JP6603827B2 - 変異遺伝子検出方法 - Google Patents

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Description

本発明は、野生型対立遺伝子(野生型アレル(wild-type allele))を含む核酸試料において、低頻度で含まれる突然変異遺伝子(変異アレル(mutant allele))を高感度に検出及び定量する方法に関する。
遺伝子変異には、遺伝的に受け継がれる生殖細胞変異と後天的に一つ一つの細胞内で引き起こされる体細胞変異がある。生殖細胞変異である特定の遺伝子の一塩基多型(Single Nucleotide Polymorphism;SNP)や代表的な体細胞変異である点変異(一塩基変異)が、各種疾病に関連していることが報告されており、近年それらの塩基配列を検出することが、特定の薬剤の効果が期待される患者の選別に利用されている。
例えば、肺癌の治療薬であるチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)の薬効判断の基礎として、上皮成長因子受容体(EGFR)の遺伝子変異検査が行われている。この検査は、微量な癌組織検体を用いて行われること、及び、正常組織及び癌組織由来の野生型対立遺伝子が混在することから、高感度かつ高い特異性を有することが求められる。
EGFR遺伝子変異の中で、特にエクソン20のコドン790の点変異(T790M、2369C->T)は、ゲフィチニブやアファチニブなどの第1世代および第2世代TKIの耐性変異として知られている。近年、このT790M変異に対して奏効する第3世代のTKI(オシメルチニブ)が臨床応用されたが、肺癌のTKI耐性及び再発が認められた患者への適用条件として、T790M変異の検査が求められている。さらに、T790M変異によるTKI耐性及び肺癌の再発の兆候を見落とさない為に、頻回のRe biopsy実施による組織検体の採取とその検体での検査が求められることになるが、侵襲性の高いRe biopsyは患者への負担も大きく、実施できない場合もある。そこで、近年、血漿中に流れ出る癌組織由来のCell free DNAからT790M変異が検出された場合もオシメルチニブを処方することが可能になった。しかしながら、この血漿中Cell
free DNAは微量であり、組織検体からの検出において必要とされる以上に、高感度な変異検出方法が必要とされる。加えて、肺癌の再発をモニタリングする為、T790M変異の量の変化を把握できる定量方法が所望される。
EGFRの遺伝子変異を検出する方法として、リアルタイムPCR法(非特許文献1)や、アレル特異的プライマー(Allele Specific Primer;ASP)を用いたASP-PCR法とQプローブによる解離曲線解析とを組み合わせたMBP-QP法(非特許文献2)が報告されている。これらの方法による検出感度は0.1〜1%程度で、がん細胞を含むことが既に確認された組織検体からの検出には十分な感度であるが、再発患者における低頻度変異の検出には不十分とみられる。近年、これらの検出方法よりも100倍以上高感度で、且つ定量が可能なデジタルPCR法が登場しており、この方法を用いるとTKI未治療患者から変異が検出されるなど、既存の検出方法では検出不可能であった変異を検出できることが報告されている(非特許文献3)。このような低頻度のT790M変異が検出された場合にも第1、2世代TKIの耐性となっているのか、第3世代TKIが奏効するのかなど、突然変異遺伝子の割合と薬剤応答の関係性を評価すべきとする考えが広く受け入れられている。この関係性が明確になれば、耐性突然変異遺伝子の割合に応じて、適切な薬剤選択が可能となる。しかし、高感度に定量が可能なデジタルPCR法は操作が煩雑で、また、高価な専用装置が必要である。
前述したASP-PCR法は、EGFRやRASなどの遺伝子変異(特に、点変異)を検出するために、簡便で比較的高感度な手法であるが、この方法で高感度な変異検出系を構築するには、ASPの特異性向上が不可欠である。ASPは、一般に、3’末端1〜3塩基のいずれかが一塩基多型などの遺伝子多型の変異型ヌクレオチドに対応するように設計され、さらに、多型部位以外の場所に標的核酸と相補でない塩基配列(ミスマッチ)を人為的に加えることで特異性を確保するように設計される(特許文献1、特許文献2、及び出願人の本件出願優先日における未公開特許出願(PCT/JP2017/12820))。しかしながら、ミスマッチを人為的に加えたASPでは、完全マッチのプライマーと比較して親和性が弱くなるので、増幅効率の低下を招くことがある。
一塩基変異を検出するためのASPは一塩基の違いによって特異性を確保するため、プライマー長を短くすることが有効である。一方で、プライマー長の短いASPで増幅を行う場合、PCRのアニーリング温度を下げる必要があるが、これによって非特異増幅の発生が懸念される。このような非特異増幅は、1つの反応系で複数のプライマーを用いて複数変異を同時に増幅する場合は(マルチプレックスPCR)、特に発生しやすい。
非特異増幅を低減させる手法として、Nested PCRが知られている。この方法は標的配列を挟む第1のプライマーセットにより第1の増幅反応を実施した後、この第1の反応溶液の1/20〜1/50を第2の増幅反応の鋳型として、第1のプライマーセットよりも内側に設計した第2のプライマーセットにより、目的の配列を増幅する手法である。この方法は第1のプライマーセットによるミスプライミングが原因で非特異的な産物が増幅された場合でも、第2のプライマーセットで同じ非特異的な領域が増幅される可能性は低いことを利用して、標的配列を含む領域を効率的に増やすことができる。しかし、PCR反応を2回実施するため、操作が煩雑で時間もかかる。また、第1のPCR反応後、その反応溶液を第2のPCR反応の鋳型として用いるため、多量の増幅産物を含む反応溶液のふたを開ける必要があり、測定環境への増幅産物の汚染(相互汚染)が懸念される。
特開2005-160430号公報 特許第3937136号
Biomed Res Int. 2013;2013:385087. J Thorac Oncol. 2011 Oct;6(10):1639-48. Clin Cancer Res. 2015 Aug 1;21(15):3552-60.
本発明は、前記従来の課題を解決するために、野生型対立遺伝子(野生型アレル(wild-type allele))を含む核酸試料において、低頻度で含まれる突然変異遺伝子(変異アレル(mutant allele))を、高感度に検出する方法、さらには定量する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、Nested PCRをホモジニアスな反応系で実施することを試み、興味の対象となる遺伝子の変異部位を挟むように設計された第1のプライマーセットと当該変異に対応するASPを含む第2のプライマーセットを混合した一つの反応系で、当該遺伝子の野生型対立遺伝子からの増幅反応を抑制する競合核酸を含み、特定のプライマー濃度条件を選択し、かつ、随意により第1及び第2のプライマーセットによるPCR反応のサイクル数を制御することで、低頻度の突然変異遺伝子から高感度に増幅産物を得ることが可能であり、また定量性も確保できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、次の[1]〜[8]を提供するものである。
[1]核酸試料中に含まれる遺伝子変異を、DNAポリメラーゼを用いた核酸増幅反応による増幅産物の有無で検出する方法であって、当該遺伝子の多型部位を挟むように設計された第1のプライマーセットと、当該変異を含む核酸から選択的に増幅するアレル特異的プライマーを1つ以上含む第2のプライマーセットが共存する核酸増幅反応液中において、
(a) 第2のプライマーセットによる核酸増幅反応が起きない条件下にて、当該遺伝子の野生型アレルの配列を有し、当該多型部位の全部又は一部にハイブリダイゼーションする競合核酸の存在下で、第1のプライマーセットによる核酸増幅反応により、変異アレルを含む核酸を増幅させ、増幅産物を得る工程を含み、
(b) 工程(a)の増幅産物を得る際に、第1のプライマーセットのプライマーの濃度を、第2のプライマーセットの濃度と比較して、減少させて増幅反応させる工程を含み、
(c) 工程(a)で得られた増幅産物に対して、少なくとも第2のプライマーセットが作用する条件で核酸増幅反応により変異アレルを含む核酸を選択的に増幅させることで、核酸試料中に含まれる遺伝子変異を検出する方法。
[2]前記の第2のプライマーセットによる核酸増幅反応が起きない条件が、当該アレル特異的プライマーが当該変異を含む核酸にアニールしない温度条件である、上記[1]に記載の方法。
[3]第2のプライマーセットのアレル特異的プライマーでないプライマーが、第1のプライマーセットの一方のプライマーと共通して設計される、上記[1]又は[2]に記載の方法。
[4]第1のプライマーセットにおいて、第2のプライマーセットのアレル特異的プライマーと同じ向きのプライマーの濃度が、他方のプライマーの濃度の1/100〜1/20である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]第2のプライマーセットによる増幅産物の有無を、イオン交換クロマトグラフィーにより分離された増幅産物のピークの有無により検出する工程を含む、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]核酸試料中に含まれる変異アレルを、DNAポリメラーゼを用いた核酸増幅反応による増幅産物を用いて定量する方法であって、当該遺伝子の多型部位を挟むように設計された第1のプライマーセットと、当該変異を含む核酸から選択的に増幅するアレル特異的プライマーを1つ以上含む第2のプライマーセットが共存する核酸増幅反応液中において、
(a) 第2のプライマーセットによる核酸増幅反応が起きない条件下にて、当該遺伝子の野生型アレルの配列を有し、当該多型部位の全部又は一部にハイブリダイゼーションする競合核酸の存在下で、第1のプライマーセットによる核酸増幅反応により、変異アレルを含む核酸を増幅させ、増幅産物を得る工程を含み、
(b) 工程(a)の増幅産物を得る際に、第1のプライマーセットによる核酸増幅反応が飽和期に到達する前に、核酸試料中に含まれる変異アレルのDNA量を反映して生成した増幅産物に対して、継続して少なくとも第2のプライマーセットが作用する条件で核酸増幅反応により、変異アレルを含む核酸を選択的に増幅させることで、核酸試料中に含まれる変異アレルを定量する方法。
[7]第1のプライマーセットによる核酸増幅反応のサイクル数を15〜32回に設定し、さらに第2のプライマーセットによる核酸増幅反応のサイクル数を30〜60回に設定し、2つの反応を組み合わせて連続で行う、上記[6]に記載の方法。
[8]第2のプライマーセットによる増幅産物をイオン交換クロマトグラフィーにより分離し、当該増幅産物のピーク面積から、その核酸試料中に含まれる変異アレルを定量する、上記[6]又は[7]に記載の方法。
本発明によれば、低頻度で含まれる突然変異遺伝子を特異的に、かつ迅速に検出及び定量することが可能になる。例えば、肺癌患者におけるEGFR遺伝子変異検出のように、突然変異遺伝子(例えば、T790M)に対応する野生型対立遺伝子が、試料中に多量に混在する場合でも、高感度に変異を検出及び定量できることで、第1、第2世代TKIの耐性のリスク判断やモニタリングによる臨床への応用を可能とする。
第1PCR用のフォワードプライマーの濃度を変えてPCR増幅した場合の第2PCR反応30サイクルの増幅曲線を示す。 [A]ASP-PCR法によるMutant 0.05ngからPCR増幅した場合の増幅曲線を示す。[B]ASP-PCR法によるMutant 0.015ngからPCR増幅した場合の増幅曲線を示す。[C]第1PCR用のフォワードプライマー(0.025μM)を用いてMutant 0.05ngからPCR増幅した場合の第1PCR反応55サイクルの増幅曲線を示す。[D]第1PCR用のフォワードプライマー(0.025μM)を用いてMutant 0.05ngからPCR増幅した場合の第2PCR反応30サイクルの増幅曲線を示す。[E]第1PCR用のフォワードプライマー(0.025μM)を用いてMutant 0.015ngからPCR増幅した場合の第1PCR反応55サイクルの増幅曲線を示す。[F]第1PCR用のフォワードプライマー(0.025μM)を用いてMutant 0.015ngからPCR増幅した場合の第2PCR反応30サイクルの増幅曲線を示す。 第1PCR反応55サイクル、第2PCR反応30サイクル後の増幅産物のイオン交換クロマトグラフィーによる溶出ピークを示す。 [A]第1PCR反応55サイクルの増幅曲線を示す。[B]上記[A]の第1PCR反応55サイクル後、第2PCR反応30サイクルの増幅曲線を示す。[C]上記[B]の第2PCR反応30サイクル時のRFU値とT790M変異アレル割合の相関性を示す。[D]第1PCR反応35サイクルの増幅曲線を示す。[E]上記[D]の第1PCR反応35サイクル後、第2PCR反応30サイクルの増幅曲線を示す。[F]上記[E]の第2PCR反応30サイクル時のRFU値とT790M変異アレル割合の相関性を示す。[G]第1PCR反応32サイクルの増幅曲線を示す。[H]上記[G]の第1PCR反応32サイクル後、第2PCR反応30サイクルの増幅曲線を示す。[I]上記[H]の第2PCR反応30サイクル時のRFU値とT790M変異アレル割合の相関性を示す。[J]第1PCR反応25サイクルの増幅曲線を示す。[K]上記[J]の第1PCR反応25サイクル後、第2PCR反応30サイクルの増幅曲線を示す。[L]上記[K]の第2PCR反応30サイクル時のRFU値とT790M変異アレル割合の相関性を示す。[M]第1PCR反応25サイクルの増幅曲線を示す。[N]上記[M]の第1PCR反応25サイクル後、第2PCR反応37サイクルの増幅曲線を示す。[O]上記[N]の第2PCR反応37サイクル時のRFU値とT790M変異アレル割合の相関性を示す。[P]第1PCR反応15サイクルの増幅曲線を示す。[Q]上記[P]の第1PCR反応15サイクル後、第2PCR反応47サイクルの増幅曲線を示す。[R]上記[Q]の第2PCR反応47サイクル時のRFU値とT790M変異アレル割合の相関性を示す。 [A]第1PCR反応15サイクル、第2PCR反応47サイクル後の増幅産物溶出ピークを示す。[B]上記[A]の増幅産物溶出ピーク面積とT790M変異アレル割合の相関性を示す。[C]第1PCR反応25サイクル、第2PCR反応37サイクル後の増幅産物溶出ピークを示す。[D]上記[C]の増幅産物溶出ピーク面積とT790M変異アレル割合の相関性を示す。[E]第1PCR反応32サイクル、第2PCR反応30サイクル後の増幅産物溶出ピークを示す。[F]上記[E]の増幅産物溶出ピーク面積とT790M変異アレル割合の相関性を示す。[G]第1PCR反応35サイクル、第2PCR反応27サイクル後の増幅産物溶出ピークを示す。[H]上記[G]の増幅産物溶出ピーク面積とT790M変異アレル割合の相関性を示す。
以下に、発明を実施するための一形態を説明するが、本発明はこれらの実施形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる様態で実施しうる。
本発明において、第2のプライマーセットのアレル特異的プライマー(ASP)でないプライマーは、第1のプライマーセットの一方のプライマーと共通して設計することもできる(以下、共通して設計するプライマーを「共通プライマー(common primer)」と呼ぶことがある)。即ち、共通プライマーは、第1のプライマーセットと第2のプライマーセットの両方において役割を果たす。この場合、共通プライマーの濃度は、第2のプライマーセットの濃度に合わせることが好ましい。
本発明において、第1PCR反応時に共存している第2のプライマーセットが働かないようにする為に、第1のプライマーセットのTm値の最も低い値が、第2のプライマーセットのTm値の最も低い値と比較して10℃以上高くなるように設計し、かつ、増幅反応温度の差を10℃以上とすることが好ましい。本発明において、第1PCR反応時に共存している第2のプライマーセットが働かないようにする為に、第2のプライマーセットによる核酸増幅反応が起きない条件を採用することが好ましい。
本発明において、第1のプライマーセットの各プライマーの濃度を、第2のプライマーセットのASPの濃度の1/100〜1/20にすることが好ましい。この場合、第1のプライマーセットの各プライマーの濃度は、一方が他方の100倍、20倍、又は10倍以内であることが好ましく、第2のプライマーセットの各プライマーの濃度は、一方が他方の100倍、20倍、又は10倍以内であることが好ましい。また、第2のプライマーセットのASPでないプライマーを、第1のプライマーセットの一方のプライマーと共通して設計する場合には、第1のプライマーセットにおいて、第2のプライマーセットのASPと同じ向きのプライマーの濃度を、共通プライマーの濃度の1/100〜1/20にすることが好ましい。
本発明において、第1のプライマーセットにおける、第2のプライマーセットのASPと同じ向きのプライマーの濃度としては、0.010〜0.100μM、0.020〜0.050μM、又は0.025〜0.040μMであることが好ましい。
本発明において、突然変異遺伝子の定量(野生型対立遺伝子に対する比率の測定及び/又は突然変異遺伝子のコピー数の測定)を行うためには、突然変異遺伝子の変異部位を含む検出領域を選択的に増幅させる条件であれば特に制限なく採用できるが、第1のプライマーセットによる核酸増幅反応が対数期(exponential phase)を経過して飽和期(saturation
phase)に到達する前に、少なくとも第2のプライマーセットが作用する条件に変更して(例えば、増幅反応温度を低下させて)核酸増幅反応を行うことが好ましい。好適には、第1のプライマーセットによる核酸増幅反応のサイクル数を15〜32回、16回〜31回、17回〜30回、18回〜29回、19回〜28回、20回〜27回、21回〜26回、22回〜25回、又は23回〜24回、あるいは、15回、16回、17回、18回、19回、20回、21回、22回、23回、24回、25回、26回、27回、28回、29回、30回、31回、又は32回に設定し、さらに第2のプライマーセットによる核酸増幅反応のサイクル数を30回〜60回、31回〜59回、32回〜58回、33回〜57回、34回〜56回、35回〜55回、36回〜54回、37回〜53回、38回〜52回、39回〜51回、40回〜50回、41回〜49回、42回〜48回、43回〜47回、又は44回〜46回、あるいは、30回、31回、32回、33回、34回、35回、36回、37回、38回、39回、40回、41回、42回、43回、44回、45回、46回、47回、48回、49回、50回、51回、52回、53回、54回、55回、56回、57回、58回、59回、又は60回に設定し、2つの反応を組み合わせて連続で行うことが挙げられる。
本明細書において、「核酸増幅反応が飽和期に到達する」と言うときは、以下の(1)又は(2)の何れか少なくとも一つの場合に該当する状況を意味する: (1)N回目のサイクルの核酸増幅反応後における増幅産物の量が、N-1回目のサイクルの核酸増幅反応後における増幅産物の量と比較して1.3倍以下になった場合; (2) 核酸増幅反応のサイクル数をx-軸、当該サイクルの核酸増幅反応後における増幅産物の量をy-軸としてプロットした曲線に変曲点が現れた場合(二回微分が正となった場合)。
本発明において、第1の増幅産物の鎖長は250bp以下かつ50bp以上であることが好ましい。本発明において、血中のcell free DNAを検出する場合、第1の増幅産物の鎖長は120bp以下かつ50bp以上であることが好ましい。
本発明において、競合核酸にはペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)、及び3’末端からDNAポリメラーゼによるDNA合成反応が起こらないように3’末端をリン酸化などの修飾を施したオリゴヌクレオチドを含む。また、競合核酸の濃度は、第1のプライマーセットによる増幅において、検出対象でない野生型対立遺伝子の増幅を抑制し、検出対象である突然変異遺伝子の増幅を阻害しない濃度であることが好ましい。より具体的には、競合核酸の濃度は、0.01〜1.00μM、0.01〜0.75μM、0.02〜0.50μM、0.03〜0.30μM、0.04〜0.25μM、0.05〜0.20μM、0.06〜0.17μM、0.07〜0.14μM、0.08〜0.13μM、0.09〜0.11μMであることが好ましい。
本発明において、競合核酸の配列は、変異を検出しようとする遺伝子の野生型アレルの多型部位を含む少なくとも10ヌクレオチド、好ましくは、10〜30ヌクレオチド、11〜29ヌクレオチド、12〜28ヌクレオチド、13〜27ヌクレオチド、14〜26ヌクレオチド、15〜25ヌクレオチド、16〜24ヌクレオチド、17〜23ヌクレオチド、18〜22ヌクレオチド、又は19〜21ヌクレオチド、あるいは、10ヌクレオチド、11ヌクレオチド、12ヌクレオチド、13ヌクレオチド、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、23ヌクレオチド、24ヌクレオチド、25ヌクレオチド、26ヌクレオチド、27ヌクレオチド、28ヌクレオチド、29ヌクレオチド、又は30ヌクレオチド配列と完全に一致することが好ましい。本発明において、競合核酸の配列は、変異を検出しようとする遺伝子のDNAの二本鎖のうち、いずれの鎖の配列を採用しても良い。本発明において、競合核酸の長さは、好ましくは、10〜40ヌクレオチド、11〜39ヌクレオチド、12〜38ヌクレオチド、13〜37ヌクレオチド、14〜36ヌクレオチド、15〜35ヌクレオチド、16〜34ヌクレオチド、17〜33ヌクレオチド、18〜32ヌクレオチド、19〜31ヌクレオチド、20〜30ヌクレオチド、21〜29ヌクレオチド、22〜28ヌクレオチド、23〜27ヌクレオチド、24〜26ヌクレオチド、25〜25ヌクレオチド、26〜34ヌクレオチド、27〜33ヌクレオチド、28〜32ヌクレオチド、若しくは29〜31ヌクレオチド、又は、10ヌクレオチド、11ヌクレオチド、12ヌクレオチド、13ヌクレオチド、14ヌクレオチド、15ヌクレオチド、16ヌクレオチド、17ヌクレオチド、18ヌクレオチド、19ヌクレオチド、20ヌクレオチド、21ヌクレオチド、22ヌクレオチド、23ヌクレオチド、24ヌクレオチド、25ヌクレオチド、26ヌクレオチド、27ヌクレオチド、28ヌクレオチド、29ヌクレオチド、30ヌクレオチド、31ヌクレオチド、32ヌクレオチド、33ヌクレオチド、34ヌクレオチド、35ヌクレオチド、36ヌクレオチド、37ヌクレオチド、38ヌクレオチド、39ヌクレオチド、40ヌクレオチド、41ヌクレオチド、42ヌクレオチド、43ヌクレオチド、44ヌクレオチド、45ヌクレオチド、46ヌクレオチド、47ヌクレオチド、48ヌクレオチド、49ヌクレオチド、若しくは50ヌクレオチドである。本発明において、競合核酸における多型部位の位置は、当該多型部位の全部又は一部が当該競合核酸の配列に含まれる位置であれば、どこであっても構わない。当該多型部位の全部が当該競合核酸の配列に含まれる場合には、一態様においては、当該多型部位は5'側から全長の1/10から9/10の間のヌクレオチドに対応することが好ましい。この場合、例えば、長さが49ヌクレオチドの競合核酸については、多型部位は、4.9(=49×1/10)から44.1の間のヌクレオチド、即ち、5番目から44番目のヌクレオチドに対応することが好ましい。別の態様においては、当該多型部位は5'側から全長の2/10から8/10の間のヌクレオチド、3/10から7/10の間のヌクレオチド、又は4/10から6/10の間のヌクレオチドに対応することが好ましい。
本発明において、第2のプライマーセットによる増幅産物を検出又は定量する方法としては、SYBR(登録商標) Green等のインターカレーターを用いて、生じた蛍光強度を測定する方法が好ましいが、さらに好ましい方法としては、増幅産物をイオン交換クロマトグラフィーにより分離し、そのピークの存在の有無及びピーク面積の比較により行う方法が好ましい。増幅産物のピークは、通常260nmにおける吸光度測定で検出されるが、5’末端に蛍光色素を標識したASPを用いることで、その増幅産物は蛍光検出器で検出可能となるので、ASP以外の非特異増幅産物と区別する場合は有用である。その際に用いられる蛍光色素としては、例えば、Alexa Fluor(登録商標)シリーズ、Cy(登録商標)シリーズ、ATTOシリーズ、DYシリーズ、DyLight(登録商標)シリーズ、FAM、TAMRAなどが挙げられる。
本発明において、核酸試料としては、野生型アレルと変異アレルが混在する試料が好ましく、特に、野生型アレルに対して変異アレルが低頻度で混在する又は混在することが疑われる試料が好ましい。本明細書において、「低頻度」とは、試料中の野生型アレルのDNA(wild)と変異アレルのDNA(mu)の混合比(mu/wildの%)が、0.001〜0.01%、0.001〜0.02%、0.001〜0.05%、0.001〜0.1%、0.001〜0.2%、0.001〜0.5%、0.001〜1%、0.001〜2%、0.001〜5%、0.001〜10%、0.002〜0.01%、0.002〜0.02%、0.002〜0.05%、0.002〜0.1%、0.002〜0.2%、0.002〜0.5%、0.002〜1%、0.002〜2%、0.002〜5%、0.002〜10%、0.005〜0.01%、0.005〜0.02%、0.005〜0.05%、0.005〜0.1%、0.005〜0.2%、0.005〜0.5%、0.005〜1%、0.005〜2%、0.005〜5%、0.005〜10%、0.01〜0.01%、0.01〜0.02%、0.01〜0.05%、0.01〜0.1%、0.01〜0.2%、0.01〜0.5%、0.01〜1%、0.01〜2%、0.01〜5%、若しくは0.01〜10%、又は、0.001%、0.002%、0.005%、0.01%、0.02%、0.05%、0.1%、0.2%、0.5%、1%、2%、5%、若しくは10%であることを意味する。試料としては、チロシンキナーゼ阻害剤(TKI)に対して感受性であったことがある癌患者の癌組織由来の生体試料が好ましい。また、本明細書において、「高感度」とは、試料中の変異アレルのDNAの濃度が、0.0001〜0.001ng/μL、0.0001〜0.003ng/μL、0.0001〜0.01ng/μL、0.0001〜0.03ng/μL、0.0001〜0.1ng/μL、0.0001〜0.3ng/μL、0.0001〜1ng/μL、0.0003〜0.001ng/μL、0.0003〜0.003ng/μL、0.0003〜0.01ng/μL、0.0003〜0.03ng/μL、0.0003〜0.1ng/μL、0.0003〜0.3ng/μL、0.0003〜1ng/μL、0.001〜0.003ng/μL、0.001〜0.01ng/μL、0.001〜0.03ng/μL、0.001〜0.1ng/μL、0.001〜0.3ng/μL、0.001〜1ng/μL、0.003〜0.01ng/μL、0.003〜0.03ng/μL、0.003〜0.1ng/μL、0.003〜0.3ng/μL、0.003〜1ng/μL、0.01〜0.03ng/μL、0.01〜0.1ng/μL、0.01〜0.3ng/μL、0.01〜1ng/μL、0.03〜0.1ng/μL、0.03〜0.3ng/μL、若しくは0.03〜1ng/μL、又は、0.0001ng/μL、0.0003ng/μL、0.001ng/μL、0.003ng/μL、0.01ng/μL、0.03ng/μL、0.1ng/μL、0.3ng/μL、若しくは1ng/μLの場合に、核酸試料中に含まれる遺伝子変異を検出できることを意味する。
本発明において、遺伝子変異としては、EGFR遺伝子のエクソン20のコドン790の点変異(T790M、2369C->T)が好ましい。EGFR遺伝子のエクソン20のコドン790の周囲の配列を配列番号1(野生型)及び配列番号2(変異型)に示す。
(EGFR遺伝子のT790M野生配列[ACG]フラグメント)
Figure 0006603827
(EGFR遺伝子のT790M変異配列[ATG]フラグメント)
Figure 0006603827
本発明において、核酸増幅反応としては、ポリメラーゼ連鎖反応法が好ましい。
本発明において、アレル特異的プライマーとしては、その3’末端より2番目のヌクレオチドの塩基が当該変異の変異型ヌクレオチドの塩基に対応し、3’末端より3番目のヌクレオチドの塩基が標的核酸の対応するヌクレオチドの塩基と相補でない塩基を有し、かつ、その他のヌクレオチドの塩基が当該標的核酸の対応するヌクレオチドの塩基と相補的であるプライマーが好ましい。また、本発明の別の態様においては、アレル特異的プライマーは、その3’末端より3番目のヌクレオチドの塩基が当該変異の変異型ヌクレオチドの塩基に対応し、3’末端より2番目のヌクレオチドの塩基が標的核酸の対応するヌクレオチドの塩基と相補でない塩基を有し、かつ、その他のヌクレオチドの塩基が当該標的核酸の対応するヌクレオチドの塩基と相補的であるプライマーが好ましい。
本発明において、第1のプライマーセットと第2のプライマーセットが共存するというときは、第1のプライマーセットと第2のプライマーセットに含まれる全てのプライマーが、連続する単一の液相中(即ち、核酸増幅反応液中)に存在することを意味する。
本発明において、第2のプライマーセットによる核酸増幅反応が起きない条件としては、アレル特異的プライマーが当該変異を含む核酸にアニールしない温度条件を使用することが好ましい。より具体的には、第2のプライマーセットによる核酸増幅反応が起きない条件としては、アレル特異的プライマーの融解温度(Tm)より1〜19℃高い、2〜18℃高い、3〜17℃高い、4〜16℃高い、5〜15℃高い、6〜14℃高い、7〜13℃高い、8〜12℃高い、又は9〜11℃高い温度条件、あるいは、1℃高い、2℃高い、3℃高い、4℃高い、5℃高い、6℃高い、7℃高い、8℃高い、9℃高い、10℃高い、11℃高い、12℃高い、13℃高い、14℃高い、15℃高い、16℃高い、17℃高い、18℃高い、19℃高い、20℃高い、温度条件を使用することが好ましい。
本発明において、多型部位としては、一塩基多型を含む部位が好ましい。興味の対象である遺伝子の興味の対象である多型部位において、変異を有するアレルは変異アレルと呼ばれ、変異を有しないアレルは野生型アレルと呼ばれる。
本発明において、野生型アレルとは、検出しようとする遺伝子変異の変異部位において、検出しようとする変異を有しないアレルを意味する。本発明において、野生型アレルとしては、EGFR遺伝子のエクソン20のコドン790のアミノ酸がTのアレルが好ましい。
本発明において、変異アレルとは、検出しようとする遺伝子変異の変異部位において、検出しようとする変異を有するアレルを意味する。本発明において、変異アレルとしては、EGFR遺伝子のエクソン20のコドン790のアミノ酸がMのアレルが好ましい。
本発明において、核酸試料中の変異アレルを定量する方法としては、第2のプライマーセットによる増幅産物をイオン交換クロマトグラフィーにより分離し、溶出時間をx-軸、溶出されたDNAの量をy-軸として表した曲線における当該増幅産物のピーク面積から、その核酸試料中に含まれる変異アレルを定量する方法が好ましい。この場合、増幅産物のピーク面積は、例えば、当該ピークの両側の極小点(極小点が存在しない場合には最小点)を結んだ直線をベースラインとして、当該曲線と当該ベースラインに囲まれた領域の面積をピーク面積として求めることができる。既知の量の変異アレルを含む核酸試料を対照試料として使用し、当該対照試料について得られる増幅産物のピーク面積と比較することによって、興味の対象となる核酸試料中に含まれる変異アレルの絶対量を定量することができる。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
EGFR遺伝子エクソン20のT790M変異アレルの高感度検出(1)
ヒトEGFR遺伝子のエクソン20のT790M変異を有するDNAとして、NCI-H1975細胞株より抽出及び精製したDNAを用い、上記変異を持たないDNAとしては、K562細胞株より抽出及び精製したDNAを用いて、本発明により設計した測定系の性能が確保される第1のプライマーセットの濃度の範囲を評価した。
・プライマー
第1PCR反応に用いる第1のプライマーセット(配列番号3及び4)を、T790M変異を挟む領域に設定し、そのうちリバースプライマーを、第2のプライマーセット(配列番号4及び5)のリバースプライマーとの共通プライマーとして設計した。第2のプライマーセットのフォワードプライマーは、T790M(2369C->T)変異に対応するアレル特異的プライマーであり、その3’末端より2番目のヌクレオチドの塩基が当該変異の変異型ヌクレオチドの塩基(T)に対応し、3’末端より3番目のヌクレオチドの塩基が標的核酸の対応するヌクレオチドの塩基と相補でない塩基(T)を有し、かつ、その他のヌクレオチドの塩基が当該標的核酸の対応するヌクレオチドの塩基と相補的である。配列番号3のプライマーと配列番号4のプライマーの組み合わせで得られる増幅産物の鎖長は79bp、配列番号4のプライマーと配列番号5のプライマーで得られる増幅産物の鎖長は65bpである。
配列番号3(第1フォワードプライマー)
Figure 0006603827
配列番号4(第1・第2リバースプライマー)
Figure 0006603827
配列番号5(第2フォワードプライマー)
Figure 0006603827
・競合核酸
EGFRエクソン20のコドン790の野生型配列を含むDNAの増幅を抑制するため、コドン790野生型配列に相補的な配列を有する競合核酸として、PNAを適用した。配列番号6に示される塩基配列を有するPNAの合成を競合核酸合成受託会社(Panagene社)に委託した。
配列番号6(競合核酸;PNA)
Figure 0006603827
・鋳型DNAの調製
本実施例の鋳型DNAは、NCI-H1975細胞株より抽出したDNA(mutant;mu)とK562細胞株より抽出したDNA(wild)を、合計濃度が30ng/μLとなるように、各割合で混合して調製した。混合比(mu/wildの%)は、0.01%、0%(コントロール)となるように、wild由来DNAとmutant由来DNAを混和してそれぞれ調製した。
・試薬
以下の試薬を含む25μLの反応溶液を調製し、サーマルサイクラー装置CFX96(バイオラッド社)を用いて増幅を行った。
Figure 0006603827
・増幅条件
以下の条件で行った。
98℃:30秒
第1PCR反応; 98℃:10秒、70℃:15秒(55サイクル)
第2PCR反応; 98℃:10秒、56℃:15秒(30サイクル)
第2のプライマーセットのアレル特異的プライマーと同じ向きである第1フォワードプライマーの濃度を減少させて増幅反応を行った際の第2PCR反応(混合比0.01%)の増幅曲線を図1に示す。第1PCR用のリバースプライマー濃度が0.5μMの場合、第1PCR用フォワードプライマー濃度が0.005〜0.025μMの範囲、すなわち第1のプライマーセットにおいて、第2のプライマーセットのASPと同じ向きのプライマーの濃度を、他方の1/100〜1/20にした場合に、第2PCR反応時の増幅を認めた。本発明の検出方法を用いることで、変異遺伝子の混在率が非常に低い0.01%の場合においても増幅が可能となった。
[実施例2]
EGFR遺伝子エクソン20のT790M変異アレルの高感度検出(2)
ヒトEGFR遺伝子のエクソン20のT790M変異を有するDNAとして、NCI-H1975細胞株より抽出及び精製したDNAを用いて、本発明により設計した測定系の測定感度を、第1PCR用のフォワードプライマーを含まない従来技術のASP-PCR法と比較した。
・鋳型DNAの調製
本実施例の鋳型は、NCI-H1975細胞株より抽出したDNA(Mutant)を、濃度が0.01ng/μL、0.003ng/μLとなるように調製して用いた。
・試薬
以下の試薬を含む25μLの反応溶液を調製し、サーマルサイクラー装置CFX96(バイオラッド社)を用いて増幅を行った。
(1) ASP-PCR法(従来技術)
Figure 0006603827
(2)第1PCR用フォワードプライマーを用いる場合(本発明)
Figure 0006603827
・増幅条件
(1)ASP-PCR法(従来技術)
98℃:30秒
PCR反応; 98℃:10秒、56℃:15秒(85サイクル)
(2)第1PCR用フォワードプライマーを用いる場合(本発明)
実施例1と同じ条件で行った。
第1PCR用フォワードプライマーを用いないASP-PCR法による増幅反応を行った場合の増幅曲線を図2[A]、[B]に示す。DNA量が0.05ng/反応の場合[A]、10回測定したうち10回全てで増幅を認めたが、増幅曲線の立ち上がりのサイクル数は45〜60サイクルで大きくばらついた。また、DNA量が少ない0.015ng/反応の場合[B]、10回測定したうち6回は増幅を認めなかった。増幅を認めた4回についても増幅曲線の立ち上がりのサイクル数はばらついており、再現性は不良であった。
一方、第1PCR用フォワードプライマーの濃度を、第1PCR用リバースプライマーの1/20の0.025μMとなるように用いて、増幅反応を行った場合の第1反応と第2反応の増幅曲線を図2[C]〜[F]に示す。DNA量が0.05ng/反応の場合([C]及び[D])は、10回測定したうち10回すべてで増幅を認め、増幅曲線の立ち上がりのサイクル数も揃っており、再現よく増幅可能であることを示す。また、DNA量が少ない0.015ng/反応の場合([E]及び[F])でも、10回測定したうち10回すべてで増幅を認めた。増幅曲線の立ち上がりサイクル数が第1PCR反応では35〜40サイクル、第2PCR反応では15〜20サイクルとわずかにばらつくものの、変異遺伝子のDNA量が微量でも確実に増幅可能であることが確認された。
以上から、第1のプライマーセットによるPCR反応を組み合わせる際に、第1PCR用フォワードプライマーの濃度を意図的に減少させ、第1のプライマーセットにおいて、第2のプライマーセットのASPと同じ向きのプライマーの濃度を、他方の1/100〜1/20にすることで、ASP-PCR法の測定感度及び再現性が向上することが示された。
[実施例3]
EGFR遺伝子エクソン20のT790M変異アレルの高感度検出(3)
ヒトEGFR遺伝子のエクソン20のT790M変異を有するDNAとして、NCI-H1975細胞株より抽出及び精製したDNAを、上記変異を持たないDNAとしては、K562細胞株より抽出及び精製したDNAを用いて、本発明により設計した測定系の特異性と測定感度を評価した。
・鋳型DNAの調製
本実施例の鋳型は、NCI-H1975細胞株より抽出したDNA(mutant;mu)とK562細胞株より抽出したDNA(wild)を、合計濃度が30ng/μLとなるように、各割合で混合して調製した。混合比(mu/wildの%)は、0.1%、0.03%、0.01%、0%(コントロール)となるように、wild由来DNAとmutant由来DNAを混和してそれぞれ調製した。また、NCI-H1975細胞株より抽出したDNA(mutant;mu)を0.003ng/μLとなるように調製し、混合比(mu/wildの%)が100%の鋳型とした。
・試薬
Figure 0006603827
・増幅条件
実施例1と同じ条件で行った。
・イオン交換クロマトグラフィー条件
HPLC用アニオンイオン交換樹脂カラム: TSKgelDNA-NPR(東ソー株式会社)
溶離液: 20mM Tris-HCl(pH8.6)、0.47-0.62M NaClグラジエント(10min)
流速: 0.75mL/min
カラムオーブン: 25℃
検出器: UV波長260nm
上記条件で得られたPCR増幅産物を、イオン交換クロマトグラフィーにより分離した際に検出された溶出ピークを図3に示す。wild由来DNAを鋳型とした場合は、明確な溶出ピークを認めなかったが、mutant由来DNA(100%)を鋳型とした場合、PCR増幅産物である6.3分付近にメインの溶出ピーク(矢印)を認め、Mutant由来DNAの混在比率が0.01%でも同様の明確な溶出ピークを確認できた。
以上の結果から、本発明で設計した測定系で得られたPCR増幅産物を、イオン交換クロマトグラフィーによる分離で得られた特異溶出ピークの有無を検出することで、変異遺伝子を高感度で検出することができ、かつ、特異性の確保もできることが示された。
[実施例4]
EGFR遺伝子エクソン20のT790M変異アレルの定量(1)
ヒトEGFR遺伝子のエクソン20のT790M変異を有するDNAとして、NCI-H1975細胞株より抽出及び精製したDNAを、上記変異を持たないDNAとしては、K562細胞株より抽出及び精製したDNAを用いて、本発明により設計した測定系の定量性を評価した。
・鋳型DNAの調製
本実施例の鋳型は、NCI-H1975細胞株より抽出したDNA(mutant;mu)とK562細胞株より抽出したDNA(wild)を、合計濃度が10ng/μLとなるように、各割合で混合して調製した。混合比(mu/wildの%)は、10%、3%、1%、0.3%、0.1%、0%となるように、wild由来DNAとmutant由来DNAを混和してそれぞれ調製した。
・試薬
実施例3と同じ条件で行った。
・増幅条件
98℃:30秒
第1PCR反応; 98℃:10秒、70℃:15秒(55〜15サイクル)
第2PCR反応; 98℃:10秒、56℃:15秒(30〜47サイクル)
第1PCR反応と第2PCR反応のサイクル数を適当に組み合わせて増幅反応を行った際の第2PCRの増幅曲線及び最終の相対蛍光強度(PFU)値と変異アレルの割合(%)との相関関係を図4[A]〜[R]に示す。第1PCR反応で生成する増幅産物の量は、通常、増幅反応が飽和期に到達する場合は、核酸試料中に含まれる遺伝子変異の割合(%)を反映しないので、第2PCR反応で生成する増幅産物も核酸試料中の遺伝子変異の割合を反映しないと考えられる。現に、第1PCR反応のサイクル数を55として増幅反応を飽和期に到達させた[A]〜[C]の場合は、第2PCR反応の増幅曲線は核酸試料中に含まれる遺伝子変異の割合(%)を全く反映していないことが分かる。一方、[D]〜[F]のごとく、第1PCR反応のサイクル数を35に減らすことで、第1PCRの増幅反応が飽和期に到達しない条件となり、続く第2PCR反応の途中で第1PCR用のプライマーによる核酸試料中に含まれる遺伝子変異の量を反映した増幅産物の増幅曲線が得られるようになったことが示された。さらに、第1PCR反応のサイクル数を32から15の範囲とすること、さらに加えて、第2PCR反応のサイクル数を30以上に設定することにより、第1PCR反応で得られた、核酸試料中に含まれる遺伝子変異の量を反映した増幅産物に対して、ASPを用いた第2PCR反応が特異性を維持しながら増幅反応を継続し、第2PCR反応の最終サイクルにおけるPFU値と変異アレルの割合(%)との関係に、より正確な相関関係が認められた([G]〜[R])。
以上の結果から、第1PCR反応が飽和期に到達する前に、核酸試料中に含まれる遺伝子変異の量を反映して生成した増幅産物に対して、継続して少なくとも第2のプライマーセットが作用する条件で、ASPを用いた核酸増幅反応により変異遺伝子を選択的に増幅させることで、変異アレルの割合(%)の定量性が維持されることが示された。
[実施例5]
EGFR遺伝子エクソン20のT790M変異アレルの定量(2)
・鋳型DNAの調製
実施例4と同じ条件で行った。
・試薬
実施例3と同じ条件で行った。
・増幅条件
98℃:30秒
第1PCR反応; 98℃:10秒、70℃:15秒
第2PCR反応; 98℃:10秒、56℃:15秒
サイクル数; 第1PCR+第2PCR=62サイクルとなる組み合わせ
・イオン交換クロマトグラフィー条件
実施例3と同じ条件で行った。
第1PCR反応と第2PCR反応のサイクル数が合わせて62になる組み合わせで増幅反応を行い、その増幅産物をイオン交換クロマトグラフィーにより分離及び検出した溶出ピーク(メインの溶出ピークを矢印で示す)を図5[A]、[C]、[E]、及び[G]に示し、メインの溶出ピークの面積と変異アレルの割合(%)との相関関係を図5[B]、[D]、[F]、及び[H]に示す。
実施例4で、第2PCR反応後の蛍光強度と変異アレルの割合(%)の相関性で良好な結果が得られたサイクル数の組み合わせ条件においては、6.3分付近に変異アレル由来である増幅産物の明確な溶出ピークが認められ、さらに[A]〜[F]においては、その溶出ピークの面積と変異アレルの割合(%)でも良好な相関関係を認めている。実施例4で定量性が十分得られなかった第1PCR反応の35サイクル条件では、溶出ピークの定量性は認められるものの、変異アレルの割合について十分な結果は得られなかった。
以上の結果から、第1PCR反応が飽和期に到達する前に、核酸試料中に含まれる変異遺伝子のDNA量を反映して生成した増幅産物に対して、継続して少なくとも第2のプライマーセットが作用する条件で、ASPを用いた核酸増幅反応により変異遺伝子を選択的に増幅させた後、その増幅産物をイオン交換クロマトグラフィーにより分離し、増幅産物のピーク面積を比較することで、変異アレルの割合(%)の定量性が確保されることが示された。
本発明の変異遺伝子検出方法は、上皮増殖因子受容体に対するチロシンキナーゼ阻害薬の癌患者における感受性を予測するためのコンパニオン診断薬及びシステムの生産や、その他の個別化医療の基礎となる診断薬及びシステムの生産に利用することができる。

Claims (9)

  1. 核酸試料中に含まれる遺伝子変異を、DNAポリメラーゼを用いた核酸増幅反応による増幅産物の有無で検出する方法であって、当該遺伝子の多型部位を挟むように設計された第1のプライマーセットと、当該変異を含む核酸から選択的に増幅するアレル特異的プライマーを1つ以上含む第2のプライマーセットが共存する核酸増幅反応液中において、
    (a) 第2のプライマーセットによる核酸増幅反応が起きない条件下にて、当該遺伝子の野生型アレルの配列を有し、当該多型部位の全部又は一部にハイブリダイゼーションし、当該遺伝子の野生型アレルからの増幅反応を抑制する競合核酸の存在下で、第1のプライマーセットによる核酸増幅反応により、変異アレルを含む核酸を増幅させ、増幅産物を得る工程を含み、
    (b) 工程(a)の増幅産物を得る際に、第1のプライマーセットのプライマーの濃度を、第2のプライマーセットの濃度と比較して、減少させて増幅反応させる工程を含み、
    (c) 工程(a)で得られた増幅産物に対して、少なくとも第2のプライマーセットが作用する条件で核酸増幅反応により変異アレルを含む核酸を選択的に増幅させることで、核酸試料中に含まれる遺伝子変異を検出する方法。
  2. 前記の第2のプライマーセットによる核酸増幅反応が起きない条件が、当該アレル特異的プライマーが当該変異を含む核酸にアニールしない温度条件である、請求項1に記載の方法。
  3. 第2のプライマーセットのアレル特異的プライマーでないプライマーが、第1のプライマーセットの一方のプライマーと共通して設計される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 第1のプライマーセットにおいて、第2のプライマーセットのアレル特異的プライマーと同じ向きのプライマーの濃度が、他方のプライマーの濃度の1/100〜1/20である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 第2のプライマーセットによる増幅産物の有無を、イオン交換クロマトグラフィーにより分離された増幅産物のピークの有無により検出する工程を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 核酸試料中に含まれる変異アレルを、DNAポリメラーゼを用いた核酸増幅反応による増幅産物を用いて定量する方法であって、当該遺伝子の多型部位を挟むように設計された第1のプライマーセットと、当該変異を含む核酸から選択的に増幅するアレル特異的プライマーを1つ以上含む第2のプライマーセットが共存する核酸増幅反応液中において、
    (a) 第2のプライマーセットによる核酸増幅反応が起きない条件下にて、当該遺伝子の野生型アレルの配列を有し、当該多型部位の全部又は一部にハイブリダイゼーションし、当該遺伝子の野生型アレルからの増幅反応を抑制する競合核酸の存在下で、第1のプライマーセットによる核酸増幅反応により、変異アレルを含む核酸を増幅させ、増幅産物を得る工程を含み、
    (b) 工程(a)の増幅産物を得る際に、第1のプライマーセットによる核酸増幅反応が飽和期に到達する前に、核酸試料中に含まれる変異アレルのDNA量を反映して生成した増幅産物に対して、継続して少なくとも第2のプライマーセットが作用する条件で核酸増幅反応により、変異アレルを含む核酸を選択的に増幅させることで、核酸試料中に含まれる変異アレルを定量する方法。
  7. 第1のプライマーセットによる核酸増幅反応のサイクル数を15〜32回に設定し、さらに第2のプライマーセットによる核酸増幅反応のサイクル数を30〜60回に設定し、2つの反応を組み合わせて連続で行う、請求項6に記載の方法。
  8. 第2のプライマーセットによる増幅産物をイオン交換クロマトグラフィーにより分離し、当該増幅産物のピーク面積から、その核酸試料中に含まれる変異アレルを定量する、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 第2のプライマーセットのアレル特異的プライマーでないプライマーが、第1のプライマーセットの一方のプライマーと共通して設計される、請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
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