド10部に、ミリング処理時間を400時間から300時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−プロピルホルムアミドが1.6質量%含有されていることが確認された。
実施例1−7において、ミリング処理時間を300時間から1000時間に変更した以外は、実施例1−7と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−プロピルホルムアミドが0.9質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−ビニルホルムアミド10部に、ミリング処理時間を400時間から200時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−ビニルホルムアミドが1.8質量%含有されていることが確認された。
実施例1−9において、ミリング処理時間を200時間から600時間に変更した以外は、実施例1−9と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−ビニルホルムアミドが1.5質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチル−2−ピロリドン10部に、ミリング処理時間を400時間から800時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−メチル−2−ピロリドンが1.4質量%含有されていることが確認された。
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン0.5部、および、直径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルで乾式ミリング処理を室温(23℃)下で40時間行った。そこにN,N−ジメチルホルムアミド10部を加え湿式ミリング処理を室温(23℃)下で100時間行った。
この分散液からガリウムフタロシアニン結晶をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図3に示す。
また、NMR測定により、本実施例で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、クロロガリウムフタロシアニンに対して、N,N−ジメチルホルムアミドが1.0質量%含有されていることが確認された。
実施例1−12において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチルホルムアミド10部に変更した以外は、実施例1−12と同様に処理し、クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図3と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、クロロガリウムフタロシアニンに対してN−メチルホルムアミドが1.5質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に、湿式ミリング処理時間を400時間から140時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.41部得た。こうして得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してジメチルスルホキシドが1.9質量%含有されていることが確認された。
実施例1−1において、湿式ミリング処理時間を400時間から48時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.46部得た。
また、NMR測定により、本比較例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN,N−ジメチルホルムアミドが2.1質量%含有されていることが確認された。
実施例1−3において、湿式ミリング処理時間を100時間から48時間に変更した以外は、実施例1−3と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.41部得た。
また、NMR測定により、本比較例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してジメチルスルホキシドが2.1質量%含有されていることが確認された。
実施例1−11において、湿式ミリング処理時間を800時間から48時間に変更した以外は、実施例1−11と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。
また、NMR測定により、本比較例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−メチル−2−ピロリドンが3.0質量%含有されていることが確認された。
酸化スズで被覆した硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70質量%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)0.015部、シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール 50部、メタノール 50部を20時間、ボールミルで分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を、支持体としてのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間140℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.22μmの電荷発生層を形成した。
このようにして、円筒状(ドラム状)の本実施例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−2で得られたヒドロキシガリウム結晶に変更した。さらに、例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−4で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(2)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−3と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−5で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂に変更し、溶媒をテトラヒドロフラン(双極子モーメント1.36D)からo−キシレン(双極子モーメント0.5D)に、トルエン(双極子モーメント0.36D)からジメトキシメタン(双極子モーメント0.91D)に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−5において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−5で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−6で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(4)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−5と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(3)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−5において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−8で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−5と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−9で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−5において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−10で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂10部を5部に変更し、例示化合物(3)に示すポリカーボネート樹脂を5部追加した以外は、実施例2−5と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−5において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−11で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した以外は、実施例2−5と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−12で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂1部を例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−5において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−13で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−5と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−6において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−14で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した以外は、実施例2−6と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物5に示すポリカーボネート樹脂を比較化合物1に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本比較例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較例1−2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物5に示すポリカーボネート樹脂を比較化合物1に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本比較例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較例1−3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物5に示すポリカーボネート樹脂を比較化合物1に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本比較例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−3において、電荷輸送層用塗布液を調製する際の(例示化合物5)に示すポリカーボネート樹脂を(比較化合物1)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−3と同様にして本比較例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較例1−2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物5に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物7に示すポリカーボネート樹脂に変更したこと以外は、実施例2−3と同様にして本比較例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−11において、電荷輸送層用塗布液を調製する際の(例示化合物1)を(比較化合物1)に変更した以外は、実施例2−11と同様にして本比較例の電子写真感光体を作製した。
実施例2−1〜2−14および比較例2−1〜2−6で作製した電子写真感光体について、10,000枚繰り返し使用後の出力画像におけるかぶり評価を行った。
評価装置としては、ヒューレッドパッカード社製レーザービームプリンターCP−4525を、電子写真感光体の帯電電位(暗部電位)を調整できるように改造し、暗部電位を−450Vに設定して用いた。評価は、温度23℃、相対湿度50%環境下で行った。
A4サイズの普通紙を用い、印字比率4%のテストチャートによる画像出力を10,000枚行い、その後、白べた画像を出力して、かぶりの画像ランク評価を行った。画像ランクはAA、A、B、C、D、E、F、Gでランク分けした。AAが最も良いことを示す。A〜Dまでは本発明の効果が得られているレベルとした。実施例および比較例の評価結果を表1に示す。
2 軸
3 帯電手段
4 像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段
Claims (8)
- 支持体および該支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを有する電子写真感光体において、
該電荷発生層が、有機化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶を含有し、
該電荷輸送層が、下記式(1)および(2)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂を含有し、
前記有機化合物の含有量が、前記ガリウムフタロシアニンに対して0.3質量%以上1.5質量%以下であり、
前記有機化合物がN−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−ビニルホルムアミド、N−メチルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする電子写真感光体。 - 前記ガリウムフタロシアニン結晶が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
- 前記ガリウムフタロシアニン結晶が、クロロガリウムフタロシアニン結晶である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法において、
該電荷輸送層が、双極子モーメント1.0D以下の溶媒を使用して形成されたものであることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。 - 前記双極子モーメント1.0D以下の溶媒が、キシレン、ジメトキシメタンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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