JP6613090B2 - 電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、電子写真感光体、電子写真感光体の製造方法、電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
現在、電子写真感光体は電荷発生機能(電荷発生層)と電荷輸送機能(電荷輸送層)とをそれぞれ別々の層に分担させた機能分離型積層感光体が一般的である。
電荷発生機能を有する電荷発生物質に関しては、像露光手段としてよく用いられている半導体レーザーの発振波長が650〜820nmと長波長であるため、これらの長波長の光に高い感度を有する電荷発生物質の開発が進められている。
フタロシアニン顔料は、こうした長波長領域までの光に高い感度を有する電荷発生物質として有効である。特にオキシチタニウムフタロシアニンやガリウムフタロシアニンは、優れた感度特性を有しており、これまでに様々な結晶形や改良製法が報告されている。
特許文献1には、極性有機溶剤を含有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶が開示されている。N,N−ジメチルホルムアミドなどを変換溶剤に使用することにより結晶内に取り込まれ、優れた感度特性を有する結晶が得られている。
一方、電荷輸送機能を分担する電荷輸送層としては、電荷輸送機能を有することと電子写真感光体の最表面に位置することから、機械的強度と放電劣化の少ないことが求められている。従って、高モビリティ−な電荷輸送物質の開発、および機械的強度と放電に強い樹脂の開発が進められている。
特に、感光体の繰り返し使用での削れによる電荷輸送層の薄膜化によって電界強度が上昇し、かぶり(本来トナーが現像されるべきでない部分に、薄くトナーが現像されてしまう現象)が発生することが問題となっている。
特許文献2には、耐摩耗性に優れたポリカーボネート共重合体が記載され、耐摩耗性に優れた感光体が得られている。
特開平7−331107号公報 特開2011−26574号公報
以上、電子写真感光体に関して、様々な改善が試みられている。しかしながら、特許文献1に記載の感光体は、生成したフォトキャリアが感光層に残存しやすく、その残留フォトキャリアが起点となって、かぶりや黒点といった画像欠陥を起こしやすいという課題があった。
そして、近年のさらなる高画質対応、トナー消費量抑制の観点から更なるかぶりの改善が望まれている。
本発明の目的は、機能分離型積層感光体の電荷発生層中の電荷発生物質の改良、および電荷輸送層の改良により、電荷輸送層が感光体の繰り返し使用により薄膜化してもかぶりを十分に抑えた高品質な画像を出力可能な電子写真感光体およびその製造方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記電子写真感光体を有する電子写真装置、プロセスカートリッジを提供することにある。
本発明は、支持体、および該支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを有する電子写真感光体において、
該電荷発生層が、有機化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶を含有し
電荷輸送層が、下記式(1)および(2)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂を含有し、
Figure 0006613090
Figure 0006613090
上記式(1)中のR11〜R18および式(2)中のR21〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、または、アルコキシ基を示す。式(2)中のXは、
Figure 0006613090
示す。ここで、R31及びR32は、水素原子、無置換のアルキル基、無置換のアリール基、並びにR31及びR32が結合して炭素環を形成するのに必要な基から選ばれるいずれかを示す
前記有機化合物の含有量が、前記ガリウムフタロシアニンに対して0.3質量%以上1.5質量%以下であり、
前記有機化合物がN−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−ビニルホルムアミド、N−メチルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする電子写真感光体である。
また、本発明は、上記電子写真感光体の製造方法において、該電荷輸送層が、双極子モーメント1.0D以下の溶媒を使用して形成されたものであることを特徴とする電子写真感光体の製造方法である。
また、本発明は、上記電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、および、クリーニング手段からなる群より選ばれる少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
また、本発明は、上記電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段、および、転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
本発明によれば、かぶりを十分に抑えた高品質な画像を出力可能な電子写真感光体およびその製造方法、ならびに、該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を提供することができる。
本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。 実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。 実施例1−12で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折図である。
本発明の電子写真感光体は、上記のとおり、支持体、該支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを有する。
該電荷発生層が、有機化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶を含有し、該有機化合物が、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−ビニルホルムアミド、N−メチルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物である。そして、該有機化合物の含有量が、ガリウムフタロシアニン結晶中のガリウムフタロシアニンに対して0.1質量%以上2.0質量%以下である。
さらに、該電荷輸送層が、下記式(1)および(2)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂を含有することを特徴とする。
Figure 0006613090
Figure 0006613090
上記式(1)中のR11〜R18および式(2)中のR21〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、または、アルコキシ基を示す。式(2)中のXは、
Figure 0006613090
のいずれかを示す。ここで、R31及びR32は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のアルケニル基、またはR31及びR32が結合して炭素環または複素環を形成するのに必要な基を示す。aは1〜20の整数を示す。置換のアルキル基、置換のアリール基、置換のアルケニル基の置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、またはアリール基が挙げられる。また、R31及びR32が結合して形成される炭素環、複素環としては、フルオレン構造、アダマンタン構造などが挙げられる。
また、前記式(2)で示される構造単位が、下記式(4)〜(7)のいずれかで示される構造単位であることが好ましい。
Figure 0006613090
Figure 0006613090
Figure 0006613090
Figure 0006613090
また上記式(1)および(2)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂は、下記式(8)および(9)で示されるビスフェノール
Figure 0006613090
Figure 0006613090
(上記式(8)中のR11〜R18および式(9)中のR21〜R28は、それぞれ上記式(1)、(2)におけるものと同義である。)
をホスゲン、炭酸エステルあるいはクロロホルメートと反応して得られる。
上記式(8)で示されるビスフェノールの好ましい例を以下に示すが、本発明はこれらに限られるものではない。
4,4′−ジヒドロキシビフェニル、
4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルビフェニル、
4,4′−ジヒドロキシ−2,2′−ジメチルビフェニル、
4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5−トリメチルビフェニル、
4,4′−ジヒドロキシ−3,3′,5,5′−テトラメチルビフェニル、
4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジブチルビフェニル、
4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジシクロヘキシルビフェニル、
3,3′−ジフルオロ−4,4′−ジヒドロキシビフェニル、
4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジフェニルビフェニル。
上記式(9)で示されるビスフェノール化合物としては、例えば、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エーテル、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルファイド、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)エタン、
1,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)ブタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−シクロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジフルオロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(2−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン
及び
1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)アダマンタン
等が挙げられ、これらを2種類以上併用することも可能である。
本発明において用いられるポリカーボネート樹脂の極限粘度は0.3〜2.0デシリットル/グラムが好ましい。
本発明において用いられるポリカーボネート樹脂には、通常末端停止剤あるいは分子量調節剤が使用され、これらの例としては1価のフェノール性水酸基を有する化合物が挙げられる。通常のフェノール、p−第三ブチルフェノール及びトリブロモフェノール等の他に長鎖アルキルフェノール、脂肪族カルボン酸クロライド、脂肪族カルボン酸、ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル、ヒドロキシフェニルアルキル酸エステル及びアルキルエーテルフェノール等が挙げられる。
末端停止剤あるいは分子量調節剤の使用量は、用いる全てのビスフェノール100モルに対して、100〜0.2モル、好ましくは50〜2モルであり、2種類以上の化合物を併用することも当然に可能である。
更に分岐化剤を上記のビスフェノール系化合物に対して0.01〜3モル%、特に0.1〜1.0モル%の範囲で併用して分岐化ポリカーボネート樹脂とすることができる。分岐化剤としては、フロログルシン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリ(ヒドロキシフェニル)ヘプテン−3、4,6−ジメチル−2,4,6−トリ(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、1,3,5−トリ(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾール、1,1,1−トリ(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェノール、α,α’,α”−トリ(4−ヒドロキシフェニル)1,3,5−トリイソプロピルベンゼン等のポリヒドロキシ化合物及び3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール、5−クロロイサチン及び5,7−ジクロロイサチン、5−ブロモイサチン等が挙げられる。
上記式(1)および(2)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限られるものではない。構造単位の量比はモル比を示す。
Figure 0006613090
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本発明のガリウムフタロシアニン結晶に含まれる前記有機化合物は複数種であってよく、含有量はトータルでガリウムフタロシアニン結晶中のガリウムフタロシアニンに対して0.1質量%以上2.0質量%以下である。
また、前記有機化合物の含有量が、ガリウムフタロシアニン結晶中のガリウムフタロシアニンに対して0.1質量%以上1.9質量%以下であることが好ましい。
また、前記有機化合物の含有量が、ガリウムフタロシアニン結晶中のガリウムフタロシアニンに対して0.3質量%以上1.5質量%以下であることがより好ましい。
また、前記有機化合物がN−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、またはN−ビニルホルムアミドであることが好ましい。
ガリウムフタロシアニン結晶の中でも、優れた感度を有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、クロロガリウムフタロシアニン結晶、ブロモガリウムフタロシアニン結晶、ヨードガリウムフタロシアニン結晶が、本発明が有効に作用し、好ましい。中でもヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶、クロロガリウムフタロシアニン結晶が特に好ましい。ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶は、ガリウム原子が軸配位子としてヒドロキシ基を有するものである。ブロモガリウムフタロシアニン結晶は、ガリウム原子が軸配位子として臭素原子を有するものである。ヨードガリウムフタロシアニン結晶は、ガリウム原子が軸配位子としてヨウ素原子を有するものである。
ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の中でも、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θにおいて7.4°±0.3°および28.3°±0.3°にピークを有するヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶であることが高感度の点でより好ましい。
クロロガリウムフタロシアニン結晶の中でも、CuKα線のX線回折におけるブラッグ角2θ±0.2°において7.4°、16.6°、25.5°および28.3°にピークを有するクロロガリウムフタロシアニン結晶であることが高感度の点でより好ましい。
有機化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶の製造方法について説明する。
本発明の有機化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶は、ガリウムフタロシアニンを有機化合物を含む溶剤に加えて湿式ミリング処理することにより、ガリウムフタロシアニンの結晶変換を行う工程で得られる。有機化合物を含んだ溶剤を用いてミリング処理することにより得られる。湿式ミリング処理に用いるガリウムフタロシアニンは、アシッドペースティング法により、または乾式ミリング処理することにより得られたガリウムフタロシアニンであることが好ましい。
ここで行う湿式ミリング処理とは、例えば、ガラスビーズ、スチールビーズ、アルミナボールなどの分散剤とともにサンドミル、ボールミルなどのミリング装置を用いて行う処理である。湿式ミリング時間は、30〜3000時間程度が好ましい。特に好ましい方法は、10〜100時間おきにサンプルをとり、NMR測定によりガリウムフタロシアニン結晶中の有機化合物の含有量を確認することである。湿式ミリング処理で用いる分散剤の量は、質量基準でガリウムフタロシアニンの10〜50倍が好ましい。
有機化合物の使用量は、質量基準でガリウムフタロシアニン結晶の5〜30倍が好ましい。
本発明のガリウムフタロシアニン結晶が有機化合物を結晶内に含有しているかどうかについて、本発明においては、得られたガリウムフタロシアニン結晶をNMR測定することにより決定した。
本発明の電子写真感光体に含有されるガリウムフタロシアニン結晶のX線回折およびNMRの測定は、以下の条件で行ったものである。
[粉末X線回折測定]
使用測定機:理学電気(株)製、X線回折装置RINT−TTRII
X線管球:Cu
管電圧:50KV
管電流:300mA
スキャン方法:2θ/θスキャン
スキャン速度:4.0°/min
サンプリング間隔:0.02°
スタート角度(2θ):5.0°
ストップ角度(2θ):40.0°
アタッチメント:標準試料ホルダー
フィルター:不使用
インシデントモノクロメーター:使用
カウンターモノクロメーター:不使用
発散スリット:開放
発散縦制限スリット:10.00mm
散乱スリット:開放
受光スリット:開放
平板モノクロメーター:使用
カウンター:シンチレーションカウンター
[NMR測定]
使用測定器:BRUKER製、AVANCEIII 500
溶媒:重硫酸(DSO
本発明の感光層は、
有機化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶を含有する電荷発生層と
上記式(1)および(2)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂を含有した電荷輸送層とを積層した積層型感光体である。また、電荷発生層と電荷輸送層の積層関係は電荷発生層が下層である。
本発明に用いられる支持体は、導電性を有するもの(導電性支持体)が好ましい。例えば、アルミニウムやステンレスなどの金属や合金、あるいは導電層を設けた金属、合金、プラスチックおよび紙などが挙げられ、形状としては円筒状またはフィルム状などが挙げられる。
本発明において、支持体と感光層の間には、バリア機能と接着機能を持つ下引き層(中間層とも呼ばれる。)を設けることもできる。
下引き層の材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミド、にかわおよびゼラチンなどが用いられる。下引き層は、上記材料を含有する下引き層用塗布液を支持体上に塗布して塗膜を形成し、塗膜を乾燥させて形成することができる。また、抵抗制御剤として金属酸化物を添加することもある。
下引き層の膜厚は0.3〜5.0μmであることが好ましい。
さらに、支持体と下引き層との間に、支持体のムラや欠陥の被覆、干渉縞防止を目的とした導電層を設けることが好適である。
導電層は、カーボンブラック、金属粒子および金属酸化物などの導電性粒子を、結着樹脂中に分散して形成することができる。
導電層の膜厚は5〜40μmであることが好ましく、特には10〜30μmであることが好ましい。
電荷発生層は、有機化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶を結着樹脂とともに溶剤に分散させることによって調製された電荷発生層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって形成することができる。
電荷発生層の膜厚は、0.05〜1μmであることが好ましく、0.1〜0.3μmであることがより好ましい。
電荷発生層における該有機化合物を含有したガリウムフタロシアニン結晶の含有量は、電荷発生層の全質量に対して40質量%以上85質量%以下であることが好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがより好ましい。
電荷発生層に用いる結着樹脂としては、例えば、ポリエステル、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリビニルブチラール、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリスルホン、アクリロニトリル共重合体およびポリビニルベンザールなどの樹脂が挙げられる。これらの中でも、ガリウムフタロシアニン結晶の分散性の観点から、ポリビニルブチラール、ポリビニルベンザールが好ましい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と上記式(1)および(2)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂を溶剤中に溶解させた電荷輸送層用塗布液を塗布し、得られた塗膜を乾燥させて形成することができる。また、電荷輸送層にトナーの転写効率を上げる目的で離型剤、汚れなどを防止する目的で指紋付着防止剤、削れを防止する目的でフィラー、およびドラム表面の潤滑性を上げる目的で滑剤などを添加しても良い。
本発明による電子写真感光体の電荷輸送層の作製に使用する溶媒としては、
アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル系溶剤;
トルエン、キシレン、クロロベンゼンなどの芳香族炭化水素溶剤;
1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル系溶剤;
ハロゲン原子で置換されたクロロホルムなどの炭化水素溶剤;
などが用いられる。これら溶剤は、単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。これらの溶剤のなかでも、双極子モーメント1.0D以下の溶媒が好ましく、キシレン、メチラール(ジメトキシメタン)がより好ましい。
電荷輸送層を形成する際、これらの溶剤を、上記式(1)および(2)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂および電荷輸送物質と組み合せて用いることにより、塗工性に優れ、繰り返し使用時にもかぶりを生じにくい電子写真感光体が得られる。
電荷輸送層の膜厚は、5〜40μmであることが好ましく、特には7〜25μmであることが好ましい。
電荷輸送物質の含有量は、電荷輸送層の全質量に対して20〜80質量%であることが好ましく、特には30〜60質量%であることが好ましい。
電荷輸送物質としては、各種のトリアリールアミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン化合物、オキサゾール化合物、チアゾール化合物およびトリアリルメタン化合物などが挙げられる。これらの中でも電荷輸送物質としては、トリアリールアミン化合物が好ましい。
各層の塗布方法としては、浸漬塗布法(ディッピング法)、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法およびビームコーティング法などの塗布方法を用いることができる。
図1は、本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを備えた電子写真装置の概略構成の一例を示す図である。
1は円筒状(ドラム状)の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
電子写真感光体1の表面は、回転過程において、帯電手段3により、正または負の所定電位に帯電される。次いで、帯電された電子写真感光体1の表面には、像露光手段(不図示)から像露光光4が照射され、目的の画像情報に対応した静電潜像が形成されていく。像露光光4は、例えば、スリット露光やレーザービーム走査露光などの像露光手段から出力される、目的の画像情報の時系列電気デジタル画像信号に対応して強度変調された光である。
電子写真感光体1の表面に形成された静電潜像は、現像手段5内に収容されたトナーで現像(正規現像または反転現像)され、電子写真感光体1の表面にはトナー像が形成される。電子写真感光体1の表面に形成されたトナー像は、転写手段6により、転写材7に転写されていく。このとき、転写手段6には、バイアス電源(不図示)からトナーの保有電荷とは逆極性のバイアス電圧が印加される。また、転写材7が紙である場合、転写材7は給紙部(不図示)から取り出されて、電子写真感光体1と転写手段6との間に電子写真感光体1の回転と同期して給送される。
電子写真感光体1からトナー像が転写された転写材7は、電子写真感光体1の表面から分離されて、像定着手段8へ搬送されて、トナー像の定着処理を受けることにより、画像形成物(プリント、コピー)として電子写真装置の外へプリントアウトされる。
転写材7にトナー像を転写した後の電子写真感光体1の表面は、クリーニング手段9により、トナー(転写残りトナー)などの付着物の除去を受けて清浄される。近年、クリーナレスシステムも開発され、転写残りトナーを直接、現像器などで除去することもできる。さらに、電子写真感光体1の表面は、前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し画像形成に使用される。なお、帯電手段3が帯電ローラーなどを用いた接触帯電手段である場合は、前露光手段は必ずしも必要ではない。
本発明においては、上述の電子写真感光体1、帯電手段3、およびクリーニング手段9などの構成要素のうち、複数の構成要素を容器に納めて一体に支持してプロセスカートリッジを形成してもよい。そして、このプロセスカートリッジを電子写真装置本体に対して着脱自在に構成することができる。例えば、帯電手段3、現像手段5およびクリーニング手段9から選択される少なくとも1つを電子写真感光体1とともに一体に支持してカートリッジ化して、電子写真装置本体のレールなどの案内手段12を用いて電子写真装置本体に着脱自在なプロセスカートリッジ11とすることができる。
像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光であってもよい。または、センサーで原稿を読み取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動もしくは液晶シャッターアレイの駆動などにより放射される光であってもよい。
本発明の電子写真感光体1は、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、FAX、液晶プリンターおよびレーザー製版などの電子写真応用分野にも幅広く適用することができる。
以下に、具体的な実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。以下に記載の「部」は、「質量部」を意味する。ただし、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、実施例および比較例の電子写真感光体の各層の膜厚は、渦電流式膜厚計(Fischerscope、フィッシャーインスツルメント社製)で求め、または、単位面積当たりの質量から比重換算で求めた。
〔合成例1〕
窒素フローの雰囲気下、フタロニトリル5.46部およびα−クロロナフタレン45部を反応釜に投入した後、加熱し、温度30℃まで昇温させた後、この温度を維持した。次に、この温度(30℃)で三塩化ガリウム3.75部を投入した。投入時の混合液の水分値は150ppmであった。その後、温度200℃まで昇温させた。次に、窒素フローの雰囲気下、温度200℃で4.5時間反応させた後、冷却し、温度150℃に達したときに生成物を濾過した。得られた濾過物をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて温度140℃で2時間分散洗浄した後、濾過した。得られた濾過物をメタノールで洗浄した後、乾燥させ、クロロガリウムフタロシアニン顔料を4.65部(収率71%)得た。
〔合成例2〕
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン顔料4.65部を、温度10℃で濃硫酸139.5部に溶解させ、攪拌下、氷水620部中に滴下して再析出させて、フィルタープレスを用いて濾過した。得られたウエットケーキ(濾過物)を2%アンモニア水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いて濾過した。次いで、得られたウエットケーキ(濾過物)をイオン交換水で分散洗浄した後、フィルタープレスを用いた濾過を3回繰り返し、その後、固形分23%のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)を得た(アシッドペースティング処理)。
次に得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料(含水ヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料)6.6kgをハイパー・ドライ乾燥機(商品名:HD−06R、周波数(発振周波数):2455MHz±15MHz、日本バイオコン(株)製)を用いて以下のように乾燥させた。
得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を、専用円形プラスチックトレイにフィルタープレスより取り出したままの固まりの状態(含水ケーキ厚4cm以下)で載せ、遠赤外線はオフ、乾燥機の内壁の温度は50℃になるように設定した。そして、マイクロ波照射時は真空ポンプとリークバルブを調整し、真空度を4.0〜10.0kPaに調整した。
まず、第1工程として、4.8kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に50分間照射し、次に、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は88%であった。
第2工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を前記設定値内(4.0〜10.0kPa)に調整した後、1.2kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に5分間照射し、また、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第2工程をさらに1回繰り返した(計2回)。この時点でのヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料の固形分は98%であった。
さらに第3工程として、第2工程でのマイクロ波を1.2kWから0.8kWに代えた以外は第2工程と同様にしてマイクロ波照射を行った。この第3工程をさらに1回繰り返した(計2回)。
さらに第4工程として、リークバルブを調整し、真空度(乾燥機内の圧力)を前記設定値内(4.0〜10.0kPa)に復圧した後、0.4kWのマイクロ波をヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料に3分間照射し、また、マイクロ波を一旦切ってリークバルブを一旦閉じて2kPa以下の高真空にした。この第4工程をさらに7回繰り返した(計8回)。
以上、合計3時間で、含水率1%以下のヒドロキシガリウムフタロシアニン顔料を1.52kg得た。
〔実施例1−1〕
合成例2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン0.5部、および、N,N−ジメチルホルムアミド10部を、直径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルでミリング処理を室温(23℃)下、120rpmの条件で400時間行った。この分散液からヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図2に示す。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN,N−ジメチルホルムアミドが1.4質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−2〕
実施例1−1において、ミリング処理時間を400時間から2000時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN,N−ジメチルホルムアミドが0.8質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−3〕
実施例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に、ミリング処理時間を400時間から100時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.40部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してジメチルスルホキシドが2.0質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−4〕
実施例1−3において、ミリング処理時間を100時間から2000時間に変更した以外は、実施例1−3と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.39部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してジメチルスルホキシドが0.7質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−5〕
実施例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチルホルムアミド10部に、ミリング処理時間を400時間から200時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−メチルホルムアミドが1.2質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−6〕
実施例1−5において、ミリング処理時間を200時間から1000時間に変更した以外は、実施例1−5と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−メチルホルムアミドが0.5質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−7〕
実施例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−プロピルホルムアミド10部に、ミリング処理時間を400時間から300時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−プロピルホルムアミドが1.6質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−8〕
実施例1−7において、ミリング処理時間を300時間から1000時間に変更した以外は、実施例1−7と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.43部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−プロピルホルムアミドが0.9質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−9〕
実施例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−ビニルホルムアミド10部に、ミリング処理時間を400時間から200時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−ビニルホルムアミドが1.8質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−10〕
実施例1−9において、ミリング処理時間を200時間から600時間に変更した以外は、実施例1−9と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−ビニルホルムアミドが1.5質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−11〕
実施例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチル−2−ピロリドン10部に、ミリング処理時間を400時間から800時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−メチル−2−ピロリドンが1.4質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−12〕
合成例1で得られたクロロガリウムフタロシアニン0.5部、および、直径0.8mmのガラスビーズ20部とともにボールミルで乾式ミリング処理を室温(23℃)下で40時間行った。そこにN,N−ジメチルホルムアミド10部を加え湿式ミリング処理を室温(23℃)下で100時間行った。
この分散液からガリウムフタロシアニン結晶をN,N−ジメチルホルムアミドを用いて取り出し、濾過し、濾過器上をテトラヒドロフランで十分に洗浄した。濾取物を真空乾燥させて、クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。得られた結晶の粉末X線回折図を図3に示す。
また、NMR測定により、本実施例で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、クロロガリウムフタロシアニンに対して、N,N−ジメチルホルムアミドが1.0質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−13〕
実施例1−12において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をN−メチルホルムアミド10部に変更した以外は、実施例1−12と同様に処理し、クロロガリウムフタロシアニン結晶を0.45部得た。得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図3と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、クロロガリウムフタロシアニンに対してN−メチルホルムアミドが1.5質量%含有されていることが確認された。
〔実施例1−14〕
実施例1−1において、N,N−ジメチルホルムアミド10部をジメチルスルホキシド10部に、湿式ミリング処理時間を400時間から140時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.41部得た。こうして得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶の粉末X線回折は、図2と同様であった。
また、NMR測定により、本実施例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してジメチルスルホキシドが1.9質量%含有されていることが確認された。
〔比較例1−1〕
実施例1−1において、湿式ミリング処理時間を400時間から48時間に変更した以外は、実施例1−1と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.46部得た。
また、NMR測定により、本比較例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN,N−ジメチルホルムアミドが2.1質量%含有されていることが確認された。
〔比較例1−2〕
実施例1−3において、湿式ミリング処理時間を100時間から48時間に変更した以外は、実施例1−3と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.41部得た。
また、NMR測定により、本比較例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してジメチルスルホキシドが2.1質量%含有されていることが確認された。
〔比較例1−3〕
実施例1−11において、湿式ミリング処理時間を800時間から48時間に変更した以外は、実施例1−11と同様に処理し、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を0.44部得た。
また、NMR測定により、本比較例で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶内に、プロトン比率から換算し、ヒドロキシガリウムフタロシアニンに対してN−メチル−2−ピロリドンが3.0質量%含有されていることが確認された。
〔実施例2−1〕
酸化スズで被覆した硫酸バリウム粒子(商品名:パストランPC1、三井金属鉱業(株)製)60部、酸化チタン粒子(商品名:TITANIX JR、テイカ(株)製)15部、レゾール型フェノール樹脂(商品名:フェノライト J−325、大日本インキ化学工業(株)製、固形分70質量%)43部、シリコーンオイル(商品名:SH28PA、東レシリコーン(株)製)0.015部、シリコーン樹脂(商品名:トスパール120、東芝シリコーン(株)製)3.6部、2−メトキシ−1−プロパノール 50部、メタノール 50部を20時間、ボールミルで分散処理することによって、導電層用塗布液を調製した。
この導電層用塗布液を、支持体としてのアルミニウムシリンダー上に浸漬塗布し、得られた塗膜を30分間140℃で乾燥させることによって、膜厚が15μmの導電層を形成した。
次に、共重合ナイロン樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ(株)製)10部およびメトキシメチル化6ナイロン樹脂(商品名:トレジンEF−30T、帝国化学(株)製)30部を、メタノール400部/n−ブタノール200部の混合溶剤に溶解させることによって、下引き層用塗布液を調製した。
この下引き層用塗布液を導電層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を乾燥させることによって、膜厚が0.7μmの下引き層を形成した。
次に、実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶(電荷発生物質)10部、ポリビニルブチラール(商品名:エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)5部、および、シクロヘキサノン250部を、直径1mmのガラスビーズを用いたサンドミルに入れ、6時間分散処理し、これに酢酸エチル250部を加えて希釈することによって、電荷発生層用塗布液を調製した。
この電荷発生層用塗布液を下引き層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を10分間100℃で乾燥させることによって、膜厚が0.22μmの電荷発生層を形成した。
次に、下記式(CTM−1)で示される化合物(電荷輸送物質)6部、下記式(CTM−2)で示される化合物(電荷輸送物質)3部、例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂10部を、テトラヒドロフラン70部およびトルエン20部に溶解させることによって、電荷輸送層用塗布液を調製した。
Figure 0006613090
Figure 0006613090
この電荷輸送層用塗布液を電荷発生層上に浸漬塗布し、得られた塗膜を1時間125℃で乾燥させることによって、膜厚が15.5μmの電荷輸送層を形成した。
このようにして、円筒状(ドラム状)の本実施例の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−2〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−2で得られたヒドロキシガリウム結晶に変更した。さらに、例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−3〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−4〕
実施例2−3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−4で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(2)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−3と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−5〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−5で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂に変更し、溶媒をテトラヒドロフラン(双極子モーメント1.36D)からo−キシレン(双極子モーメント0.5D)に、トルエン(双極子モーメント0.36D)からジメトキシメタン(双極子モーメント0.91D)に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−6〕
実施例2−5において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−5で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−6で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。また、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(4)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−5と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−7〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−7で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(3)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−8〕
実施例2−5において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−8で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−5と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−9〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−9で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−10〕
実施例2−5において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−10で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂10部を5部に変更し、例示化合物(3)に示すポリカーボネート樹脂を5部追加した以外は、実施例2−5と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−11〕
実施例2−5において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−11で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した以外は、実施例2−5と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−12〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−12で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂1部を例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−13〕
実施例2−5において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−13で得られたクロロガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物(1)に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物(5)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−5と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−14〕
実施例2−6において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を実施例1−14で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した以外は、実施例2−6と同様にして本実施例の電子写真感光体を作製した。
〔比較例2−1〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物5に示すポリカーボネート樹脂を比較化合物1に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本比較例の電子写真感光体を作製した。
Figure 0006613090
〔比較例2−2〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較例1−2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物5に示すポリカーボネート樹脂を比較化合物1に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本比較例の電子写真感光体を作製した。
〔比較例2−3〕
実施例2−1において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較例1−3で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物5に示すポリカーボネート樹脂を比較化合物1に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−1と同様にして本比較例の電子写真感光体を作製した。
〔比較例2−4〕
実施例2−3において、電荷輸送層用塗布液を調製する際の(例示化合物5)に示すポリカーボネート樹脂を(比較化合物1)に示すポリカーボネート樹脂に変更した以外は、実施例2−3と同様にして本比較例の電子写真感光体を作製した。
〔比較例2−5〕
実施例2−3において、電荷発生層用塗布液を調製する際の実施例1−1で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶を比較例1−2で得られたヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶に変更した。さらに、電荷輸送層用塗布液を調製する際の例示化合物5に示すポリカーボネート樹脂を例示化合物7に示すポリカーボネート樹脂に変更したこと以外は、実施例2−3と同様にして本比較例の電子写真感光体を作製した。
〔比較例2−6〕
実施例2−11において、電荷輸送層用塗布液を調製する際の(例示化合物1)を(比較化合物1)に変更した以外は、実施例2−11と同様にして本比較例の電子写真感光体を作製した。
〔実施例2−1〜2−14および比較例2−1〜2−6の評価〕
実施例2−1〜2−14および比較例2−1〜2−6で作製した電子写真感光体について、10,000枚繰り返し使用後の出力画像におけるかぶり評価を行った。
評価装置としては、ヒューレッドパッカード社製レーザービームプリンターCP−4525を、電子写真感光体の帯電電位(暗部電位)を調整できるように改造し、暗部電位を−450Vに設定して用いた。評価は、温度23℃、相対湿度50%環境下で行った。
<かぶり評価>
A4サイズの普通紙を用い、印字比率4%のテストチャートによる画像出力を10,000枚行い、その後、白べた画像を出力して、かぶりの画像ランク評価を行った。画像ランクはAA、A、B、C、D、E、F、Gでランク分けした。AAが最も良いことを示す。A〜Dまでは本発明の効果が得られているレベルとした。実施例および比較例の評価結果を表1に示す。
Figure 0006613090
1 電子写真感光体
2 軸
3 帯電手段
4 像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 案内手段

Claims (8)

  1. 支持体および該支持体上に電荷発生層と電荷輸送層とを有する電子写真感光体において、
    該電荷発生層が、有機化合物を結晶内に含有するガリウムフタロシアニン結晶を含有し
    電荷輸送層が、下記式(1)および(2)で示される構造単位を有するポリカーボネート樹脂を含有し、
    Figure 0006613090
    Figure 0006613090
    (上記式(1)中のR11〜R18および式(2)中のR21〜R28は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、ハロゲン原子、または、アルコキシ基を示す。式(2)中のXは、
    Figure 0006613090
    示す。R31及びR32は、それぞれ独立に、水素原子、無置換のアルキル基、無置換のアリール基、またはR31及びR32が結合して炭素環を形成するのに必要な基を示す。)
    前記有機化合物の含有量が、前記ガリウムフタロシアニンに対して0.3質量%以上1.5質量%以下であり、
    前記有機化合物がN−メチルホルムアミド、N−プロピルホルムアミド、N−ビニルホルムアミド、N−メチルピロリドンからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする電子写真感光体。
  2. 前記式(2)で示される構造単位が、下記式(4)〜(7)のいずれかで示される構造単位である請求項1に記載の電子写真感光体。
    Figure 0006613090
    Figure 0006613090
    Figure 0006613090
    Figure 0006613090
  3. 前記ガリウムフタロシアニン結晶が、ヒドロキシガリウムフタロシアニン結晶である請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 前記ガリウムフタロシアニン結晶が、クロロガリウムフタロシアニン結晶である請求項1〜3のいずれか一項に記載の電子写真感光体。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体の製造方法において、
    該電荷輸送層が、双極子モーメント1.0D以下の溶媒を使用して形成されたものであることを特徴とする電子写真感光体の製造方法。
  6. 前記双極子モーメント1.0D以下の溶媒が、キシレン、ジメトキシメタンからなる群より選択される少なくとも1種である請求項5に記載の電子写真感光体の製造方法。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体と、帯電手段、現像手段、およびクリーニング手段からなる群より選択される少なくとも1つの手段とを一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子写真感光体、ならびに、帯電手段、露光手段、現像手段および転写手段を有する電子写真装置。
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