JP6610089B2 - 安定化リチウム粉及びそれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Description

本発明は、安定化リチウム粉及びそれを用いたリチウムイオン二次電池に関する。
リチウムイオン二次電池は、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池等と比べ、軽量、高容量であるため、携帯電子機器用電源として広く応用されている。また、ハイブリッド自動車や、電気自動車用に搭載される電源として有力な候補ともなっている。そして、近年の携帯電子機器の小型化、高機能化に伴い、これらの電源となるリチウムイオン二次電池への更なる高容量化が期待されている。
リチウムイオン二次電池の容量は主に電極の活物質に依存する。負極活物質には、一般に黒鉛が利用されているが、上記の要求に対応するためにはより高容量な負極活物質を用いることが必要である。そのため、黒鉛の理論容量(372mAh/g)に比べてはるかに大きな理論容量(4210mAh/g)をもつ金属シリコン(Si)が注目されている。
一方、金属シリコンよりもサイクル特性が優れる酸化シリコン(SiO)の使用も検討されている。しかし、酸化シリコンは金属シリコンに比べ不可逆容量が大きい。充放電に寄与するリチウムの量は正極中のリチウム量で一義的に決定されるため、負極における不可逆容量の増加は電池全体の容量低下に繋がる。
この不可逆容量を低減するため、充放電を開始する前にあらかじめ金属リチウムを負極に接触させ、リチウムを負極にドープする技術(リチウムプレドープ)が提案されている(例えば、特許文献1〜2参照)。特許文献1には、リチウムを含む膜を負極に形成することでリチウムを負極にドープする方法が開示されている。また、特許文献2には、リチウム粒子を負極活物質層中に含有させることでリチウムを負極にドープする方法が開示されている。
このようなドープ作業に用いるリチウムは、その反応性の高さからより安全性に優れたものが要望され、リチウム粒子の表面を大気中で安定な被膜で覆い安全性を高め、取扱いを改善した安定化リチウム粉が提案されている(特許文献3参照)。
通常、リチウムイオン二次電池に用いる負極は負極活物質を含む層を集電体上に形成した後、プレスにより密着させる工程を有するが、このプレスによって安定化リチウム粉のリチウム金属が露出することで負極へのドープが進行する。したがって、安定化リチウム粉に求められる特性は、リチウムの安定性向上のみならず、優れた電池特性を生み出すためのドープ特性も求められている。
特許第5196118号公報 特開2010−160986号公報 特許第2699026号公報
しかしながら、上記特許文献に記載されているような球状の安定化リチウム粉を用いると、被覆層を壊してリチウム粒子を露出させるには大きなプレス圧が必要となり、プレスに伴って負極にクラック等の欠陥が生じてしまい、電池にした際の初期充放電効率が劣化してしまう。
一方で、負極へのダメージを抑制するためにプレス圧を小さくすると、安定化リチウム粉が破砕しきらないためにドープが効率的に進まず、不可逆容量の低減が達成されないという問題があった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、負極へのダメージが抑制され、ドープ効率に優れた安定化リチウム粉及びこれを用いたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明にかかる安定化リチウム粉は、粒子の平均円形度をCとしたとき、C≦0.90であることを特徴としている。ここで、円形度Cは粒子の面積をS、周囲長をLとしたとき、C=4πS/Lで定義される。
この様な構成にすることにより、上述したプレス時に安定化リチウム粉への応力が一部に集中しやすくなり、小さなプレス圧でもリチウム粒子を破砕することができるので、ドープ工程作業において不可逆容量を十分に低減することが可能となり、リチウムイオン二次電池の初期充放電効率が大きく改善する。
本発明にかかる安定化リチウム粉は、さらに、粒子の平均フェレ径をFDとしたとき、FD≦53.0umであることが好ましい。ここで、フェレ径は粒子を顕微鏡等で観察したときの観察像に外接する長方形の長辺の長さで定義される。
これによれば、フェレ径を小さくすることで、粒子の破砕に必要なプレス圧をより小さくすることができ、不可逆容量を低減させることが可能となる。
本発明にかかる安定化リチウム粉は、さらに、遷移金属を1.0×10−3質量%以上、1.0×10−1質量%以下含有することが好ましい。
これによれば、遷移金属が所定の割合で存在することで安定化被膜が硬く、脆くなり、粒子がより破砕されやすくなる。これにより、不可逆容量をより低減させることが可能となる。
本発明によれば、ドープ効率に優れた安定化リチウム粉を提供でき、また、本発明の安定化リチウム粉をドープした負極を用いることで、初期充放電効率が大きく改善されたリチウムイオン二次電池を得ることが出来る。
本実施形態に係る安定化リチウム粉の光学顕微鏡写真である。 従来の安定化リチウム粉の光学顕微鏡写真である。 本実施形態のリチウムイオン二次電池の模式断面図である。
以下、本発明について本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<安定化リチウム粉>
本実施形態の安定化リチウム粉は、平均円形度Cが0.90以下である粒子形態を持っている。前記安定化リチウム粉は、金属リチウムが単一あるいは複数の安定なリチウム化合物によって被覆されている。
安定なリチウム化合物としては、炭酸塩、水酸化物、酸化物、硫化物等が挙げられ、具体的にはLiOH、LiCO、LiO、LiSなどが挙げられる。なお、これらの化合物はX線回折法やラマン分光法で同定可能である。中でも、より安全性を高めるために、上記リチウム化合物がLiOが主成分であることが好ましい。
上記安定化リチウム粉の平均円形度Cは、0.80以下であることがより好ましい。円形度が小さいほど粒子を容易に破壊することが可能となり、プレスに伴う負極へのダメージがより抑制され、優れたドープ効果が得られる。
上記安定化リチウム粉の平均フェレ径は、塗布後の電極表面での均一分散性の観点から、53.0μm以下であることが好ましく、25.0μm以下であることがより好ましい。
上記安定化リチウム粉は、安定化被膜の脆さの観点から、遷移金属を安定化リチウム粉に対し、1.0×10−3質量%以上、1.0×10−1質量%以下含有することが好ましい。より好ましくは1.0×10−3質量%以上、10.0×10−3質量%以下含有することが好ましい。かかる構成によればより優れたドープ効果が得られる。これは、異物質が存在することで安定化被膜が脆くなることによるものと考えられる。
また、前記遷移金属は安定化被膜中に含有されることが好ましい。かかる構成によればより効率的に安定化被膜が脆くなると考えられる。なお、遷移金属の定量はICP(発光分光分析法)で行えばよい。
さらに前記遷移金属は酸化されやすい金属が好ましい。例えばMg、Al、Ti、Zr,Mn、Zn、Cr、Fe、Ni、Sn、Cuが挙げられる。その中でもFeが特に好ましい。
上記安定化リチウム粉において、ドープ効率の観点から金属リチウムが80質量部以上を締めることが好ましい。プレス時に金属リチウムと負極活物質が接触しやすくなり、より優れたドープ効果が得られる。
(安定化リチウム粉の製造方法)
本実施形態の安定化リチウム粉は、炭化水素オイルにリチウムインゴットを投入し、これをリチウムの融点以上に加熱し、この溶融リチウム−炭化水素オイル混合物を十分な時間撹拌して分散液を作ったのち、撹拌を続けた状態で徐々に冷却し、この分散液が十分に冷却された状態で二酸化炭素(CO)を接触させて表面に安定化被膜を形成し、これを乾燥することによって製造される。なお、遷移金属を添加する場合には、二酸化炭素を導入時に添加すればよい。
容器には耐熱性のものを用い、容器を5〜15度傾けて撹拌を行う。回転数は1000rpm以上が好ましく、3000rpm〜10000rpmで撹拌を行うことがより好ましい。
上記炭化水素オイルは、リチウムインゴットを1質量部としたとき、溶融後の均一分散性の観点から1〜30質量部であることが好ましく、2〜15質量部であることがより好ましい。
本発明の安定化リチウム粉を作製するために必要な温度は、リチウム金属が溶融する温度以上であることが好ましい。具体的には、190℃〜250℃、好ましくは195℃〜240℃、より好ましくは200℃〜230℃である。低すぎるとリチウムが固体化しリチウムの粉末の製造が困難となり、温度が高すぎると炭化水素油の種類によっては気化が起こり、製造上扱いにくくなるためである。
上記分散液の冷却後の温度は100℃以下が好ましく、50℃以下がより好ましい。また、上記分散液は1時間以上かけて徐々に冷却することが好ましい。
上記二酸化炭素は、リチウムインゴットを1質量部としたとき、0.1〜10質量部がこの分散混合物に加えられることが好ましく、1〜3質量部であることがより好ましい。二酸化炭素はこの混合物の表面下に導入されることが好ましく、分散液を製造するために必要な激しい撹拌条件は、溶融リチウム−炭化水素オイル混合物上に導入される二酸化炭素と分散した金属リチウムとの接触をもたらするために十分であるべきである。
<負極>
上述した安定化リチウム粉を負極作製時に負極にドープし、その後リチウムイオン二次電池を完成させることにより初期充放電効率を改善させたリチウムイオン二次電池が得られる。負極20は後述するように負極用集電体22上に負極活物質層24を形成することで作製することができる。
(負極用集電体)
負極用集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、銅、ニッケル又はそれらの合金、ステンレス等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(負極活物質層)
負極活物質層24は、負極活物質、負極用バインダー、及び、必要に応じた量の負極用導電助剤から主に構成されるものである。
(負極活物質)
負極活物質としては不可逆容量が大きいものが好ましく、例えば、金属シリコン(Si)、酸化シリコン(SiO)等が挙げられる。
(負極用バインダー)
負極用バインダーは、負極活物質同士を結合すると共に、負極活物質と集電体22とを結合している。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂が挙げられる。更に、上記の他に、バインダーとして、例えば、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を用いてもよい。また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン等が挙げられる。この場合は、バインダーが導電助剤粒子の機能も発揮するので導電助剤を添加しなくてもよい。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、リチウムイオン等のイオンの伝導性を有するものを使用することができ、例えば、高分子化合物(ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物、ポリフォスファゼン等)のモノマーと、LiClO、LiBF、LiPF等のリチウム塩又はリチウムを主体とするアルカリ金属塩と、を複合化させたもの等が挙げられる。複合化に使用する重合開始剤としては、例えば、上記のモノマーに適合する光重合開始剤または熱重合開始剤が挙げられる。
負極活物質層24中のバインダーの含有量も特に限定されないが、負極活物質の質量に対して0.5〜5質量部であることが好ましい。
(負極用導電助剤)
負極用導電助剤も、負極活物質層24の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、黒鉛、カーボンブラック等の炭素系材料や、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、炭素材料及び金属微粉の混合物、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
(負極の製造方法)
上記安定化リチウム粉を溶媒に分散させた分散液を、負極用集電体上に形成した負極活物質層の上に塗布し、乾燥後にこれをプレスすることで負極活物質へのリチウムのドープが進行し、リチウムドープされた負極が完成する。
上記分散液の溶媒としては蒸気圧が高いものが好ましく、例えば、ノルマルヘプタン、ノルマルヘキサン、メチルエチルケトン等が挙げられる。
上記プレス方法としては特に限定は無く、ハンドプレスやローラープレス等、既知の方法を使うことが可能である。
<リチウムイオン二次電池>
図3に本実施形態のリチウムイオン二次電池の模式断面図を示す。
上記の通りリチウムドープして作製された負極20と、正極10と、電解質を含浸させたセパレータ18とを図3のように作製することでリチウムイオン二次電池100を作製することができる。ここで、正極10は、正極用集電体12上に正極活物質層14を形成することで作製することができ、負極20は、負極用集電体22上に負極活物質層24を形成することで作製することができる。なお、図面中62と60は、それぞれ正極と負極の引出し電極を示す。
<正極>
(正極用集電体)
正極用集電体12は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム又はそれらの合金、ステンレス等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(正極活物質層)
正極活物質層14は、正極活物質、正極用バインダー、及び、必要に応じた量の正極用導電助剤から主に構成されるものである。
(正極活物質)
正極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、リチウムイオンと該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF6−)とのドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNiCoMnMaO(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMPO(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNiCoAl(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物が挙げられる。
(正極用バインダー)
正極用バインダーとしては特に限定は無く、上記で記載した負極用バインダーと同様のものを用いることが出来る。
(正極用導電助剤)
正極用導電助剤としては特に限定は無く、上記で記載した負極用導電助剤と同様のものを用いることが出来る。
<電解質>
電解質は、正極活物質層14、負極活物質層24、及び、セパレータ18の内部に含有させるものである。電解質としては、特に限定されず、例えば、本実施形態では、リチウム塩を含む電解液を使用することができる。
前記電解液としては高い電圧で作動可能な有機溶媒を使用することが好ましく、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、等の非プロトン性高誘電率溶媒や、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、等の酢酸エステル類あるいはプロピオン酸エステル類等の非プロトン性低粘度溶媒が挙げられる。更に、これらの非プロトン性高誘電率溶媒と非プロトン性低粘度溶媒は適当な混合比で併用されて使用することが望ましい。
また、前記有機溶媒としてイミダゾリウム、アンモニウム、及びピリジニウム型のカチオンを用いたイオン性液体を使用しても良い。対アニオンは特に限定されるものではないが、BF 、PF 、(CFSO等が挙げられ、前述の有機溶媒と混合して使用しても良い。
前記リチウム塩としては特に限定されず、リチウムイオン二次電池の電解質として用いられるリチウム塩を用いることが出来る。例えば、LiPF、LiBF、LiClO、LiFSI、LiBOB等の無機酸陰イオン塩、LiCFSO、(CFSONLi等の有機酸陰イオン塩等を用いることが出来る。
更に、前記リチウム塩の濃度は、電気伝導性の点から、0.5〜2.0Mが好ましい。なお、この電解質の温度25℃における導電率は0.01S/m以上であることが好ましく、リチウム塩の種類あるいはその濃度により調整される。
電解質を固体電解質やゲル電解質とする場合には、ポリ(ビニリデンフルオライド)等を高分子材料として含有することが可能である。
更に、本実施形態の電解液中には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、サイクル寿命向上を目的としたビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネート等や、過充電防止を目的としたビフェニル、アルキルビフェニル等や、脱酸や脱水を目的とした各種カーボネート化合物、各種カルボン酸無水物、各種含窒素及び含硫黄化合物が挙げられる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
(安定化リチウム粉の作製)
ステンレススチール樹脂容器に関東化学社のリチウムインゴット100gおよびWitco社のCarnation炭化水素オイルを加え、容器内を乾燥アルゴンで置換した。次いでこの反応器を200℃まで加熱し、リチウムインゴットを溶融させた。溶融状態でこの混合物を10分間、容器を5°傾けた状態で8000rpmの回転速度で撹拌した後、撹拌を維持したまま1時間かけて室温まで冷却した。冷却後、二酸化炭素5gを攪拌を続けたまま5分間掛けて表面に供給して充填した。二酸化炭素が全て添加された時にこの攪拌を中止し、得られた粉末をヘキサンで洗浄することで安定化リチウム粉を得た。光学顕微鏡で撮影した実施例1の安定化リチウム粉の写真を図1に示す。
(負極の作製)
酸化シリコン(SiO)83質量部、アセチレンブラック2質量部、ポリアミドイミド15質量部、N−メチルピロリドン100質量部を混合し、負極活物質層形成用のスラリーを調製した。このスラリーを、集電体として厚さ14μmの銅箔の一面に、負極活物質の塗布量が2.0mg/cmとなるように塗布し、100℃で乾燥することで負極活物質層を形成した。その後、ローラープレスによって加圧成形し、真空中、350℃で3時間熱処理することで、負極活物質層の厚さが22μmである負極を得た。
上記の方法で得られた負極の上に、上記安定化リチウム粉100質量部をメチルエチルケトン100質量部に分散させた分散液を、安定化リチウム粉の塗布量が0.5mg/cmとなるように塗布し、100℃で乾燥を行った。その後、ハンドプレスで10kgf/cmの圧力をかけ負極へリチウムをドープさせ、リチウムドープされた負極を得た。このとき負極へのダメージは一切なかった。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製した負極と、正極として銅箔にリチウム金属箔を貼り付けた対極とを、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んでアルミラミネートパックに入れ、このアルミラミネートパックに、電解液として1MのLiPF溶液(溶媒:エチレンカーボネート(EC)/ジエチルカーボネート(DEC)=3/7(体積比))を注入した後、真空シールし、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
<平均フェレ径及び平均円形度の測定>
上記で作製した安定化リチウム粉について、光学顕微鏡を用いて粒子を観察した。得られた観察像を、画像解析ソフト(ソフト名:ImageJ)による画像解析によって粒子のフェレ径と円形度を求めた。最低500個以上の粒子に対して上記画像解析を行い、合成した安定化リチウム粉の平均フェレ径と平均円形度を求めた。なお、フェレ径は観察像に外接する長方形の長辺の長さ、また、円形度Cは粒子の面積をS、周囲長をLとしたとき、C=4πS/Lで定義される。
<初期充放電効率の測定>
上記で作製した評価用リチウムイオン二次電池について、二次電池充放電試験装置(北斗電工株式会社製)を用い、温度25℃の恒温槽中で電圧範囲を0.005Vから2.5Vまでとし、1C=1600mAh/gとしたときの0.05Cでの電流値で充放電を行った。これにより、初期充電容量、初期放電容量が得られ、これより初期充放電効率を求めた。なお、初期充放電効率(%)は、初期充電容量に対する初期放電容量の割合(100×初期放電容量/初期充電容量)である。この値が高いほど、不可逆容量が低減されており、優れたドープ効果が得られていることを意味する。安定化リチウム粉の平均フェレ径、平均円形度の結果と合わせて表1に示す。
[実施例2〜14]
安定化リチウム粉の製造条件を下記表1に示すものに変更した以外は実施例1と同様として、実施例2〜14の安定化リチウム粉を得た。また、得られた安定化リチウム粉を用いて、実施例1と同様にして実施例2〜14の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
実施例2〜14の評価用リチウムイオン二次電池に対し、実施例1に記載される各種試験を実施した結果を表1に示す。実施例1と同様に、実施例2〜14を含めた全ての試料で負極へのダメージは一切なく、また、高い初期充放電効率を示し、平均円形度、平均フェレ径を制御したことでさらに優れたドープ性能を示す安定化リチウム粉が得られた。
[実施例15〜17]
安定化リチウム粉の製造条件を、二酸化炭素の供給と同時に、市販のFeの粉末を表2の濃度になるように添加した以外は実施例1と同様にして、実施例15〜17の安定化リチウム粉を得た。また、得られた安定化リチウム粉を用いて、実施例1と同様にして実施例15〜17の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
実施例15〜17の評価用リチウムイオン二次電池に対し、実施例1に記載される各種試験を実施した結果を表2に示す。実施例15〜17では、実施例1よりも優れた初期充放電効率を示しており、Feの量を好適な値に制御することでより優れたドープ性能を示す安定化リチウム粉が得られた。
[比較例1]
市販のFMC社の安定化リチウム粉(商品名:SLMP)を用いて、実施例1と同様にして比較例1の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。また、光学顕微鏡で撮影した比較例1の安定化リチウム粉の写真を図2に示す。図2よりこの安定化リチウム粉は真球であることが確認できる。
[比較例2]
安定化リチウム粉の製造条件を下記表1に示すものに変更した以外は実施例1と同様として、比較例2の安定化リチウム粉を得た。また、得られた安定化リチウム粉を用いて、実施例1と同様にして比較例2の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
Figure 0006610089
Figure 0006610089
本発明の安定化リチウム粉によれば、ドープ効率を改善することが可能となる。また、上記製造方法で得られた電極を用いることで、初期充放電効率が改善されたリチウムイオン二次電池を提供することができる。
また、本発明の安定化リチウム粉はリチウムイオン二次電池用途に限定されるものではなく、リチムイオンキャパシタ、EDLC(電気二重層キャパシタ)などの電気化学デバイスにも適用可能である。

Claims (3)

  1. 粒子の平均円形度をCとしたとき、C≦0.90であって、
    前記粒子が遷移金属を1.0×10 −3 質量%以上、1.0×10 −1 質量%以下含有することを特徴とする安定化リチウム粉。
  2. 前記粒子の平均フェレ径をFDとしたとき、FD≦53.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の安定化リチウム粉。
  3. 請求項1または2に記載の安定化リチウム粉を用い負極にドーピングを施した負極と、正極と、電解質と、を有するリチウムイオン二次電池。
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