JP6607155B2 - 運転支援装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の運転者の運転を支援する運転支援装置に関し、特に、車両同士の衝突可能性を予測して運転支援を行う装置に関する。
車両同士の衝突可能性を予測して運転支援を行う装置が知られている。たとえば、特許文献1では、運転支援装置を搭載した車両が、他車両との間で相互通信を行いつつ、道路地図情報に基づいて、運転支援装置を搭載した車両(以下、自車両)と他車両の将来の予測車両位置をそれぞれ予測する。そして、将来の時刻における自車両の予測車両位置と、その将来の時刻における他車両の予測車両位置を比較する。比較した結果、自車両の予測車両位置と他車両の予測車両位置が近い場合に、自車両と他車両とが衝突する可能性があると判定して、安全支援情報を提供する。
特開2008−97413号公報
特許文献1の技術では、道路地図情報により表される道路上における自車両の位置を常に予測する必要がある。加えて、自車両の周辺に存在する他車両(以下、周辺車両)も、道路地図情報により表される道路上における位置を常に予測する必要がある。そのため、自車両に搭載された運転支援装置および周辺車両に搭載された装置が、それぞれ、マップマッチング機能を備えている必要があり、常にマップマッチング処理を行う必要があるので、演算負荷が大きい。また、仮に、自車両に搭載された運転支援装置が周辺車両の現在位置を逐次取得して、自車両に搭載された運転支援装置が周辺車両の現在位置についてもマップマッチング処理を行って決定するとすれば、自車両に搭載された運転支援装置は演算量が非常に多くなってしまう。
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、運転支援を行うために、少ない演算量で車両同士の衝突可能性が高いか否かを判定する運転支援装置を提供することにある。
上記目的は独立請求項に記載の特徴の組み合わせにより達成され、また、下位請求項は、発明の更なる有利な具体例を規定する。特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するための本発明は、車両で用いられ、車両の運転者の運転を支援する制御を行う運転支援部(S112、S113、S2136、S2137)を備えた運転支援装置であって、衛星航法システムが備える航法衛星が送信する航法信号を受信して決定した位置を逐次取得して、運転支援装置が用いられている車両である自車両の現在位置を逐次決定する自車位置決定部(S1、S201)と、自車位置決定部が決定した自車両の現在位置と自車両の進行方位とから、自車両の今後の走行軌道である自車両予測軌道を予測する自車両予測部(S3、S204)と、自車両の周辺に存在している周辺車両の現在位置であって航法信号に基づいて定まる周辺車両の現在位置と、周辺車両の進行方位とから予測される周辺車両の今後の走行軌道である周辺車両予測軌道を予測するための軌道予測情報を、自車両に備えられている車車間通信部から取得して、周辺車両の今後の走行軌道である周辺車両予測軌道を予測する周辺車両予測部(S6、S206)と、自車両予測軌道と周辺車両予測軌道に交点がある場合に、交点を含むように判定領域を設定する領域設定部(S8、S2132)と、領域設定部が設定した判定領域内に、交差点を交差点ノードで表している道路地図情報における交差点ノードがあるか否かを判定する判定部(S111、S2135)とを備え、運転支援部は、判定領域内に交差点ノードがない場合、判定領域内に交差点ノードがある場合よりも、運転支援レベルを運転支援が抑制されるレベルとする。
この発明によれば、自車両の今後の走行軌道である自車両予測軌道と、周辺車両の今後の走行軌道である周辺車両予測軌道を予測する。そして、これら自車両予測軌道と周辺車両予測軌道とに交点がある場合に、その交点を含むように判定領域を設定する。この判定領域は、交点が交差点内であるか否かを判定するための領域であり、判定部は、判定領域内に交差点ノードがあるか否かを判定する。
判定領域内に交差点ノードがある場合、自車両と周辺車両は同じ交差点を通過することが予想される。一方、判定領域内に交差点ノードがない場合、自車両と周辺車両は同じ交差点を通過しないことが予想される。
車両同士の衝突は、通常、交差点で生じる。換言すれば、自車両予測軌道と周辺車両予測軌道とが交わる交点があっても、その交点が交差点でない場合には、自車両と周辺車両とが衝突する可能性は低いと考えられる。つまり、判定領域内に交差点ノードがあるか否かを判定することは、自車両と周辺車両との衝突可能性が高いか否かを判定していることになる。
判定領域内に交差点ノードがない場合、交点が交差点内でない可能性が高く、交点が交差点内でない場合には、自車両と周辺車両とが衝突する可能性は低いと考えられる。そこで、支援レベル決定部は、判定領域内に交差点ノードがない場合、判定領域内に交差点ノードがある場合よりも、運転支援レベルを運転支援が抑制されるレベルとする。
そして、この発明では、周辺車両の現在位置を、マップマッチング処理を行って決定していないので、少ない演算量で衝突可能性が高いか否かを判定できる。
運転支援システム1、100を搭載した車両2、3が走行している状態を説明する図である。 運転支援システム1の構成を示すブロック図である。 図2の制御部13が実行する処理を説明するフローチャートである。 第1実施形態で設定する判定領域Bを説明する図である。 図3のS11の詳細処理を示すフローチャートである。 運転支援が抑制される具体例を説明する図である。 運転支援が抑制される具体例を説明する図である。 第2実施形態において、図3のS8に代えて実行する処理を示すフローチャートである。 第2実施形態において車線数に応じて設定される判定領域Bと初期領域Dを比較して示す図である。 第2実施形態において車線数に応じて設定される判定領域Bと初期領域Dを比較して示す図である。 変形例1の判定領域Bを示す図である。 変形例1における判定領域Bの設定方法を説明する図である。 旋回半径Rと円弧ΔLと中心角Δφの関係を示す図である。 第3実施形態において自車両予測軌道P、周辺車両予測軌道Pを決定する方法を説明する図である。 第3実施形態の運転支援システム1aの制御部13が実行する処理を説明するフローチャートである。 図15のS204の処理を詳しく示すフローチャートである。 図16のS2043において算出する距離d(k)の算出方法を説明する図である。 図15のS206の処理を詳しく示すフローチャートである。 図15のS213の処理を詳しく示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、運転支援システム1を搭載した車両(以下、自車両)2は道路4を走行している。図1に示す状態では、自車両2の周辺には別の車両(以下、周辺車両)3が存在している。その周辺車両3は、自車両2が走行する道路4と交差する道路5を交差点6の方向に走行している。周辺車両3は運転支援システム100を搭載している。
運転支援システム100は、周辺車両3の車両情報である周辺車両情報を、運転支援システム1が備える近距離無線通信部12が受信可能な方式で、周辺車両3の周囲に周期的に送信する。送信周期は、たとえば200ミリ秒である。この周辺車両情報は、情報の種類は、後述する自車両情報と同じである。運転支援システム100の構成は、運転支援システム1に類似するため、まず、運転支援システム1の構成を説明し、その後、運転支援システム100の構成を説明する。
[運転支援システム1の構成]
図2に示すように、運転支援システム1は、運転支援装置10、方位センサ20、車速センサ30、ヨーレートセンサ40、走行道路判定装置50、表示装置60、スピーカー70を備える。
運転支援装置10は、GNSS受信部11、近距離無線通信部12、制御部13を備える。GNSS受信部11は、衛星航法システムであるGNSS(Global Navigation Satellite System)が備える航法衛星が送信する航法信号を受信し、受信した航法信号に基づいて現在位置を逐次算出する。
近距離無線通信部12は、車車間通信および路車間通信を行うための通信部であり、5.9GHz帯や700MHz帯など所定の周波数帯の電波を用いて、他の車両に搭載された近距離無線通信装置および路側に設置された路側機との間で通信を行う。近距離無線通信部12は車車間通信を行うことができるので、請求項の車車間通信部に相当する。
制御部13は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータであり、CPUが、RAMの一時記憶機能を利用しつつ、ROMなどの非遷移的実体的記録媒体(non-transitory tangible storage medium)に記憶されているプログラムを実行することで、図3に示す処理を実行する。また、図3に示す処理を実行すると、プログラムに対応する方法が実行される。
また、制御部13は、図3に示す処理の他に、後述する自車両情報を、周期的に、近距離無線通信部12から、自車両2の周囲に送信する。送信周期は、たとえば、周辺車両情報の送信周期と同様、200ミリ秒である。
方位センサ20は、自車両2の絶対方位を検出するためのセンサであり、たとえば、地磁気センサが用いられる。車速センサ30は自車両2の車速を逐次検出する。ヨーレートセンサ40は、このヨーレートセンサ40を通り、自車両2の垂直軸周りの回転角速度、すなわち、ヨーレートを検出する。
走行道路判定装置50は、道路地図情報を記憶している記憶部51、および、図示しない現在位置検出部を備えており、自車両2が走行している道路を逐次特定する。記憶部51に記憶されている道路地図情報は、道路をノード情報とリンク情報により表している。ノード情報は、ノードに関する情報であり、ノードは、道路を表現する上での結節点などを表している。このノードには交差点が含まれる。以下、交差点を表すノードを交差点ノードとする。リンク情報は、ノードとノードの間を結ぶリンクに関する情報である。一部の道路に対するリンク情報には、車線数を表す車線数情報が含まれている。
表示装置60は、自車両2の運転席から見える位置に配置されており、自車両2の運転者に対して、周辺に注意すべき車両が存在することなど、運転者の運転を支援するための情報を表示する。スピーカー70は、自車両2の車室内に種々の音を出力する。
[運転支援システム100の構成]
運転支援システム100は、一組の周辺車両情報を逐次送信する。周辺車両情報は、周辺車両3の現在位置、絶対方位、車速、ヨーレート、車両IDを含んでいる。また、周辺車両3の現在位置は、自車両2の現在位置と同様、航法信号に基づいて決定されている。
したがって、運転支援システム100は、図2に示す、GNSS受信部11、方位センサ20、車速センサ30、ヨーレートセンサ40、近距離無線通信部12、周辺車両情報を取得して近距離無線通信部12から送信させる制御部を備えた構成である。これらを備えていれば、運転支援システム100の構成は、ハードウェア構成、および、次に説明する制御部13の処理すなわちソフトウェア構成ともに、運転支援システム1と同じにすることもできる。
[制御部13が実行する処理]
制御部13は、図3に示す処理を周期的に実行する。ステップ(以下、ステップを省略)S1では、自車両2の現在位置を、GNSS受信部11から取得する。この現在位置は、緯度、経度、高度により表されている。S1の処理により、制御部13は自車両2の現在位置を決定できるので、S1は請求項の自車位置決定部に相当する。
S2では、現在位置以外の自車両情報を取得する。現在位置以外の自車両情報は、具体的には、自車両2の絶対方位、車速、ヨーレートを含んでおり、これらはそれぞれ、方位センサ20、車速センサ30、ヨーレートセンサ40から取得する。
S3では、自車両予測軌道Pを決定する。この自車両予測軌道Pは、自車両2の今後の走行軌道を予測したものである。本実施形態における自車両予測軌道Pは、S1で取得した現在位置を基点として、S2で取得した絶対方位の方向に延びる直線である。S2で取得した絶対方位の方向に延びる直線であることから、本実施形態における自車両予測軌道Pは、S2で取得した絶対方位を、自車両2の進行方向としている。このS3は請求項の自車両予測部に相当する。
S4では、自車両2が走行する道路4において、自車両2の進行方向前方における直近の交差点を特定する。この処理は、具体的には、S1で取得した自車両2の現在位置に基づいて定まる自車両付近の道路地図情報を走行道路判定装置50から取得し、取得した道路地図情報と、S1で逐次取得する自車両2の現在位置に基づいてマップマッチングを行う。これにより、自車両2が走行している道路を特定する。さらに、この特定した道路において、自車両2の進行方向前方における直近の交差点を特定する。なお、ここでのマップマッチングは、直近交差点を特定するために用いるのであり、これ以降も、GNSS受信部11から取得した自車両2の現在位置は、マップマッチングにより補正しない。演算量が増加することを抑制するためである。
S5では、周辺車両情報を、近距離無線通信部12から取得する。前述したように、周辺車両3は、周辺車両情報を逐次送信している。周辺車両3が自車両2の近距離無線通信部12の通信範囲内に存在していれば、近距離無線通信部12は、運転支援システム100が送信する周辺車両情報を受信できる。近距離無線通信部12が周辺車両情報を受信できた場合、S5で周辺車両情報を取得できる。この周辺車両情報は、前述したように、周辺車両3の現在位置、絶対方位、車速、ヨーレートを含んでおり、周辺車両3の現在位置は、自車両2の現在位置と同様、航法信号に基づいて決定されている。
なお、複数の周辺車両3から、それぞれ周辺車両情報を取得できることも考えられる。複数の周辺車両3から周辺車両情報を取得できた場合、それぞれの周辺車両3について、S6以下を実行する。
S6では、周辺車両3の今後の走行軌道を予測した周辺車両予測軌道Pを決定する。本実施形態における周辺車両予測軌道Pは、S5で取得した現在位置を基点として、S5で取得した絶対方位の方向に延びる直線である。このS6が請求項の周辺車両予測部に相当し、周辺車両予測軌道Pの決定に用いているS5で取得した現在位置および絶対方位が請求項の軌道予測情報に相当する。
S7では、S3で決定した自車両予測軌道Pと、S6で決定した周辺車両予測軌道Pに交点Xが存在するか否かを判断する。交点Xが存在しないと判断した場合には、図3に示す処理を終了する。一方、交点Xが存在すると判断した場合にはS8に進む。
S8では、判定領域Bを設定する。このS8は請求項の領域設定部に相当する。本実施形態における判定領域Bは、図4に示すように、平行四辺形であり、判定領域Bの中心を交点Xとし、自車両予測軌道Pに平行な一対の辺と、自車両予測軌道Pに垂直な一対の辺とを備える。そして、図4に示すように、判定領域Bにおいて自車両予測軌道Pに平行な辺の長さは、交点Xよりも自車両2に近い側の長さLy1と、交点Xよりも自車両2から遠い側の長さLy2により定められる。また、自車両予測軌道Pに直交する辺の長さは、自車両2から見て自車両予測軌道Pよりも自車両2の左側の長さLx1と、自車両2から見て自車両予測軌道Pよりも自車両2の右側の長さLx2により定められる。
これらの長さLy1、Ly2、Lx1、Lx2は、個別にそれぞれ設定可能である。したがって、判定領域Bは長方形であってもよい。判定領域Bの大きさは、交差点6の広さを大きくは超えないことが好ましい。判定領域Bは、判定領域B内に交差点ノードAがあるか否かを判断することにより、交点Xが交差点内であるか否かを判定するものだからである。
そこで、本実施形態では、判定領域Bにおいて自車両予測軌道Pに垂直な一対の辺の長さを、車線はないが対面通行可能な道路の道路幅、あるいは、それよりも少し短い長さ、たとえば5−6mに設定している。また、本実施形態では、自車両予測軌道Pに平行な一対の辺の長さも、自車両予測軌道Pに垂直な一対の辺の長さと同じになっている。
続くS9では、自車両2が交点Xを通過するまでに要する通過所要時間と、周辺車両3が交点Xを通過するまでに要する通過所要時間とをそれぞれ算出する。自車両2の通過所要時間を算出するために、まず、自車両2の現在位置と交点Xの座標から、自車両2の現在位置から交点Xまでの距離を算出する。この距離を自車両2の現在の車速で割ることで、自車両2の通過所要時間を算出する。周辺車両3の通過所要時間も、自車両2の通過所要時間と同様にして算出する。
S10では、自車両2の通過所要時間と、周辺車両3の通過所要時間との時間差が、予め設定した閾値以下であるか否かを判断する。この閾値は、自車両2と周辺車両3がともに交点Xを通過する場合に、衝突する危険性があることを判断するための値であり、閾値はたとえば数秒に設定される。S10の判断がNOであれば図3の処理を終了する。一方、S10の判断がYESであればS11へ進む。
S11では交差点ノード判定処理を実行する。この処理は、具体的には図5に示す処理を実行するものである。請求項の判定部に相当する処理であるS111では、判定領域B内に、道路地図情報における交差点ノードAがあるか否かを判断する。この判断がYESであればS112に進む。なお、S112とS113は請求項の運転支援部に相当する。
S112では運転支援を実行する。ここで実行する運転支援は、具体的には、周辺車両3に衝突する可能性を表示装置60に表示するとともに、スピーカー70から、周辺車両3の存在を知らせる音を出力する支援である。運転支援レベルは複数のレベルが設定されている。
ここでは、たとえば4段階の運転支援レベルが設定されているとする。最も高い運転支援レベルlv4では、警報を意味する画像を表示装置60に表示し、警報を意味する音をスピーカー70から出力する。運転支援レベルlv3では、注意を意味する画像を表示装置60に表示する。加えて、注意を意味する音をスピーカー70から出力してもよい。運転支援レベルlv2では、周辺車両3を検知したことを意味する画像を表示装置60に表示する。運転支援レベルlv1では、何も運転支援を行わない。なお、運転支援レベルのレベル数および各運転支援レベルで実行する運転支援の内容は、上述の内容に限られない。
S112では、上述の運転支援レベルlv4または運転支援レベルlv3のいずれかを実行する。運転支援レベルlv4または運転支援レベルlv3のいずれを実行するかは、自車両2の運転者が最大量の踏み込み量でブレーキを踏んだ場合に、自車両2が交点Xの手前で停止できるか否かにより決定する。自車両2の運転者が最大量の踏み込み量でブレーキを踏んでも、自車両2が交点Xの手前で停止できない場合には、運転支援レベルlv4を実行し、自車両2が交点Xの手前で停止できる場合には、運転支援レベルlv3を実行する。
なお、自車両2の運転者が最大量の踏み込み量でブレーキを踏んだ場合における、自車両2の走行距離と速度低下の関係を表す計算式が予め設定されている。その計算式を用いて、自車両2の運転者が最大量の踏み込み量でブレーキを踏んだ場合に、自車両2が交点Xの手前で停止できるか否かを決定する。
S111の判断がNOであればS113に進む。S113では、運転支援レベルを、仮にS112を実行したとした場合に決定される運転支援レベルよりも抑制した運転支援レベルに決定して、決定した運転支援レベルにより定まる運転支援を実行する。
前述したようにS112では、運転支援レベルlv4または運転支援レベルlv3を実行する。これに対して、本実施形態では、S113で、S112よりも2段階低下させた運転支援レベルで運転支援を実行する。したがって、S113では、運転支援レベルlv2また運転支援レベルlv1で運転支援を実行する。なお、運転支援レベルを運転支援レベルlv1に決定した場合には、運転支援を行わないことになる。
S113を実行するのはS111の判断がNOになった場合であるので、S113を実行する場合、交差点ノードAは判定領域B内にない。したがって、交点Xは交差点内ではない可能性が高い。車両同士の衝突が発生する場所は通常、交差点内であることから、S113を実行する場合には、S10で時間差が閾値以下であっても、自車両2と周辺車両3は衝突する可能性は低いと考えられる。そこで、S113では、運転支援レベルを、S112を実行したとした場合に決定される運転支援レベルよりも抑制した運転支援レベルに決定するのである。
なお、複数の周辺車両3について交差点ノード判定を実行した場合、複数の運転支援レベルが決定されることになる。この場合、決定された複数の運転支援レベルの中で最も高い運転支援レベルを実行する。
[運転支援が抑制される具体例]
次に、運転支援が抑制される具体例を説明する。たとえば、図6に示すように、自車両2が走行する道路4に対して立体交差する道路7を周辺車両3が走行している場合、自車両2と周辺車両3は衝突する可能性はない。図6に示すように、判定領域B内には、交差点ノードAは存在していない。したがって、自車両予測軌道Pと周辺車両予測軌道Pとの交点Xが存在し、かつ、自車両2が交点Xを通過するまでに要する通過所要時間と周辺車両3が交点Xを通過するまでに要する通過所要時間との時間差が閾値以下であっても、運転支援が抑制される。
また、図7に示すように、自車両2が走行する道路4の周辺を通るものの、道路4とは交差しない道路8を周辺車両3が走行している場合にも、判定領域B内に交差点ノードAが存在しない場合が多いので、不要な運転支援が抑制される。
[第1実施形態のまとめ]
以上、説明した本実施形態では、自車両予測軌道Pと周辺車両予測軌道Pとに交点Xがある場合に、S8において、交点Xに基づいて判定領域Bを設定する。さらに、S111において、判定領域B内に交差点ノードAがあるか否かを判定する。
判定領域B内に交差点ノードAがある場合、自車両2と周辺車両3は同じ交差点を通過することが予想される。一方、判定領域B内に交差点ノードAがない場合、自車両2と周辺車両3は同じ交差点を通過しないことが予想される。
車両同士の衝突は、通常、交差点で生じるので、交点Xがあっても、その交点Xが交差点でない場合には、自車両2と周辺車両3とが衝突する可能性は低いと考えられる。したがって、判定領域B内に交差点ノードAがあるか否かを判定することは、自車両2と周辺車両3との衝突可能性が高いか否かを判定していることになる。
交点Xが交差点内でない場合には、自車両2と周辺車両3とが衝突する可能性は低いと考えられる。そこで、判定領域B内に交差点ノードAがない場合に実行するS113では、判定領域B内に交差点ノードAがある場合に実行するS112よりも、運転支援レベルを運転支援が抑制されるレベルとしている。
そして、本実施形態では、自車両2の現在位置および周辺車両3の現在位置を、マップマッチング処理を行って決定していないので、少ない演算量で衝突可能性が高いか否かを判定できる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態を説明する。この第2実施形態以下の説明において、それまでに使用した符号と同一番号の符号を有する要素は、特に言及する場合を除き、それ以前の実施形態における同一符号の要素と同一である。また、構成の一部のみを説明している場合、構成の他の部分については先に説明した実施形態を適用できる。
第2実施形態では、図3のS8に代えて、図8を実行して判定領域Bを設定する。なお、第1実施形態で説明したように、S4で自車両付近の道路地図情報を走行道路判定装置50から取得している。また、道路地図情報にはリンク情報が含まれており、一部の道路に対するリンク情報には車線数情報が含まれている。
S81では、自車両2が走行する道路4の車線数情報を取得しているか否かを判断する。なお、自車両2が走行する道路4の車線数情報が道路地図情報に含まれている場合、車線数情報は、図9に示すリンクLk41、Lk42についてのリンク情報を構成する情報となっている。自車両2が走行する道路4の車線数情報は、請求項の走行道路幅関連値に相当する。
S81の判断がNOであればS82に進む。S82では、判定領域Bにおいて自車両2が走行する道路4の長手方向の長さLyを、長さLyに対して設定されている初期長さとする。初期長さは、第1実施形態の判定領域Bにおける、自車両2が走行する道路4の長手方向の長さである。
S81の判断がYESであればS83に進む。S83では、判定領域Bにおいて自車両2が走行する道路4の長手方向の長さLyを、自車両2が走行する道路4の車線数に応じて定まる長さとする。具体的には、車線数に1車線数当たりの長さを表す係数fyを乗じて、判定領域Bにおいて自車両2が走行する道路4の長手方向の長さLyとする。また、車線数に係数fyを乗じた値に、定数項を加えた値を長さLyとしてもよい。
S84では、自車両2が走行する道路4と直近交差点で交差する道路の車線数情報を取得しているか否かを判断する。図9に示す道路9は、自車両2が走行する道路4と直近交差点で交差する道路であり、道路9の車線数情報が道路地図情報に含まれている場合、道路9の車線数情報は、図9に示すリンクLk91、Lk92についてのリンク情報を構成する情報となっている。道路9の車線数情報は、請求項の交差道路幅関連値に相当する。
S84の判断がNOであればS85に進む。S85では、判定領域Bにおいて交差道路の長手方向の長さ、換言すれば自車両2が走行する道路4の幅方向長さLxを、長さLxに対して設定されている初期長さとする。初期長さは、第1実施形態の判定領域Bにおける、自車両2が走行する道路4の幅方向の長さである。
S84の判断がYESであればS86に進む。S86では、判定領域Bにおいて交差道路の長手方向の長さLxを、交差道路の車線数に応じて定まる長さとする。具体的には、車線数に1車線数当たりの長さを表す係数fxを乗じて、判定領域Bにおいて交差道路の長手方向の長さLxとする。また、車線数に係数fxを乗じた値に、定数項を加えた値を長さLxとしてもよい。
S87では、自車両予測軌道Pに沿った方向において、自車両2に近い側および自車両2から遠い側のいずれに初期領域Dを拡大して判定領域Bとするかを決定する。初期領域Dは図9に示す領域であり、交点Xを中心として、仮にS82、S85を実行したと仮定した場合の判定領域Bを意味する。
初期領域Dを自車両予測軌道Pに沿った方向のいずれの側に拡大するかは、自車両2から見て、自車両予測軌道Pに対して周辺車両3が左右いずれの側に存在するかで決定する。右側通行の法制度の国であって、図9に示すように、自車両2から見て、自車両予測軌道Pの左側に周辺車両3が存在している場合、初期領域Dを拡大する方向を自車両2から遠い側とする。
一方、右側通行の法制度の国であって、図10に示すように、自車両2から見て、自車両予測軌道Pの右側に周辺車両3が存在している場合、初期領域Dを拡大する方向を自車両2に近い側とする。
図9、図10の方向に初期領域Dを拡大することにより、判定領域Bに交差点ノードAが含まれやすくしつつ、かつ、判定領域Bに含まれてしまう交差点以外の領域が広くなることを抑制できる。
左側通行の法制度の国で運転支援システム1を用いる場合、自車両2から見て、自車両予測軌道Pの左右いずれの側に周辺車両3が存在するかと、初期領域Dを拡大する側との対応を、右側通行の法制度の国で運転支援システム1を用いる場合とは反対にする。
左側通行の法制度の国で運転支援システム1を用いる場合、自車両2から見て自車両予測軌道Pの左側に周辺車両3が存在していれは、初期領域Dを拡大する方向を自車両2から近い側とする。左側通行の法制度の国で運転支援システム1を用いる場合、自車両2から見て自車両予測軌道Pの左側に周辺車両3が存在していれば、初期領域Dを拡大する方向を自車両2から遠い側とする。
なお、図9、図10に示すように、自車両予測軌道Pに交差する方向へは、初期領域Dに対して、自車両2から自車両2が走行する道路4の幅方向中心に向かう方向に判定領域Bを拡大する。つまり右側通行の法制度の国で運転支援システム1を用いる場合には、自車両2から左方向に判定領域Bを拡大し、左側通行の法制度の国で運転支援システム1を用いる場合には、自車両2から右方向に判定領域Bを拡大する。
S88を実行する時点では、判定領域Bの長さLx、Lyは決定できている。そこで、次に、このS88において判定領域Bを配置する。判定領域Bの位置は、初期領域Dの中心が交点Xとなるようにする。判定領域Bが初期領域Dと同じ大きさであれば、判定領域Bは、交点Xが中心位置になるように配置することになる。
[第2実施形態の効果]
この第2実施形態では、判定領域Bの長さLxを自車両2が走行する道路4の車線数に応じて広くしているので、道路4の幅が広い場合でも、判定領域Bに交差点ノードAが含まれなくなってしまうことを抑制できる。
また、判定領域Bの長さLyを自車両2が走行する道路4に交差する道路9の車線数に応じて広くしているので、道路9の幅が広い場合でも、判定領域Bに交差点ノードAが含まれなくなってしまうことを抑制できる。
加えて、判定領域Bの長さLxを、初期領域Dにおいて長さLxに対応する長さよりも長くする場合に、初期領域Dに対して、自車両2から自車両2が走行する道路4の幅方向中心に向かう方向に、判定領域Bを拡大する。また、判定領域Bの長さLyを、初期領域Dにおいて長さLyに対応する長さよりも長くする場合に、自車両2から見て自車両予測軌道Pの左右いずれの側に周辺車両3が存在するかで、初期領域Dに対して判定領域Bを拡大する方向を決定している。これらにより、判定領域Bを拡大しても、判定領域Bに含まれてしまう交差点以外の領域が広くなることを抑制できる。その結果、交点Xが交差点内ではないのに、判定領域B内に交差点ノードAが含まれてしまうことを抑制できる。
<第3実施形態>
次に、第3実施形態を説明する。第3実施形態では、説明の便宜上、自車両、周辺車両の符号を第1、第2実施形態と符号を異ならせ、自車両HV、周辺車両RVとする。その他の符号は変更しない。第1、第2実施形態では、自車両予測軌道Pの形状を直線としていたが、第3実施形態では、周辺車両RVの走行軌跡Trを利用して自車両予測軌道Pの形状を決定する。また、周辺車両予測軌道Pの形状も、周辺車両予測軌道Pに対応する周辺車両RVとは別の周辺車両RVの走行軌跡Trを利用して決定する。
図14には、周辺車両RVとして、3台の周辺車両RV1、RV2、RV3が示されている。これら3台の周辺車両RV1、RV2、RV3には、運転支援システム100aが搭載されている。
第1実施形態、第2実施形態の運転支援システム100は、一組の周辺車両情報を逐次送信していた。これに対して、運転支援システム100aは、最新の時点の一組の周辺車両情報を含む複数組の周辺車両情報を送信する。第3実施形態においては、各組の周辺車両情報には、ヨーレートが含まれていない点を除き、第1、第2実施形態の周辺車両情報と同じである。すなわち、第3実施形態における各組の周辺車両情報は、周辺車両RVの位置、絶対方位、車速を含んでいる。また、周辺車両RVの位置は、航法信号に基づいて決定されている。周辺車両情報は周辺車両RVの位置を含んでいるので、複数組の周辺車両情報により、複数の時点での周辺車両RVの位置が定まる。複数の時点での周辺車両RVの位置は、周辺車両RVの走行軌跡Trと考えることができる。よって、複数組の周辺車両情報は請求項の走行軌跡情報および軌道予測情報に相当する。
何組分の周辺車両情報を送信するかは、種々設定が可能であり、たとえば、200メートル分など、所定の距離分の走行軌跡を作成できる組数分の周辺車両情報を送信することができる。この場合、組数は速度に応じて変化することになる。あるいは、予め設定された組数の周辺車両情報を送信することとしてもよい。予め設定された組数とする場合、組数は、たとえば、以下のようにして設定する。すなわち、平均的な走行速度と上記所定距離とから、上記所定距離を走行するのに要する走行時間を算出する。そして、その走行時間を、一組の周辺車両情報のサンプリング周期で割った数を、上記組数とする。サンプリング周期は、たとえば、複数組の周辺車両情報の送信周期と同じである。なお、以下、複数組の周辺車両情報を、単に、周辺車両情報と記載することもある。
第3実施形態における周辺車両情報にはヨーレートが含まれていないので、運転支援システム100aは、ヨーレートセンサ40を備えている必要はない。運転支援システム100aのその他のハードウェア構成は、運転支援システム100と同じでよい。
自車両HVには運転支援システム1aが搭載されている。この例では、自車両HVは、周辺車両RV3の走行軌跡Tr(RV3)の近くを走行しているので、運転支援システム1aは、この走行軌跡Tr(RV3)を利用して自車両予測軌道Pを決定する。また、周辺車両RV1は、周辺車両RV2の走行軌跡Tr(RV2)の近くを走行しているので、運転支援システム1aは、この走行軌跡Tr(RV2)を利用して、周辺車両RV1の周辺車両予測軌道Pを決定する。
運転支援システム1aのハードウェア構成は、第1、第2実施形態と同じである。第3実施形態の運転支援システム1aが備える制御部13は、図3に示した処理に代えて図15に示す処理を実行する。また、この図15に示す処理とともに、自車両情報を周期的に送信する処理、および、近距離無線通信部12が周辺車両情報を受信した場合に、その周辺車両情報を、所定のメモリに一時的に記憶する処理も実行する。メモリに周辺車両情報を記憶する期間は、図15を一度実行する期間でよい。
以下、図15の処理を説明する。S201で実行する処理はS1で実行する処理と同じであり、自車両HVの現在位置を、GNSS受信部11から取得する。S201は自車位置決定部に相当する。S202で実行する処理はS2で実行する処理と同じであり、現在位置以外の自車両情報を取得する。
S203では、前回の図15の実行から今回の図15の実行までの間に近距離無線通信部12が受信した周辺車両情報をメモリから取得する。この周辺車両情報は、前述したように、走行軌跡情報、軌道予測情報に相当しているので、S203は請求項の軌跡情報取得部、軌道予測情報取得部に相当する。
S204では、自車両予測軌道リストPHLを作成する。このS204は自車両予測部に相当する。自車両予測軌道リストPHLは、自車両予測軌道Pを1つ以上格納したリストである。S204の処理の詳細は図16に示す。
図16において、S2041では、自車両予測軌道リストPHLを初期化する。また、k=1とする。続くS2042では、周辺車両RV(k)の走行軌跡Tr(k)を取得する。走行軌跡Tr(k)は、周辺車両RV(k)が送信した周辺車両情報に含まれている、最新の位置から連続する複数の時点の周辺車両RV(k)の位置である。周辺車両RVは周辺車両情報を周期的に送信しており、周辺車両RVが近距離無線通信部12の受信範囲内に存在していればその周辺車両RVが送信した周辺車両情報がメモリに記憶されている。そして、前述のS203で、前回の図15の実行から今回の図15の実行までの間に近距離無線通信部12が受信した周辺車両情報をメモリから取得している。このS2042では、そのメモリから、周辺車両情報に含まれている走行軌跡Tr(k)を取得する。
S2043では、自車両HVの現在位置から、S2042で取得した走行軌跡Tr(k)までの距離d(k)を算出する。図17に距離d(k)を示す。図17に示すように、距離d(k)は、走行軌跡Tr(k)を構成する位置を結ぶことにより形成できる線分に対して、自車両HVの現在位置から延ばした垂線の長さのうち、最短の長さである。
S2044では、S2043で算出した距離d(k)が所定距離以下であるか否かを判断する。この所定距離以下が、走行軌跡Tr(k)を自車両予測軌道Pを決定するために用いる走行軌跡Trとするための距離の条件である。所定距離は、自車両HVの現在位置と走行軌跡Tr(k)とが近いか否かを判断するための距離であり、たとえば10mである。S2044の判断がNOであれば後述するS2049に進み、YESであればS2045に進む。
S2045では方位角差ΔHを算出する。この方位角差ΔHは、距離d(k)を算出した線分の方位角SEG_Hと、自車両HVの絶対方位(以下、自車両HVの方位角HV_H)との角度差である。この方位角差ΔHは、SEG_H−HV_Hであり、−180度から180度で表現する。
S2046では、S2045で算出した方位角差ΔHが、第1方位角差閾値TH(Δ1)以下、あるいは、第2方位角差閾値TH(Δ2)以上であるか否かを判断する。この判断は、自車両HVの進行方向が、走行軌跡Tr(k)において自車両HVの現在位置に最も近い線分に対して平行に近いかどうかを判断するものである。よって、第1方位角差閾値TH(Δ1)はたとえば20度、第2方位角差閾値TH(Δ2)はたとえば160度である。このS2046は、走行軌跡Tr(k)を自車両予測軌道Pを決定するために用いる走行軌跡Trとするための角度の条件を判断している。
S2046の判断がNOである場合、後述するS2049に進み、YESである場合にはS2047に進む。ここまでのS2041〜S2046は自車両用軌跡決定部に相当し、次のS2047は自車両予測軌道決定部に相当する。
S2047では、走行軌跡Tr(k)から自車両予測軌道Pを切り出す。走行軌跡Tr(k)から切り出す一方の端は、走行軌跡Tr(k)のうち、自車両HVに最も近い点である。他方の端は、走行軌跡Tr(k)が自車両HVと同一の方向に向かう周辺車両RV(k)のものであれば、たとえば、その周辺車両RV(k)の現在位置までである。あるいは、一方の端から、所定距離分でもよい。また、走行軌跡Tr(k)が自車両HVと反対の方向に向かう周辺車両RV(k)のものであれば、他方の端は、一方の端から所定距離分である。
S2048では、S2047で切り出した自車両予測軌道Pを、自車両予測軌道リストPHLに追加する。なお、S2047で切り出した自車両予測軌道Pは、自車両HVの現在位置を一方の端としているとは限らない。そこで、S2047で切り出した自車両予測軌道Pを平行移動させて、S2047で切り出した自車両予測軌道Pの一方の端を自車両HVの現在位置としてもよい。また、平行移動を行わずに、S2047で切り出した自車両予測軌道Pをそのまま、自車両予測軌道リストPHLに追加してもよい。
S2049では、k=nであるか否かを判断する。nは、1回分の図15の実行周期の間に周辺車両情報を受信した周辺車両RVの数、すなわち、1回分の図15の実行周期の間に周辺車両情報をメモリに記憶した周辺車両RVの数である。S2049の判断がNOであれば、S2050に進む。S2050ではkを1増加させる。その後、S2042以下を再度実行する。一方、S2049の判断がYESであれば、図16の処理を終了して図15のS205へ進む。
この図16の処理により、自車両HVの周囲に存在する周辺車両RVの走行軌跡Trにおいて自車両HVの現在位置に最も近い線分が自車両HVの進行方向と平行に近いものについては、その走行軌跡Trに基づいて、自車両予測軌道Pが作成される。そして、その自車両予測軌道Pが自車両予測軌道リストPHLに格納されることになる。
説明を図15に戻す。S205では、自車両HVが走行する道路において、自車両HVの進行方向前方における直近の交差点を特定する。この処理はS4と同じである。
S206では、周辺車両予測軌道リストPRLを作成する。周辺車両予測軌道リストPRLは、周辺車両予測軌道Pを1つ以上格納したリストである。S206の処理の詳細は図18に示す。
図18において、2061では、周辺車両予測軌道リストPRLを初期化する。また、t=1、k=1とする。続くS2062では、周辺車両RV(k)の走行軌跡Tr(k)を取得する。ただし、kはt以外の数である。ここで、tは、この図18の処理で周辺車両予測軌道リストPRLを作成する周辺車両RV(t)である。k≠tであることにより、このS2062では、この図18の処理で周辺車両予測軌道リストPRLを作成する周辺車両RV(t)以外の走行軌跡Tr(k)を取得することになる。なお、周辺車両RV(t)は請求項の第1周辺車両であり、k≠tである周辺車両RV(k)は請求項の第2周辺車両である。
S2063では、周辺車両RV(t)の現在位置から、S2062で取得した走行軌跡Tr(k)までの距離d(k)を算出する。この距離d(k)は、自車両HVの現在位置に代えて周辺車両RV(t)の現在位置を用い、S2043と同じ方法で算出する。
S2064では、S2063で算出した距離d(k)が所定距離以下であるか否かを判断する。所定距離は、周辺車両RV(t)の現在位置と走行軌跡Tr(k)とが近いか否かを判断するための距離であり、たとえば10mである。この所定距離以下が、走行軌跡Tr(k)を周辺車両予測軌道Pを決定するために用いる走行軌跡Trとするための距離の条件である。S2064の判断がNOであれば後述するS2069に進み、YESであればS2065に進む。
S2065では方位角差ΔHを算出する。この方位角差ΔHは、距離d(k)を算出した線分の方位角SEG_Hと、周辺車両RV(t)の絶対方位との角度差である。S2065での方位角差ΔHは、自車両HVの絶対方位に代えて周辺車両RV(t)の絶対方位とし、S2045と同じ方法で算出する。
S2066では、S2065で算出した方位角差ΔHが、第1方位角差閾値TH(Δ1)以下、あるいは、第2方位角差閾値TH(Δ2)以上であるか否かを判断する。この判断は、周辺車両RV(t)の進行方向が、走行軌跡Tr(k)において周辺車両RV(t)の現在位置に最も近い線分に対して平行に近いかどうかを判断するものである。よって、第1方位角差閾値TH(Δ1)、第2方位角差閾値TH(Δ2)の具体的値は、S2046と同じでよい。このS2066は、走行軌跡Tr(k)を周辺車両予測軌道Pを決定するために用いる走行軌跡Trとするための角度の条件を判断している。S2066の判断がNOである場合、後述するS2069に進み、YESである場合にはS2067に進む。ここまでのS2061〜S2066は周辺車両用軌跡決定部に相当し、次のS2067は周辺車両予測軌道決定部に相当する。
S2067では、走行軌跡Tr(k)から周辺車両予測軌道Pを切り出す。切り出し方は、S2047と同じでよい。S2068では、S2067で切り出した周辺車両予測軌道Pを、周辺車両予測軌道リストPRLに追加する。なお、周辺車両予測軌道リストPRLは、周辺車両RV(t)毎に作成する。各周辺車両RV(t)に対する周辺車両予測軌道リストPRLを、周辺車両予測軌道リストPRL(t)とする。
また、S2048と同様、S2067で切り出した周辺車両予測軌道Pを平行移動させて、周辺車両予測軌道Pの一方の端を周辺車両RV(t)の現在位置としてもよいし、S2067で切り出した周辺車両予測軌道Pをそのまま周辺車両予測軌道リストPRLに追加してもよい。
S2069では、k=nであるか否かを判断する。S2069の判断がNOであれば、S2070に進む。S2070ではkを1増加させる。その後、S2062以下を再度実行する。一方、S2069の判断がYESであれば、S2071へ進む。
S2071では、t=nであるか否かを判断する。S2071の判断がNOであれば、S2072に進む。S2072では、tを1増加させ、かつ、kを1にする。その後、S2062以下を再度実行する。一方、S2071の判断がYESであれば、図18の処理を終了して図15のS207へ進む。
説明を図15に戻す。S207では、全部の周辺車両RVについて、後述する運転支援判定を行ったか否かを判断する。この判断がYESになった場合には後述するS214に進み、NOであればS208に進む。
S208では、判定対象を次の周辺車両RV(t)とする。S209では、周辺車両RV(t)との間の運転支援判定を、自車両予測軌道リストPHLにある全部の自車両予測軌道Pに対して行ったか否かを判断する。この判断がYESであればS207へ戻り、NOであればS210へ進む。
S210では、判定対象を、自車両予測軌道リストPHLに格納されている次の自車両予測軌道Pとする。S211では、周辺車両予測軌道リストPRL(t)にある全部の周辺車両予測軌道Pに対してS213の運転支援判定を行ったか否かを判断する。この判断がYESであればS209へ戻り、NOであればS212へ進む。
S212では、自車両予測軌道Pとの間の運転支援判定の対象を、周辺車両予測軌道リストPRL(t)にある次の周辺車両予測軌道Pとする。その後、S213へ進む。
S213では運転支援判定を実行する。この運転支援判定は図19に詳しく示す。
図19において、S2131では、現時点での判定対象となっている自車両予測軌道Pと周辺車両予測軌道Pに交点Xが存在するか否かを判断する。交点Xが存在しないと判断した場合には、図19に示す処理を終了し、図15のS211へ進む。一方、交点Xが存在すると判断した場合にはS2132に進む。
S2132では、判定領域Bを設定する。このS2132は請求項の領域設定部に相当する。S2132の処理はS8と同じでよい。S2133では、自車両HVが交点Xを通過するまでに要する通過所要時間と、周辺車両RVが交点Xを通過するまでに要する通過所要時間とをそれぞれ算出する。このS2133の処理はS9と同じでよい。
S2134では、自車両HVの通過所要時間と、周辺車両RVの通過所要時間との時間差が、予め設定した閾値以下であるか否かを判断する。このS2134の処理はS10と同じでよい。S2134の判断がNOであれば図19の処理を終了し、図15のS211へ進む。一方、S2134の判断がYESであればS2135へ進む。
S2135は、請求項の判定部に相当する処理であり、判定領域B内に、道路地図情報における交差点ノードAがあるか否かを判断する。この判断がYESであればS2137に進み、NOであればS2136に進む。S2136とS2137は請求項の運転支援部に相当する。
S2136では、運転支援を抑制することに決定する。一方、S2137では運転支援を実行することに決定する。運転支援の意味、運転支援を抑制することの意味は、第1実施形態と同じである。
S2136を実行した場合には図15のS211へ進む。よって、運転支援を抑制することに決定した場合には、周辺車両予測軌道リストPRL(t)にある次の周辺車両予測軌道Pに対して運転支援判定を行う。
これに対して、S2137を実行した場合には図15のS207へ進む。よって、ある周辺車両RV(t)について一度でも運転支援を実行することに決定した場合、運転支援判定を行っていない周辺車両予測軌道Pと自車両予測軌道Pの組み合わせがあっても、運転支援判定を実行する周辺車両RV(t)を次の周辺車両RV(t)とする。
説明を図15に戻す。S207〜S213の処理は、それぞれの周辺車両RV(t)に対して、S2137において運転支援を実行することに決定するまでは、周辺車両予測軌道リストPRL(t)に含まれる周辺車両予測軌道Pと自車両予測軌道Pとの全部の組み合わせについて、運転支援判定を行う処理である。
全部の周辺車両RV(t)について運転支援判定を行うとS207の判断がYESになり、S214へ進む。S214では、最も注意が必要な周辺車両RV(t)を対象とする運転支援を実行する。最も注意が必要な周辺車両RV(t)は、たとえば、運転支援レベルが最高レベルであって、直近の交差点に到達する時間が最も早い周辺車両RV(t)である。
以上、説明した第3実施形態では、自車両HVの現在位置の近くを走行した周辺車両RVの走行軌跡Trであって、その走行軌跡Trのうち自車両HVの現在位置に最も近い線分が自車両HVの進行方向と平行に近い走行軌跡Trに基づいて、自車両予測軌道Pを決定する。このようにして自車両予測軌道Pを決定すると、精度よく自車両予測軌道Pを決定できる。
また、本実施形態では、周辺車両RV(t)の周辺車両予測軌道Pも、自車両予測軌道Pと同様にして、その周辺車両RV(t)とは別の周辺車両RV(k)の走行軌跡Tr(k)に基づいて決定する。よって、精度よく周辺車両予測軌道Pを決定できる。
そして、このようにして決定した自車両予測軌道Pと周辺車両予測軌道Pをもとにして運転支援判定を行うので、精度のよい判定が可能となる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の変形例も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。
<変形例1>
前述の実施形態では判定領域Bは平行四辺形であったが、判定領域Bは、図11に示すように、円形でもよい。
また、判定領域Bは、平行四辺形ではない四角形でもよい。また、四角形以外の多角形でもよい。また、判定領域Bの自車両予測軌道Pに対する向きも、一辺が自車両予測軌道Pに直交する向きである必要もない。たとえば、判定領域Bが四角形であって、自車両予測軌道Pあるいは周辺車両予測軌道Pが、その四角形の対角線上を通るように、判定領域Bが配置されてもよい。四角形の判定領域Bであって、自車両予測軌道Pと交差する辺が自車両予測軌道Pと直交しない例としては、たとえば、次の方法で判定領域Bを設定する例がある。
図12に示すように、まず、交点Xから自車両予測軌道P上に前述の長さLy1だけ離れた位置に点Mx1を配置する。次に、交点Xから自車両予測軌道P上であって点Mx1とは反対方向に前述の長さLy2だけ離れた位置に点Mx2を配置する。次に、交点Xから周辺車両予測軌道P上に前述の長さLx1だけ離れた位置に点My1を配置し、交点Xから周辺車両予測軌道P上であって点My1とは反対方向に前述の長さLx2だけ離れた位置に点My2を配置する。4辺の各辺が4つの点Mx1、Mx2、My1、My2のいずれかを通り、互いに平行な一対の辺のうちの一方が自車両予測軌道Pに平行、互いに平行な一対の辺のうちの他方が周辺車両予測軌道Pに平行な平行四辺形を判定領域Bとする。このようにして判定領域Bを設定する例では、自車両予測軌道Pと周辺車両予測軌道Pとが直交しない場合には、判定領域Bは、4つの角が直角ではない平行四辺形になる。
<変形例2>
自車両2が進行する方向として、自車両2の旋回半径Rの円弧であって、自車両2の現在位置を基点とし、自車両2において自車両2の前後方向線に接する円弧を用いてもよい。なお、自車両2の前後方向線は、自車両2の絶対方位を表す線である。また、自車両2の旋回半径Rは、車速をヨーレートで割ることで算出できる。
車速をヨーレートで割ることにより旋回半径Rが算出できる理由は次の通りである。図13に示すように、自車両2の走行軌跡が旋回半径Rの円弧になっており、自車両2が、時刻t1から時刻t2までにΔLだけ走行したとする。この円弧ΔLを持つ扇型の中心角Δφが十分に小さい場合には、ΔL=R×Δφが成り立つ。したがって、R=ΔL/Δφ=(ΔL/Δt)/(Δφ/Δt)=車速/ヨーレートが成り立つ。また、この変形例2ではS2が請求項の取得部に相当する。
<変形例3>
自車両2の場合と同様、周辺車両3についても、S6において、周辺車両3が進行する方向として、周辺車両3の旋回半径Rの円弧であって、周辺車両3の現在位置を基点とし、周辺車両3において周辺車両3の前後方向線に接する円弧を用いてもよい。なお、この変形例3では、周辺車両情報に含まれているヨーレートを使用して周辺車両予測軌道Pを決定することになる。この変形例3とは異なり、前述の実施形態においてはヨーレートを用いずに周辺車両予測軌道Pを決定している。したがって、前述の実施形態においては、周辺車両情報にヨーレートが含まれていなくてもよい。
<変形例4>
前述の実施形態では、走行道路幅関連値として車線数を例示したが、走行道路幅関連値として、自車両2が走行する道路4の道路幅そのものを用いてもよい。また、交差道路幅関連値としても、自車両2が走行する道路4と交差する道路の道路幅そのものを用いてもよい。
<変形例5>
方位センサ20に代えて、逐次検出する自車両2の現在位置の変化から、自車両2の進行方位を決定してもよい。また、逐次検出する自車両2の現在位置の変化から、自車両2のヨーレートを算出してもよい。
周辺車両3についても同様に、逐次検出する周辺車両3の現在位置の変化から、周辺車両3の進行方位を決定してもよいし、逐次検出する周辺車両3の現在位置の変化から、周辺車両3のヨーレートを算出してもよい。
<変形例6>
通過所要時間の算出に加速度を用いてもよい。すなわち、自車両2の速度に加えて加速度を取得し、自車両2の加速度から自車両2の速度変化を予測して、自車両2が交点Xを通過する通過所要時間を決定する。また、周辺車両3の速度に加えて加速度を取得し、周辺車両3の加速度から周辺車両3の速度変化を予測して、周辺車両3が交点Xを通過する通過所要時間を決定する。このようにすれば、より精度よく、自車両2の通過所要時間と周辺車両3の通過所要時間を算出できる。
<変形例7>
前述の実施形態では、判定領域B内に、直近の交差点の交差点ノードAがあるか否かを判断していたが、直近の交差点だけでなく、直近の交差点の一つ後に自車両2が通過する交差点についての交差点ノードAがあるか否かも判断してもよい。
<変形例8>
前述の実施形態では、周辺車両3が送信した現在位置および絶対方位を用いて、自車両2が周辺車両予測軌道Pを決定していたが、周辺車両3が周辺車両予測軌道Pを逐次算出して送信してもよい。この場合には、周辺車両3が送信する周辺車両予測軌道Pが請求項の軌道予測情報に相当する。
<変形例9>
第1実施形態において、S11の処理とS10の判断の順番を入れ替えてもよい。また、S10の判断を省略してもよい。
<変形例10>
周辺車両3が備えている運転支援システム100は、前述した周辺車両情報を送信すればよい。したがって、運転支援システム100は、走行道路判定装置50を備えていなくてもよい。
<変形例11>
前述の実施形態のS1では、自車両2の現在位置に基づいて定まる自車両付近の道路地図情報を走行道路判定装置50から取得し、制御部13がマップマッチングを行っていた。しかし、走行道路判定装置50が、自車両2の現在位置に基づいてマップマッチングを実施して自車両2が走行する道路を特定してもよい。この場合、制御部13は、走行道路判定装置50が特定した、自車両2が走行する道路を示す情報を、走行道路判定装置50から取得する。
<変形例12>
第3実施形態では、周辺車両RVに搭載された運転支援システム100aは、一度の送信において複数組の運転支援情報を送信していたが、第1、第2実施形態と同様に、一度の送信では、一組の周辺車両情報を送信するようにしてもよい。この場合、運転支援システム1aが、各周辺車両RVが送信した周辺車両情報を蓄積しておいて走行軌跡Trを作成すればよい。
<変形例13>
第1実施形態、変形例2、3により、自車両予測軌道P、周辺車両予測軌道Pの形状として直線、円弧、周辺車両RVの走行軌跡Trを説明した。自車両予測軌道P、周辺車両予測軌道Pの形状は、相互に異なっていてもよい。たとえば、自車両予測軌道Pの形状を直線とし、周辺車両予測軌道Pの形状を周辺車両RVの走行軌跡Trとしてもよい。
1:運転支援システム 2:自車両 3:周辺車両 4:道路 5:道路 6:交差点 7:道路 8:道路 9:道路 10:運転支援装置 11:GNSS受信部 12:近距離無線通信部 13:制御部 20:方位センサ 30:車速センサ 40:ヨーレートセンサ 50:走行道路判定装置 51:記憶部 60:表示装置 70:スピーカー 100:運転支援システム

Claims (11)

  1. 車両で用いられ、前記車両の運転者の運転を支援する制御を行う運転支援部(S112、S113、S2136、S2137)を備えた運転支援装置であって、
    衛星航法システムが備える航法衛星が送信する航法信号を受信して決定した位置を逐次取得して、前記運転支援装置が用いられている前記車両である自車両の現在位置を逐次決定する自車位置決定部(S1、S201)と、
    前記自車位置決定部が決定した前記自車両の現在位置と前記自車両の進行方位とから、前記自車両の今後の走行軌道である自車両予測軌道を予測する自車両予測部(S3、S204)と、
    前記自車両の周辺に存在している周辺車両の現在位置であって前記航法信号に基づいて定まる前記周辺車両の現在位置と、前記周辺車両の進行方位とから予測される前記周辺車両の今後の走行軌道である周辺車両予測軌道を予測するための軌道予測情報を、前記自車両に備えられている車車間通信部から取得して、前記周辺車両の今後の走行軌道である周辺車両予測軌道を予測する周辺車両予測部(S6、S206)と、
    前記自車両予測軌道と前記周辺車両予測軌道に交点がある場合に、前記交点を含むように判定領域を設定する領域設定部(S8、S2132)と、
    前記領域設定部が設定した前記判定領域内に、交差点を交差点ノードで表している道路地図情報における前記交差点ノードがあるか否かを判定する判定部(S111、S2135)とを備え、
    前記運転支援部は、前記判定領域内に前記交差点ノードがない場合、前記判定領域内に前記交差点ノードがある場合よりも、運転支援レベルを運転支援が抑制されるレベルとする運転支援装置。
  2. 請求項1において、
    前記自車両予測部は、前記自車位置決定部が決定した前記自車両の現在位置を基点として、前記自車両の進行方位の方向へ延びる直線を前記自車両予測軌道とする運転支援装置。
  3. 請求項1において、
    前記自車両の車速とヨーレートを逐次取得する取得部(S2)を備え、
    前記自車両予測部は、前記取得部が取得した前記自車両の前記車速および前記ヨーレートに基づいて前記自車両の旋回半径を算出し、前記自車位置決定部が決定した前記自車両の現在位置を基点として、前記基点において前記自車両の前後方向線と接する前記自車両の前記旋回半径の円弧を前記自車両予測軌道とする運転支援装置。
  4. 請求項1において、
    前記車車間通信部から、前記周辺車両が送信した、当該周辺車両の走行軌跡を決定するための走行軌跡情報を取得する軌跡情報取得部(S203)を備え、
    前記自車両予測部は、
    前記走行軌跡情報に基づいて定まる前記周辺車両の走行軌跡であって、前記自車両の現在位置からの距離の条件および前記自車両の進行方位との角度差の条件を満たす前記周辺車両の走行軌跡を、前記自車両予測軌道を決定するための走行軌跡に決定する自車両用軌跡決定部(S2041〜S2046)を備え、
    前記自車両用軌跡決定部が決定した前記自車両予測軌道を決定するための走行軌跡のうち、前記自車位置決定部が決定した前記自車両の現在位置により定まる始点から前記自車両の進行方位の方向へ延びる部分に基づいて前記自車両予測軌道を決定する自車両予測軌道決定部(S2047)とを備える運転支援装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    前記車車間通信部が受信する前記軌道予測情報に、前記周辺車両の現在位置と前記周辺車両の進行方位が含まれており、
    前記周辺車両予測部は、前記車車間通信部から取得した前記周辺車両の現在位置を基点として、前記周辺車両の進行方位の方向へ延びる直線を前記周辺車両予測軌道とする運転支援装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    前記車車間通信部が受信する前記軌道予測情報に、前記周辺車両の現在位置、車速およびヨーレートが含まれており、
    前記周辺車両予測部は、前記車車間通信部から取得した前記周辺車両の車速およびヨーレートに基づいて前記周辺車両の旋回半径を算出し、前記車車間通信部から取得した前記周辺車両の現在位置を基点として、前記基点において前記周辺車両の前後方向線と接する前記周辺車両の前記旋回半径の円弧を前記周辺車両予測軌道とする運転支援装置。
  7. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    前記車車間通信部から、前記軌道予測情報として、前記周辺車両が送信した、当該周辺車両の走行軌跡を決定するための走行軌跡情報を取得する軌道予測情報取得部(S203)を備え、
    前記周辺車両予測部は、
    前記走行軌跡情報を送信した前記周辺車両を第1周辺車両としたとき、前記走行軌跡情報に基づいて定まる前記第1周辺車両の走行軌跡であって、前記第1周辺車両とは異なる前記周辺車両である第2周辺車両の現在位置からの距離の条件および前記第2周辺車両の進行方位との角度差の条件を満たす前記第1周辺車両の走行軌跡を、前記第2周辺車両の前記周辺車両予測軌道を決定するための走行軌跡に決定する周辺車両用軌跡決定部(S2061〜S2066)と、
    前記周辺車両用軌跡決定部が決定した前記第2周辺車両の前記周辺車両予測軌道を決定するための走行軌跡のうち、前記第2周辺車両の現在位置により定まる始点から前記第2周辺車両の進行方位の方向へ延びる部分に基づいて前記第2周辺車両の前記周辺車両予測軌道を決定する周辺車両予測軌道決定部(S2067)とを備える運転支援装置。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項において、
    前記領域設定部は、前記自車両が走行する道路の道路幅に関連する値である走行道路幅関連値を取得して、前記走行道路幅関連値に基づいて定まる道路幅に応じて、前記自車両から前記自車両が走行する道路の幅方向中心に向かう方向に、前記判定領域を広くする運転支援装置。
  9. 請求項8において、
    前記領域設定部は、前記走行道路幅関連値として、前記自車両が走行する道路の車線数を取得する運転支援装置。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項において、
    前記判定部は、前記判定領域内に、前記自車両が走行する道路における直近の交差点についての前記交差点ノードがあるか否かを判定する運転支援装置。
  11. 請求項8または9において、
    前記判定部は、前記判定領域内に、前記自車両が走行する道路における直近の交差点についての前記交差点ノードがあるか否かを判定し、
    前記領域設定部は、前記自車両が走行する道路における直近の交差点において交差する交差道路の道路幅に関連する値である交差道路幅関連値を取得して、前記交差道路幅関連値に基づいて定まる道路幅に応じて、前記自車両予測軌道に沿った方向であって、前記自車両から見て前記自車両予測軌道に対して前記周辺車両が左右いずれの側に存在するかに応じて定まる方向に、前記判定領域を広くする運転支援装置。
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