(A)主たる実施形態
以下では、本発明に係る画像形成装置の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
この実施形態では、例えば電子写真方式を採用したカラープリンタに、本発明に係る画像形成装置を適用する場合を例示する。
以下において、かぶりとは、印刷時にトナー画像が無いように制御されているにも関わらず、現像ローラから感光ドラム上に現像されているトナー(以下、かぶりトナーとも呼ぶ。)によって、画像が形成される予定のない領域に、トナーが付着する現象をいう。
(A−1)実施形態の構成
図1は、実施形態に係るプリンタの内部構成を示す内部構成図である。この実施形態に係るプリンタ1は、転写方式として中間転写方式を採用し、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ホワイト(W)の5色の現像剤(以下、トナーとも呼ぶ。)を用いたカラープリンタの場合を例示する。また、プリンタ1は、両面印刷可能なものを例示する。
図1において、第1の実施形態に係るプリンタ1は、記録媒体3を収容する用紙カセット2、現像部としてのイメージドラムユニット4(4K、4Y、4M、4C、4W)、1次転写ローラ5(5K、5Y、5M、5C、5W)、露光部としてのLED(Light Emitting Diode)ヘッド6(6K、6Y、6M、6C、6W)、中間転写ベルト11、駆動ローラ12、ベルト従動ローラ13、2次転写バックアップローラ14、クリーニングブレード15、クリーナー容器16、濃度センサ17、レジストローラ18及び搬送ローラ19、2次転写ローラ21、定着装置50、ホッピングローラ31、搬送路32、搬送セパレータ33、再搬送路34、再搬送ローラ35−1、35−2、35−3、排出ローラ36、書き出しセンサ37、排出センサ38を有する。
用紙カセット2は、印刷前の媒体である記録媒体3を収納するものである。
イメージドラムユニット(以下、IDユニットとも呼ぶ。)4K、4Y、4M、4C、4Wはそれぞれ、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ホワイト(W)の現像剤としてのトナーを用いて、感光ドラムの表面に形成された静電潜像を現像するものである。IDユニット4K、4Y、4M、4C、4Wは、プリンタ1に対して着脱可能となっている。
LEDユニット6K、6Y、6M、6C、6Wはそれぞれ、取得した印刷データに基づいて、IDユニット4K、4Y、4M、4C、4Wの感光ドラムの表面に光を照射して静電潜像を形成する露光部である。なお、この実施形態では、露光部がLEDヘッドを用いたLEDユニット6K、6Y、6M、6C、6Wである場合を例示する。しかし、露光部は、LEDユニット6K、6Y、6M、6C、6Wに限定されるものではなく、レーザ光を発光して露光するレーザ方式を適用するようにしても良い。
中間転写ベルト11は、駆動ローラ12、ベルト従動ローラ13、2次転写バックアップローラ14に掛け渡され、駆動ローラ12によって回転される。中間転写ベルト11の上面部は、1次転写ローラ5K、5Y、5M、5C、5Wと前記IDユニット4K、4Y、4M、4C、4Wとの間を移動可能に配置されている。このようにして、IDユニット4K、4Y、4M、4C、4Wによって形成されたトナー像は、中間転写ベルト11に一旦転写される。なお、中間転写ベルト11は、継目なしのエンドレス状に形成されており、高抵抗の半導電性プラスチックフィルムを適用することができる。
クリーニングブレード15は、ベルト従動ローラ13に対向する位置に、当該クリーニングブレード15の先端部が中間転写ベルト11に当接して配置されている。前記クリーニングブレード15によって掻き落とされたトナーなどの付着物はクリーナー容器16に収容される。
2次転写ローラ21は、前記2次転写バックアップローラ14に対向して設けられる。このようにして、中間転写ベルト11に一旦転写されたトナー像は、2次転写ローラ21と2次転写バックアップローラ14により、記録媒体3に転写される。
濃度センサ17は、中間転写ベルト11の表面上のトナー量を検知するため、中間転写ベルト11に対向するように配置されている。濃度センサ17は、中間転写ベルト11の表面上のトナー量を測定することができるものであれば種々の濃度センサを広く適用することができる。例えば、濃度センサ17は、光学素子(例えば、送光素子と受光素子)を有するものであり、送光素子が中間転写ベルト11に向けて光を発光して、受光素子が中間転写ベルト11の表面に反射した光を受光することで中間転写ベルト11の表面上のトナー量を測定することができる。
記録媒体3は、ホッピングローラ31により1枚ずつ取り出され、搬送路32に送られる。記録媒体3は、レジストローラ18、搬送ローラ19により所定のタイミングで中間転写ベルト11と2次転写ローラ21のニップ部に搬送される。
定着装置50では、ヒートローラ51と加圧ローラ52によって記録媒体3に付着したトナーを加熱、融解、加圧し、記録媒体3上にトナー像を定着させる。定着後の記録媒体3は、駆動手段で駆動する搬送セパレータ33の選択動作によって、再搬送路34に搬送されるか、装置外に排出される。
再搬送路34は、再搬送ローラ35−1、35−2、35−3によって搬送され、前記搬送路32に合流する。装置外への排出は排出ローラ36により排出される。なお、書き出しセンサ37、排出センサ38は、記録媒体3の通過を認識するためのメカセンサで、記録媒体3が通過するたびに動作するものである。
図2は、実施形態に係るIDユニットの構成を示す構成図である。IDユニット4K、4Y、4M、4C、4Wはそれぞれ、使用するトナーの色は異なるが、基本的な構成は共通であるため、図2ではIDユニット4と表記して説明する。なお、ここでは、特にIDユニット4Wを意識して説明する。
IDユニット4は、表面に静電潜像を形成する像担持部としての感光ドラム41と、感光ドラム41を一様に帯電する帯電部としての帯電ローラ42を有する。
帯電された感光ドラム41の表面に露光部としてのLEDヘッド6が光を照射して静電潜像を形成する。
IDユニット4は、感光ドラム41に形成された静電潜像を現像し、トナー像を形成する現像部としての現像ローラ43と、現像ローラ43にトナーを供給するとともに摩擦帯電させる供給部としての供給ローラ44と、現像ローラ43の表面上のトナーの層厚を規制する現像剤規制部材としての現像剤規制ブレード46とを有する。更に、IDユニット4は、供給ローラ44へ供給するトナーを貯蔵するトナーカートリッジ45、トナー色やシリアル番号等を識別情報が書き込まれたRFID47を内蔵する。
トナーカートリッジ45は、IDユニット4の一部であり、現像ローラ43に着脱可能に取り付けられる。また、RFID(RADIO FREQENCY IDENTIFIER)47は、IDユニット4に内蔵されているIC(INTEGRATED CIRCUIT)タグである。感光ドラム41に形成された有色トナー像は、1次転写ローラ5に印加されている転写電圧により中間転写ベルト11に転写される。
また、IDユニット4は、現像ローラ43に付着したトナーの層厚や電荷量を調整する現像剤規制ブレード46と、感光ドラム41の表面に残留したトナーを除去するクリーニングブレード48とを有する。
図3は、実施形態に係るプリンタ1の制御系の構成を示す構成図である。なお、図3は、プリンタ1が、例えばパーソナルコンピュータ(PC)100に接続している状態を示している。
図3において、実施形態に係るプリンタ1は、大別して、コントローラ制御部200、プロセス制御部300を有する。
PC100は、PC表示部110やPC入力部120を有し、印刷データを作成する。作成された印刷データは、ホストIF250を介してプリンタ1に送信される。また、PC100は、ホストIF250を介してプリンタ1から出力されたコマンド指示を受信する。
PC表示部110は、PC100に搭載されるアプリケーションにより作成された印刷画像を表示し、プリンタ1から出された指示を表示する表示部であり、例えば液晶ディスプレイ等を適用できる。
PC入力部120は、アプリケーション等を介して印刷データの画像を作成し、プリンタ1より出された指示に対する応答を入力する入力部であり、例えば、キーボード、マウス等を適用できる。
コントローラ制御部200は、CPU210、ROM220、RAM230、タイマ240、ホストIF(インタフェース)250、外部IF(インタフェース)260を備え、これらの構成要素は内部バス270にて接続されている。
CPU210は、ROM220に記憶されている印刷処理プログラムに従って、RAM230、タイマ240、ホストIF250、外部IF260を制御するための命令を授受する。また、CPU210は、外部IF260を介してプロセス制御部300を制御するための命令を授受する。
ROM220は、印刷処理プログラムを記憶するために領域であり、プリンタ1の電源が切れてもデータを保持可能な不揮発メモリである。ROM220の記憶領域には、IDユニット配置テーブル221、設定テーブル222が格納されている。
IDユニット配置テーブル221は、プロセス制御部300が各構成要素を制御する際に用いるIDユニット4の配置を定義したものである。
図4は、実施形態に係るIDユニット配置テーブル211の構成を示す構成図である。
図4において、S1〜S5は、中間転写ベルト11の回転方向に対して上流側から下流側に配置されるIDユニットの配置位置を示す番号である。つまり、S1は、中間転写ベルト11の回転方向の最上流に配置されるIDユニットの位置を示す番号であり、S5は、中間転写ベルト11の回転方向の最下流に配置されるIDユニットの位置を示す番号である。
図1に示すように、中間転写ベルト11の回転方向に対して、IDユニット4K、4Y、4M、4C、4Wが配置されている。そのため、この実施形態では、図4に示すように、上流から下流までのIDユニットの位置をS1〜S5とすると、IDユニット配置テーブル221は、「S1:K(ブラック)」、「S2:Y(イエロー)」、「S3:M(マゼンダ)」、「S4:C(シアン)」、「S5:W(ホワイト)」と定義している。
なお、図4に例示するIDユニット配置テーブル211は、5個のIDユニットを想定して作成したものであり、プリンタ1に搭載されるIDユニットの数に応じて任意に設定することができる。また、この実施形態では、IDユニット配置テーブル211は、上流側から下流側の順序でIDユニットの配置を定義づけたが、下流側から上流側の順序で定義づけしたものであっても良い。
設定テーブル222は、プロセス制御部300が各構成要素を制御する際に用いるパラメータを定義したものである。より具体的には、設定テーブル222は、ブレード電圧(BB)、供給電圧(SB)、現像電圧(DB)、帯電電圧(CH)の設定値(設定パラメータ)を、それぞれのIDユニット4毎に定義したものを含む。また、設定テーブル222は、上記のようなIDユニット4のブレード電圧(BB)、供給電圧(SB)、現像電圧(DB)、帯電電圧(CH)に関する設定テーブルのみに限定されるものではなく、プロセス制御部300の制御に必要な複数の設定テーブルを含むものである。
図5は、実施形態に係る設定テーブル222の一例の構成を示す構成図である。図5は、各IDユニットの、ブレード電圧(BB)、供給電圧(SB)、現像電圧(DB)、帯電電圧(CH)に関する設定テーブルの一例である。図5、縦方向のセルは、図4に例示するIDユニットの配置番号(S1〜S5)として、横方向のセルは、ブレード電圧(BB)、供給電圧(SB)、現像電圧(DB)、帯電電圧(CH)の設定値を示している。
例えば、図5において、白色トナーを用いるIDユニット4W(S5)については、「BB:−550V」、「SB:−430V」、「DB:−230V」、「CH:−965V」の設定値が定義されている。
RAM230は、PC100から入力された印刷データを記憶し、プリンタ1の電源が切られるとデータが消去される揮発メモリである。また、RAM230は、タイマ240にて計測され、各種制御のタイミングを取るための時間を保持する。
タイマ240は時刻を計時し、その計時した時間をCPU210に出力する。
ホストIF250は、PC100とCPU210との間の各種制御信号や印刷データ等を送受信する。
外部IF260は、プロセス制御部300、書き出しセンサ37、排出センサ38、濃度センサ17等との間で信号の授受を行うインタフェースである。外部IF260は、濃度センサ17により検出された出力信号(濃度測定結果)を取得してCPU210に与えたり、書き出しセンサ37や排出センサ38からのセンサ信号を取得してCPU210に与えたりする。
プロセス制御部300は、電圧印加部としての高圧制御部310、露光制御部320およびモータ制御部330を有し、用紙の搬送や帯電・現像・転写・定着等の印刷プロセスを適正に制御するためのものである。プロセス制御部300は、必要に応じて、コントローラ制御部200のROM220に格納されている設定テーブル222を参照して、各構成要素に出力する電圧値を制御する。
高圧制御部310は、記録媒体3にトナー画像像を転載するために、各種ローラ(例えば、現像剤規制ブレード46、供給ローラ44、現像ローラ43、帯電ローラ42など)に印加する電圧を適正に制御するためのものである。
現像剤規制ブレード電圧印加手段としてのブレード電圧制御部311は、各IDユニット4K、4Y、4M、4C、4Wの現像剤規制ブレード46(46K、46Y、46M、46C、46W)にブレード電圧を印加するためのものである。なお、現像剤規制ブレード46に印加される電圧を以下「BB」と呼ぶ。
供給電圧印加手段としての供給電圧制御部312は、各IDユニット4K、4Y、4M、4C、4Wの供給ローラ44(44K、44Y、44M、44C、44W)に供給電圧を印加するためのものである。供給ローラ44に印加される電圧を以下「SB」と呼ぶ。
現像電圧制御部313は、各IDユニット4K、4Y、4M、4C、4Wの現像ローラ43(43K、43Y、43M、43C、43W)に現像電圧を印加するためのものである。現像ローラ43に印加される電圧を以下「DB」と呼ぶ。なお、この実施形態では、DBの電圧値が「−230V」で一定である場合を例示する。
帯電電圧制御部314は、各IDユニット4K、4Y、4M、4C、4Wの帯電ローラ42(42K、42Y、42M、42C、42W)に帯電電圧を印加するためのものである。帯電ローラ42に印加される電圧を以下「CH」と呼ぶ。
転写制御部315は、各IDユニット4K、4Y、4M、4C、4Wの1次転写ローラ5K、5Y、5M、5C、5Wに、1次転写電圧を印加すると共に、中間転写ベルト11により搬送するカラーのトナー像を記録媒体3に転写するため、2次転写ローラ21に2次転写電圧を印加する。1次転写ローラ5K、5Y、5M、5C、5Wに印加される電圧を以下「TR1」とし、2次転写ローラ21に印加される電圧を以下「TR2」と呼ぶ。
露光制御部320は、各IDユニット4K、4Y、4M、4C、4WのLEDヘッド6K、6Y、6M、6C、6Wの露光制御をするためのものである。
モータ制御部330は、プリンタ1内の各モータを制御し、回転駆動させるためのものである。具体的には、モータ制御部330は、各IDユニット4K、4Y、4M、4C、4Wの感光ドラム41、図1に図示されるホッピングローラ31、レジストローラ18、搬送ローラ19、搬送セパレータ33、排出ローラ36、加圧ローラ52、中間転写ベルト11の駆動ローラ12のモータの動作を制御する。
各IDユニット4K、4Y、4M、4C、4Wの感光ドラム41は、図示せぬ感光ドラムモータにより、それぞれ矢印a1(図2参照)の方向に回転駆動される。また、各感光ドラム41とそれぞれ対応する現像ローラ43及び供給ローラ44は、その片端部に図示せぬギアが配置され、回転駆動される。
(A−2)実施形態の動作
次に、実施形態に係るプリンタ1における印刷処理の動作を、図面を参照しながら詳細に説明する。
(A−2−1)印刷動作
図6は、実施形態に係るプリンタ1における印刷処理の動作を示すフローチャートである。
まず、プリンタ1において電源ONされる(S101)。その後、印刷データが受信された後(S102)、コントローラ制御部200では、各IDユニット4のRFID47から各IDユニット4内のトナーの色情報を取得し、IDユニット配置テーブル221を読み出して(S103)、プリンタ1内の各種モータが駆動する(S104)。
ここで、コントローラ制御部200では、IDユニット配置テーブル221を参照して、取得したトナー色情報に基づいて各IDユニット4の配置が変更されたか否かを判断する(S105)。このとき、各IDユニット4の配置が変更したと判断した場合、処理はS106に移行し、各IDユニット4の配置が変更していないと判断した場合、処理はS112に移行して印刷処理を行う。
S106において、コントローラ制御部200は、各トナー色のトナーカートリッジ45とIDユニット4の組み合わせが合っているか否かを確認し、トナーカートリッジ45とIDユニット4の組み合わせが合っていないとき、コントローラ制御部200は所定のアラーム表示を行う(S116)。
また、トナーカートリッジ45とIDユニット4との組み合わせが合っている場合、処理は、S107−1に移行する。
S107−1では、濃度センサ17により中間転写ベルト11上のかぶりトナー量が測定され、その測定結果がコントローラ制御部200に与えられる(S107−1)。
次に、コントローラ制御部200は、濃度センサ17により測定されたかぶりトナー量に対応するブレード電圧(BB)の電圧値を調整し、その調整後のブレード電圧(BB)の電圧値を、図5の設定テーブル222に設定する(S107−2)。このブレード電圧(BB)の設定値は、濃度センサ17により測定されたかぶりトナー量に応じて設定することができる。このとき、ブレード電圧(BB)の電圧値だけでなく、供給電圧(SB)、現像電圧(DB)、帯電電圧(CH)の各電圧値も設定値として、図5の設定テーブル222に設定する。
この実施形態では、印刷上で、特に問題になる白色トナーを用いた最下流のIDユニット4Wのかぶり補正を行う。このかぶり補正処理の詳細な説明は後述する。なお、この実施形態では、白色トナーのIDユニット4Wのかぶり補正を行う場合を例示するが、全てのIDユニット4について順番に行うようにしても良い。
後述するように、特にIDユニット4Wが最下流に位置する場合、かぶりトナー量は、ブレード電圧(BB)と供給電圧(SB)との電位差に応じて変わる。従って、この実施形態では、供給電圧(SB)の電圧値を一定値とし、かつ、かぶりトナー量に応じてブレード電圧(BB)の電圧値の絶対値が、供給電圧(SB)の電圧値の絶対値よりも大きくなるように設定する。また、かぶりトナー量に応じて、ブレード電圧(BB)と供給電圧(SB)の電位差の絶対値が、他の色のトナーのIDユニット4よりも大きくなるように設定する。さらに、後述するように、プリンタ1の置かれている環境を考慮して、かぶりトナー量に応じて、供給電圧(SB)とブレード電圧(BB)の電位差の絶対値も調整して設定する。
次に、コントローラ制御部200は、濃度センサ17による濃度補正を実施する(S107−3)。濃度センサ17の濃度補正の処理は既存技術と同様の方法を適用することができる。例えば、各IDユニット4(特にIDユニット4W)を駆動して、各トナー色を用いて、サンプルデータに基づく印刷画像を中間転写ベルト11に転写する。濃度センサ17は中間転写ベルト11の表面上のトナー画像が占める領域の割合が許容範囲内か否かを判断して行なう方法を適用できる。
その後、濃度センサ17による濃度測定値が許容範囲内であるか否か(濃度測定値が正常に行われたか否か)を判定し(S108)、正常な場合は、濃度センサ17により測定された濃度測定値を設定値として現在の設定テーブルに足し合わせる(S109)。
一方、異常な場合は、コントローラ制御部200は、濃度補正回数をカウントしており、現在の濃度補正回数に1をインクリメントして、「濃度補正回数+1」とする(S110)。そして、コントローラ制御部200は、濃度補正回数が3回以上かを判定し(S111)、濃度補正回数が3回以上の場合は、処理はS112に移行して印刷動作に移行する。また濃度補正回数が3回未満の場合は、処理はS107−3に移行して、再度濃度補正動作に移行する。
S112では、プロセス制御部300が、各モータを駆動して、用紙カセット2から記録媒体3を搬送路32に給紙する(S112)。そして、プロセス制御部300は、設定テーブル222から、各IDユニット4のブレード電圧(BB)、給紙電圧(SB)、現像電圧(DB)、帯電電圧(CH)に設定されている電圧値を読み取る(S113)。そして、プロセス制御部300は、各IDユニット4の現像剤規制ブレード46、供給ローラ44、現像ローラ43、帯電ローラ42に電圧を印加して、各構成要素の所定動作を駆動させ、入力された印刷データに基づく画像形成処理を行う(S114)。つまり、各IDユニット4により形成されたトナー画像は中間転写ベルト11に載せられ、中間転写ベルト11の表面上のトナー画像が2次転写ローラ21において記録媒体3に転写され、定着装置50により画像が記録媒体3に定着される。そして、画像が定着された記録媒体が排出され(S115)、印刷動作が終了する。
(A−2−2)かぶり補正処理
かぶりとは、上述したように、印刷時にトナー画像が無いように制御されているにも関わらず、現像ローラ43から感光ドラム41上に現像されているトナー(以降かぶりトナーと呼ぶ)によって、画像が形成される予定のない領域(例えば白紙部)に、トナーが付着されることである。
また、トナーが感光ドラム41の表面に多く現れている場合、かぶりが悪いとしている。かぶりが悪い場合、感光ドラム41上のみならず、中間転写ベルト11上、および印刷物上でもかぶりトナー量が多くなる。
このように、感光ドラム41、中間転写ベルト11、印刷物上のかぶりトナー量は、互いに相関があるため、感光ドラム41上、中間転写ベルト11上、印刷物上のいずれかのかぶりトナー量を検知することで、他の箇所のかぶりトナー量を推測することができる。この実施形態では、LEDユニット6(6K、6Y、6M、6C、6W)による露光を行なわず、露光以外の他の印刷処理は通常印刷と変わらない制御を行なったときに、中間転写ベルト11の表面上のトナー量を濃度センサ17により測定することで、かぶりトナー量を推測する場合を例示する。
ここで、かぶりは、有色現像剤の各色においても生じ得る現象であるが、特に白色トナーのかぶりトナー量が顕著に発生する。かぶりは、後述するように、現像剤であるトナーの正規の帯電極性とは逆極性に帯電したり、又は、帯電量が少なくなり、画像形成する予定でない領域に現像剤が付着する現象である。
図7は、白色トナーを用いるIDユニット4Wが最上流に配置されている場合の白色かぶりトナーの推移を説明する説明図である。図7では、最上流の位置にIDユニット4Wが配置されている場合を示しており、黒丸が白色トナーのかぶりトナーを示している。
図7に示すように、白色トナーを用いたIDユニット4Wが最上流に配置されている場合、IDユニット4Wから発生した中間転写ベルト11の表面上のかぶりトナー量は、下流のIDユニット4Y、4M、4C、4Kを通過するたびに低減する。
これは、図7のIDユニット4Wよりも下流に位置しているIDユニット4Y、4M、4C、4Kの感光ドラム41に対向する1次転写ローラ5Y、5M、5C、5Kには正の電圧が印加されており、各IDユニット4Y、4M、4C、4Kの感光ドラム41の表面は負の電荷が帯電している。そのため、中間転写ベルト11の表面上のトナーが、下流のIDユニット4Y、4M、4C、4Kを通過する際、正に帯電もしくは帯電量の少ないかぶりトナーが、下流のIDユニット4Y、4M、4C、4Kの感光ドラム41の表面に吸着されるからである。
図8は、図7の場合の白色トナーを用いるIDユニット4Wへの印加電圧及び印字品質結果の関係を説明する図である。
ここで、「白色のかぶり(かぶりLv.)」は、濃度センサ17により測定された中間転写ベルト11の表面上のかぶりトナー量に応じたレベル値で評価している。つまり、「かぶりLv.」は、濃度センサ17の測定結果に基づく「Lv.1〜Lv.10」の10段階評価を行ない、トナー量が多いほど、レベル値が大きくなることを示している。ここでは、かぶりLv.の評価は、Lv.9以上がOKレベルとし、Lv.8以下がNGレベルとしている。
「汚れレベル(汚れLv.)」は、印刷物上の印刷部分ではない白紙部に発生したトナー汚れの程度を例えば目視で観察し、汚れの程度を複数のレベル値で評価している。「汚れレベル(汚れLv.)」は、「Lv.1〜Lv.10」の10段階評価を行い、トナー汚れの程度が少ないほどレベル値が大きくなることを示している。汚れLv.の評価は、Lv.9以上がOKレベルとし、Lv.8以下がNGレベルとしている。
なお、かぶりと汚れは、画像が形成される予定のない領域に現像剤(トナー)が付着する点で共通する。しかし、かぶりは、上述したように逆帯電トナー又は帯電量の少ないトナーによって生じるため、印字部の濃度が所定濃度よりも薄くなるのに対して、汚れは、霞城帯電トナーによって生じ得るため、印字部の濃度が所定濃度よりも濃くなる。
「OD値(白100%濃度)」は、中間転写ベルト11上に白色の100%画像を印刷したときの、濃度センサ17により測定されたOD(Optical Density)値である。「OD値(白100%濃度)」の評価は、例えば、分光濃度計「X−Rite」(X−Rite社製)を用いた計測結果に基づき、値が「0.3」以下がOKレベルであり、値が「0.3」を超えるとNGレベルとしている。
図8に示すように、図7の最上流のIDユニット4Wへのブレード電圧(W−BB)は−430[V]、供給電圧(W−SB)は−430[V]とした。このとき、「白色のかぶり」、「汚れ」、「100%濃度」を示していて、中間転写ベルト11上に乗っているかぶり量は、「かぶりLv.」は「Lv.9」とOKレベルであるが、「OD値」は「0.35」とNGレベルであり、白色の濃度が薄いことを示している。
上記のことから、図7に示すように、白色トナーを用いるIDユニット4Wを最上流に配置させた場合、白100%画像の濃度が低く、画像品質が十分でないことが分かる。そこで、IDユニット4Wを最下流に配置する案が検討されている。
図9は、白色トナーを用いるIDユニット4Wが最下流に配置されている場合の白色かぶりトナーの推移を説明する説明図である。
図9に示すように、IDユニット4Wを最下流に配置すると、IDユニット4Wの下流側には他のIDユニット4が配置されていないため、IDユニット4Wにより発生したかぶりトナーは、そのまま中間転写ベルト11に載ってしまう。
図10は、図9の場合の白色トナーを用いるIDユニット4Wへの印加電圧及び印字品質結果の関係を説明する図である。ここでは、図7及び図8と同様に、図9の最下流のIDユニット4Wへのブレード電圧(W−BB)は−430[V]、供給電圧(W−SB)は−430[V]とした。
この場合、「OD値」は、「0.25」となり、OKレベルの条件を満たしているが、「かぶりLv.」は、「Lv.5」となり、OKレベルの条件を満たしていない。これは、IDユニット4Wで発生したかぶりトナー量が、他のIDユニット4の感光ドラム4に吸着されないため、白色トナーのかぶりトナー量が多く出現しているからである。
そこで、この実施形態では、最下流にIDユニット4Wを配置した状態で、以下の観点から、白色トナーのかぶりトナー量を低減することを検討する。
図11は、高い正規帯電方向の電圧を帯びた現像剤規制ブレード46が、現像ローラ43上のかぶりトナー(逆帯電トナー)を正規帯電化させる様子を示した図である。
かぶり現象は、正規帯電しているトナーに比べて、トナーが逆極性に帯電(逆帯電)をしているか又はほとんど帯電していないときに生じ得る。
このようなかぶりトナーの発生は、上述したように白色トナーのときの顕著に発生する。その理由は、白色トナーは、抵抗の低い金属酸化物の含有量が多いためである。
そこで、この実施形態では、かぶりトナーを正規の帯電量まで帯電させるため、現像剤規制ブレード46に通常よりも高い正規帯電方向の電圧を印加し、かぶりトナーに対し電荷を注入するようにする。これにより、現像剤規制ブレード46により、かぶりトナーが正規帯電トナーに変わるので、かぶり現象が良化する。
つまり、ブレード電圧(BB)や供給電圧(SB)として大きな値の電圧を印加すると、供給ローラ44から現像ローラ43へトナーを供給する際や、現像剤規制ブレード46で現像ローラ43上のトナー量を規制する際に、同時にトナーへ電荷が注入されるため、かぶりは良化する。
しかしながら、供給電圧(SB)の電圧値を大きくして電圧を印加すると、供給ローラ44から現像ローラ43に移るトナー供給量も増大するため、白地部(非印刷部分)においてトナーが現像されてしまう汚れ現象が発生する。
例えば、図12で示されるように、ブレード電圧(W−BB)を−550[V]、供給電圧(W−SB)を−550[V]とした場合、「かぶりLv.」は「Lv.9」まで改善してOKレベルの条件を満たすが、「汚れLv.」はLv.5まで悪化し、NGレベルである。
また更に、現像ローラ43に印加している電圧である現像電圧(DB)と供給電圧(SB)との電位差を制御し、供給電圧(SB)による電荷注入を行う場合、電荷注入は当該電位差により起こる。しかし、供給ローラ44の表面は、経時変化や環境変化により抵抗値が変動してしまう。そのため、供給ローラ44を介した電荷注入では、抵抗値変動による印加電圧の変化が発生し、安定した電荷注入が期待できない。
そこで、この実施形態では、汚れ対策も考慮して、かぶりを低減するために、現像剤規制ブレード46に印加する電圧値が供給ローラ44よりも絶対値で大きい電圧値とする一方で、供給ローラ44に印加する電圧値は変えないようにする。
すなわち、供給ローラ44から現像ローラ43への電荷の注入は、汚れが出ない程度に抑える一方で、現像剤規制ブレード46からトナーへの電荷の注入を増やすことで、かぶりを低減する。また更に、現像剤規制ブレード46は、金属製のため、経時変化や環境変化による抵抗値変動は発生しないため、安定した電荷注入を期待できる。
この実施形態では、ブレード電圧(BB)を−550[V]という供給電圧(SB)よりも電圧値が大きい電圧を印加することで、現像剤規制ブレード46でもトナーに電荷が注入されるため、かぶりが低減する。
なお、現像電圧(DB)と供給電圧(SB)との電位差を制御した場合は、供給電圧(SB)とブレード電圧(BB)とのの関係を考慮していないため、供給電圧(SB)での電荷注入後、ブレード電圧(BB)での電荷注入を安定的に期待できない。
また、現像電圧(DB)とブレード電圧(BB)との電位差を制御した場合も、同様に供給電圧(SB)とブレード電圧(BB)との関係を考慮していないため、ブレード電圧(BB)での電荷注入を安定的に期待できない。
そこで、この実施形態では、供給電圧(SB)を一定値として設定し、ブレード電圧(BB)の電圧値(絶対値)が供給電圧(SB)の電圧値(絶対値)よりも大きくなるように設定する。
図13は、実施形態に係る白色トナーを用いるIDユニット4Wへの印加電圧及び印字品質結果の関係を説明する図である。図13では、一例として、ブレード電圧(W−BB)を−550[V]とし、供給電圧(W−SB)を−430[V]とする。ブレード電圧(W−BB)と供給電圧(W−SB)との電位差(絶対値)を120[V]とする。
この場合、図13に示すように、「OD値」は「0.25」となり、かつ、「かぶりLv.」は「Lv.9」となり、「OD値」及び「かぶりLv.」はいずれもOKレベルの条件を満たしている。さらに、「汚れLv.」も、「Lv.9」となり、OKレベルの条件を満たしている。つまり、白色トナーのかぶりトナー量も低減することができ、かつ、白色トナーの汚れも低減できる。
このようなかぶりの悪化は、前記のように白色トナーで顕著なため、IDユニット4Wを最下流にすることで中間転写ベルト11上のかぶりトナー量が多い場合には、最下流のIDユニット4Wに設定するブレード電圧と供給電圧との電位差(|VBB|−|VSB|)を、他の色のトナーよりも大きく設定にすることにより、かぶりを良化しつつ、汚れが出ない設定を実現できる。
換言すると、IDユニット4Wに対するかぶり補正処理では、図5に例示するように、ブレード電圧の電圧値の絶対値が供給電圧の電圧値の絶対値より大きい値として設定し、更に、ブレード電圧と供給電圧との電位差(|VBB|−|VSB|)が大きくなるように設定する。
さらに、この実施形態では、環境変化に応じて、トナーの帯電状況が変化することを考慮して、以下のように、中間転写ベルト11上のトナー量に応じて、ブレード電圧と供給電圧との電位差(|VBB|−|VSB|)の変化させるようにする。
図14は、実施形態に係る環境変化に応じた白色トナーを用いるIDユニット4Wへの印加電圧及び印字品質結果の関係を説明する図である。
ここで、常温常湿(NN)環境は、例えば、19℃≦T(温度)≦27℃、かつ、35%≦RH(湿度)≦65%の範囲にある環境をいう。この実施形態では、温度22℃、湿度55%の環境をNN環境とした。
高温高湿(HH)環境は、例えば、T>23℃、かつ、RH≧50%の範囲であり、23℃<T≦27℃、かつ、50%≦RH≦65%の範囲を除外した範囲の環境をいう。この実施形態では、温度27℃、湿度80%の環境をHH環境とした。
なお、この実施形態では、NN環境とHH環境の2つのグループに分けたが、上述のように温度および湿度による環境条件以外のグループに分けて、ブレード電圧と供給電圧との電位差(|VBB|−|VSB|)を設定しても良い。
図14に示すように、NN環境において、ブレード電圧(W−BB)を−550[V]とし、供給電圧(W−SB)を−430[V]とした場合、「かぶりLv.」は「Lv.9」であり、OKレベルの条件を達成している。
しかし、HH環境において、ブレード電圧(W−BB)を−550[V]とし、供給電圧(W−SB)を−430[V]とした場合、大気中の水分量が多くなり絶縁性が下がるので、トナーから電荷が抜けやすくなり、かぶりトナーが増える。そのため、「かぶりLv.」は「Lv.6」まで悪化する。
そこで、この実施形態では、HH環境における白色トナーのトナーかぶりを改善するため、ブレード電圧と供給電圧との電位差(|VBB|−|VSB|)を、NN環境のときよりも大きくなるように設定する。このように、ブレード電圧と供給電圧との電位差が大きくすることで、現像剤規制ブレード46でのトナーへの電荷注入の効果を大きくすることができる。
より具体的には、供給電圧(SB)の電圧値は上述したように一定値とする。また、濃度センサ17による中間転写ベルト11上の白色トナーのかぶりトナー量の測定結果からかぶりトナー量が閾値以上のときには、ブレード電圧の電圧値を変化させることで、ブレード電圧と供給電圧との電位差を大きくすることで、かぶり補正を実現できる。
ここで、中間転写ベルト11上の全くかぶりトナーがない場合、濃度センサ17により中間転写ベルト11上のトナー量に応じた電圧値は、0.22Vである。また、「かぶりLv.」のOKレベルの条件である「Lv.9」の場合、濃度センサ17により検出される電圧値は「0.26V」である。
従って、この実施形態では、濃度センサ17による検出電圧値が0.26Vをスライスレベルとして、以下のように設定するブレード電圧(BB)の電圧値を切替えるようにする。
(1)0.26V未満:|VBB|−|VSB|=120V(例えば、ブレード電圧(BB)の電圧値として−550Vを設定)
(2)0.26V以上:|VBB|−|VSB|=220V(例えば、ブレード電圧(BB)の電圧値として−650Vを設定)
これにより、HH環境では、濃度センサ17による検出電圧値0.26V以上となるため、上記(2)の設定値(すなわち、ブレード電圧(BB)の電圧値を−650Vとする設定値)が適用され、「かぶりLv.」を「Lv.9」まで改善することができる。
なお、このブレード電圧(BB)の電圧値は、この実施形態のように切り替えるものに限らず、濃度センサ17により検出された電圧値に応じて、ブレード電圧(BB)の電圧値を算出して印加するようにしても良い。
(A−3)実施形態の効果
以上のように、この実施形態によれば、現像剤規制ブレード46へのブレード電圧(BB)の電圧値と供給電圧(SB)の電圧値との電位差を、他の色よりも大きくすることにより、白色トナーのかぶりトナー量を低減することができ、色味の変化や汚れ等を低減し、かぶりの改善を実現できる。
(B)他の実施形態
上述した実施形態においても種々の変形実施形態を言及したが、本発明は以下の実施形態にも適用可能である。
(B−1)上述した実施形態では、白トナーに適用した例を説明したが、ブラック/イエロー/マゼンタ/シアントナーと組成が大きく異なる透明/金/銀/マイカ/UVトナー等の場合にも適用可能である。
(B−2)上述した実施形態では、濃度センサが中間転写ベルト上のかぶりトナー量を測定し、その測定結果に応じて、ブレード電圧及び供給電圧の電圧値を設定する場合を例示した。
しかし、上述したように、感光ドラムの表面上のかぶりトナー量の測定結果や、印刷物上のトナー量の測定結果に応じて、ブレード電圧及び供給電圧の電圧値を設定するようにしても良い。
(B−3)実施形態に係るプリンタ1は、転写方式として中間転写方式を採用するものを例示する。しかし、転写方式は中間転写方式に限定されるものではなく、直接転写方式の場合にも適用できる。すなわち、上述した実施形態では、中間転写ベルトの表面上のトナー量を濃度センサにより測定して、かぶり量を測定する場合を例示したが、直接転写方式により記録媒体(例えば用紙等)の表面上のトナー量を濃度センサにより測定してかぶり量を測定するようにしても良い。
また、かぶり補正は、必ずしも用紙等の記録媒体への印刷を要することはなく、中間転写ベルトの表面上のトナー量の測定により、その測定結果であるかぶり量に基づいて補正することができる。換言すれば、かぶり補正は、用紙等の記録媒体は必要ではなく、中間転写ベルトだけで行うことができる。
(B−4)また、プリンタ1は、両面印刷が可能なものを例示するが、片面印刷であっても良い。さらに、プリンタ1は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ホワイト(W)の5色の現像剤(以下、トナーとも呼ぶ。)を用いたカラープリンタを適用する場合を例示するが、1色のトナー(特に白色トナー)を用いたプリンタにも適用することができる。