JP6601950B2 - 膜厚検査装置、膜厚検査方法、膜構造体の製造装置、および膜構造体の製造方法 - Google Patents

膜厚検査装置、膜厚検査方法、膜構造体の製造装置、および膜構造体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、膜厚検査装置、膜厚検査方法、膜構造体の製造装置、および膜構造体の製造方法に関する。
固体高分子型燃料電池用の導電性セパレータとして、金属製の基材にダイヤモンドライクカーボン(以下、「DLC」と称する)薄膜をコーティングしたものが知られている。DLC薄膜は、スパッタリング等の成膜技術を利用して、たとえば、ステンレス製の基材の表面に薄く形成される。
これに関連して、下記の特許文献1には、カーボン薄膜の膜厚とカーボン薄膜の明度(L*a*b*表色系のL*値)との相関を予め求めておき、分光測色計によりカーボン薄膜のL*値を測定して、カーボン薄膜の膜厚を評価する技術が開示されている。この技術によれば、カーボン薄膜のL*値を測定するだけで膜厚を評価できるため、DLC薄膜等のカーボン薄膜の品質管理を短時間かつ低コストで行うことが可能になる。
特開2012−132876号公報
しかしながら、カーボン薄膜の膜厚とカーボン薄膜のL*値とは、カーボン薄膜の膜厚が30nm以下の領域では相関を示さない。このため、上記の技術では、20nm程度の膜厚に形成されたカーボン薄膜を正しく評価できないという問題がある。
本発明は、上述した問題を解決するためになされたものである。したがって、本発明の目的は、20nm程度の膜厚のカーボン薄膜を正しく評価できる膜厚検査装置および膜厚検査方法を提供することである。
また、本発明の他の目的は、20nm程度の膜厚のカーボン薄膜を有する膜構造体を精度よく製造できる膜構造体の製造装置および膜構造体の製造方法を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
本発明の膜厚検査装置および膜厚検査方法は、基材上に形成されたカーボン薄膜のa*値およびb*値を測定する。そして、本発明の膜厚検査装置および膜厚検査方法は、カーボン薄膜のa*値b*値との積に基づいて、カーボン薄膜の膜厚を評価する。
本発明の膜構造体の製造装置および膜構造体の製造方法は、基材上にカーボン薄膜を形成し、基材上に形成されたカーボン薄膜のa*値およびb*値を測定する。そして、本発明の膜構造体の製造装置および膜構造体の製造方法は、カーボン薄膜のa*値とb*値との積に基づいて、カーボン薄膜の膜厚を評価する
本発明の膜厚検査装置および膜厚検査方法によれば、カーボン薄膜のa*値およびb*値の少なくとも一方を用いて膜厚が評価されるため、20nm程度の膜厚のカーボン薄膜を正しく評価することができる。
また、本発明の膜構造体の製造装置および膜構造体の製造方法によれば、20nm程度の膜厚のカーボン薄膜を正しく評価できるため、20nm程度の膜厚のカーボン薄膜を有する膜構造体を精度よく製造することができる。
本発明の第1の実施形態に係る膜構造体の製造装置の概略構成を示すブロック図である。 膜構造体の製造装置における真空チャンバの平面断面図である。 膜構造体の一例を示す図である。 膜構造体の製造工程を示すフローチャートである。 DLC薄膜の膜厚とL*値およびb*値との関係を示す図である。 DLC薄膜の膜厚とa*値およびb*値との関係を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る膜構造体の製造工程を示すフローチャートである。 DLC薄膜の膜厚とL*値、a*値、およびb*値の関係を示す図である。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図中、同様の部材には同一の符号を用いた。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張される場合があり、実際の比率とは異なる場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る膜構造体の製造装置10の概略構成を示すブロック図であり、図2は、製造装置10における真空チャンバ130の平面断面図である。
図1および図2に示すとおり、本実施形態に係る膜構造体の製造装置10は、成膜処理部100および検査処理部200を備える。以下、成膜処理部100および検査処理部200について順番に説明する。
<成膜処理部>
図1に示すとおり、成膜処理部100は、PVD装置110および制御装置120を備える。図2に示すとおり、PVD装置110は、真空チャンバ130に設けられている。
PVD装置110は、基材310上にDLC薄膜を形成する。PVD装置110は、成膜部として、基材310の表面にDLCを堆積させて、DLC薄膜を形成する。図2に示すとおり、本実施形態の製造装置10では、2台のPVD装置110が、真空チャンバ130の両側に互いに対向して設けられており、真空チャンバ130内を搬送される基材310の両面にDLC薄膜を形成する。
制御装置120は、PVD装置110を制御する。制御装置120は、制御部として、PVD装置110を制御して、DLC薄膜の成膜条件(成膜時間、印加電圧、アルゴンガス量等)を変更する。
真空チャンバ130は、基材310の処理空間を提供する。真空チャンバ130は、搬入エリア131、成膜エリア132、検査エリア133、および搬出エリア134を備える。搬入エリア131に搬入された基材310は、搬送装置(不図示)により成膜エリア132に搬送され、PVD装置110によりDLC薄膜が形成される。基材310上にDLC薄膜を形成して得られた膜構造体300は、検査エリア133に搬送され、検査処理部200により検査される。検査処理部200により検査された膜構造体300は、搬出エリア134に搬送されて保管される。
<検査処理部>
図1に示すとおり、検査処理部200は、照明装置210、色彩輝度計220、および演算装置230を備える。図2に示すとおり、照明装置210および色彩輝度計220は、真空チャンバ130に設けられている。
照明装置210は、基材310上に形成されたDLC薄膜に光を照射する。照明装置210は、照明部として、基材310上に形成されたDLC薄膜の検査領域に所定の傾斜角度で光を照射する。図2に示すとおり、本実施形態の製造装置10では、2台の照明装置210が、真空チャンバ130の両側に互いに対向して設けられており、真空チャンバ130に設けられた窓部135を介して、膜構造体300の両面に光を照射する。照明装置210は、たとえば、ハロゲンランプである。
色彩輝度計220は、DLC薄膜のL*a*b*値を測定する。色彩輝度計220は、測定部として、照明装置210により光が照射されているDLC薄膜の検査領域のL*a*b*値を測定する。色彩輝度計220は、たとえば、分光測色計であり、照明装置210により照射され膜構造体300で正反射される光の光路上に配置される。図2に示すとおり、本実施形態の製造装置10では、2台の色彩輝度計220が、真空チャンバ130の両側に互いに対向して設けられており、真空チャンバ130に設けられた窓部136を介して、膜構造体300の両面のL*a*b*値を測定する。
演算装置230は、DLC薄膜の膜厚を評価する。演算装置230は、評価部として、DLC薄膜のa*値およびb*値に基づいて、DLC薄膜の膜厚を評価する。演算装置230は、PVD装置110の制御装置120に電気的に接続されており、DLC薄膜の膜厚の評価結果を制御装置120にフィードバックする。演算装置230は、たとえば、コンピュータである。
以上のとおり構成される膜構造体の製造装置10は、基材310上にDLC薄膜を形成し、形成したDLC薄膜の膜厚を評価して、膜構造体300を製造する。以下、図3〜図6を参照して、膜構造体の製造装置10の動作について説明する。
まず、図3を参照して、製造装置10が製造する膜構造体300について説明する。図3は、膜構造体300の一例を示す断面図である。
図3に示すとおり、膜構造体300は、基材310と、基材310上に形成されたDLC薄膜320とを有する。基材310は、ステンレス製の金属基材311と、金属基材311上に形成されたCr薄膜312とから構成され、Cr薄膜312上にDLC薄膜320が形成される。本実施形態では、DLC薄膜320は、機能面およびコスト面の両方から、20nm程度の膜厚に形成される。
以上のような膜構造体300が製造装置10により製造される。本実施形態の製造装置10は、真空チャンバ130に搬入された複数の基材310に対して、DLC薄膜320を形成する成膜処理と、DLC薄膜320の膜厚を評価する検査処理とを順次に行って、複数の膜構造体300を連続的に製造する。
図4は、製造装置10による膜構造体300の製造工程を示すフローチャートである。
まず、製造装置10は、基材310上にDLC薄膜320を形成する(ステップS101)。より具体的には、製造装置10のPVD装置110が、所定の成膜条件にしたがって、基材310上にDLCを堆積させることにより、DLC薄膜320を形成する。
次に、製造装置10は、DLC薄膜320のL*a*b*値を測定する(ステップS102)。より具体的には、製造装置10の色彩輝度計220が、ステップS101に示す処理で形成されたDLC薄膜320のL*a*b*値を測定する。本実施形態では、照明装置210が膜構造体300の検査領域に光を照射した状態で、膜構造体300で正反射された光の光路上にある色彩輝度計220が、検査領域のL*a*b*値を測定する。
次に、製造装置10は、a*値とb*値の積を算出する(ステップS103)。より具体的には、製造装置10の演算装置230が、ステップS102に示す処理で測定されたDLC薄膜のL*a*b*値のうち、a*値とb*値との積を算出する。
次に、製造装置10は、a*値とb*値の積が変化しているか否かを判断する(ステップS104)。より具体的には、製造装置10の演算装置230が、ステップS103に示す処理で算出されたa*値とb*値の積が、所定の基準値から所定量以上乖離しているか否かを判断する。ここで、所定の基準値は、膜厚が目標値(たとえば、20nm)に形成されているDLC薄膜のa*値とb*値の積であり、窓部135,136の汚染状況等に応じて適宜補正される。また、所定量は、DLC薄膜320の成膜条件を変更する処理を開始するトリガとなる量であり、DLC薄膜320の膜厚の許容範囲に相当する量よりも小さく設定される。
a*値とb*値の積が変化していないと判断する場合(ステップS104:NO)、製造装置10は、DLC薄膜320が良好であると判断する(ステップS105)。より具体的には、製造装置10の演算装置230が、DLC薄膜320の膜厚が目標値の近傍にあるとして、DLC薄膜320の膜厚が良好であると判断する。
一方、a*値とb*値の積が変化していると判断する場合(ステップS104:YES)、製造装置10は、DLC薄膜320の膜厚の増減量を算出する(ステップS106)。より具体的には、製造装置10の演算装置230が、ステップS103に示す処理で算出されたa*値とb*値の積に基づいて、DLC薄膜320の膜厚の目標値からの増減量を算出する。
そして、製造装置10は、DLC薄膜320の成膜条件を変更する(ステップS107)。より具体的には、製造装置10の演算装置230が、まず、ステップS106に示す処理で算出された膜厚の増減量を、PVD装置110の制御装置120にフィードバックする。そして、PVD装置110により次の基材310上に形成されるDLC薄膜320の膜厚が目標値に近づくように、PVD装置110の制御装置120が、PVD装置110を制御して、DLC薄膜320の成膜条件(たとえば、成膜時間)を変更する。
次に、製造装置10は、すべての膜構造体300の製造が完了したか否かを判断する(ステップS108)。より具体的には、製造装置10の演算装置230が、真空チャンバ130の搬入エリア131に搬入されたすべての基材310に対して、成膜処理および検査処理が終了したか否かを判断する。
すべての膜構造体300の製造が完了していないと判断する場合(ステップS108:NO)、製造装置10は、ステップS101の処理に戻る。その結果、すべての膜構造体300の製造が完了するまで、ステップS101〜S108の処理が繰り返される。
一方、すべての膜構造体300の製造が完了したと判断する場合(ステップS108:YES)、製造装置10は、処理を終了する。そして、真空チャンバ130の搬出エリア134に蓄積された膜構造体300が、真空チャンバ130から搬出される。
以上のとおり、図4に示すフローチャートの処理によれば、まず、基材310上にDLC薄膜320が形成される。続いて、DLC薄膜320のa*値およびb*値が測定され、a*値およびb*値に基づいて、DLC薄膜320の膜厚が評価される。そして、必要に応じて、後続する基材310に対するDLC薄膜320の成膜条件が変更される。
より具体的には、DLC薄膜320の形成後、DLC薄膜320のa*値およびb*値が測定され、DLC薄膜320のa*値とb*値の積が算出される。そして、a*値とb*値の積が、所定の基準値と比較され、a*値とb*値の積が基準値から所定量以上乖離している場合、膜厚の増減量が算出される。そして、後続する基材310上に形成されるDLC薄膜320の膜厚が目標値に近づくように、成膜条件が変更される。このような構成によれば、製造装置10内を搬送される基材310に形成されるDLC薄膜320の膜厚が目標値の近傍に維持され、不良品の発生が防止される。
以下、図5および図6を参照して、DLC薄膜320のa*値およびb*値に基づいてDLC薄膜320の膜厚を評価する検査処理について詳細に説明する。
図5は、DLC薄膜の膜厚とL*値およびb*値との関係を示す図であり、図6は、DLC薄膜の膜厚とa*値およびb*値との関係を示す図である。図5の縦軸はL*値であり、横軸はb*値である。図6の縦軸はb*値であり、横軸はa*値である。図5および図6では、膜厚が、0nm、10nm、20nm、50nm、および80nmのDLC薄膜について、L*a*b*値が測定されている。
図5に示すとおり、DLC薄膜のL*値は、膜厚が80nm、50nm、および20nmと減少するに連れて増加している。しかしながら、DLC薄膜のL*値は、膜厚が20nm以下では略一定の値を示す。したがって、膜厚が少なくとも20nm以下(より具体的には、30nm以下)の領域では、膜厚とL*値とは相関を示さないため、DLC薄膜のL*値に基づいて、20nm程度の膜厚を評価することはできない。
一方、図6に示すとおり、DLC薄膜のa値およびb*値は、膜厚が80nm、50nm、20nm、10nm、および0nmと減少するに連れて減少している。したがって、膜厚が20nm以下の領域であっても、膜厚とa*値およびb*値とは相関を示すため、DLC薄膜のa*値およびb*値の少なくとも一方に基づいて、20nm程度の膜厚を評価することができる。
以上のとおり、本実施形態に係る膜構造体の製造装置10によれば、DLC薄膜のa*値およびb*値を用いて膜厚が評価されるため、20nm程度の膜厚のDLC薄膜320を正しく評価することができる。このため、20nm程度の膜厚のDLC薄膜320を有する膜構造体300を精度よく製造することができる。
さらに、本実施形態の製造装置10によれば、色彩輝度計220を用いて膜厚が評価されるため、XRD(X線回折装置)やTEM(透過型電子顕微鏡)と比較して、短時間かつ低コストで膜厚を評価することができる。その結果、量産ラインにおいて、膜構造体300の全数検査が可能になる。
さらに、本実施形態の製造装置10によれば、DLC薄膜の膜厚の評価結果がフィードバックされ、DLC薄膜の膜厚が目標値に近づくように成膜条件が変更されるため、膜構造体300の品質を安定的に確保することができる。
なお、目標値に対してDLC薄膜の膜厚が薄過ぎれば、耐腐食性が悪化するのみならず、DLC薄膜と基材間の接触抵抗も悪化してしまい好ましくない。一方、DLC薄膜の膜厚が厚過ぎれば、DLC薄膜が剥離し易くなるのみならず、成膜時に使用されるDLC材料(ターゲット)の消費量およびDLC薄膜の成膜時間が増大し、コストが増大してしまう。加えて、DLC材料の基材以外への付着量が増大し、真空チャンバ等の清掃頻度が増加するため、生産設備の稼働率が低下してしまい好ましくない。
以上のとおり、説明した本実施形態は、以下の効果を奏する。
(a)DLC薄膜のa*値およびb*値を用いて膜厚が評価されるため、機能性とコストを両立する20nm程度の膜厚のDLC薄膜を正しく評価することができる。また、20nm程度の膜厚のDLC薄膜を有する膜構造体を精度よく製造することができる。
(b)a*値およびb*値の両方に基づいて膜厚を評価するため、a*値およびb*値のいずれか一方のみに基づいて膜厚を評価する場合に比べ、DLC薄膜の膜厚をより正しく評価することができる。
(c)色彩輝度計が、照明装置により照射されDLC薄膜で正反射される光の光路上に配置されるため、色彩輝度計に入射する光のエネルギーが強くなる。その結果、L*a*b*値のS/N比が向上し、測定値が安定する。
(d)色彩輝度計および照明装置が、真空チャンバの外部に配置されるため、DLC薄膜の膜厚の評価結果を成膜条件に直ちに反映することができる。その結果、不良品の発生を最小限に抑制することができる。
(e)DLC薄膜の膜厚の評価結果に応じて成膜条件を変更するため、DLC薄膜の膜厚が規格外となることが防止され、不良品を発生させない管理が可能となる。
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、DLC薄膜のa*値およびb*値の両方に基づいて、DLC薄膜の膜厚が評価された。しかしながら、DLC薄膜のa*値およびb*値のいずれか一方に基づいて、DLC薄膜の膜厚が評価されてもよい。
図7は、本発明の第2の実施形態に係る膜構造体の製造工程を示すフローチャートである。なお、b*値のみに基づいてDLC薄膜の膜厚が評価される点を除いては、本実施形態に係る製造装置10の構成自体は、第1の実施形態に係る製造装置10の構成と同様であるため、製造装置10についての詳細な説明は省略する。
ステップS201〜S202に示す処理は、図4のステップS101〜S102に示す処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
次に、製造装置10は、b*値が変化しているか否かを判断する(ステップS203)。より具体的には、製造装置10の演算装置230が、ステップS202に示す処理で測定されたDLC薄膜のL*a*b*値のうち、b*値が所定の基準値から所定量以上乖離しているか否かを判断する。ここで、所定の基準値は、膜厚が目標値に形成されているDLC薄膜のb*値であり、窓部135,136の汚染状況等に応じて適宜補正される。また、所定量は、DLC薄膜320の成膜条件を変更する処理を開始するトリガとなる量であり、DLC薄膜320の膜厚の許容範囲に相当する量よりも小さく設定される。
b*値が変化していないと判断する場合(ステップS203:NO)、製造装置10は、DLC薄膜320が良好であると判断する(ステップS204)。
一方、b*値が変化していると判断する場合(ステップS203:YES)、製造装置10は、DLC薄膜320の膜厚の増減量を算出する(ステップS205)。より具体的には、製造装置10の演算装置230が、DLC薄膜320のb*値に基づいて、DLC薄膜320の膜厚の目標値からの増減量を算出する。
ステップS206〜S207に示す処理は、図4のステップS107〜S108に示す処理と同様であるため、詳細な説明は省略する。
以上のとおり、図7に示すフローチャートの処理によれば、まず、基材310上にDLC薄膜320が形成される。続いて、DLC薄膜320のb*値が測定され、DLC薄膜320のb*値に基づいて、DLC薄膜320の膜厚が評価される。そして、必要に応じて、後続する基材310に対するDLC薄膜320の成膜条件が変更される。
図8は、DLC薄膜の膜厚とL*値、a*値、およびb*値の関係を示す図である。図8(a)は、DLC薄膜の膜厚とL*値との関係を示す図であり、図8(b)は、DLC薄膜の膜厚とa*値との関係を示す図である。図8(c)は、DLC薄膜の膜厚とb*値との関係を示す図である。図8(a)〜図8(c)の縦軸は、それぞれL*値、a*値、およびb*値であり、横軸は、DLC薄膜の膜厚である。
図8(a)に示すとおり、DLC薄膜のL*値は、膜厚が80nm、50nm、および20nmと減少するに連れて増加している。しかしながら、DLC薄膜のL*値は、膜厚が20nm以下では略一定の値を示す。したがって、上述したとおり、膜厚が20nm以下の領域では、DLC薄膜のL*値を測定しても、DLC薄膜320の膜厚を評価することはできない。
一方、図8(b)および図8(c)に示すとおり、DLC薄膜のa値およびb*値は、膜厚が80nm、50nm、20nm、10nm、および0nmと減少するに連れて減少している。そして、図8(b)と図8(c)を比較すれば、b*値の方がa*値よりも膜厚の変化に対する感度が高いことが分かる。したがって、膜厚が20nm以下の領域では、DLC薄膜のb*値を測定することにより、DLC薄膜320の膜厚を正しく、かつ、簡単に評価することができる。
以上のとおり、説明した本実施形態は、第1の実施形態における効果(a)〜(e)に加えて、以下の効果を奏する。
(f)DLC薄膜のb*値に基づいて膜厚を評価するため、a*値およびb*値の両方に基づいて膜厚を評価する場合に比べ、より簡単に膜厚を評価することができる。
以上のとおり、説明した第1および第2の実施形態において、本発明の膜厚検査装置、膜厚検査方法、膜構造体の製造装置、および膜構造体の製造方法を説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略することができることはいうまでもない。
たとえば、上述した第1および第2の実施形態では、DLC薄膜の膜厚が増加した場合および減少した場合の両方において、DLC薄膜の成膜条件が変更された。しかしながら、たとえば、DLC薄膜の膜厚が増加した場合には成膜条件を変更することなく、膜厚が減少した場合にのみ成膜条件が変更されてもよい。
また、上述した第1の実施形態では、DLC薄膜のa*値とb*値の積を算出して、DLC薄膜の膜厚が評価された。しかしながら、たとえば、a*値とb*値の加重平均値を算出して、DLC薄膜の膜厚が評価されてもよい。
また、上述した第1および第2の実施形態では、照明装置によりDLC薄膜に光を照射した状態で、色彩輝度計によりDLC薄膜のL*a*b*値が測定された。しかしながら、照明装置により光を照射することなく、色彩輝度計によりDLC薄膜のL*a*b*値が測定されてもよい。
また、上述した第1および第2の実施形態では、本発明の膜厚検査装置が、成膜用の真空チャンバに搭載される場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明の膜厚検査装置は、成膜用の真空チャンバに搭載されることなく、単独の膜厚検査装置として用いられてもよい。
また、上述した第1および第2の実施形態では、基材上にDLC薄膜を形成する場合を例に挙げて説明した。しかしながら、本発明は、DLC薄膜以外のカーボン薄膜にも適用可能である。
10 膜構造体の製造装置、
100 成膜処理部、
110 PVD装置(成膜部)、
120 制御装置(制御部)、
130 真空チャンバ、
135,136 窓部、
200 検査処理部、
210 照明装置(照明部)、
220 色彩輝度計(測定部)、
230 演算装置(評価部)、
300 膜構造体、
310 基材、
320 DLC薄膜(カーボン薄膜)。

Claims (12)

  1. 基材上に形成されたカーボン薄膜のa*値およびb*値を測定する測定部と、
    前記a*値とb*値との積に基づいて、前記カーボン薄膜の膜厚を評価する評価部と、
    を有する膜厚検査装置。
  2. 前記カーボン薄膜に光を照射する照明部をさらに有し、
    前記測定部は、前記照明部により照射され前記カーボン薄膜で正反射される前記光の光路上に配置され、前記a*値およびb*値を測定する、請求項1に記載の膜厚検査装置。
  3. 基材上にカーボン薄膜を形成する成膜部と、
    前記成膜部により形成された前記カーボン薄膜のa*およびb*値を測定する測定部と、
    前記a*値とb*値との積に基づいて、前記カーボン薄膜の膜厚を評価する評価部と、
    を有する膜構造体の製造装置。
  4. 前記カーボン薄膜に光を照射する照明部をさらに有し、
    前記測定部は、前記照明部により照射され前記カーボン薄膜で正反射される前記光の光路上に配置され、前記a*値およびb*値を測定する、請求項3に記載の膜構造体の製造装置。
  5. 前記成膜部は、チャンバ内に配置される基材上にカーボン薄膜を形成し、
    前記測定部および前記照明部は、前記チャンバの外部に配置され、
    前記照明部は、前記チャンバ内の基材上に形成されたカーボン薄膜に、前記チャンバに設けられた第1の窓部を介して光を照射し、前記測定部は、前記チャンバに設けられた第2の窓部を介して、前記a*値およびb*値を測定する、請求項4に記載の膜構造体の製造装置。
  6. 前記カーボン薄膜の膜厚が所定の範囲内に維持されるように、前記評価部による評価結果に基づいて、前記カーボン薄膜の形成条件を変更する制御部をさらに有する、請求項3〜5のいずれか1項に記載の膜構造体の製造装置。
  7. 基材上に形成されたカーボン薄膜のa*値およびb*値を測定する工程(a)と、
    前記a*値とb*値との積に基づいて、前記カーボン薄膜の膜厚を評価する工程(b)と、
    を有する膜厚検査方法。
  8. 前記工程(a)において、前記カーボン薄膜には、照明部により光が照射され、
    前記照明部により照射され前記カーボン薄膜で正反射される前記光の光路上に配置される測定部により、前記a*値およびb*値が測定される、請求項7に記載の膜厚検査方法。
  9. 基材上にカーボン薄膜を形成する工程(a)と、
    前記工程(a)において形成された前記カーボン薄膜のa*値およびb*値を測定する工程(b)と、
    前記a*値とb*値との積に基づいて、前記カーボン薄膜の膜厚を評価する工程(c)と、
    を有する膜構造体の製造方法。
  10. 前記工程(b)において、前記カーボン薄膜には、照明部により光が照射され、
    前記照明部により照射され前記カーボン薄膜で正反射される前記光の光路上に配置される測定部により、前記a*値およびb*値が測定される、請求項9に記載の膜構造体の製造方法。
  11. 前記工程(a)において、チャンバ内に配置される基材上にカーボン薄膜が形成され、
    前記工程(b)において、前記チャンバの外部に配置された前記照明部により、前記チャンバに設けられた第1の窓部を介して、前記チャンバ内の基材上に形成されたカーボン薄膜に光が照射され、前記チャンバの外部に配置された前記測定部により、前記チャンバに設けられた第2の窓部を介して、前記a*値およびb*値が測定される、請求項10に記載の膜構造体の製造方法。
  12. 前記カーボン薄膜の膜厚が所定の範囲内に維持されるように、前記工程(c)における評価結果に基づいて、前記カーボン薄膜の形成条件を変更する工程(d)をさらに有する、請求項11に記載の膜構造体の製造方法。
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