JP6612040B2 - 電動機 - Google Patents

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Description

本発明は、積層された複数の板状部材により構成される固定子を備える電動機に関し、特に、積層された複数の板状部材を一体化する技術に関する。
固定子と、固定子に対して回転可能に配置された回転子を備え、固定子は、積層された複数の板状部材により構成されている電動機が知られている。板状部材としては、電磁鋼板が用いられている。積層された複数の板状部材は、積みずれを防止するために一体化される。
従来、積層された複数の板状部材を一体化する方法として、特許文献1および特許文献2に開示されている方法が知られている。
特許文献1に開示されている方法は、積層された複数の板状部材を溶接する方法である。特許文献1に開示されている方法は、複数の板状部材を溶接する作業が必要であるため、手間がかかる。
特許文献2に開示されている方法は、各板状部材に孔(カシメピン孔)を形成し、複数の板状部材が積層されている状態で、各板状部材に形成されている孔に軸状部材(カシメピン)を圧入する方法である。特許文献2に開示されている方法は、孔に軸状部材を圧入するだけでよいため、作業が簡単である。
特開2006−60954号公報 特開2009−112089号公報
図3に示されているように、特許文献2に開示されている電動機1200では、軸方向に直角な断面で見て、固定子1240を構成する複数の板状部材に形成される孔1250の内周面1250Aおよび孔1250に圧入される軸状部材1260の外周面1260Aの断面形状が円形に形成されている。このため、孔1250に軸状部材1260が圧入されると、孔1250の内周面1250Aの全周あるいはほぼ全周が軸状部材1260の外周面1260Aと当接する。この当接により、孔1250の内周面1250Aを広げるように作用する応力が発生する。
通常、孔1250は、固定子1240のヨークに対応する箇所に形成される。固定子1240のヨークには、固定子巻線により発生する磁束が流れる。このため、孔1250は、磁束通路が狭くならないように、できるだけ固定子1240の外周面1240Aに近い箇所に形成される。孔1250が固定子1240の外周面1240Aに近い箇所に形成されると、孔1250の内周面1250Aと軸状部材1260の外周面1260Aとの当接による応力によって、固定子1240の外周面1240Aの、孔1250に対向する箇所が、図3に破線1241で示されているように膨らむ(固定子1240の外径が増大する)。固定子1240の外周面1240Aが膨らむと、例えば、焼き嵌め方法や圧入方法等によって固定子1240を密閉容器1210の内側に締り嵌めするのが困難となる。
これを回避する方法としては、固定子1240の外周面1240Aの膨らんだ箇所を切削する方法が考えられる。しかしながら、この方法は、切削作業が必要となる。
あるいは、固定子1240の外周面1240Aの、孔1250に対向する箇所に、図3に一点鎖線で示されているように、回転中心O側(軸中心P側)に窪んでいる凹部1230を形成する方法が考えられる。例えば、底部1240c1と側部1240c2および1240c3からなる切欠部1240cを形成する。この方法を用いると、軸状部材1260を孔1250に圧入した後の付加的な作業が不要である。しかしながら、孔1250を、固定子1240の外周面1240Aに沿った仮想外周線から回転中心O側(軸中心P側)に間隔N3(=N1+N2)だけ離して配置する必要がある。N1は、孔1250の内周面1250Aと軸状部材1260の外周面1260Aとの当接により発生する応力によって凹部1230(切欠部1240c)の底部1240c1が固定子1240の外周面1240Aに沿った仮想外周線より飛び出るのを防止するために必要な凹部1230の深さである。N2は、固定子1240の強度を確保するために必要な、凹部1230(切欠部1240cの底部1240c1)と孔1250(内周面1250A)の間隔である。このため、孔1250の内周面1250Aの断面形状および軸状部材1260の外周面1260Aの断面形状が円形に形成されている従来の電動機1200では、間隔N3を小さくする(磁束通路を広くする)には限界がある。
本発明は、このような点に鑑みて創案されたものであり、固定子を構成する複数の板状部材を、固定子の外径が増大することおよび磁束通路が狭くなることを防止しながら、簡単に一体化することができる技術を提供することを目的とするものである。
本発明の電動機は、容器と、容器の内側に配置された固定子と、固定子の内側に回転可能に配置された回転子と、固定子巻線を備えている。固定子は、容器の内側に締り嵌めされる。「締り嵌め」は、穴の内径より少し大きい外径を有する部材を穴に挿入して固定する方法を意味する。固定子を容器の内側に締り嵌めする方法としては、典型的には、圧入方法や焼き嵌め方法が用いられるが、他の方法を用いることもできる。固定子は、軸方向に沿って積層された複数の板状部材により構成され、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在するヨークと、ヨークから径方向に沿って回転中心側に延在する複数のティースと、周方向に沿って隣接するティースによって形成され、固定子巻線が挿入される複数のスロットを有している。板状部材としては、典型的には、電磁鋼板が用いられる。
複数の板状部材は、軸方向に直角な断面が、第1〜第3の壁部により三角形に形成された孔を有している。第1〜第3の壁部の接続部分が曲線状である形状も本発明の「三角形」に含まれる。孔は、典型的には、レーザ加工により板状部材に形成される。軸方向に沿って積層された複数の板状部材は、各板状部材に形成された孔に軸状部材が締り嵌めされることによって一体化される。軸状部材は、軸方向に直角な断面が円形(「略円形」を含む)に形成されており、第1〜第3の壁部に当接するように孔に締り嵌めされる。孔に軸状部材を締り嵌めする方法としては、典型的には、圧入方法が用いられるが、他の方法を用いることもできる。
そして、軸方向に直角な断面で見て、第1〜第3の壁部のうちの第1の壁部と第2の壁部との接続部分の周方向の中心の箇所が、軸中心より径方向外側において回転中心と軸状部材の軸中心を通る線上に存在するように構成されている。これにより、孔の内周面と軸状部材の外周面との当接により固定子の外周面が膨らむのを防止することができる。
本発明では、固定子の外周面が膨らむのを防止しながら、複数の板状部材を簡単に一体化することができる。また、固定子の外周面が膨らむのを防止することができるため、固定子の外周面の、孔に対応する箇所に凹部を設ける必要がない。これにより、孔を固定子の外周面の近くに配置することができるため、固定子の磁束通路を十分に確保することができる。さらに、固定子の外周面が膨らむのを防止することができるため、固定子を容器の内側に容易に締り嵌めすることができる。
本発明の異なる形態では、孔は、軸方向に直角な断面が正三角形に形成されている。
本形態では、孔を容易に形成することができる。
本発明の他の異なる形態では、第1の壁部と軸状部材との当接箇所と軸中心を結ぶ線と周方向の中心の箇所と軸中心を結ぶ線により形成される角度および第2の壁部と軸状部材との当接箇所と軸中心を結ぶ線と周方向の中心の箇所と軸中心を結ぶ線により形成される角度が、50度以下とならないように構成されている。
本形態では、孔の内周面と軸状部材の外周面との当接により固定子の外周面が膨らむのをより確実に防止することができる。
本発明の他の異なる形態では、孔は、ティースに対向する箇所およびスロットに対向する箇所のうちの少なくとも一方に形成されている。好適には、孔は、ティースの周方向の中心の箇所を通って径方向に沿って延在する線と交差するように、あるいは、周方向に隣接するティース間の周方向の中心の箇所を通って径方向に沿って延在する線と交差するように形成される。
ティースに対向する箇所に孔を形成することにより、磁束の流れに対する孔の影響を軽減することができる。また、スロットに対向する箇所に孔を形成することにより、ティースに対向する箇所に孔を形成する場合に較べて、孔に軸状部材を締り嵌めする際に発生する応力によってティース先端面が回転中心側に飛び出るのを抑制することができる。
本発明の他の異なる形態では、容器の内周面と固定子の外周面の間に、軸方向に沿って延在する通路が形成されている。容器の内周面と固定子の外周面の間に通路を形成する方法としては、固定子の外周面を切り欠く方法や、容器の内周面を外周方向に突出させる方法等を用いることができる。通路は、例えば、冷蔵庫や空調装置に設けられる圧縮機で用いられる、熱エネルギーを移動させる作動媒体(「冷媒」と呼ばれている)を通す通路として用いられる。
本発明の他の異なる形態では、通路は、孔の外周側の箇所および孔の間の箇所のうちの少なくとも一方に形成されている。好適には、通路は、孔の間の箇所、すなわち、孔と通路が径方向に重ならないように形成される。
本発明の他の異なる形態では、軸状部材の両端部には、軸状部材が孔から抜け出るのを防止するための抜け止め部が設けられている。軸状部材の両端部に抜け止め部を設ける方法としては、例えば、一方の端部に頭部(抜け止め部)を有する軸状部材を孔に挿入し、その後、他方の端部をかしめることによって他方の端部に抜け止め部を形成する方法が用いられる。
本形態では、回転時の振動等によって軸状部材が孔から抜け出るのを防止することができる。
本発明では、固定子を構成する複数の板状部材を、固定子の外径が増大することおよび磁束通路が狭くなることを防止しながら、簡単に一体化することができる。
本発明の電動機の第1の実施形態の概略構成を示す断面図である。 図1の部分拡大図である。 従来の電動機の部分拡大図である。 本発明の電動機の第2の実施形態の概略構成を示す断面図である。 本発明の電動機の第3の実施形態の概略構成を示す断面図である。 本発明の電動機の第4の実施形態の概略構成を示す断面図である。 本発明の電動機の第5の実施形態の概略構成を示す断面図である。 本発明の電動機の第6の実施形態の概略構成を示す断面図である。 本発明の電動機の第7の実施形態の概略構成を示す断面図である。 本発明の電動機の第8の実施形態の概略構成を示す断面図である。 本発明の電動機の第9の実施形態の部分拡大図である。 本発明の電動機の第10の実施形態の部分拡大図である。 本発明の電動機の第11の実施形態の概略構成を示す断面図である。
以下に、本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
なお、本明細書では、「軸方向」という記載は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、回転子(回転軸)の回転中心を通る回転中心線の方向を示す。「周方向」という記載は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、軸方向に直角な断面でみて、回転中心を中心とする円周方向を示す。「径方向」という記載は、回転子が固定子に対して回転可能に配置されている状態において、軸方向に直角な断面でみて、回転中心を通る方向を示す。また、「平行」という記載は、「略平行」である態様を含み、「直角」とい記載は、「略直角」である態様を含み、「直交」という記載は、「略直交」である態様を含んでいる。
本発明の電動機の第1の実施形態を、図1を参照して説明する。図1は、本実施形態の電動機100を軸方向に直角な方向から見た断面図である。
本実施形態の電動機100は、密閉容器110、固定子140、回転子170、固定子巻線(図示省略)を有している。
密閉容器110は、内周面110aの断面形状が円形である円筒形状に形成されている。
密閉容器110が、本発明の「容器」に対応する。
固定子140は、積層された複数の電磁鋼板により構成される。積層された複数の電磁鋼板は、積みずれを防止するために一体化される。本実施形態では、各電磁鋼板に形成された孔150と、積層された各電磁鋼板の孔150に締り嵌めされる軸状部材160を用いて、積層された複数の電磁鋼板を一体化する方法を用いている。「締り嵌め」は、穴の内径より少し大きい部材を穴に押し込んで固定する方法を意味する。本実施形態では、圧入方法を用いて軸状部材160を孔150に締り嵌めしている。勿論、他の方法を用いて軸状部材160を孔150に締り嵌めすることができる。孔150と軸状部材160の具体的な構成については後述する。
電磁鋼板が、本発明の「板状部材」に対応する。
固定子140は、密閉容器110の内側に締り嵌めされる。本実施形態では、圧入方法あるいは焼き嵌め方法を用いて固定子140を密閉容器110の内側に締り嵌めしている。
固定子140は、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在するヨーク141と、ヨーク141から径方向に沿って回転中心O方向に延在するティース142を有している。ティース142は、径方向に沿って延在するティース基部142aと、ティース基部142aの先端部に設けられ、周方向に沿って延在するティース先端部142bを有している。ティース先端部142bの回転中心O側には、ティース先端面142cが形成されている。そして、周方向に隣接するティース142によって形成されるスロット143内に、固定子巻線(図示省略)が挿入されている。
また、固定子140の外周面140Aと密閉容器110の内周面110Aの間に、軸方向に沿って延在する通路120が形成されている。
本実施形態では、密閉容器110の内周面110Aは、回転中心Oを中心とする円形形状を有している。また、固定子140の外周面140Aは、当接部140aと切欠部140bにより形成されている。当接部140aは、回転中心Oを中心とする円に沿った円弧形状を有し、密閉容器110の内周面110Aに当接する。切欠部140bは、当接部140aに沿った仮想外周面(回転中心Oを中心とする円に沿った仮想外周面)を切り欠いた形状を有している。そして、固定子140の外周面140Aの切欠部140bと密閉容器110の内周面110Aによって通路120が形成されている。
通路120は、種々の媒体を通す通路として用いることができる。例えば、圧縮機で用いられている、熱エネルギーを移動させる作動媒体(「冷媒」と呼ばれている)を通す通路として用いることができる。
回転子170は、積層された複数の電磁鋼板により構成される。回転子の構造は、電動機の種類に応じて変更される。例えば、永久磁石電動機では、磁石挿入孔と、磁石挿入孔に挿入された永久磁石を有する回転子が用いられる。
回転子170は、円柱状に形成されている。そして、回転子170の回転中心O側の回転軸挿入孔に回転軸180が締り嵌めされている。本実施形態では、圧入方法あるいは焼き嵌め方法によって回転軸180が回転軸挿入孔に締り嵌めされる。回転子170は、回転子170の外周面170Aが、固定子140の内周面(ティース先端面142c)と所定の間隙(エアギャップ)を保持した状態で回転可能に配置される。
次に、積層された複数の電磁鋼板を一体化するための孔150と軸状部材160について説明する。
先ず、図3に示されている、孔1250の内周面1250Aの断面形状および軸状部材1260の外周面1260Aの断面形状が円形に形成されている従来の電動機1200について説明する。
軸状部材1260の外周面1260Aと当接している、孔1250の内周面1250Aの各当接箇所には、軸状部材1260の軸中心(円形断面の中心)Pと各当接箇所を結ぶ線に平行に、軸中心Pから各当接箇所の方向を向いている応力が作用する。
例えば、回転中心Oと軸中心Pを結ぶ線S1上であって、軸中心Pより固定子1240の外周面1240A側の当接箇所E1では、孔1250の内周面1250Aに作用する応力F1は、回転中心Oと当接箇所E1を結ぶ線(回転中心Oと軸中心Pを結ぶ線)S1と平行方向に作用する。一方、当接箇所E1より周方向に沿って一方側に離れている当接箇所E2では、孔1250の内周面1250Aに作用する応力F2は、軸中心Pと当接箇所E2を結ぶ線S2と平行方向に作用するが、回転中心Oと当接箇所E2を結ぶ線に対して傾いた方向に作用する。同様に、当接箇所E1より周方向に沿って他方側に離れている当接箇所E3では、孔1250の内周面1250Aに作用する応力F3は、軸中心Pと当接箇所E3を結ぶ線S3と平行方向に作用するが、回転中心Oと当接箇所E3を結ぶ線に対して傾いた方向に作用する。
また、回転中心Oと各当接箇所E1〜E3を結ぶ線に沿った、各当接箇所E1〜E3と固定子1240の外周面1240Aの距離は、当接箇所E1(回転中心Oと軸中心Pを結ぶ線S1上に存在する当接箇所)と回転中心Oを結ぶ線に沿った距離が最も短い。
このため、孔1250に軸状部材1260を圧入した場合、固定子1240の外周面1240Aの、当接箇所E1に対向する箇所(回転中心Oと軸中心Pを結ぶ線S1上の箇所)W1の膨らみ量が最も大きい。
したがって、少なくとも箇所E1では、孔1250の内周面1250Aと軸状部材1260の外周面1260Aが当接しないように構成することにより、孔1250の内周面1250Aと軸状部材1260の外周面1260Aとの当接による固定子1240の外周面1240Aの膨らみを抑制することができる。
なお、各当接箇所E1〜E3において、孔1250の内周面1250Aに作用する応力F1〜F3は、各当接箇所E1〜E3における孔1250の内周面1250Aの接線Rと直交する方向に作用する。
したがって、箇所E1は、孔1250の内周面1250Aに沿った箇所であって、当該箇所と回転中心Oを結ぶ線S1が、当該箇所における孔1250の内周面1250Aの接線Rと直交し、且つ、当該箇所において孔1250の内周面1250Aと軸状部材1260の外周面1260Aが当接した場合に当該箇所を回転中心Oから固定子1240の外周面1240Aの方向に膨らませる応力F1が発生する箇所として定義される。
本実施形態の電動機100の孔150および軸状部材160を、図2を参照して説明する。図2は、図1の部分拡大図である。
本実施形態では、孔150の内周面150Aは、軸方向に直角な断面でみて、断面形状が正三角形を有している。内周面150Aは、正三角形の第1〜第3の辺を形成する第1〜第3の壁部150a〜150cにより構成されている。第1〜第3の壁部150a〜150cは、曲線状に接続されている。
また、孔150に圧入される軸状部材160は、軸方向に直角な断面形状が円形を有している。
これにより、孔150の内周面150Aと軸状部材160の外周面160Aは、第1の壁部150a上の当接箇所E1、第2の壁部150b上の当接箇所E2および第3の壁部150c上の当接箇所E3で当接する。
また、本実施形態では、いずれか2つの壁部の接続部分の周方向の中心の箇所および残りの壁部の中心の箇所が回転中心Oと軸中心Pを結ぶ線S1上に存在するとともに、接続部分の周方向の中心の箇所が軸中心Pより固定子140の外周面140A側に配置されるように、孔150が形成されている。図2では、第1の壁部150aと第2の壁部150bの接続部分の周方向の中心の箇所J1および第3の壁部150cの周方向の中心の箇所E3が回転中心Oと軸中心Pを結ぶ線S1上に存在するとともに、箇所J1が軸中心Pより固定子140の外周面140A側に配置されるように、孔150が形成されている。
これにより、本実施形態では、孔150の内周面150Aに沿った箇所であって、当該箇所と回転中心Oを結ぶ線S1が、当該箇所における孔150の内周面150Aの接線Rと直交し、且つ、当該箇所において孔150の内周面150Aと軸状部材160の外周面160Aが当接した場合に当該箇所を回転中心Oから固定子140の外周面140Aの方向に膨らませる応力F1が発生する箇所(以下、「第1の箇所」という)J1では、孔150の内周面150Aと軸状部材160の外周面160Aが当接しないように構成されている。
ここで、図3に示されている、孔1250の内周面1250Aの断面形状および軸状部材1260の外周面1260Aの断面形状が円形に形成されている従来の電動機1200では、軸状部材1260を孔1250に圧入した場合、固定子1240の外周面1240Aの、当接箇所E1に対向する箇所が、0.05mm程度膨らむ。固定子1240の外周面1240Aが0.05mm程度膨らむと、固定子1240を密閉容器1210の内側に圧入あるいは焼き嵌め等によって締り嵌めするのが困難である。この場合、固定子1240の外周面1240Aの膨らんだ箇所を切削する必要がある。
なお、固定子の外周面の膨らみ量が、例えば、0.02mm以下であれば、固定子の外周面を切削することなく、固定子を密閉容器の内側に締り嵌めすることができる。
本実施形態では、孔150の内周面150Aに沿った箇所であって、当該箇所と回転中心Oを結ぶ線S1が、当該箇所における孔150の内周面150Aの接線Rと直交するとともに、当該箇所において孔150の内周面150Aと軸状部材160の外周面160Aが当接した場合に当該箇所を回転中心Oから固定子140の外周面140Aの方向に膨らませる応力F1が発生する箇所(第1の箇所)J1では、孔150の内周面150Aと軸状部材160の外周面160Aが当接しないように構成されている。
これにより、軸状部材160を孔150に圧入した場合における、固定子140の外周面140Aの、孔150に対向する箇所の膨らみ量を抑制することができる。すなわち、固定子140の外周面140Aの、孔150に対向する箇所に凹部を設けることなく、あるいは、固定子140の外周面140Aの、孔150に対応する箇所を切削することなく、軸状部材160を孔150に圧入した後に、容易に固定子140を密閉容器110の内側に締り嵌めすることができる。
固定子140の外周面140Aの、孔150に対向する箇所の膨らみ量をより確実に抑制するためには、前述した第1の箇所J1および第1の箇所J1に対して周方向両側の所定領域内の箇所では、孔150の内周面150Aと軸状部材160の外周面160Aが当接しないように構成するのが好ましい。すなわち、回転中心Oと第1の箇所J1を結ぶ線(回転中心Oと軸中心Pを結ぶ線)S1と、第1の箇所J1より周方向に沿って一方側の箇所J2と軸中心Pを結ぶ線S2により形成される角度θ2、回転中心Oと第1の箇所J1を結ぶ線S1と、第1の箇所J1より周方向に沿って他方側の箇所J3と軸中心Pを結ぶ線S3により形成される角度θ3が50度以下である箇所J2およびJ3では、孔150の内周面150Aと軸状部材160の外周面160Aが当接しないように構成するのが好ましい。
本実施形態では、軸状部材160の外周面160Aの断面形状が円形を有し、孔150の内周面150Aの断面形状が正三角形を有しているとともに、孔150の内周面150Aを構成する第1〜第3の壁部のうちの2つの壁部の接続部分の周方向の中心の箇所(J1)および残りの壁部の周方向の中心の箇所(E3)が、回転中心Oと軸状部材160の軸中心Pを結ぶ線S1上に配置されるように孔150が形成されている。これにより、孔150の内周面150Aに沿った箇所であって、当該箇所と軸状部材160の軸中心Pを結ぶ線S2、S3と、回転中心Oと第1の箇所J1を結ぶ線(回転中心Oと軸中心Pを結ぶ線)S1により形成される角度θ2、θ3が50度以下である箇所では、孔150の内周面150Aと軸状部材160の外周面160Aが当接しない。
本実施形態の電動機100では、孔150は、固定子140のヨーク141の、ティース142に対向する箇所(ティース142と径方向に重なる箇所)に形成されている。また、通路120を形成する切欠部140bは、固定子140の外周面140Aの、スロット143に対向する箇所(ティース142の間の箇所)に形成されている。
孔150をティース142に対向する箇所に形成することにより、磁束の流れに対する孔150の影響を軽減することができる。また、切欠部140bと孔150が径方向に重ならないように配置されているため、孔150を固定子140の外周面140Aの近くに配置することができ、磁束通路を容易に確保することができる。
好適には、孔150は、ティース142の周方向の中心を通り径方向に沿って延在する線と交差するように形成され、切欠部120は、ティース142間の周方向の中心を通り径方向に沿って延在する線と交差するように形成される。
本実施形態では、固定子140の外周面140Aの、孔150に対向する箇所に凹部を設けることなく、固定子140を圧入方法あるいは焼き嵌め方法を用いて密閉容器110の内側に締り嵌めすることができる。
また、固定子140の外周面140Aの、孔150に対向する箇所に凹部を設ける必要がないため、孔150を、固定子140の外周面140Aの近くに配置することができる。すなわち、孔150(箇所J1)を、固定子140の強度を確保するのに必要な間隔Mだけ固定子140の外周面140Aから離れた箇所に配置することができる。これにより、固定子140の磁束通路を確保することができる。
また、積層された複数の板状部材を簡単に一体化することができる。
孔150の内周面150Aの断面形状は、各辺の長さが等しい正三角形、各辺の長さが異なる三角形、2辺の長さが等しい二等辺三角形等の種々の形状に形成することができる。
また、固定子の磁束通路を広くするには、孔150の径方向に沿った長さを短くするのが好ましい。例えば、孔150内周面150Aを二等辺三角形とし、長さが等しい第1および第2の壁部の接続部分の周方向の中心の箇所および第3の壁部の周方向の中心の箇所が、回転中心Oと軸状部材160の軸中心Pを結ぶ線S1上に配置されるように孔160を形成するとともに、第3の壁部の長さを長くする。
また、各壁部150a〜150cが直線状に接続するように構成することもできる。
また、各壁部150a〜150cが曲線状であってもよい。
また、孔150の配置角度は、少なくとも第1の箇所J1では、孔150の内周面150Aと軸状部材160の外周面160Aが当接しないように構成することができる範囲内で種々変更可能である。
本発明の電動機の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態の電動機200は、図4に示されている。図4において、図1に示されている構成要素に付されている符号と3桁目以外が一致する符号が付されている構成要素は、同じ構成要素を示している。
第2の実施形態の電動機200は、切欠部の配置位置が第1の実施形態の電動機100と異なっている。
本実施形態の電動機200では、孔250は、固定子240のヨーク241の、ティース242に対向する箇所に形成されている。また、通路220を形成する切欠部240bは、固定子240の外周面240Aの、ティース242に対向する箇所に形成されている。
本実施形態では、磁束の流れに対する孔250および通路220の影響を軽減することができる。
好適には、孔250および切欠部240bは、ティース242の周方向の中心を通り径方向に沿って延在する線と交差するように形成される。
本発明の電動機の第3の実施形態を説明する。第3の実施形態の電動機300は、図5に示されている。図5において、図1に示されている構成要素に付されている符号と3桁目以外が一致する符号が付されている構成要素は、同じ構成要素を示している。
第3の実施形態の電動機300は、孔および切欠部の配置位置が第1の実施形態の電動機100と異なっている。
本実施形態の電動機300では、孔350は、固定子340のヨーク341の、スロット343に対向する箇所(ティース342の間に対向する箇所)に形成されている。また、通路320を形成する切欠部340bは、固定子340の外周面340Aの、ティース342に対向する箇所に形成されている。
本実施形態では、孔350をティース342に対向する箇所に形成する場合に較べて、孔350に軸状部材360を締り嵌めする際に発生する応力によってティース342のティース先端面342cが回転中心O方向に突出するのを防止することができる。
好適には、孔350は、ティース342の間の周方向の中心を通り径方向に沿って延在する線と交差するように形成される。また、切欠部340bは、ティース342の周方向の中心を通り径方向に沿って延在する線と交差するように形成される。
本発明の電動機の第4の実施形態を説明する。第4の実施形態の電動機400は、図6に示されている。図6において、図1に示されている構成要素に付されている符号と3桁目以外が一致する符号が付されている構成要素は、同じ構成要素を示している。
第4の実施形態の電動機400は、孔の配置位置が第1の実施形態の電動機100と異なっている。
本実施形態の電動機400では、孔450は、固定子440のヨーク441の、スロット433に対向する箇所(ティース442の間に対向する箇所)に形成されている。また、通路420を形成する切欠部440bは、固定子440の外周面440Aの、スロット433に対向する箇所(ティース442の間に対向する箇所)に形成されている。
好適には、孔450および切欠部440bは、ティース442の間の周方向の中心を通り径方向に沿って延在する線と交差するように形成される。
本発明の電動機の第5の実施形態を説明する。第5の実施形態の電動機500は、図7に示されている。第5の実施形態の電動機500は、通路を形成する方法が第2の実施形態の電動機200と異なっている。すなわち、第5の実施形態の電動機500では、密閉容器の内周面に形成された突出部と固定子の外周面によって通路が形成されている。
本実施形態では、固定子540の外周面540Aは、軸方向に直角な断面で見た断面形状が、回転中心Oを中心とする円形を有している。
また、密閉容器510の内周面510Aは、軸方向に直角な断面で見て、当接部510aと突出部510bにより形成されている。当接部510aは、回転中心Oを中心とする円に沿った円弧形状を有し、固定子540の外周面540Aに当接する。突出部510bは、当接部510aに沿った仮想外周面(回転中心Oを中心とする円に沿った仮想外周面)から外周側に突出した形状を有している。そして、密閉容器510の突出部510bと固定子540の外周面540Aによって通路520が形成されている。
本実施形態では、孔550は、固定子540のヨーク541の、ティース542に対向する箇所に形成されている。また、通路520を形成する突出部510bは、密閉容器510の内周面510Aの、ティース542に対向する箇所に形成されている。
本実施形態では、固定子540の外周面540Aに、通路を形成するための切欠部を形成する必要がない。これにより、磁束の流れに対する通路の影響を軽減することができる。
好適には、孔550および突出部510bは、ティース542の周方向の中心を通り径方向に沿って延在する線と交差するように形成される。
本発明の電動機の第6の実施形態を説明する。第6の実施形態の電動機600は、図8に示されている。第6の実施形態の電動機600は、孔および通路の配置位置が第5の実施形態の電動機500と異なっている。
本実施形態の電動機600では、孔650は、固定子640のヨーク641の、スロット643に対向する箇所(ティース642の間に対向する箇所)に形成されている。また、通路620を形成する突出部610bは、密閉容器610の内周面610Aの、スロット643に対向する箇所(ティース642の間に対向する箇所)に形成されている。
本形態では、磁束の流れに対する通路の影響を軽減することができる。また、孔650をティース642に対向する箇所に形成する場合に較べて、孔650に軸状部材660を締り嵌めする際に発生する応力によってティース642のティース先端面642cが回転中心O方向に突出するのを防止することができる。
好適には、孔650および突出部610bは、ティース642の間の周方向の中心を通り径方向に沿って延在する線と交差するように形成される。
第5の実施形態500および第6の実施形態600では、孔と突出部を径方向に重なるように配置したが、第1の実施形態の電動機100および第3の実施形態の電動機300のように、孔と突出部を径方向に重ならないように配置することもできる。
本発明の電動機の第7の実施形態を説明する。第7の実施形態の電動機700は、図9に示されている。第7の実施形態の電動機700は、冷媒等の作動媒体を通す通路が省略されている点が第1の実施形態の電動機100と異なっている。
本実施形態では、孔750は、固定子740のヨーク741の、ティース742に対向する箇所に形成されている。
本形態では、磁束の流れに対する孔750の影響を軽減することができる。
好適には、孔750は、ティース742の周方向の中心を通り径方向に沿って延在する線と交差するように形成される。
本発明の電動機の第8の実施形態を説明する。第8の実施形態の電動機800は、図10に示されている。第8の実施形態の電動機800は、孔の配置位置が第7の実施形態の電動機700と異なっている。
本実施形態では、孔850は、固定子840のヨーク841の、スロット843に対向する箇所(ティース842の間に対向する箇所)に形成されている。
本形態では、孔850をティース842に対向する箇所に形成する場合に較べて、孔850に軸状部材860を締り嵌めする際に発生する応力によってティース842のティース先端面842cが回転中心O方向に突出するのを防止することができる。
好適には、孔850は、ティース842の周方向の中心を通り径方向に沿って延在する線と交差するように形成される。
本発明の電動機の第9の実施形態を説明する。第9の実施形態の電動機900は、図11に示されている。図11は、第9の実施形態の電動機900の部分拡大図である。第9の実施形態の電動機900は、孔の内周面の断面形状が第1〜第8の実施形態の電動機100〜800と異なっている。
本実施形態では、孔950は、軸方向に直角な断面形状が台形を有している。孔950の内周面950Aは、台形の上底、下底、第1および第2の脚を形成する第1〜第4の壁部950a〜950dにより構成されている。第1〜第4の壁部950a〜950dは、曲線状に接続されている。
また、孔950に締り嵌めされる軸状部材960は、軸方向に直角な断面形状が円形を有している。
本実施形態においても、軸方向に直角な断面で見て、孔950の内周面950Aに沿った箇所であって、当該箇所と回転中心Oを結ぶ線S1が、当該箇所における孔950の内周面950Aの接線Rと直交し、且つ、当該箇所において孔950の内周面950Aと軸状部材960の外周面950Aが当接した場合に当該箇所を回転中心Oから固定子940の外周面940Aの方向に膨らませる応力K1が発生する箇所(「第1の箇所」)J1では、孔950の内周面950Aと軸状部材960の外周面960Aが当接しないように構成されている。
本実施形態では、台形の上底を形成する第1の壁部950aの周方向の中心の箇所J1および下底を形成する第2の壁部950bの周方向の中心の箇所E3が、回転中心Oと軸状部材960の軸中心Pを結ぶ線S1上に配置されるとともに、箇所J1が軸中心Pより固定子940の外周面940A側に配置されるように、孔950が形成されている。そして、軸状部材960の外周面960Aが、第2〜第3の壁部950b〜950dと当接するが、第1の壁部950aとは当接しないように構成されている。
また、本実施形態では、孔950の内周面950Aに沿った箇所であって、当該箇所と軸状部材960の軸中心Pを結ぶ線S2、S3と、回転中心Oと第1の箇所J1を結ぶ線(回転中心Oと軸中心Pを結ぶ線)S1により形成される角度θ2、θ3が50度以下である箇所J2、J3では、孔950の内周面950Aと軸状部材960の外周面960Aが当接しないように構成されている。
本実施形態では、孔950の内周面950Aが、台形の平行な上底と下底を形成する第1の壁部950aと第2の壁部950bを有している。このため、孔950の内周面950Aの径方向に沿った長さ(第1の壁部950aと第2の壁部950bの間隔)を、第1〜第8の実施形態に較べて短くすることができる。すなわち、固定子940の磁束通路をより確実に確保することができる。
なお、図11では、孔950の内周面950Aの断面形状を、線対称な台形に形成したが、線対称でない台形に形成することもできる。この場合には、箇所J1(「第1の箇所」)および当接箇所E3は、第1の壁部950aおよび第2の壁部950bの周方向の中心の箇所と一致しないこともある。
本発明の電動機の第10の実施形態を説明する。第10の実施形態の電動機1000は、図12に示されている。第10の実施形態の電動機1000は、孔の内周面の断面形状が第1〜第9の実施形態100〜900と異なっている。
本実施形態では、孔1050は、軸方向に直角な断面形状が正方形を有している。孔1050の内周面1050Aは、正方形の第1〜第4の辺を形成する第1〜第4の壁部1050a〜1050dにより構成されている。第1〜第4の壁部1050a〜1050dは、曲線状に接続されている。
また、孔1050に締り嵌めされる軸状部材1060は、軸方向に直角な断面形状が円形を有している。
本実施形態では、正方形の各辺を形成する第1〜第4の壁部1050a〜1050dの接続部分の周方向の中央の箇所のうち対向する2箇所(図12では、第1の壁部1050aと第2の壁部1050bの接続部分の周方向の中央の箇所J1と、第3の壁部1050cと第4の壁部1050dの接続部分の周方向の中央の箇所J4)が、回転中心Oと軸状部材1060の軸中心Pを結ぶ線S1上に配置されるように孔1050が形成されている。
本実施形態では、箇所J1が、孔1050の内周面1050Aに沿った箇所であって、当該箇所と回転中心Oを結ぶ線S1が、当該箇所における孔1050の内周面1050Aの接線Rと直交し、且つ、当該箇所において孔1050の内周面1050Aと軸状部材1060の外周面1060Aが当接した場合に当該箇所を回転中心Oから固定子1040の外周面1040Aの方向に膨らませる応力K1が発生する箇所(「第1の箇所」)として定義される。
また、本実施形態では、孔1050の内周面1050Aに沿った箇所であって、当該箇所と軸状部材1060の軸中心Pを結ぶ線S2、S3と、回転中心Oと第1の箇所J1を結ぶ線(回転中心Oと軸中心Pを結ぶ線)S1により形成される角度θ2、θ3が50度以下である箇所J2、J3では、孔950の内周面950Aと軸状部材960の外周面960Aが当接しないように構成されている。
なお、図12では、孔1050の内周面1050Aの断面形状を正方形に形成したが、正方形以外の、長方形やひし形等の四角形に形成することもできる。また、四角形の配置角度は、少なくとも第1の箇所J1では、孔1050の内周面1050Aと軸状部材1060の外周面1060Aが当接しないように構成することができる範囲内で種々変更可能である。
本発明の電動機の第11の実施形態を説明する。第11の実施形態の電動機1100は、図13に示されている。図13は、第11の実施形態の電動機1100を、軸方向に沿った方向から見た断面図である。第11の実施形態の電動機1100では、孔に締り嵌めされる軸状部材の両端部に抜け止め部が設けられている。
本実施形態では、積層された複数の板状部材により構成される固定子1140の軸方向両側に端板1190が配置されている。そして、固定子1140を構成する複数の板状部材および端板1190に形成された孔1150に軸状部材1160が締り嵌めされている。
軸状部材1160は、孔1150に締り嵌めされているが、回転時の振動等によって孔1150から抜け出るおそれがある。本実施形態では、軸状部材1160の両端部に、軸状部材1160が孔1150から抜け出るのを防止するための抜止部1160aおよび1160bが設けられている。例えば、一方の端部に抜け止め用の頭部(ヘッド)1160aを有する軸状部材1160を孔1150に締り嵌めした後、他方の端部をかしめることによって他方の端部に抜け止め用の頭部1160bを形成する方法を用いる。
本発明は、実施形態で説明した構成に限定されず、種々の変更、追加、削除が可能である。
孔の内周面の断面形状は、各辺の長さが等しい多角形、各辺の長さが異なる多角形、各辺が曲線状に形成されている多角形、各辺が曲線状に接続されている多角形、各辺が直線状に接続されている多角形、多角形以外の種々の形状に形成することができる。
軸状部材の断面形状は、好適には、円形に形成されるが、円形以外の種々の形状に形成することもできる。
本発明は、少なくとも、軸方向に直角な断面で見て、孔の内周面に沿った箇所であって、当該箇所と回転中心を結ぶ線が、当該箇所における孔の内周面の接線と直交し、且つ、当該箇所において孔の内周面と軸状部材の外周面が当接した場合に当該箇所を回転中心から固定子の外周面の方向に膨らませる応力が発生する箇所(「第1の箇所」)では、孔の内周面と軸状部材の外周面が当接しないように構成されていればよい。
孔の数や配置位置等は、適宜変更可能である。
固定子の外周面と密閉容器の内周面により通路を形成する方法としては、種々の方法を用いることができる。また、通路の数や配置位置等は適宜変更可能である。さらに、通路は、省略することもできる。
本発明の電動機は、永久磁石電動機や誘導電動機等の種々の型式の電動機として構成することができる。
実施形態で説明した各構成は、単独で用いることもできるし、適宜選択した複数を組み合わせて用いることもできる。
本発明は、以下のように構成することもできる。
(態様1)
容器と、前記容器の内側に配置された固定子と、前記固定子の内側に間隙を介して回転可能に配置された回転子と、固定子巻線を備え、前記固定子は、軸方向に沿って積層された複数の板状部材により構成され、また、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在するヨークと、前記ヨークから径方向に沿って回転中心側に延在する複数のティースと、周方向に沿って隣接するティースによって形成される複数のスロットを有しており、前記固定子巻線は、前記スロットに挿入されている電動機であって、
前記複数の板状部材は、孔を有し、軸方向に沿って積層された前記複数の板状部材の前記孔には、軸状部材が締り嵌めされており、
軸方向に直角な断面で見て、前記孔の内周面に沿った箇所であって、当該箇所と回転中心を結ぶ線が、当該箇所における前記孔の内周面の接線と直交するとともに、当該箇所において前記孔の内周面と前記軸状部材の外周面が当接することによって当該箇所を前記回転中心から前記固定子の外周面の方向に膨らませる応力が発生する箇所では前記孔の内周面と前記軸状部材の外周面が当接しないように構成されていることを特徴とする電動機。
(態様2)
態様1の電動機であって、前記軸状部材は、軸方向に直角な断面が円形に形成されていることを特徴とする電動機。
(態様3)
態様2の電動機であって、前記孔の内周面に沿った箇所であって、当該箇所と前記軸状部材の軸中心を結ぶ線と、前記回転中心と前記軸状部材の軸中心を結ぶ線により形成される角度θが50度以下である箇所では前記孔の内周面と前記軸状部材の外周面が当接しないように形成されていることを特徴とする電動機。
(態様4)
態様1〜3のうちのいずれかの電動機であって、前記孔は、軸方向に直角な断面が多角形に形成されていることを特徴とする電動機。
(態様5)
態様1〜4のうちのいずれかの電動機であって、前記孔は、前記ヨークの、前記ティースに対向する箇所および前記スロットに対向する箇所のうちの少なくとも一方に形成されていることを特徴とする電動機。
(態様6)
態様1〜5のうちのいずれかの電動機であって、前記容器の内周面と前記固定子の外周面の間に、軸方向に沿って延在する通路が形成されていることを特徴とする電動機。
(態様7)
態様6の電動機であって、前記通路は、前記孔の外周側の箇所および前記孔の間の箇所のうちの少なくとも一方に形成されていることを特徴とする電動機。
(態様8)
態様1〜7のうちのいずれの電動機であって、前記軸状部材は、両端部に抜け止め部を有していることを特徴とする電動機。
100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200 電動機
110、210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210 密閉容器
110A、210A、310A、410A、510A、610A、710A、810A、910A、1010A、110A、1210A 内周面
120、220、320、420、520、620 通路
140、240、340、440、540、640、740、840、940、1040、1140、1240 固定子
140A、240A、340A、440A、540A、640A、740A、840A、940A、1040A、1140A、1240A 外周面
140a、240a、340a、440a、940a、1040a 当接部
140b、240b、340b、440b 切欠部
141、241、341、441、541、641、741、841 ヨーク
142、242、342、442、542、642、742、842 ティース
142a、242a、342a、442a、542a、642a、742a、842a ティース基部
142b、242b、342b、442b、542b、642b、742b、842b ティース先端部
142c、242c、342c、442c、542c、642c、742c、842c、1142c ティース先端面
143、243、343、443、543、643、743、843 スロット
150、250、350、450、550、650、750、850、950、1050、1150、1250 孔
150A、950A、1050A、1250A 内周面
150a〜150c、950a〜950d、1050a〜1050d 壁部
151、951、1051 空間
160、260、360、460、560、660、760、860、960、1060、1160、1260 軸状部材
160A、960A、1060A、1260A 外周面
170、270、370、470、570、670、770、870、1170 回転子
170A、270A、370A、470A、570A、670A、770A、870A、1170A 外周面
180、280、380、480、580、680、780、880、1180 回転軸
510a、610a 当接部
510b、610b 突出部
1160a、1160b 抜止部
1190 端板
1230 凹部
1240c 切欠部
1240c1 底部
1240c2、1240c3 側部

Claims (7)

  1. 容器と、前記容器の内側に締り嵌めされた固定子と、前記固定子の内側に間隙を介して回転可能に配置された回転子と、固定子巻線を備え、前記固定子は、軸方向に沿って積層された複数の板状部材により構成され、また、軸方向に直角な断面で見て、周方向に沿って延在するヨークと、前記ヨークから径方向に沿って回転中心側に延在する複数のティースと、周方向に沿って隣接するティースによって形成される複数のスロットを有しており、前記固定子巻線は、前記スロットに挿入されている電動機であって、
    前記複数の板状部材は、軸方向に直角な断面が、第1〜第3の壁部により三角形に形成された孔を有し、
    軸方向に沿って積層された前記複数の板状部材は、前記複数の板状部材に形成された前記孔に、軸方向に直角な断面が円形に形成された軸状部材が、前記第1〜第3の壁部に当接するように締り嵌めされることによって一体化されており、
    軸方向に直角な断面で見て、前記第1〜第3の壁部のうちの前記第1の壁部と前記第2の壁部との接続部分の周方向の中心の箇所が、前記軸中心より径方向外側において回転中心と前記軸状部材の軸中心を通る線上に存在するように構成されていることを特徴とする電動機。
  2. 請求項1に記載の電動機であって、
    前記孔は、軸方向に直角な断面が正三角形に形成されていることを特徴とする電動機。
  3. 請求項1または2に記載の電動機であって、
    前記第1の壁部と前記軸状部材との当接箇所と前記軸中心を結ぶ線と前記周方向の中心の箇所と前記軸中心を結ぶ線により形成される角度および前記第2の壁部と前記軸状部材との当接箇所と前記軸中心を結ぶ線と、前記周方向の中心の箇所と前記軸中心を結ぶ線により形成される角度が、50度以下とならないように構成されていることを特徴とする電動機。
  4. 請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の電動機であって、
    前記孔は、前記ヨークの、前記ティースに対向する箇所および前記スロットに対向する箇所のうちの少なくとも一方に形成されていることを特徴とする電動機。
  5. 請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の電動機であって、
    前記容器の内周面と前記固定子の外周面の間に、軸方向に沿って延在する通路が形成されていることを特徴とする電動機。
  6. 請求項5に記載の電動機であって、
    前記通路は、前記孔の外周側の箇所および前記孔の間の箇所のうちの少なくとも一方に形成されていることを特徴とする電動機。
  7. 請求項1〜6のうちのいずれか一項に記載の電動機であって、
    前記軸状部材は、両端部に抜け止め部を有していることを特徴とする電動機。
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