JP6670881B2 - 生体状態モニタリングシステム - Google Patents

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Description

本発明は、荷重検出器の検出値に基づいてベッド上の被験者の生体状態をモニタする生体状態モニタリングシステムに関する。
医療や介護の分野において、荷重検出器を介してベッド上の被験者の荷重を検出し、検出した荷重に基づいて被験者の生体状態をモニタすることが提案されている。具体的には例えば、検出した荷重に基づいて被験者の呼吸数を推定することが提案されている。
特許文献1は、ベッドの脚部の下に配置した荷重センサの計測値を周波数解析して、被験者の呼吸数を検出することを開示している。特許文献2は、ベッドの脚部の下に荷重検出器を配置してベッド上の被検生体の重心の移動を求め、この重心の移動に基づいて被検生体の呼吸運動と心拍運動とを求めることを開示している。
特許第4883380号 特公昭61−24010号
本発明は、被験者の呼吸数の推定値を、高い信頼性をもって出力することのできる生体状態モニタリングシステムを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様に従えば、
ベッド上の被験者の生体状態をモニタする生体状態モニタリングシステムであって、
前記ベッド上の被験者の荷重を検出する少なくとも1つの荷重検出器と、
前記荷重検出器の検出値の時間的変動に基づいて、被験者に体動が生じているか否かを判定する体動判定部と、
前記荷重検出器の検出値の時間的変動に基づいて、被験者の呼吸数の推定値を逐次求めて出力する呼吸数推定部と、
被験者の体動の持続時間に基づいて、該体動がトゥイッチであるか否かを判定するトゥイッチ判定部とを備え、
前記トゥイッチ判定部が前記体動がトゥイッチではないと判定した場合には、前記呼吸数推定部は、前記呼吸数の推定値の出力を停止し、又は前記体動の直前の、前記体動判定部が被験者に体動が生じていないと判定した期間において最後に求めた第1推定値を出力し、前記トゥイッチ判定部が前記体動がトゥイッチであると判定した場合には、前記呼吸数推定部は、新たに求める呼吸数の推定値を順次出力する生体状態モニタリングシステムが提供される。
第1の態様の生体状態モニタリングシステムにおいて、前記トゥイッチ判定部が前記体動がトゥイッチではないと判定した場合には、前記呼吸数推定部は第1推定値を出力してもよい。
第1の態様の生体状態モニタリングシステムにおいて、前記トゥイッチ判定部は、前記体動判定部の判定結果が体動有りである期間の長さと所定の閾値との比較に基づいて、被験者の体動がトゥイッチであるか否かを判定してもよい。
本発明の第2の態様に従えば、
ベッド上の被験者の生体状態をモニタする生体状態モニタリングシステムであって、
前記ベッド上の被験者の荷重を検出する少なくとも1つの荷重検出器と、
前記荷重検出器の検出値の時間的変動に基づいて、被験者に体動が生じているか否かを判定する体動判定部と、
前記荷重検出器の検出値の時間的変動に基づいて、被験者の呼吸数の推定値を逐次求めて出力する呼吸数推定部とを備え、
前記体動判定部が被験者に体動が生じていると判定する期間中は、前記呼吸数推定部は、前記呼吸数の推定値の出力を停止し、又は前記期間の直前の、前記体動判定部が被験者に体動が生じていないと判定した期間において最後に求めた第1推定値を出力する生体状態モニタリングシステムが提供される。
第2の態様の生体状態モニタリングシステムにおいて、前記体動判定部が被験者に体動が生じていると判定する期間中は、前記呼吸数推定部は第1推定値を出力してもよい。
第1の態様又は第2の態様の生体状態モニタリングシステムは、更に、前記呼吸数推定部が出力した前記被験者の呼吸数の推定値を表示する表示部を備えてもよい。
本発明の第3の態様に従えば、
ベッドと、
第1の態様又は第2の態様の生体状態モニタリングシステムとを備えるベッドシステムが提供される。
本発明の生体状態モニタリングシステムは、被験者の呼吸数の推定値を、高い信頼性をもって出力することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る生体状態モニタリングシステムの構成を示すブロック図である。 図2は、荷重検出器のベッドに対する配置を示す説明図である。 図3は、本発明の第1実施形態の生体状態モニタリングシステムを用いた呼吸数の推定方法を示すフローチャートである。 図4は、荷重検出器により検出された荷重値の変動の様子を、被験者が呼吸のみを行っている安静期間と、被験者が体動を行っている体動期間の両方について示す概略的なグラフである。 図5(a)は、被験者の重心が、被験者の呼吸に応じて被験者の体軸方向に振動する様子を概念的に示す説明図である。図5(b)は、被験者の呼吸に応じた被験者の重心の振動に基づいて描画される呼吸波形の一例を示すグラフである。 図6は、体動判定部における体動判定の具体的方法の一例を説明するための説明図である。 図7は、被験者の呼吸数を呼吸波形に基づいて推定する方法の一例を説明するための説明図である。 図8は、呼吸数推定部により行われる呼吸数推定工程の具体例を説明するための説明図である。 図9は、本発明の第2実施形態に係る生体状態モニタリングシステムの構成を示すブロック図である。 図10は、本発明の第2実施形態の生体状態モニタリングシステムを用いた呼吸数の推定方法を示すフローチャートである。 図11は、第2実施形態の呼吸数推定工程中の、被験者の体動がトゥイッチか否かに基づいて出力する推定値の内容を異ならせる工程を示すフローチャートである。 図12(a)、図12(b)は、呼吸数推定部がトゥイッチ判定部の判定結果を参照して出力する呼吸数の推定値の調整を行う工程について説明するための説明図である。 図13は、変形例に係るベッドシステムの全体構成を示すブロック図である。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態の生体状態モニタリングシステム100(図1)について、これをベッドBD(図2)と共に使用して、ベッドBD上の被験者Sの呼吸数を推定(決定)する場合を例として説明する。
図1に示す通り、本実施形態の生体状態モニタリングシステム100は、荷重検出部1、制御部3、記憶部4を主に有する。荷重検出部1と制御部3とは、A/D変換部2を介して接続されている。制御部3には更に表示部5、報知部6、入力部7が接続されている。
荷重検出部1は、4つの荷重検出器11、12、13、14を備える。荷重検出器11、12、13、14のそれぞれは、例えばビーム形のロードセルを用いて荷重を検出する荷重検出器である。このような荷重検出器は例えば、特許第4829020号や特許第4002905号に記載されている。荷重検出器11、12、13、14はそれぞれ、配線又は無線によりA/D変換部2に接続されている。
図2に示す通り、荷重検出部1の4つの荷重検出器11〜14は、被験者Sが使用するベッドBDの四隅の脚BL、BL、BL、BLの下端部に取り付けられたキャスターC、C、C、Cの下にそれぞれ配置される。
A/D変換部2は、荷重検出部1からのアナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器を備え、荷重検出部1と制御部3にそれぞれ配線又は無線で接続されている。
制御部3は、専用又は汎用のコンピュータであり、内部に標準偏差算出部31、呼吸波形描画部(呼吸波形算出部、呼吸波形取得部)32、体動判定部33、呼吸数推定部(呼吸数決定部、呼吸数算出部)34が構築されている。
記憶部4は、生体状態モニタリングシステム100において使用されるデータを記憶する記憶装置であり、例えばハードディスク(磁気ディスク)を用いることができる。
表示部5は、制御部3から出力される情報を生体状態モニタリングシステム100の使用者に表示する液晶モニター等のモニターである。
報知部6は、制御部3からの情報に基づいて所定の報知を聴覚的に行う装置、例えばスピーカを備える。
入力部7は、制御部3に対して所定の入力を行うためのインターフェイスであり、キーボード及びマウスにし得る。
このような生体状態モニタリングシステム100を使用して、ベッド上の被験者の呼吸数を推定(決定)する動作について説明する。
生体状態モニタリングシステム100を使用した被験者の呼吸数の推定は、図3のフローチャートに示す通り、被験者Sの荷重を検出する荷重検出工程S11と、検出した荷重の変動の程度を示す標準偏差を算出する標準偏差算出工程S12と、検出した荷重に基づいて被験者の呼吸波形を描画する呼吸波形描画工程S13と、標準偏差算出工程S12で求めた標準偏差及び呼吸波形描画工程S13で描いた呼吸波形の振幅を用いて被験者の体動判定を行う体動判定工程S14と、呼吸波形描画工程S13で描いた呼吸波形に基づいて被験者の呼吸数を推定して出力する呼吸数推定工程S15と、出力された呼吸数を表示する表示工程S16とを含む。
[荷重検出工程]
荷重検出工程S11では、荷重検出器11、12、13、14を用いてベッドBD上の被験者Sの荷重を検出する。ベッドBD上の被験者Sの荷重は、ベッドBDの四隅の脚BL〜BLの下に配置された荷重検出器11〜14に分散して付与され、これらによって分散して検出される。
荷重検出器11〜14はそれぞれ、荷重(荷重変化)を検出してアナログ信号としてA/D変換部2に出力する。A/D変換部2は、サンプリング周期を例えば5ミリ秒として、アナログ信号をデジタル信号に変換し、デジタル信号(以下「荷重信号」)として制御部3に出力する。以下では、荷重検出器11、12、13、14から出力されたアナログ信号をA/D変換部2においてデジタル変換して得られる荷重信号を、それぞれ荷重信号s、s、s、sと呼ぶ。
[標準偏差算出工程]
標準偏差算出工程S12では、標準偏差算出部31が、荷重信号s、s、s、sの各々について、その所定のサンプリング期間(一例として5秒間)に含まれるサンプリング値の標準偏差(移動標準偏差)σ、σ、σ、σを算出する。算出は、例えば過去5秒間をサンプリング期間として常時行われ得る。
標準偏差は、サンプリング値のばらつきの大きさを表わすため、図4に示すように、ベッドBD上の被験者Sが安静にしており、荷重信号s〜sの変動の量が小さい期間PER1においては標準偏差σ〜σも小さくなる。一方で被験者Sが身体を動かしており(被験者Sに体動が生じており)、荷重信号s〜sの変動の量が大きい期間PER2においては標準偏差σ〜σも大きくなる。
したがって、被験者Sに体動が生じている期間においては、被験者Sに体動が生じていない期間に比べて標準偏差σ〜σの値が大きくなる。
本明細書及び本発明において「体動」とは、被験者の頭部、胴部(体幹)、四肢の移動を意味する。呼吸や心拍等に伴う臓器、血管等の移動は体動には含まれない。体動は、一例として、被験者Sの胴部(体幹)の移動を伴う大きな体動と、被験者の四肢や頭部の移動のみを伴う小さな体動とに分類し得る。大きな体動の一例は、寝返りや起き上がり等であり、小さな体動の一例は、睡眠中の手足や頭部の移動等である。被験者に心拍や呼吸、体動が生じた場合には、これに応じて荷重検出器11〜14からの荷重信号s〜sが変動する。その変動の量は、被験者Sの心拍に応じた変動の量、被験者Sの呼吸に応じた変動の量、被験者Sの小さな体動に応じた変動の量、被験者Sの大きな体動に応じた変動の量の順に大きくなる。
なお、本明細書及び本発明に記載する被験者の体動判定において、荷重信号s〜sの、被験者Sの心拍に応じた変動の量は無視できるほどに小さい。そのため、本明細書及び本発明において、「被験者が呼吸のみを行う」や、荷重値、荷重信号が「呼吸のみに応じて変動する」とは、被験者が体動を行っていないことや、荷重値、荷重信号が体動に応じた変動を示していないことを意味し、被験者に心拍が生じていないことや、荷重値、荷重信号が心拍に応じた変動を含んでいないことを意味するものではない。
[呼吸波形描画工程]
呼吸波形描画工程S13では、呼吸波形描画部(呼吸波形算出部、呼吸波形取得部)32が、荷重信号s〜sに基づいて被験者Sの呼吸波形を描画する。
人間の呼吸は、胸郭及び横隔膜を移動させて、肺を膨張及び収縮させることにより行われる。ここで吸気時、すなわち肺が膨張する時には横隔膜は下方に下がり、内臓も下方に移動する。一方で呼気時、すなわち肺が収縮する時には横隔膜は上方に上がり、内臓も上方に移動する。本件の出願人に付与された特許第6105703号の明細書に記載されている通り、この内臓移動に伴って重心Gはわずかに移動し、その移動方向は背骨の延在方向(体軸方向)にほぼ沿っている。
本発明及び本明細書において「呼吸波形」とは、被験者の呼吸に応じて被験者の体軸方向に振動する被験者の重心の振動の様子を、時間軸に展開して示す波形を意味する。呼吸波形の1周期は、被験者の1回の呼吸(呼気及び吸気)に対応する。呼吸波形の振幅は、被験者の体格や呼吸の深さの影響を受ける。具体的には例えば、被験者が大柄であったり、被験者が深い呼吸を行った場合には振幅は大きくなり、被験者が小柄であったり、被験者が浅い呼吸を行った場合には振幅は小さくなる。
呼吸波形描画部32は、具体的には次のようにして呼吸波形の描画を行う。
呼吸波形描画部32は、まず、荷重検出部1からの荷重信号s〜sに基づいて、各サンプリング時刻ごとに被験者Sの重心Gの位置を算出する。被験者Sの重心Gは、図5(a)に示すように、被験者Sの呼吸に応じて、被験者Sの体軸SAの方向に振動している。
呼吸波形描画部32は、次いで、体軸SAの方向を縦軸、時間軸を横軸として、各時間における重心Gの位置を体軸SAに投影した位置と、重心Gの呼吸に応じた振動の振動中心との間の距離を縦軸にプロットすることにより、呼吸波形BW(図5(b))を描画する。
なお、呼吸波形描画部32は、必ずしも実際に呼吸波形を描画する必要はなく、呼吸波形を示すデータを求めるのみでもよい。
[体動判定工程]
体動判定工程S14では、体動判定部33が、標準偏差算出工程S12で算出した標準偏差σ〜σと、呼吸波形描画工程S13で描画した呼吸波形BWの振幅とを用いて、被験者Sに体動が生じているか否かの判定を行う。
判定は、具体的には例えば、次のように行う。
体動判定部33は、まず、呼吸波形描画工程S13において描画された呼吸波形BWについてピーク検出を行い、最新のピークpとその1つ前のピークpn−1との間の期間における最小値と、最新のピークpとの間の差を、呼吸波形BWの最新の振幅A(図5(b))として算出する。そして、振幅Aと、振幅Aよりも以前に算出された振幅An−1、An−2、・・・の単純平均値である平均振幅AAVnを求める。平均振幅AAVnの算出に用いる振幅Aの数は任意であるが、一例として5秒程度のサンプリング期間に得られる数とし得る。
なお、振幅A、An−1、An−2、・・・、及び平均振幅AAVnの算出に関わる呼吸波形BWが、安静期間(被験者が体動を生ずることなく呼吸のみを行っている期間)に得られた呼吸波形であることを確認するために(即ち、体動に応じた重心移動に起因する誤差を含んでいないことを確認するために)、標準偏差σ〜σの単純平均値σAV、或いは標準偏差σ〜σのいずれか1つを、閾値σと比較してもよい。閾値σは単純平均値σAV、或いは標準偏差σ〜σのいずれか1つがこの値未満であれば確実に被験者Sに体動は生じていないと判定し得るほど小さな値とする(反対に、単純平均値σAV、或いは標準偏差σ〜σのいずれか1つがこの値以上であっても、被験者Sに体動は生じていない場合があり得る)。
次に、体動判定部33は、下記の式(1)により、規格化標準偏差σs〜σsを求める。
Figure 0006670881
そして、算出した規格化標準偏差σs〜σsの単純平均値σsAVを求め、単純平均値σsAVと所定の閾値σsTHとの比較に基づいて、被験者Sに体動が生じているか否かを判定する。具体的には例えば、単純平均値σsAVが所定の閾値σsTH以上であれば被験者Sに体動が生じていると判定し、単純平均値σsAVが所定の閾値σsTH未満であれば被験者Sに体動が生じていないと判定する。
被験者Sに体動が生じていないと判定されている期間については、体動判定部33は、呼吸波形描画部32において取得される呼吸波形BWに基づいて、呼吸波形BWの1周期ごとに、最新の振幅Aを算出する。そして、算出した最新の振幅Aの値を用いて新たに算出した平均振幅AAVnと、各サンプリング時刻ごとに(一例として5ミリ秒ごとに)算出される標準偏差σ〜σの値とを用いて、(式1)により、逐次、規格化標準偏差σs〜σsを算出し、単純平均値σsAVを算出する。
被験者Sの体動の有無の判定は、このようにして逐次算出される単純平均値σsAVを、所定の閾値σsTHと逐次比較することによりなされる。
判定の結果、被験者Sに体動が生じたと判定された後は、体動判定部33は、平均振幅AAVnの更新を停止し、その時点で算出されている平均振幅AAVnを用いた単純平均値σsAVの算出を続ける。そして算出された単純平均値σsAVと所定の閾値σsTHとの比較に基づいて、被験者Sの体動の有無の判定を続ける。これは、被験者Sに体動が生じている期間においては、呼吸波形BWの振幅及び周期が体動の影響により大きく変動し、新たな振幅A、及び平均振幅AAVnを誤差なく算出することが困難となるためである。
次に、再度、被験者Sに体動がないと判定した場合には、体動判定部33は、呼吸波形描画部32において取得される呼吸波形BWに基づいて、最新の振幅Aの値を算出し、これを用いて新たに平均振幅AAVnを算出する。そして、最新の平均振幅AAVnを用いた単純平均値σsAVの算出を行い、算出された単純平均値σsAVと所定の閾値σsTHとの比較に基づいて、被験者Sの体動の有無の判定を続ける。
この工程の具体例を、図6を用いて説明する。
図6に示すように、時刻Tにおいて呼吸波形BWのピークP、最新の振幅Aが得られた場合、体動判定部33は、時刻T以降の期間については、振幅Aとその直前に得られた振幅A、A−1・・・(いずれも不図示)の単純平均値である平均振幅AAV1を用いて、逐次規格化標準偏差σs〜σs、及び単純平均値σsAV(ここでは、σsAV(AAV1)と記載する)を算出し、単純平均値σsAV(AAV1)と閾値σsTHとの比較に基づき、被験者Sの体動の有無を判定する。
次に、時刻Tにおいて呼吸波形BWのピークP、最新の振幅Aが得られた場合、体動判定部33は、時刻T以降の期間については、振幅Aを用いて算出した平均振幅AAV2を用いて、逐次規格化標準偏差σs〜σs、及び単純平均値σsAV(ここでは、σsAV(AAV2)と記載する)を算出し、単純平均値σsAV(AAV2)と閾値σsTHとの比較に基づき、被験者Sの体動の有無を判定する。
時刻T21において、被験者Sに体動が生じた場合、体動判定部33は、単純平均値σsAV(AAV2)が閾値σsTH以上となることに基づいて、被験者Sに体動が生じたと判定する。そしてその後、単純平均値σsAV(AAV2)が閾値σsTH以上である期間については、単純平均値σsAV(AAV2)を用いた体動判定を継続する。
時刻T22において、被験者Sの体動が収まった場合、体動判定部33は、単純平均値σsAV(AAV2)が閾値σsTH未満となることに基づいて、被験者Sに体動は生じていないと判定する。その後、再び呼吸波形BWの最新の振幅Aが得られ、最新の平均振幅AAVnが算出されるまで、単純平均値σsAV(AAV2)を用いた体動判定を継続する。
体動判定部33が、呼吸波形の振幅A(平均振幅AAVn)を用いて標準偏差σ〜σの値の規格化を行うのは次の理由による。
上述した通り、標準偏差σ〜σの値は、一般に被験者Sに体動が生じている期間に大きくなる。そのため、標準偏差σ〜σの値を所定の閾値と比較することにより被験者Sに体動が生じているか否かの判定を行うことが考えられる。
しかしながら、本発明の発明者の知見によれば、標準偏差σ〜σの値は、体格の大きい被験者においては、呼吸に応じた臓器の移動量も大きいため、体動を生じることなく呼吸のみを行っている期間においても比較的大きな値となり得る。また、被験者の体格が大きくない場合においても、例えば当該被験者が深呼吸を行った際には、比較的大きな値となり得る。標準偏差σ〜σの値を所定の閾値と比較することにより体動判定を行えば、このような場合に、被験者に体動が生じていないにもかかわらず、被験者に体動が生じたとの誤判定がなされ得る。
一方で、呼吸波形に着目すると、呼吸波形の振幅は、上記の通り、被験者の体格や呼吸の深さの影響を受け、被験者が大柄であったり、被験者が深い呼吸を行った場合には振幅は大きくなり、被験者が小柄であったり、被験者が浅い呼吸を行った場合には振幅は小さくなる。
即ち、標準偏差σ〜σの値を呼吸波形BWの平均振幅AAVnで除して、規格化を行うことにより、被験者Sの体格や呼吸の深さが標準偏差σ〜σの値に及ぼす影響を軽減(補償、補正)することができる。そして、このような規格化により得られた規格化標準偏差σs〜σsを用いた体動判定を行うことにより、体動判定の精度を高めることができる。
[呼吸数推定工程]
呼吸数推定工程S15においては、呼吸数推定部(呼吸数決定部)34が、呼吸波形描画工程S13において描画した被験者Sの呼吸波形BWに基づいて被験者Sの呼吸数を推定(決定)し、推定(決定)した呼吸数を表示部5に出力する。
呼吸数推定部34は、具体的には、次の方法により、呼吸波形BWに基づく呼吸数の推定を行う。
呼吸数推定部34は、呼吸波形描画工程S13において描かれた呼吸波形BWに対して、所定の周期でピーク検出を行う。そして新たなピークが検出された場合には、当該ピークが検出された時刻と、そこから所定期間(一例として25秒間。以下、適宜「推定用サンプリング期間」と呼ぶ)だけ遡った時刻との間に含まれる複数のピークについて、隣接する2つのピークの間の距離(以下、ピーク間距離tと呼ぶ)をそれぞれ求める。
図7に、25秒間の推定用サンプリング期間に含まれる呼吸波形BWの一例、この呼吸波形BWが有するピークp〜p、及びピークp〜pの間のピーク間距離t〜tを示す。
次に、呼吸数推定部34は、次の式2により、複数のピーク間距離tの平均値tAVを求める。
Figure 0006670881
ここで、Nは推定用サンプリング期間に含まれる呼吸波形BWが有するピークの数である。この平均値tAVは、推定用サンプリング期間における被験者Sの呼吸の周期の平均値にほぼ相当する。
その後、呼吸数推定部34は、次の式3により、被験者Sの1分間の呼吸数の推定値Rを算出する。そして算出した推定値Rを、推定した呼吸数として表示部5に出力する。
Figure 0006670881
また、本実施形態の呼吸数推定部34は、被験者Sの体動の有無に応じて、出力する呼吸数の値を調整する。以下、この調整について説明する。
呼吸数推定部34は、体動判定部33が被験者Sに体動が生じていないと判定している期間(安静期間)、及び体動判定部33が被験者Sに体動が生じていると判定している期間(体動期間)のいずれにおいても、呼吸波形BWのピークが検出される度に、上記の方法に従い、式2、式3を用いて呼吸数の推定値Rを逐次算出する。
そして、安静期間(後述する、体動期間から安静期間に変移した後の所定期間を除く)においては、算出した推定値Rを、推定した呼吸数として逐次表示部5に出力する。
一方、呼吸数推定部34は、体動期間においては、上記の方法に従い式2、式3を用いて逐次算出する呼吸数の推定値Rに代えて、安静期間から体動期間に変移する直前に算出した推定値(第1推定値)R、即ちその直前の安静期間の最後に算出した推定値Rを、推定した呼吸数として表示部5に出力する。
また、呼吸数推定部34は、安静期間から体動期間に変移し、その後、再び安静期間に変移した後も、安静期間への変移時から所定期間が経過するまでは、上記の方法に従い式2、式3を用いて逐次算出する呼吸数の推定値Rに代えて、直前の体動期間に出力していた値、即ち安静期間から体動期間に変移する直前に算出した推定値Rを、推定した呼吸数として表示部5に出力する。
その後、安静期間の呼吸波形BWのピークが2つ検出された後に、当該2つのピーク間のピーク間距離tを求め、このピーク間距離tの値を平均値tAVの値として用いて、式3より呼吸数の推定値Rを算出する。そして体動期間及びその後の所定期間において固定的に出力していた値、即ち安静期間から体動期間に変移する直前に算出した推定値Rに代えて、新たに算出した推定値Rを、推定した呼吸数として表示部5に出力する。
同様に、呼吸数推定部34は、呼吸波形BWのピークが3つ、4つと検出された時点で、当該3つ、4つのピークの内の隣り合う2つのピーク間のピーク間距離tをそれぞれ求め、これらのピーク間距離tの単純平均値を平均値tAVの値として用いて、式3より呼吸数の推定値Rを算出する。そして算出した値を、推定した呼吸数として表示部5に出力する。その後、体動期間から安静期間に変化してから推定用サンプリング期間(ここでは25秒間)が経過した後は、上記の式2を用いた平均値tAVの算出を再開し、算出した平均値tAVを上記の式3に適用して推定値Rを算出し、算出した値を、推定した呼吸数として表示部5に出力する。
この工程の具体例を、図8を用いて説明する。
図8に示すように、安静期間に含まれる時刻Tにおいて呼吸波形BWのピークPが検出された後は、呼吸数推定部34は、時刻Tを終端とする25秒間の推定用サンプリング期間に求められた呼吸波形BWに基づいて、上記の式2、式3より呼吸数の推定値Rを算出し、算出した値を推定した呼吸数として出力する。ここでは呼吸数Rが出力されたものとする。同様に、時刻T、Tにおいて呼吸波形BWのピークP、Pが検出された後は、呼吸数推定部34は、時刻T、Tを終端とする推定用サンプリング期間に求められた呼吸波形BWに基づいて、上記の式2、式3より呼吸数の推定値Rを算出し、算出した値を推定した呼吸数として出力する。ここでは呼吸数R、Rが出力されたものとする。
次に、時刻T61において被験者Sに体動が生じた場合、呼吸数推定部34は、体動判定部33が被験者Sに体動が生じたと判定したことに基づいて、出力する呼吸数の推定値を、上記の式2、式3を用いて新たに算出する推定値Rから、直前に算出した推定値(呼吸数Rに等しい)に切り換える。そして、体動判定部33が被験者Sに体動が生じていると判定している期間、即ち体動期間においては、推定した呼吸数として、呼吸数Rを出力し続ける。
また、呼吸数推定部34は、時刻T62において被験者Sの体動が収まり、体動判定部33が被験者Sに体動は生じていないと判定した後(即ち安静期間に戻った後)も、所定期間の間、上記の式2、式3を用いて新たに算出する推定値Rではなく、時刻T61の直前に算出した推定値(呼吸数Rに等しい)を、推定した呼吸数として出力し続ける。
その後、呼吸数推定部34は、時刻Tにおいて被験者Sの体動が収まった後の2つ目のピークPが検出された後に、被験者Sの体動が収まった後の1つ目のピークPとピークPとの間のピーク間距離tを求める。そして、ピーク間距離tを平均値tAVの値として用いて、式3より呼吸数の推定値Rを算出し、時刻T61以降固定的に出力していた値(呼吸数R)に代えて、新たに算出した推定値Rを推定した呼吸数として出力する。ここでは呼吸数Rが出力されたものとする。
呼吸数推定部34は、時刻Tにおいて被験者Sの体動が収まった後の3つ目のピークPが検出された後に、被験者Sの体動が収まった後の2つ目のピークPとピークPとの間のピーク間距離tを求める。そして、ピーク間距離tとピーク間距離tの単純平均値を平均値tAVの値として用いて、式3より呼吸数の推定値Rを算出し、算出した値を推定した呼吸数として出力する。ここでは呼吸数Rが出力されたものとする。
同様に、呼吸数推定部34は、時刻T10、T11において被験者Sの体動が収まった後の4つ目のピークP10、5つ目のピークP11が検出された後に、ピークPとピークP10との間のピーク間距離t10、ピークP10とピークP11との間のピーク間距離t11を求める。そして、ピーク間距離t〜t11の内、既に得られているものの単純平均値を平均値tAVの値として用いて、式3より呼吸数の推定値Rを算出し、算出した値を推定した呼吸数として出力する。ここでは呼吸数R10、R11が出力されたものとする。
その後、呼吸数推定部34は、時刻T62から推定用サンプリング期間に相当する25秒が経過した後は、上記の式2を用いた平均値tAVの算出を再開し、算出した平均値tAVを上記の式3に適用して呼吸数の推定値Rを算出する。そして、算出した値を、推定した呼吸数として表示部5に出力する。
呼吸数推定部34が、体動期間、及びその後の安静期間の初期の所定期間において、当該期間に算出する推定値Rに代えて、安静期間から体動期間に変化する直前に算出した呼吸数の推定値Rを、被験者Sの呼吸数の推定値として出力する理由は次の通りである。
図8に示す通り、体動期間においても呼吸波形BWにピークは存在し、これが検出される。しかしながら図8に示される波形から明らかなように、呼吸波形BWは被験者Sの体動の影響を受けて乱れており、呼吸波形BWの周期も変化している。そのため、体動期間の呼吸波形BWのピークに基づいて求められたピーク間距離は、呼吸の周期を反映しない値となる。推定用サンプリング期間に体動期間が含まれている場合には、式2で求める平均値tAVの値が、このような呼吸の周期を反映しないピーク間距離の影響を受けた値となるため、式3を用いて算出される呼吸数の推定値Rも、被験者の実際の呼吸数とは乖離した値となっている可能性が高い。
そこで、呼吸数推定部34は、体動期間が推定用サンプリング期間に含まれてしまう体動期間、及び体動期間の後の安静期間の初期の所定期間においては、当該期間の推定値として、新たに算出する推定値Rではなく、安静期間から体動期間に変化する直前に算出した推定値Rを出力する。これにより、生体状態モニタリングシステム100の使用者に提示する呼吸数の推定値の信頼性が維持される。
なお、呼吸数推定部34は、体動期間中、及び体動期間から安静期間に変移した後の所定期間中は、呼吸波形BWのピーク検出や、ピーク間距離の算出、式2、式3を用いた推定値Rの算出を停止してもよい。
本実施形態では、安静期間の呼吸波形BWのピークが2つ検出された時点で、これらのピークの間のピーク間距離を用いた推定値Rの算出を行い、算出された値を出力している。この方法によれば、体動期間から安静期間に変移した後、推定用サンプリング期間に相当する時間が経過するのを待つことなく、体動期間における呼吸波形BWの乱れの影響を除いた呼吸数の推定値Rの算出及び出力を再開することができる。しかしながら、体動終了後、推定用サンプリング期間に略等しい時間が経過するまで、体動期間に変化する直前に算出された推定値Rを出力し続けてもよい。
[表示工程]
表示工程S16においては、制御部3が、呼吸数推定工程S15において出力された被験者Sの呼吸数(推定値)を、表示部5に表示する。また表示工程S16では、表示部5を用いた表示に加えて、又はこれに代えて、報知部6を用いた報知を行っても良い。この場合は例えば、被験者Sの呼吸数が所定の設定値に至った場合に報知音を発し、生体状態モニタリングシステム100の使用者である看護師や介護士等に報せる。
本実施形態の生体状態モニタリングシステム100の効果を以下にまとめる。
本実施形態の生体状態モニタリングシステム100の備える呼吸数推定部34は、被験者Sに体動があった場合に、体動中及び体動終了後の所定期間の間、体動発生直前に算出した推定値を、当該期間の呼吸数の推定値として出力する。したがって、本実施形態の生体状態モニタリングシステム100は、被験者Sに体動が生じた場合も、体動の影響を抑制して、被験者の呼吸数の推定値を高い信頼性をもって出力することができる。
本実施形態の生体状態モニタリングシステム100の備える呼吸数推定部34は、体動期間から安静期間に変移した後、呼吸波形BWのピークが2つ検出された時点で、これらのピークの間のピーク間距離を用いた呼吸数の推定値の算出を再開する。したがって、本実施形態の生体状態モニタリングシステム100は、体動終了後、より早期に、表示部5に表示される呼吸数が体動直前に推定された値に固定された状態を解除することができる。
本実施形態の生体状態モニタリングシステム100は、ベッドBDの脚BL〜BLの下に配置した荷重検出器11〜14を用いて被験者Sの体動の有無を判定している。したがって、被験者Sの身体に計測装置を取り付ける必要がなく、被験者Sに不快感や違和感を与えることがない。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態の生体状態モニタリングシステム200について説明する。
上記の第1実施形態の生体状態モニタリングシステム100においては、呼吸数推定部34は、被験者Sの体動により呼吸波形に乱れが生じている体動期間等において、出力する被験者Sの呼吸数の推定値を、体動期間の直前に算出された推定値(第1推定値)に固定する。生体状態モニタリングシステム100は、こうすることにより、呼吸波形の乱れの影響で呼吸数の推定値の信頼性が低下することを防止している。
ここで、レム睡眠中の人間には、トゥイッチ(twitch)と呼ばれる筋肉の攣縮運動(ピクッとした動き)が生じることが知られている。トゥイッチも、体動の一種である。本発明の発明者は、トゥイッチが生体状態のモニタリングに与える影響を研究し、被験者にトゥイッチが生じても、トゥイッチにより呼吸波形に大きな乱れが生じることはないとの知見を得た。これは、持続時間(継続時間)の短い体動であるトゥイッチの影響が、呼吸波形を取得するための計算処理やフィルタリング処理において除去又は軽減されるためであると考えられる。一方で、本発明の発明者の知見によれば、体動がトゥイッチである場合でも、体動判定部は体動が生じたとの判定を行う。
第2実施形態の生体状態モニタリングシステム200は、本発明の発明者の上記知見に基づくものであり、体動判定部が被験者に体動が生じたと判定した場合であっても、当該体動がトゥイッチである場合には、第1実施形態の生体状態モニタリングシステム100の呼吸数推定部34が行う推定値の固定を行わないように構成されている。これにより、第2実施形態の生体状態モニタリングシステムは、被験者の呼吸数の推定値をより一層高い信頼性をもって出力することができる。
第2実施形態の生体状態モニタリングシステム200(図9)は、被験者の体動がトゥイッチであるか否かを判定するトゥイッチ判定部35を備える点を除いては、第1実施形態の生体状態モニタリングシステム100と同一の構成を有する。第1、第2実施形態の生体状態モニタリングシステム100、200において共通する構成については説明を省略する。トゥイッチ判定部35の動作については後述する。
生体状態モニタリングシステム200を使用した被験者の呼吸数の推定は、図10のフローチャートに示す通り、被験者Sの荷重を検出する荷重検出工程S21、検出した荷重の変動の程度を示す標準偏差を算出する標準偏差算出工程S22、検出した荷重に基づいて被験者の呼吸波形を描画する呼吸波形描画工程S23、標準偏差算出工程S22で求めた標準偏差及び呼吸波形描画工程S23で描いた呼吸波形の振幅を用いて被験者の体動判定を行う体動判定工程S24、被験者Sの体動がトゥイッチであるか否かを判定するトゥイッチ判定工程S25、呼吸波形描画工程S23で描いた呼吸波形に基づいて被験者の呼吸数を推定して出力する呼吸数推定工程S26、及び出力された呼吸数を表示する表示工程S27を含む。
荷重検出工程S21、標準偏差算出工程S22、呼吸波形描画工程S23、体動判定工程S24、表示工程S27は、それぞれ、第1実施形態の生体状態モニタリングシステム100が実行する荷重検出工程S11、標準偏差算出工程S12、呼吸波形描画工程S13、体動判定工程S14、表示工程S16と実質的に同一であるため説明を省略する。
[トゥイッチ判定工程、呼吸数推定工程]
トゥイッチ判定工程S25においては、トゥイッチ判定部35が、体動判定部33の判定結果に基づいて、被験者Sに生じている体動がトゥイッチであるか否かを判定する。判定は、具体的には次の方法により行われる。
トゥイッチ判定部35は、体動判定部33から体動判定の結果を受け取り、判定結果が体動無しから体動有りに変化した時点で、時間計測を開始する。そして、体動判定部33の判定結果が体動無しから体動有りに変化した時点の後、判定結果が再び体動無しに戻るまでの長さ(持続時間)を計測により求め、求めた持続時間を所定の閾値Dthと比較する。
比較の結果、ある体動の持続時間が閾値Dthよりも短い場合には、当該体動は、持続時間の短いトゥイッチであると判定する。一方で、ある体動の持続時間が閾値Dthよりも長い場合には、当該体動は持続時間の長い体動であり、トゥイッチではないと判定する。
判定に用いる閾値Dthは、トゥイッチの一般的な持続時間に基づいて適宜決定し得る。また、トゥイッチの影響によりベッド等に生じる振動が収束するまでの時間も考慮して閾値Dthの決定を行っても良く、システムを実装する上でのその他の要因を考慮して閾値Dthの決定を行っても良い。閾値Dthは、具体的には例えば、0.5秒〜6秒程度とし得る。
本明細書及び本発明においては、持続時間が所定時間よりも短い体動、換言すれば、その発生が体動判定に影響を及ぼす期間が所定期間(一例として0.5秒〜6秒)よりも短い体動をトゥイッチとみなす。
呼吸数推定工程S26においては、呼吸数推定部34が、呼吸波形描画部32が描画する呼吸波形BW、体動判定部33の判定結果、及びトゥイッチ判定部35の判定結果に基づいて、被験者Sの呼吸数の推定値を算出し、出力する。
呼吸数推定部34は、呼吸波形描画部32から呼吸波形BW、体動判定部33から体動判定の結果を受け取り、これらを所定時間Xだけ遅延させて用いる。このような遅延を行う理由は後述する。
図11のフローチャートに示す通り、呼吸数推定部34は、まず、体動判定部33の判定結果に基づいて、被験者Sに体動が生じているか否かを判定する(図11。S261)。そして、被験者Sに体動が生じていない場合(S261:No)は、式2、式3を用いて逐次新たに算出する推定値Rを、推定した呼吸数として順次表示部5に出力する(図11。S263)。
呼吸数推定部34は、被験者Sに体動が生じている場合(S261:Yes)には、第1実施形態の呼吸数推定工程S15とは異なり、次の処理を行う。
呼吸数推定部34は、体動判定部33の判定結果が体動無しから体動有りに変化した時点で、まず、トゥイッチ判定部35の判定結果に基づいて、当該体動がトゥイッチであるか否かを判定する(図11。S262)。
そして、当該体動がトゥイッチではない場合(S262:No)には、第1実施形態の呼吸数推定工程S15において被験者Sに体動が生じた場合と同様に、式2、式3を用いて逐次算出する呼吸数の推定値Rに代えて、安静期間から体動期間に変移する直前に算出した推定値(第1推定値)Rを、推定した呼吸数として表示部5に出力する(図11。S264)。続いて、体動期間から安静期間に移行した後の処理も、第1実施形態の呼吸数推定工程S15と同様である。
一方、当該体動がトゥイッチである場合(S262:Yes)には、呼吸数推定部34は、安静期間と同様に、式2、式3を用いて新たに算出される推定値Rを、推定した呼吸数として逐次表示部5に出力する(図11。S263)。すなわち、呼吸数推定部34は、体動判定部33が被験者Sに体動が生じていると判定した場合であっても、トゥイッチ判定部35により当該体動がトゥイッチであると判定された場合には、当該体動が生じている期間を体動期間とはみなさず、安静期間と同様の処理を行うように構成されている。
なお、呼吸数推定部34は、上記の通り、呼吸波形描画部32から受け取った呼吸波形BW、及び体動判定部33から受け取った体動判定の結果を、所定時間Xだけ遅延させて用いている。したがって、所定時間Xを閾値Dthよりも大きな値とすれば、呼吸数推定部34における処理上で体動判定部33の判定結果が体動無しから体動有りに変化する時点においては、トゥイッチ判定部35は、既に、当該体動がトゥイッチであるか否かの判定を完了していることになる。したがって、呼吸数推定部34は、上記の通り、体動判定部33の判定結果が体動無しから体動有りに変化した時点で、当該体動がトゥイッチであるか否かを判定(確認)することができる。
この工程の具体例を、図12(a)、図12(b)を用いて説明する。なお、図12(a)の下側のグラフ、及び図12(b)において、縦軸の「1」は体動有りを、「0」は体動無しを意味する。
図12(b)に示すように、体動判定部33が、時刻T13に、被験者Sに体動が生じたと判定した場合、トゥイッチ判定部35は、当該時点から、体動判定部33の判定結果が再び体動無しに戻る時刻T14までの持続時間(継続時間)を計測し、求めた持続時間を閾値Dthと比較する。ここでは、閾値Dthが3秒、時刻T13から時刻T14までの持続時間が2秒であり、トゥイッチ判定部35は、時刻T13から時刻T14の間に生じた体動は、トゥイッチであると判定したものとする。
その後、図12(a)の下側のグラフに示すように、時刻T13から所定時間X(呼吸数推定部34におけるデータ遅延時間。一例として約5秒)だけ経過した後の時刻T13+Xに、呼吸数推定部34は、被験者Sに体動が生じたとの体動判定部33の判定結果に基づき、トゥイッチ判定部35の判定結果を参照して、その後の処理内容を決定する。
ここでは、トゥイッチ判定部35は、時刻T13から時刻T14の間に生じた体動はトゥイッチであると判定しているため、呼吸数推定部34は、時刻T13+Xの後も、式2、式3を用いて新たに算出される推定値Rを、推定した呼吸数として逐次表示部5に出力する。推定値は、時刻T13頃の被験者Sの状態を表わす値であるが、所定時間Xだけ遅延して時刻T13+X以降に出力される。
なお、図12(a)の上側のグラフに示すように、被験者Sにトゥイッチが生じている期間においても、被験者Sの呼吸波形に大きな乱れは生じない。そのため、推定用サンプリング期間にトゥイッチが生じている期間が含まれている場合であっても、式2、式3を用いて新たに算出される推定値Rの信頼性は高い。
次いで、体動判定部33が、時刻T15に、被験者Sに体動が生じたと判定した場合、トゥイッチ判定部35は、再度、当該時点から時間計測を開始する。そして、トゥイッチ判定部35は、体動判定部33の判定結果が体動有りである期間が閾値Dth(ここでは3秒)を越えた時点で、当該体動はトゥイッチではないと判定する。ここでは、時刻T15+Xよりも前に、体動判定部33が、時刻T15から継続して生じている体動はトゥイッチではないと判定したものとする。
その後、時刻T15から所定時間Xだけ経過した後の時刻T15+Xに、呼吸数推定部34は、被験者Sに体動が生じたとの体動判定部33の判定結果に基づき、トゥイッチ判定部35の判定結果を再度参照して、その後の処理内容を決定する。
ここでは、トゥイッチ判定部35は、時刻T15から継続して生じている体動はトゥイッチではないと判定しているため、呼吸数推定部34は、時刻T15+Xの後は、時刻T15+Xの直前に算出した推定値Rを推定した呼吸数として表示部5に出力する。推定値は、時刻T15以降の被験者Sの状態を表わす値であるが、所定時間Xだけ遅延して、時刻T15+X以降に出力される。
第2実施形態の生体状態モニタリングシステム200は、第1実施形態の生体状態モニタリングシステム100が奏する効果に加えて、次の効果を奏する。
第2実施形態の生体状態モニタリングシステム200はトゥイッチ判定部35を備え、被験者Sに体動が生じている場合であっても、当該体動が呼吸数の推定値の算出への影響が小さいトゥイッチである場合には、呼吸数推定部34に、新たに算出される推定値Rの出力を続けさせる。このように、第2実施形態の生体状態モニタリングシステム200は、体動がトゥイッチであるか否かを判定することにより、過去の安静期間に算出した推定値を代替的に出力する期間を必要最小限とすることができる。そのため、被験者の呼吸数の推定値をより一層高い信頼性をもって出力することができる。
なお、上記の第2実施形態の生体状態モニタリングシステム200の呼吸数推定部34は、呼吸波形描画部32から受け取った呼吸波形BW、及び体動判定部33から受け取った体動判定の結果を、所定時間Xだけ遅延させて処理を行っていたが、これには限られない。例えば、システムにおける処理内容によっては、呼吸波形BWの描画が、体動判定部33における体動判定よりも、所定時間だけ遅れる場合もある。この場合は、呼吸数推定部34において改めて遅延を行わなくても、トゥイッチ判定部35における判定を、呼吸数推定部34における処理よりも前に完了することが出来る。
[変形例]
上記実施形態の生体状態モニタリングシステム100、200において、次の変形態様を採用することもできる。
上記実施形態の生体状態モニタリングシステム100、200の呼吸数推定部34は、被験者Sに体動が生じたと判定された後、体動期間内のみ、出力する呼吸数の推定値を、体動期間の直前に算出された推定値Rに維持するように構成されていてもよい。体動期間は、被験者Sに体動が生じている限り継続し得るため長期にわたり得る。一方で、体動終了後の所定期間は、長くても推定用サンプリング期間程度であり、上記第1、第2実施形態では25秒程度である。したがって、この変形例のように、呼吸数推定部34が出力する推定値の調整を体動期間においてのみ行う構成としても、被験者Sの体動の影響を相当程度抑制して、被験者の呼吸数の推定値を高い信頼性をもって出力することができる。
上記実施形態の生体状態モニタリングシステム100、200は、被験者Sに体動が生じたと判定された後、体動期間、及び/又は体動期間直後の安静期間初期の所定期間において、被験者Sの呼吸数の推定値の出力を停止してもよい。この場合、生体状態モニタリングシステム100、200の使用者は、例えば最後に出力された呼吸数の推定値(即ち、体動期間の直前に算出された推定値R)を記憶することにより、被験者の現在の呼吸数の推定値を推測できる。この変形例の構成によっても、被験者Sの体動の影響を抑制して、被験者の呼吸数の推定値を高い信頼性をもって出力することができる。
上記実施形態の生体状態モニタリングシステム100、200において、呼吸数推定部34は、呼吸波形BWを用いずに被験者Sの呼吸数を推定してもよい。
具体的には例えば、所定のサンプリング期間に対応する荷重信号s〜sの少なくとも一つについてフーリエ解析を行い、呼吸に相当する周波数帯域(人間の呼吸は1分間に約12〜20回程度行われるため、約0.2Hz〜約0.33Hzである)に現れるピーク周波数を特定することにより行う。特定したピーク周波数より、その期間における被験者Sの呼吸数を算出(推定)できる。
この場合も、サンプリング期間に体動期間が含まれる場合には、体動に起因する荷重信号s〜sの変動により、算出される被験者Sの呼吸数(推定値)の信頼性が低下し得る。したがって、上記実施形態の呼吸数推定部34と同様の方法により出力する値を調整することで、呼吸数の推定値の信頼性を高めることができる。
上記実施形態の生体状態モニタリングシステム100、200において、体動判定部33は、標準偏差σ〜σを呼吸波形BWの平均振幅AAVnで除することにより標準偏差σ〜σの規格化を行い、被験者Sの体格や呼吸の深さが標準偏差σ〜σの値に及ぼす影響を軽減(補償、補正)していたが、呼吸波形BWの振幅を用いた補償(補正)の方法はこれには限られない。具体的には例えば、呼吸波形BWの最新の振幅Aで除することにより標準偏差σ〜σの規格化を行ってもよい。
なお、呼吸波形BWの振幅を用いて標準偏差σ〜σを補償した後に、補償後の値を閾値と比較する代わりに、呼吸波形BWの振幅を用いて閾値を補償し、標準偏差σ〜σと補償後の閾値とを比較することもできる。具体的には例えば、上記実施形態においては、標準偏差σ〜σを平均振幅AAVnで除する代わりに、所定の閾値にAAVnを乗じることにより、所望の補償(補正)を行うことが出来る。このように、両者は実質的に等価であり、比較に用いる標準偏差と閾値のいずれの値を呼吸波形の振幅により補償(補正)するかは適宜選択し得る。本明細書及び本発明においては、「標準偏差を呼吸波形の振幅により補償する」との文言は、閾値を呼吸波形の振幅により補償することも含むものとする。
上記実施形態の生体状態モニタリングシステム100、200において、体動判定部33は、規格化標準偏差σs〜σsの単純平均値σsAVを閾値σsTHと比較して体動判定を行っていたが、規格化標準偏差σs〜σsの少なくとも1つと閾値との比較、規格化標準偏差σs〜σsの少なくとも2つ以上の単純平均値と閾値との比較、規格化標準偏差σs〜σsの少なくとも2つ以上の合計値と閾値との比較等により体動判定を行うこともできる。
また、上記実施形態の生体状態モニタリングシステム100、200において、体動判定部33は、標準偏差に代えて、標準偏差の二乗である分散を用いることもできる。分散を呼吸波形の振幅で規格化する場合には、分散を呼吸波形の振幅の二乗で除してもよい。したがって本明細書及び本発明において、標準偏差は分散も含むものとする。
体動判定部33は、体動判定に用いる閾値にヒステリシスを持たせても良い。具体的には例えば、第1の閾値と、これよりも大きい第2の閾値を設定しておき、被験者Sに体動が生じていないと判定されている状況下においては、単純平均値σsAVが第2の閾値以上となるまで、被験者Sに体動が生じたと判定しない。一方で、被験者Sに体動が生じていると判定されている状況下においては、単純平均値σsAVが第2の閾値未満となっても被験者Sに体動が生じていないとは判定せず、単純平均値σsAVが第1の閾値未満となった時点で、被験者Sに体動が生じていないと判定する。
上記実施形態の生体状態モニタリングシステム100、200において、体動判定部33は、規格化標準偏差σs〜σsを求めることなく、所定の閾値と、標準偏差σ〜σの少なくとも1つ、又は標準偏差σ〜σの少なくとも2つ以上の合計値若しくは単純平均値との比較に基づいて、被験者Sの体動の有無を判定しても良い。
上記実施形態の生体状態モニタリングシステム100、200において、体動判定部33は、標準偏差σ〜σを用いることなく、被験者Sの体動の有無を判定することもできる。具体的には例えば、被験者Sの重心Gの移動に基づいて、被験者Sの体動の有無を判定する。
前述の通り、被験者Sの重心Gは、被験者Sの呼吸に応じて、被験者Sの体軸SAの方向に振動している(図5(a))。また、被験者Sの重心Gは、被験者Sに小さな体動や大きな体動が生じた場合には、これに応じて移動する。そして、所定期間における重心Gの移動距離は、被験者Sが呼吸のみを行っている期間、被験者Sが小さな体動を行っている期間、被験者Sが大きな体動を行っている期間の順に大きくなる。
従って体動判定部33は、所定期間における重心Gの移動距離を、所定の閾値と比較することにより、被験者Sに体動が生じているか否かを判定することができる。具体的には例えば、所定期間における重心Gの移動距離dが、所定の閾値dthよりも大きい場合に、被験者Sに小さな体動が生じていると判定し得る。
上記実施形態の生体状態モニタリングシステム100、200は、必ずしも荷重検出器11〜14の全てを備える必要はなく、このいずれか一つを備えるのみでもよい。例えば荷重検出器が3つの場合には、これを一直線に配置しなければ、ベッドBD面上での被験者Sの重心位置Gを検出できる。また、荷重検出器は、必ずしもベッドの四隅に配置される必要はなく、ベッド上の被験者の荷重及びその変動を検出しうるように、任意の位置に配置し得る。また、荷重検出器11〜14は、ビーム形ロードセルを用いた荷重センサに限られず、例えばフォースセンサを使用することもできる。
上記実施形態の生体状態モニタリングシステム100、200においては、荷重検出器11〜14の各々は、ベッドBDの脚の下端に取り付けられたキャスターCの下に配置されていたがこれには限られない。荷重検出器11〜14の各々は、ベッドBDの4本の脚とベッドBDの床板との間に設けられてもよいし、ベッドBDの4本の脚が上下に分割可能であれば、上部脚と下部脚との間に設けられても良い。また、荷重検出器11〜14をベッドBDと一体に又は着脱可能に組み合わせて、ベッドBDと第1、第2実施形態の生体状態モニタリングシステム100、200とからなるベッドシステムBDSを構成してもよい(図13)。
上記実施形態の生体状態モニタリングシステム100、200において、荷重検出部1とA/D変換部2との間に、荷重検出部1からの荷重信号を増幅する信号増幅部や、荷重信号からノイズを取り除くフィルタリング部を設けても良い。
上記実施形態の生体状態モニタリングシステム100、200において、表示部5は、モニターに代えて、又はこれに加えて、生体状態(呼吸数、体動の有無等)を表わす情報を印字して出力するプリンタや、生体状態(呼吸数、体動の有無等)を表示するランプ等の簡易な視覚表示手段を備えてもよい。報知部6はスピーカーに代えて、又はこれに加えて、振動により報知を行う振動発生部を備えてもよい。
本発明の特徴を維持する限り、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で考えられるその他の形態についても、本発明の範囲内に含まれる。
本発明の生体状態モニタリングシステムによれば、被験者の体動の影響を抑制して、被験者の呼吸数を高い精度で推定することができる。したがって、本発明の生体状態モニタリングシステムを用いれば、高精度な呼吸数の推定に基づく、質の高い医療、介護を提供することができる。
1 荷重検出部、11,12,13,14 荷重検出器、2 A/D変換部、3 制御部、31 標準偏差算出部、32 呼吸波形描画部、33 体動判定部、34 呼吸数推定部、35 トゥイッチ判定部、4 記憶部、5 表示部、6 報知部、7 入力部、100 生体状態モニタリングシステム、BD ベッド、BDS ベッドシステム、S 被験者

Claims (5)

  1. ベッド上の被験者の生体状態をモニタする生体状態モニタリングシステムであって、
    前記ベッド上の被験者の荷重を検出する少なくとも1つの荷重検出器と、
    前記荷重検出器の検出値の時間的変動に基づいて、被験者に体動が生じているか否かを判定する体動判定部と、
    前記荷重検出器の検出値の時間的変動に基づいて、被験者の呼吸数の推定値を逐次求めて出力する呼吸数推定部と、
    被験者の体動の持続時間に基づいて、該体動がトゥイッチであるか否かを判定するトゥイッチ判定部とを備え、
    前記トゥイッチ判定部が前記体動がトゥイッチではないと判定した場合には、前記呼吸数推定部は、前記呼吸数の推定値の出力を停止し、又は前記体動の直前の、前記体動判定部が被験者に体動が生じていないと判定した期間において最後に求めた第1推定値を出力し、前記トゥイッチ判定部が前記体動がトゥイッチであると判定した場合には、前記呼吸数推定部は、新たに求める呼吸数の推定値を順次出力する生体状態モニタリングシステム。
  2. 前記トゥイッチ判定部が前記体動がトゥイッチではないと判定した場合には、前記呼吸数推定部は第1推定値を出力する請求項1に記載の生体状態モニタリングシステム。
  3. 前記トゥイッチ判定部は、前記体動判定部の判定結果が体動有りである期間の長さと所定の閾値との比較に基づいて、被験者の体動がトゥイッチであるか否かを判定する請求項1又は2に記載の生体状態モニタリングシステム。
  4. 更に、前記呼吸数推定部が出力した前記被験者の呼吸数の推定値を表示する表示部を備える請求項1〜3のいずれか一項に記載の生体状態モニタリングシステム。
  5. ベッドと、
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の生体状態モニタリングシステムとを備えるベッドシステム。
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