JP6600563B2 - 磁気駆動ユニットおよび磁気駆動ユニットの製造方法 - Google Patents

磁気駆動ユニットおよび磁気駆動ユニットの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、磁石と空芯コイルを備えた磁気駆動ユニットおよびその製造方法に関する。
従来から、撮影用の光学ユニットが搭載された各種の光学機器が用いられている。かかる光学ユニットは、手振れや振動による撮影画像の乱れを抑制するために、光学モジュールを揺動させて振れを補正する振れ補正用駆動機構を備える。特許文献1には、この種の振れ補正機能付き光学ユニットが開示されている。特許文献1では、振れ補正用駆動機構として、光学モジュールを保持する可動体の外周側に配置される4個のマグネットと、4個のマグネットのそれぞれに対向配置される4個のコイルを備える磁気駆動機構を用いる。
特開2014−235188号公報
特許文献1では、磁気駆動機構のコイルは空芯コイルであり、可動体の外周面に接着されて固定される。可動体の外周面には凸部が形成され、空芯コイルの開口部に凸部が挿入される。従来は、可動体の凸部は、空芯コイルの開口部よりも一回り小さいので、空芯コイルの中心と凸部の中心とが位置ずれした状態で接着が行われ、空芯コイルの位置精度が低下するおそれがあった。また、従来は、接着剤を2種類使用し、UV接着剤で空芯コイルの仮固定を行い、熱硬化型接着剤で本固定を行う方法が用いられているが、この方法では取り付け作業に手間がかかってしまっていた。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、空芯コイルと磁石を備える磁気駆動ユニットにおいて、空芯コイルの位置精度を高めることにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、固定体および可動体と、前記固定体に対して前記可動体を移動させる磁気駆動機構と、を有する磁気駆動ユニットであって、前記磁気駆動機構は、前記固定体および前記可動体の一方に保持される磁石と、前記固定体および前記可動体の他方に設けられたコイル取付面から前記磁石に向けて突出するコイル保持部に保持される空芯コイルと、を有し、前記コイル保持部は、前記空芯コイルの開口部に挿入され、前記空芯コイルの辺に対して交差する第1方向に弾性変形可能な弾性変形部を備え、前記弾性変形部は、前記コイル保持部における前記第1方向の外周縁部の少なくとも1箇所に配置され、前記コイル保持部の前記第1方向の最大外形寸法は、前記空芯コイルの前記第1方向の開口幅よりも大きいことを特徴とする。
本発明によれば、磁気駆動機構の空芯コイルを保持するコイル保持部の外周縁部に、空芯コイルの辺と交差する第1方向に弾性変形する弾性変形部が配置されており、弾性変形部を含むコイル保持部の第1方向の最大外形寸法が空芯コイルの開口幅よりも大きい。従って、弾性変形部を弾性変形させてコイル保持部の第1方向の幅を狭めることができ、コイル保持部を空芯コイルの開口部に圧入して空芯コイルの位置決めおよび仮固定を行うことができる。このようにすると、空芯コイルの位置は弾性変形部の変形に従うので、空芯コイルの位置精度を高めることができる。また、圧入によって仮固定を行うので、仮固定
が容易であるとともに、仮固定のための接着剤を必要とせず、接着剤の種類が少なくて済む。
本発明において、前記コイル保持部は、前記第1方向に対向する一対の前記弾性変形部を備え、前記第1方向の一方側に位置する前記弾性変形部には、前記第1方向の一方側を向く側面が設けられ、前記第1方向の他方側に位置する前記弾性変形部には、前記第1方向の他方側を向く側面が設けられ、前記第1方向の一方側を向く側面と前記第1方向の他方側を向く側面との距離は、前記空芯コイルの前記第1方向の開口幅よりも大きいことが望ましい。このようにすると、第1方向に対向する2箇所で弾性変形部が均等に変形する。従って、空芯コイルを均等に保持できる。
本発明において、前記第1方向の一方側を向く側面および前記第1方向の他方側を向く側面は、それぞれ、前記コイル取付面に対して垂直な方向に延在するストレート部と、前記ストレート部の先端から前記コイル保持部の内周側へ向けて傾斜する傾斜部と、を備え、前記第1方向の一方側を向く前記ストレート部と前記第1方向の他方側を向く前記ストレート部との距離は、前記空芯コイルの前記第1方向の開口幅よりも大きいことが望ましい。このようにすると、傾斜面に沿ってストレート部までスムーズに空芯コイルを導くことができる。従って、コイル保持部に空芯コイルを取り付ける作業が容易である。
本発明において、前記コイル保持部は、前記コイル取付面を貫通する貫通部もしくは凹部を備え、前記弾性変形部は、前記貫通部もしくは凹部の外周側に位置することが望ましい。このようにすると、圧入時に弾性変形部を内周側へ変形させることができる。従って、空芯コイルが圧入時に変形するおそれを少なくすることができる。
本発明において、前記第1方向は、前記空芯コイルの長辺と交差する方向であることが望ましい。このようにすると、弾性変形部の数や形状の自由度を高めることができ、コイル形状に合わせたコイル保持部を設けることができる。
本発明において、前記コイル保持部は、前記コイル取付面からの突出寸法が前記空芯コイルの厚さよりも大きいことが望ましい。このようにすると、コイル保持部の先端と、対向する磁石によりストッパを構成できる。これにより、磁石と空芯コイルが対向する方向に可動体が動くときの可動範囲を制限できるので、可動体の動きに追従して変形する部材が過度に変形することを防止できる。
本発明において、前記磁石は前記第1方向と交差する分極線を境に磁極が異なり、前記空芯コイルは、前記分極線に対して第1方向の一方側に位置する磁極と対向する第1有効辺、および、前記分極線に対して第1方向の他方側に位置する磁極と対向する第2有効辺を備えることが望ましい。このようにすると、磁石の分極線に対する空芯コイルの有効辺の位置精度を高めることができる。従って、磁極に対する有効辺の位置ずれによる駆動力のロスを抑えることができる。
本発明において、前記固定体に対して前記可動体を揺動可能に支持する支持機構を有し、前記可動体は、光学モジュールと、前記光学モジュールを保持するホルダを備え、前記第1方向と交差する方向を第2方向、前記第1方向および前記第2方向と交差する方向を第3方向とするとき、対向する前記磁石と前記空芯コイルの組は、前記ホルダの前記第2方向の両側と、前記ホルダの前記第3方向の両側の4箇所に設けられ、前記コイル保持部は、前記ホルダの前記第2方向の両側を向く部分と、前記ホルダの前記第3方向の両側を向く部分の4箇所、もしくは、前記ホルダの前記第2方向の両側に位置する前記固定体の部分と、前記ホルダの前記第3方向の両側に位置する前記固定体の部分の4箇所に設けられ、前記4箇所に設けられた前記コイル保持部のそれぞれに前記空芯コイルが取り付けら
れていることが望ましい。このようにすると、可動体に保持された光学モジュールの撮影画像が手振れなどの外部振動の影響を受ける場合に、磁気駆動機構によって光軸と交差する2軸周りに可動体を揺動させて振れ補正を行うことができる。また、磁気駆動機構は光学モジュールの光軸周りに4組の磁石と空芯コイルを配置した構造であるため、空芯コイルの位置精度を高めることにより、バランス良く可動体を揺動させることができる。従って、高精度な振れ補正を行うことができる。
次に、本発明は、上記の磁気駆動ユニットの製造方法であって、前記コイル取付面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、前記弾性変形部を前記第1方向に弾性変形させて、前記空芯コイルの開口部に前記コイル保持部を圧入する仮固定工程と、前記接着剤が塗布された前記コイル取付面に前記空芯コイルを当接させた状態で前記接着剤を硬化させる本固定工程と、を行うことを特徴とする。このように、本発明では、仮固定を圧入によって行うことができるので、仮固定を容易に、且つ、精度良く行うことができる。また、空芯コイルの固定に用いる接着剤は、本固定の際に用いる1種類だけでよいので、複数の接着剤を用いる必要がない。従って、空芯コイルの位置精度を容易に高めることができる。
本発明によれば、磁気駆動機構の空芯コイルを保持するコイル保持部の外周縁部に、空芯コイルの辺と交差する第1方向に弾性変形する弾性変形部が配置されており、弾性変形部を含むコイル保持部の第1方向の最大外形寸法が空芯コイルの開口幅よりも大きい。従って、弾性変形部を弾性変形させてコイル保持部の第1方向の幅を狭めることができ、コイル保持部を空芯コイルの開口部に圧入して空芯コイルの位置決めおよび仮固定を行うことができる。このようにすると、空芯コイルの位置は弾性変形部の変形に従うので、空芯コイルの位置精度を高めることができる。
本発明を適用した振れ補正機能付き光学ユニットの斜視図である。 図1の振れ補正機能付き光学ユニットの断面図である。 図1の振れ補正機能付き光学ユニットを被写体側から見た分解斜視図である。 図1の振れ補正機能付き光学ユニットを像側から見た分解斜視図である。 ホルダに空芯コイルを取り付けた状態およびホルダの斜視図である。 空芯コイルの正面図、ホルダと磁石の側面図、およびホルダと空芯コイルの断面図である。 振れ補正機能付き光学ユニットの製造方法における空芯コイルの取付工程のフローチャートである。
(全体構成)
以下に、図面を参照して、本発明の磁気駆動ユニットの実施の形態である振れ補正機能付き光学ユニット1を説明する。図1は振れ補正機能付き光学ユニット1の斜視図であり、図1(a)は光軸L方向の被写体側から見た斜視図、図1(b)は光軸L方向の像側から見た斜視図である。図2は振れ補正機能付き光学ユニット1の断面図(図1(b)のA−A断面図)である。図1、図2に示す振れ補正機能付き光学ユニット1は光学モジュール2を搭載しており、例えばカメラ付き携帯電話機、ドライブレコーダー等の光学機器や、ヘルメット、自転車、ラジコンヘリコプター等に搭載されるアクションカメラやウエアラブルカメラ等の光学機器に用いられる。このような光学機器では、撮影時に振れが発生すると、撮像画像に乱れが発生することを回避するため、振れ補正機能付き光学ユニット1に搭載した磁気駆動機構50(図1では図示せず)を駆動して振れを補正する。
本明細書において、XYZの3軸は互いに直交する方向であり、X軸方向の一方側を+
X、他方側を−Xで示し、Y軸方向の一方側を+Y、他方側を−Yで示し、Z軸方向の一方側を+Z、他方側を−Zで示す。Z軸方向は、振れ補正機能付き光学ユニット1に搭載される光学モジュール2の光軸Lが延在する方向である。また、−Z方向は光軸L方向の像側を向く方向、+Z方向は光軸L方向の被写体側を向く方向である。振れ補正機能付き光学ユニット1のX軸周りの回転は、いわゆるピッチング(縦揺れ)に相当し、Y軸周りの回転は、いわゆるヨーイング(横揺れ)に相当する。また、Z軸周りの回転は、いわゆるローリングに相当する。
図3、図4は振れ補正機能付き光学ユニット1の分解斜視図であり、図3は光軸L方向の被写体側から見た斜視図であり、図4は光軸L方向の像側から見た斜視図である。図2〜図4に示すように、振れ補正機能付き光学ユニット1は、可動体10と、固定体20と、可動体10を固定体20に対して揺動可能に支持するジンバル機構30と、可動体10を固定体20に対して相対変位させる磁気駆動力を発生させる磁気駆動機構50と、可動体10と固定体20とを接続する板状バネ70と、フレキシブル配線基板80、90を備える。光学モジュール2や磁気駆動機構50への給電は、フレキシブル配線基板80、90を介して行われる。フレキシブル配線基板80、90は、振れ補正機能付き光学ユニット1が搭載される光学機器の本体側に設けられた制御装置に電気的に接続される。制御装置には、光学モジュール2に設けられるジャイロスコープ7(図2参照)の出力が入力される。制御装置は、光学機器に振れが発生したときに振れを検出するジャイロスコープ7の出力に基づき、磁気駆動機構50を駆動して可動体10を揺動させ、振れ補正を行う。
(固定体)
固定体20は、Z軸方向に見た場合に略正方形の外形をした第1ケース210と、第1ケース210に対して+Z方向側から取り付けられるカバー220と、第1ケース210に対して−Z方向側から取り付けられる第2ケース250を備える。第1ケース210は、磁気駆動機構50のヨークとして用いられる。図3に示すように、第1ケース210は、可動体10の周りを囲む角筒状の胴部211と、胴部211の+Z方向の端部から内側に張り出した矩形枠状の端板部212を備える。端板部212の中央には窓214が形成されている。胴部211は、+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側の各方向に位置する側板部216を備える。側板部216の光軸L方向後側の端部には矩形の切り欠き217が形成されている。
カバー220は、矩形の端板部221と、端板部221から−Z方向に突出する矩形の枠状部222(図4参照)を備える。枠状部222は、端板部221の外形よりも一回り小さい。端板部221の+Z方向側の面には湾曲状に凹んだ凹部225が形成され、凹部225の中央には円形の開口部226が形成されている。枠状部222における2箇所の対角位置には、後述するジンバル機構30の第1接点バネ保持部31が形成されている。
第2ケース250は、第1部材260と、第2部材270と、ストッパー280を備える。第1部材260は、矩形の底板部261(図4参照)と、底板部261の4辺から+Z方向に突出した側板部262を備える。ストッパー280は矩形枠状であり、第1部材260の+Z方向側に取り付けられる。ストッパー280は、4辺の中央において外側に突出する凸部281を備える。図1(a)に示すように、第1部材260と第1ケース210とを組み付けた際、第1部材260の側板部262と第1ケース210の側板部216の切り欠き217との間にストッパー280の凸部281が挟まる。従って、側板部262、凸部281、切り欠き217の縁を溶接等によって接合することができる。
ストッパー280は、可動体10に対して−Z方向側に位置し、可動体10とZ軸方向で重なる(図2参照)。従って、ストッパー280は、可動体10の−Z方向側の可動範囲を制限する。図3に示すように、ストッパー280の中央には開口部282が形成され
ている。また、第1部材260には、底板部261の中央に開口部263が形成されている。第2部材270は、第1部材260に対して−Z方向側から取り付けられ、開口部263を塞いでいる。図4に示すように、第2部材270は、−Z方向に凹む凹部271と、凹部271の外周縁に設けられた縁部272を備えており、縁部272は底板部261に接合される。光学モジュール2や磁気駆動機構50に接続されたフレキシブル配線基板80の引き回し部81およびフレキシブル配線基板90の引き回し部91は、ストッパー280の開口部282、および第1部材260の開口部263を通って凹部271に引き回され、凹部271の側面に形成された配線取り出し口から外部に引き出される。
(磁気駆動機構)
磁気駆動機構50は、固定体20と可動体10の間に設けられた4組の磁石52と空芯コイル53を備える。また、固定体20の第1ケース210は磁性材料からなり、磁気駆動機構50のヨークとして用いられる。磁石52は、第1ケース210の胴部211に保持される。胴部211は+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側の各方向に位置する側板部216を備えており、各側板部216の各々の内面に磁石52が固定されている。空芯コイル53は、可動体10の+X方向側および−X方向側の側面、ならびに可動体10の+Y方向側および−Y方向側の側面に保持される。従って、可動体10と第1ケース210の胴部211との間では、+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側のいずれにおいても、磁石52と空芯コイル53とが対向する。
4つの磁石52は、外面側および内面側に対する着磁パターンが同一である。4つの磁石52は、それぞれ、側板部216に接する外面側と、空芯コイル53に面する内面側が異なる極に着磁されている。また、磁石52は光軸L方向(すなわち、Z軸方向)に2分割され、内面側の磁極が分割位置を境にして異なる。つまり、磁石52の分極線54(図3、図6(b)参照)は、磁石52の分割位置に位置する。分極線54はZ軸方向と直交する。
空芯コイル53は、光軸L方向(すなわち、Z軸方向)と直交する方向に延在する2つの長辺部分531、532(図2、図6(a)参照)と、長辺部分531、532の端部同士を繋ぐ2つの短辺部分533、534(図6(a)参照)とを有する。空芯コイル53は全体として矩形の枠状であり、内周側に開口部535(図6(a)参照)が形成されている。空芯コイル53において、長辺部分531、532と短辺部分533、534が繋がる角部は湾曲状である。2つの長辺部分531、532は磁石52と対向する。このため、空芯コイル53は、長辺部分531、532が有効辺として利用される。長辺部分531、532は、磁石52の分極線54に対して異なる側に位置する。従って、長辺部分531、532は、異なる極と対向する。
磁気駆動機構50は、第1磁気駆動機構50X(図3、図4参照)および第2磁気駆動機構50Y(図3、図4参照)を備える。第1磁気駆動機構50Xは可動体10の+Y方向側および−Y方向側に位置する2組の磁石52および空芯コイル53からなり、第2磁気駆動機構50Yは可動体10の+X方向側および−X方向側に位置する2組の磁石52と空芯コイル53からなる。第1磁気駆動機構50Xの空芯コイル53に通電すると、可動体10を挟んでY軸方向に対向する2か所でX軸周りの同一方向の磁気駆動力が発生するので、X軸周りの同一方向の回転力が可動体10に加わる。また、第2磁気駆動機構50Yの空芯コイル53に通電すると、可動体10を挟んでX軸方向に対向する2か所でY軸周りの同一方向の磁気駆動力が発生するので、Y軸周りの回転力が可動体10に加わる。従って、第1磁気駆動機構50Xによりピッチング(縦揺れ)方向の振れ補正を行うことができる。また、第2磁気駆動機構51Yによりヨーイング(横揺れ)方向の振れ補正を行うことができる。
(可動体)
図2〜図4に示すように、可動体10は、光学モジュール2と、光学モジュール2を保持するホルダ40と、ウェイト11を備える。光学モジュール2は、円柱状の上部モジュール2Aと、上部モジュール2Aの−Z方向側の端部に設けられる下部モジュール2Bを備える。上部モジュール2Aの+Z方向側の端部からは円柱状のレンズユニット4が突出する。ウェイト11は、レンズユニット4の外周側に配置され、ホルダ40に保持される。ウェイト11は非磁性の金属からなり、可動体10のZ軸方向における重心位置を調節する。下部モジュール2Bは直方体状である。下部モジュール2Bは、撮像素子5が実装される第1基板6、およびジャイロスコープ7が実装される第2基板8を備える。第1基板6および第2基板8は、フレキシブル配線基板80に接続される。
図5はホルダ40および空芯コイル53の斜視図であり、図5(a)は空芯コイル53を取り付けたホルダ40の斜視図、図5(b)は空芯コイル53を取り付けていないホルダ40の斜視図である。図2〜図5に示すように、ホルダ40は、枠部41と、スリーブ42と、壁部43を備える。枠部41は、Z軸方向に見た場合の平面形状が略正方向形である。スリーブ42は円筒形であり、枠部41の中央に位置する。壁部43は角筒状であり、枠部41の外周縁に位置する。スリーブ42および壁部43は、枠部41から+Z方向に突出する。図2に示すように、上部モジュール2Aはスリーブ42に保持される。また、ウェイト11は、スリーブ42の先端に形成された段部44に取り付けられる。図2、図4に示すように、枠部41の中央には−Z方向側を向く矩形の凹部45が形成される。凹部45には下部モジュール2Bが配置される。
壁部43は、枠部41の+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側の各側端縁から+Z方向に立ち上がる4箇所の平面部分46を備える。平面部分46はX軸方向もしくはY軸方向に直線状に延在する。4箇所の平面部分46は、それぞれ、磁石52が位置する側を向くコイル取付面47と、コイル取付面47から突出するコイル保持部60を備える。コイル保持部60はコイル取付面47から突出する凸部であり、磁石52と対向する。空芯コイル53はコイル保持部60に取り付けられる。図2に示すように、コイル保持部60は、平面部分46からの突出寸法が空芯コイル53の厚さよりも大きい。従って、コイル保持部60の先端は、空芯コイル53の開口部535から磁石52の側に突出する。このため、振動等によって可動体10がX軸方向もしくはY軸方向に変位する際、コイル保持部60が磁石52と当接して可動体10の移動範囲を規制する。
枠部41には、空芯コイル53に対する給電用の給電部92が取り付けられる。図3、図4に示すように、給電部92は矩形枠状であり、フレキシブル配線基板90の引き回し部91に接続される。給電部92は下部モジュール2Bの外周側に配置され、枠部41に−Z方向側から取り付けられる。給電部92は、図示しない端子ピンを介して、4つの空芯コイル53と接続される。
(ジンバル機構)
可動体10は、支持機構であるジンバル機構30により、光軸Lと交差する第1軸線R1(図3、図4参照)回りに揺動可能に支持されているとともに、光軸Lおよび第1軸線R1と交差する第2軸線R2(図3、図4参照)回りに揺動可能に支持されている。第1軸線R1および第2軸線R2は、固定体20の対角方向であり、光軸Lと直交する。また、第1軸線R1および第2軸線R2は、互いに直交する。ジンバル機構30は、固定体20のカバー220と可動体10のホルダ40との間に構成されている。ジンバル機構30は、第1軸線R1方向で離間する2か所に配置される第1揺動支持部36と、第2軸線R2方向で離間する2か所に配置される第2揺動支持部37と、第1揺動支持部36および第2揺動支持部37によって支持される可動枠39を備える。
図3、図4に示すように、可動枠39は概略矩形状のジンバルばねである。可動枠39は、光軸L回りの4か所に設けられた支点部391と、光軸L回りで隣り合う支点部391を繋ぐ連結部392を備える。各支点部391の内側面には球体が溶接されている。連結部392は、X軸方向もしくはY軸方向に蛇行する形状であり、光軸Lに対して直交する方向に弾性変形可能である。
第1揺動支持部36は、カバー220の第1軸線R1上の対角位置から−Z方向に突出する2箇所の支持板部223、224に設けられた第1接点バネ保持部31と、第1接点バネ保持部31に保持される第1接点バネ33を備える。第1接点バネ33は、U字状に屈曲した金属製の板バネである。第1揺動支持部36は、第1軸線R1方向の対角位置に設けられた支点部391の内周側に配置され、第1軸線R1方向に弾性変形可能な状態に取り付けられた第1接点バネ33を介して可動枠39を支持する。
第2揺動支持部37は、ホルダ40の第2軸線R2上の対角位置に設けられた第2接点バネ保持部32と、第2接点バネ保持部32に保持される第2接点バネ34を備える。第2接点バネ34は、U字状に屈曲した金属製の板バネであり、第1接点バネ33と同一形状である。第2揺動支持部37は、第2軸線R2方向に弾性変形可能な状態に取り付けられた第2接点バネ34を介して可動枠39を支持する。
ホルダ40には、スリーブ42と壁部43との間に空間が設けられ、この空間にジンバル機構30が配置される。すなわち、スリーブ42と壁部43との間の空間には、第2軸線R2上の対角位置に第2接点バネ保持部32が設けられている。また、スリーブ42と壁部43との間の空間には、カバー220に設けられた枠状部222の第1軸線R1上の対角位置から−Z方向に突出する第1接点バネ保持部31が配置される。従って、第1揺動支持部36および第2揺動支持部37に可動枠39を組み付けると、スリーブ42と壁部43との間の空間にジンバル機構30が配置される。
第1接点バネ33および第2接点バネ34には、それぞれ、支点部391に溶接された球体と接触する半球状の凹面が形成される。可動枠39は、光軸L回りの4か所において、半球状の凹面と球体とが点接触することによって支持される。従って、可動枠39は、光軸L方向と直交する2方向(第1軸線R1方向および第2軸線R2方向)の各方向回りに回転可能な状態で支持される。
(板状バネ)
板状バネ70は、固定体20と可動体10とを接続する。磁気駆動機構50が駆動されていない静止状態にあるときの可動体10の姿勢は、板状バネ70によって定まる。板状バネ70は、金属板を加工した矩形枠状のバネ部材である。板状バネ70は、その外周部に設けられた固定体側連結部71と、内周部に設けられた環状の可動体側連結部72と、固定体側連結部71と可動体側連結部72とを接続するアーム部73とを有する。
固定体側連結部71は、カバー220から突出する枠状部222の端面に接着剤により固定される。その際、枠状部222の端面に形成された凸部と固定体側連結部71に形成された孔とを嵌合させて固定体側連結部71を位置決めする。これにより、板状バネ70が固定体20に固定される。一方、可動体側連結部72は、スリーブ42の外周側に装着される。図3、図5に示すように、スリーブ42の外周面には周方向に離れた複数位置に凸部49が形成される。凸部49は、可動体側連結部72に設けられた凹部と係合する。この係合箇所を接着剤で固定することにより、板状バネ70が可動体10に固定される。
(コイル保持部)
図6はコイル保持部60、空芯コイル53、および磁石52の説明図であり、図6(a
)は空芯コイルの正面図、図6(b)はホルダ40および磁石52の側面図、図6(c)はホルダ40及び空芯コイルの断面図(コイル保持部60の断面図)である。上述したように、ホルダ40の壁部43には平面部分46が設けられ、平面部分46には磁石52と対向するコイル取付面47が設けられている。コイル保持部60は、コイル取付面47から磁石52に向けて突出する。以下、+Y方向側を向くコイル取付面47に設けられたコイル保持部60の構成を説明する。なお、他の3方向を向くコイル取付面47に設けられたコイル保持部60についても構成は同じである。
コイル保持部60は、X軸方向に離間して配置された一対の凸部61、62と、Z軸方向に離間して配置された一対の弾性変形部63、64を備える。一対の凸部61、62の間には、平面部分46を貫通する矩形の貫通部48が形成されている。弾性変形部63は貫通部48の+Z方向側の縁に形成され、弾性変形部64は貫通部48の−Z方向側の縁に形成されている。従って、弾性変形部63、64は、貫通部48を挟んでZ軸方向に対向する。凸部61、62と弾性変形部63、64は、コイル取付面47からの突出寸法が同一である。
コイル保持部60は、Z軸方向に延在する基準線Z1に対して線対称に構成されている。すなわち、凸部61、62は同一形状であり、基準線Z1に対して線対称に配置されている。また、弾性変形部63、64は基準線Z1上に位置し、基準線Z1に対して線対称な形状である。貫通部48に対して+X方向側に位置する凸部61は、+X方向を向く側面611と、+Z方向および−Z方向を向く側面612、613とが湾曲状に繋がっている。同様に、貫通部48に対して−X方向側に位置する凸部62は、−X方向を向く側面621と、+Z方向および−Z方向を向く側面622、623とが湾曲状に繋がっている。凸部61、62のZ軸方向の幅Hは、空芯コイル53のZ軸方向の開口幅H1よりも所定寸法小さい。また、凸部61、62のX軸方向の配置幅Wは、空芯コイル53のX軸方向の開口幅W1よりも所定寸法小さい。つまり、凸部61、62の外周面は、全体として、空芯コイル53の開口部535よりも一回り小さい。
コイル保持部60は、凸部61、62のZ軸方向の中央を通りX軸方向に延在する基準線X1に対して線対称に構成されている。すなわち、弾性変形部63、64は同一形状であり、基準線X1に対して線対称に配置されている。弾性変形部63、64は、それぞれ、Z軸方向に所定の厚さを備えており、Z軸方向の厚さ寸法の一部が貫通部48の内周側に張り出している。また、弾性変形部63、64のZ軸方向の厚さ寸法の一部は、凸部61の側面612、613および凸部62の側面622、623よりも外周側へ張り出している。弾性変形部63、64は、それぞれ、コイル保持部60の外周側を向く側面65を備える。弾性変形部63の側面65は+Z方向を向いており、側面612、622よりも+Z方向側に位置する。また、弾性変形部64の側面65は−Z方向を向いており、側面613、623よりも−Z方向側に位置する。
このように、弾性変形部63、64は、コイル保持部60のZ軸方向の外周縁部に配置されている。具体的には、コイル保持部60のZ軸方向の一方側(+Z方向側)の端部に弾性変形部63が配置され、他方側(−Z方向側)の端部に弾性変形部64が配置されている。上述したように、弾性変形部63、64の側面65は、それぞれ、コイル保持部60においてZ軸方向の一方側および他方側に最も突出した位置にある。従って、コイル保持部60のZ軸方向の最大外形寸法H2(最大外形幅)は、弾性変形部63、64のZ軸方向の配置幅となっている。言い換えれば、コイル保持部60のZ軸方向の最大外形寸法H2は、弾性変形部63の側面65と弾性変形部64の側面65との距離である。ここで、弾性変形部63、64の側面65は、それぞれ、コイル取付面47に対して垂直なストレート部651と、ストレート部651の先端からコイル保持部60の内周側へ向けて傾斜する傾斜部652とを備える。従って、ストレート部651が延在する範囲では、コイ
ル保持部60のZ軸方向の最大外形寸法H2は、弾性変形部63の側面65に設けられたストレート部651と、弾性変形部64の側面65に設けられたストレート部651との距離である。コイル保持部60のZ軸方向の最大外形寸法H2は、空芯コイル53のZ軸方向の開口幅H1よりも大きい寸法である。
弾性変形部63、64は、樹脂成型品であるホルダ40の一部であり、Z軸方向に押圧されると押圧力によってZ軸方向に弾性変形可能である。弾性変形部63、64の間には貫通部48が設けられていて隙間があるため、両弾性変形部63、64は互いに接近する方向に弾性変形可能である。コイル保持部60に空芯コイル53を取り付ける際、凸部61、62と共に、弾性変形部63、64が空芯コイル53の開口部535に挿入される。図6(c)に示すように、弾性変形部63、64の傾斜部652の先端間隔H3は、空芯コイル53のZ軸方向の開口幅H1よりも小さい。空芯コイル53は、コイル保持部60に取り付けられる際、テーパ状の傾斜部652によってガイドされる。上述したように、弾性変形部63、64を含むコイル保持部60のZ軸方向の最大外形寸法H2は空芯コイル53のZ軸方向の開口幅H1よりも大きいので、弾性変形部63、64は、空芯コイル53の開口部535への挿入途中で開口部535の内周縁に接触する。さらに挿入を続けると、弾性変形部63、64は互いに接近する方向に弾性変形しながら、開口部535に圧入される。弾性変形部63、64を空芯コイル53の開口部535に圧入することにより、空芯コイル53をホルダ40に対して仮固定することができる。
コイル保持部60は、全体としてX軸方向に長い矩形であり、弾性変形部63、64は、コイル保持部60のX軸方向の中央に位置する。弾性変形部63、64は、空芯コイル53の有効辺である長辺部分531、532の中央に接触する。空芯コイル53にコイル保持部60が圧入される際、空芯コイル53の長辺部分531、532が弾性変形部63、64によってそれぞれ逆方向に均等に押圧される。そして、圧入時の弾性変形部63、64の変形に従って空芯コイル53のZ軸方向の位置決めがなされる。図6(b)に示すように、コイル保持部60は基準線X1を基準として線対称であり、基準線X1は、磁石52の分極線54とZ軸方向の位置が同一である。従って、空芯コイル53は、長辺部分531、532が磁石52の分極線54に対して対称に配置されるように位置決めされる。
(空芯コイル53の取付工程)
図7は振れ補正機能付き光学ユニット1の製造方法における空芯コイル53の取付工程のフローチャートである。空芯コイル53の取付工程は、以下のように行う。まず、ステップS1において、コイル取付面47に接着剤を塗布する(接着剤塗布工程)。接着剤としては、例えば熱硬化型接着剤を用いる。次に、ステップ2では、空芯コイル53の開口部535にコイル保持部60を挿入し、弾性変形部63、64をZ軸方向に弾性変形させて空芯コイル53の開口部535に圧入する。そして、熱硬化型接着剤が塗布されたコイル取付面47に空芯コイル53を当接させる。(仮固定工程)。続いて、ステップS3では、熱硬化型接着剤を硬化させて、空芯コイル53をコイル取付面47に固定する(本固定工程)。
(作用効果)
以上のように、本形態の振れ補正機能付き光学ユニット1は、磁気駆動機構50の空芯コイル53を保持するコイル保持部60の外周縁部に、空芯コイル53の長辺部分531、532と交差する第1方向(Z軸方向)に弾性変形する弾性変形部63、64が配置されている。そして、弾性変形部63、64を含むコイル保持部60の第1方向(Z軸方向)の最大外形寸法H2は、空芯コイル53の第1方向(Z軸方向)の開口幅H1よりも大きい。従って、コイル保持部60を空芯コイル53の開口部535に圧入することにより、空芯コイル53の位置決めおよび仮固定を行うことができる。このようにすると、空芯
コイル53の位置は弾性変形部63、64の変形に従うので、仮固定時に空芯コイル53の位置が設計位置に対してずれるおそれが少ない。従って、空芯コイル53の位置精度を高めることができる。
また、本形態では、空芯コイル53の取り付け工程を行うにあたって、仮固定を弾性変形部63、64の圧入によって行うことができる。従って、仮固定を容易に、且つ、精度良く行うことができる。また、空芯コイル53の固定に用いる接着剤は、本固定の際に用いる1種類だけでよい。従って、仮固定のための接着剤を必要とせず、接着剤の種類が少なくて済む。
本形態のコイル保持部60は、第1方向(Z軸方向)に対向する一対の弾性変形部63、64を備えており、一対の弾性変形部63、64のZ軸方向の配置幅(すなわち、弾性変形部63の側面65と弾性変形部64の側面65との距離)が、空芯コイル53のX軸方向の開口幅H1よりも大きい。従って、Z軸方向に対向する2箇所で弾性変形部63、64が均等に変形するので、空芯コイル53を均等に保持できる。
本形態のコイル保持部60には貫通部48が形成されている。弾性変形部63、64は貫通部48の外周側に位置し、Z軸方向に隙間を空けて配置されている。従って、圧入時に弾性変形部63、64を内周側へ容易に変形させることができるので、空芯コイル53が圧入時に変形するおそれを少なくすることができる。
本形態では、コイル保持部60の弾性変形部63、64は、コイル保持部60のZ軸方向の外側を向く側面65を備え、側面65は、コイル取付面47に対して垂直な方向(Y軸方向)に延在するストレート部651と、ストレート部651の先端からコイル保持部60のZ軸方向の内側へ向けて傾斜する傾斜部652と、を備える。このように、先端にテーパ部(傾斜部652)を設けたことによって、テーパ部に沿ってスムーズに空芯コイル53を導くことができる。従って、コイル保持部60に空芯コイル53を取り付ける作業が容易である。
本形態のコイル保持部60は、コイル取付面47からの突出寸法が空芯コイル53の厚さよりも大きいので、コイル保持部60の先端と、対向する磁石52によりストッパを構成できる。これにより、磁石52と空芯コイル53とが対向する方向に可動体10が動くときの可動範囲を制限できるので、可動体10の動きに追従して変形する部材が過度に変形することを防止できる。
本形態の磁石52は、Z軸方向と交差する分極線54を境に磁極が異なる。空芯コイル53は、分極線54に対して+Z方向側に位置する磁極と対向する第1有効辺である長辺部分531、および、分極線54に対して−Z方向側に位置する磁極と対向する第2有効辺である長辺部分532を備える。このような構成では、コイル保持部60によって、磁石52の分極線54に対する空芯コイル53の有効辺(長辺部分531、532)の位置精度を高めることができる。従って、磁極に対する有効辺(長辺部分531、532)の位置ずれによる駆動力のロスを抑えることができる。
本形態は、光学モジュール2を保持する可動体10と、固定体20と、固定体20に対して可動体10を揺動可能に支持する支持機構であるジンバル機構30と、を備える振れ補正機能付き光学ユニット1において、可動体10のX軸方向(第2方向)の両側とY軸方向(第3方向)の両側の4箇所に磁石52と空芯コイル53に設け、これら4組の磁石52と空芯コイル53によって磁気駆動機構50を構成する。コイル保持部60は、ホルダ40の+X方向、−X方向、+Y方向、−Y方向を向く面の4箇所に設けられる。このような振れ補正機能付き光学ユニット1の磁気駆動機構50において、4組の磁石52と
空芯コイル53のそれぞれについて、空芯コイル53を上記のようなコイル保持部60に取り付けることにより、空芯コイル53の位置精度を高めることができる。従って、バランス良く可動体10を揺動させることができ、高精度な振れ補正を行うことができる。
(変形例)
(1)弾性変形部63、64の間に貫通部48でなく凹部を形成してもよい。凹部があれば弾性変形部63、64の間に隙間が確保される。従って、弾性変形部63、64を内周側へ容易に変形させることができる。
(2)上記形態のコイル保持部60は、空芯コイルの長辺部分531、532と交差する方向(Z軸方向)に弾性変形する一対の弾性変形部63、64を備えているが、このような場合、弾性変形部を長辺部分531、532に沿って複数個設けることができる。また、弾性変形部の寸法をX軸方向に長い形状にすることもできる。このように、長辺方向と交差する方向を圧入時の弾性変形方向とすることにより、弾性変形部の数や形状の自由度を高めることができる。これにより、コイル形状に合わせて弾性変形部を設けることができる。その結果、空芯コイル53の辺を均等に保持できるので、空芯コイル53が変形するおそれを少なくすることができる。
(3)上記形態のコイル保持部60は、Z軸方向に対向する一対の弾性変形部63、64を備えているが、コイル保持部60の外周縁部の少なくとも1箇所に弾性変形部が設けられていればよい。例えば、弾性変形部63、64のうちの一方を省略してもよい。例えば、弾性変形部63を省略した場合、弾性変形部64の側面65と、凸部61、62の側面612、622との距離がコイル保持部のZ軸方向の最大外形寸法となる。従って、この最大外形寸法を空芯コイル53の開口幅H1よりも大きくすれば、長辺部分531を凸部61、62の側面612、622と当接させ、弾性変形部64をZ軸方向に弾性変形させて、空芯コイル53の開口部535に圧入できる。従って、上記形態と同様に、圧入によって空芯コイル53の位置決めおよび仮固定を行うことができる。また、コイル保持部60を弾性変形部のみによって構成してもよい。
(4)上記形態のコイル保持部60は、Z軸方向に対向する一対の弾性変形部63、64を備えているが、X軸方向またはY軸方向に対向する一対の弾性変形部を設けてもよい。
(他の実施形態)
上記形態は、磁気駆動機構50を用いる振れ補正機能付き光学ユニット1に本発明を適用したものであったが、他の用途に用いられる磁気駆動ユニットに本発明を適用することもできる。例えば、磁石52と空芯コイル53の組は4組以外の数であってもよく、その配置も上記のような配置に限定されるものではない。例えば、上記形態では可動体10に空芯コイル53を配置し、固定体20に磁石52を配置しているが、固定体20に上記形態と同様のコイル保持部を設けて空芯コイル53を保持させることもできる。この場合には、ホルダ40のX軸方向の両側に位置する固定体20の部分、および、ホルダ40のY軸方向の両側に位置する固定体20の部分にコイル保持部を設ければよい。また、可動体を揺動させる磁気駆動機構ではなく、可動体を直線方向に移動させる磁気駆動機構を備える磁気駆動ユニットに本発明を適用してもよい。
1…振れ補正機能付き光学ユニット、2…光学モジュール、2A…上部モジュール、2B…下部モジュール、4…レンズユニット、5…撮像素子、6…第1基板、7…ジャイロスコープ、8…第2基板、10…可動体、11…ウェイト、20…固定体、30…ジンバル機構、31…第1接点バネ保持部、32…第2接点バネ保持部、33…第1接点バネ、34…第2接点バネ、36…第1揺動支持部、37…第2揺動支持部、39…可動枠、40
…ホルダ、41…枠部、42…スリーブ、43…壁部、44…段部、45…凹部、46…平面部分、47…コイル取付面、48…貫通部、49…凸部、50…磁気駆動機構、50X…第1磁気駆動機構、50Y…第2磁気駆動機構、52…磁石、53…空芯コイル、54…分極線、60…コイル保持部、61、62…凸部、63、64…弾性変形部、65…側面、70…板状バネ、71…固定体側連結部、72…可動体側連結部、73…アーム部80…フレキシブル配線基板、81…引き回し部、90…フレキシブル配線基板、91…引き回し部、92…給電部、210…第1ケース、211…胴部、212…端板部、214…窓、216…側板部、217…切り欠き、220…カバー、221…端板部、222…枠状部、223、224…支持板部、225…凹部、226…開口部、250…第2ケース、260…第1部材、261…底板部、262…側板部、263…開口部、270…第2部材、271…凹部、272…縁部、280…ストッパー、281…凸部、282…開口部、391…支点部、392…連結部、531、532…長辺部分、533、534…短辺部分、535…開口部、611、612、613…側面、621、622、623…側面、651…ストレート部、652…傾斜部、H…凸部のZ軸方向の幅、H1…空芯コイルのZ軸方向の開口幅、H2…コイル保持部のZ軸方向の最大外形寸法、H3…弾性変形部の傾斜部の先端間隔、L…光軸、R1…第1軸線、R2…第2軸線、W…凸部のX軸方向の配置幅、W1…空芯コイルのX軸方向の開口幅、X1…基準線、Z1…基準線

Claims (9)

  1. 固定体および可動体と、前記固定体に対して前記可動体を移動させる磁気駆動機構と、を有する磁気駆動ユニットであって、
    前記磁気駆動機構は、
    前記固定体および前記可動体の一方に保持される磁石と、
    前記固定体および前記可動体の他方に設けられたコイル取付面から前記磁石に向けて突出するコイル保持部に保持される空芯コイルと、を有し、
    前記コイル保持部は、
    前記空芯コイルの開口部に挿入され、前記空芯コイルの辺に対して交差する第1方向に弾性変形可能な弾性変形部を備え、
    前記弾性変形部は、前記コイル保持部における前記第1方向の外周縁部の少なくとも1箇所に配置され、
    前記コイル保持部の前記第1方向の最大外形寸法は、前記空芯コイルの前記第1方向の開口幅よりも大きいことを特徴とする磁気駆動ユニット。
  2. 前記コイル保持部は、
    前記第1方向に対向する一対の前記弾性変形部を備え、
    前記第1方向の一方側に位置する前記弾性変形部には、前記第1方向の一方側を向く側面が設けられ、前記第1方向の他方側に位置する前記弾性変形部には、前記第1方向の他方側を向く側面が設けられ、
    前記第1方向の一方側を向く側面と前記第1方向の他方側を向く側面との距離は、前記空芯コイルの前記第1方向の開口幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の磁気駆動ユニット。
  3. 前記第1方向の一方側を向く側面および前記第1方向の他方側を向く側面は、それぞれ、前記コイル取付面に対して垂直な方向に延在するストレート部と、前記ストレート部の先端から前記コイル保持部の内周側へ向けて傾斜する傾斜部と、を備え、
    前記第1方向の一方側を向く前記ストレート部と前記第1方向の他方側を向く前記ストレート部との距離は、前記空芯コイルの前記第1方向の開口幅よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の磁気駆動ユニット。
  4. 前記コイル保持部は、前記コイル取付面を貫通する貫通部もしくは凹部を備え、
    前記弾性変形部は、前記貫通部もしくは凹部の外周側に位置することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の磁気駆動ユニット。
  5. 前記第1方向は、前記空芯コイルの長辺と交差する方向であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の磁気駆動ユニット。
  6. 前記コイル保持部は、前記コイル取付面からの突出寸法が前記空芯コイルの厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の磁気駆動ユニット。
  7. 前記磁石は前記第1方向と交差する分極線を境に磁極が異なり、
    前記空芯コイルは、前記分極線に対して第1方向の一方側に位置する磁極と対向する第1有効辺、および、前記分極線に対して第1方向の他方側に位置する磁極と対向する第2有効辺を備えることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の磁気駆動ユニット。
  8. 前記固定体に対して前記可動体を揺動可能に支持する支持機構を有し、
    前記可動体は、光学モジュールと、前記光学モジュールを保持するホルダを備え、
    前記第1方向と交差する方向を第2方向、前記第1方向および前記第2方向と交差する方向を第3方向とするとき、
    対向する前記磁石と前記空芯コイルの組は、前記ホルダの前記第2方向の両側と、前記ホルダの前記第3方向の両側の4箇所に設けられ、
    前記コイル保持部は、前記ホルダの前記第2方向の両側を向く部分と、前記ホルダの前記第3方向の両側を向く部分の4箇所、もしくは、前記ホルダの前記第2方向の両側に位置する前記固定体の部分と、前記ホルダの前記第3方向の両側に位置する前記固定体の部分の4箇所に設けられ、
    前記4箇所に設けられた前記コイル保持部のそれぞれに前記空芯コイルが取り付けられていることを特徴とする請求項7に記載の磁気駆動ユニット。
  9. 請求項1から8の何れか一項に記載の磁気駆動ユニットの製造方法であって、
    前記コイル取付面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
    前記弾性変形部を前記第1方向に弾性変形させて、前記空芯コイルの開口部に前記コイル保持部を圧入する仮固定工程と、
    前記接着剤が塗布された前記コイル取付面に前記空芯コイルを当接させた状態で前記接着剤を硬化させる本固定工程と、を行うことを特徴とする磁気駆動ユニットの製造方法。
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