JP6612232B2 - 対象のマルチキナーゼ阻害剤に対する応答性を予測する遺伝子発現シグネチャ、及びその使用 - Google Patents

対象のマルチキナーゼ阻害剤に対する応答性を予測する遺伝子発現シグネチャ、及びその使用 Download PDF

Info

Publication number
JP6612232B2
JP6612232B2 JP2016537848A JP2016537848A JP6612232B2 JP 6612232 B2 JP6612232 B2 JP 6612232B2 JP 2016537848 A JP2016537848 A JP 2016537848A JP 2016537848 A JP2016537848 A JP 2016537848A JP 6612232 B2 JP6612232 B2 JP 6612232B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
subject
activity
treatment
panel
activity profile
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016537848A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016528914A5 (ja
JP2016528914A (ja
Inventor
シェン クオ
ダウェイ チェン
チュアン チャン
チエ カイ
ヘンリー キシャン リ
Original Assignee
クラウン バイオサイエンス インコーポレイテッド(タイカン)
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by クラウン バイオサイエンス インコーポレイテッド(タイカン) filed Critical クラウン バイオサイエンス インコーポレイテッド(タイカン)
Publication of JP2016528914A publication Critical patent/JP2016528914A/ja
Publication of JP2016528914A5 publication Critical patent/JP2016528914A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6612232B2 publication Critical patent/JP6612232B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6883Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
    • C12Q1/6886Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material for cancer
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6883Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P1/00Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system
    • A61P1/16Drugs for disorders of the alimentary tract or the digestive system for liver or gallbladder disorders, e.g. hepatoprotective agents, cholagogues, litholytics
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P43/00Drugs for specific purposes, not provided for in groups A61P1/00-A61P41/00
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/106Pharmacogenomics, i.e. genetic variability in individual responses to drugs and drug metabolism
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/158Expression markers

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年8月28日に出願された国際特許出願PCT/CN2013/082487に対する優先権及びその利益を主張し、該出願は、全ての目的のために全体として参照により本明細書に組み入れられる。
発明の分野
本発明は、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、バンデタニブ、パゾパニブ、カボザンチニブ等、若しくはその塩、溶媒和物、若しくは生理学的機能性誘導体、またはそれらの混合物のようなマルチキナーゼ阻害剤による対象の治療、並びにマルチキナーゼ阻害剤による治療のための対象の識別及び選択に関する。がんのような疾患の予測、診断、予後及び治療のための方法、試薬及び手段が提供される。
発明の背景
肝細胞がん(HCC)は浸潤性腫瘍であり、全世界で死亡率が第5位である。それは、特に東アジア及び男性で流行している(Parkin DM,Bray F,Ferlay J,Pisani P.Global cancer statistics,2002.CA Cancer J Clin 2005;55:74−108(非特許文献1).El−Serag HB,7.Rudolp.h KL.Hepatocellular carcinoma:epidemiology and molecular carcinogenesis.Gastroenterology 2007;132:2557−76(非特許文献2))。その発生率は、米国及び中国の両方で着実に上昇している(1)。今までに、効果的な治療の選択肢がほとんどなかった。一般的な標準的化学療法(例えば、ドキソルビシン)には、臨床的な利益がほとんどない。
唯一の承認されている利用可能な標的療法は、最近利用可能になったソラフェニブである(1)。ソラフェニブは、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成を標的とし、RAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードを阻害するマルチキナーゼ阻害剤である。それは、進行性肝細胞がん(HCC)患者の生存を延長することがわかっている最初の薬剤であり、進行性腎細胞がん及び切除不能なHCCの治療のために市販されてきた。しかし、HCC患者の生存率の上昇はわずか3ヶ月である。多くの新世代標的療法と同様、ソラフェニブも不利な副作用を有している。多くのHCC患者は、安全性及び有効性の欠如の両方の面から、ソラフェニブに十分に反応しない。ソラフェニブの予測マーカーが最も利益を得ることができる患者集団の選択を支援することが明らかに必要である。
リン酸化ERK(pERK)のベースラインレベルが、ソラフェニブの最初の1群第II相試験から関連のあるマーカーである可能性があると報告されており、血清マーカー(例えば、可溶性c−KIT、HGF、AFP、VEGF等)とソラフェニブ治療の結果との関係に関するいくつかの報告が公表されているが、これらの結果は、非常に予備的であるか、試験間で一致していない。したがって、潜在的な予測マーカーとしてこれらの因子の有用性を更に評価する必要があり、ゲノムベースの分子シグネチャ分析のような新規戦略は、新たな予測マーカーを同定し、我々がHCCにおけるソラフェニブの作用メカニズムを一層理解するのを助けるのに有用であろう。
Parkin DM,Bray F,Ferlay J,Pisani P.Global cancer statistics,2002. CA Cancer J Clin 2005;55:74−108 El−Serag HB,7.Rudolp.h KL.Hepatocellular carcinoma:epidemiology and molecular carcinogenesis.Gastroenterology 2007;132:2557−76
本発明は、薬剤に対する対象の応答性/耐性を予測するのに使用することができる、遺伝子マーカーのパネルを提供する。いくつかの実施形態では、遺伝子マーカーは、SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、UGT2A1、それらの機能的変異体、断片、またはオルソログを含む。
本発明は、また、SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、UGT2A1、それらの機能的変異体、断片、または相同分子種からなる群から選択される少なくとも2種以上の遺伝子マーカーを含む遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルのコレクションを提供する。いくつかの実施形態では、活性プロファイルは、薬剤に応答性の1名以上の対象から収集する。いくつかの実施形態では、活性プロファイルは、薬剤に耐性の1名以上の対象から収集する。いくつかの実施形態では、薬剤はマルチキナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、マルチキナーゼ阻害剤は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成を標的とし、RAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードを阻害する。いくつかの実施形態では、マルチキナーゼ阻害剤は、ソラフェニブ、またはその塩、溶媒和物、若しくは生理学的機能性誘導体を含む。いくつかの実施形態では、活性プロファイルのコレクションは、薬剤で治療する前、最中及び/または後に、対象、対象の一部、または対象由来の細胞から収集する。いくつかの実施形態では、遺伝子マーカーのパネルは、本発明の遺伝子マーカーの少なくとも2種、3種、または4種を含む。
また、本発明は、薬剤に対する対象の応答性または耐性を判定する方法を提供する。いくつかの実施形態では、薬剤はマルチキナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、マルチキナーゼ阻害剤は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成を標的とし、RAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードを阻害する。いくつかの実施形態では、マルチキナーゼ阻害剤は、ソラフェニブ、またはその塩、溶媒和物、若しくは生理学的機能性誘導体を含む。いくつかの実施形態では、方法は、遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルを測定することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、パネルの活性プロファイルを所定の活性プロファイルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、対象の応答性を、遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルと所定の活性プロファイルとの比較に基づいて判定する。いくつかの実施形態では、パネルの活性プロファイルが所定の活性プロファイルの範囲内である場合に、対象が薬剤に応答性であると判定され、またはパネルの活性プロファイルが所定の活性プロファイルの範囲外である場合に、薬剤に耐性であると判定される。いくつかの実施形態では、薬剤に応答性でない対象由来の活性プロファイルを使用することもできる。例えば、パネルの活性プロファイルが、薬剤に応答性でない対象由来の活性プロファイルの範囲内である場合に、対象は薬剤に応答性でないと判定される。
いくつかの実施形態では、遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルとしては、遺伝子発現レベル、RNA活性レベル、及び/またはタンパク質活性レベルを示す1つ以上のパラメータが挙げられる。いくつかの実施形態では、活性プロファイルは、遺伝子発現レベル、RNA活性レベル、及び/またはタンパク質活性レベルに基づいて計算される、定量的シグネチャ値、または一連のシグネチャ値によって反映される。
いくつかの実施形態では、パネルは、少なくとも2種、3種、または4種の遺伝子マーカーを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子マーカーとしては、SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1またはそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1種以上のマーカーが挙げられる。
いくつかの実施形態では、活性プロファイルは遺伝子発現レベルであり、マルチキナーゼ阻害剤の治療前に所定の活性プロファイルと比較して1種以上の遺伝子マーカーの類似、またはより低い発現は対象の応答性を示し、マルチキナーゼ阻害剤の治療前に所定の活性プロファイルと比較して1種以上の遺伝子マーカーのより高い発現は対象の耐性を示す。
また、治療後の所定の基準レベルに対する本発明のバイオマーカーの活性レベルの標準化または安定化は対象の応答性を示す。いくつかの実施形態では、所定の基準レベルに対する、SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及び/またはUGT2A1の標準化または安定化は、対象の応答性を示す。いくつかの実施形態では、所定の基準レベルに対して、SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及び/またはUGT2A1の標準化及び安定化がないことは、対象の治療に対する耐性を示す。本明細書で用いられる場合、バイオマーカーのレベルが所定の基準レベルに向かう場合、それを標準化と呼ぶ。本明細書で用いられる場合、バイオマーカーのレベルが所定の基準レベルから遠ざかる速度を低下させる場合、それを安定化と呼ぶ。
いくつかの実施形態では、マルチキナーゼ阻害剤は、ソラフェニブ、アキシチニブ、バンデタニブ、パゾパニブ、カボザンチニブ、またはそれらの任意の組み合わせである。
いくつかの実施形態では、対象はがんを有するヒトである。いくつかの実施形態では、がんは肝細胞がんである。
また、本発明は、薬剤を対象に投与する方法を提供する。いくつかの実施形態では、薬剤はマルチキナーゼ阻害剤である。いくつかの実施形態では、該方法は、遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルについて対象を試験することを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子マーカーのパネルとしては、SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1からなる群から選択される少なくとも1種以上のマーカーが挙げられる。いくつかの実施形態では、該方法は、パネルの活性プロファイルを、所定の活性プロファイルと比較することを含む。いくつかの実施形態では、比較は、薬剤の投与の前、最中または後に実施する。いくつかの実施形態では、薬剤は少なくとも1種のマルチキナーゼ阻害剤を含む。いくつかの実施形態では、マルチキナーゼ阻害剤は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成を標的とし、RAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードを阻害する。いくつかの実施形態では、パネルの活性プロファイルが、薬剤に応答性の対象の集団由来の所定の活性プロファイルの範囲内である場合に、対象にマルチキナーゼ阻害剤が投与される。
また、本発明は、少なくとも2種以上の遺伝子マーカーの検出のためのプローブを含むアレイを提供する。いくつかの実施形態では、遺伝子マーカーは、SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、アレイはマイクロアレイである。
[本発明1001]
SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1からなる群から選択される少なくとも1種以上のマーカーを含む遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルを測定する段階、
前記パネルの前記活性プロファイルを、所定の活性プロファイルと比較する段階
を含む、マルチキナーゼ阻害剤に対する対象の応答性判定方法であって、
前記対象の応答性が、前記遺伝子マーカーのパネルの前記活性プロファイルと前記所定の活性プロファイルとの比較に基づいて判定され、
前記マルチキナーゼ阻害剤が、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成を標的とし、かつRAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードを阻害する、前記方法。
[本発明1002]
前記遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルが、遺伝子発現レベル、RNA活性レベル、またはタンパク質活性レベルを含む、本発明1001の方法。
[本発明1003]
前記パネルが、少なくとも2種、3種、または4種の遺伝子マーカーを含む、本発明1001の方法。
[本発明1004]
前記所定の活性プロファイルが遺伝子発現レベルである、本発明1001の方法。
[本発明1005]
前記マルチキナーゼ阻害剤が、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、バンデタニブ、パゾパニブ、カボザンチニブ、またはそれらの混合物である、本発明1001の方法。
[本発明1006]
前記対象が、肝細胞がんを有するヒトである、本発明1001の方法。
[本発明1007]
SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1からなる群から選択される少なくとも1種以上のマーカーを含む遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルについて対象を試験する段階、
前記パネルの前記活性プロファイルを、所定の活性プロファイルと比較する段階
を含む、対象へのマルチキナーゼ阻害剤投与方法であって、
前記パネルの前記活性プロファイルが前記所定の活性プロファイルの範囲内である場合に、前記対象に前記マルチキナーゼ阻害剤が投与され、前記マルチキナーゼ阻害剤が、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成を標的とし、かつRAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードを阻害する、前記方法。
[本発明1008]
SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1からなる群から選択される少なくとも2種以上の遺伝子マーカーを含む遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルのコレクション。
[本発明1009]
SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1からなる群から選択される少なくとも2種以上の遺伝子マーカーの検出のためのプローブを含むアレイ。
[本発明1010]
前記遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルが前記所定の活性プロファイルの範囲内である場合に、前記対象が前記マルチキナーゼ阻害剤治療に応答性であると判定される、本発明1001の方法。
[本発明1011]
前記遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルが前記所定の活性プロファイルの範囲外である場合に、前記対象が前記マルチキナーゼ阻害剤治療に応答性でないと判定される、本発明1001の方法。
[本発明1012]
前記遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルが前記所定の活性プロファイルと同様であるかまたはより低い場合に、前記対象が前記マルチキナーゼ阻害剤治療に応答性であると判定される、本発明1001の方法。
[本発明1013]
前記遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルが前記所定の活性プロファイルより高い場合に、前記対象が前記マルチキナーゼ阻害剤治療に応答性でないと判定される、本発明1001の方法。
[本発明1014]
SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1からなる群から選択される少なくとも1種以上のマーカーを含む遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルを測定する段階、
前記パネルの前記活性プロファイルを、所定の陰性の活性プロファイルと比較する段階
を含む、マルチキナーゼ阻害剤に対する対象の応答性判定方法であって、
前記対象の応答性が、前記遺伝子マーカーのパネルの前記活性プロファイルと前記所定の陰性の活性プロファイルとの比較に基づいて判定され、
前記マルチキナーゼ阻害剤が、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成を標的とし、かつRAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードを阻害する、前記方法。
[本発明1015]
前記遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルが前記所定の陰性の活性プロファイルの範囲外である場合に、前記対象が前記マルチキナーゼ阻害剤治療に応答性であると判定される、本発明1014の方法。
[本発明1016]
前記遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルが前記所定の陰性の活性プロファイルの範囲内である場合に、前記対象が前記マルチキナーゼ阻害剤治療に応答性でないと判定される、本発明1014の方法。
[本発明1017]
前記遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルが前記所定の陰性の活性プロファイルより低い場合に、前記対象が前記マルチキナーゼ阻害剤治療に応答性であると判定される、本発明1014の方法。
[本発明1018]
前記遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルが前記所定の陰性の活性プロファイルと同様であるかまたはより高い場合に、前記対象が前記マルチキナーゼ阻害剤治療に応答性でないと判定される、本発明1014の方法。
[本発明1019]
SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1からなる群から選択される少なくとも1種以上のマーカーを含む遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルについて対象を試験する段階、
前記パネルの前記活性プロファイルを、所定の陰性の活性プロファイルと比較する段階
を含む、対象へのマルチキナーゼ阻害剤投与方法であって、
前記パネルの前記活性プロファイルが前記所定の陰性の活性プロファイルの範囲外である場合に、前記対象に前記マルチキナーゼ阻害剤が投与され、前記マルチキナーゼ阻害剤が、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成を標的とし、かつRAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードを阻害する、前記方法。
HuPrime HCC PDXの大規模パネルにおけるソラフェニブの有効性の評価を示す。図1A:ΔT/ΔCを計算した。ここで、ΔT及びΔCは、それぞれ、図B〜Eの矢印により示されるような、特定の日における治療群及び対照群の腫瘍体積変化の平均値であった。:p<0.05; **:p<0.01; ***:p<0.001。 ソラフェニブに対する、代表的なHCC−HuPrime(登録商標)モデルコード001の反応を示す。 ソラフェニブに対する、代表的なHCC−HuPrime(登録商標)モデルコード006の反応を示す。 ソラフェニブに対する、代表的なHCC−HuPrime(登録商標)モデルコード020の反応を示す。 ソラフェニブに対する、代表的なHCC−HuPrime(登録商標)モデルコード021の反応を示す。 IHCにより検出されたpERKのベースラインレベルが、ソラフェニブに対するモデル応答と関連していないことを示す。 シグネチャ遺伝子の発現が、PDXモデルにおいてHCCに対するソラフェニブ治療の有効性を予測することを示す。マーカー遺伝子の、log2スケールにおけるmRNA発現の平均強度はシグネチャスコアとして示される。 RAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードを示す。
発明の詳細な説明
本明細書で用いられる場合、以下の用語は以下の意味を有する。
本明細書及び請求項で用いられる「含む」という動詞及びその活用形は、その用語に続く事項を含むが、具体的に述べていない事項を排除しないことを意味するように、非限定的な意味で使用される。
「1つの(a)」または「1つの(an)」という用語は、その全体の1つ以上を意味する。例えば、「1つの遺伝子」は、少なくとも1つ以上の遺伝子または少なくとも1つの遺伝子を意味する。「1つの(a)」(または「1つの(an)」)、「1つ以上の」、及び「少なくとも1つの」は、本明細書で交換可能に使用される。更に、不定冠詞「a」または「an」による「要素」への言及は、文脈が1つの要素のみが存在していることを明らかに必要としない限り、1つより多くの要素の存在の可能性を排除しない。
本発明は、単離された、キメラの、組換え型または合成のポリヌクレオチド配列を提供する。本明細書で用いられる場合、「ポリヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド配列」、「核酸配列」、「核酸断片」及び「単離された核酸断片」という用語は交換可能に使用され、1本鎖であるか2本鎖であるかにかかわらず、DNA、RNA、cDNA、並びにそれらの化学修飾体を包含する。これらの用語は、ヌクレオチド配列等を包含する。ポリヌクレオチドは、合成、非天然または変更されたヌクレオチド塩基を含有していてもよい、1本鎖または2本鎖であるRNAまたはDNAのポリマーであってよい。DNAのポリマーの形態のポリヌクレオチドは、cDNA、ゲノムDNA、合成DNAまたはそれらの混合物の1つまたは複数のセグメントで構成される場合がある。ヌクレオチド(その5'−一リン酸形で通常見出される)は、以下のような1文字表記で示される:アデニル酸またはデオキシアデニル酸(それぞれRNAまたはDNAについて)について「A」、シチジル酸またはデオキシシチジル酸について「C」、グアニル酸またはデオキシグアニル酸について「G」、ウリジル酸について「U」、デオキシチミジル酸について「T」、プリン(AまたはG)について「R」、ピリミジン(CまたはT)について「Y」、GまたはTについて「K」、AまたはCまたはTについて「H」、イノシンについて「I」並びに任意のヌクレオチドについて「N」。いくつかの実施形態では、単離された、キメラの、組換え型または合成のポリヌクレオチド配列は、本発明の遺伝子マーカーに由来する。
本明細書中で用いられる場合、一文字アミノ酸略語は、当該技術分野でのそれらの標準的な意味を有し、本明細書中で記載する全てのペプチド配列を、慣例に従って、N末端を左手に、そしてC末端を右手に記載する。
本発明は、薬剤に対する患者の応答を予測するのに使用することのできる、発現遺伝子シグネチャを提供する。本明細書で用いられる場合、「遺伝子」という用語は、生物学的機能と関連するDNAの任意の断片を意味する。したがって、遺伝子には、コード配列、及び/またはその発現に必要な制御配列が含まれるが、これらに限定されない。遺伝子としては、例えば他のタンパク質の認識配列を形成する非発現DNA断片も含まれる。遺伝子は、目的の供給源からのクローニング、または既知若しくは予測される配列情報からの合成を含む、種々の供給源から得ることができ、所望のパラメータを有するように設計された配列を含み得る。
本発明は、相同及びオルソロガスなポリヌクレオチド及びポリペプチドを提供する。本明細書で用いられる場合、「相同」または「ホモログ」または「オルソログ」との用語は、当該技術分野において知られており、共通の先祖またはファミリーのメンバーを共有し、配列同一性の程度に基づいて決定される関連する配列のことを意味する。「相同性」、「相同」、「実質的に類似」及び「実質的に対応する」という用語は、本明細書において交換可能に用いられる。これらは、1つまたは複数のヌクレオチド塩基の変化が、遺伝子発現を媒介するかまたはある種の表現型を生み出す核酸断片の能力に影響しない、核酸断片のことを意味する。これらの用語は、初期の未改変の断片に対して得られる核酸断片の機能的特性を実質的に変更しない1つまたは複数のヌクレオチドの欠失または挿入のような、本発明の核酸断片の改変のことも意味する。したがって、当業者が認識するように、本発明は、具体的に例示する配列以外も包含すると理解される。これらの用語は、1つの種、亜種、品種、栽培変種または株において見出される遺伝子と、別の種、亜種、品種、栽培変種または株における対応するまたは等価な遺伝子との間の関係について記載する。本発明の目的のために、相同配列が比較される。「相同配列」または「ホモログ」または「オルソログ」は、機能的に関係すると考えられているか、信じられているかまたは知られている。機能的関係は、限定されないが、(a)配列同一性の程度及び/または(b)同じまたは同様の生物学的機能を含むいくつかの方式のいずれか1つにより示すことができる。好ましくは、(a)及び(b)の両方が示される。配列同一性の程度は変動し得るが、いくつかの実施形態では、少なくとも50%(当該技術において知られる標準的な配列アラインメントプログラムを用いる場合)、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも98.5%、または少なくとも約99%、または少なくとも99.5%、または少なくとも99.8%、または少なくとも99.9%である。相同性は、Current Protocols in Molecular Biology(F.M.Ausubelら編、1987)補遺30、7.718章、表7.71で論じられているもののような、当該技術において容易に利用可能なソフトウェアプログラムを用いて決定することができる。アラインメントプログラムのいくつかは、MacVector(Oxford Molecular Ltd、Oxford、U.K.)、ALIGN Plus(Scientific and Educational Software、Pennsylvania)及びAlignX(Vector NTI、Invitrogen、Carlsbad、CA)である。別のアラインメントプログラムは、デフォルトパラメータを用いるSequencher(Gene Codes、Ann Arbor、Michigan)である。
本発明は、シグネチャ遺伝子の核酸配列に由来するプローブ及びプライマーを提供する。本明細書で用いられる場合、「プローブ」という用語は、増幅標的に特異的にアニーリングする能力を有するオリゴヌクレオチドを意味する。本明細書で用いられる場合、「プライマー」という用語は、プライマー伸長産物の合成が誘導される条件下、すなわちヌクレオチド及び重合のための物質、例えばDNAポリメラーゼの存在下並びに適切な温度及びpHにおいて、増幅標的にアニーリングし、DNAポリメラーゼの結合を可能にし、それによってDNA合成の開始点として機能する能力を有するオリゴヌクレオチドを意味する。(増幅)プライマーは、好ましくは、増幅における最大効率のため一本鎖である。好ましくは、プライマーは、オリゴデオキシリボヌクレオチドである。プライマーは、重合のための物質の存在下、伸長産物の合成を開始するのに十分長くなければならない。プライマーの正確な長さは温度及びプライマーの組成(G/Cに対するA/T含有量)を含む、多くの要因に依存する。二方向性プライマー対は、PCR増幅等のDNA増幅の技術において一般に使用される1つのフォワードプライマー及び1つのリバースプライマーを意味する。いくつかの実施形態では、プライマーまたはプローブは、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、及び29のいずれかとハイブリダイズする。いくつかの実施形態では、プライマーまたはプローブは、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下で、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、23、25、27、及び29のいずれかとハイブリダイズする。本明細書で用いられる場合、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、65℃において、6×SSC(0.9M NaCl、0.09Mクエン酸ナトリウム、pH 7.4)である。
「アレイ」または「マトリックス」という用語は、デバイス上のアドレス可能な位置または「アドレス」の配置を意味する。位置は2次元アレイ、3次元アレイまたは他のマトリックス形式に配置することができる。位置の数は数個から少なくとも数十万の範囲であってもよい。最も重要なことは、各位置が全く独立した反応部位を表すことである。「核酸アレイ」は、オリゴヌクレオチドまたは遺伝子のより大きな部分のような核酸プローブを含有するアレイを意味する。アレイ上の核酸は好ましくは単鎖である。プローブがオリゴヌクレオチドであるアレイは、「オリゴヌクレオチドアレイ」または「オリゴヌクレオチドチップ」と呼ぶ。「マイクロアレイ」は、本明細書では「バイオチップ」又は「生物学的チップ」とも呼ばれる、少なくとも約100/cm、また、好ましくは少なくとも約1000/cmの個別領域の密度を有する領域のアレイである。マイクロアレイ中の領域は典型的な寸法、例えば約10〜250μmの範囲の直径を有し、およそ同じ距離によりアレイ中の他の領域から隔たれている。アレイを製造し、使用するための組成物及び方法の非限定的例は、米国特許第5202231号、第5695940号、第5525464号、第5445934号、第5744305号、第5677195号、第5800992号、第5871928号、第5795716号、第5700637号、第6054270号、第5807522、及び第6110426号に記載されており、それぞれは、全ての目的のために全体として参照により本明細書に組み入れられる。
本明細書で用いられる場合、「試料」または「生体試料」という用語は、生物または生物の成分(例えば細胞)から得た試料を意味する。試料はどのような生物学的組織または流体であってもよい。試料としては患者から得られた試料であってもよいが、唾液、血液、血球(例えば白血球)、組織または生検サンプル(例えば腫瘍生検)、尿、腹水、及び胸膜液、患者由来の異種移植片(PDX)またはそれからの細胞が挙げられるが、これらに限定されない。生体試料は組織学的目的で採取された凍結切片のような組織の切片を含んでいてもよい。
「マーカー」という用語は、広範な細胞内及び細胞外事象並びに生物体全体の生理学的変化を包含する。マーカーは、限定されるものでないが、シグナルリング分子、転写因子、代謝物、遺伝子転写物の産生のレベル若しくは速度、並びにタンパク質の翻訳後修飾を挙げ得る細胞機能の本質的にいかなる態様も表し得る。マーカーは、転写レベル、速度及び/または安定性の部分的及び/または全ゲノム分析、並びにタンパク質レベル、活性及び/または修飾の部分的及び/または全プロテオソーム分析を含み得る。また、シグネチャは、未処理の異常細胞と比較し、疾患を患っている、化合物で治療した対象において上方制御または下方制御される遺伝子または遺伝子産物を意味する。すなわち、遺伝子または遺伝子産物は、小分子の有効性を同定、予想または検出するため、任意に他の遺伝子または遺伝子産物と共に、使用し得る処理した細胞に対して十分に特異的である。したがって、いくつかの実施形態では、シグネチャは、異常細胞における化合物の有効性に、または該化合物による処理に対して異常細胞の応答に特徴的な遺伝子または遺伝子産物である。
「ベースラインレベル」という用語は、「正常」レベル(すなわち、疾患のない患者、薬剤に応答性の患者、または薬剤に応答性のない患者等)に対する標準対照を意味するが、比較的であってもよい。例えば、低いベースラインレベルが疾患を有する他の対象のレベルと比較される場合である。
「マルチキナーゼ阻害剤」という用語は、1種以上のタンパク質キナーゼの作用を低減または阻害し得る組成物を意味する。阻害剤は、セリンキナーゼ、チロシンキナーゼ、スレオニンキナーゼ、及び/または他の種類のキナーゼの作用を低減または阻害することができる。阻害剤は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成を標的とし、RAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードを阻害することができる。マルチキナーゼ阻害剤の例は、ソラフェニブ(例えば、Nexavar(登録商標))、ベムラフェニブ(例えば、Zelboraf(登録商標))、スニチニブ(例えば、Sutent(登録商標))、アキシチニブ(例えば、Inlyta(登録商標))、バンデタニブ(例えば、Caprelsa(登録商標))、カボザンチニブ(例えば、Cometriq(登録商標)、ポナチニブ(例えば、Iclusig(登録商標))、ルキソリチニブ(例えば、Jakafi(登録商標))、レゴラフェニブ(例えば、Stivarga(登録商標))、クリゾチニブ(例えば、Xalkori(登録商標))、それらの塩、溶媒和物、若しくは生理学的機能性誘導体、またはそれらの混合物のような1つまたは複数の薬剤を含む組成物であるが、これらに限定されない。
「ソラフェニブ」という用語は、4−{4−[({[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)アミノ]フェノキシ}−N−メチルピリジン−2−カルボキシアミドを意味する。4−{4−[({[4−クロロ−3−(トリフルオロメチル)フェニル]アミノ}カルボニル)アミノ]フェノキシ}−N−メチルピリジン−2−カルボキシアミド及び他の多くの尿素類、並びに全体として参照により本明細書に組み入れられる、国際出願公開WO 00/42012、WO 00/41698、WO 02/062763、WO 03/354950、WO 02/085859、WO 03/047579、WO 04/15653、WO 07/053573、WO 08/008733、WO 09/106825、WO 09/054004、WO 09/111061、WO/2013/000909、米国特許第7235576号、第7351834号、第7897623号、第8445687号、米国特許出願公開第2013/0012550号が含まれるが、これらに限定されない多くの出願に開示されているような、塩、製剤、生理学的機能性誘導体等のそれらの薬学的に許容される塩の合成および使用。
「スニチニブ」(SU11248またはスーテントとしても知られている)という用語は、N−(2−ジエチルアミノエチル)−5−[(Z)−(5−フルオロ−2−オキソ−1H−インドール−3−イリデン)メチル]−2,4−ジメチル−1H−ピロール−3−カルボキシアミド、並びに全体として参照により本明細書に組み入れられる、国際出願公開WO/2011/004200A1、WO/2010/011834A2、WO/2011/128699A2、WO/2011/104555A2、WO/2009/067686A2, WO/2009/067674A2、WO/2010/039798A2、WO/2011/100325A2、WO/2012/088522A1、WO/2009/124037A1、WO/2010/049449A2、WO/2009/157011A1、米国特許第6573293号、第7125905号、第7211600号、米国特許出願公開第20110263671号、第20100256392号、第20110034703号、第20130190512号、第20090247767号、第20100160646号、第20090062368号、第20110275690号、第20110092717号、第20110112164が含まれるが、これらに限定されない多くの出願に開示されているような、塩、製剤、生理学的機能性誘導体等のそれらの薬学的に許容される塩を意味する。
「アキシチニブ」(AG013736またはインライタとしても知られている)という用語は、N−メチル−2−[[3−[(E)−2−ピリジン−2−イルエテニル]−1H−インダゾール−6−イル]スルファニル]ベンズアミド、並びに全体として参照により本明細書に組み入れられる、国際出願公開WO/2013/046133A1及びWO/2011/038467A1、米国特許第6534524号、第7141581号、並びに米国特許出願公開第20090062347号及び第20120244116号が含まれるが、これらに限定されない多くの出願に開示されているような、塩、製剤、生理学的機能性誘導体等のそれらの薬学的に許容される塩を意味する。
「バンデタニブ」(INNまたはカプレルサとしても知られている)という用語は、N−(4−ブロモ−2−フルオロフェニル)−6−メトキシ−7−[(1−メチルピペリジン−4−イル)メトキシ]キナゾリン−4−アミン、並びに全体として参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第7173038号、第8067427号、及びRE42353が含まれるが、これらに限定されない多くの出願に開示されているような、塩、製剤、生理学的機能性誘導体等のそれらの薬学的に許容される塩を意味する。
「パゾパニブ」(ヴォトリエントとしても知られている)という用語は、5−[[4−[(2,3−ジメチル−2H−インダゾール−6−イル)メチルアミノ]−2−ピリミジニル]アミノ]−2−メチルベンゾールスルホンアミド、並びに全体として参照により本明細書に組み入れられる、国際出願公開WO/2010/036796A1、WO/2012/073254A1、WO/2011/050159A1、WO/2011/009016A1、WO/2011/085007A1、WO/2012/103060A1、WO/2011/039648A1、WO/2011/140343A1、WO/2013/043529A1、及びWO/2011/146458A1;米国特許第7105530号、第7262203号、及び第8114885号;並びに米国特許出願公開第20110301113号、第20120197019号、第20120165354号、第20110281901号、第20130012531号、第20120028918号、及び第20120232102号が含まれるが、これらに限定されない多くの出願に開示されているような、塩、製剤、生理学的機能性誘導体等のそれらの薬学的に許容される塩を意味する。
「カボザンチニブ」(コメトリクまたはXL184としても知られている)は、N−(4−((6,7−ジメトキシキノリン−4−イル)オキシ)フェニル)−N−(4−フルオロフェニル)シクロプロパン−1,1−ジカルボキシアミド、並びに全体として参照により本明細書に組み入れられる、米国特許第7579473号が含まれるが、これらに限定されない多くの出願に開示されているような、塩、製剤、生理学的機能性誘導体等のそれらの薬学的に許容される塩を意味する。
本明細書で用いられる場合、「治療すること」及び「治療」という用語は、臨床的結果を含めた有益または所望の結果を得るためのアプローチを意味する。本発明の目的のために、有益または所望の臨床的結果には、これらに限定されないが、下記の1つまたは複数が含まれる。疾患からもたらされる1以上の症状の重症度及び/または頻度を減少させること、疾患の程度を減退させること、疾患を安定化させること(例えば、疾患の悪化を予防または遅延させること)、疾患の進行を遅延または遅くすること、病態を寛解させること、疾患を治療するのに必要とされる1種または複数種の他の医薬品の用量を減少させること、並びに/または生活の質を向上させること。本明細書に記載されている製剤で患者を「治療すること」は、疾患または病状を阻害するかまたは後退をもたらすための個体の管理を含む。
「有効量」という用語は、所望の治療成績をもたらす1種以上の化合物の量を意味する。有効量は、1以上の用量中に含まれていてもよく、すなわち、単回用量または複数回用量を、所望の治療の終末点を達成するために必要とし得る。
「治療有効量」は、所望の治療成績(例えば、疾患または状態の重症度の低減)を生じさせるのに十分な、1種以上の化合物の量を意味する。一実施形態では、治療有効量は、治療的に有効なマルチキナーゼの血漿濃度を意味する。「予防的有効量」は、感受性があり、及び/または疾患若しくは状態を発症し得る個体に投与されたときに、将来の疾患若しくは状態の重症度を予防若しくは低減させるのに十分な、1種以上の化合物を含む医薬製剤の量を意味する。
「薬学的に許容される」とは、生物学的にまたはそれ以外に望ましくないものではない物質を意味し、例えば、その物質は、有意の望ましくない生物学的作用を全く引き起こすことなく、またはそれが入っている組成物の他の成分のいずれとも有害に相互作用することなく、患者に投与される医薬組成物中に包含されていてよい。「薬学的に許容される」という用語が、薬学的担体または賦形剤を意味するように使用される場合、前記キャリアまたは賦形剤は、毒物学試験及び製造試験の要求基準に適合すること、または、前記キャリアまたは賦形剤が、米国食品医薬品局により作成された不活性成分指針(Inactive Ingredient Guide)に含まれることを意味する。
本明細書において交換可能に用いられる「障害」または「疾患」という用語は、器官及び/または組織の機能の性能を阻止若しくは妨害し(例えば、器官機能障害を引き起こす)、及び/または疾患に罹患した対象に不快、機能障害、苦痛、若しくはさらに死のような症状を引き起こす、身体またはその器官及び/若しくは組織のうちの一つの状態の任意の変化を意味する。
「対象」、「個体」または「患者」という用語は、ヒト、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、齧歯類、または霊長類を含むが、これらに限定されない動物、例えば、哺乳類を意味する。いくつかの実施形態では、個体はヒトである。
本明細書で用いられる場合、「誘導体」という用語には、誘導体、類似体、プロドラッグ、及び非天然の前駆体が含まれる。
「薬学的に許容される塩」という用語は、化合物の生物学的効果を保持し、生物学的に、または他の点で望ましくないものではない塩を意味する。
更なる用語は、必要に応じて、以下の詳細な説明で定義する。
がん
本発明は、マルチキナーゼ阻害剤等の、1種以上の薬剤に対する対象の応答性または耐性を判定する方法を提供する。いくつかの実施形態では、薬剤はがんを治療するために使用される。
いくつかの実施形態では、がんは、舌、口、咽頭、及び口腔がん、食道がん、胃がん、胃腸間質性腫瘍、小腸がん、肛門がん、肛門管がん、肛門直腸がん、肝臓がん、肝内胆管がん、胆嚢がん、胆道がん、他の消化器官のがん、喉頭がん、骨及び関節がん、子宮がん、子宮頸がん、子宮体部がん、外陰部のがん、膣がん、精巣がん、陰茎がん、膀胱がん、腎がん、腎臓がん、尿管及び他の泌尿器のがん、眼がん、脳及び神経がん、CNSがん、及び甲状腺がんからなる群から選択され、β−ラパコンまたはその薬学的に許容される塩の治療有効量を、薬学的に許容される担体と一緒に治療を必要とする対象に投与することを含み、前記β−ラパコンまたはその薬学的に許容される塩が、舌、口、咽頭、及び口腔がん、食道がん、胃がん、胃腸間質性腫瘍、小腸がん、肛門がん、肛門管がん、肛門直腸がん、肝臓がん、肝内胆管がん、胆嚢がん、胆道がん、他の消化器官のがん、喉頭がん、骨及び関節がん、子宮がん、子宮頸がん、子宮体部がん、外陰部のがん、膣がん、精巣がん、陰茎がん、膀胱がん、腎がん、腎臓がん、尿管及び他の泌尿器のがん、眼がん、脳及び神経がん、CNSがん、及び甲状腺がんからなる群から選択される前記がんを治療する。
いくつかの実施形態では、がんは肝臓がんである。いくつかの実施形態では、がんは肝細胞がん(HCC)、間葉組織、肉腫、肝芽腫、胆管がん、血管肉腫(angiosarcoma)、血管肉腫(hemangiosarcoma)、リンパ腫、またはそれらの混合物である。
遺伝子マーカー
本発明は、遺伝子マーカーのパネルを提供する。いくつかの実施形態では、遺伝子マーカーのパネルの1つ以上のメンバーは、マルチキナーゼ阻害剤等の薬剤に対する、対象の応答性または耐性を判定するのに使用することができる。
いくつかの実施形態では、マルチキナーゼ阻害剤は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成を標的とし、RAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケード(図4を参照のこと)の活性を低下させ、または阻害し、ソラフェニブ(例えば、Nexavar(登録商標))、ベムラフェニブ(例えば、Zelboraf(登録商標))、スニチニブ(例えば、Sutent(登録商標))、アキシチニブ(例えば、Inlyta(登録商標))、バンデタニブ(例えば、Caprelsa(登録商標))、カボザンチニブ(例えば、Cometriq(登録商標))、ポナチニブ(例えば、Iclusig(登録商標))、ルキソリチニブ(例えば、Jakafi(登録商標))、レゴラフェニブ(例えば、Stivarga(登録商標))、クリゾチニブ(例えば、Xalkori(登録商標))、それらの塩、溶媒和物、若しくは生理学的機能性誘導体、またはそれらの混合物を含むがこれらに限定されない。
いくつかの実施形態では、遺伝子マーカーのパネルは、以下の遺伝子の少なくとも1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種または8種を含む。
SEC14L2:別名、SEC14様2、スクアレン輸送タンパク質、TAP、上清タンパク質因子、C22orf6、SPF、KIAA1186、KIAA1658、トコフェロール関連タンパク質、アルファトコフェロール関連タンパク質、若しくはHTAP(例えばGenBank ID AL096881のヌクレオチド配列、及びUniProtKB:O76054のポリペプチド配列を有する)、またはその機能的変異体、断片若しくはオルソログ。いくつかの実施形態では、SEC14L2マーカーは、転写変異体1(配列番号1)若しくはSEC14L2アイソフォーム1(配列番号2)、その機能的変異体、断片、またはオルソログを含む。いくつかの実施形態では、SEC14L2マーカーは、転写変異体2(配列番号3)若しくはSEC14L2アイソフォーム2(配列番号4)、その機能的変異体、断片、またはオルソログを含む。いくつかの実施形態では、SEC14L2マーカーは、転写変異体3(配列番号5)若しくはSEC14L2アイソフォーム3(配列番号6)、その機能的変異体、断片、またはオルソログを含む。いくつかの実施形態では、所定の活性レベルの範囲内のSEC14L2の活性は、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるSEC14L2の活性が所定の活性レベルと同様であるか、より低いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるSEC14L2の活性が所定の活性レベルより高いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性でないことを示す。本明細書で用いられる場合、「同様」という用語は、対象における遺伝子マーカーの活性と所定の活性レベルとの間に統計的有意差がないことを意味する。本明細書で用いられる場合、「より低い」または「より高い」という用語は、所定の活性レベルと比較した時に、対象における遺伝子マーカーの活性が低いか高いかを判定するために、対象における遺伝子マーカーの活性と所定の活性レベルとの間に統計的有意差があることを意味する。
H6PD:別名、ヘキソース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(グルコース1−デヒドロゲナーゼ)、GDH/6PGL内質二官能性タンパク質、GDH、グルコース1−デヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、グルコースデヒドロゲナーゼ、G6PDH、唾液デヒドロゲナーゼ、6−ホスホグルコノラクトナーゼ、CORTRD1、G6PD、H型、EC1.1.1.49、EC 2.7.4.3、またはEC 3.1.1.31(例えばGenBank ID CAA10071.1のヌクレオチド配列、UniProtKB:O95479のポリペプチド配列を有する)、またはその機能的変異体、断片若しくはオルソログ。いくつかの実施形態では、H6PDマーカーは、転写変異体1(配列番号7)若しくはH6PDアイソフォーム1(配列番号8)、その機能的変異体、断片、またはオルソログを含む。いくつかの実施形態では、H6PDマーカーは、転写変異体2(配列番号9)若しくはH6PDアイソフォーム2(配列番号10)、その機能的変異体、断片、またはオルソログを含む。いくつかの実施形態では、所定の活性レベルの範囲内のH6PDの活性は、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるH6PDの活性が所定の活性レベルと同様であるか、より低いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるH6PDの活性が所定の活性レベルより高いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性でないことを示す。
TMEM140:別名、膜貫通タンパク質140(例えば、GenBank ID NM_018295.3のヌクレオチド配列、及びUniProtKB:Q9NV12のポリペプチド配列を有する)、またはその機能的変異体、断片若しくはオルソログ。いくつかの実施形態では、TMEM140マーカーは、TMEM140転写物配列番号11、またはTMEM140ポリペプチド配列番号12、その機能的変異体、断片、またはオルソログを含む。いくつかの実施形態では、所定の活性レベルの範囲内のTMEM140の活性は、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるTMEM140の活性が所定の活性レベルと同様であるか、より低いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるTMEM140の活性が所定の活性レベルより高いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性でないことを示す。
SLC2A5:別名、溶質輸送体ファミリー2(促進された、グルコース/フルクトーストランスポーター)、メンバー5、グルコーストランスポーター様タンパク質5、GLUT51、溶質輸送体ファミリー2、促進されたグルコーストランスポーターメンバー5、グルコーストランスポーター5型、小腸、フルクトーストランスポーター、GLUT−5(例えば、GenBank ID NM_001135585若しくはNM_003039のヌクレオチド配列、及びUniProtKB:P22732のポリペプチド配列を有する)、またはその機能的変異体、断片若しくはオルソログ。いくつかの実施形態では、SLC2A5マーカーは、転写変異体1(配列番号13)若しくはSLC2A5アイソフォーム1(配列番号14)、その機能的変異体、断片、またはオルソログを含む。いくつかの実施形態では、SLC2A5マーカーは、転写変異体2(配列番号15)若しくはSLC2A5アイソフォーム2(配列番号16)、その機能的変異体、断片、またはオルソログを含む。いくつかの実施形態では、所定の活性レベルの範囲内のSLC2A5の活性は、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるSLC2A5の活性が所定の活性レベルと同様であるか、より低いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるSLC2A5の活性が所定の活性レベルより高いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性でないことを示す。
ACTA1、別名、アクチン、アルファ1、骨格筋、CFTDM、ACTA、MPFD、NEM3、NEM2、ASMA、アクチン、アルファ骨格筋、CFTD1、ネマリンネオパシー 3型、NEM1、アルファ−アクチン−1、またはCFTD(例えば、GenBank ID NM_001100.3のヌクレオチド配列、及びUniProtKB:P68133のポリペプチド配列を有する)、またはその機能的変異体、断片またはオルソログ。いくつかの実施形態では、ACTA1マーカーは、ACTA1転写物配列番号17、若しくはACTA1ポリペプチド配列番号18、その機能的変異体、断片またはオルソログを含む。いくつかの実施形態では、所定の活性レベルの範囲内のACTA1の活性は、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるACTA1の活性が所定の活性レベルと同様であるか、より低いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるACTA1の活性が所定の活性レベルより高いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性でないことを示す。
IRF8:別名、インターフェロン調節因子8、インターフェロンコンセンサス配列結合タンパク質1、ICSBP、H−ICSBP、ICSBP1、インターフェロンコンセンサス配列−結合タンパク質、またはIRF−8(例えば、GenBank ID NM_002163.2,NM_001252275.1若しくはNM_006798.3のヌクレオチド配列、及びUniProtKB:Q02556のポリペプチド配列を有する)、またはその機能的変異体、断片またはオルソログ。いくつかの実施形態では、IRF8マーカーは、IRF8転写物配列番号19、またはIRF8ポリペプチド配列番号20、その機能的変異体、断片またはオルソログを含む。いくつかの実施形態では、所定の活性レベルの範囲内のIRF8の活性は、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるIRF8の活性が所定の活性レベルと同様であるか、より低いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるIRF8の活性が所定の活性レベルより高いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性でないことを示す。
STAT2:別名、シグナル伝達物質及び転写活性化因子2、P113、STAT113、インターフェロンアルファ誘導性転写活性化因子、シグナル伝達物質及び転写活性化因子2、シグナル伝達物質及び転写活性化因子2、ISGF−32(例えば、GenBank ID NM_005419.3若しくはNM_198332.1のヌクレオチド配列、及びUniProtKB:P52630のポリペプチド配列を有する)、またはその機能的変異体、断片またはオルソログ。いくつかの実施形態では、STAT2マーカーは、転写変異体1(配列番号21)若しくはSTAT2アイソフォーム1(配列番号22)、その機能的変異体、断片、またはオルソログを含む。いくつかの実施形態では、STAT2マーカーは、転写変異体2(配列番号23)若しくはSTAT2アイソフォーム2(配列番号24)、その機能的変異体、断片、またはオルソログを含む。いくつかの実施形態では、所定の活性レベルの範囲内のSTAT2の活性は、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるSTAT2の活性が所定の活性レベルと同様であるか、より低いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるSTAT2の活性が所定の活性レベルより高いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性でないことを示す。
UGT2A1:別名、UGT2A2、UDPグルクロノシルトランスフェラーゼ2ファミリー、ポリペプチドA1、複合座;UDPグルクロノシルトランスフェラーゼ2ファミリー、ポリペプチドA1;UDPグリコシルトランスフェラーゼ2ファミリー、ポリペプチドA1;UDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ2A1; UDPGT 2A1;UGT2A2;またはEC 2.4.1.17(例えば、GenBank ID NM_001252274.1 NM_001252275.1またはNM_006798.3のヌクレオチド配列、及びUniProtKB:Q9Y4X1のポリペプチド配列を有する)、またはその機能的変異体、断片またはオルソログ。いくつかの実施形態では、UGT2A1マーカーは、転写変異体1(配列番号25)若しくはUGT2A1アイソフォーム1(配列番号26)、その機能的変異体、断片、またはオルソログを含む。いくつかの実施形態では、UGT2A1マーカーは、転写変異体2(配列番号27)若しくはUGT2A1アイソフォーム2(配列番号28)、その機能的変異体、断片、またはオルソログを含む。いくつかの実施形態では、UGT2A1マーカーは、転写変異体2(配列番号29)若しくはUGT2A1アイソフォーム2(配列番号30)、その機能的変異体、断片、またはオルソログを含む。いくつかの実施形態では、所定の活性レベルの範囲内のUGT2A1の活性は、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるUGT2A1の活性が所定の活性レベルと同様であるか、より低いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。いくつかの実施形態では、対象におけるUGT2A1の活性が所定の活性レベルより高いことは、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性でないことを示す。
また、本発明は、少なくとも1種、2種、3種、4種、5種、6種、7種、8種またはそれ以上の遺伝子マーカーを含む、遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルを提供する。いくつかの実施形態では、遺伝子マーカーは、SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1、またはそれらの機能的変異体、断片、若しくはオルソログからなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、本出願の1種以上の遺伝子マーカーを使用する場合、応答性の判定を、1種以上の遺伝子マーカーの活性に基づいて実施することができる。このような状態では、対象は、治療に対しておそらく応答性であるか、おそらく応答性でないかの結論をすることができる。いくつかの実施形態では、本出願の1種以上の遺伝子マーカーを使用する場合、各遺伝子マーカーの活性は、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であるかどうかを判定することに関して、同じ「重み」または決定因子を有している。いくつかの実施形態では、本出願の1種以上の遺伝子マーカーを使用する場合、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して非応答性であるかどうかを判定することに関して、各遺伝子マーカーの活性は、異なる「重み」または決定因子を有している。いくつかの実施形態では、重みは、マーカーの予測力により決定され、決定係数(r2)及び関連p値により定量化することができる。いくつかの実施形態では、高い値のr2及び/または低い値のp値は良好な予測力であることを示す。
いくつかの実施形態では、本出願の1種以上の遺伝子マーカーを使用し、一部の遺伝子マーカーが、対象がマルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示すが、一部の遺伝子マーカーは対象がマルチキナーゼの治療に対して応答性でないことを示す場合、または、結果が使用した全ての遺伝子マーカーの活性に基づいて不確定である場合、使用した遺伝子マーカーの全体の活性、または使用した遺伝子マーカーの特定のサブセットに基づいて、例えば、対象が、応答性を示す遺伝子マーカーの数に基づいて治療に対しておそらく応答性であるか、おそらく応答性でないとの結論をすることができる。例えば、合計でn種(n=2、3、4またはそれ以上等)の遺伝子マーカーを試験する場合、m種の遺伝子マーカーが、対象が治療に対して応答性であることを示す場合、mがn−mより小さくない場合、対象がおそらく治療に対して応答性であるという結論をすることができる。mがn−mより小さい場合、対象がおそらく治療に対して応答性でないという結論をすることができる。
本明細書で用いられる場合、「活性プロファイル」という用語は、1種以上の遺伝子マーカーの特有の特徴または特性を示す一連のデータを示す。このような特徴または特性としては、転写産物量、転写安定性、転写速度、翻訳速度、翻訳後修飾、タンパク質量、タンパク質安定性、及び/またはタンパク質酵素活性等が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、活性プロファイルは、各遺伝子マーカーの遺伝子発現レベルに関するデータを含む。
いくつかの実施形態では、遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルのコレクションが提供される。いくつかの実施形態では、コレクションは、対象の特定の集団から得られる活性プロファイルを含む。いくつかの実施形態では、対象の特定の集団は、マルチキナーゼ阻害剤に対して応答性である対象からなる。いくつかの実施形態では、対象の特定の集団は、マルチキナーゼ阻害剤に対して応答性でない対象からなる。
いくつかの実施形態では、コレクションは、1つ以上の態様で統計的に均一である、例えば、活性プロファイルの特徴及び特性を示す1つ以上の定量的または半定量的パラメータにおいて統計的に均一である、活性プロファイルを含む。いくつかの実施形態では、定量的パラメータとしては、転写産物量、転写安定性、転写速度、翻訳速度、翻訳後修飾、タンパク質量、タンパク質安定性、及び/またはタンパク質酵素活性等が挙げられるが、これらに限定されない。1つ以上の態様において、一群の活性プロファイルが統計的に均一であるか否かは、当業者に公知の任意の適切な統計的試験及び/またはアルゴリズムにより決定することができる。
いくつかの実施形態では、1種以上の遺伝子マーカーは、マルチキナーゼ阻害剤に応答して、その活性を上昇させる。いくつかの実施形態では、1種以上の遺伝子マーカーは、マルチキナーゼ阻害剤に応答して、その活性を低下させる。いくつかの実施形態では、1種以上の遺伝子マーカーは、マルチキナーゼ阻害剤に対する応答において、その活性を維持する。本明細書で用いられる場合、「遺伝子活性」という用語は、遺伝子発現レベル、RNA活性レベル、またはタンパク質活性レベルを意味する。本明細書で用いられる場合、「RNA活性レベル」は、mRNA存在量、合成速度、及び/または安定性等を意味する。本明細書で用いられる場合、「タンパク質活性レベル」は、タンパク質存在量、合成速度、安定性、酵素活性、リン酸化速度等を意味する。
いくつかの実施形態では、本発明の1種以上の遺伝子マーカーの活性プロファイルのコレクションは、1以上の試験から得られる。試験は、対象者自身により、医師により、看護師により、試験室により、医療提供者により、または試験を実施することのできる他の任意の当事者により実施され得る。次いで、活性プロファイルのコレクションを含む試験結果は、同一の当事者、または、対象者自身、医師、看護師、試験室、医療提供者、内科医(physician)、臨床試験に関与する職員、病院、研究室、研究所、若しくは対象が薬剤に応答性であるかどうかを判定する試験を分析することのできる他の任意の当事者等の第2の当事者により分析することができる。
本明細書に記載の全ての遺伝子マーカーについて、マルチキナーゼ阻害剤の治療後に、本発明の遺伝子マーカーの活性がどのように変化するかにかかわらず、無作為に選択した患者、または治療に対して応答性でない患者の平均的な発現レベルと比較した場合、その発現レベルは治療前より低い。したがって、治療に対して応答性の患者の発現レベルを、基準として使用することができる。本明細書に記載の1種以上の遺伝子マーカーの発現レベルが、治療に対して応答性の患者の発現レベルの範囲内であれば、それは、対象の応答性を示す。言い換えると、マルチキナーゼ治療前に、治療に対して応答性の対象の集団の所定の発現レベルと比較した、特定の対象の遺伝子マーカーの発現は、マルチキナーゼ阻害剤治療に対する応答性の可能性を予測するために使用することができる。また、治療に対して応答性でない患者の発現レベルも使用することができる。例えば、マルチキナーゼ阻害剤治療の前に、特定の対象の本明細書に記載された1種以上の遺伝子マーカーの発現レベルが、治療に対して応答性でない患者の発現レベルの範囲内であれば、それは、対象の非応答性を示す。
方法
また、本発明の遺伝子マーカーのパネルの使用法が提供される。
いくつかの実施形態では、薬剤に対する対象の応答性または耐性を判定する方法が提供される。いくつかの実施形態では、マルチキナーゼ阻害剤は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成を標的とし、RAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードの活性を低下させ、または阻害する(図4を参照のこと)。
いくつかの実施形態では、薬剤は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成を標的とし、RAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードを阻害し得る阻害剤等の、1種以上のマルチキナーゼ阻害剤を含み、ソラフェニブ(例えば、Nexavar(登録商標))、ベムラフェニブ(例えば、Zelboraf(登録商標))、スニチニブ(例えば、Sutent(登録商標))、アキシチニブ(例えば、Inlyta(登録商標))、バンデタニブ(例えば、Caprelsa(登録商標))、カボザンチニブ(例えば、Cometriq(登録商標))、ポナチニブ(例えば、Iclusig(登録商標))、ルキソリチニブ(例えば、Jakafi(登録商標))、レゴラフェニブ(例えば、Stivarga(登録商標))、クリゾチニブ(例えば、Xalkori(登録商標))、それらの塩、溶媒和物、若しくは生理学的機能性誘導体、またはそれらの混合物が挙げられる。いくつかの実施形態では、薬剤は、ソラフェニブ、アキシチニブ、バンデタニブ、パゾパニブ、カボザンチニブ、その塩、溶媒和物、若しくは生理学的機能性誘導体、またはそれらの混合物である。
いくつかの実施形態では、薬剤は、がんに関連する疾患を治療するために使用される。いくつかの実施形態では、がんは肝臓がんまたは腎臓がんである。いくつかの実施形態では、肝臓がんは肝細胞がんである。
いくつかの実施形態では、前記方法は、SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1からなる群から選択される少なくとも1種以上のマーカーを含む、対象から収集した試料中の遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルを測定することを含む。
いくつかの実施形態では、前記方法は、パネルの活性プロファイルを、マルチキナーゼ阻害剤に対して応答性の対象の集団由来の所定の活性プロファイルと比較し、パネルの活性プロファイルが所定の活性プロファイルの範囲内である場合に、対象がマルチキナーゼ阻害剤に対して応答性であると判定されることを更に含む。
いくつかの実施形態では、前記方法は、パネルの活性プロファイルを、マルチキナーゼ阻害剤に対して応答性でない対象の集団由来の活性プロファイルと比較し、パネルの活性プロファイルがその活性プロファイルの範囲内である場合に、対象がマルチキナーゼ阻害剤に対して応答性でないと判定されることを更に含む。
本明細書で用いられる場合、「所定のレベル」、「所定の活性プロファイル」または「基準活性プロファイル」という用語は、マルチキナーゼ阻害剤治療に対して応答性の対象の集団における1種以上の遺伝子マーカーの平均的、代表的な特徴または特性を表す標準的データまたはデータセットを意味する。このような特徴または特性としては、転写産物量、転写安定性、転写速度、翻訳速度、翻訳後修飾、タンパク質量、タンパク質安定性、及び/またはタンパク質酵素活性等が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、対象の特定の集団は、約5、約10、約20、約50、約100、約200、約300、約400、約500、約1000、約5000、約10000、またはそれ以上の個体対象からなる。所定の活性プロファイルは、特定の対象の集団が、全てマルチキナーゼ阻害剤に曝される前、最中、または後に収集した標準化データまたはデータセットであってもよい。いくつかの実施形態では、所定の活性プロファイルは、特定の対象の集団が、全てマルチキナーゼ阻害剤に曝される前に収集した標準化データまたはデータセットである(または細胞、腫瘍細胞由来の試料から)。
いくつかの実施形態では、所定の活性プロファイルは、所定の平均値(bar)またはしきい値である。対象において、本発明の特定の遺伝子マーカーの所定の平均値またはしきい値よりも高い活性は、対象が治療に対して応答性でないことを示すが、本発明の特定の遺伝子マーカーの所定の平均値またはしきい値と同様であるかより低い活性は、対象が治療に対して応答性であることを示す。
いくつかの実施形態では、所定の活性プロファイルは所定の範囲である。対象における、本発明の特定の遺伝子マーカーの活性が、所定の範囲より高いか、範囲外であることは、対象が治療に対して応答性でないことを示すが、対象における、本発明の特定の遺伝子マーカーの活性が、所定の範囲内であるか、より低いことは、対象が治療に対して応答性であることを示す。
治療に対して応答性であることが知られている対象の集団から所定の活性プロファイルを得ることに代え、「陰性の所定の活性プロファイル」を、治療に対して応答性でないことが知られている対象から得ることができる。いくつかの実施形態では、対象における、本発明の特定の遺伝子マーカーの活性が、陰性の所定の活性レベルと同様であるか、より高いことは、対象が、マルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性でないことを示す。いくつかの実施形態では、対象における、本発明の特定の遺伝子マーカーの活性が、陰性の所定の活性レベルより低いことは、対象が、マルチキナーゼ阻害剤の治療に対して応答性であることを示す。
本明細書で用いられる場合、対象において、当業者に公知の任意の適切な方法により試験することができる、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成が、マルチキナーゼ阻害剤により低下し、または阻害され、RAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードの活性が低下し、または阻害される場合、対象は、マルチキナーゼ阻害剤に対して「応答性」である。いくつかの実施形態では、応答性は、マルチキナーゼ阻害剤の抗腫瘍活性により反映され得る。いくつかの実施形態では、マルチキナーゼ阻害剤の抗腫瘍活性は、%ΔT/ΔC(式中、ΔT=治療群における腫瘍体積の変化、ΔC=対照群における腫瘍体積の変化)により測定することができる。いくつかの実施形態では、マルチキナーゼ阻害剤の抗腫瘍活性は、対象由来のあらゆる適切な試料、対象の一部、または対象由来のPDXで測定することができる。いくつかの実施形態では、予測される%ΔT/ΔCが、約90%未満、約85%未満、約80%未満、約75%未満、約70%未満、約65%未満、約60%未満、約55%未満、約50%未満、約45%未満、約40%未満、約35%未満、約30%未満、約25%未満、約20%未満、約15%未満、約10%未満、約5%未満、またはマルチキナーゼ阻害剤の種類及び腫瘍の種類によって更に低い場合に、対象はマルチキナーゼ阻害剤に対して応答性であると考えられる。いくつかの実施形態では、1種以上の遺伝子マーカーの活性プロファイルに対応する予測される%ΔT/ΔCが約40%未満である場合に、対象はマルチキナーゼ阻害剤に対して応答性であると考えられる。
本明細書で用いられる場合、「パネルの活性プロファイルが所定の活性プロファイルの範囲内である」という文章は、活性プロファイルが、所定の活性プロファイルと同様であると分析され、例えば、活性プロファイルを示すパラメータが所定の活性プロファイルを示すパラメータと近く、または所定の活性プロファイルの変動範囲内であり、例えば、パラメータが、所定の活性プロファイルを示すパラメータから構築される90%の信頼区間に基づく変動範囲内であることを意味する。
パネルの活性プロファイルは、任意の適切なパラメータにより示すことができる。いくつかの実施形態では、パネルの活性プロファイルは、評価すべき対象において発現される1種以上の遺伝子マーカーと関連するシグネチャ値により示される。したがって、所定の活性プロファイルは、基準群において発現する遺伝子マーカーと関連するシグネチャ値により示される。
いくつかの実施形態では、対象から収集した試料中の遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルが、マルチキナーゼ阻害剤治療に対して応答性の対象の集団に基づいた所定の活性プロファイルの範囲内であると分析された場合、分析された対象は、マルチキナーゼ阻害剤に対して応答性であると判定される。
また、対象から収集した試料中の遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルが、マルチキナーゼ阻害剤治療に対して応答性でない対象の集団における1種以上の遺伝子マーカーの平均、代表的な特徴または特性を表わす標準化データまたはデータセットの範囲内である場合、分析された対象は、マルチキナーゼ阻害剤に対して応答性でないと判定される。
対象にマルチキナーゼ阻害剤を投与する方法が提供される。いくつかの実施形態では、該方法は、少なくとも1種以上の遺伝子マーカーを含む遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルについて対象を試験することを含む。いくつかの実施形態では、遺伝子マーカーは、SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1からなる群から選択される。
いくつかの実施形態では、前記方法は、パネルの活性プロファイルを所定の活性プロファイルと比較し、パネルの活性プロファイルが所定の活性プロファイルの範囲内である場合に、マルチキナーゼ阻害剤を対象に投与することを更に含む。いくつかの実施形態では、マルチキナーゼ阻害剤は、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成を標的とし、RAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードの活性を低下させ、または阻害する(図4を参照のこと)。
遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルは、当業者に公知の適切な任意の方法により決定することができる。いくつかの実施形態では、対象から生体試料を取って分析する。遺伝子活性は、遺伝子コピー数、遺伝子増幅数、またはプロモータ活性等であってもよい。RNA活性は、mRNAの存在量、合成速度、及び/または安定性等であってもよい。タンパク質活性は、タンパク質存在量、合成速度、安定性、酵素活性、リン酸化速度、修飾、結合活性等であってもよい。いくつかの実施形態では、次いで、RNA、mRNA、cDNA、cRNA、タンパク質等の1種以上の遺伝子発現産物の存在から生体試料を通常にアッセイする。
いくつかの実施形態では、生体試料由来のmRNAを、ハイブリダイゼーションによる1種以上の遺伝子の発現レベルの測定に直接使用する。いくつかの特定の実施形態では、RNAは生体試料から得られる。次いで、当該技術分野で公知の方法を用いて、RNAをcDNA(相補DNA)コピーに変換する。いくつかの特定の実施形態では、cDNAを、蛍光標識または他の検出可能な標識で標識する。次いで、cDNAを、目的の複数のプローブを含む基板とハイブリダイズさせる。目的のプローブは、通常、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下に、遺伝子シグネチャの少なくとも1つのDNA配列とハイブリダイズする。ある特定の実施形態では、複数のプローブは、そのハイブリダイゼーション条件下、SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1から選択される遺伝子マーカー由来の配列とハイブリダイズし得る。いくつかの実施形態では、条件は、65℃で6×SSC(0.9M NaCl、0.09Mクエン酸ナトリウム、pH7.4)を使用することを含む。プローブは核酸を含んでいてもよい。「核酸」という用語は、基準核酸と類似した結合特性を有し、かつ基準ヌクレオチドに類似した様式で代謝される、合成、天然に存在する、及び天然に存在しない、公知のヌクレオチド類似体または改変された骨格残基若しくはリンケージを包含する。このような類似体の例としては、ホスホロチオエート、ホスホロアミダート、メチルホスホネート、キラル−メチルホスホネート、ペプチド核酸(PNA)が挙げられるが、これらに限定されない。
特定のケースでは、プローブは約15〜約50塩基対またはそれ以上の長さである。cDNAのハイブリダイゼーションの量は、フルオロフォア等の検出可能な標識の存在をアッセイすることによって測定することができる。ハイブリダイゼーションシグナルの定量は、特定の患者または複数の患者について遺伝子シグネチャにおける特定の配列または一連の配列のスコアを作成するために使用することができる。
本発明の範囲内には、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でマーカーの1種以上の遺伝子配列とハイブリダイズする、複数の配列を含むDNAアレイまたはマイクロアレイが含まれる。1種以上の目的のプローブを含む基板の例は、基板に固定された複数のDNAプローブである。特定の実施形態では、基板は、ゲル、ニトロセルロース、ナイロン、石英、ガラス、金属、シリカ系材料、シリカ、樹脂、ポリマー等、またはそれらの混合物等の1種以上の材料を含んでもよい。通常、DNAプローブは、約10〜50bpの連続するDNAを含む。特定の実施形態では、DNAプローブは、約20〜約50bpの連続したDNAである。特定の実施形態では、本発明は、その使用のためのマイクロアレイの説明書を含むキットに関する。このキットは、1つ以上のマイクロアレイ及びその使用のための説明書を含む容器を備えていてもよい。
生体試料は、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応);RT−PCR(逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応);定量または半定量PCR等を含むが、これらに限定されない、核酸を検出し得る方法を用いて、1種以上の遺伝子マーカーの遺伝子発現についても分析することができる。
特定の実施形態では、遺伝子発現のレベルは、遺伝子またはDNA配列のタンパク質発現産物を検出することにより測定される。タンパク質産物のレベルは、特定のタンパク質に特異的に結合する抗体の使用を含む、当該技術分野で公知の方法を用いて測定することができる。ポリクローナルまたはモノクローナル抗体を含む、これらの抗体は、当該技術分野で公知の方法を用いて製造することができる。これらの抗体を固体基板に結合し、抗体チップまたは抗体マイクロアレイを形成することもできる。抗体またはタンパク質マイクロアレイは、当該技術分野で公知の方法を用いて製造することができる。
遺伝子発現レベルが測定されると、シグネチャ値/スコアが計算される。シグネチャ値/スコアの計算法の例は本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、log2スケールにおける、マーカー遺伝子mRNAの平均発現強度は、シグネチャスコアと命名される。次いで、シグネチャ値/スコアを、所定の活性プロファイルと関連するシグネチャ値と比較し、マルチキナーゼ阻害剤治療に対する対象の応答性を予測する。いくつかの実施形態では、予測される被験者の応答性は、予測される%ΔT/ΔC(式中、ΔT=治療群における腫瘍体積の変化、ΔC=対照群における腫瘍体積の変化)により判定される。
シグネチャ値は、任意の適切な方法により計算することができる。いくつかの実施形態では、シグネチャ値は所定のアルゴリズムにより計算される。いくつかの実施形態では、値は、その発現レベルに基づいて、各遺伝子マーカーに割り当てられる。シグネチャ値を計算するための方法の非限定的例は、全体として参照により本明細書に組み入れられるChangら(SIGNATURE:A workbench for gene expression signature analysis,BMC Bioinformatics 2011,12:443)、Kawaguchiら(Gene expression signature−based prognostic risk score in patients with glioblastoma,Cancer Sci.2013 Jun 7.[印刷に先駆けた電子出版])、Cuzickら(Prognostic value of an RNA expression signature derived from cell cycle proliferation genes in patients with prostate cancer:a retrospective study,Lancet Oncol.2011 Mar;12(3):245−55.doi:10.1016/S1470−2045(10)70295−3.),Sanchez−Navarro(An 8−gene qRT−PCR−based gene expression score that has prognostic value in early breast cancer.,BMC Cancer.2010 Jun 28;10:336.doi:10.1186/1471−2407−10−336.),Shiら(A Network−Based Gene Expression Signature Informs Prognosis and Treatment for Colorectal Cancer Patients,PLoS ONE,2012,7(7):e412)、Matsuiら(Developing and Validating Continuous Genomic Signatures in Randomized Clinical Trials for Predictive Medicine,Clinical Cancer Research,2012,2012;doi:10.1158/1078−0432.CCR−12−1206)、Lyngら(Gene Expression Signatures That Predict Outcome of Tamoxifen−Treated Estrogen Receptor−Positive,High−Risk,Primary Breast Cancer Patients:A DBCG Study,PLoS ONE,2013,8(1):e54078),及びZhaoら(Combining Gene Signatures Improves Prediction of Breast Cancer Survival,PLoS ONE,2011,6(3):e17845)に記載されている。
対象が治療に応答性であるかどうかを判定するために必要な絶対的しきい値発現レベルはないが、当業者は、マルチキナーゼ阻害剤及び治療すべき疾患の種類に基づいて、適切な標準的しきい値を決定することができる。例えば、いくつかの実施形態では、遺伝子マーカーのシグネチャ値と関連する、予測される%ΔT/ΔCが約40%(または他の好ましい値)未満である場合、便宜的に、対象は、特定のマルチキナーゼ阻害剤に応答性であると判断することができる。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は用量単位で適用することができる。例えば、同一のマルチキナーゼ阻害剤の各所定の用量について、一連の遺伝子マーカーを同定することができ、これらの遺伝子マーカーを、特定の対象が、所定の用量で特定のマルチキナーゼに応答性であるかを判定するために使用することができる。投与される用量の非限定的例としては、約0.1μg/kg、約1μg/kg、約10μg/kg、約100μg/kg、約1mg/kg、約10mg/kg、約50mg/kg、約100mg/kg、またはそれ以上である。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、投与方法に基づいて適用することができる。例えば、同一のマルチキナーゼ阻害剤の各所定の薬剤投与方法について、一連の遺伝子マーカーを同定することができ、これらの遺伝子マーカーを、特定の対象が、所定の薬剤投与方法を用いることによりマルチキナーゼ阻害剤に応答性であるかを判定するために使用することができる。投与経路の非限定的例としては、粘膜、経腸、非経口、経皮/経粘膜、及び吸入が挙げられる。一実施形態では、粘膜経路は、鼻、口腔咽頭、眼、または尿生殖器粘膜である。他の実施形態では、経腸経路は、経口、直腸または舌下である。更なる他の実施形態では、非経口投与は、動脈内、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、及び粘膜下注射または注入の任意の1つである。更なる他の実施形態では、経皮/経粘膜経路は局所塗布である。更なる他の実施形態では、吸入経路は、鼻腔内、口腔咽頭、気管内、肺内または経肺である。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、複合薬に基づいて適用することができる。例えば、各所定のマルチキナーゼ阻害剤及び非マルチキナーゼ阻害剤の複合薬、または2種以上のマルチキナーゼ阻害剤の併用について、一連の遺伝子マーカーを同定することができ、これらの遺伝子マーカーを、特定の対象が、マルチキナーゼ阻害剤を含む複合薬に応答性であるかを判定するために使用することができる。
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、処方単位で適用することができる。例えば、所定のマルチキナーゼ阻害剤の各所定の薬剤処方について、一連の遺伝子マーカーを同定することができ、これらの遺伝子マーカーを、特定の対象が、所定の薬剤処方を用いることにより、マルチキナーゼ阻害剤に対して応答性であるかを判定するために使用することができる。
本発明の遺伝子マーカー及び関連する方法は、全ての適切な目的のために使用することができる。いくつかの実施形態では、それらは前向き臨床試験で使用することができる。いくつかの実施形態では、それらは、臨床治療/予防的診療で使用することができる。
予測的遺伝子マーカーを発見する方法も提供される。いくつかの実施形態では、この方法は、「第II相臨床試験のような」試験を含む。いくつかの実施形態では、前記方法は、対象由来の細胞に1種以上の薬剤を適用し、細胞内の1種以上の遺伝子の発現プロファイルを測定することを含む。いくつかの実施形態では、試験は、PDXモデルを使用することを含む。いくつかの実施形態では、試験は、バイオインフォマティクス及び統計分析を使用することを含む。いくつかの実施形態では、バイオインフォマティクス及び統計分析は、薬剤応答性または薬剤耐性と高い相関性を有する特定の遺伝子マーカーのパネルを同定するために使用される。可能な応用としては:a)早期臨床薬候補についてのバイオマーカーの発見;b)効能の選択及び拡大;c)市販薬のライフサイクル管理;d)「後発」医薬品の新規効能の発見が挙げられるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、バンデタニブ、パゾパニブ、カボザンチニブ、または他のマルチキナーゼ阻害剤の有効性を、PDXモデルのパネルで測定する。いくつかの実施形態では、各パネルは、複数のマウス、少なくとも3、4、5、6、7、8、9、10匹またはそれ以上を有する。いくつかの実施形態では、対照群及び治療群が含まれる。対照群は媒体のみを服用する。治療群は、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、バンデタニブ、パゾパニブ、カボザンチニブ、または他のマルチキナーゼ阻害剤を服用する。
いくつかの実施形態では、各PDXパネルについて、薬剤の有効性を%ΔT/ΔC(式中、ΔTは治療群における腫瘍体積の変化であり、ΔCは対照群における腫瘍体積の変化)により定量化する。いくつかの実施形態では、1、2、3、4、5、6、7、8種、またはそれ以上の試験をしたマーカー遺伝子のmRNA発現レベルが、マイクロアレイ、RNAseq、及び/またはRT−PCRによりプロファイリングされる。いくつかの実施形態では、マーカーのタンパク質レベルは免疫測定法によりプロファイリングされる。いくつかの実施形態では、シグネチャスコアは、マーカー遺伝子の発現またはタンパク質レベルに基づいて計算され、その予測力は、決定係数(r2)及び関連p値により定量化される。いくつかの実施形態では、高い値のr2及び/または低い値のp値は良好な予測力であることを示す。いくつかの実施形態では、少なくとも0.05未満のp値が、シグネチャが任意の予測力を有するとみなすために用いられる。
本発明を、以下の実施例によりさらに説明するが、本発明は、これらに限定すると解釈されるべきでない。本出願を通して引用する全ての参考文献、特許及び特許出願公開の内容、並びに図面及び配列表は、本明細書に参照により組み入れられる。
実施例1.かなりの数のHCC HuPrime(登録商標)モデルが、ソラフェニブに対して感受性であるか、または部分的に感受性である。
ヒトHCC発がんメカニズムを獲得した実験モデルは、HCCの治療を評価し、患者の応答性を予測するバイオマーカーを発見するのに重要である。患者由来の異種移植片(PDX)モデルは、患者の組織病理学的及び遺伝的プロファイルを反映する(2−7)。本発明者らは、最近、免疫不全マウスに、未治療の患者の腫瘍組織片を移植することにより、HCC−PDXモデル(HCC−HuPrime(登録商標)または患者のアバターと命名)の大規模コレクションを確立した。本発明者らは、臨床試験のような試験において、HCC−HuPrimeの無作為化コホートでソラフェニブを試験した。試験は、「応答者及び非応答者」の同定をもたらした。本発明者らは、次に、マイクロアレイGeneChip技術を使用して、これらのモデルを発現プロファイリングした。統計分析を適用することにより、本発明者らは、応答に関連付けられ、またはHuSignature(登録商標)と呼ばれる特定の分子シグネチャを同定した。少数の遺伝子だけからなる遺伝子発現シグネチャはHCC患者のソラフェニブに対する応答性を予測することができ、診療所における患者の層別化に使用するためのコンパニオン診断薬(companion diagnostics)を開発するのにも受け入れられる。このシグネチャは、おそらく応答者でないHCC患者の治療を回避しながら、おそらく応答者であるHCC患者を治療するためのガイドとして使用することができ、それ故、個別化を最小としつつ治療の利点は最大となる。
本発明者らは、Balb/cヌードマウスに皮下移植を介して、未治療のアジア人のHCC患者から外科的に除去された腫瘍組織を移植することにより、HCC PDXモデルの大規模パネルを確立した。結腸直腸(CRC)(8)用の高い取込み率と比較し、HCCの移植の取込み率は約20%と中程度であり、NSCLCのものと同様である(9、10)。本発明者らは、ソラフェニブに応答するまたは応答しないモデルを同定することに関心があった。この目的のために、本発明者らは、ソラフェニブで治療することにより、無作為に選択した21のHCC HuPrimeのコホートを試験した。結果により、50mg/kgの用量で、ソラフェニブを毎日経口投与することにより処理したHCCモデルの大部分が、%ΔTΔCにより測定される治療に対する応答性の程度に変化を示すことが証明された(図1)(表1)。21のPDXのうち13(62%)が、%ΔTΔが40%未満であり、効率的な腫瘍増殖阻害を達成した(p<0.05)。一方、図1に示すように、モデルLI0334及びLI0050を含む、ソラフェニブに対し、ほとんど耐性または部分的に耐性、非応答または応答に乏しいモデルも存在する。
(表1)
Figure 0006612232
実施例2.HCC−PDXは、網羅的遺伝子発現プロファイリング毎に3つの主要なカテゴリーに分類することができる。
HCCは、多様な種類の疾患である。患者の腫瘍試料の網羅的遺伝子発現プロファイリングは、HCCが3つの主要なサブタイプに分類できることを明らかにした。最近、トランスクリプトーム解析により、別個の臨床パラメータ、並びに細胞分化を用いて、HCCが3つの主要なカテゴリーに分類された。それらは、S1(WNT経路及びTGF−βの活性化を伴う幹様グループ)、S2(MYC及びAKTの活性化)、及びS3(肝細胞分化)である。HCC−PDXは、患者の元の組織病理学及び遺伝的プロファイルを維持することにより、予測的実験モデルであると考えられる2,3。本発明の試験は、HCC−アバターが分類及び生物学的特性における患者の腫瘍と同様のゲノムプロファイルを有しているかどうかを示すことにより、この仮説を試験することを試みるものであった。
最初に、アバターの試験で使用された全ての記載されたHCC−PDXが、前述されたように、網羅的遺伝子発現についてプロファイリングされた(9、10)。本発明者らは、臨床患者試料を分類するために使用されたのと同じアルゴリズムを用いて、患者の腫瘍との、本発明者らの「HCC−アバター」の類似性を評価した。22のHCC−PDXモデルは3つのグループに分類することができ、その中で、S1及びS2はより関連している(表2を参照のこと)。アルゴリズムから生成された572の遺伝子を用いて、2つの異常値を除き、階層クラスタリング及び主成分分析(PCA)により、同一の分類が得られた。結果は、本発明者らのHCC−PDXのコホートが、患者の試料由来のものと同一の3つのサブクラスに分けることができることを実証している
Lukらによって開発されたmiRNA発現基準(miRNA expression−criterion)を用い、本発明者らのHCC PDXのコレクションは2つのクラス、14q32.2−hi及び14q32.2−loに分類された。上記mRNAプロファイリングにより決定したS1、S2、S3サブクラスと比較すると、S1は14q32.2−loに属し、S2/3は14q32.2−hiに属している(LI1025、LI1078を除く)(表2を参照のこと)。
(表2)mRNA及びmiRNAプロファイリングによる、HCC HuPrime(登録商標)の分類
Figure 0006612232
血清AFP及び腫瘍AFP−mRNAレベルは、強く正に相関することがわかり、S2/3、及び14q32.2−hiとも関連しており、これは以前の報告と一致していた。6つの幹様マーカーはS1とも14q32.2−hiとも関連していないことがわかり、したがって、これはLukらによる報告とは異なっている。c−MET阻害剤に対する応答により定義されるように、c−METの活性化はS1においてのみ観察され、これは以前の観察の1つと一致しているが、他のものとは一致していない。これら全てのモデルを、マルチキナーゼ阻害剤であるソラフェニブで処理した場合、サブクラス間の腫瘍応答とは相関関係がないと思われた(データは示さず)。本発明者らは、現在、この分類の有用性を調査するために、分類に関連する薬剤応答を検討している。それにもかかわらず、本発明者らのデータにより、HCC−HuPrime(登録商標)が、患者の腫瘍の良い代表であり、それ故、このように可能性が高い予測実験モデルであることが示唆された。
実施例3.ソラフェニブに対する応答性を予測するHCC遺伝子発現シグネチャの同定
線形回帰に基づく統計的手法を、上述したような%ΔT/ΔCによるように、HCC−PDXにおける、網羅的遺伝子発現レベル、及び測定されたソラフェニブの治療効果を使用する、予測的バイオマーカー(すなわち、遺伝子シグネチャ)を同定するために使用した。0.0001未満のp値、4倍を超える、試験を行った全体のHCC−PDXの遺伝子発現の範囲、線形回帰分析において異常値のないことを含む、前もって調整した統計的基準により、本発明者らは、良好な予測性を実証した8種の遺伝子からなるシグネチャを引き出すことができる(例えば、図1及び表3)。より多くの遺伝子を有するシグネチャは良好な関連性及び小さいp値を生成するが、臨床適用においては実用的価値を有していないことに注目すべきである。あらかじめ調整した基準の厳密さは、シグネチャ遺伝子の数を決定するであろう。
これらのシグネチャ遺伝子は、統計分析によって純粋に同定されるが、分析の前後にあらゆる選別を行うために生物学的知識は使用せず、これらのシグネチャ遺伝子は、マルチキナーゼ阻害剤に対する対象の応答性を予測するために使用することができる。いくつかの遺伝子は、グルコース及びフルクトース代謝と関連している。インターフェロン(IFN)仲介経路には2つの遺伝子がある(注:切除不能または転移性明細胞腎がんを有する患者において、ソラフェニブとともにペグ化インターフェロンアルファ−2bを使用する第I相臨床試験が進行中である。全体として参照により本明細書に組み入れられる、ClinicalTrials.gov Identifier No.:NCT00589550を参照のこと)。
(表3)例示的なシグネチャ遺伝子
Figure 0006612232
Figure 0006612232
Figure 0006612232
材料及び方法
免疫不全マウスにおける、患者の腫瘍試料及び移植
新鮮かつ外科的に切除した腫瘍組織は、河北医科大学第四病院の治験審査会の承認及び患者からのインフォームドコンセントを得て、北京Keluoenトランスレーショナル医学研究所及び河北医科大学第四病院との共同研究とを通じてHCCと診断された患者から得た。患者の腫瘍断片の免疫不全マウス皮下への移植は、他者により広く記載されている。手短に言うと、腫瘍を3×3×3mm3の断片にスライスし、マウス(Balb/c nude,6〜8週齢、メス,Beijing HFK Bioscience Co. Ltd.,Beijing,China)の側腹部に皮下接種した。腫瘍の成長は、ノギスを用いることにより、週に2回モニターした。継代0またはP0と呼ばれる、これらの患者試料由来の確立された腫瘍モデルを、腫瘍を維持するために連続的に再移植し、それらの引き継ぐ継代をP1、2、3・・・(10未満)と呼ぶ。腫瘍の大きさが500〜700mm3(長さの1/2×幅)に達すると、移植の次のラウンドのために腫瘍を集め、腫瘍を継代し、薬理学、組織病理学、免疫組織学、細胞及び分子的分析の試験を実施した。全ての手順は、Crown Bioscience SPF設備で、無菌条件下に実施した。実験動物が関与する全ての試験は、国立衛生研究所の実験動物のケア及び使用のためのガイドの推奨に従い、厳重に実施した。プロトコルは、Crown Bioscience,Inc.の動物実験の倫理に関する委員会(Crown Bioscience IACUC Committee)によって承認された。
抗腫瘍活性の評価
腫瘍体積が100〜150mm3に達すると、マウスを、同様の平均腫瘍体積を有する5匹のマウスの2つの群に無作為に分類した。対照群は、分類後すぐに、媒体対照(PBS、週1回、腹腔注射、2週間)で処理し;処置群は、以下のうちの1つで処置した:セツキシマブ(週1回、腹腔注射、2週間、1mg/マウス、Merck KGaA)、エルロチニブ(1日1回、経口投与、50mg/kg、Nanjing Angel Pharmaceutical Co.)、クリゾチニブ(1日1回、経口投与、50mg/kg、Selleckchem.com)。腫瘍の成長を週に2回モニターし、処置に対する腫瘍応答性を評価するために、%ΔT/ΔC値を計算した(ΔT=処置群の腫瘍体積の変化、ΔC=対照群の腫瘍体積の変化)。
HuPrime(登録商標)腫瘍のIHC分析
HuPrimeモデル由来の腫瘍組織を分析するために、標準的な免疫組織化学的検査を用いた。手短に言うと、組織を、10%の中性緩衝化したホルマリンに固定し、標準的な組織学的手順に従ってパラフィンに包埋した。脱パラフィン及び再水和後、3μm厚の組織切片を、0.01Mクエン酸ナトリウム溶液、pH6.0中、95℃で30分間、前処理し、ウサギ抗−ヒトモノクローナルpERKまたはpEGFR抗体(Cell Signaling,Boston,USA)で染色した。Ultra Vision LP large Volume Detection System HRP Polymer (Ready−To−Use) Kit (Lab Vision,Fremont,CA)を用いて、陽性染色を検出した。発色基質としてDABを使用し、切片を、ギルのヘマトキシリン(Fisher Scientific,Fair Lawn,USA)で対比染色した。次いで、試験片を、以下の基準に従って、盲検様式で、3名の研究者により独立に点数をつけた:0、染色なし;1+、最小の染色;2+中程度の染色;3+、強い染色。低倍率(×100)で腫瘍切片をスキャンすることにより、最も強度の強い領域を特定した後、Olympus BX51顕微鏡システムを用いて、DP71デジタルカメラ(Olympus,Melville,NY)により、高倍率(×400)で画像を撮影した。
HCC−PDXの発現プロファイル及び遺伝子コピー数分析
新鮮なHCC HuPrime(商標)腫瘍組織を腫瘍を有するマウスから収集し、急速凍結し、遺伝的及びゲノム分析に使用するまで−80℃に保存した。遺伝子プロファイリング分析のために、製造業者の説明書に従い、Trizol(Invitrogen,Carlsbad,CA)を用いて凍結組織から全RNAを分離し、RNeasyミニカラム(Qiagen)を用いて精製した。RNAの質は、Bioanalyzer(Agilent)により評価した。高い質(RINが8超)のRNA試料のみを、標準プロトコル(GeneChip(登録商標)3'IVT Expression Kit,User Manual,Affymetrix,P/N 702646 Rev.8)に従って、Affymetrix HG−U219アレイプレートによる発現プロファイリングアッセイに使用した。全ての試料の生のCELデータセットを、RMAアルゴリズムにより標準化した。プローブセットの強度は、Log(2)交換値として表した。Affymetrix(登録商標)SNP6.0チップを用いたSNP/CNVアッセイのために、製造業者の説明書に従い、Genomic DNA Tissue and Blood Isolation Kit(Qiagen)を用いてゲノムDNAを単離し、精製した。標準的なAffymetrixプロトコル(Affymetrix(登録商標)Genome−Wide Human SNP Nsp/Sty 6.0 User Guide,P/N 702504,Rev.4)に従い、DNAプロセシング及びチップハイブリダイゼーションを実施した。生のCELデータはQC−edであり、低いコールレートの試料を除くために選別し、遺伝子コピー数分析を、PICNIC及び/またはPennCNV法により実施した。いくつかの試料については、相対的な遺伝子コピー数をqPCRにより測定した。手短に言うと、同じゲノムDNAを、定量PCRに基づくSYBR Greenにより、MET特異的プライマー
Figure 0006612232
を用いて増幅に供した。基準として、哺乳類のLINE−1レトロトランスポゾン遺伝子を用いた。生データを生成するために、Opticon Monitor 3ソフトウェアを用い、クロモ4システムによりq−PCRデータを分析した。次いで、デルタCT相対的定量法を用いて生データを加工した。ΔCT=(標的遺伝子のCT値)−(基準遺伝子のCT値)。次いで、デルタCT値を強度値に変換した(POWER(ΔCT,−2))。相対的METコピー数を得るために、公知のMETコピー数を用いて、全てのデータを、試料のデータに標準化した。
考察
肝細胞がん(HCC)は異種のがんである。承認されている唯一の標的療法は、単独療法として、または化学療法と併用した、ソラフェニブである。しかし、今までのところ、治療には、総合的な利益において限定的であった。しかし、実際に治療から利益を得ることができる可能性の高い応答者と、不必要な毒性を回避することができる可能性が高い非応答者を識別することができる患者の層別化が欠如しているので、マルチキナーゼ阻害剤のように、これは、高い毒性及び全体的な低い有効性によるところが大きい。従って、個々に応じた治療計画を作成することで、全体的な治療の利益は向上するであろう。残念なことに、今までのソラフェニブの臨床診療は、個々の治療をサポートするために効果的なバイオマーカーを明らかにはしていなかった。
HCC−PDXは、各患者について基礎となる遺伝的多様性と同様に、元の患者の疾患の生理機能を捕獲する(2)。これらの実験モデルは、臨床開発の開始に先立って、薬物候補を試験するための「患者の代理または異種患者(xenopatients)(12)」として使用することができる。確立されたHCC−PDXの大規模なコレクション、またはHCC−PDXのライブラリーは、疾患の異種性及び多様性を表し得る。その有効性により、それらは、あらゆる所定の薬剤について、無作為化第II相臨床試験のような試験を実施するためにそれらを使用することができる。本レポートに記載されるものとして、モデルが包括的にプロファイリングするなら、このような試験は、応答者の割合で実証されるように、治療の全体的な利益を示すだけでなく、これらの応答者と関連する潜在的な有益なバイオマーカー(または分子シグネチャ)をも示す。いったん、臨床において検証されると、これらのバイオマーカーは、潜在的に患者を層別化するために使用することができる。
本レポートでは、十分に制御された実験パラメータ下で、かつ完全な遺伝的アノテーションの無作為化されたHuPrime(登録商標)HCCモデルのパネルを使用し、臨床試験のような試験が記載されている。本発明者らの試験データの統計分析によれば、実際に特異的な遺伝子発現シグネチャ、HCC−ソラフェニブ−HuSignature(商標)が明らかになった。このシグネチャは、前向き臨床試験において、また臨床治療においても、ソラフェニブに応答するまたは応答しない患者を高い可能性で同定するために使用することができる。
一般に、本レポートで例示されている、本発明者らのHuTrial/HuSignature(商標)プラットフォームは、ゲノム特定HuPrime(登録商標)PDXモデルの大規模なコレクションを使用することにより、また生物情報学及び統計分析を使用することにより、「第II相臨床試験のような」試験を実施することにより、予測的シグネチャを発見するように設計されている。プロセスの基本は、結果が、生物情報学者(bioinformatician)及び生物統計学者が、薬物応答または薬剤耐性と高い相関を有している特定の遺伝子のシグネチャを識別することを可能にすることができるということである。得られたシグネチャ(学習用セット)は、追加のHuPrime(登録商標)モデルを用いた更なる試験を実施するか、前向き臨床試験(試験セット)において、更に確認することができる。このプラットフォームの可能な応用としては、a)早期の臨床薬剤候補のためのバイオマーカーの発見;b)効能の選択及び拡大;c)市販の薬剤のライフサイクル管理;d)「後発」医薬品の新規適応症の発見が挙げられる。
薬剤開発のための最も重要な原価作用因は、後期臨床開発における高い失敗率である(13)。薬剤の損耗を低下する必要性は、薬剤が、しばしば毒性でなくむしろ効力の欠如のために不合格になるという、腫瘍学の分野で特に重大である。トラスツズマブ、イマチニブ、及びゲフィチニブのような薬剤の開発の成功により、薬物治療の恩恵を受ける可能性が最も高い患者を選択するのに、バイオマーカーを同定することが決定的に必要であることを実証してきた。本発明者らのHuTrial/HuSignature(商標)プラットフォームは、薬剤の臨床開発の際の損耗を最小化するために使用される、非常に強力な手段であり得る。
患者由来の異種移植片(PDX)は、患者の腫瘍または「患者のアバター」を模倣する実験モデルであると考えられる。本発明者らは、マルチキナーゼ阻害剤、ソラフェニブに対する応答性を試験するために、21種の肝細胞がん(HCC)患者由来の異種移植片(PDX)の集団を用いた臨床試験のような試験(第II相様)(アバタートライアルとも呼ばれる)を実施した。21種のPDXのうち13種(62%)が、50mg/kgの用量で、ソラフェニブの治療によって、40%未満のΔT/ΔC(p<0.05)の効果的な腫瘍増殖阻害を達成した。これらのPDXの遺伝子発現プロファイルは、ソラフェニブに対する応答性を予測し得るmRNA発現シグネチャを表すために分析された。このシグネチャは、潜在的に、患者の治療または個々の治療を層別化するためのコンパニオン診断薬を開発するために使用することができる。
実施例4.遺伝子マーカーの同定及び使用
ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、バンデタニブ、パゾパニブ、及びカボザンチニブの効果は、それぞれが媒体を投与する両方の対照群で、複数のマウス、少なくとも3匹を有する、HCC PDXのパネルで測定される。治療群は、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、バンデタニブ、パゾパニブ、またはカボザンチニブが投与される。
各PDXについて、薬剤の有効性は、%ΔT/ΔC(式中、ΔTは治療群における腫瘍体積の変化であり、ΔCは対照群における腫瘍体積の変化である)により定量化される。2、3、4、5、6、7、8種またはそれ以上のマーカー遺伝子のmRNA発現レベルまたはタンパク質レベルは、マイクロアレイ、RNAseq、及び/またはRT−PCRによりプロファイリングされる。いくつかの実施形態では、マーカーとしては、SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及び/またはUGT2A1が挙げられる。いくつかの実施形態では、他のマーカーを含んでもよい。
シグネチャスコアは、マーカー遺伝子の発現またはタンパク質レベルに基づいて計算され、その予測力は、決定係数(r2)及び関連p値により定量化される。高い値のr2及び/または低い値のp値は良好な予測力であることを示す。少なくとも0.05より小さいp値が、シグネチャが任意の予測力を有しているとみなすために必要である。いくつかの実施形態では、1種以上の特定のマーカーが、特定のマルチキナーゼ阻害剤に対する対象の応答性を予測するのに特に有用である。
前述の記載は本発明の原理の単なる例示である。当然のことながら当業者は、本明細書において明記または明示されていないが、本発明の原理を具現化し、その精神及び範囲に含まれる様々な配置を設計することができる。更に、本明細書で言及される全ての例及び条件付き用語は、主として、本発明の原理及び当分野の技術を推進するために発明人によって寄与される概念を閲覧者が理解するのを助けることが意図されており、そのような特定して言及される例及び条件に限定されないと解釈されるべきである。
更に、本発明の主旨、態様、及び実施形態、並びにそれらの特定の実施例を列挙する本明細書の全ての記述は、その構造的及び機能的な均等物の両方を包含することが意図される。また、そのような均等物は、現在既知である均等物、及び将来的に開発される均等物、すなわち、開発される任意の要素であって、構造にかかわらず同じ機能を行う、任意の要素の両方を含むことが意図される。したがって、本発明の範囲は、本明細書に示される、及び記載される例示的な実施形態に限定されることを意図するものではない。むしろ、本発明の範囲及び主旨は、添付の特許請求の範囲によって具現化される。
別途定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、本発明が属する当業者が一般に理解する意味と同一の意味を有する。本明細書に記載の方法及び材料と同様若しくは均等の任意の方法及び材料を本発明の実践または試験において使用することもできるが、好ましい方法及び材料は、本明細書で説明されている。引用される全ての刊行物、特許、及び特許公開は、あらゆる目的で参照によりそれらの全体が本明細書に組み入れられる。
本明細書で論じられる出版物は、本出願の出願日前にそれらを開示するためだけに提供される。本明細書におけるいずれの内容も、本発明が先行発明によりそのような出版物に先行する資格がないことを認めるものと解釈されるべきではない。
本発明を、その特定の実施形態に関連して説明したが、更なる修正が可能であり、本出願は、一般に、本発明の原理に従って、本発明の任意の変型、使用、または適合を網羅するものであり、本発明が属する技術分野において知られているか、または慣行に含まれるような、また、本明細書に前述され、添付の請求項の範囲に含まれる本質的な特徴に適用され得るような、本開示からの逸脱を含むことを理解されたい。
参考文献
Figure 0006612232
Figure 0006612232
上記各参考文献は、全ての目的のために全体として参照により本明細書に組み入れられる。

Claims (9)

  1. 対象における疾患を治療するためのマルチキナーゼ阻害剤に対する対象の応答性判定のためのキットの製造における遺伝子マーカーのパネルの使用であって、
    前記遺伝子マーカーのパネルはSEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1からなる群から選択される少なくとも1種以上のマーカーを含み、
    前記パネルの前記活性プロファイルが測定され、かつ疾患および治療に対する応答性を有する対象の集団における活性プロファイルと比較され、
    前記対象における1種以上のマーカーが、前記疾患および治療への応答性を有する対象の集団における活性と同様の活性を有することが、対象がマルチキナーゼ阻害剤に対して応答性であることを示し、かつ
    前記マルチキナーゼ阻害剤が、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成を標的とし、かつRAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードを阻害する、前記使用。
  2. 前記遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルが、遺伝子発現レベル、RNA活性レベル、またはタンパク質活性レベルを含む、請求項1に記載の使用。
  3. 前記パネルが、少なくとも2種、3種、または4種の遺伝子マーカーを含む、請求項1に記載の使用。
  4. 前記活性プロファイルが遺伝子発現レベルである、請求項1に記載の使用。
  5. 前記マルチキナーゼ阻害剤が、ソラフェニブ、スニチニブ、アキシチニブ、バンデタニブ、パゾパニブ、カボザンチニブ、またはそれらの混合物である、請求項1に記載の使用。
  6. 前記対象が、肝細胞がんを有するヒトである、請求項1に記載の使用。
  7. 必要な対象を治療するための医薬の製造におけるマルチキナーゼ阻害剤の使用であって、
    SEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1からなる群から選択される少なくとも1種以上のマーカーを含む遺伝子マーカーのパネルの活性プロファイルについて対象を試験する段階、
    前記パネルの前記活性プロファイルを、疾患および治療に対する応答性を有する患者の集団の活性プロファイルと比較する段階 を含み、
    前記対象における1種以上のマーカーが、前記疾患および治療への応答性を有する対象の集団における活性と同様の活性を有する場合に、前記対象に前記マルチキナーゼ阻害剤が投与され、かつ
    前記マルチキナーゼ阻害剤が、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が介在する血管形成を標的とし、かつRAF/細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)キナーゼ(MEK)/ERKカスケードを阻害する、前記使用。
  8. 遺伝子マーカーSEC14L2、H6PD、TMEM140、SLC2A5、ACTA1、IRF8、STAT2、及びUGT2A1の検出のためのプローブからなる、対象における疾患を治療するためのマルチキナーゼ阻害剤に対する対象の応答性判定のためのアレイ。
  9. 前記対象における1種以上のマーカーが、疾患および治療への応答性を有する対象の集団における活性と同様ではない活性を有する場合に、前記対象が前記マルチキナーゼ阻害剤治療に応答性でないと判定される、請求項1に記載の使用。
JP2016537848A 2013-08-28 2014-08-28 対象のマルチキナーゼ阻害剤に対する応答性を予測する遺伝子発現シグネチャ、及びその使用 Active JP6612232B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
CNPCT/CN2013/082487 2013-08-28
CN2013082487 2013-08-28
PCT/US2014/053142 WO2015031604A1 (en) 2013-08-28 2014-08-28 Gene expression signatures predictive of subject response to a multi-kinase inhibitor and methods of using the same

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2016528914A JP2016528914A (ja) 2016-09-23
JP2016528914A5 JP2016528914A5 (ja) 2017-09-28
JP6612232B2 true JP6612232B2 (ja) 2019-11-27

Family

ID=52587328

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016537848A Active JP6612232B2 (ja) 2013-08-28 2014-08-28 対象のマルチキナーゼ阻害剤に対する応答性を予測する遺伝子発現シグネチャ、及びその使用

Country Status (9)

Country Link
US (1) US11136625B2 (ja)
EP (1) EP3039424B1 (ja)
JP (1) JP6612232B2 (ja)
CN (1) CN105659085B (ja)
CY (1) CY1123415T1 (ja)
DK (1) DK3039424T3 (ja)
ES (1) ES2813877T3 (ja)
PT (1) PT3039424T (ja)
WO (1) WO2015031604A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
ES2813877T3 (es) 2013-08-28 2021-03-25 Crown Bioscience Inc Taicang Distintivos de expresión génica predictivos de la respuesta de un sujeto a un inhibidor multicinasa y métodos de uso de los mismos
WO2017110764A1 (ja) * 2015-12-24 2017-06-29 公益財団法人がん研究会 マルチキナーゼ阻害剤の有効性と安全性を予測する検査方法、検査キット、及びバイオマーカー
RU2747746C2 (ru) * 2018-10-24 2021-05-13 Общество с ограниченной ответственностью «Онкобокс» Тест-классификатор клинического ответа на лечение сорафенибом индивидуальных пациентов с раком почки
EP3906031A4 (en) * 2019-01-02 2022-10-05 Zhejiang Crownmab Biotech Co. Ltd. CANCER TREATMENT USING A MULTI-TARGETED KINAS INHIBITOR IN COMBINATION WITH PROTEIN KINASES BIOMARKERS
CN111521810A (zh) * 2019-02-02 2020-08-11 中国科学院上海药物研究所 癌症患者根据脾酪氨酸激酶进行分层
CN111693707A (zh) * 2020-07-16 2020-09-22 首都医科大学附属北京朝阳医院 Rock激酶活性在辅助诊断血管炎患者中的应用

Family Cites Families (84)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5525464A (en) 1987-04-01 1996-06-11 Hyseq, Inc. Method of sequencing by hybridization of oligonucleotide probes
US5202231A (en) 1987-04-01 1993-04-13 Drmanac Radoje T Method of sequencing of genomes by hybridization of oligonucleotide probes
US5700637A (en) 1988-05-03 1997-12-23 Isis Innovation Limited Apparatus and method for analyzing polynucleotide sequences and method of generating oligonucleotide arrays
US6054270A (en) 1988-05-03 2000-04-25 Oxford Gene Technology Limited Analying polynucleotide sequences
US5871928A (en) 1989-06-07 1999-02-16 Fodor; Stephen P. A. Methods for nucleic acid analysis
US5143854A (en) 1989-06-07 1992-09-01 Affymax Technologies N.V. Large scale photolithographic solid phase synthesis of polypeptides and receptor binding screening thereof
US5800992A (en) 1989-06-07 1998-09-01 Fodor; Stephen P.A. Method of detecting nucleic acids
US5744101A (en) 1989-06-07 1998-04-28 Affymax Technologies N.V. Photolabile nucleoside protecting groups
DE69233331T3 (de) 1991-11-22 2007-08-30 Affymetrix, Inc., Santa Clara Kombinatorische Strategien zur Polymersynthese
US5807522A (en) 1994-06-17 1998-09-15 The Board Of Trustees Of The Leland Stanford Junior University Methods for fabricating microarrays of biological samples
US5795716A (en) 1994-10-21 1998-08-18 Chee; Mark S. Computer-aided visualization and analysis system for sequence evaluation
GB9718972D0 (en) 1996-09-25 1997-11-12 Zeneca Ltd Chemical compounds
WO2000042012A1 (en) 1999-01-13 2000-07-20 Bayer Corporation φ-CARBOXYARYL SUBSTITUTED DIPHENYL UREAS AS RAF KINASE INHIBITORS
ATE556713T1 (de) 1999-01-13 2012-05-15 Bayer Healthcare Llc Omega-carboxyarylsubstituierte-diphenyl- harnstoffe als p38-kinasehemmer
US20020065296A1 (en) 1999-01-13 2002-05-30 Bayer Corporation Heteroaryl ureas containing nitrogen hetero-atoms as p38 kinase inhibitors
ME00275B (me) 1999-01-13 2011-02-10 Bayer Corp ω-KARBOKSIARIL SUPSTITUISANI DIFENIL KARBAMIDI KAO INHIBITORI RAF KINAZE
US7928239B2 (en) 1999-01-13 2011-04-19 Bayer Healthcare Llc Inhibition of RAF kinase using quinolyl, isoquinolyl or pyridyl ureas
US7141581B2 (en) 1999-07-02 2006-11-28 Agouron Pharmaceuticals, Inc. Indazole compounds and pharmaceutical compositions for inhibiting protein kinases, and methods for their use
TWI262914B (en) 1999-07-02 2006-10-01 Agouron Pharma Compounds and pharmaceutical compositions for inhibiting protein kinases
UA72946C2 (uk) 1999-11-05 2005-05-16 Астразенека Аб Похідні хіназоліну як інгібітори васкулярного ендотеліального фактора росту (vegf)
DE60029138T2 (de) 1999-12-22 2007-06-06 Sugen, Inc., San Francisco Verwendung von Indolinonverbindungen zur Herstellung von Pharmazeutika für die Modulation der Funktion c-kit Proteintyrosinkinase
SI1255752T1 (sl) 2000-02-15 2007-12-31 Pharmacia & Upjohn Co Llc S pirolom substituirani zaviralci 2-indolinon protein kinaza
PL214667B1 (pl) 2000-12-21 2013-08-30 Glaxo Group Ltd Pochodne pirydynoaminy, srodek farmaceutyczny i zastosowanie pochodnych pirymidynoaminy do wytwarzania leku
US7235576B1 (en) 2001-01-12 2007-06-26 Bayer Pharmaceuticals Corporation Omega-carboxyaryl substituted diphenyl ureas as raf kinase inhibitors
MEP36208A (en) 2001-12-03 2011-02-10 Bayer Corp Aryl urea compounds in combination with other cytostatic or cytotoxic agents for treating human cancers
SE0104164L (sv) 2001-12-11 2003-06-12 Ericsson Telefon Ab L M Högspännings-mos-transistor
NO317200B1 (no) 2002-08-09 2004-09-13 Best Practice Deployment As System for trafikkopplaering i et kjoretoy
EP1539813A2 (en) 2002-09-27 2005-06-15 ORIDIS BIOMED Forschungs- und Entwicklungs GmbH Polypeptides and nucleic acids encoding these and their use for the prevention, diagnosis or treatment of liver disorders and epithelial cancer
EP2481814A3 (en) * 2003-06-09 2012-10-10 The Regents of the University of Michigan Compositions and methods for treating and diagnosing cancer
EP2213661B1 (en) 2003-09-26 2011-07-20 Exelixis Inc. c-Met Modulators and Methods of Use
GB0411378D0 (en) 2004-05-21 2004-06-23 Astrazeneca Ab Pharmaceutical compositions
JP2008546387A (ja) 2005-06-13 2008-12-25 ザ リージェンツ オブ ザ ユニバーシティ オブ ミシガン 癌を処置および診断するための組成物および方法
BRPI0617488A2 (pt) * 2005-10-21 2011-07-26 Bayer Healthcare Llc mÉtodo para a monitoraÇço do estado de uma doenÇa associada a uma via de vegf-165 ativada por ultra-expressço ou por mutaÇço de proteÍna vegf-165 em um paciente, mÉtodo de seleÇço de terapia para um paciente humano com uma doenÇa e mÉtodo de dignàstico para detectar uma doenÇa associada a uma via de vegf-165 ativada por ultra-expressço ou por mutaÇço de proteÍna vegf-165 em um paciente
US20090215835A1 (en) 2005-10-31 2009-08-27 Scott Wilhelm Treatment of cancer with sorafenib
US8329408B2 (en) 2005-10-31 2012-12-11 Bayer Healthcare Llc Methods for prognosis and monitoring cancer therapy
EP2049084A2 (en) 2006-07-10 2009-04-22 Elan Pharma International Limited Nanoparticulate sorafenib formulations
BRPI0716944A2 (pt) 2006-09-19 2013-09-17 Novartis Ag biomarcadores de modulaÇço alvo, eficÁcia, diagnàstico, e/ou prognàstico para inibidores de raf
KR101721161B1 (ko) 2007-07-25 2017-03-29 에자이 알앤드디 매니지먼트 가부시키가이샤 암 치료에서 이용하기 위한 멀티키나아제 억제제
US20090062347A1 (en) 2007-08-29 2009-03-05 Protia, Llc Deuterium-enriched axitinib
US20090062368A1 (en) 2007-08-29 2009-03-05 Protia, Llc Deuterium-enriched sunitinib
NZ583790A (en) 2007-09-10 2012-04-27 Cipla Ltd Process for the preparation the raf kinase inhibitor sorafenib and intermediates for use in the process
AR068564A1 (es) * 2007-09-26 2009-11-18 Chugai Pharmaceutical Co Ltd Anticuerpo anti- receptor de il-6 (interleuquina 6)
WO2009054004A2 (en) 2007-10-22 2009-04-30 Natco Pharma Limited Process for the preparation of sorafenib
US20100256392A1 (en) 2007-11-21 2010-10-07 Teva Pharmaceutical Industries Ltd. Polymorphs of sunitinib base and processes for preparation thereof
WO2009067686A2 (en) 2007-11-21 2009-05-28 Teva Pharmaceutical Industries Ltd. Sunitinib hemi-l-malate, polymorphs and preparation thereof, polymorphs of racemic sunitinib malate, compositins containing sunitinib base and malic acid and preparation thereof
EP2252607A2 (en) 2008-02-21 2010-11-24 Generics [UK] Limited Novel polymorphs and processes for their preparation
WO2009106825A1 (en) 2008-02-27 2009-09-03 Cipla Limited Polymorphs of sorafenib and salts thereof
EP2098521A1 (en) 2008-03-06 2009-09-09 Ratiopharm GmbH Crystal forms of N-[2-(diethylamino) ethyl]-5-[fluoro-1,2-dihydro-2-oxo-3H-indol-3-ylidene)methyl]-2,4-dimethyl-1H-pyrolle-3-carboxamide and methods for their prepparation
US20090253913A1 (en) 2008-03-06 2009-10-08 Pierluigi Rossetto Process for the preparation of sorafenib and salts thereof
US20090247767A1 (en) 2008-03-31 2009-10-01 Teva Pharmaceutical Industries Ltd. Processes for preparing sunitinib and salts thereof
EP2313396A1 (en) 2008-06-23 2011-04-27 Natco Pharma Limited Process for the preparation of high purity sunitinib and its pharmaceutically acceptable salt
CA2731605A1 (en) 2008-07-24 2010-01-28 Teva Pharmaceutical Industries Ltd. Sunitinib and salts thereof and their polymorphs
WO2010036796A1 (en) 2008-09-26 2010-04-01 Concert Pharmaceuticals, Inc. Pyridineamine derivatives
KR20100051769A (ko) 2008-09-30 2010-05-18 테바 파마슈티컬 인더스트리즈 리미티드 수니티닙 베이스 및 l-말산의 비정질 조성물
JP5439494B2 (ja) 2008-10-21 2014-03-12 バイエル ヘルスケア エルエルシー 肝細胞癌と関連するシグネチャ遺伝子の同定
EP2181991A1 (en) 2008-10-28 2010-05-05 LEK Pharmaceuticals D.D. Novel salts of sunitinib
WO2013022995A2 (en) * 2011-08-08 2013-02-14 Caris Life Sciences Luxembourg Holdings, S.A.R.L. Biomarker compositions and methods
EP2186809A1 (en) 2008-11-13 2010-05-19 LEK Pharmaceuticals D.D. New crystal form of sunitinib malate
EP2366162A1 (en) * 2008-11-18 2011-09-21 Collabrx, Inc. Individualized cancer treatment
US20100297676A1 (en) 2009-05-20 2010-11-25 Nodality, Inc. Methods for diagnosis, prognosis and methods of treatment
WO2011004200A1 (en) 2009-07-10 2011-01-13 Generics [Uk] Limited Novel pyrrole derivatives
CA2768237A1 (en) 2009-07-16 2011-01-20 Glaxo Wellcome Manufacturing Pte Ltd Treatment method
US20120232102A1 (en) 2009-09-30 2012-09-13 Chun-Fang Xu Methods Of Administration And Treatment
JP2013505968A (ja) 2009-10-01 2013-02-21 シーエスエル、リミテッド フィラデルフィア染色体陽性白血病の治療方法
WO2011047019A1 (en) 2009-10-13 2011-04-21 Yale University An objective, quantitative method to predict histological subtype in non-small cell lung cancer
JP2013508396A (ja) 2009-10-23 2013-03-07 グラクソ ウェルカム マニュファクチュアリング ピーティーイー リミテッド 組成物および方法
TW201201808A (en) 2010-01-06 2012-01-16 Glaxo Wellcome Mfg Pte Ltd Treatment method
WO2011100325A2 (en) 2010-02-09 2011-08-18 Sicor Inc. Polymorphs of sunitinib salts
WO2011104555A2 (en) 2010-02-25 2011-09-01 Generics [Uk] Limited Novel process
WO2011128699A2 (en) 2010-04-16 2011-10-20 Generics [Uk] Limited Novel process
AR081364A1 (es) 2010-05-05 2012-08-29 Glaxo Wellcome Mfg Pte Ltd Composiciones farmaceuticas de pazopanib y metodos para su elaboracion
WO2011146458A1 (en) 2010-05-18 2011-11-24 Glaxo Wellcome Manufacturing Pte Ltd Method of administration and treatment
ES2643851T3 (es) 2010-11-01 2017-11-24 Scinopharm (Kunshan) Biochemical Technology Co., Ltd. Procedimientos para la preparación de 3-((pirrol-2-il)metilen)-2-pirrolonas usando 2-sililoxi-pirroles
CA2819118A1 (en) 2010-11-29 2012-06-07 Hetero Research Foundation A process for the preparation of pazopanib using novel intermediate
EP2654797B1 (en) 2010-12-23 2017-11-08 Nektar Therapeutics Polymer-des-ethyl sunitinib conjugates
WO2012103060A1 (en) 2011-01-27 2012-08-02 Glaxo Wellcome Manufacturing Pte Ltd Method of administration and treatment
US20120214830A1 (en) * 2011-02-22 2012-08-23 OSI Pharmaceuticals, LLC Biological markers predictive of anti-cancer response to insulin-like growth factor-1 receptor kinase inhibitors in hepatocellular carcinoma
CN102283836B (zh) 2011-06-27 2013-01-09 苏州大学附属第一医院 索拉非尼在制备治疗动脉瘤性自发性蛛网膜下腔出血后发生的早期脑损伤的药物中的应用
WO2013000909A1 (en) 2011-06-28 2013-01-03 Bayer Intellectual Property Gmbh Topical ophthalmological pharmaceutical composition containing sorafenib
WO2013043529A1 (en) 2011-09-19 2013-03-28 Emory University Bone morphogenetic protein pathway activation, compositions for ossification, and methods related thereto
BR112014007163A2 (pt) 2011-09-30 2017-04-04 Pfizer composições farmacêuticas de n-metil-2 [3 ((e)-2 piridin-2 il-vinil)-1h-indazol-6 ilsulfanil]-benzamida
US20140322166A1 (en) * 2011-12-12 2014-10-30 Stc. Unm Gene expression signatures for detection of underlying philadelphia chromosome-like (ph-like) events and therapeutic targeting in leukemia
WO2013138522A2 (en) * 2012-03-16 2013-09-19 Genelux Corporation Methods for assessing effectiveness and monitoring oncolytic virus treatment
ES2813877T3 (es) 2013-08-28 2021-03-25 Crown Bioscience Inc Taicang Distintivos de expresión génica predictivos de la respuesta de un sujeto a un inhibidor multicinasa y métodos de uso de los mismos

Also Published As

Publication number Publication date
CN105659085B (zh) 2018-12-07
PT3039424T (pt) 2020-09-03
EP3039424A1 (en) 2016-07-06
CN105659085A (zh) 2016-06-08
US11136625B2 (en) 2021-10-05
EP3039424A4 (en) 2017-03-29
CY1123415T1 (el) 2021-12-31
WO2015031604A1 (en) 2015-03-05
EP3039424B1 (en) 2020-07-29
DK3039424T3 (da) 2020-08-31
US20160208328A1 (en) 2016-07-21
JP2016528914A (ja) 2016-09-23
ES2813877T3 (es) 2021-03-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6612232B2 (ja) 対象のマルチキナーゼ阻害剤に対する応答性を予測する遺伝子発現シグネチャ、及びその使用
WO2020150656A1 (en) Methods for assessing and treating cancer
US20190127805A1 (en) Gene signatures for cancer detection and treatment
Loftus et al. Hypoxia‐induced HIF 1α targets in melanocytes reveal a molecular profile associated with poor melanoma prognosis
Schulze et al. RELN signaling modulates glioblastoma growth and substrate‐dependent migration
JP2008512984A5 (ja)
Dubey et al. Update in lung cancer 2008
JP2017521058A (ja) 癌処置のための個別化三剤治療を選択するための方法
WO2014028222A1 (en) Biomarkers for identifying esophageal cancer patients for treatment with an anti-egfr drug
JP6445984B2 (ja) Wnt阻害剤に関連するマーカー
KR101888744B1 (ko) Alk 저해제에 내성을 획득한 eml4-alk 양성 비소세포폐암의 치료를 위한 약물 선택의 정보 제공 방법
Kim et al. Phase II clinical trial of eribulin–gemcitabine combination therapy in previously treated patients with advanced liposarcoma or leiomyosarcoma
WO2010015538A2 (en) Predictive marker for egfr inhibitor treatment
WO2016042114A1 (en) Cxcl14 as a biomarker of hedgehog pathway activity for the diagnosis, prognosis and treatment of idiopathic pulmonary fibrosis
KR101999476B1 (ko) Alk 저해제에 내성을 획득한 eml4-alk 양성 비소세포폐암의 치료를 위한 약물 선택의 정보 제공 방법
JP2017511341A (ja) Nras変異癌の処置における使用のためのegfr阻害剤とmek阻害剤の組合せ
WO2022022541A1 (zh) Rbm10基因的用途
US20160258027A1 (en) Ddx43 as a biomarker of resistance to mek1/2 inhibitors
Bahlawane et al. Insights into ligand stimulation effects on gastro-intestinal stromal tumors signalling
TW201909916A (zh) C-met抑制劑用於治療帶有met突變的癌症之用途
US20230377684A1 (en) Novel prediction method and gene signatures for the treatment of cancer
US20150218647A1 (en) Biomarkers for identifying esophageal cancer patients for treatment with an anti-egfr drug
US20200370102A1 (en) Biomarker indicating response to poziotinib therapy for cancer
TWI619945B (zh) 用於預測一帶有一癌症的人類個體的存活時間的方法
JP2023542273A (ja) Amlを処置するための治療、ならびにraraアゴニスト、低メチル化剤、およびbcl-2阻害剤の使用

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170815

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170815

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180523

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180625

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20180921

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190408

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190703

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20191007

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20191030

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6612232

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250