JP6601270B2 - シャープペンシル - Google Patents
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Description
そのようなシャープペンシルの一例として、特開2013−237182号公報(特許文献1)に記載のシャープペンシルが知られている。
前記ノックカバーのノック操作により、チャック本体部が筆記芯を銜えたまま前進動作し、さらにノック操作を継続することによりチャック本体部が開き(拡開し)つつ前進動作がなされ、筆記芯が解放される。そして、ノック操作の解除により、筆記芯に対してチャック本体部が後退する。このノック操作を繰り返すことで筆記芯を所定量ずつ繰り出すことができる。
また、ボールの前方側は空間があることから、押圧操作時や持ち運び時の振動などにより、各ボールの前進位置がずれた軸方向の位置がずれた状態となり、チャック体の拡開の仕方が弾性片によってばらつき、軸芯がずれた状態で拡開してしまい、1本目芯と2本目芯の軸芯がずれ、筆記芯が繰り出せず、筆記不能となる恐れがあった。
本発明は、第1の要旨を、ボールを介して囲繞するリングとのくさび効果により筆記芯の前進は許容するが筆記芯の後退を阻止するチャック体を軸筒内に有するシャープペンシルであって、前記チャック体はその前端部からのスリットにより分割される複数の弾性片を有すると共に、前記複数の弾性片は芯把持部を有し、前記軸筒に設けた押圧部材の押圧操作により前記軸筒に対して前記チャック体が前後動可能であり、前記チャック体の拡開時の前記芯把持部におけるスリット幅を、使用しうる筆記芯の芯径より小さくしたシャープペンシルとしたので、押圧部材の押圧操作が終了するまでの間、筆記芯をチャック体の芯把持部で内包することができ、1本目芯と2本目芯の軸芯がそろった状態で筆記芯の繰り出しが可能となり、確実な筆記芯の繰り出しを行うことができる。
また、ボールの数も、少なくとも弾性片と同数のボールがあればよく、その数は任意の数とすることができる。例えば、1つの弾性片に対して径方向や軸方向に複数個のボールが配置されていても良い。
尚、以下の説明では、後述の先部材2側を前方と言い、押圧部材30側を後方と言う。
先部材2は、内部に、先端リング12を圧入固定すると共に、前後に摺動可能なスライダー8を先端スプリング11により前方に付勢して収容し、前記軸筒本体3の前軸4にネジ螺合により連結されている。前記先端スプリング11は、より詳細には、先端リング12の内段部12aと前記スライダー8の外段部8bとの間に張設されている。
前記軸筒本体3内部には芯繰り出しユニット13がクッションスプリング21により前方に付勢するように配され、使用時に高い筆圧がかかった際に前記クッションスプリング21が伸縮し、筆記芯Lに対する衝撃を緩和している。また、後述する芯繰り出しユニット13内の前方に配設されたチャックセット14が先部材2に内包されるように芯繰り出しユニット13を配することで、先部材2とチャックセット14の軸方向における中心線が同軸上となり、芯繰り出しユニット13から先部材2にかけて筆記芯Lを案内することができる。
後軸5の後方外周部に形成された縮径部5aにはクリップ6が嵌め込まれている。
筆記の際には、筆記芯Lの摩耗によってパイプ7が紙面に触れた場合でも、筆記による筆記芯Lの摩耗と共に筆圧によってパイプ7が紙面に押されて後方へと後退するため、筆記を継続でき、パイプ7を紙面から離すと前記先端スプリング11によりスライダー8が前進する。後述する筆記芯の前進は許容するが後退は阻止するように筆記芯を把持できるチャック体17と併用することで、先端スプリング11によりスライダー8が前進する際、芯保持部材10に保持された筆記芯Lを常にパイプ7の先端まで引き抜くことができるため、持ち替えて後端の押圧部材30をノックせずとも筆記芯Lが筆記状態を維持できることから連続して筆記が可能となる。
また、携帯時には、前記Oリング9によりスライダー8を先端リング12内部に嵌合させ、スライダー8の前後の移動を停止することで不意の筆記芯Lの突出を防止することができる。再度使用する際は、押圧部材30を押圧して芯繰り出しユニット13によりスライダー8の後端を押し、Oリング9と先端リング12との嵌合を解除することで、スライダー8が前進し、筆記可能となる。
この構成は筆記芯の芯径が細い場合、具体的には、呼び直径が0.3、0.2やそれ以下の直径の筆記芯に対して特に有効である。筆記芯Lをパイプ7から突出させず、筆記芯Lがパイプ7でガイドされた状態での筆記が可能となり、筆記時における筆圧の変化があった際や、筆記芯Lが紙面へひっかかった際にも筆記芯Lの折損を防止することができる。
また、本第1実施例におけるチャック体17及びチャックストッパー15は真鍮により形成しているが、鉄やステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属材料や、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリカーボネート樹脂(PC)により成形してもよく、使用する材質は特に限定されない。また、本第1実施例におけるリング16は、真鍮により形成しているが、ステンレス鋼やポリカーボネート樹脂(PC)により成形しても良く、使用する材質は特に限定されない。更に、本第1実施例におけるボール18は、超鋼により形成しているが、洋白やアセタールにより成形しても良く、使用する材質は特に限定されない。
本第1実施例のチャック体17は2つ割りチャックであり、全体がリング16に囲繞されている。
外部形状について説明する。前方部には頭部17bが形成されており、その頭部17bの前端面には前方に向けて軸方向ストレートに突出する形で形成された先端部17aが形成されている。その先端部17aの横断面は略半円形であり、その外形状は、前記頭部17bの外径よりも小さく、また、前記チャックストッパー15の貫通孔15aの内径よりも小さく形成されており、チャック体17の芯把持時や開閉動作時には、前記先端部17aは前記貫通孔15aを前後動可能であり、当接はしない大きさに形成されている。前記頭部17bの後方部はテーパー形状に形成されており(外テーパー部17e)、その外テーパー部17eより前方側の頭部17bには、外観が凹曲面(凹部)の前記ボール受座17cが形成されている。本第1実施例にあっては、ボール受座17cの縦断面形状を全体が1つの曲率半径からなしており、最も深い部分(最深部17d)、即ち、縦断面形状における凹曲面(凹部)の中間部よりも前方側の曲線部を前方曲線部17oと称し、後方側の曲線部を後方曲線部17pと称する。前記頭部17bの後方には、前記頭部17bの外テーパー部17eから連接して縮径部17fが形成されており、その縮径部17fの後方には縮径部17fよりも外径が大きい大径部17gが形成されている。その大径部17gの後方には、前記外鍔部17hが形成されており、前記外鍔部17hは前記大径部17gよりも外径が大きく形成されている。尚、本第1実施例におけるボール受座17cの縦断面形状は、全体が1つの曲率半径からなしているが、ボール18を受けることができればよく、任意の形状とすることができる。例えば、ボール受座の縦断面形状が2種類以上の曲率半径からなる凹曲面(凹部)からなしてもよく、また、前方部と後方部とを凹曲面からなすと共にその間を部品軸方向と同方向のストレート部からなし、全体を凹部からなしてもよい。
次に、内部形状について説明する。チャック体17の前方部には芯把持部17iが形成されており、その芯把持部17iの後方には第1内テーパー部17jが、そして、その第1内テーパー部17jの後方には前記芯把持部17iよりも内径が大きい芯挿通孔17kが形成されている。前記芯把持部17iは、前記先端部17aの前端から前記頭部17bの中間部あたりにまで形成されている。前記芯挿通孔17kには、後述する芯ガイドパイプ24の前方部が配設されており、前記芯挿通孔17kの後方には第2内テーパー部17lが形成されている。また、本第1実施例のチャック体17では、弾性片17nに形成した芯把持部17iを前記先端部17aの内面にも連接して形成しているが、先端部17aの内面に芯把持部17iを形成せず、芯把持部17iの内径より大きい孔としても良く、例えば、芯把持部の大きさよりも大きい円筒状に形成しても良い。また、先端部17aを形成せず、チャック体17の前方部は頭部17bのみとしても良い。本第1実施例のように、先端部の内面にも芯把持部を形成した場合には、芯把持部の面積を拡大できるため、筆記芯をより確実に把持することができる。
チャック体の先端部17aの前端から前記縮径部17fの後方部にかけては、チャック体17の横断面を軸方向に均等に2分割するスリット17mが形成されている。このスリット17mの前端部から後端部におけるチャック体17の部位を弾性片17nと称し、本第1実施例では、スリット17mが2箇所に形成されているため、2つの弾性片17nがある。前記各スリット17mの後端部は各弾性片17nの支点であり、各弾性片17nは支点から前方にかけて拡開するように形成されることで、チャック体17は拡開状態を維持しようとする自開力を有する。筆記芯Lの繰り出し操作時には、前記支点を起点に各弾性片17nが開閉することで、筆記芯Lが把持・解放される。尚、チャック体17を分割するスリット17mは一定の幅で連続して形成することで、スリットの加工が容易になり、更にばらつきなく常に一定の力でチャック体を拡開させることができるので安定した品質のチャック体を供給することができる。
1本目の筆記芯Lを繰り出す際は、まず軸筒1前方を鉛直下向きに向けることで、芯タンク26に収納された筆記芯Lが、チャック体17における弾性片17nの芯把持部17i後端まで自重で落下する。前述した芯ガイドパイプ24及び中継部材22に形成した芯挿通孔22cを配設したことで、1本の筆記芯Lを確実にチャック体17の芯把持部17i後端まで挿通することができる。
そして、押圧部材30の押圧操作を繰り返し、前記パイプ7の前端面まで筆記芯Lを前進させた時に、筆記が可能となる。前述の通り、筆記芯Lは、パイプ7から突出させても良い。
尚、本第1実施例では押圧部材30の後端を押圧する後端ノック構造を採用しているが、後方からの押圧によってチャック体を前後動かつ開閉動することができればよく、筆記芯Lの繰り出し操作はサイドノック、サイドスライド、中折れノックなどの構造を採用することができ、特に限定されない。
ここで、本第1実施例にあっては、ボール受座17cをその縦断面形状が1つの曲率半径からなる凹曲面(凹部)に形成している。チャック体17が筆記芯Lを挟持している際、即ち、リング16とチャック体17の間にボール18を介してくさび効果が発生している際には、ボール18は前記前方曲線部17oと当接しており、チャック体17の前進に伴い、ボール18とボール受座17cとの当接位置が後方に移動していく。そして、チャック体17の拡開が始まると、ボール18は前記最深部17dにてチャック体17のボール受座17cと当接し、その状態を保ってチャック体17が前進し、拡開していく。
チャック体17の拡開時には、チャック体17とボール18とが前記ボール受座17cの最深部17dにて当接した状態を保ちながら、前方に向かって拡径したテーパー部16aを有するリング16内を前進するため、前記チャック体17の前進に伴い、チャック体17の拡開量も大きくなっていく。そして、チャック体17の最前進時において、チャック体17の拡開量も最大となり、チャック体17の後退が始まると、前進時とは逆の動きをしてチャック体17の拡開量が小さくなっていく。
このように、本第1実施例にあっては、チャック体17の最前進時において、最もチャック体17の拡開量が大きくなっているが、チャック体17の拡開時の芯把持部17iにおけるスリット幅を、使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくしているため、押圧部材30の押圧操作が終了するまでの間、筆記芯Lをチャック体17の芯把持部17iで内包することができ、1本目芯と2本目芯の軸芯がそろった状態で筆記芯Lの繰り出しが可能となり、確実な筆記芯Lの繰り出しを行うことができる。
ここで、本第1実施例にあっては、リング16のボール18との当接位置における内径をX、ボール18の、リング16に対する当接位置とチャック17に対する当接位置との径方向距離をY、チャック体17のボール18との当接位置における径方向の厚さをZ、筆記芯Lの芯径(直径)をLdとしたときに、下記数式(1)が成立していれば良い。
X−(Y+Z)×2<Ld (1)
この数式(1)中、{X−(Y+Z)×2}がチャック体の芯把持部におけるスリット幅Sである。
前記数式(1)は少なくともチャック体17の最後退位置から最前進位置までの間で成立していれば良いが、リング16のテーパー部16aの全体で上記前記数式(1)を成立させるよう構成しても良い。テーパー部16aは前方に向かって拡径していることから、テーパー部16aの前端部における内径がテーパー部16aの最大内径部となっており、そのテーパー部16aの最大内径部にて前記数式(1)が成立するように構成することで、確実にチャック体の拡開時の芯把持部におけるスリット幅Sが、使用しうる筆記芯の芯径Ldより小さくなる。そして、押圧部材30の押圧操作が終了するまでの間、筆記芯Lをチャック体17の芯把持部17iで内包することができ、1本目芯と2本目芯の軸芯がそろった状態で筆記芯の繰り出しが可能となり、確実な筆記芯の繰り出しを行うことができる。
第2実施例は、第1実施例のチャック体のボール受座の形状を異ならしめると共に、チャックストッパー(ストッパー部材)の後方部に当接部(凸部)を形成した例である。
尚、第1実施例と同一の部材・構成については、その記載を省略する。
また、本第2実施例におけるチャック体117及びチャックストッパー115は真鍮により形成しているが、鉄やステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属材料や、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリカーボネート樹脂(PC)により成形してもよく、使用する材質は特に限定されない。また、本第2実施例におけるリング16は、真鍮により形成しているが、ステンレス鋼やポリカーボネート樹脂(PC)により成形しても良く、使用する材質は特に限定されない。更に、本第2実施例におけるボール18は、超鋼により形成しているが、洋白やアセタールにより成形しても良く、使用する材質は特に限定されない。
本第2実施例のチャック体117は2つ割りチャックであり、全体が第1実施例と同じリング16に囲繞されている。
外部形状について説明する。前方部には頭部117bが形成されており、その頭部117bの前端面には前方に向けて軸方向ストレートに突出する形で形成された先端部117aが形成されている。その先端部117aの横断面は略半円形であり、その外形状は、前記頭部117bの外径よりも小さく、また、前記チャックストッパー115の貫通孔115aの内径よりも小さく形成されており、チャック体17の芯把持時や開閉動作時には、前記先端部17aは前記貫通孔15aを前後動可能であり、当接はしない大きさに形成されている。前記頭部117bの後方部はテーパー形状に形成されており(外テーパー部117e)、その外テーパー部117eより前方側の頭部117bには、外観が凹部の前記ボール受座117cが形成されている。ボール受座117cの縦断面形状は、曲線部とストレート部とを組み合わせてなり、中間部に部品軸方向と同方向に長さを有するストレート部117pを形成し、そのストレート部117pの前後を曲線部に形成している。ストレート部の前方側の曲線部を第1曲線部117oと称し、後方側の曲線部を第2曲線部117qと称する。本第2実施例にあっては、第1曲線部と第2曲線部の曲率半径を同一としているが、これに限らず異ならしめても良く、第1曲線部と第2曲線部の曲率半径を異ならしめる場合にはどちらの曲率半径を小さくなしてもよい。前記頭部117bの後方には、前記頭部117bの外テーパー部117eから連接して縮径部117fが形成されており、その縮径部117fの後方には縮径部117fよりも外径が大きい大径部117gが形成されている。その大径部117gの後方には、前記外鍔部117hが形成されており、前記外鍔部117hは前記大径部117gよりも外径が大きく形成されている。尚、本第2実施例におけるボール受座117cは、その縦断面形状が、前述の通り、曲線部とストレート部との組み合わせからなり、ストレート部の前後を曲線部としているが、ボールを受けることができればよく、任意の形状とすることができる。例えば、第1実施例のように、ボール受座の縦断面形状が、全体が1種類の曲線部からなる凹曲面からなしてもよく、また、2種類以上の曲率半径からなる凹曲面からなしてもよい。更には、縦断面形状に複数の曲線部が含まれる場合、それらの曲線部を1つの曲率半径から成してもよいし、複数の曲率半径からなしてもよい。
次に、内部形状について説明する。チャック体117の前方部には芯把持部117iが形成されており、その芯把持部117iの後方には第1内テーパー部117jが、そして、その第1内テーパー部117jの後方には前記芯把持部117iよりも内径が大きい芯挿通孔117kが形成されている。前記芯把持部117iは、前記先端部117aの前端から前記頭部117bの中間部あたりにまで形成されている。前記芯挿通孔117kには、芯ガイドパイプ24の前方部が配設されており、前記芯挿通孔117kから後方には第2内テーパー部117lが形成されている。また、本第2実施例のチャック体117では、弾性片117nに形成した芯把持部117iを前記先端部117aの内面にも連接して形成しているが、先端部の内面に芯把持部を形成せず、芯把持部の大きさより大きい孔としても良く、例えば、芯把持部の大きさよりも大きい円筒状に形成しても良い。また、先端部を形成せず、チャック体の前方部は頭部のみとしても良い。先端部の内面にも芯把持部を形成した場合には、芯把持部の面積を拡大できるため、筆記芯をより確実に把持することができる。
チャック体117の先端部117aの前端から前記縮径部117fの後方部にかけては、チャック体117の横断面を軸方向に均等に2分割するスリット117mが形成されている。このスリット117mの前端部から後端部におけるチャック体117の部位を弾性片117nと称し、本第2実施例では、スリット117mが2箇所に形成されているため、2つの弾性片117nがある。前記各スリット117mの後端部は、各弾性片117nの支点であり、チャック体117は自開力を有する。筆記芯Lの繰り出し操作時には、その支点を起点に各弾性片117nが開閉することで、筆記芯Lが把持・解放される。尚、チャック体117を分割するスリット117mは一定の幅で連続して形成することで、スリットの加工が容易になり、更にばらつきなく常に一定の力でチャック体を拡開させることができるので安定した品質のチャック体を供給することができる。
外部形状を説明する。チャックストッパー115の外部形状は、その前方から、後方に向かって拡径するテーパー部115c、そのテーパー部の後方に形成された小径部115d、その小径部115dの後ろに形成された外鍔部115e、その外鍔部115eの後端部から後方に向かって突出して形成された凸部115fとからなる。凸部115fは環状に形成されている。
内部形状を説明する。チャックストッパー115の内部形状は、その前方から、内径が一定の貫通孔(第1内径部)115aと、その貫通孔115aの後方に形成された第2内径部115bとからなる。第2内径部115bは、前記貫通孔115aよりもその内径が大きく形成されており、前記外部形状における外鍔部115eの後方部から凸部115fの後端部の領域の内径部に形成されている。前記第2内径部115bの内径は、チャック体117が拡開した際でも、チャック体117の外周面が当接しない大きさとしている。
押圧部材30を軸筒1の前方方向に押圧し始めると、芯タンク26と共に、中継部材22、係止具23及びチャックセット114が前進し、チャックセット114の前端が先端リング12の後端に当接する。更に押圧部材30の押圧を続けることで、係止具23と中継部22材の係合が解除され、芯タンク26と中継部材22が前進し、中継部材22の前端でチャック体117の後端を押圧する。そして、チャック体117が前進し、ボール18とリング16とのくさび効果が解除された時点でチャック体117が拡開し、筆記芯Lが解放される。
押圧部材30への押圧を解除すると、中継部材22と芯タンク26、更には、中継部材22、係止具23及びチャックセット114が、中子20の内段20aに係止具23が当接するまで後退する。係止具23が中子20の内段20aに当接するまでの間、チャック体117は中継部材22に押圧され拡開した状態となっている。係止具23が中子20の内段20aに当接した後、中継部材22と芯タンク23が後退することでチャック体117への押圧も解除され、チャックスプリング19によりチャック体17が閉じ、芯把持状態となる。その後、中継部材22と芯タンク26が更に後退し、中継部材22と係止具23とが再度係合状態となったと同時に、中継部材22の大径部22aの後端が係止具23の前端に当接して、全ての後退が終了する。
尚、本第2実施例にあっても押圧部材30の後端を押圧する後端ノック構造を採用しているが、後方からの押圧によってチャック体を前後動かつ開閉動することができればよく、筆記芯Lの繰り出し操作はサイドノック、サイドスライド、中折れノックなどの構造を採用することができ、特に限定されない。
押圧部材30を軸筒1の前方方向に押圧し、中継部材22の前端でチャック体117の後端が押圧されると、チャック体117が前進し、ボール18とリング16とのくさび効果が解除され、チャック体117の拡開が開始される。このとき、ボール18は、チャック体117のボール受座117cの最深部117dである前記ストレート部117pにてチャック体117と当接しており、チャック体117の芯把持部117iにおけるスリット幅は使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくなっている。
押圧部材30の押圧を続けると、前記チャックストッパー115の凸部115fと前記ボール18が当接し、ボール18と既に軸筒1に対して移動を停止しておりチャックストッパー115を内部に固定しているリング16の軸筒1内における移動が停止する。このときも、ボール18は、チャック体117のボール受座117cの最深部117dである前記ストレート部117pにてチャック体117と当接しており、チャック体117の芯把持部117iにおけるスリット幅は使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくなっている。
この状態で更に押圧部材30の押圧を続けると、リング16とボール18に対してチャック体117が前進し、ボール18とチャック体117との当接位置が後方へ移動する。そして、チャック体117が最前進位置に位置した際にも、ボール18はチャック体117のボール受座117cの最深部117dである前記ストレート部117pにてチャック体117と当接しており、チャック体117の芯把持部117iにおけるスリット幅は使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくなっている。
押圧部材30の押圧を解除すると、チャック体117が後退し、前記凸部115fとボール18とが離間し、更にチャック体117が後退をするため、チャック体117が閉じ、芯把持状態となる。
尚、チャック体117の開閉動作時、前記チャック体117の先端部117aは、前記チャックストッパー115の内部に形成された貫通孔115a内に挿通している。
チャック体117の拡開開始時には、チャック体117とボール18とが前記ボール受座117cの最深部117dにて当接した状態を保ちながら、前方に向かって拡径したテーパー部16aを有するリング16内を前進するため、前記チャック体117の前進に伴い、チャック体117の拡開量も大きくなっていく。このため、チャック体117の前進途中にて前記凸部115fと前記ボール18との当接がなければ、チャック体117の最前進時において、最もチャック体117の拡開量が大きくなるが、本第2実施例にあっては、チャック体117の前進途中で凸部115fとボール18とが当接するため、その後、チャック体117が前進しても、チャック体117の拡開量は前記凸部115fとボール18との当接時の拡開量を保ち、チャック体117の最大拡開量は、前記凸部115fとボール18との当接時の拡開量となる。そして、チャック体117の後退が始まると、前進時とは逆の動きをしてチャック体117の拡開量が小さくなっていく。
このように、チャック体117の最大拡開時においても、チャック体117の芯把持部117iにおけるスリット幅を、使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくしている。押圧部材30の押圧操作が終了するまでの間、筆記芯Lをチャック体117の芯把持部117iで内包することができ、1本目芯と2本目芯の軸芯がそろった状態で筆記芯Lの繰り出しが可能となり、確実な筆記芯Lの繰り出しを行うことができる。
詳述すると、本第2実施例のチャックセット114は2つのボール18を径方向で対向する位置に配置していることから、その組み立て時に、軸方向の位置がずれた状態となってしまう可能性がある。また、芯繰り出し操作時の前後動や持ち運び時の振動などによっても、2つのボール18の軸方向の位置がずれてしまう恐れがある。そして、その2つのボール18の軸方向の位置がずれた状態で芯繰り出し操作を行うと、チャック体117の拡開の仕方が弾性片117nによって異なるものとなり、即ち、チャック体117の拡開の仕方がばらつき、2つのスリット幅が異なるものとなってしまったり、横断面から見た際に軸芯がずれた状態で拡開してしまったりする恐れがあった。
しかしながら、本第2実施例にあっては、リング16は前方に向かって拡径するテーパー部16aを有し、リング16の前方内部には、その後方部に凸部(当接部)115fを形成してなるチャックストッパー(ストッパー部材)115を配設し、凸部115fをリング16のテーパー部16aの内径部に配置し、チャック体117の前進時に凸部115fとボール18とが当接するので、チャック体117の前進時に、ストッパー部材115の凸部(当接部)115fがボール18と当接し、リング16とチャック体117の間に配置された2つのボール18の軸方向における位置が揃う。その状態でチャック体117が更に前進することにより、チャック体117の2つの弾性片117nの拡開が径方向に均等になされる。このため、横断面から見た際のチャック体117の芯把持部117iにおける各スリット幅が均一に芯径より小さいものとなり、押圧動作が終了するまでの間、より確実に芯把持部117iで筆記芯Lを内包することができる。よって、1本目芯と2本目芯の軸芯がよりそろった状態で筆記芯Lの繰り出しが可能となり、より確実な筆記芯Lの繰り出しを行うことができる。
尚、本第2実施例にあっては、2つの弾性片117nを有するチャック体117を用い、各弾性片117nにそれぞれ1個のボール18を配置し、ボール18は径方向で対向した位置に配置されているが、例えば、3つ割りのチャック体としてもよく、また、1つの弾性片に対して径方向や軸方向に複数個のボールが配置されていても良い。いずれの場合にも、チャック体の前進途中において、凸部(当接部)とボールとが当接することで、複数のボールの軸方向における位置が揃い、その状態でチャック体が更に前進することにより、チャック体の複数の弾性片の拡開が径方向に対して均等になされる。このため、横断面から見た際のチャック体の芯把持部における各スリット幅が均一に芯径より小さいものとなり、押圧動作が終了するまでの間、より確実に芯把持部で筆記芯を内包することができる。よって、1本目芯と2本目芯の軸芯がよりそろった状態で筆記芯の繰り出しが可能となり、より確実な筆記芯の繰り出しを行うことができる。
第2実施例におけるチャックストッパー(ストッパー部材)の凸部(当接部)の形成の仕方を異ならしめた例である。
尚、第2実施例と同一の部材・構成については、その記載を省略する。
チャックストッパー115´以外の部材・構成やチャック体117の開閉動作は第2実施例と同様のため、省略する。
第3実施例は、第1実施例のシャープペンシルに、第2実施例のチャックストッパー(ストッパー部材)を用いた例である。
尚、第1実施例・第2実施例と同一の部材・構成については、その記載を省略する。
また、本第3実施例におけるチャック体17及びチャックストッパー115は真鍮により形成しているが、鉄やステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属材料や、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリカーボネート樹脂(PC)により成形してもよく、使用する材質は特に限定されない。また、本第3実施例におけるリング16は、真鍮により形成しているが、ステンレス鋼やポリカーボネート樹脂(PC)により成形しても良く、使用する材質は特に限定されない。更に、本第3実施例におけるボール18は、超鋼により形成しているが、洋白やアセタールにより成形しても良く、使用する材質は特に限定されない。
尚、本第3実施例でも押圧部材30の後端を押圧する後端ノック構造を採用しているが、後方からの押圧によってチャック体を前後動かつ開閉動することができればよく、筆記芯Lの繰り出し操作はサイドノック、サイドスライド、中折れノックなどの構造を採用することができ、特に限定されない。
押圧部材30を軸筒1の前方方向に押圧し、中継部材22の前端でチャック体17の後端が押圧されると、チャック体17が前進し、ボール18とリング16とのくさび効果が解除され、チャック体17の拡開が開始される。このとき、ボール18は、チャック体17のボール受座17cの最深部17d、即ち、前記縦断面形状が1つ曲率半径からなる凹曲面の中間部にてチャック体17と当接しており、チャック体17の芯把持部17iにおけるスリット幅は使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくなっている。
押圧部材30の押圧を続けると、前記チャックストッパー115の凸部115fと前記ボール18が当接し、ボール18と既に軸筒1に対して移動を停止しておりチャックストッパー115を内部に固定しているリング16の軸筒1内における移動が停止する。このときも、ボール18は、チャック体17のボール受座17cの最深部17dにてチャック体17と当接しており、チャック体17の芯把持部17iにおけるスリット幅は使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくなっている。
この状態で更に押圧部材30の押圧を続けると、リング16とボール18に対してチャック体17が前進し、ボール18とチャック体17との当接位置が後方へ移動する。即ち、ボール18とボール受座17cとが前記最深部17dよりも後方の後方曲線部17pにて当接しながら、チャック体17は前進する。そして、チャック体17が最前進位置に位置した際にも、ボール18はチャック体17のボール受座17cの前記後方曲線部17oにて当接した状態で、チャック体17の拡開を規制する。このときも、チャック体17の芯把持部17iにおけるスリット幅は使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくなっている。より詳細には、ボール18がボール受座17cの最深部17dよりも浅い位置である前記後方曲線部17oにてチャック体17と当接していることから、芯把持部17iにおけるスリット幅は、前記凸部115fとボール18とが当接するまでの芯把持部17iにおけるスリット幅よりも小さいものとなっている。
押圧部材30の押圧を解除すると、チャック体17が後退し、前記凸部115fとボール18とが離間し、更にチャック体17が後退するため、チャック体17が閉じ、芯把持状態となる。このチャック体17の後退時には、チャック体17の前進時とは逆の動きをしてチャック体17の拡開量が小さくなっていく。
尚、チャック体17の開閉動作時、前記チャック体17の先端部17aは、前記チャックストッパー115の内部に形成された貫通孔115a内に挿通している。
そして、凸部115fとボール18の当接後は、チャック体17の前進に伴い、ボール18とボール受座17cとの当接位置は、ボール受座17cの後方、即ち、最深部17dよりも浅くなっていく方向に変化をしていき、前記後方曲線部17oと当接する状態となる。このため、チャック体17の前進に伴い、チャック体17の拡開量は前記凸部115fとボール18との当接時の拡開量よりも小さくなる。チャック体17の最大拡開時においても、チャック体17の芯把持部17iにおけるスリット幅を、使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくしているため、チャック体17の最前進位置にあっては、チャック体17の芯把持部17iにおけるスリット幅がより小さいものとなっている。結果、押圧部材30の押圧操作が終了するまでの間、筆記芯Lをチャック体17の芯把持部17iで内包することができ、1本目芯と2本目芯の軸芯がそろった状態で筆記芯Lの繰り出しが可能となり、確実な筆記芯Lの繰り出しを行うことができる。
第4実施例は、第1実施例にて、チャック体のボール受座の形状と先端部の形状を異ならしめると共に、第2実施例のチャックストッパーと貫通孔の内径を異ならしめたチャックストッパーを用いた例である。
尚、第1実施例と同一の部材・構成については、その記載を省略する。
また、本第4実施例におけるチャック体317及びチャックストッパー315は真鍮により形成しているが、鉄やステンレス鋼、アルミニウム合金などの金属材料や、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリカーボネート樹脂(PC)により成形してもよく、使用する材質は特に限定されない。また、本第4実施例におけるリング16は、真鍮により形成しているが、ステンレス鋼やポリカーボネート樹脂(PC)により成形しても良く、使用する材質は特に限定されない。更に、本第4実施例におけるボール18は、超鋼により形成しているが、洋白やアセタールにより成形しても良く、使用する材質は特に限定されない。
本第4実施例のチャック体317は2つ割りチャックであり、全体が第1実施例と同じリング16に囲繞されている。
外部形状について説明する。前方部には頭部317bが形成されており、その頭部317bの前端面には前方に向けて軸方向ストレートに突出する形で形成された先端部317aが形成されている。その先端部317aは、横断面で見た際に、略半円形の形状の両側面を落としたカット部317qが形成されており、その外形状は、前記頭部317aの外径よりも小さく、また、前記チャックストッパー315の貫通孔315aの内径よりも小さく形成されている。前記頭部317bの後方部はテーパー形状に形成されており(外テーパー部317e)、その外テーパー部317eより前方側の頭部317bには、外観が凹曲面(凹部)の前記ボール受座317cが形成されている。ボール受座317cの縦断面形状は、2種類の曲線部を組み合わせてなり、前方側の曲線部を第1曲線部317oと称し、後方側の曲線部を第2曲線部317pと称する。本第4実施例にあっては、第1曲線部317oの曲率半径よりも第2曲線部317pの曲率半径を小さいものとしている。前記頭部317bの後方には、前記頭部317bの外テーパー部317eから連接して縮径部317fが形成されており、その縮径部317fの後方には縮径部317fよりも外径が大きい大径部317gが形成されている。その大径部317gの後方には、前記外鍔部317hが形成されており、前記外鍔部317hは前記大径部317fよりも外径が大きく形成されている。
次に、内部形状について説明する。チャック体317の前方部には芯把持部317iが形成されており、その芯把持部317iの後方には第1内テーパー部317jが、そして、その第1内テーパー部317jの後方には前記芯把持部317iよりも内径が大きい芯挿通孔317kが形成されている。前記芯把持部317iは、前記先端部317aの前端から前記頭部317bの中間部あたりにまで形成されている。前記芯挿通孔317kには、芯ガイドパイプ24の前方部が配設されており、前記芯挿通孔317kの後方には第2内テーパー部317lが形成されている。また、本第4実施例のチャック体317では、弾性片317nに形成した芯把持部317iを前記先端部317aの内面にも連接して形成しているが、先端部の内面に芯把持部を形成せず、芯把持部の大きさより大きい孔としても良く、例えば、芯把持部の大きさよりも大きい円筒状に形成しても良い。また、先端部を形成せず、チャック体の前方部は頭部のみとしても良い。先端部の内面にも芯把持部を形成した場合には、芯把持部の面積を拡大できるため、筆記芯をより確実に把持することができる。
チャック体317の先端部317aの前端から前記縮径部317fの後方部にかけては、チャック体317の横断面を軸方向に均等に2分割するスリット317mが形成されている。このスリット317mの前端部から後端部におけるチャック体317の部位を弾性片317nと称し、本第4実施例では、スリット317mが2箇所に形成されているため、2つの弾性片317nがある。前記各スリット317mの後端部は、各弾性片317nの支点であり、チャック体317は自開力を有する。筆記芯Lの繰り出し操作時には、その支点を起点に各弾性片317nが開閉することで、筆記芯Lが把持・解放される。尚、チャック体317を分割するスリット317mは一定の幅で連続して形成することで、スリットの加工が容易になり、更にばらつきなく常に一定の力でチャック体を拡開させることができるので安定した品質のチャック体を供給することができる。
尚、貫通孔315aを形成したチャックストッパー315は、前記の通り、第2実施例のチャックストッパー115における貫通孔(第1内径部)115aの内径を小さくしたものであり、貫通孔の内径が異なる以外の構成は第2実施例のチャックストッパー115と同一である(図27)。
前記先端部317aの断面略半円形の曲率半径は、チャック体317の前方に配設されたチャックストッパー315に、チャック体317と中心線が同軸の断面円形で軸方向ストレートに形成された貫通孔315aの半径より大きく形成している。チャック体317の芯把持時や開閉動作時には、前記先端部317aは前記貫通孔315aを前後動可能であり、当接はしない大きさに形成されているが、以下に述べるように、チャック体317の拡開規制時に、その拡開規制力以上の力がかかり、前記先端部317aの外周面と前記貫通孔315aの内面が当接する場合には、前記先端部317aが形成されている各弾性片317nにおける軸芯方向への中心垂線に対して左右対称の2箇所で当接する。
一方、チャックストッパー315の貫通孔315aの内径は、チャック体317の拡開規制時に、その拡開規制力以上の力がチャック体317にかかった際に、前記先端部317aの外周面と貫通孔315aの内面が各弾性片317nにおける軸芯方向への中心垂線に対して左右対称の2箇所で当接した際に、拡開時のチャック体317におけるスリット幅を、使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくなるよう規制する大きさで形成している。
チャック体317が筆記芯Lを把持した際、先端部317aは常に貫通孔315aに内挿するよう形成している。本第4実施例では筆記芯Lを把持した際、先端部317aが常に貫通孔315aに内挿する状態としているが、前進したチャック体317が拡開する前に先端部317aが貫通孔315aに内挿するように形成してあればよい。本第4実施例のように、筆記芯Lを把持した際には、先端部317aが常に貫通孔315aに内挿している状態を保つことで、チャック体317の前進時に正確に先端部317aを貫通孔315a内に案内することができ、安定して筆記芯Lの繰り出しを行うことができる。
押圧部材30を軸筒1の前方方向に押圧し、中継部材22の前端でチャック体317の後端が押圧されると、チャック体317が前進し、ボール18とリング16とのくさび効果が解除され、チャック体317の拡開が開始される。このとき、ボール18は、チャック体317のボール受座317cの最深部である前記第1曲線部317oと第2曲線部317pの接続部(変曲点)317dにてチャック体317と当接しており、チャック体317の芯把持部317iにおけるスリット幅は使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくなっている。
押圧部材30の押圧を続けると、前記チャックストッパー315の凸部315fと前記ボール18が当接し、ボール18と既に軸筒1に対して移動を停止しておりチャックストッパー315を内部に固定しているリング17の軸筒1内における移動が停止する。このときも、ボール18は、チャック体317のボール受座317cの最深部である前記接続部(変曲点)317dにてチャック体317と当接しており、チャック体317の芯把持部317iにおけるスリット幅は使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくなっている。
この状態で更に押圧部材30の押圧を続けると、リング16とボール18に対してチャック体317が前進し、ボール18とチャック体317との当接位置が後方へ移動する。即ち、ボール18とボール受座317cとが前記第2曲線部317pにて当接しながら、チャック体317は前進する。そして、チャック体317が最前進位置に位置した際にも、ボール18はチャック体317のボール受座317cの第2曲線部317pにて当接した状態で、チャック体317の拡開を規制する。このときも、チャック体317の芯把持部317cにおけるスリット幅は使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくなっており、より詳細には、ボール18がボール受座317cの最深部(第1曲線部と第2曲線部の接続部(変曲点)317d)よりも浅い位置である前記第2曲線部317pにてチャック体317と当接していることから、芯把持部317iにおけるスリット幅は、前記凸部315fとボール18とが当接するまでの芯把持部317iにおけるスリット幅よりも小さいものとなっている。
押圧部材30の押圧を解除すると、チャック体317が後退し、前記凸部315fとボール18とが離間し、更にチャック体317が後退するため、チャック体317が閉じ、芯把持状態となる。このチャック体317の後退時には、チャック体317の前進時とは逆の動きをしてチャック体317の拡開量が小さくなっていく。
そして、凸部315fとボール18の当接後は、チャック体317の前進に伴い、ボール18とボール受座317cとの当接位置は、ボール受座317cの後方、即ち、最深部よりも浅くなっていく方向に変化をしていき、第2曲線部317pと当接する状態となる。このため、チャック体317の前進に伴い、チャック体317の拡開量は前記凸部315fとボール18との当接時の拡開量よりも小さくなる。チャック体317の最大拡開時においても、チャック体317の芯把持部317jにおけるスリット幅を、使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくしているため、チャック体317の最前進位置にあっては、チャック体317の芯把持部317iにおけるスリット幅がより小さいものとなっている。結果、押圧部材30の押圧操作が終了するまでの間、筆記芯Lをチャック体317の芯把持部317iで内包することができ、1本目芯と2本目芯の軸芯がそろった状態で筆記芯Lの繰り出しが可能となり、確実な筆記芯Lの繰り出しを行うことができる。
詳述すると、チャック体317の拡開時に、チャック体317の芯把持部317iにおけるスリット幅が、筆記芯Lの芯径よりも小さくなっているため、筆記芯Lがスリット317mに完全に入り込むことはなく、芯把持部317iに位置できるものとなっているが、筆記芯Lの一部がスリット317mに入り込もうとした際に、チャック体317に対して拡開する方向に力がかかり、前記凸部315fとボール18との当接により生じているチャック体317への拡開規制力以上の力がチャック体317にかかってしまい、チャック体317が拡開してしまう可能性はある。
本第4実施例にあっては、筆記芯Lの一部がスリット317mに入り込もうとし、チャック体317への拡開規制力以上の力がチャック体317にかかり、チャック体317が拡開してしまったとしても、チャック体317における先端部317aとチャックストッパー315における貫通孔315fが、前記先端部317aの外周面と前記貫通孔315aの内面が各弾性片317nにおける軸芯方向への中心垂線に対して左右対称の2箇所で当接する。そして、その当接によって拡開時の芯把持部317iにおけるスリット幅を、使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくなるよう規制している。このため、チャック体317に拡開規制力以上の力がかかってしまい、チャック体317が拡開してしまったとしても、確実に芯把持部317iにおけるスリット幅が、使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくなり、確実に1本目芯と2本目芯の軸芯がよりそろった状態で筆記芯Lの繰り出しが可能となり、確実な筆記芯Lの繰り出しを行うことができる。
尚、チャック体317の先端部にカット部317qが形成されておらず横断面が略半円形の先端部を有するチャック体(チャック体17やチャック体117)を用いた第1〜第3実施例のシャープペンシルであっても、本第4実施例と同様に、チャック体の拡開規制時に、その拡開規制力以上の力チャック体にかかった際に、先端部の外周面と貫通孔の内面が当接し、前記先端部が形成されている各弾性片における軸芯方向への中心垂線に対して左右対称の2箇所で当接するように構成しても良い。そのようにすることで、チャック体に拡開規制力以上の力がかかってしまい、チャック体が拡開してしまったとしても、確実に芯把持部におけるスリット幅が、使用しうる筆記芯Lの芯径より小さくなり、確実に1本目芯と2本目芯の軸芯がよりそろった状態で筆記芯の繰り出しが可能となり、確実な筆記芯の繰り出しを行うことができる。
本第4実施例では、両側面をカットしたカット部317qが設けられ、断面略半円形であり軸方向ストレートにチャック体317の先端から突出する形で形成された先端部317aの断面略半円の曲率半径を、チャック体317の前方に配設されたチャックストッパー315に、チャック体317と中心線が同軸の断面円形で軸方向ストレートに形成された貫通孔315aの半径より大きく形成することで、チャック体317に拡開規制力以上の力がかかり拡開した際に、チャック体317の拡開時に先端部317aの外周面を貫通孔315aの内面に、各弾性片315nにおける軸芯方向への中心垂線に対して左右対称の2箇所で線接触により当接させたが、前述の接触方法に限らず当接によってチャック体に拡開規制力以上の力がかかりチャック体が拡開した際の芯把持部317iにおけるスリット幅を、使用しうる筆記芯の芯径より小さくなるよう規制できればよく、チャック体の先端部の形状は特に限定されない。
更に、チャックストッパー315の貫通孔315aの形状は、横断面が円形のものに限らず、例えば、菱形や楕円としても良いが、本第4実施例は貫通孔315aが断面円形のため、チャック体317と貫通孔315aとの周方向での位置関係に制限はなく組立時の位置決めは不要であり、生産性を維持したまま長期使用の耐久性に優れた効果を得ることができる。
2 先部材
3 軸筒本体
4 前軸
5 後軸
5a 縮径部
6 クリップ
7 パイプ
8 スライダー
8a 凹部
8b 外段部
9 Oリング
10 芯保持部材
10a 芯保持部
11 先端スプリング
12 先端リング
12a 内段部
13 芯繰り出しユニット
14 チャックセット
15 チャックストッパー(ストッパー部材)
15a 貫通孔
16 リング
16a テーパー部
16b 内段
17 チャック体
17a 先端部
17b 頭部
17c ボール受座
17d 最深部
17e 外テーパー部
17f 縮径部
17g 大径部
17h 外鍔部
17i 芯把持部
17j 第1内テーパー部
17k 芯挿通孔
17l 第2内テーパー部
17m スリット
17n 弾性片
17o 前方曲線部
17p 後方曲線部
18 ボール
19 チャックスプリング
20 中子
20a 内段
21 クッションスプリング
22 中継部材
22a 大径部
22b 係合溝
22c 芯挿通孔
23 係止具
23a 弾性片部
23b 係合突起
24 芯ガイドパイプ
25 ノックスプリング
26 芯タンク
27 消しゴム受け部材
28 芯除去ピン
29 消しゴム
30 押圧部材
113 芯繰り出しユニット
114 チャックセット
115 チャックストッパー(ストッパー部材)
115a 貫通孔(第1内径部)
115b 第2内径部
115c テーパー部
115d 小径部
115e 外鍔部
115f 凸部(当接部)
117 チャック体
117a 先端部
117b 頭部
117c ボール受座
117d 最深部
117e 外テーパー部
117f 縮径部
117g 大径部
117h 外鍔部
117i 芯把持部
117j 第1内テーパー部
117k 芯挿通孔
117l 第2内テーパー部
117m スリット
117n 弾性片
117o 第1曲線部
117p ストレート部
117q 第2曲線部
115´ チャックストッパー(ストッパー部材)
115´a 内鍔部(凸部(当接部))
213 芯繰り出しユニット
214 チャックセット
313 芯繰り出しユニット
314 チャックセット
315 チャックストッパー(ストッパー部材)
315a 貫通孔(第1内径部)
315b 第2内径部
315c テーパー部
315d 小径部
315e 外鍔部
315f 凸部(当接部)
317 チャック体
317a 先端部
317b 頭部
317c ボール受座
317d 接続部(変曲点)
317e 外テーパー部
317f 縮径部
317g 大径部
317h 外鍔部
317i 芯把持部
317j 第1内テーパー部
317k 芯挿通孔
317l 第2内テーパー部
317m スリット
317n 弾性片
317o 第1曲線部
317p 第2曲線部
317q カット部
L 筆記芯
Ld 筆記芯の芯径(直径)
S スリット幅
X リングの内径
Y ボールの直径
Z ボール受座の肉厚
T 当接箇所
Claims (4)
- ボールを介して囲繞するリングとのくさび効果により筆記芯の前進は許容するが筆記芯の後退を阻止するチャック体を軸筒内に有するシャープペンシルであって、前記チャック体はその前端部からのスリットにより分割される複数の弾性片を有すると共に、前記複数の弾性片は芯把持部を有し、前記軸筒に設けた押圧部材の押圧操作により前記軸筒に対して前記チャック体が前後動可能であり、前記チャック体の拡開時の前記芯把持部におけるスリット幅を、使用しうる筆記芯の芯径より小さくし、更に、前記リングは前方に向かって拡径するテーパー部を有し、前記リングの前方内部に前記ボールとの当接部を有するストッパー部材を配設すると共に、前記当接部を前記リングのテーパー部の内径部に配設し、前記チャック体の前進時に前記当接部と前記ボールとが当接することを特徴とするシャープペンシル。
- 前記当接部を凸部としたことを特徴とする請求項1に記載のシャープペンシル。
- 前記チャック体はその外周面に凹部からなるボール受座を有し、前記チャック体の最前進時における前記ボールと前記ボール受座との当接位置が、前記ボール受座の最深部よりも後方側であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシャープペンシル。
- 前記ボール受座の凹部を2種類の曲率半径を有する曲面からなすと共に、前方側の曲率半径よりも後方側の曲率半径を小さくしたことを特徴とする請求項3に記載のシャープペンシル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2016040536A JP6601270B2 (ja) | 2016-03-02 | 2016-03-02 | シャープペンシル |
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