JP6599755B2 - 通信システム、通信マスタ及び端末 - Google Patents
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Description
前記問題点を解決する通信マスタは、端末と通信する通信マスタであって、送信信号を前記端末に送信し、前記端末が前記送信信号を受信してから所定時間後に前記送信信号に対する返信として送信する返信信号を受信し、前記送信信号の送信時刻から前記返信信号の受信時刻までの時間である遅延時間を、前記通信マスタのクロックに基づいて測定する測定部と、前記通信マスタ及び前記端末の間のクロックの誤差を推定する誤差算出部と、を備え、前記測定部は、前記測定を複数回実行し、前記端末は、前記所定時間を、前記測定が前に実行された際に使用された第1の所定時間から、既知である規定時間に対応する前記端末のクロックに基づいて演算した時間だけ前記第1の所定時間を変更した第2の所定時間に変化させ、前記誤差算出部は、前記規定時間、前記所定時間が前記第1の所定時間である場合に測定した前記遅延時間、及び前記所定時間が前記第2の所定時間である場合に測定した前記遅延時間に基づいて、前記通信マスタ及び前記端末の間のクロックの誤差を推定する。
前記問題点を解決する端末は、通信マスタと通信する端末であって、前記通信マスタから送信された送信信号を受信し、前記送信信号を受信してから所定時間後に前記送信信号に対する返信である返信信号を送信することを含む通信処理を複数回実行する際に前記所定時間を変化させる切替部を備え、前記切替部は、前記所定時間を、前記通信処理が前に実行された際に使用された第1の所定時間から、既知である規定時間に対応する前記端末のクロックに基づいて演算した時間だけ前記第1の所定時間を変更した第2の所定時間に変化させる。
図1に示すように、遅延時間推定装置1は、遅延時間Tsの推定の動作を管理する通信マスタ2と、遅延時間推定の対象となる端末3とを備える。通信マスタ2及び端末3は、双方が交互に電波を送信し合う半二重通信を通じて、遅延時間Tsの推定を行う。また、通信マスタ2及び端末3の間の通信に用いる周波数は、同じに限らず異なっていてもよく、種々の周波数が採用可能である。
[クロックずれがない場合]
図3に示すように、まず通信マスタ2のCPUと端末3のCPUとの間にクロックずれがない場合を想定する。クロックの誤差eの判定に先立ち、通信マスタ2及び端末3は、通常通りの形式に沿い、遅延時間Tsを測定する。すなわち、端末3は、通信マスタ2から送信電波Saを受信すると、規定時間Δtを待つことなく、データ保持時間t1経過後、返信電波Sbを送信する。通信マスタ2は、端末3から返信電波Sbを受信すると、遅延時間「Ts1」を算出する。
図4に示すように、続いて通信マスタ2のCPUと端末3のCPUとの間にクロックずれがある場合を想定する。なお、クロックに誤差eが存在する場合、端末3におけるデータ保持時間t1’は、「t1×(1+e)」の値をとる。すなわち、クロックずれのない通常時のt1に「t1×e」のずれが発生した時間長となる。また、通信マスタ2において算出される遅延時間Ts1’は、「2τ+t1×(1+e)」となる。すなわち、クロックずれのない通常のTs1に、「t1×e」のずれが発生した時間長となる。
(1)遅延時間Tsを測定するにあたり、端末3で送信電波Saを受信してから返信電波Sbを返信するまでに要する時間(データ保持時間t1,t1’)を、規定時間Δt、変化させ、実際に求めた遅延時間Ts(Ts1,Ts2)と、既知である規定時間Δtとを基に、通信マスタ2及び端末3の間のクロックの誤差eを求める。このとき、クロックに誤差eがなければ、遅延時間Tsが規定時間Δtだけずれるのに対し、クロックに誤差eがあると、遅延時間Tsのずれが規定時間Δtとはならない。これにより、クロック誤差を算出して、演算により求めた遅延時間Tsに反映することが可能となる。よって、遅延時間Tsの推定の精度を向上することができる。
・規定時間Δtは、一定時間に限らず、途中で切り替わるなど、可変としてもよい。
・クロックずれの確認は、1回のみ実施されることに限らず、複数回実施されてもよい。
・通信マスタ2は、種々の機器や装置に搭載可能である。
・送信電波Saは、種々の電波に変更可能である。例えば、電子キーシステムに適用した場合、ID照合の通信課程で送受される電波を用いてもよい。すなわち、種々の通信の過程に本例の遅延時間測定のロジックを組み込むことが可能である。
・端末3は、電子キーに限らず、種々の通信端末に変更可能である。
・通信マスタ2及び端末3は、半二重通信方式に限らず、全二重通信方式により遅延時間Tsを推定してもよい。
(イ)前記遅延時間推定装置において、前記遅延時間(推定遅延時間)は、前記返信電波の送信を規定時間変化させない状態下で求めた第1遅延時間(第1推定遅延時間)と、前記返信電波の送信を規定時間変化させた状態下で求めた第2遅延時間(第2推定遅延時間)とを備える。この構成によれば、これらパラメータを用いて、クロックの誤差を算出することが可能となる。
Claims (8)
- 端末、及び前記端末と通信する通信マスタを有する通信システムであって、
前記通信マスタは、送信信号を前記端末に送信し、
前記端末は、前記送信信号を受信してから所定時間後に前記送信信号に対する返信である返信信号を送信し、
前記通信マスタは、前記返信信号を受信し、
前記通信マスタは、前記送信信号の送信時刻から前記返信信号の受信時刻までの時間である遅延時間を、前記通信マスタのクロックに基づいて測定する測定部を備え、
前記端末は、前記所定時間を変化させる切替部を備え、
前記通信システムは、前記測定を複数回実行し、
前記切替部は、前記所定時間を、前記測定が前に実行された際に使用された第1の所定時間から、既知である規定時間に対応する前記端末のクロックに基づいて演算した時間だけ前記第1の所定時間を変更した第2の所定時間に変化させ、
前記通信マスタは、前記規定時間、前記所定時間が前記第1の所定時間である場合に測定した前記遅延時間、及び前記所定時間が前記第2の所定時間である場合に測定した前記遅延時間に基づいて、前記通信マスタ及び前記端末の間のクロックの誤差を推定する誤差算出部を備える、通信システム。 - 前記通信マスタは、前記誤差算出部が推定した前記通信マスタ及び前記端末の間のクロックの誤差に基づいて、前記送信信号の送信時刻から前記返信信号の受信時刻までの時間である前記遅延時間を補正する補正処理部をさらに備える、請求項1に記載の通信システム。
- 前記遅延時間は、前記通信マスタから送信された前記送信信号が前記端末に到達するまでの時間である往路遅延時間、前記所定時間、及び前記端末から送信された前記返信信号が前記通信マスタに到達するまでの時間である復路遅延時間を含み、
前記補正処理部は、前記遅延時間のうち前記所定時間を補正する、請求項2に記載の通信システム。 - 前記補正処理部によって求められた前記遅延時間を基に、前記通信マスタ及び前記端末の間の通信の正否を判定する正否判定部を備える、請求項2又は請求項3に記載の通信システム。
- 前記誤差算出部は、前記所定時間が前記第1の所定時間である場合に測定した前記遅延時間に前記規定時間を加算した値を正値とし、前記所定時間が前記第2の所定時間である場合に測定した前記遅延時間と前記正値との差から、前記通信マスタ及び前記端末の間のクロックの誤差を推定する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の通信システム。
- 前記通信マスタが車両に設けられ、前記端末が電子キーであり、前記車両及び前記電子キーの間で行われるID照合の通信の正否が判定される、請求項4に記載の通信システム。
- 端末と通信する通信マスタであって、
送信信号を前記端末に送信し、前記端末が前記送信信号を受信してから所定時間後に前記送信信号に対する返信として送信する返信信号を受信し、前記送信信号の送信時刻から前記返信信号の受信時刻までの時間である遅延時間を、前記通信マスタのクロックに基づいて測定する測定部と、
前記通信マスタ及び前記端末の間のクロックの誤差を推定する誤差算出部と、
を備え、
前記測定部は、前記測定を複数回実行し、
前記端末は、前記所定時間を、前記測定が前に実行された際に使用された第1の所定時間から、既知である規定時間に対応する前記端末のクロックに基づいて演算した時間だけ前記第1の所定時間を変更した第2の所定時間に変化させ、
前記誤差算出部は、前記規定時間、前記所定時間が前記第1の所定時間である場合に測定した前記遅延時間、及び前記所定時間が前記第2の所定時間である場合に測定した前記遅延時間に基づいて、前記通信マスタ及び前記端末の間のクロックの誤差を推定する、通信マスタ。 - 通信マスタと通信する端末であって、
前記通信マスタから送信された送信信号を受信し、前記送信信号を受信してから所定時間後に前記送信信号に対する返信である返信信号を送信することを含む通信処理を複数回実行する際に前記所定時間を変化させる切替部を備え、
前記切替部は、前記所定時間を、前記通信処理が前に実行された際に使用された第1の所定時間から、既知である規定時間に対応する前記端末のクロックに基づいて演算した時間だけ前記第1の所定時間を変更した第2の所定時間に変化させる、端末。
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