JP6607616B2 - 植物において組み換えタンパク質の高発現を可能にする5’utrをコードするdna分子 - Google Patents

植物において組み換えタンパク質の高発現を可能にする5’utrをコードするdna分子 Download PDF

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Description

本発明は、植物において組み換えタンパク質の高発現を可能にする5'UTRをコードするDNA分子に関する。また、本発明は、当該DNA分子がタンパク質をコードするポリヌクレオチドに連結してなる核酸構築物、当該核酸構築物を含む発現ベクター、当該発現ベクターを有する形質転換体、並びに当該形質転換体を利用した組み換えタンパク質の製造方法に関する。
従来、植物に対する外来遺伝子の導入技術が確立され、また、その高発現システムも構築されており、植物を用いた組み換えタンパク質の製造が盛んに行われている。しかしながら、植物を利用した組み換えタンパク質の製造では、製造効率の点では十分に満足できるものではなく、更なる改善が望まれている。
植物における遺伝子発現は、転写過程と翻訳過程に大別されるが、翻訳の開始反応がタンパク質の製造の律速になっていることが知られている(非特許文献1)。翻訳過程翻訳は、mRNAの5'末端に位置するCap構造に翻訳開始因子が結合し、リボソームの40Sサブユニットが5'非翻訳領域(5'UTR)にリクルートされることによって開始される。リボソームのmRNAへのリクルート効率が翻訳効率に大きく影響するため、その足場となる5'UTRはmRNAの翻訳効率を規定する非常に重要な要因になっている。
また、温度、浸透圧、塩濃度等の環境ストレスや、栄養飢餓ストレス等を受けると、植物におけるタンパク質生産が低下することがあるが、このようなストレス下におけるタンパク質生産の低下も、5'UTRによる翻訳効率の低下が要因になっていることが報告されている。近年、このようなストレス下でも翻訳が抑制されない5'UTRが見出され、植物によるタンパク質生産に利用することが試みられている(例えば、特許文献1及び2)。しかしながら、特許文献1及び2に報告されている5'UTRは、ストレス下での翻訳抑制を回避するものであり、非ストレス環境におけるタンパク質の生産量自体を増大させるものではない。
一方、植物におけるタンパク質生産は、環境ストレスや栄養飢餓ストレスだけでなく、成長段階や発達段階でも、大きく変化することが知られている。具体的には、成長や発達に伴い、多くのmRNAでは翻訳状態が悪くなるが、活発に翻訳されているmRNAも存在している。しかしながら、従来、成長段階や発達段階に応じた翻訳状態に着目して、高効率にタンパク質を製造できる5'UTRの検討は行われていない。
Gebauer, F. and Hentze, M.W., 2004, Molecular mechanisms of translational control,Nat. Rev. Mol. Cell Biol., 5: 827-835
国際公開第2011/021666号 国際公開第2013/031821号
本発明の目的は、植物において、組み換えタンパク質の高発現を可能にする5'UTRをコードするDNA分子を開発し、効率的に組み換えタンパク質を製造する技術を提供することである。
本発明者は、前記課題を解決すべく、シロイヌナズナを用いて、幼植物体・成長した植物体・未展開葉・展開葉等の成長段階や発達段階に応じて全mRNA種の翻訳状態を解析したところ、配列番号1〜4に示す塩基配列からなる5'UTR又を含むmRNAが、全ての成長及び発達段階において活発に翻訳されていることを見出した。また、本発明者は、タンパク質をコードするポリヌクレオチドに当該5'UTR又はその改変体を連結した核酸構築物を使用することによって、組み換えタンパク質を効率的に製造できることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて更に検討を重ねることにより完成したものである。
即ち、本発明は、下記に掲げる態様の発明を提供する。
項1. 以下の(i)〜(iii)のいずれかに示すポリヌクレオチドからなることを特徴とする、5'UTRをコードするDNA分子:
(i)配列番号1又は2に示す塩基配列からなるポリヌクレオチド、
(ii)配列番号1又は2に示す塩基配列において、1又は数個の塩基が置換、欠失若しくは付加された塩基配列からなり、且つ配列番号1又は2に示す塩基配列からなるポリヌクレオチドと同等の5'UTR活性を示すポリヌクレオチド、
(iii)配列番号1又は2に示す塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNA断片とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つ配列番号1又は2に示す塩基配列からなるポリヌクレオチドと同等の5'UTR活性を示すポリヌクレオチド。
項2. 配列番号1〜6のいずれかに示す塩基配列からなるポリヌクレオチドからなる、項1に記載のDNA分子。
項3. 項1又は2に記載のDNA分子が、タンパク質をコードするポリヌクレオチドの5'末端側に連結されている、核酸構築物。
項4. 項3の記載の核酸構築物を含む、ベクター。
項5. 項4に記載のベクターを植物又は植物細胞に導入する、形質転換体の製造方法。
項6. 項4に記載のベクターで、植物又は植物細胞が形質転換されてなる、形質転換体。
項7. 項6に記載の形質転換体を培養又は栽培する、組み換えタンパク質の製造方法。
本発明によれば、植物を利用した組み換えタンパク質の製造において、5'UTRによる翻訳効率が向上しており、効率的に組み換えタンパク質を製造することが可能になる。また、植物を利用した組み換えタンパク質の製造では、通常、植物の成長や発達が進むにつれて、組み換えタンパク質の製造効率が低下する傾向を示すが、本発明によれば、植物の成長や発達が進んだ段階でも、翻訳効率が低下するのを抑制し、組み換えタンパク質の産生能を維持させることができることが期待される。
ポリソーム/マイクロアレイ解析の概念図とPR値の計算方法を示す図である。 PR(Polysome Ratio)値の高い候補mRNAの転写開始点と分布率を示す図である。図2において、横軸の数字は開始コドンAUGからの塩基数、縦軸はそれぞれの転写開始点の総タグ数に対する相対比率を示す。 DNA一過性発現実験に使用した試験プラスミドDNAの概略を示す図である。 DNA一過性発現実験に使用した対照プラスミドDNAの概略を示す図である。 シロイヌナズナプロトプラストを用いてDNA一過性発現実験を行った結果を示す図である。 アグロインフィルトレーションに用いたバイナリーベクターの概略を示す図である。 アグロインフィルトレーションに用いた対象バイナリーベクターの概略を示す図である。 タバコ植物体を用いてアグロインフィルトレーションによる候補5'UTRの翻訳能力を評価した結果を示す図である。 シロイヌナズナ植物体を用いて、成長段階における候補5'UTRの翻訳能力を評価した結果を示す図である。 シロイヌナズナ植物体を用いて、発達段階における候補5'UTRの翻訳能力を評価した結果を示す図である。
以下、本発明について、さらに詳細に説明する。なお、本明細書におけるアミノ酸、ペプチド、塩基配列、核酸などの略号による表示は、IUPAC、IUBの規定、「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書などの作成のためのガイドライン」(特許庁編)及び当該分野における慣用記号に従うものとする。特に、DNAはデオキシリボ核酸を表し、RNAはリボ核酸を表し、mRNAはメッセンジャーRNAを表す。
また、遺伝子操作等の分子生物学的操作については、適宜公知の方法を用いることができる。例えば、特に断りのない限り、Molecular Cloning: A Laboratory Manual 3rd Edition(Cold Spring Harbor Laboratory Press)等に記載の方法に従って行うことができる。
(1)5'UTRをコードするDNA分子
本発明のDNA分子は、5'UTRをコードするDNA分子であって、以下の(i)〜(iii)のいずれかに示すポリヌクレオチドからなることを特徴とする。
(i)配列番号1又は2に示す塩基配列からなるポリヌクレオチド、
(ii)配列番号1又は2に示す塩基配列において、1又は数個の塩基が置換、欠失若しくは付加された塩基配列からなり、且つ配列番号1又は2に示す塩基配列からなるポリヌクレオチドと同等の5'UTR活性を示すポリヌクレオチド、
(iii)配列番号1又は2に示す塩基配列と相補的な塩基配列からなるDNA断片とストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、且つ配列番号1又は2に示す塩基配列からなるポリヌクレオチドと同等の5'UTR活性を示すポリヌクレオチド。
前記(i)のポリヌクレオチドの内、配列番号1に示す塩基配列からなるポリヌクレオチドは、シロイヌナズナのAt1g20440遺伝子において5'UTRをコードするDNA分子である。また、前記(i)のポリヌクレオチドの内、配列番号2に示す塩基配列からなるポリヌクレオチドは、シロイヌナズナのAt1g06760遺伝子において5'UTRをコードするDNA分子である。
前記(ii)のポリヌクレオチドにおいて、置換、欠失若しくは付加される塩基の数については、1又は数個であればよいが、具体的には1〜15個、好ましくは1〜10個、更に好ましくは1〜8個、特に好ましくは1〜8個、1〜7個、1〜6個、1〜5個、1〜4個、1〜3個、1又は2個、或いは1個が挙げられる。
前記(iii)のポリヌクレオチドにおいて、「ストリンジェントな条件」とは、配列類似性が高い一対のポリヌクレオチドが特異的にハイブリダイズできる条件を意味する。配列類似性が高い一対のポリヌクレオチドとは、例えば80%以上、好ましくは90%以上、更に好ましくは95%、特に好ましくは98%以上の同一性を有するポリヌクレオチドを意味する。一対のポリヌクレオチド間の同一性は、Blastの相同性検索ソフトウェアをデフォルトの設定で利用して算出することができる。また、「ストリンジェントな条件」とは、具体的には、5×SSC(83mM NaCl、83mMクエン酸ナトリウム)を用いて42℃での温度条件下でハイブリダイズさせる条件が挙げられる。
また、前記(ii)及び(iii)のポリヌクレオチドにおいて、「配列番号1又は2に示す塩基配列からなるポリヌクレオチドと同等の5'UTR活性を示す」とは、(ii)のポリヌクレオチドを5'UTRとして使用して植物(植物細胞を含む)による組み換えタンパク質の製造を行った場合に、配列番号1又は2に示す塩基配列からなるポリヌクレオチドを5'UTRとして使用した場合に比べて、組み換えタンパク質の発現量が同等であることを意味する。具体的には、配列番号1又は2に示す塩基配列からなるポリヌクレオチドを5'UTRとして使用して組み換えタンパク質の製造を行った際の組み換えタンパク質の発現量を100%とすると、前記(ii)及び(iii)のポリヌクレオチドを5'UTRとして使用して組み換えタンパク質の製造を行った場合に、組み換えタンパク質の発現量が、80%以上、好ましくは85〜120%、更に好ましくは90〜120%、特に好ましくは95〜120%であることを指す。
前記(ii)及び(iii)のポリヌクレオチドの好適な一例として、配列番号1に示す塩基配列の5'末端側に1つの塩基Cが付加されたポリヌクレオチド(配列番号3)、及び配列番号1に示す塩基配列の5'末端側に2つの塩基ACが付加されたポリヌクレオチド(配列番号4)が挙げられる。
更に、5'UTRは、3'末端側の塩基配列(即ち、開始コドン近傍の塩基配列)が翻訳効率に影響を与えることが知られており、前記(ii)及び(iii)のポリヌクレオチドの好適な一例として、配列番号1又は2に示す塩基配列において、3'末端側から数えて1〜5番目の塩基、好ましくは1〜3番目の塩基、更に好ましくは1〜2番目の塩基が他の塩基に置換されているものが挙げられる。組み換えタンパク質の製造効率をより一層向上させるという観点から、かかる態様の(ii)及び(iii)のポリヌクレオチドとして、具体的には、配列番号2に示す塩基配列の76番目の塩基CがAに置換された塩基配列からなるもの(配列番号6)、配列番号1に示す塩基配列の105及び106番目の塩基CTがAGに置換された塩基配列からなるもの、配列番号3に示す塩基配列の106及び107番目の塩基CTがAGに置換された塩基配列からなるもの(配列番号5)、配列番号4に示す塩基配列の107及び108番目の塩基CTがAGに置換された置換された塩基配列からなるものが挙げられる。
前記(i)のポリヌクレオチドは、シロイヌナズナから公知の手法に従って取得することができるが、化学合成によって得ることもできる。また、前記(ii)及び(iii)のポリヌクレオチドは、前記(i)のポリヌクレオチドを公知の遺伝子工学的手法を用いて改変することによって得ることができ、また化学合成によって得ることもできる。
前記(i)〜(iii)のポリヌクレオチドは、植物における組み換えタンパク質の製造において、5'UTRとして、組み換えタンパク質をコードするポリヌクレオチドの5'末端側に連結して使用される。
(2)前記DNA分子を含む核酸構築物
本発明の核酸構築物は、前記(i)〜(iii)のポリヌクレオチドが、タンパク質をコードするポリヌクレオチドに連結してなることを特徴とする。
本発明の核酸構築物において、前記(i)〜(iii)のポリヌクレオチドは、5'UTRとして機能するため、タンパク質をコードするポリヌクレオチドの5'末端側に連結されていればよい。
本発明の核酸構築物において、コードされているタンパク質の種類については、特に制限されず、組み換えタンパク質として製造が求められるものであればよいが、例えば、薬理活性を有するタンパク質が挙げられる。具体的には、酵素、転写因子、サイトカイン、膜結合タンパク質、各種ペプチドホルモン(例えば、インスリン、成長ホルモン、ソマトスタチン)、ワクチンや抗体などの医療用タンパク質等が挙げられる。また、本発明の核酸構築では、必要に応じて、前記タンパク質をコードするポリヌクレオチドに、GFPやルシフェラーゼ等のレポータータンパク質、HisタグやFLAG(登録商標)タグ等のタグペプチド等をコードするポリヌクレオチドが連結されていてもよい。
本発明の核酸構築物において、タンパク質をコードしているポリヌクレオチドは公知のものを用いることができる。このようなポリヌクレオチドの塩基配列は、例えばNCBI(National Center for Biotechnology Information)が運営する配列データベースGenBank等のデータベースから入手することができる。当該塩基配列情報を基に、例えばPCR等の常法により各種生物から、タンパク質をコードしているポリヌクレオチドを単離できる。また、各販社から例えばcDNAライブラリー等の形態で当該ポリヌクレオチドが販売されており、これを購入して用いることもできる。
本発明の核酸構築物において、コードされているタンパク質の由来については、特に制限されず、導入される宿主と同種又は異種の外来タンパク質であればよい。また、本発明の核酸構築物において、導入される宿主のコドン使用頻度が公知であれば、タンパク質をコードしているポリヌクレオチドの塩基配列を当該宿主に好適なコドン使用頻度に適合するよう変更してもよい。
(3)前記核酸構築物を含むベクター
本発明のベクター(発現ベクター)は、前記核酸構築物を、ベクター内で発現可能に連結することによって得ることができる。より具体的には、本発明のベクターは、プロモーター配列を備えたベクターに、前記核酸構築物をプロモーターの転写開始点直後に連結することにより得ることができる。
前記核酸構築物を挿入するためのベクターは、宿主中で複製可能であることを限度として特に制限されないが、例えば、プラスミドベクター、コスミドベクター、ウイルスベクター、人工染色体ベクター(例えばYAC、BAC、PAC)等が挙げられる。これらの中でも、好ましくは、プラスミドベクター、ウイルスベクターが挙げられる。とりわけ、植物(植物細胞含む)において組み換えタンパク質をより一層効率的に発現させるという観点から、より好ましくはアグロバクテリウム由来のプラスミド、特に好ましくはアグロバクテリウム由来でT−DNAを有するプラスミド(Ti−プラスミド)が挙げられる。
本発明において、ベクターはプロモーター配列を有するものを用いる。プロモーター配列は、宿主の種類に応じて、適宜適切なものを選択して用いればよいが、例えば、カリフラワーモザイクウイルス由来のプロモーターであるCaMV35Sプロモーター等が挙げられる。
また、前記核酸構築物を挿入するためのベクターには、薬剤耐性遺伝子等の選抜マーカーとして利用できる遺伝子が含まれていてもよい。
前記核酸構築物を挿入するためのベクターは、公知のもの、各販社から市販されているもの等を用いることができる。
前記核酸構築物をベクターに組み込んで連結するには、公知の遺伝子工学的手法に従って行うことができる。例えば、前記核酸構築物を、制限酵素サイトを付加したプライマーを用いてPCR法により増幅させ、これを制限酵素で処理し、制限酵素処理済みベクターへと連結させて導入することができる。
なお、本発明のベクターは、プロモーターの転写開始点直後に前記核酸構築物を連結させたものであるが、例えば上記制限酵素を利用したクローニング手法では、プロモーター配列と前記核酸構築物との連結部に制限酵素サイトが存在することになる。このような場合は、例えば当該制限酵素サイトを除くようインバースPCRを行い、得られる増幅産物をセルフライゲーションさせることにより、連結部に存在する制限酵素サイトを除いたベクターを作製してもよい。なお、この場合、当該インバースPCRに用いるプライマーセットは、PCR増幅産物がセルフライゲーションできるように設計することが好ましい。また、セルフライゲーションには例えばリガーゼを用いればよい。
なお、前記核酸構築物をプロモーター配列の「転写開始点直後に連結する」とは、宿主内で、前記核酸構築物においてタンパク質をコードしているポリヌクレオチドを転写させた際に、生成するmRNAの5'端(即ち5'UTR末端)に、0、1、2、又は3塩基(好ましくは0、1、又は2塩基)のプロモーター配列から転写された塩基が結合した転写産物が得られるように、前記核酸構築物とプロモーター配列を連結させることをいう。即ち、プロモーター配列と前記核酸構築物の間に余分な塩基配列が存在しないように連結させる、ともいえる。このようにプロモーター配列と前記核酸構築物とが直接連結していても、遺伝子発現の際にはプロモーター配列の塩基が少数(例えば1、2、又は3塩基)転写される場合があり、このような転写が起こるベクターも本発明のベクターに含まれる。
(4)前記ベクターを含む形質転換体
本発明の形質転換体は、本発明のベクターを植物又は植物細胞に導入することによって得ることができる。
宿主として使用される植物の種類については、特に制限されないが、例えば、双子葉植物が挙げられる。より具体的にはシロイヌナズナ、タバコ、ダイズ、キク、レタス等が挙げられる。
また、宿主として使用される植物細胞の種類についても、特に制限されないが、例えば、双子葉植物由来細胞が挙げられる。より具体的には、シロイヌナズナ由来細胞、タバコ由来細胞、ダイズ由来細胞、キク由来細胞、レタス由来細胞等が挙げられる。また、植物細胞由来のプロトプラストも、植物細胞に含まれる。また、形質転換された植物細胞を培養して得られる植物体も本発明の形質転換体に含まれる。
なお、形質転換の結果腫瘍組織やシュート、毛状根などが得られる場合は、そのまま細胞培養、組織培養又は器官培養に用いることが可能である。また従来知られている植物組織培養法を用い、適当な濃度の植物ホルモン、例えば、オーキシン、サイトカイニン、ジベレリン、アブシジン酸、エチレン、ブラシノライド等の投与などにより植物体に再生させることができる。また、形質転換植物細胞を用いることにより、形質転換植物体を再生することもできる。再生方法としては、カルス状の形質転換細胞をホルモンの種類、濃度を変えた培地へ移して培養し、不定胚を形成させ、完全な植物体を得る方法が採用される。使用する培地としては、LS培地、MS培地等が挙げられる。
また、前記ベクターを宿主に導入する方法は、特に制限されず、宿主及びベクターの種類に応じて適宜適切な公知の方法を選択して用いることができるが、例えば、エレクトロポレーション法、パーティクルガン法、Tiプラスミドを用いた方法(例えばバイナリーベクター法、リーフディスク法)等挙げられる。
ベクターが宿主に組み込まれたか否かの確認は、PCR法、サザンハイブリダイゼーション法、ノーザンハイブリダイゼーション法等により行うことができる。例えば、形質転換体からDNAを調製し、ベクター特異的プライマーを設計してPCRを行う。その後は、増幅産物についてアガロースゲル電気泳動、ポリアクリルアミドゲル電気泳動又はキャピラリー電気泳動等を行い、臭化エチジウム、SYBR Green液等により染色し、そして増幅産物を1本のバンドとして検出することにより、形質転換されたことを確認する。また、予め蛍光色素等により標識したプライマーを用いてPCRを行い、増幅産物を検出することもできる。さらに、マイクロプレート等の固相に増幅産物を結合させ、蛍光又は酵素反応等により増幅産物を確認する方法も採用してもよい。
本発明の形質転換体は、前記ベクターで形質転換されているため、タンパク質をコードしているポリヌクレオチドから、そのmRNAの転写、当該タンパク質の翻訳が行われる。上述の通り、前記(i)〜(iii)のポリヌクレオチドを5'UTRとして使用することにより、植物又は植物細胞において組み換えタンパク質の効率的な発現が可能になっているので、本発明の形質転換体を培養又は栽培することによって、組み換えタンパク質を効率的に製造することができる。本発明の形質転換体を培養又は栽培した後に、公知の手法で、組み換えタンパク質を回収、精製等することにより、組み換えタンパク質が得られる。
以下、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されるものではない。先ず、実験に用いた材料について記述し、その次に具体的な実験内容及び結果を記載する。
1.使用植物及び培養細胞
以下の検討には、次の植物体及び培養細胞を用いた。
1−1.シロイヌナズナ植物体
シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana Columbia-0 (Col-0))の種子を5%次亜塩素酸ナトリウム、0.05%Triton-X溶液で10分間滅菌後、滅菌蒸留水で置換し、冷蔵庫(MPR-514, Panasonic, Osaka, Japan)にて2日間4℃暗所で春化処理を行った後、GM培地に蒔き生育条件に移行した日を発芽0日目とした。22℃で、16時間明期/8時間暗期条件のグロースチャンバー(BIOTRON, NK system, Osaka, Japan)で育成した。
1−2.シロイヌナズナT−87培養細胞
シロイヌナズナ培養細胞(Arabidopsis thaliana T87)は理化学研究所ジーンバンク室植物開発銀行より分与していただいたものを使用した。培養は22℃で、24時間明期、振とう速度80rpm(SLK-3-FS, NK system)の条件で行い、95mLの改変LS培地(Nagata, T., Nemoto, Y., Hasezawa, S. (1992). Tobacco BY-2 cell line as the HeLa cell in the cell biology of higher plants. Int. Rev. Cytol. 132, 1-30.)を300mL容の三角フラスコに入れ使用した。一週間ごとに定常期に達した細胞8mLを新しい培地95mLに移植し継代培養を行った。
2.タバコ植物体
タバコ(Nicotiana benthamiana)は、北海道産業技術総合研究所から供与して頂いたものを使用した。滅菌はシロイヌナズナ植物体と同様の方法で行い、滅菌時間のみ30分にした。春化処理の方法もシロイヌナズナ植物体と同じである。春化処理後、土(園芸培土, 日本肥糧株式会社, Tokyo, Japan)を入れたポットに種を撒き発芽させ、温室にて育成し、発芽14日目に1植物体ごとを新たなポットに植え替え生育させた。
3.実験内容及び結果
3−1.mRNAの翻訳状態の評価法としてのポリソーム/マイクロアレイ解析
一般的にmRNAの翻訳状態は、mRNAに多数のリボソームが結合していれば翻訳が活発に行われており(ポリソーム)、リボソームが結合していなければ翻訳が行われていない(ノンポリソーム)というように、mRNAに結合するリボソームの数を指標として判断されている(Bailey-Serres, J., Sorenson, R., Juntawong, O. (2009). Getting the message across: cytoplasmic ribonucleoprotein complex. Trends Plant Sci. 14:443-453)。このような手法はポリソーム解析と呼ばれており、DNAマイクロアレイ解析と組み合わせることでmRNAの翻訳状態をゲノムスケールで評価することができる。
3−2.翻訳状態の指標としてのPR値
PR(Polysome Ratio)値とは、それぞれのmRNAの全mRNA量に対してのポリソーム画分に存在する量の比を数値化した値であり、翻訳状態を表す指標の一つである。mRNAのPR値が高い程、活発に翻訳されていると推測される。そこで、成長段階及び発達段階が異なるシロイヌナズナ植物体から試料を調製し、ポリソーム/マイクロアレイ解析を行い、各試料における全mRNA種のPR値を算出した。その概念図を図1に示す。
3−3.ショ糖密度勾配遠心を利用したポリソーム解析
ショ糖密度勾配遠心を利用したポリソーム解析は、若干の改変を加えた以外は基本的にDaviesらの方法に従って行った(Davies, E., and Abe, S. (1995). Methods for isolation and analysis of polyribosomes. Methods Cell Biol. 50, 209-222.)。成長段階の異なる試料として、発芽2日目(幼植物体)と21日目(成長した植物体)の全植物体を、発達段階の異なる試料としては、発芽21日目の最も若い葉を第1葉とし、第1〜3葉を未展開葉、第6〜8葉を展開葉としてハサミで切りとり、液体窒素を入れた乳鉢に入れ、破砕を行い−80℃で保存した。サンプル破砕粉末におおよそ2倍量(w/v)のExtraction Buffer(200 mM Tris-HCl, pH8.5, 50 mM KCl, 25 mM MgCl2, 2 mM EGTA, 100 μg/mL heparin, 100 μg/mL cycloheximide, 2% polyoxyethylene 10-tridecyl ether, and 1% sodium deoxycholate)を加え、緩やかに懸濁した。遠心(14,000×g, 15 min, 4℃)により細胞残さを除き、更に遠心(14,000×g, 10 min, 4℃)し、その上清をRNA粗抽出液とした。この粗抽出液をExtraction BufferによりRNA濃度200ng/μL〜800ng/μLに調整し、予め作製した26.25〜71.25%ショ糖密度勾配液(ショ糖, 200 mM Tris-HCl, 200 mM KCl, 200 mM MgCl2)4.85mL上に300μL重層し、超遠心を行った(SW55Ti rotor, 55,000 rpm, 50 min, 4℃, brake-off)(Optima, Beckman Coulter, California, USA)。ピストン・グラジェント・フラクショネーター(BioComp, Churchill Row, Canada)によってショ糖密度勾配の上部より約1mL/minの速さで吸引すると同時に、BIO-MINI UV MONITOR AC-5200(ATTO, Tokyo, Japan)を用いて254nmの吸光度を記録した。
3−4.マイクロアレイ解析用RNAの抽出
超遠心後のショ糖密度勾配液を8つの画分に分画し、1〜3番目の画分(底側が1番)を混合したポリソーム画分と1〜8番目を混合したトータル画分から、それぞれポリソームRNA、トータルRNAを抽出した。それぞれの画分には終濃度5.5Mになるように8Mグアニジン塩酸塩を予め加えたチューブに回収した。この時、Two-Color RNA Spike-In Kit(Agilent Technologies, USA)に含まれるspike mix Aをポリソーム画分に、spike mix Bをトータル画分にそれぞれ加えた。それぞれのspike mixには、in vitro合成されたポリA配列をもつ10種類の転写産物が、200倍のダイナミックレンジでかつ既知の量比で混合されている。また、それらの転写産物に対応するスポットが本研究で使用したAgilent oligoarray(Arabidopsis 3 oligo microarray 44K; Agilent Technologies)に存在する。RNA spike-inはショ糖密度勾配遠心液を回収すると同時に加えているため、その後のRNA精製やラベリング、ハイブリダイゼーション(後述)などの過程を経ることになる。従って、RNA spike-inに対応するスポットのシグナル値を用いた補正を行うことにより、ショ糖密度勾配における実際のRNA比率(ポリソームRNA vs. トータルRNA)を試算することが可能となる(Melamed, D., and Arava, Y. (2007). Genome-wide analysis of mRNA polysomal profiles with spotted DNA microarrays. Methods Enzymol. 431: 177-201.)。ショ糖溶液及びグアニジン塩酸塩の混合液に対し等量の100%エタノールを加え、−20℃にて一晩冷却した後、遠心操作(20,000 × g, 45 min, 4℃)を行った。得られたペレットを85%エタノールにて一度洗浄した後、RNeasy kit(Qiagen, Germany)に含まれるbuffer RLTにてペレットを溶解し、以降は付属のプロトコールに従いRNeasy kitを用いてRNA精製を行った。その後、更にLiCl沈殿による精製を行った。RNAの品質は、Agilent Bioanalyzer 2100(Agilent Technologies)を用いたオンチップ電気泳動法により検定した。
3−5.マイクロアレイハイブリダイゼーション
同一のショ糖密度勾配由来のポリソームRNA及びトータルRNAから、それぞれcyanine3(Cy3)、cyanine5(Cy5)で蛍光標識したcomplementary RNA(cRNA)を調製した。その後、調製したcRNAをAgilent oligoarray (Arabidopsis 3 oligo microarray 44K)を用いた競合ハイブリダイゼーション実験に供した。Arabidopsis 3 oligo microarrayには、シロイヌナズナ由来の転写産物や前述のRNA spike-in等の塩基配列から選択された、60merのオリゴDNAが44000スポットプリントされている。RNAの増幅及び蛍光標識には、Low RNA Input Fluorescent Liner Amplification Kit(Agilent Technologies)を使用した。まず、500ngのRNAを鋳型に、リンカー配列としてT7プロモーター配列を含むオリゴdTプライマー及びMMLV−RTを用いた逆転写反応を行った。合成されたcDNAを鋳型に、T7 RNA polymerase in vitro転写反応により、Cy3(ポリソームRNA)又はCy5(トータルRNA)で標識されたCTPを取り込んだcRNAを合成した。合成されたcRNAの精製はRNeasy kitを用いて行った。cRNAをそれぞれ750ngずつ混合し、65℃で17時間のハイブリダイゼーション反応に供した。スライドを洗浄した後、Agilent Technologies Microarray Scanner(Agilent Technologies)を用いてスキャニングを行い、Cy3及びCy5のシグナルを検出した。
3−6.マイクロアレイデータ解析
スキャニング画像からのデータの抽出には、Feature extraction software(Agilent Technologies)を用いて行った。Feature extraction softwareの設定基準に従って立てられたフラグを基に、Cy3、Cy5いずれかについてシグナル値が飽和しているスポット(glsSaturated, rlsSaturated)、スポット内のシグナルが不均一なスポット(glsFeatNonUnifOL, rlsFeatNonUnifOL)、複数スポットされている遺伝子についてはずれ値であるスポット(glsFeatPopnOL, rlsFeatPopnOL)、シグナルとバックグラウンドに優位さがないスポット(glsPosAndSignif, rlsPosAndSignif)(glsWellAboveBG, rlsWellAboveBG)を、以降の解析から除いた。正規化には、RNA spike-inに対応するスポットを基に行う方法、若しくはFeature extraction softwareにおける標準的な正規化方法であるLiner&LOWESS法(Locally Weighted Liner Regression)を用いた。解析対象として残ったスポットに関して、翻訳状態の指標としてPR値: Polysome Ratio = Cy3(polysome RNA)シグナル値/Cy5(total RNA)シグナル値を算出した。
3−7.各試料でPR値の高い候補mRNAの選抜
発芽2日目(幼植物体)、21日目(成長した植物体)及び発芽21日目の未展開葉と展開葉から調製したポリソームRNAとトータルRNAを用いて、16348種のmRNAのPR値を算出し、すべての試料で高いPR値を示した以下の4種を候補mRNAとして選抜した(括弧内がそれぞれのPR値;全RNAの中で活発に翻訳されているポリソームRNAの占める割合)。
(I) At1g06760 (Histone H1:H1):2日目(0.62)、21日目(0.55)、未展開葉(0.56)、展開葉(0.58)
(II) At1g34000 (One-Helix Protein 2:OHP2):2日目(0.73)、21日目(0.66)、未展開葉(0.64)、展開葉(0.67)
(III) At1g20440 (Cold-Regulated 47:COR47): 2日目(0.79)、21日目(0.69)、未展開葉(0.69)、展開葉(0.76)
(IV) At5g13420 (Transaldolase 2:TRA2): 2日目(0.71)、21日目(0.67)、未展開葉(0.65)、展開葉(0.67)。
また、平均的な遺伝子のPR値は、それぞれ、At3g18780 (Actin 2):2日目(0.60)、21日目(0.31)、未展開葉(0.33)、展開葉(0.27);At3g47610:2日目(0.59)、21日目(0.31)、未展開葉(0.35)、展開葉(0.32)であり、発芽2日目では比較的高いPR値を示すが、成長・発達した組織では低いPR値であり、翻訳状態は悪いものであった。
3−8.CAGE解析による転写開始点の同定
翻訳効率には5'UTRが重要であり、候補mRNAの5'UTRは高い翻訳効率に寄与することが期待される。しかし、mRNA種によっては複数の転写開始点が存在(5'UTRが異なる複数のmRNA)している。そこで、候補mRNAの5'UTRの配列を決定するため、ゲノムワイドに転写開始点を決定できるCAGE解析法を用いたデータからの情報の抽出を行った。CAGEライブラリーの作製は、Kodziusらが開発した手法に従った(Kodzius, R., Kojima, M., Nishiyori, H., Nakamura, M., Fukuda, S., Tagami, M., Sasaki, D., Imamura, K., Kai C., Harbers, M., Hayashizaki, Y., Carninci, P. (2006). CAGE: cap analysis of gene expression. Nat. Methods 3: 211-22.)。先ず、シロイヌナズナ植物体からTRIzol(Invitrogen)を用いて調製したトータルRNA 5μgを鋳型に、N15ランダムプライマーとPrimer Script Reverse Transcriptase (TAKARA)を用いた逆転写反応を行い、cDNAを合成した。合成されたRNA/cDNA複合体に対してAgencourt RNAClean XP (Beckman)を用いてcDNAの精製を行った。次に、cDNAに対してCAGE linkerを結合させた。CAGE linkerは既知のssDNAであり、MmeI及びXmaJI制限酵素サイトを含む。またssDNAの5'末端にはBiotinが付加されている。結合後、CAGE linkerをプライマーとしてssDNAからdsDNAを合成した。合成されたdsDNAに対して、MmeI制限酵素処理を施した。MmeIはクラスI制限酵素であり、認識部位の5'末端から20塩基下流を切断する。本実験系においては、CAGE linkerに結合させたcDNA由来領域が切断部位に相当する。MmeI切断部位に対して、更に既知のリンカーを結合させた。この段階で、両末端に既知の配列が付加された、mRNAの5'末端20塩基に対応する配列を含むdsDNA(CAGEタク?)が得られた。更に、制限酵素XmaJI処理で余分なリンカー領域を取り除き、CAGEタグをつなぎ合わせることで、CAGEライブラリーを得た。シーケンス解析は、illumina(R) HiSeq 2000を用い、付属のプロトコールに従って行った。得られたrawデータからCAGE linker配列を除去し、エラーリード及びリポソーマルRNAに対応するタグを除去した。次にTAIR10(http://www.arabidopsis.org)の情報を基にマッピングを行った。各タグの5'末端の染色体上の位置を転写開始点とし、各転写開始点におけるタグの数がカウントされているが、マッピングされたタグ配列の5'末端にはcap由来のGが付加されているため、実際の転写開始点はGを除去後の位置とした。その後、解析された2反復のデータ間において共にタグが存在している転写開始点のみを選抜し、タグの数をTag per million(TPM)値に変換した。各転写開始点のアノテーションは、TAIR10の情報をもとに行い、各遺伝子についてTAIR10に記載されている転写開始点の上流500からCDS領域までの範囲に含まれている転写開始点についてアノテーションをつけた。その後、遺伝子ごとに発現量としてTPM値の合計値と各転写開始点の分布率を算出した。
図2に候補mRNAの転写開始点と分布率を示す(グラフの横軸の数字は開始コドンAUGからの塩基数、縦軸はそれぞれの転写開始点の総タグ数に対する相対比率)。この結果から、それぞれの候補mRNAの主要な転写開始点からの配列を絞り、候補5'UTRとして以降の実験に使用した。主要な転写開始点が複数ある場合はそれらも候補とした。詳細な配列は表1に示す。ここで、At1g06760の5'UTRをH1-1、At1g34000の5'UTRをOHP2-1、At1g20440の5'UTRをCOR47-1・COR47-2・COR47-3、At5g13420の5'UTRをTRA-1とそれぞれ略した。
3−9.DNA一過性発現実験による候補5'UTRの翻訳能力の評価
得られた候補5'UTR(計6種)の翻訳能力を評価するため、DNA一過性発現実験をシロイヌナズナ培養細胞から調製したプロトプラストを用いて行った。試験する5'UTRは、5'端にCla1サイト、3'端にはAatIIサイトを持つ各5'UTR特異的プライマーにより、シロイヌナズナゲノムDNAを鋳型としてPCRにより増幅し、pUC118ベクターのHincIIサイトに挿入した。その後、Cla1、AatIIで切り出し、35Sプロモーターの支配下にF-luc遺伝子とHSPターミネーターを持つプラスミドpBluescriptIIKS+のCla1/AatIIサイトに挿入し、試験プラスミドDNAとした(図3、矢印は転写開始点及び翻訳開始点を示す)。補正用のR-luc遺伝子については、35Sプロモーター、R-luc遺伝子、HSPターミネーターよりなる発現カセットを持つpBluescriptIIKS+を用いた(図4)。DNA(F-luc 0.4 μg, R-luc 0.04 μg, total volume 5 μl前後)をシロイヌナズナT87培養細胞から調製したプロトプラストにpolyethlen glycol (PEG)法(Kovtun, Y., Chiu, W. L., Tena, G., Sheen, J. (2000). Functional analysis of oxidative stress-activated mitogen-activated protein kinase cascade in plants. Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 6: 2940-2945.)により導入し、22℃で6時間静置した後、遠心操作を行い、上清を除いた。その後、液体窒素で凍結して-80℃にて保存した。その後、passive lysis buffer (Promega Wisconsin, USA)を用い細胞を溶解させ、Dual-luciferase reporter assay system (Promega)とルミノメータ(Lumat LB 9501; Berthold, Northern Black Forest, Germany)によって溶解液中のF-luc、R-luc活性を測定し、相対活性値(F-luc活性値/R-luc活性値)を求めた。また、既に高い翻訳能力を持つとして知られているAt1g77120(Alcohol dehydrogenase:ADH)の5'UTR(Sugio, T., Satoh, J., Matsuura, H., Shinmyo, A., Kato, K. (2008). The 5'-untranslated region of the Oryza sativa alcohol dehydrogenase gene functions as a translational enhancer in monocotyledonous plant cells. J. Biosci. Bioeng. 105: 300-302.)(表1)についても同様に評価し、それぞれの候補5'UTRの相対活性値をADHの5'UTRに対する相対活性値(候補5'UTR相対活性値/ADHの5'UTRの相対活性値)として算出した(図5)。
その結果、H1-1、COR47-1、COR47-2、及びCOR47-3の4つの5'UTRが、ADHの5'UTRと同等もしくは優れた翻訳能力を示し、植物における組み換えタンパク質の製造効率の向上に寄与することが明らかとなった。
COR47-1、COR47-2、及びCOR47-3の塩基配列は一塩基又は二塩基のみの違いであるので、以降の実験には候補5'UTRとしてH1-1とCOR47-2を試験した。
3−10.アグロインフィルトレーションによる候補5'UTRの翻訳能力の評価
候補5'UTRの発現能力を植物体で評価するために、タバコ(Nicotiana benthamiana)を用いたアグロインフィルトレーション法を行った。DNA一過性発現実験に用いたプラスミドDNA(H1-1、COR47-2、ADH)を制限酵素HindIII/EcoRI/PvuIIで処理し、p35S::5'UTR::F-luc::tHSPの部分を切り出した。バイナリーベクターpRI909(TaKaRa)のHindIII/EcoRIサイトに上記断片を挿入し、バイナリーベクターを構築した(図6)。また、一般的に用いられる市販の発現カセット(p35S::ベクター由来の5'UTR::F-luc::tNOS)についても同様にバイナリーベクターを構築した(図6)。表1に、ベクター由来の5'UTRの塩基配列を示す。補正用のR-luc遺伝子を持つ発現カセットについても同様にバイナリーベクターを構築した(図7)。これらバイナリーベクターを保持するアグロバクテリウムを5mlの2×YT培地にて28℃で30時間培養した後、遠心操作を 5000rpm(MX-300,トミー精工, Tokyo, Japan) で行い、50 ml容ファルコンチューブに集菌した。ペレットをインフィルトレーションバッファー(10 mM MgCl2, 10 mM MES-KOH pH5.8, 100 μM Acetosyringone)で懸濁し、分光光度計で各々O.D.600の値が1になるように調整した。F-lucを導入したバイナリーベクターを保有するアグロバクテリウムとR-lucを導入したバイナリーベクターを保有するアグロバクテリウムを9:1の比で混合し、3時間室温で静置した。温室で40日育成したタバコNicotiana benthamiana)に1ml中口シリンジ(TERUMO, Tokyo, Japan)を用いて、最も若い葉を第1葉とした時の第3、5、及び7葉に各50μlずつ注入した。その後、2ml容チューブにジルコニアビーズ(bms, Tokyo, Japan)を一つずつ入れ、そのチューブにアグロバクテリウム導入3日後の第3、5、及び7葉からBIOPSY PUNCH (kai industries, Gifu, Japan) を用いて3パンチずつ葉の断片をサンプリングし、液体窒素で凍結した。その後、TissueLyserII (QIAGEN)でFrequency 20/s, 30secで破砕し、passive lysis buffer加え室温にて10分間ミキサーで溶解させた後、ルシフェラーゼ活性を測定し、相対活性値(F-luc活性値/R-luc活性値)を算出した(図8)。
その結果、候補5'UTRであるH1-1及びCOR47-2は、ADHの5'UTRと比較して各葉で高い相対活性値を示した。これに対して、市販の発現カセットは非常に低い相対活性値しか示さず、COR47-2の180分の1の相対活性値であった。
3−11.候補5'UTRの開始コドン近傍配列改変による翻訳能力の向上
5'UTRはmRNAの翻訳効率を規定する非常に重要な要因であるが、加えて5'UTR内の開始コドン近傍配列も翻訳効率に影響を与えることが知られている(Sugio, T., Matsuura, H., Matsui, T., Matsunaga, M., Nosho, T., Kanaya, S., Shinmyo, A., Kato, K. (2010). Effect of the Sequence Context of the AUG Initiation Codon on the Rate of Translation in Dicotyledonous and Monocotyledonous Plant Cells. J. Biosci. Bioeng. 109: 170-173.)。そこで、H1-1とCOR47-2の開始コドン近傍配列をより効率の良いと考えられる塩基に置換した上で図3と同様な試験プラスミドを作製し、DNA一過性発現実験をシロイヌナズナ培養細胞から調整したプロトプラストを用いて行った。それぞれ改変した5'UTRをH1-1modとCOR47-2modとし、その塩基配列を表2に示す。先の実験と同様の方法で、F-luc、R-luc活性を測定し、相対活性値(F-luc活性値/R-luc活性値)を求め、それぞれ改変前の5'UTRの相対活性値を1とした時の改変5'UTRの相対活性値を算出した。
この結果、H1-1modでは1.03倍、COR47-2modでは1.13倍となり、改変前と比較して高い活性値を示した。
3−12.植物体での候補5’UTRの翻訳能力の評価
植物体で候補5’UTR(COR47-2)の能力を評価するために安定形質転換体の作出を行った。本試験では、前記「3−10.アグロインフィルトレーションによる候補5'UTRの翻訳能力の評価」で構築したバイナリーベクター(図6:5'UTRとしてCOR47-2を使用)を使用した。更に、比較のために、当該バイナリーベクターにおいて、5’UTRのCOR47-2をAt3g47610 mRNAの5’UTR(表3に示す塩基配列)に置き換えたものを構築し、使用した。なお、At3g47610 mRNAの5’UTRは、前記「3−7.各試料でPR値の高い候補mRNAの選抜」において、成長・発達した組織では低いPR値を示し、翻訳効率が低いことが確認されている。
前記バイナリーベクターを、アグロバクテリウムを用いたフローラルディップ法でシロイヌナズナに導入し、T3種子を取得した。作出した安定形質転換体について、成長(発芽2日目、21日目)、発達(発芽21日目 young leaves, mature leaves)の各段階でサンプルを調製し、ポリソーム解析を行った。成長については植物体全体からRNAを、発達については葉柄を除いた葉の部分のみからRNAを調製し、ショ糖密度勾配遠心を行った。その後、遠心液を8つの画分として分取した(画分1〜4はノンポリソーム画分(NP)に相当し、画分5〜8はポリソーム画分(P)に相当する)。具体的には、ショ糖密度勾配溶液約500μLを、キャップ構造及びポリA配列を有するin vitro合成Renilla luciferase (R-luc)mRNA 5ng、並びに終濃度5.5Mになるように8Mグアニジン塩酸塩を予め加えておいたチューブ8本にそれぞれ回収した。各チューブ中の混合液と等量の100%エタノールを加え、-20℃にて一晩冷却した後、遠心操作(14,000×rpm, 45 min, 4℃)を行った。得られたペレットを85%エタノールにて一度洗浄した後、RNeasy kit (Qiagen, Hilden, Germany) に含まれるbuffer RLTにてペレットを溶解し、以降は付属のプロトコールに従ってRNeasy kitにてRNA精製を行った。精製したRNA溶液を、それぞれ等容量ずつ用いて逆転写反応を行った。逆転写反応はTranscription First Strand cDNA Synthesis Kit (Roche Applied Science, Penzberg, Germany)を付属のプロトコールに従って行った。反応液は13μLとした(oligo dT プライマー使用)。PCRは5〜40倍に希釈した逆転写反応溶液2μLを鋳型に、遺伝子特異的プライマーセット及びLightCycler 480 SYBR Green I Master (Roche Applied Science)を用いて、10μLの反応液で行った。プライマーの設計にはUniversal ProbeLibrary Assay Design Center/ProbeFinder (Roche Applied Science)を、SYBR Green Iの蛍光強度の経時測定にはLightCycler 480 System (Roche Applied Science)を、データ解析にはLightCycler Data Analysis Software (Roche Applied Science)のsecond derivative maximum methodを用いた。各画分のRNA回収効率、RT-PCRの反応効率の違いを補正するために、各画分における目的mRNAの存在量の結果は、ショ糖密度勾配液の回収時に加えた補正用のR-luc mRNAの結果で補正した。シグナルがゲノム由来でないことは逆転写反応を行っていないRNA溶液を鋳型にしたPCRにおいて、シグナルが検出されないことにより確認した。各画分に存在する候補5’UTRを連結したF-luc mRNAおよび内在のCOR47 mRNA量をqRT−PCR解析により定量し、それぞれ、全画分に存在する候補5’UTRを連結したF-luc mRNA及び内在のCOR47 mRNAの総量に対する割合として算出した。
成長段階におけるポリソーム/qRT−PCR解析の結果を図9に示す。なお、図9のC〜Fにおいて、横軸の番号は、分取した画分の番号である。また、図9のE及びFにおいて、縦軸は、全画分に存在する目的mRNAの合計量を1とした場合のその画分に存在するmRNA量の相対値である。At3g47610の5’UTRを連結したF-luc mRNAは、発芽2日目のサンプルではポリソーム画分での存在量が非常に高いものであったが、発芽21日目のサンプルではノンポリソーム画分での存在量が高く、その翻訳状態は悪いものであった。一方で、COR47-2の5’UTRを連結したF-luc mRNAは、発芽2日目と発芽21日目でともに多くのmRNAがポリソーム画分に存在しており、活発に翻訳されていた。
また、発達段階におけるポリソーム/qRT-PCR解析の結果を図10に示す。なお、図10のC〜Fにおいて、横軸の番号は、分取した画分の番号である。また、なお、図10のE及びFにおいて、縦軸は、全画分に存在する目的mRNAの合計量を1とした場合のその画分に存在するmRNA量の相対値である。この結果でも、At3g47610の5’UTRを連結したF-luc mRNAは、young leavesのサンプルではポリソーム画分での存在量が非常に高いものであったが、mature leavesのサンプルではその翻訳状態は悪いものであった。COR47-2の5’UTRを連結したF-luc mRNAは、young leavesとmature leavesでともにポリソーム画分に存在しており、活発に翻訳されていた。
これらの結果より、COR47-2の5’UTRを目的遺伝子に連結した場合、成長や発達に伴って細胞全体としての翻訳状態が悪くなる状況下においても、目的タンパク質を効率的に翻訳できると言える。

Claims (6)

  1. 配列番号1、3、4又は5に示すポリヌクレオチドからなることを特徴とする、5’UTRをコードするDNA分子。
  2. 請求項1に記載のDNA分子が、外来タンパク質をコードするポリヌクレオチドの5’末端側に連結されている、核酸構築物。
  3. 請求項の記載の核酸構築物を含む、ベクター。
  4. 請求項に記載のベクターを植物又は植物細胞に導入する、形質転換体の製造方法。
  5. 請求項に記載のベクターで、植物又は植物細胞が形質転換されてなる、形質転換体。
  6. 請求項に記載の形質転換体を培養又は栽培する、組み換えタンパク質の製造方法。
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