JP6602657B2 - 生体情報の取得装置、生体情報の取得プログラムおよび生体情報の取得方法 - Google Patents

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Description

本発明は、被験者の生体情報を取得する生体情報の取得装置、生体情報の取得プログラムおよび生体情報の取得方法に関し、特に、脈波信号を取得可能な生体情報の取得装置、生体情報の取得プログラムおよび生体情報の取得方法に関する。
従来、人間の睡眠段階を調べるためには、睡眠時ポリソムノグラフィ(Polysomnography: PSG)を使用し、睡眠中の脳波、眼球電図、筋電図を測定して判定していた。ところが、この睡眠深度や睡眠周期の検出は一般に人体の脳波等を採取するために人体に多数の電極を貼り付ける事が必要であり、準備が大変わずらわしく、また、睡眠をも妨げるという課題もあり、自宅で日頃から測定することができなかった。
被験者への負担を減らすために、人体に電極を貼り付ける方法ではなく、寝具の下に圧電センサ(感圧センサ)を設置して、体動、呼吸、心拍を計測する方法が、特許文献1〜3に記載されている。
また、接触型の光電式脈波センサを使用する技術が、特許文献4〜7に記載されている。
さらに、マイクロ波レーダーを使用して、体動、呼吸、心拍を非接触で計測する技術が特許文献8〜11に記載されている。特許文献8には、高速フーリエ変換(FFT)を用いて呼吸数、心拍数を算出する技術が記載されている。特許文献9,10には、レーダー反射波の強度をもとに、人の位置と動きを監視し人体異常状態を検出する方法が記載されている。特許文献11には、ドップラーレーダーの直交I,Q出力信号からIQノルム信号の時間変化を計算し、睡眠段階推定や自律神経活性度評価に利用することが記載されている。
特開2014−147597号公報 特許第4582642号公報 特開2015−42267号公報 特開2015−198094号公報 特開2015−178011号公報 特開2010−179133号公報 特許第3353452号公報 特許第3057438号公報 特許第5350721号公報 特開2014−217453号公報 特開2014−30753号公報
(従来技術の問題点)
特許文献1〜3に記載の技術では、人体に電極を貼り付ける場合よりも、被験者への侵襲性は低いために被験者の負担は小さいといえるが、体動並びに振動(呼吸、脈波)を寝具経由の方法で計測するために、心拍数の抽出は可能であるが、睡眠段階や自律神経活性度を示す心拍数変動指標(Heart Rate Variability: HRV)を計算するための心拍間隔(脈波間隔と等しい)を正確に検出できない問題があった。心拍数は例えば、10拍動における心拍間隔の平均値[ms]を用いて、60000/平均心拍間隔[回/分]として算出するが、心拍数変動指標の計算には、心拍間隔の個々の時系列データそのものが正確であることが重要となる。よって、特許文献1〜3では、睡眠の状態や質を判定する際に必要なHRVを、正確に検出することが困難であるという問題がある。
特許文献4〜7に記載の接触式の光電式脈波センサを使用する技術では、体動等のノイズの混入、また、センサが指先から外れたり、指先との接触不具合が発生しやすい問題がある。
特許文献8〜11に記載のマイクロ波レーダーを使用する技術では、体動及び呼吸信号の検出は比較的容易であるが、呼吸振動の約5%の変位しかない脈波振動の抽出は、体動及び呼吸振動の影響、擾乱を受けやすく、脈波振動の抽出が困難であるという問題がある。また、マイクロ波レーダーを使用する技術では、マイクロ波レーダーの照射範囲、特に、照射電波の強度が確保されている中心領域に脈波が存在(皮膚表面の細動脈が存在)しない場合も発生する。加えて、睡眠時の姿勢により体表面からの反射電波強度が十分ではない場合も発生する。すなわち、マイクロ波レーダーの設置位置と被験者の睡眠時の位置や姿勢、挙動によっては、脈波振動を検知できない恐れがある。
本発明は、睡眠時ポリソムノグラフィを使用する場合に比べて被験者への負担を少なくするとともに、従来の方式に比べて心拍間隔を高精度に検出することを技術的課題とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項1に記載の発明の生体情報の取得装置は、
被験者に非接触な状態で配置され、前記被験者の表面の振動を検知する検知部材と、
前記検知部材により検知された振動の時間的な履歴である振動波形を取得する振動波形の取得手段と、
振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して十分に短期な第1の刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である第1の呼吸波形を演算すると共に、前記第1の刻み幅とは期間が異なる第2の刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である第2の呼吸波形を演算する呼吸波形の演算手段と、
前記振動波形から前記第1の呼吸波形を減算した第1の脈波波形を演算すると共に、前記振動波形から前記第2の呼吸波形を減算した第2の脈波波形を演算する脈波波形の演算手段と、
前記各脈波波形におけるピークを選択するピークの選択手段と、
前記ピークの選択手段で選択されたピークと予め設定された閾値に基づいて前記第1の脈波波形の各ピークの間隔が異常であるピーク間隔の数を検出すると共に、前記閾値に基づいて前記第2の脈波波形の各ピークの間隔が異常であるピーク間隔の数を検出する異常間隔の検出手段と、
異常なピーク間隔の数が少ない脈波波形に基づいて、心拍数変動指標を演算する指標の演算手段と、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項2に記載の発明の生体情報の取得装置は、
被験者に非接触な状態で配置され、前記被験者の表面の振動を検知する検知部材と、
前記検知部材により検知された振動の時間的な履歴である振動波形から、振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して短期な第1の刻み幅と前記振動波形とに基づいて演算された振動の平均の時間的な履歴である第1の呼吸波形を、減算して演算された第1の脈波波形において、ピークの選択手段で選択されたピークと予め設定された閾値に基づいて前記第1の脈波波形の各ピークの間隔が異常である第1の間隔異常数と、前記振動波形から、前記第1の刻み幅とは期間が異なる第2の刻み幅と前記振動波形とに基づいて演算された振動の平均の時間的な履歴である第2の呼吸波形を、減算して演算された第2の脈波波形において、前記ピークの選択手段で選択されたピークと前記閾値に基づいて前記第2の脈波波形の各ピークの間隔が異常である第2の間隔異常数と、を検出し、第1の間隔異常数と第2の間隔異常数とを比較し、異常なピーク間隔の数が少ない脈波波形に基づいて、心拍数変動指標を演算する指標の演算手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の生体情報の取得装置において、
前記各脈波波形において、予め設定された基準値よりも高い値の各波形部分に対し、1つの波形部分で囲まれた面積が予め設定された閾値よりも大きく且つ前記1つの波形部分にピークの候補が複数存在する場合に、前記1つの波形部分とは異なる波形部分のピークの間隔に基づいて、前記1つの波形部分のピークの候補を、前記1つの波形部分のピークとして選択するピークの選択手段、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項4に記載の発明の生体情報の取得装置は、
被験者に非接触な状態で配置され、前記被験者の表面の振動を検知する検知部材と、
前記検知部材により検知された振動の時間的な履歴である振動波形を取得する振動波形の取得手段と、
振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して十分に短期な刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である呼吸波形を演算する呼吸波形の演算手段と、
前記振動波形から前記呼吸波形を減算した脈波波形を演算する脈波波形の演算手段と、
前記脈波波形において、予め設定された基準値よりも高い値の各波形部分に対し、1つの波形部分で囲まれた面積が予め設定された閾値よりも大きく且つ前記1つの波形部分にピークの候補が複数存在する場合に、前記1つの波形部分とは異なる波形部分のピークの間隔に基づいて、前記1つの波形部分のピークの候補を、前記1つの波形部分のピークとして選択するピークの選択手段と、
前記脈波波形のピーク間隔に基づいて、心拍数変動指標を演算する指標の演算手段と、
を備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の生体情報の取得装置において、
前記脈波波形において検出された複数のピークの候補において、ピークの候補の振幅の値が、予め設定された閾値よりも小さい場合に、前記ピークの候補から除外してピークを選択する前記ピークの選択手段、
を備えたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載の生体情報の取得装置において、
前記脈波波形において検出された複数のピークの候補において、1組のピークの候補の間の時間的な間隔が、予め設定された閾値よりも小さい場合に、前記1組のピークの候補とは異なるピークの候補の間隔に基づいて、一方のピークの候補を除外してピークを選択する前記ピークの選択手段、
を備えたことを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載の生体情報の取得装置において、
前記被験者の表面に対して複数配置された前記検知部材、
を備えたことを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項8に記載の発明の生体情報の取得プログラムは、
コンピュータを、
被験者に非接触な状態で配置された検知部材で検知された前記被験者の表面の振動の時間的な履歴である振動波形を取得する振動波形の取得手段、
振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して十分に短期な第1の刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である第1の呼吸波形を演算すると共に、前記第1の刻み幅とは期間が異なる第2の刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である第2の呼吸波形を演算する呼吸波形の演算手段、
前記振動波形から前記第1の呼吸波形を減算した第1の脈波波形を演算すると共に、前記振動波形から前記第2の呼吸波形を減算した第2の脈波波形を演算する脈波波形の演算手段、
前記各脈波波形におけるピークを選択するピークの選択手段、
前記ピークの選択手段で選択されたピークと予め設定された閾値に基づいて前記第1の脈波波形の各ピークの間隔が異常であるピーク間隔の数を検出すると共に、前記閾値に基づいて前記第2の脈波波形の各ピークの間隔が異常であるピーク間隔の数を検出する異常間隔の検出手段、
異常なピーク間隔の数が少ない脈波波形に基づいて、心拍数変動指標を演算する指標の演算手段、
として機能させることを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項9に記載の発明の生体情報の取得プログラムは、
コンピュータを、
被験者に非接触な状態で配置された検知部材で検知された前記被験者の表面の振動の時間的な履歴である振動波形から、振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して短期な第1の刻み幅と前記振動波形とに基づいて演算された振動の平均の時間的な履歴である第1の呼吸波形を、減算して演算された第1の脈波波形において、予め設定された閾値に基づいて前記第1の脈波波形の各ピークの間隔が異常である第1の間隔異常数と、前記振動波形から、前記第1の刻み幅とは期間が異なる第2の刻み幅と前記振動波形とに基づいて演算された振動の平均の時間的な履歴である第2の呼吸波形を、減算して演算された第2の脈波波形において、前記閾値に基づいて前記第2の脈波波形の各ピークの間隔が異常である第2の間隔異常数と、を検出し、第1の間隔異常数と第2の間隔異常数とを比較し、異常なピーク間隔の数が少ない脈波波形に基づいて、心拍数変動指標を演算する指標の演算手段、
として機能させることを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項10に記載の発明の生体情報の取得プログラムは、
コンピュータを、
被験者に非接触な状態で配置された検知部材で検知された前記被験者の表面の振動の時間的な履歴である振動波形を取得する振動波形の取得手段、
振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して十分に短期な刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である呼吸波形を演算する呼吸波形の演算手段、
前記振動波形から前記呼吸波形を減算した脈波波形を演算する脈波波形の演算手段、
前記脈波波形において、予め設定された基準値よりも高い値の各波形部分に対し、1つの波形部分で囲まれた面積が予め設定された閾値よりも大きく且つ前記1つの波形部分にピークの候補が複数存在する場合に、前記1つの波形部分に対して時間的に前後に隣接する隣接波形部分のピークどうしの時間的な中央値に最も近い前記1つの波形部分のピークの候補を、前記1つの波形部分のピークとして選択するピークの選択手段、
前記脈波波形のピーク間隔に基づいて、心拍数変動指標を演算する指標の演算手段、
として機能させることを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項11に記載の発明の生体情報の取得方法は、
被験者に非接触な状態で配置された検知部材で検知された前記被験者の表面の振動の時間的な履歴である振動波形を取得する工程と、
振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して十分に短期な第1の刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である第1の呼吸波形を演算すると共に、前記第1の刻み幅とは期間が異なる第2の刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である第2の呼吸波形を演算する工程と、
前記振動波形から前記第1の呼吸波形を減算した第1の脈波波形を演算すると共に、前記振動波形から前記第2の呼吸波形を減算した第2の脈波波形を演算する工程と、
前記各脈波波形におけるピークを選択する工程と、
前記ピークの選択工程で選択されたピークと予め設定された閾値に基づいて前記第1の脈波波形の各ピークの間隔が異常であるピーク間隔の数を検出すると共に、前記閾値に基づいて前記第2の脈波波形の各ピークの間隔が異常であるピーク間隔の数を検出する工程と、
異常なピーク間隔の数が少ない脈波波形に基づいて、心拍数変動指標を演算する工程と、
を実行することを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項12に記載の発明の生体情報の取得方法は、
被験者に非接触な状態で配置された検知部材で検知された前記被験者の表面の振動の時間的な履歴である振動波形から、振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して短期な第1の刻み幅と前記振動波形とに基づいて演算された振動の平均の時間的な履歴である第1の呼吸波形を、減算して演算された第1の脈波波形において、予め設定された閾値に基づいて前記第1の脈波波形の各ピークの間隔が異常である第1の間隔異常数と、前記振動波形から、前記第1の刻み幅とは期間が異なる第2の刻み幅と前記振動波形とに基づいて演算された振動の平均の時間的な履歴である第2の呼吸波形を、減算して演算された第2の脈波波形において、前記閾値に基づいて前記第2の脈波波形の各ピークの間隔が異常である第2の間隔異常数と、を検出し、第1の間隔異常数と第2の間隔異常数とを比較し、異常なピーク間隔の数が少ない脈波波形に基づいて、心拍数変動指標を演算することを特徴とする。
前記技術的課題を解決するために、請求項13に記載の発明の生体情報の取得方法は、
被験者に非接触な状態で配置された検知部材で検知された前記被験者の表面の振動の時間的な履歴である振動波形を取得する工程と、
振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して十分に短期な刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である呼吸波形を演算する工程と、
前記振動波形から前記呼吸波形を減算した脈波波形を演算する工程と、
前記脈波波形において、予め設定された基準値よりも高い値の各波形部分に対し、1つの波形部分で囲まれた面積が予め設定された閾値よりも大きく且つ前記1つの波形部分にピークの候補が複数存在する場合に、前記1つの波形部分に対して時間的に前後に隣接する隣接波形部分のピークどうしの時間的な中央値に最も近い前記1つの波形部分のピークの候補を、前記1つの波形部分のピークとして選択する工程と、
前記脈波波形のピーク間隔に基づいて、心拍数変動指標を演算する工程と、
を実行することを特徴とする。
請求項1,2,4,8〜13に記載の発明によれば、睡眠時ポリソムノグラフィを使用する場合に比べて被験者への負担を少なくするとともに、従来の方式に比べて心拍間隔を高精度に検出することができる。
請求項3に記載の発明によれば、脈波波形の1つの波形部分で囲まれた面積が予め設定された閾値よりも大きく且つ1つの波形部分にピークの候補が複数存在する場合に、1つの波形部分に対して時間的に前後に隣接する隣接波形部分のピークどうしの時間的な中央値に最も近い1つの波形部分のピークの候補を、前記1つの波形部分のピークとして選択しない場合に比べて、心拍間隔を高精度に検出することができる。具体的には、脈波の約20倍の振動変位がある呼吸運動によって、従来は脈波のピーク形状が擾乱されていた弊害を取り除くことが可能となる。
請求項5に記載の発明によれば、小さな振幅のピークの候補を除外しない場合に比べて、心拍間隔を高精度に検出することができる。
請求項6に記載の発明によれば、ピークの候補の間の間隔が小さなピークの候補を除外しない場合に比べて、心拍間隔を高精度に検出することができる。
請求項7に記載の発明によれば、複数の検知部材を有しない場合に比べて、脈波波形の検知不良が低減される。
図1は本発明の実施例1の生体情報の取得装置の全体説明図である。 図2は実施例1の検知部材の説明図である。 図3は本発明の実施例1の生体情報の取得装置におけるHRV算出までの機能をブロック図(機能ブロック図)で示した説明図である。 図4は実施例1の波形の一例の説明図であり、図4Aは脈波成分が大きい場合の振動波形の説明図、図4Bは図4Aの波形から演算された呼吸波形の説明図、図4Cは図4Aおよび図4Bの波形から演算された脈波波形の説明図である。 図5は図4の波形とは異なる波形の一例の説明図であり、図5Aは脈波成分が小さい場合の振動波形の説明図、図5Bは図5Aの波形から演算された呼吸波形の説明図、図5Cは図5Aおよび図5Bの波形から演算された脈波波形の説明図である。 図6は実施例1の振動波形の情報の取得の仕方の説明図である。 図7は実施例1の体動を判定する期間の説明図である。 図8は実施例1のピークの選択方法の説明図であり、図8Aはピークの抽出方法の説明図、図8Bは振幅の小さいピークをピーク候補から除外する方法の説明図、図8Cは間隔が短いピーク候補を除外する方法の説明図である。 図9は実施例1の呼吸影響候補の除外処理の説明図である。 図10は実施例1のピーク間隔の評価方法の説明図であり、図8Aに示す脈波波形から各除外処理でピーク候補が除外されて選択されたピークの説明図である。 図11は実施例1のピーク間隔の説明図であり、図11Aは振動波形の一例の説明図、図11Bは図11Aの振動波形から導出された脈波波形の説明図、図11Cは図11Bの脈波波形から導出されたピーク間隔(RRI間隔)の説明図である。 図12はピーク間隔の波形を高速フーリエ変換して得られたグラフの説明図であり、横軸に周波数を取り、縦軸にパワーを取ったグラフである。 図13はHRVの一例の説明図であり、図13Aは副交感神経の活性度を示すグラフ、図13Bは交感神経の活性度を示すグラフである。 図14は実施例1の生体情報の取得処理のフローチャートである。 図15は従来の脈波波形の演算方法の説明図であり、図15Aは図5Aに対応する振動波形の説明図、図15Bは図15Aにおいて刻み幅0.8秒で演算して得られた呼吸波形の説明図、図15Cは図15Aの振動波形と図15Bの呼吸波形から演算された脈波波形の説明図である。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態の具体例(以下、実施例と記載する)を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の図面を使用した説明において、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
図1は本発明の実施例1の生体情報の取得装置の全体説明図である。
図1において、本発明の実施例1の生体情報の取得装置Sは、被験者の一例としての人間(被検体)が横たわるベッド(寝台)1を有する。前記ベッド1は、ベッド本体としてのマットレス支持体1aと、前記マットレス支持体1aに支持されたマットレス1bとを有する。実施例1の前記マットレス1bは、マットレス支持体1aの上に乗せて寝心地を良くするためのクッション性を有する。マットレス1bはウレタン製もしくは内部に空気が封入された、いわゆる、エアマットレス(エアマット、エアベッド)、もしくは布団等の寝具によって構成されている。
また、前記マットレス1bの下面には、検知装置の一例としてのマイクロ波レーダーSN1が支持されている。実施例1のマイクロ波レーダーSN1は、マイクロ波(電磁波)を送受信して、被験者の体表面の振動を検出可能である。
なお、実施例1では、マイクロ波レーダーSN1は、ベッド1において、被験者の上半身、特に、胸部に対応する位置に配置された第1のレーダーSN1aと、腹部に対応する位置に配置された第2のレーダーSN1bとを有する。
図2は実施例1の検知部材の説明図である。
図2において、実施例1の各レーダーSN1a,SN1bは、検知部材の一例としてのマイクロ波ドップラーセンサ2を縦3個×横3個の合計9個を格子状に配列した構成を有する。実施例1の各マイクロ波ドップラーセンサ2は、Iチャンネルと、Iチャンネルから90度位相をずらしたQチャンネルの2つの信号を送受信可能な市販のセンサにより構成されている。
また、実施例1の前記各マイクロ波の周波数は、公衆に開放されて特定の免許等が不要であり、且つ、前記マットレス1bの外表面や前記被検体の衣服等を透過して、前記被検体の体表面まで送信可能で前記被検体からの反射波が受信可能な周波数を採用することが望ましい。したがって、実施例1では、マイクロ波の周波数が、24[GHz]程度に予め設定されている。
なお、前記マットレス1bについても、マイクロ波の送受信に悪影響を及ぼすおそれがあるコイルバネ等が使用されておらず、例えば、前記ウレタン製の低反発マットレスやエアマットレス等であることが望ましい。
また、図1において、実施例1の生体情報の取得装置Sは、マイクロ波レーダーSN1が接続された情報端末としてのクライアントパソコン(装置本体、コンピュータ)PCaを有する。実施例1のクライアントパソコンPCaは、いわゆる、コンピュータ装置により構成されており、コンピュータ本体H1と、ディスプレイH2と、キーボードH3やマウスH4等の入力装置、図示しないHDドライブ(ハードディスクドライブ)等により構成されている。
ベッド1やマイクロ波レーダーSN1、クライアントパソコンPCa等により、実施例1の生体情報の取得装置Sが構成されている。
(実施例1の制御部の説明)
図3は本発明の実施例1の生体情報の取得装置のHRV算出までの機能をブロック図(機能ブロック図)で示した説明図である。
図3において、クライアントパソコンPCaのコンピュータ本体H1は、外部との信号の入出力および入出力信号レベルの調節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な処理を行うためのプログラムおよびデータ等が記憶されたROM(リードオンリーメモリ、記録媒体)、必要なデータ及びプログラムを一時的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモリ、記録媒体)、ROM等に記憶されたプログラムに応じた処理を行うCPU(中央演算処理装置)、ならびにクロック発振器等を有しており、ROM及びRAM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
前記構成のクライアントパソコンPCaは、ハードディスクやROM等に記憶されたプログラムを実行することにより種々の機能を実現することができる。
(クライアントパソコンPCaのコンピュータ本体H1に接続された信号入力要素)
クライアントパソコンPCaのコンピュータ本体H1には、キーボードH3やマウスH4の他に、次の信号出力要素SN1等の出力信号が入力されている。
SN1:マイクロ波レーダー
マイクロ波レーダーSN1は、ベッド1の上面に向けてマイクロ波を照射すると共に、被験者からの反射波を受信し、受信した反射波に応じた出力信号をコンピュータ本体H1に入力する。なお、実施例1では、マイクロ波レーダーSN1からの出力信号は、バンドパスフィルタ11、増幅回路12、AD変換回路13を介してコンピュータ本体H1に入力される。なお、バンドパスフィルタ11は、マイクロ波レーダーSN1の出力から、通常の体動や呼吸、脈波の周期よりも高周波の成分(実施例1では60Hz以上)と、直流成分(0.015Hz以下)を除去するためのフィルタである。また、増幅回路12は、マイクロ波レーダーSN1からの信号を増幅し、AD変換回路13はマイクロ波レーダーSN1のアナログ信号をデジタル信号に変換する回路である。また、実施例1のマイクロ波レーダーSN1は、一例として、10ms毎に信号を出力する。すなわち、マイクロ波レーダーSN1のサンプリング周波数は、100Hzに設定されている。
(クライアントパソコンPCaのコンピュータ本体H1の機能の説明)
クライアントパソコンPCaのハードディスクドライブには、クライアントパソコンPCaの基本動作を制御する基本ソフト(オペレーティングシステム)OSや、アプリケーションプログラムとしての生体情報の取得プログラムAP1、その他の図示しないソフトウェアが記憶されている。
(生体情報の取得プログラムAP1)
生体情報の取得プログラムAP1は、下記の機能手段(プログラムモジュール)を有する。
C1:信号受信手段
信号受信手段C1は、マイクロ波レーダーSN1からの信号を受信する。
C2:信号履歴記憶手段
信号履歴記憶手段C2は、マイクロ波レーダーSN1から出力された出力信号の履歴を記憶する。なお、実施例1では、マイクロ波ドップラーセンサ2のI,Qチャンネルのそれぞれの出力信号の履歴を記憶する。したがって、実施例1では、マイクロ波レーダーSN1において、各レーダーSN1a,SN1bがそれぞれ9個のマイクロ波ドップラーセンサ2を有し、各マイクロ波ドップラーセンサ2からI,Qチャンネルの出力がされるため、2(個のレーダー)×9(個のドップラーセンサ)×2(つのチャンネル)=36種類の出力信号の履歴が記憶される。ただし、本信号履歴記憶手段は脈波抽出のために必須ではない。記録データをもとに再度の信号処理を行うために本信号履歴記憶手段があるほうが望ましいだけである。
図4は実施例1の波形の一例の説明図であり、図4Aは脈波成分が大きい場合の振動波形の説明図、図4Bは図4Aの波形から演算された呼吸波形の説明図、図4Cは図4Aおよび図4Bの波形から演算された脈波波形の説明図である。
図5は図4の波形とは異なる波形の一例の説明図であり、図5Aは脈波成分が小さい場合の振動波形の説明図、図5Bは図5Aの波形から演算された呼吸波形の説明図、図5Cは図5Aおよび図5Bの波形から演算された脈波波形の説明図である。
図6は実施例1の振動波形の情報の取得の仕方の説明図である。
C3:振動波形の取得手段
振動波形の取得手段C3は、マイクロ波レーダーSN1により検知された振動の時間的な履歴である振動波形21を取得する。図4A、図5Aにおいて、振動波形21は、脈波だけでなく、体動や呼吸に伴う振動やノイズも含まれている。実施例1の振動波形の取得手段C3は、信号履歴記憶手段C2に記憶された履歴の情報から、2分間分のデータ(12000データ)を振動波形21のデータとして取得する。なお、実施例1の振動波形の取得手段C3は、2分間分の振動波形21を取得して、HRVの演算を行ったあと、次の振動波形21の処理を行う場合、図6に示すように、前回の振動波形21の後半1分間分が重複した2分間分の振動波形21を取得して処理を行う。なお、実施例1では、手段C3〜C9の処理は、信号履歴記憶手段C2に記憶された36種類の振動波形21に対して行われる。
C4:刻み幅の記憶手段
刻み幅の記憶手段C4は、振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔(約5秒)に対して十分に短期な刻み幅Nを記憶する。実施例1の刻み幅の記憶手段C4は、第1の刻み幅N1の一例として0.81[秒]と、第2の刻み幅N2の一例として0.41[秒]と、第3の刻み幅N3の一例として0.21[秒]と、第4の刻み幅N4の一例として0.11[秒]とを記憶する。
C5:呼吸波形の演算手段
呼吸波形の演算手段C5は、刻み幅Wと振動波形21とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である呼吸波形22を演算する。なお、実施例1では、呼吸波形は、一例として、単純移動平均法を使用して導出する。したがって、振動波形21の振幅値をxとし、呼吸波形22の振幅値をxとし、刻み幅N=2m+1とした場合に、以下の式(1)を使用してxを演算することで、呼吸波形22を導出する。
Figure 0006602657

すなわち、実施例1の呼吸波形の演算手段C5は、10ms毎に測定された振動波形21の振幅値xに対して、過去m個分のデータから未来m個分のデータの平均を呼吸波形22の振幅値xとして演算している。
なお、実施例1の呼吸波形の演算手段C5は、第1の刻み幅N1〜第4の刻み幅N4のそれぞれに対して、呼吸波形22を導出する。すなわち、第1の刻み幅N1を使用して、式(1)から第1の呼吸波形22−1を演算し、第2の刻み幅N2を使用して、式(1)から第2の呼吸波形22−2を演算し、第3の刻み幅N3を使用して、式(1)から第3の呼吸波形22−3を演算し、第4の刻み幅N4を使用して、式(1)から第4の呼吸波形22−4を演算する。一例として、図4Aに示す振動波形21から、第1の刻み幅(0.81秒)を使用して呼吸波形22を演算すると、図4Bに示す第1の呼吸波形22−1が演算される。また、一例として、図5Aに示す振動波形21から、第4の刻み幅(0.11秒)を使用して呼吸波形22を演算すると、図5Bに示す第4の呼吸波形22−4が演算される。
また、実施例1の呼吸波形の演算手段C5では、呼吸波形22を単純移動平均法を使用して演算したが、これに限定されない。例えば、重み付き移動平均法を利用することも可能である。予め設定された重み係数をWとした場合に、以下の式(1′)を使用してxを演算することでも、呼吸波形22を導出可能である。
Figure 0006602657
C6:脈波波形の演算手段
脈波波形の演算手段C6は、振動波形21から呼吸波形22を減算した脈波波形23を演算する。実施例1の脈波波形の演算手段C6は、第1の刻み幅N1〜第4の刻み幅N4のそれぞれに対して、脈波波形23を演算する。すなわち、振動波形21から第1の呼吸波形22−1を減算して、第1の脈波波形23−1を演算すると共に、振動波形21から第2の呼吸波形22−2を減算して、第2の脈波波形23−2を演算する。また、振動波形21から第3の呼吸波形22−3を減算して、第3の脈波波形23−3を演算すると共に、振動波形21から第4の呼吸波形22−4を減算して、第4の脈波波形23−4を演算する。図4において、一例として、図4Aに示す振動波形21から、図4Bに示す第1の呼吸波形22−1を減算すると、図4Cに示す第1の脈波波形23−1が得られる。また、図5において、一例として、図5Aに示す振動波形21から、図5Bに示す第4の呼吸波形22−4を減算すると、図5Cに示す第4の脈波波形23−4が得られる。
すなわち、単純移動平均法では、振動波形をM[i]とし、体動波形をB[i]とし、呼吸波形をR[i]とし、脈波波形をH[i]とし、ノイズ波形をW[i]とし、移動平均の波形をS[i]とし、差分の波形をQ[i]とした場合に、以下の式(2)〜式(4)が成立する。
M[i]=B[i]+R[i]+H[i]+W[i] …式(2)
S[i]≒B[i]+R[i] …式(3)
Q[i]=M[i]−S[i]≒H[i]+W[i] …式(4)
よって、脈波波形の演算手段C6で演算される波形Q[i]は、ノイズW[i]を含むが、脈波波形H[i]とほぼ同等の波形が得られる。なお、脈波波形から得たい生体情報は、心拍数(1分間あたりのピークの数)や心拍間隔(ピークの間隔)であり、ノイズは一般的には脈波振幅に比較して小さい振幅のため、ピークの位置が検出できれば問題は無い。
図7は実施例1の体動を判定する期間(2分間)の説明図である。
C7:体動期間の判定手段
体動期間の判定手段C7は、寝返り等の体動が発生した期間であるか否かの判定を行う。図7において、実施例1の体動期間の判定手段C7は、脈波波形23から、5秒間毎に体動が発生した期間であるか否かを判定する。体動は、呼吸や脈波に比べて、極めて大きな振動であり、脈波波形23も影響を受けて大きな波形として観測される。よって、実施例1の体動期間の判定手段C7は、5秒の期間内に、基準値の一例としての0Vよりも大きな波形部分の面積(積分値)が、予め設定された閾値よりも大きい場合に、その5秒の期間を体動が発生した期間であると判定する。予め設定された閾値は、実験等で予め設定されるが、例えば、体動が無い期間(呼吸や脈波のみの期間)の平均的な波形部分の面積に対して、10倍の面積を閾値として設定することが可能である。この図7では脈波間隔算出の2分間において、前半に3回の体動区間があり、後半に体動区間が多数(約10回)連続した場合を示している。なお、実施例1の体動期間の判定は、波形部分の面積を使用する場合を例示したが、これに限定されず、ピークの値が、閾値よりも大きいか否かで判定することも可能である。
C8:ピークの選択手段
ピークの選択手段C8は、ピーク候補の抽出手段C8Aと、低振幅候補の除外手段C8Bと、小間隔候補の除外手段C8Cと、呼吸影響候補の除外手段C8Dと、を有する。ピークの選択手段C8は、脈波波形23において、心拍に基づくピーク候補(波形の極大部)を選択する。
図8は実施例1のピークの選択方法の説明図であり、図8Aはピークの抽出方法の説明図、図8Bは振幅の小さいピークをピーク候補から除外する方法の説明図、図8Cは間隔が短いピーク候補を除外する方法の説明図である。
C8A:ピーク候補の抽出手段
ピーク候補の抽出手段C8Aは、脈波波形の演算手段C6で演算された脈波波形23に基づいて、ピーク候補の検出を行う。図8Aにおいて、実施例1のピーク候補の抽出手段C8Aは、脈波波形23において、予め設定された基準値の一例としての0Vよりも高い値の波形部分23(0Vより上になってから次に0Vより下になるまでの区間)において、極大となる位置をピーク候補23bとして、抽出する。
C8B:低振幅候補の除外手段
低振幅候補の除外手段C8Bは、脈波波形23において検出された複数のピーク候補23bにおいて、ピーク候補23bの振幅の値が、予め設定された閾値よりも小さい場合に、ピーク候補23bから除外する。実施例1の低振幅候補の除外手段C8Bでは、予め設定された閾値の一例として、両隣のピーク候補23bの振幅値の平均の1/3、が設定されている。したがって、図8Bに示すように、実施例1のピークの選択手段C8では、脈波波形23において検出された複数のピーク候補23bにおいて、ピーク候補23bの振幅の値が、両隣のピーク候補23bの振幅値の平均の1/3よりも小さい場合に、当該ピーク候補23bを候補から除外してピークを選択する。すなわち、低振幅候補の除外手段C8Bでは、振幅が小さすぎるピークは、心拍に基づくピークではなく、外乱、ノイズである可能性が高いとして除外する。
なお、閾値は、例示した両隣のピーク候補23bの振幅値の平均の1/3に限定されない。例えば、両隣のピーク候補23bの平均ではなく、ピーク候補全体の平均値を基準としたり、前後10個のピーク候補23bの平均とする等、要求される精度や仕様等に応じて任意の変更が可能である。また、1/3に限定されず、1/4や1/5等、任意に変更可能である。
C8C:小間隔候補の除外手段
小間隔候補の除外手段C8Cは、脈波波形23において検出された複数のピーク候補23bにおいて、1組のピーク候補23bの間の時間的な間隔が、予め設定された閾値よりも小さい場合に、1組のピーク候補23bとは異なるピーク候補の間隔に基づいて、一方のピーク候補23bを、ピーク候補から除外する。実施例1の小間隔候補の除外手段C8Cでは、予め設定された閾値として、前後10拍のピーク候補23bどうしのピーク間隔の平均の1/2、が設定されている。したがって、図8Cに示すように、実施例1のピークの選択手段C8では、1組のピーク候補23b1の間の時間的な間隔が、前後10拍のピーク候補23bどうしのピーク間隔の平均の1/2よりも小さい場合に、1組のピーク候補23b1のさらに両隣のピーク候補23b2どうしの間隔の時間的な中央値から遠いピーク候補23b1を、候補から除外してピークを選択する。すなわち、小間隔候補の除外手段C8Cでは、間隔が狭すぎるピークは、心拍に基づくピークではなく、外乱、ノイズである可能性が高いとして除外する。
なお、閾値や、どちらのピーク候補を除外するかについては、例示した構成に限定されない。例えば、ピーク間隔は、前後両隣としたり、ピーク候補全体の平均とする等、任意の変更が可能である。また、時間中央値から近いか遠いかではなく、時間的に前側に隣接するピーク候補23b2との間隔が、ピーク候補全体のピーク間隔や、時間的に前側の過去10拍の平均値に近い側をピーク候補として残すことも可能である。
図9は実施例1の呼吸影響候補の除外処理の説明図である。
C8D:呼吸影響候補の除外手段
呼吸影響候補の除外手段C8Dは、脈波波形23において、1つの波形部分23a1で囲まれた面積S1が予め設定された閾値よりも大きく、且つ、1つの波形部分23a1にピーク候補23bが複数存在する場合に、1つの波形部分23a1とは異なる波形部分のピークの間隔に基づいて、ピーク候補を選択する。具体的には、1つの波形部分23a1に対して時間的に前後に隣接する隣接波形部分23a2のピークどうしの時間的な中央値31に最も近い1つの波形部分23a1のピーク候補23b3以外のピーク候補23b4は、候補から除外する。実施例1の呼吸影響候補の除外手段C8Dでは、予め設定された閾値として、前後の波形部分23aの面積S2a,S2bの平均値の2倍、が設定されている。したがって、実施例1のピークの選択手段C8は、脈波波形23において、予め設定された基準値の一例としての0Vの値よりも高い値の各波形部分23aに対し、1つの波形部分23a1で囲まれた面積S1が予め設定された閾値よりも大きく、且つ、1つの波形部分23a1にピーク候補23bが複数存在する場合に、1つの波形部分23a1に対して時間的に前後に隣接する隣接波形部分23a2のピークどうしの時間的な中央値31に最も近い1つの波形部分23a1のピーク候補23b3をピークとして選択する。すなわち、呼吸影響候補の除外手段C8Dは、面積S1が大きな波形部分23a1は、呼吸の影響(呼吸の振幅は脈波の約20倍=脈波の振幅は呼吸の約5%)が脈波波形23に現れている可能性が高いと判断して、脈波に基づくピークである可能性が高いピーク候補23b以外は除外する。
なお、閾値として隣接する波形部分の平均面積の2倍を例示したが、これに限定されない。例えば、隣接する波形部分ではなく、前後10拍分の波形部分の平均面積としたり、全体の波形部分の平均面積とすることも可能である。また、2倍に限定されず、1.5倍や3倍以上等、任意の設定とすることが可能である。さらに、面積値に基づかず、振幅の値の絶対値が、全体の平均よりも大きい、といった条件で除外するピーク候補を判別する構成とすることも可能である。
また、実施例1では、時間中央値に最も近いピーク候補23b3を選択し、それ以外を除外するという選別方法を例示したが、これに限定されない。例えば、過去の10心拍の平均値をもとに、該当エリア前の脈波ピークの時間(時刻)に1心拍時間を加算し、その加算結果の時間に最も近いピーク候補を選択する方法とすることも可能である。他にも、波形部分23a1のピーク候補を除いた全体のピーク候補の平均間隔に最も近いピーク候補を選択することも可能である。
図10は実施例1のピーク間隔の評価方法の説明図であり、図8Aに示す脈波波形から各除外処理でピーク候補が除外されて選択されたピークの説明図である。
したがって、実施例1のピークの選択手段C8では、図8Aに示す脈波波形の一例に対して、各除外手段C8B〜C8Dでの処理を経て、図10に示すようにピークが選択される。
なお、実施例1では、1つの振動波形21から刻み幅N1〜N4を使用して導出された4種の脈波波形23−1〜23−4に対して、ピークの選択が、それぞれ行われる。したがって、36種類の振動波形21に対して、それぞれ4種の脈波波形が導出される実施例1では、144(=36×4)種類の脈波波形23に対してピークの選択が行われる。
C9:異常間隔の検出手段
異常間隔の検出手段C9は、脈波波形23に対して、ピークの選択手段C8で選択された各ピーク23bの間隔が異常なピークを検出する。実施例1の異常間隔の検出手段C9は、予め設定された閾値に基づいて第1の脈波波形23−1〜第4の脈波波形23−4の各ピーク23bの間隔RRIが、異常であるピーク間隔RRIの数を検出する。なお、実施例1の異常間隔の検出手段C9は、前述の144種類の脈波波形23に対して処理を行う。
実施例1では、n番目の間隔をRRInとし、予め設定された閾値をR1とした場合に、以下の式(5)に基づいて、以下の式(5)を満足すれば妥当であり、満足しなければ異常であると判別する。
RRIn−(RRInの過去15拍の平均+RRInの未来15拍の平均)/2≦R1 …式(5)
なお、式(5)は以下の式(5′)としても表現可能である。
Figure 0006602657
すなわち、式(5)では、前後(過去・未来)の平均に対して、RRInがあまりかけ離れていない(ゆらぎが小さい)場合には、妥当と判断し、ゆらぎが大きいと異常と判断する。すなわち、心拍に基づく脈波はゆらぎが小さく、ゆらぎが大きい場合は、ノイズや呼吸、体動の影響を受けた可能性が高いと判断する。
そして、実施例1の異常間隔の検出手段C9では、異常と判断されたRRInの数を計数する。
なお、実施例1では、閾値R1は、一例として、ゆらぎの大きい被験者の場合はR1=500ms、ゆらぎの小さい被験者の場合はR1=300msに設定可能であり、個人ごとに過去のゆらぎ具合から生体情報の取得装置Sの利用者が設定可能である。なお、ゆらぎの閾値R1は、実施例に例示した構成に限定されず、装置の構成や要求される精度等、設計や仕様等に応じて適宜変更可能である。
C10:波形の選択手段
波形の選択手段C10は、異常間隔の検出手段C9で検出された異常なRRInの数が最も少ない脈波波形23を、被験者のHRVを演算するために使用する波形として選択する。実施例1では、前述の144種類の脈波波形23の中から、異常なRRInの数(間隔異常数)が最も少ない脈波波形23を使用する波形として選択する。すなわち、第1の刻み幅N1を使用して導出された脈波波形23−1における第1の間隔異常数と、第2の刻み幅N2を使用して導出された脈波波形23−2における第2の間隔異常数と、第3の刻み幅N3を使用して導出された脈波波形23−3における第3の間隔異常数と、第4の刻み幅N4を使用して導出された脈波波形23−4における第4の間隔異常数と、の中から最小の間隔異常数の脈波波形23を選択する。なお、実施例1では、36種類の振動波形21に対して、4種類の刻み幅N1〜N4を使用して導出した脈波波形23の中から最も異常の少ない脈波波形23を最適な波形として選択する。なお、異常なRRInの数が最も少ない脈波波形が複数存在した場合は、どの波形を選択することも可能であるが、一例として、最も最初に異常間隔の検出を行った波形を採用することが可能である。この最適波形の選択は1分ごとに実施する。すなわち、ベッド上の体の位置、姿勢に応じて最適波形が動的に変化することに適宜対応して最適波形を選択可能となっている。
C11:心拍間隔の補正手段
心拍間隔の補正手段C11は、異常間隔の検出手段C9で異常間隔と判定したRRInを異常でない前後のRRIの平均値で置き換える補正をする。さらに、実施例1の心拍間隔の補正手段C11では、異常間隔の検出手段C9で使用された閾値R1の補正、いわゆる、閾値R1の学習を行う。なお、閾値R1の学習については、従来公知の任意の方法を採用可能であるが、例えば、異常と判別されたRRInの数が予め設定された範囲に収まっている場合には、前回の閾値R1をそのまま継続し、異常の数が多すぎる場合は、閾値R1を一例として5ms大きくし、異常の数が少なすぎる場合は、閾値R1を一例として5ms小さくすることが可能である。
C12:体動期間中の引き継ぎ手段
体動期間中の引き継ぎ手段C12は、体動期間の判定手段C7で判定された体動期間において、体動期間におけるピーク間隔を、体動期間ではないピーク間隔に引き継ぐ処理を行う。実施例1の体動期間中の引き継ぎ手段C12は、体動期間の判定手段C7で判定された体動期間が連続する場合(図7の後半部分であり、体動区間5秒間が例えば10個連続する場合)は、該当する1分間期間のピーク間隔RRIとして、直前の1分間におけるピーク間隔RRIを代入することで、体動期間のピーク間隔RRIではなく、体動期間ではないピーク間隔RRIに引き継ぐ(補正する)。すなわち、実施例1では、体動期間では、体動の影響で脈波波形23のピーク間隔RRIが正確でない可能性があり、体動期間のRRIデータとして、体動がない直前期間のRRIデータを使用する。
図11は実施例1のピーク間隔RRIの説明図であり、図11Aは振動波形の一例の説明図、図11Bは図11Aの振動波形から導出された脈波波形の説明図、図11Cは図11Bの脈波波形から導出されたピーク間隔(RRI間隔)の説明図である。
C13:心拍間隔の抽出手段
心拍間隔の抽出手段C13は、体動期間中の引き継ぎ手段C12による処理がされたピークに基づいて、ピーク間隔RRIを抽出する。実施例1の心拍間隔の抽出手段C13は、図11Cに示すように、時系列に沿って各ピーク間隔(心拍間隔)RRInをプロットしたピーク間隔RRInの波形情報24を作成する。
図12はピーク間隔RRIの波形を高速フーリエ変換して得られたグラフの説明図であり、横軸に周波数を取り、縦軸にパワーを取ったグラフである。
図13はHRVの一例の説明図であり、図13Aは副交感神経の活性度を示すグラフ、図13Bは交感神経の活性度を示すグラフである。
C14:HRV演算手段
生体情報の演算手段の一例であって、指標の演算手段の一例としてのHRV演算手段C14は、脈波波形23のピーク間隔RRIに基づいて、心拍数変動指標(HRV)を演算する。実施例1では、HRVの一例として、副交感神経の活性度と、交感神経の活性度の両方を演算する。実施例1では、具体的には、心拍間隔の抽出手段C13で作成された波形情報24に対して、フーリエ高速変換(Fast Fourier Transform:FFT)を行い、図12に示すようなパワースペクトルを得る。そして、0.04[Hz]〜0.15[Hz]を低周波域とし、0.15[Hz]〜0.4[Hz]を高周波域として、低周波域の波形部分の面積LFと、高周波域の波形部分の面積HFを演算する。
高周波域の面積HFは、副交感神経の活性度と関係が深いことが知られており、LF/HFは交感神経の活性度と関係が深いことが知られている。なお、交感神経の活性度の時間変化を観測することで、被験者の睡眠段階(覚醒、レム睡眠、ノンレム睡眠)の変化を判定することも可能である。したがって、実施例1のHRV演算手段C14は、副交感神経の活性度の時間変化として、図13Aに示すHFの時間変化を演算するとともに、交感神経の活性度の時間変化として、図13Bに示すLF/HFの時間変化を演算する。よって、実施例1のHRV演算手段C14は、結果として、波形の選択手段C10で異常なRRInが最も少ない脈波波形23に基づいて、HRVを演算していることとなる。
なお、実施例1では、HRV演算手段14は、HRVだけでなく、2分間分の脈波波形23におけるピークの数を計数することで、心拍数も取得する。
(実施例1のフローチャートの説明)
次に、実施例1のクライアントパソコンPCaの生体情報の取得プログラムAP1による生体情報の取得処理の流れをフローチャートを使用して説明する。
(実施例1の生体情報の取得処理のフローチャートの説明)
図14は実施例1の生体情報の取得処理のフローチャートである。
図14のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、前記制御部のROM等に記憶されたプログラムに従って行われる。また、この処理は前記制御部の他の各種処理と並行してマルチタスクで実行される。
図14に示すフローチャートは、生体情報の取得プログラムAP1が起動された場合に開始される。
図14のST1において、マイクロ波レーダーSN1が検知した振動波形21を取得する。そして、ST2に進む。
ST2において、各刻み幅N1〜N4に対して、呼吸波形22を演算する。そして、ST3に進む。
ST3において、振動波形21と各呼吸波形22(22−1〜22−4)から脈波波形23(23−1〜23−4)を演算する。そして、ST4に進む。
ST4において、脈波波形23の積分値から体動期間を判定する。そして、ST5に進む。
ST5において、脈波波形23からピーク候補を抽出する。そして、ST6に進む。
ST6において、ピーク候補の中から、振幅の小さいピーク候補を候補から除外する処理を行う。そして、ST7に進む。
ST7において、ピーク候補の中から、心拍間隔が小さいピーク候補を候補から除外する処理を行う。そして、ST8に進む。
ST8において、ピーク候補の中から、呼吸の影響を受けているピーク候補を候補から除外する処理を行う。そして、ST9に進む。
ST9において、脈波波形23のピークを選択(決定)する。そして、ST10に進む。
ST10において、異常なRRInの数が最小の脈波波形23を、最適な脈波波形として選択する。すなわち、最適な波形および刻み幅N1〜N4を選択する。そして、ST11に進む。
ST11において、異常間隔と判定したRRInを異常でない前後のRRIの平均値で置き換える補正と、心拍間隔の閾値R1を補正(学習)する処理を実行する。そして、ST12に進む。
ST12において、体動が連続する期間の場合に、直前1分間の心拍間隔を引き継ぐ処理を実行する。そして、ST13に進む。
ST13において、ST10で選択された脈波波形23から心拍間隔を抽出する。そして、ST14に進む。
ST14において、HRVを計算すると共に、心拍数を計算する。そして、生体情報の取得処理を終了する。
(実施例1の作用)
前記構成を備えた実施例1の生体情報の取得装置Sでは、マイクロ波レーダーSN1で被験者の体動や呼吸、脈波に伴う振動を検出する。そして、マイクロ波レーダーSN1の出力信号に基づいて、振動波形21が取得される。振動波形21に対して、移動平均法で呼吸波形22が導出され、振動波形21と呼吸波形22とに基づいて、脈波波形23が導出される。そして、脈波波形23から心拍間隔RRIが導出され、HRVが導出される。
近年、健康意識の高まりから日常的に家庭で睡眠状態やストレス度合を計測するニー ズが高くなっている。また、自動運転技術における覚醒度測定や、高齢者介護福祉施設における覚醒/睡眠の判別やノンレム睡眠・レム睡眠の睡眠段階判定、そして乳幼児の長時間バイタルサイン(呼吸・心拍)モニタリングの技術への要求も強くなっている。これらの技術の実現には、被測定者の物理的、精神的負荷の少ない非接触方式での測定、かつ心拍間隔(脈波間隔と同期している)を正確に計測することが必要であり、不定期の四肢の動き等のランダム体動はその期間を除外することで対策がとれるが、常時発生する呼吸に伴う振動の影響を受けない脈波間隔の抽出が従来から大きな課題であった。
これまでの接触型心拍測定としては、電極を付ける心電図測定や指先に光電センサを装着する光電式脈波センサ等が存在しているが、皮膚への電極装着やコードが邪魔になり終夜測定やデリケートな高齢者・乳児等の長時間測定には不向きであった。また、睡眠の質は、精神的肉体的ストレス度合、昼間の運動の有無、就寝直前の入浴などの様々な要因により左右されるものであり、一晩の睡眠状態だけで個人の通常時の睡眠の質を判断することは困難である。
従って、良質な睡眠を確保するには、日ごろから自宅で睡眠深度、睡眠周期を定量的に計測し、自己管理することが望まれる。また、睡眠障害の原因となるストレス度を定期的に計測し、ストレス要因の除去や高齢者の場合には生活指導、運動指導などのQOL改善への介護職員の取組みが必要となる。さらに、高齢者介護施設において夜間の高齢者の排泄介助のタイミングを計ることは深い眠りの時間が短くなる高齢者へのサービスとして重要であり、覚醒もしくは浅い睡眠状態の時に出来るだけ排泄介護(オムツ交換)を行うよう工夫している。オムツ交換のタイミングを自動的に介護職員に知らせるツールが望まれる所以である。自動運転および居眠り検知においては、覚醒度の低下ならびに眠気が現れた際に、心拍間隔の増加傾向があり、この心拍間隔の微妙な変化を抽出し、運転者にアラーム警告するものである。
ここで、実施例1の生体情報の取得装置Sでは、非接触式のマイクロ波レーダーSN1を使用しており、電極を被験者に貼り付けるポリソムノグラフィを使用する場合に比べて、被験者への負担を少なくすることができる。特に、実施例1では、胸部と腹部の2箇所のレーダーSN1a,SN1bで振動を検出すると共に、各レーダーSN1a,SN1bは、9つのマイクロ波ドップラーセンサ2を有する。したがって、1箇所のレーダーで振動を検出する場合や、マイクロ波ドップラーセンサ2が1つの場合に比べて、広い面積の脈波を取得することができ、被験者の睡眠時の姿勢や寝る位置、寝返り等での移動をしても、細動脈の位置をマイクロ波ドップラーセンサ2がカバーできる可能性が高く、体表面から脈波振動を検知しやすい。よって、振動の検出不良が低減され、HRVの検出不良が低減され、検出精度が向上できる。
よって、実施例1では、心電図、光電式脈波センサを用いることなく、被測定者の測定負荷が少ない非接触型のマイクロ波レーダーSN1を用いて、HRVを導出でき、交感神経と副交感神経のバランスを司る自律神経の活性度状況が計測できる。さらに、脈波波形23が高精度に導出されるので、心拍に基づく生体の指標の一例としての覚醒/睡眠の判別やノンレム睡眠・レム睡眠の睡眠段階判定や、ストレス度合の計測の精度の向上も期待できる。
図15は従来の脈波波形の演算方法の説明図であり、図15Aは図5Aに対応する振動波形の説明図、図15Bは図15Aにおいて刻み幅0.8秒で演算して得られた呼吸波形の説明図、図15Cは図15Aの振動波形と図15Bの呼吸波形から演算された脈波波形の説明図である。
また、実施例1の生体情報の取得装置Sでは、4種類の刻み幅N1〜N4を使用して呼吸波形22を導出している。従来の移動平均法では、刻み幅は固定されていた。したがって、例えば、図5A、図15Aに示す振動波形21に対して刻み幅として0.8秒を使用した場合、図15Bに示すように、呼吸波形は、図5Bに比べて、なだらかな波形となってしまう。したがって、図15Cに示すように、得られる脈波波形は、図5Cに比べて、ピークが目立ちにくくなりやすい。よって、例えば、図15Cの脈波波形の左端のピークのように、心拍に基づくピークが判別されにくかったり、心拍に基づくピークとは異なるピークが選択されやすくなり、精度が低下しやすい。同様に、図4Aの振動波形の場合は、刻み幅として0.1秒を使用した場合は、脈波波形(図は省略)が図4Cに比べて、脈波波形のピークに類似のピークが多数現れて、心拍に基づくピークとは異なるピークが選択されやすくなり、精度が低下しやすい。すなわち、体の位置や姿勢に応じて計測される振動波形中の脈波信号の大きさが変化し、最適な刻み幅は時々刻々と変化しており、特定の刻み幅を使用する従来技術では、精度が低下しやすい問題があった。
したがって、従来の刻み幅が固定された方式では、図5A、図15Aに示すような波形の場合、心拍間隔が十分な精度で得られないものとされていた。これに対して、実施例1の生体情報の取得装置Sでは、2分間分の振動波形21毎に、4種類の刻み幅N1〜N4で呼吸波形22が導出される。そして、異常な心拍間隔RRInの数が最小なもの、すなわち、最適なマイクロ波ドップラーセンサ2の振動波形21と刻み幅N1〜N4の組み合わせが選択される。特に、実施例1では、体の位置等に応じて刻み幅が時々刻々変化することに対応して、1分毎に最適な刻み幅N1〜N4が選択される。よって、刻み幅を固定していた従来技術に比べて、心拍間隔を高精度に検出でき、HRVを高精度に検出できる。
なお、実施例1では振動波形21は、2分間分のデータに基づいてHRVを得ているが、1分間ずつ重複しているため、実質的には、1分ごとにHRVが演算されていることに相当する。よって、1分ごとに最適な振動波形21と刻み幅N1〜N4が選択される。
また、実施例1の生体情報の取得装置Sでは、従来のHRVの導出の際に行われていなかった呼吸影響候補の除外手段C8Dによる呼吸の影響を受けたピーク候補の除外を行っている。したがって、従来の方式では、心拍に基づくものではなく、呼吸の影響を受けたピークに基づいて心拍間隔RRIが導出されることがあり、精度が低下する原因になっていた。これに対して、実施例1では、呼吸影響候補の除外手段C8Dにより、呼吸の影響を受けたピーク候補が除外される。よって、従来の方式に比べて、HRVの精度を向上させることができる。
さらに、実施例1の生体情報の取得装置Sでは、振幅が小さいピーク候補や、間隔の狭すぎるピーク候補は、ピーク候補から除外している。よって、このような処理を実行しない場合に比べて、心拍間隔RRIの検出精度を向上させることができる。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更例(H01)〜(H012)を下記に例示する。
(H01)前記実施例では、被験者を人間としたが、これに限定されず、例えば、その他の動物等の生体についても本発明を適用可能である。
(H02)前記実施例において、例示した具体的な数値は、例示した数値に限定されず、設計や仕様等に応じて適宜変更可能である。例えば、刻み幅N1〜N4も4種類を例示したが、少なくとも2種類以上であれば、4種類に限定されない。
(H03)前記実施例において、生体情報の取得プログラムAP1が単一の生体情報の取得装置Sで集中処理をする構成を例示したが、これに限定されない。例えば、ネットワーク接続された複数のコンピュータ装置に生体情報の取得プログラムAP1の全てまたは一部を記憶させておき、ネットワークを介して、分散処理、いわゆるクラウド型の構成とすることも可能である。
(H04)前記実施例において、マイクロ波レーダーSN1は、前記マットレス1bの下面に支持、すなわち、貼り付けられているが、これに限定されず、前記マットレス1bの内部に内蔵させることも可能である。また、マイクロ波レーダーSN1は、前記マットレス1bの下面に固定支持されているが、これに限定されず、例えば、前記マットレス支持体1aと前記マットレス1bとの間に、マットレス1bの前後方向および左右方向に移動可能なスライダ等を設けることにより、任意の位置に可変で設定できるように構成することも可能である。他にも、マイクロ波レーダーSN1は、ベッド1に支持せず、例えば、被験者の寝間着のポケットに収容したり、寝間着に縫い付けたり、ベッド1の上方の天井に設置したり等の変更も可能である。
(H05)前記実施例において、検知部材の一例としてマイクロ波を照射するマイクロ波レーダーSN1を例示したが、これに限定されず、人体の表面の振動を検出可能な任意の構成に変更可能である。例えば、使用する電磁波の波長域を変更することも可能である。ただし、電磁波の波長域を選択する場合には、マットレス1b等を透過できない波長域の場合には、マットレス1bに電磁波通過用の開口を形成したり、電波法の法的規制のある波長域を選択した場合には、認可や許可を取得する必要がある。
(H06)前記実施例において、マイクロ波レーダーSN1とクライアントパソコンPCaとの接続を、有線のケーブルにより構成したが、これに限定されず、例えば、無線通信等により構成することも可能である。
(H07)前記実施例において、呼吸影響候補の除外手段C8Dによるピーク候補の除外の処理を行うことが望ましいが、行わない処理とすることも可能である。
(H08)前記実施例において、刻み幅N1〜N4を4種類使用して、最適な波形、刻み幅を選択する処理を行うことが望ましいが、行わない処理とすることも可能である。
(H09)前記実施例において、レーダーSN1a,SN1bに9つのマイクロ波ドップラーセンサ2を設けた構成を例示したが、これに限定されない。マイクロ波ドップラーセンサ2の数は、カバーしたい範囲に応じて、センサの数や配列は任意に変更可能である。なお、カバーしたい範囲を広くするために、マイクロ波ドップラーセンサ2を複数個有する構成とすることが望ましいが、1つのみとすることも可能である。
(H010)前記実施例において、図3に示すように信号処理の部分はコンピュータ本体H1内で処理するように説明したが、この生体情報の取得プログラムAP1の部分は組込ソフトウェアやFPGA(field-programmable gate array)で実現することも可能である。
(H011)前記実施例において、マイクロ波レーダーSN1で振動波形21を取得する構成を例示したがこれに限定されない。例えば、圧電センサや、空気圧センサ、水圧センサを使用して、被験者の体動、呼吸、心拍等に基づく振動を、非接触で検出可能な構成を採用することも可能である。
(H012)前記実施例において、振動波形21から、各刻み幅N1〜N4での呼吸波形22を導出して、各脈波波形23を導出する構成を例示したが、これに限定されない。例えば、振動波形21から、第1の刻み幅N1を使用して第1の呼吸波形22−1を導出し、第1の脈波波形23−1を導出後、第2の刻み幅N2を使用して第2の呼吸波形22−2、第2の脈波波形23−2を導出、…、という順序で演算をすることも可能である。あるいは、第1の刻み幅N1に対して第1の間隔異常数まで導出した後、第2の刻み幅N2に対して第2の間隔異常数を導出、…、という順序で演算することも可能である。
2…検知部材、
21…振動波形、
22…呼吸波形、
22−1…第1の呼吸波形、
22−2…第2の呼吸波形、
23…脈波波形、
23−1…第1の脈波波形、
23−2…第2の脈波波形、
23a1…1つの波形部分、
23a2…隣接波形部分、
23b…ピーク候補、
23b1…1組のピーク候補
23b3,23b4…ピークの候補、
AP1…生体情報の取得プログラム、
C3…振動波形の取得手段、
C5…呼吸波形の演算手段、
C6…脈波波形の演算手段、
C8…ピークの選択手段、
C9…異常間隔の検出手段、
C14…指標の演算手段、
N…刻み幅、
N1…第1の刻み幅、
N2…第2の刻み幅、
PCa…コンピュータ、
R1…閾値、
S…生体情報の取得装置、
S1…1つの波形部分で囲まれた面積。

Claims (13)

  1. 被験者に非接触な状態で配置され、前記被験者の表面の振動を検知する検知部材と、
    前記検知部材により検知された振動の時間的な履歴である振動波形を取得する振動波形の取得手段と、
    振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して十分に短期な第1の刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である第1の呼吸波形を演算すると共に、前記第1の刻み幅とは期間が異なる第2の刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である第2の呼吸波形を演算する呼吸波形の演算手段と、
    前記振動波形から前記第1の呼吸波形を減算した第1の脈波波形を演算すると共に、前記振動波形から前記第2の呼吸波形を減算した第2の脈波波形を演算する脈波波形の演算手段と、
    前記各脈波波形におけるピークを選択するピークの選択手段と、
    前記ピークの選択手段で選択されたピークと予め設定された閾値に基づいて前記第1の脈波波形の各ピークの間隔が異常であるピーク間隔の数を検出すると共に、前記閾値に基づいて前記第2の脈波波形の各ピークの間隔が異常であるピーク間隔の数を検出する異常間隔の検出手段と、
    異常なピーク間隔の数が少ない脈波波形に基づいて、心拍数変動指標を演算する指標の演算手段と、
    を備えたことを特徴とする生体情報の取得装置。
  2. 被験者に非接触な状態で配置され、前記被験者の表面の振動を検知する検知部材と、
    前記検知部材により検知された振動の時間的な履歴である振動波形から、振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して短期な第1の刻み幅と前記振動波形とに基づいて演算された振動の平均の時間的な履歴である第1の呼吸波形を、減算して演算された第1の脈波波形において、ピークの選択手段で選択されたピークと予め設定された閾値に基づいて前記第1の脈波波形の各ピークの間隔が異常である第1の間隔異常数と、前記振動波形から、前記第1の刻み幅とは期間が異なる第2の刻み幅と前記振動波形とに基づいて演算された振動の平均の時間的な履歴である第2の呼吸波形を、減算して演算された第2の脈波波形において、前記ピークの選択手段で選択されたピークと前記閾値に基づいて前記第2の脈波波形の各ピークの間隔が異常である第2の間隔異常数と、を検出し、第1の間隔異常数と第2の間隔異常数とを比較し、異常なピーク間隔の数が少ない脈波波形に基づいて、心拍数変動指標を演算する指標の演算手段と、
    を備えたことを特徴とする生体情報の取得装置。
  3. 前記各脈波波形において、予め設定された基準値よりも高い値の各波形部分に対し、1つの波形部分で囲まれた面積が予め設定された閾値よりも大きく且つ前記1つの波形部分にピークの候補が複数存在する場合に、前記1つの波形部分とは異なる波形部分のピークの間隔に基づいて、前記1つの波形部分のピークの候補を、前記1つの波形部分のピークとして選択するピークの選択手段、
    を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の生体情報の取得装置。
  4. 被験者に非接触な状態で配置され、前記被験者の表面の振動を検知する検知部材と、
    前記検知部材により検知された振動の時間的な履歴である振動波形を取得する振動波形の取得手段と、
    振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して十分に短期な刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である呼吸波形を演算する呼吸波形の演算手段と、
    前記振動波形から前記呼吸波形を減算した脈波波形を演算する脈波波形の演算手段と、
    前記脈波波形において、予め設定された基準値よりも高い値の各波形部分に対し、1つの波形部分で囲まれた面積が予め設定された閾値よりも大きく且つ前記1つの波形部分にピークの候補が複数存在する場合に、前記1つの波形部分とは異なる波形部分のピークの間隔に基づいて、前記1つの波形部分のピークの候補を、前記1つの波形部分のピークとして選択するピークの選択手段と、
    前記脈波波形のピーク間隔に基づいて、心拍数変動指標を演算する指標の演算手段と、
    を備えたことを特徴とする生体情報の取得装置。
  5. 前記脈波波形において検出された複数のピークの候補において、ピークの候補の振幅の値が、予め設定された閾値よりも小さい場合に、前記ピークの候補から除外してピークを選択する前記ピークの選択手段、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の生体情報の取得装置。
  6. 前記脈波波形において検出された複数のピークの候補において、1組のピークの候補の間の時間的な間隔が、予め設定された閾値よりも小さい場合に、前記1組のピークの候補とは異なるピークの候補の間隔に基づいて、一方のピークの候補を除外してピークを選択する前記ピークの選択手段、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の生体情報の取得装置。
  7. 前記被験者の表面に対して複数配置された前記検知部材、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の生体情報の取得装置。
  8. コンピュータを、
    被験者に非接触な状態で配置された検知部材で検知された前記被験者の表面の振動の時間的な履歴である振動波形を取得する振動波形の取得手段、
    振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して十分に短期な第1の刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である第1の呼吸波形を演算すると共に、前記第1の刻み幅とは期間が異なる第2の刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である第2の呼吸波形を演算する呼吸波形の演算手段、
    前記振動波形から前記第1の呼吸波形を減算した第1の脈波波形を演算すると共に、前記振動波形から前記第2の呼吸波形を減算した第2の脈波波形を演算する脈波波形の演算手段、
    前記各脈波波形におけるピークを選択するピークの選択手段、
    前記ピークの選択手段で選択されたピークと予め設定された閾値に基づいて前記第1の脈波波形の各ピークの間隔が異常であるピーク間隔の数を検出すると共に、前記閾値に基づいて前記第2の脈波波形の各ピークの間隔が異常であるピーク間隔の数を検出する異常間隔の検出手段、
    異常なピーク間隔の数が少ない脈波波形に基づいて、心拍数変動指標を演算する指標の演算手段、
    として機能させることを特徴とする生体情報の取得プログラム。
  9. コンピュータを、
    被験者に非接触な状態で配置された検知部材で検知された前記被験者の表面の振動の時間的な履歴である振動波形から、振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して短期な第1の刻み幅と前記振動波形とに基づいて演算された振動の平均の時間的な履歴である第1の呼吸波形を、減算して演算された第1の脈波波形において、予め設定された閾値に基づいて前記第1の脈波波形の各ピークの間隔が異常である第1の間隔異常数と、前記振動波形から、前記第1の刻み幅とは期間が異なる第2の刻み幅と前記振動波形とに基づいて演算された振動の平均の時間的な履歴である第2の呼吸波形を、減算して演算された第2の脈波波形において、前記閾値に基づいて前記第2の脈波波形の各ピークの間隔が異常である第2の間隔異常数と、を検出し、第1の間隔異常数と第2の間隔異常数とを比較し、異常なピーク間隔の数が少ない脈波波形に基づいて、心拍数変動指標を演算する指標の演算手段、
    として機能させることを特徴とする生体情報の取得プログラム。
  10. コンピュータを、
    被験者に非接触な状態で配置された検知部材で検知された前記被験者の表面の振動の時間的な履歴である振動波形を取得する振動波形の取得手段、
    振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して十分に短期な刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である呼吸波形を演算する呼吸波形の演算手段、
    前記振動波形から前記呼吸波形を減算した脈波波形を演算する脈波波形の演算手段、
    前記脈波波形において、予め設定された基準値よりも高い値の各波形部分に対し、1つの波形部分で囲まれた面積が予め設定された閾値よりも大きく且つ前記1つの波形部分にピークの候補が複数存在する場合に、前記1つの波形部分に対して時間的に前後に隣接する隣接波形部分のピークどうしの時間的な中央値に最も近い前記1つの波形部分のピークの候補を、前記1つの波形部分のピークとして選択するピークの選択手段、
    前記脈波波形のピーク間隔に基づいて、心拍数変動指標を演算する指標の演算手段、
    として機能させることを特徴とする生体情報の取得プログラム。
  11. 被験者に非接触な状態で配置された検知部材で検知された前記被験者の表面の振動の時間的な履歴である振動波形を取得する工程と、
    振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して十分に短期な第1の刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である第1の呼吸波形を演算すると共に、前記第1の刻み幅とは期間が異なる第2の刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である第2の呼吸波形を演算する工程と、
    前記振動波形から前記第1の呼吸波形を減算した第1の脈波波形を演算すると共に、前記振動波形から前記第2の呼吸波形を減算した第2の脈波波形を演算する工程と、
    前記各脈波波形におけるピークを選択する工程と、
    前記ピークの選択工程で選択されたピークと予め設定された閾値に基づいて前記第1の脈波波形の各ピークの間隔が異常であるピーク間隔の数を検出すると共に、前記閾値に基づいて前記第2の脈波波形の各ピークの間隔が異常であるピーク間隔の数を検出する工程と、
    異常なピーク間隔の数が少ない脈波波形に基づいて、心拍数変動指標を演算する工程と、
    を実行することを特徴とする生体情報の取得方法。
  12. 被験者に非接触な状態で配置された検知部材で検知された前記被験者の表面の振動の時間的な履歴である振動波形から、振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して短期な第1の刻み幅と前記振動波形とに基づいて演算された振動の平均の時間的な履歴である第1の呼吸波形を、減算して演算された第1の脈波波形において、予め設定された閾値に基づいて前記第1の脈波波形の各ピークの間隔が異常である第1の間隔異常数と、前記振動波形から、前記第1の刻み幅とは期間が異なる第2の刻み幅と前記振動波形とに基づいて演算された振動の平均の時間的な履歴である第2の呼吸波形を、減算して演算された第2の脈波波形において、前記閾値に基づいて前記第2の脈波波形の各ピークの間隔が異常である第2の間隔異常数と、を検出し、第1の間隔異常数と第2の間隔異常数とを比較し、異常なピーク間隔の数が少ない脈波波形に基づいて、心拍数変動指標を演算することを特徴とする生体情報の取得方法。
  13. 被験者に非接触な状態で配置された検知部材で検知された前記被験者の表面の振動の時間的な履歴である振動波形を取得する工程と、
    振動の情報の平均を演算する期間であり且つ呼吸の間隔に対して十分に短期な刻み幅と前記振動波形とに基づいて、振動の平均の時間的な履歴である呼吸波形を演算する工程と、
    前記振動波形から前記呼吸波形を減算した脈波波形を演算する工程と、
    前記脈波波形において、予め設定された基準値よりも高い値の各波形部分に対し、1つの波形部分で囲まれた面積が予め設定された閾値よりも大きく且つ前記1つの波形部分にピークの候補が複数存在する場合に、前記1つの波形部分に対して時間的に前後に隣接する隣接波形部分のピークどうしの時間的な中央値に最も近い前記1つの波形部分のピークの候補を、前記1つの波形部分のピークとして選択する工程と、
    前記脈波波形のピーク間隔に基づいて、心拍数変動指標を演算する工程と、
    を実行することを特徴とする生体情報の取得方法。
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