JP6600563B2 - 磁気駆動ユニットおよび磁気駆動ユニットの製造方法 - Google Patents
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が容易であるとともに、仮固定のための接着剤を必要とせず、接着剤の種類が少なくて済む。
れていることが望ましい。このようにすると、可動体に保持された光学モジュールの撮影画像が手振れなどの外部振動の影響を受ける場合に、磁気駆動機構によって光軸と交差する2軸周りに可動体を揺動させて振れ補正を行うことができる。また、磁気駆動機構は光学モジュールの光軸周りに4組の磁石と空芯コイルを配置した構造であるため、空芯コイルの位置精度を高めることにより、バランス良く可動体を揺動させることができる。従って、高精度な振れ補正を行うことができる。
以下に、図面を参照して、本発明の磁気駆動ユニットの実施の形態である振れ補正機能付き光学ユニット1を説明する。図1は振れ補正機能付き光学ユニット1の斜視図であり、図1(a)は光軸L方向の被写体側から見た斜視図、図1(b)は光軸L方向の像側から見た斜視図である。図2は振れ補正機能付き光学ユニット1の断面図(図1(b)のA−A断面図)である。図1、図2に示す振れ補正機能付き光学ユニット1は光学モジュール2を搭載しており、例えばカメラ付き携帯電話機、ドライブレコーダー等の光学機器や、ヘルメット、自転車、ラジコンヘリコプター等に搭載されるアクションカメラやウエアラブルカメラ等の光学機器に用いられる。このような光学機器では、撮影時に振れが発生すると、撮像画像に乱れが発生することを回避するため、振れ補正機能付き光学ユニット1に搭載した磁気駆動機構50(図1では図示せず)を駆動して振れを補正する。
X、他方側を−Xで示し、Y軸方向の一方側を+Y、他方側を−Yで示し、Z軸方向の一方側を+Z、他方側を−Zで示す。Z軸方向は、振れ補正機能付き光学ユニット1に搭載される光学モジュール2の光軸Lが延在する方向である。また、−Z方向は光軸L方向の像側を向く方向、+Z方向は光軸L方向の被写体側を向く方向である。振れ補正機能付き光学ユニット1のX軸周りの回転は、いわゆるピッチング(縦揺れ)に相当し、Y軸周りの回転は、いわゆるヨーイング(横揺れ)に相当する。また、Z軸周りの回転は、いわゆるローリングに相当する。
固定体20は、Z軸方向に見た場合に略正方形の外形をした第1ケース210と、第1ケース210に対して+Z方向側から取り付けられるカバー220と、第1ケース210に対して−Z方向側から取り付けられる第2ケース250を備える。第1ケース210は、磁気駆動機構50のヨークとして用いられる。図3に示すように、第1ケース210は、可動体10の周りを囲む角筒状の胴部211と、胴部211の+Z方向の端部から内側に張り出した矩形枠状の端板部212を備える。端板部212の中央には窓214が形成されている。胴部211は、+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側の各方向に位置する側板部216を備える。側板部216の光軸L方向後側の端部には矩形の切り欠き217が形成されている。
ている。また、第1部材260には、底板部261の中央に開口部263が形成されている。第2部材270は、第1部材260に対して−Z方向側から取り付けられ、開口部263を塞いでいる。図4に示すように、第2部材270は、−Z方向に凹む凹部271と、凹部271の外周縁に設けられた縁部272を備えており、縁部272は底板部261に接合される。光学モジュール2や磁気駆動機構50に接続されたフレキシブル配線基板80の引き回し部81およびフレキシブル配線基板90の引き回し部91は、ストッパー280の開口部282、および第1部材260の開口部263を通って凹部271に引き回され、凹部271の側面に形成された配線取り出し口から外部に引き出される。
磁気駆動機構50は、固定体20と可動体10の間に設けられた4組の磁石52と空芯コイル53を備える。また、固定体20の第1ケース210は磁性材料からなり、磁気駆動機構50のヨークとして用いられる。磁石52は、第1ケース210の胴部211に保持される。胴部211は+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側の各方向に位置する側板部216を備えており、各側板部216の各々の内面に磁石52が固定されている。空芯コイル53は、可動体10の+X方向側および−X方向側の側面、ならびに可動体10の+Y方向側および−Y方向側の側面に保持される。従って、可動体10と第1ケース210の胴部211との間では、+X方向側、−X方向側、+Y方向側、−Y方向側のいずれにおいても、磁石52と空芯コイル53とが対向する。
図2〜図4に示すように、可動体10は、光学モジュール2と、光学モジュール2を保持するホルダ40と、ウェイト11を備える。光学モジュール2は、円柱状の上部モジュール2Aと、上部モジュール2Aの−Z方向側の端部に設けられる下部モジュール2Bを備える。上部モジュール2Aの+Z方向側の端部からは円柱状のレンズユニット4が突出する。ウェイト11は、レンズユニット4の外周側に配置され、ホルダ40に保持される。ウェイト11は非磁性の金属からなり、可動体10のZ軸方向における重心位置を調節する。下部モジュール2Bは直方体状である。下部モジュール2Bは、撮像素子5が実装される第1基板6、およびジャイロスコープ7が実装される第2基板8を備える。第1基板6および第2基板8は、フレキシブル配線基板80に接続される。
可動体10は、支持機構であるジンバル機構30により、光軸Lと交差する第1軸線R1(図3、図4参照)回りに揺動可能に支持されているとともに、光軸Lおよび第1軸線R1と交差する第2軸線R2(図3、図4参照)回りに揺動可能に支持されている。第1軸線R1および第2軸線R2は、固定体20の対角方向であり、光軸Lと直交する。また、第1軸線R1および第2軸線R2は、互いに直交する。ジンバル機構30は、固定体20のカバー220と可動体10のホルダ40との間に構成されている。ジンバル機構30は、第1軸線R1方向で離間する2か所に配置される第1揺動支持部36と、第2軸線R2方向で離間する2か所に配置される第2揺動支持部37と、第1揺動支持部36および第2揺動支持部37によって支持される可動枠39を備える。
板状バネ70は、固定体20と可動体10とを接続する。磁気駆動機構50が駆動されていない静止状態にあるときの可動体10の姿勢は、板状バネ70によって定まる。板状バネ70は、金属板を加工した矩形枠状のバネ部材である。板状バネ70は、その外周部に設けられた固定体側連結部71と、内周部に設けられた環状の可動体側連結部72と、固定体側連結部71と可動体側連結部72とを接続するアーム部73とを有する。
図6はコイル保持部60、空芯コイル53、および磁石52の説明図であり、図6(a
)は空芯コイルの正面図、図6(b)はホルダ40および磁石52の側面図、図6(c)はホルダ40及び空芯コイルの断面図(コイル保持部60の断面図)である。上述したように、ホルダ40の壁部43には平面部分46が設けられ、平面部分46には磁石52と対向するコイル取付面47が設けられている。コイル保持部60は、コイル取付面47から磁石52に向けて突出する。以下、+Y方向側を向くコイル取付面47に設けられたコイル保持部60の構成を説明する。なお、他の3方向を向くコイル取付面47に設けられたコイル保持部60についても構成は同じである。
ル保持部60のZ軸方向の最大外形寸法H2は、弾性変形部63の側面65に設けられたストレート部651と、弾性変形部64の側面65に設けられたストレート部651との距離である。コイル保持部60のZ軸方向の最大外形寸法H2は、空芯コイル53のZ軸方向の開口幅H1よりも大きい寸法である。
図7は振れ補正機能付き光学ユニット1の製造方法における空芯コイル53の取付工程のフローチャートである。空芯コイル53の取付工程は、以下のように行う。まず、ステップS1において、コイル取付面47に接着剤を塗布する(接着剤塗布工程)。接着剤としては、例えば熱硬化型接着剤を用いる。次に、ステップ2では、空芯コイル53の開口部535にコイル保持部60を挿入し、弾性変形部63、64をZ軸方向に弾性変形させて空芯コイル53の開口部535に圧入する。そして、熱硬化型接着剤が塗布されたコイル取付面47に空芯コイル53を当接させる。(仮固定工程)。続いて、ステップS3では、熱硬化型接着剤を硬化させて、空芯コイル53をコイル取付面47に固定する(本固定工程)。
以上のように、本形態の振れ補正機能付き光学ユニット1は、磁気駆動機構50の空芯コイル53を保持するコイル保持部60の外周縁部に、空芯コイル53の長辺部分531、532と交差する第1方向(Z軸方向)に弾性変形する弾性変形部63、64が配置されている。そして、弾性変形部63、64を含むコイル保持部60の第1方向(Z軸方向)の最大外形寸法H2は、空芯コイル53の第1方向(Z軸方向)の開口幅H1よりも大きい。従って、コイル保持部60を空芯コイル53の開口部535に圧入することにより、空芯コイル53の位置決めおよび仮固定を行うことができる。このようにすると、空芯
コイル53の位置は弾性変形部63、64の変形に従うので、仮固定時に空芯コイル53の位置が設計位置に対してずれるおそれが少ない。従って、空芯コイル53の位置精度を高めることができる。
空芯コイル53のそれぞれについて、空芯コイル53を上記のようなコイル保持部60に取り付けることにより、空芯コイル53の位置精度を高めることができる。従って、バランス良く可動体10を揺動させることができ、高精度な振れ補正を行うことができる。
(1)弾性変形部63、64の間に貫通部48でなく凹部を形成してもよい。凹部があれば弾性変形部63、64の間に隙間が確保される。従って、弾性変形部63、64を内周側へ容易に変形させることができる。
上記形態は、磁気駆動機構50を用いる振れ補正機能付き光学ユニット1に本発明を適用したものであったが、他の用途に用いられる磁気駆動ユニットに本発明を適用することもできる。例えば、磁石52と空芯コイル53の組は4組以外の数であってもよく、その配置も上記のような配置に限定されるものではない。例えば、上記形態では可動体10に空芯コイル53を配置し、固定体20に磁石52を配置しているが、固定体20に上記形態と同様のコイル保持部を設けて空芯コイル53を保持させることもできる。この場合には、ホルダ40のX軸方向の両側に位置する固定体20の部分、および、ホルダ40のY軸方向の両側に位置する固定体20の部分にコイル保持部を設ければよい。また、可動体を揺動させる磁気駆動機構ではなく、可動体を直線方向に移動させる磁気駆動機構を備える磁気駆動ユニットに本発明を適用してもよい。
…ホルダ、41…枠部、42…スリーブ、43…壁部、44…段部、45…凹部、46…平面部分、47…コイル取付面、48…貫通部、49…凸部、50…磁気駆動機構、50X…第1磁気駆動機構、50Y…第2磁気駆動機構、52…磁石、53…空芯コイル、54…分極線、60…コイル保持部、61、62…凸部、63、64…弾性変形部、65…側面、70…板状バネ、71…固定体側連結部、72…可動体側連結部、73…アーム部80…フレキシブル配線基板、81…引き回し部、90…フレキシブル配線基板、91…引き回し部、92…給電部、210…第1ケース、211…胴部、212…端板部、214…窓、216…側板部、217…切り欠き、220…カバー、221…端板部、222…枠状部、223、224…支持板部、225…凹部、226…開口部、250…第2ケース、260…第1部材、261…底板部、262…側板部、263…開口部、270…第2部材、271…凹部、272…縁部、280…ストッパー、281…凸部、282…開口部、391…支点部、392…連結部、531、532…長辺部分、533、534…短辺部分、535…開口部、611、612、613…側面、621、622、623…側面、651…ストレート部、652…傾斜部、H…凸部のZ軸方向の幅、H1…空芯コイルのZ軸方向の開口幅、H2…コイル保持部のZ軸方向の最大外形寸法、H3…弾性変形部の傾斜部の先端間隔、L…光軸、R1…第1軸線、R2…第2軸線、W…凸部のX軸方向の配置幅、W1…空芯コイルのX軸方向の開口幅、X1…基準線、Z1…基準線
Claims (9)
- 固定体および可動体と、前記固定体に対して前記可動体を移動させる磁気駆動機構と、を有する磁気駆動ユニットであって、
前記磁気駆動機構は、
前記固定体および前記可動体の一方に保持される磁石と、
前記固定体および前記可動体の他方に設けられたコイル取付面から前記磁石に向けて突出するコイル保持部に保持される空芯コイルと、を有し、
前記コイル保持部は、
前記空芯コイルの開口部に挿入され、前記空芯コイルの辺に対して交差する第1方向に弾性変形可能な弾性変形部を備え、
前記弾性変形部は、前記コイル保持部における前記第1方向の外周縁部の少なくとも1箇所に配置され、
前記コイル保持部の前記第1方向の最大外形寸法は、前記空芯コイルの前記第1方向の開口幅よりも大きいことを特徴とする磁気駆動ユニット。 - 前記コイル保持部は、
前記第1方向に対向する一対の前記弾性変形部を備え、
前記第1方向の一方側に位置する前記弾性変形部には、前記第1方向の一方側を向く側面が設けられ、前記第1方向の他方側に位置する前記弾性変形部には、前記第1方向の他方側を向く側面が設けられ、
前記第1方向の一方側を向く側面と前記第1方向の他方側を向く側面との距離は、前記空芯コイルの前記第1方向の開口幅よりも大きいことを特徴とする請求項1に記載の磁気駆動ユニット。 - 前記第1方向の一方側を向く側面および前記第1方向の他方側を向く側面は、それぞれ、前記コイル取付面に対して垂直な方向に延在するストレート部と、前記ストレート部の先端から前記コイル保持部の内周側へ向けて傾斜する傾斜部と、を備え、
前記第1方向の一方側を向く前記ストレート部と前記第1方向の他方側を向く前記ストレート部との距離は、前記空芯コイルの前記第1方向の開口幅よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の磁気駆動ユニット。 - 前記コイル保持部は、前記コイル取付面を貫通する貫通部もしくは凹部を備え、
前記弾性変形部は、前記貫通部もしくは凹部の外周側に位置することを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の磁気駆動ユニット。 - 前記第1方向は、前記空芯コイルの長辺と交差する方向であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の磁気駆動ユニット。
- 前記コイル保持部は、前記コイル取付面からの突出寸法が前記空芯コイルの厚さよりも大きいことを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の磁気駆動ユニット。
- 前記磁石は前記第1方向と交差する分極線を境に磁極が異なり、
前記空芯コイルは、前記分極線に対して第1方向の一方側に位置する磁極と対向する第1有効辺、および、前記分極線に対して第1方向の他方側に位置する磁極と対向する第2有効辺を備えることを特徴とする請求項1から6の何れか一項に記載の磁気駆動ユニット。 - 前記固定体に対して前記可動体を揺動可能に支持する支持機構を有し、
前記可動体は、光学モジュールと、前記光学モジュールを保持するホルダを備え、
前記第1方向と交差する方向を第2方向、前記第1方向および前記第2方向と交差する方向を第3方向とするとき、
対向する前記磁石と前記空芯コイルの組は、前記ホルダの前記第2方向の両側と、前記ホルダの前記第3方向の両側の4箇所に設けられ、
前記コイル保持部は、前記ホルダの前記第2方向の両側を向く部分と、前記ホルダの前記第3方向の両側を向く部分の4箇所、もしくは、前記ホルダの前記第2方向の両側に位置する前記固定体の部分と、前記ホルダの前記第3方向の両側に位置する前記固定体の部分の4箇所に設けられ、
前記4箇所に設けられた前記コイル保持部のそれぞれに前記空芯コイルが取り付けられていることを特徴とする請求項7に記載の磁気駆動ユニット。 - 請求項1から8の何れか一項に記載の磁気駆動ユニットの製造方法であって、
前記コイル取付面に接着剤を塗布する接着剤塗布工程と、
前記弾性変形部を前記第1方向に弾性変形させて、前記空芯コイルの開口部に前記コイル保持部を圧入する仮固定工程と、
前記接着剤が塗布された前記コイル取付面に前記空芯コイルを当接させた状態で前記接着剤を硬化させる本固定工程と、を行うことを特徴とする磁気駆動ユニットの製造方法。
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