JP6611301B2 - 治工具固定装置 - Google Patents
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Description
治工具:ワークの位置決め等のために加工装置に固定して用いる治具、あるいはワークの加工等のために加工装置に固定して用いる工具をいう。例えば、ワークを位置決めするレースセンター、あるいはワークを加工するドリルやエンドミル等をいう。治工具の基部側の側面にテーパ外面が形成されている。
ホルダ:前記のテーパ外面に密着するテーパ内面を提供する穴が形成されており、加工装置に直接ないし間接的に固定される部材、あるいは加工装置に対して位置決めされる部材をいう。例えば、ボール盤にドリルを固定するホルダは、ボール盤本体に対して位置決めされた直線上をスライドする。これも加工装置に対して位置決めされたホルダに相当する。
テーパ面:円錐台の側面形状をいう。
テーパ外面:治工具の基部側の側面に形成されているテーパ面をいい、基部側が小径であり、先端側が大径である。
テーパ内面:ホルダに形成されている穴の側面であり、入口側が大径であり、奥側が小径である。
基部側:ホルダの穴に挿入して固定する治工具の挿入側をいう。
先端側:治工具のホルダに挿入されない側をいう。
治工具はホルダに対して脱着可能であり、治工具の基部側をホルダの穴に挿入すると、テーパ外面がテーパ内面に密着し、治工具がホルダによって位置決めされた状態で固定される。
本明細書では、治工具に衝撃を与えないで治工具をホルダから取り外せるようにする技術を開示する。
治工具の基部側にはテーパ外面が形成されており、ホルダには穴が形成されている。その穴の側面は、治工具のテーパ外面に密着するテーパ内面を形成している。ホルダの側壁には、前記穴に交差する方向から前記穴に達する螺子穴が形成されている。穴の奥部に、少なくとも2個の球が収容されている。螺子穴に螺子をねじこむと、螺子の先端が穴の中心に向かって前進し、螺子の先端が一方の球を押し、一方の球が他方の球を押し、他方の球が治工具の基部側端面を先端側に押し出す。それによって治工具がホルダから取り外される。治工具に衝撃を与える必要がない。一方の球が小径であり、他方の球が大径であると、螺子の前進力を他方の球の前進力に効率的に変換することができ、螺子や螺子穴が損傷しない範囲内の力で治工具をホルダから押し出すことができる。また、螺子の先端に対して球が回転可能な状態で球を支持している螺子を利用することによって、小球と螺子の位置関係が安定し、小球と大球の位置関係が安定し、小球が基部側に移動することを螺子によって阻止するができ、治工具を安定的に押し出すことができる。
特徴1:図4,5,7に例示されているように、一方の球42が穴23の奥側の壁27に接触している。一方の球42が壁27によって奥側に移動できないので、他方の球46が治具10を先端側に押し出す。
特徴2:図1〜7に例示されているように、一方の球42が螺子30の先端に対して回転可能である。
特徴3:図1〜4、6〜7に例示されているように、一方の球42に対して他方の球46が回転可能である。
特徴4:図1〜7に例示されているように、他方の球46に対して一方の球42が回転可能である。
特徴5:図1〜3に例示されているように、穴23の奥側の壁27に接触する第3の球44が存在する。螺子穴24に螺子30をねじこむと、一方の球42が第3の球44と他方の球46の間に侵入し、他方の球46が治具10を先端側に押し出す。
特徴6:図1〜3に例示されているように、一方の球42と他方の球46と第3の球44のいずれもが、他の球に対して回転可能である。
特徴7:図5に例示されているように、治工具10の基部側端面が部分球面14に形成されており、その部分球が一方の球42に接触する。螺子30の前進力を治工具10の前進力に変換する関係では、部分球14が他方の球として機能する。
特徴8:穴23の奥側に収容しておく少なくとも2個の球42,46が穴23から抜け落ちることを防止する保持機構を備えている。例えば、図3に例示されているストッパ螺子62、あるいは図4に例示されているCリング64によって保持機構が形成されている。球46等を永久磁石で形成することによっても保持機構が得られる。
図1と図2は、治工具10がレースセンターであり、加工装置が研磨機である場合に本技術を適用した実施例を示す。レースセンター10は、先端が円錐形状をしており、その先端が図示しない円柱状ワークの端面のセンターに形成されている窪みに張り込む。図示はしないが、レースセンター10は左右一対にして用い、円柱状ワークの左右の端面を支持する。
これに対して、例えば螺子30の先端を円錐形にしておき、その円錐形の斜面で治工具10の基部側端面を先端側に押し出すなどの幾多の構造を実験してみたが、いずれによって螺子30の雄螺子36がつぶれるほどの力を加えても治工具10をホルダ20から押し出すことができなかった。
球を利用することで良好な結果が得られる理由は解明しきれていないが、球同志の間で回転可能なこと、あるいは球と球の接触面積が狭いことなどによって、摩擦による悪影響が受けにくくなっているものと推定される。
図3に例示するように、他の球46と第3の球44の直径を等しくしてもよい。なお、図3に示すように、治工具10の基部側端面よりも後方の位置で穴23に達する貫通孔66を設けておくとよい。貫通孔66がエアー抜き通路となり、治工具10の基部側端面よりも後方側における穴23内の圧力が変化することによる悪影響を防止できる。また他方の球46の先端側に接するストッパ螺子62を利用してもよい。これによって、球42,44,46等が穴23から抜け落ちることを防止できる。
第3の球44はなくてもよい。図4は、一方の球42が穴23の奥側の壁27に接触することによって、一方の球42の奥側への移動を阻止し、他方の球46の前進力に変換する実施例を示す。この実施例によっても、螺子30や螺子穴24が損傷しない範囲内の力で、治工具10をホルダ20から押し出すことができる。
図5に示すように、他方の球46に代えて、治工具10の基部側端面を部分球面14にしてもよい。これによっても図4と同様の力方向の変換作用が得られる。
図6に示すように、一方の球42を螺子30aの先端に支持してもよい。螺子の先端に球が回転可能に支持されている螺子が市販されており、それを利用することができる。これによると、螺子30aによって一方の球42が穴23の奥側に移動することが防止される。本実施例では、C-リング64によって球46が穴23から抜け落ちることを防止する。
図7に示すように、一方の球42と他方の球46の間に、一対の楔72,74を配置してもよい。これによっても、螺子30の前進力を球46の前進力に効率的に変換することができる。
また、球46を穴23の中心線上に維持するスリーブ68を付加してもよいし、スリーブ68に球46の抜け落ちを防止するストッパを形成してもよい。スリーブ68は穴52に圧入して固定する。
穴23内に収容する部材を永久磁石で形成しておくと、これらの部材が穴23から抜け落ちることを防止できる。
12:テーパ外面
20:ホルダ
22:テーパ内面
23:穴
24:螺子穴
26:雌螺子
27:奥側の壁
28:テーパ外面
30:螺子
36:雄螺子
40:一連の球
42:一方の球
44:第3の球
46:他方の球
50:ホルダ台
52:テーパ内面
54:穴
62:ストッパ螺子
64:Cリング
66:エアー抜き用の貫通孔
68:スリーブ
Claims (3)
- 治工具とホルダと螺子を備えており、
前記治工具の基部側にテーパ外面が形成されており、
前記テーパ外面に密着するテーパ内面を提供する穴が前記ホルダに形成されており、
その穴に交差する方向から前記穴に達する螺子穴が前記ホルダに形成されており、
前記穴の奥部に、少なくとも2個の球が収容されており、
前記螺子穴に前記螺子をねじこむと、
前記螺子の先端面が一方の球を押し、
その一方の球が他方の球を前記穴の内面と前記治工具の基部側端面に押し付け、
その他方の球が前記治工具の前記基部側端面を押し出し、
前記一方の球が小径であり、前記他方の球が大径であり、
前記螺子の先端に対して前記一方の球が回転可能な状態で、前記螺子が前記一方の球を支持しており、
前記一方の球が基部側に移動することを前記螺子によって阻止することを特徴とする治工具固定装置。 - 前記治工具の基部側端面に部分球に形成されており、その部分球が前記他方の球となる
請求項1の治工具固定装置。 - 前記他方の球が前記穴から抜け出ることを防止する保持機構を備えている請求項1の治
工具固定装置。
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JP2015025120A JP6611301B2 (ja) | 2015-02-12 | 2015-02-12 | 治工具固定装置 |
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