JP6588389B2 - 通信不正成立防止システム - Google Patents

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Description

本発明は、不正な通信成立を防止する通信不正成立防止システムに関する。
従来、車両等において、電子キーから電子キーIDを車両に無線送信してID照合を行う電子キーシステムが周知である。ところで、この種の電子キーシステムにおいては、ユーザの意志によらないところでID照合成立を謀る不正行為として、中継器を使った不正行為(中継器使用不正行為:特許文献1等参照)というものがある。中継器使用不正行為は、例えば電子キーが車両から遠い場所に位置する際に、この電子キーを複数の中継器によって車両と繋いで電波を中継し、これら2者間の通信を成立させる行為である。よって、ユーザが気付かないところでID照合が成立されてしまうので、第三者によって不正にドア解錠やエンジンが始動されてしまう可能性がある。
特開2006−161545号公報
中継器を使用した不正通信に対する対策をとるにあたっては、この不正通信を確実に検出したいニーズがあった。
本発明の目的は、不正通信を精度よく検出することができる通信不正成立防止システムを提供することにある。
前記問題点を解決する通信不正成立防止システムは、通信マスタからの送信電波を端末に受信させて当該端末から返信電波を返信させることにより、前記送信電波を送信してから前記返信電波を受信するまでの遅延時間を測定し、当該遅延時間から2者間の通信の正否を判定する構成において、前記返信電波又は前記送信電波における搬送波のパラメータを設定するパラメータ設定部と、受信された前記返信電波又は送信電波において前記搬送波のパラメータを確認することにより、通信の正否を判定する正否判定部とを備えた。
本構成によれば、通信マスタ及び端末の間で送受信される電波の遅延時間を確認して通信の正否を確認するにあたり、返信電波又は送信電波の搬送波パラメータを変化させ、送信電波の搬送波パラメータと返信電波の搬送波パラメータとを基に通信の正否を判定する。ところで、中継器を使用した不正通信の場合、両者の搬送波パラメータの相関がなくなり、このときの通信を、中継器を使用した不正通信であると判定することが可能となる。よって、不正通信を精度よく検出することが可能となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、前記通信マスタ及び端末の間で電波を送受信して前記遅延時間を測定する処理は、複数周期で実行され、前記パラメータ設定部は、複数周期の中のある周期の搬送波において当該搬送波のパラメータを変化させることが好ましい。この構成によれば、複数周期のうちの所定周期の搬送波パラメータを変化させるので、どの周期で搬送波パラメータが変化するのかを予想され難くすることが可能となる。よって、不正通信を成立させ難くするのに一層有利となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、前記通信マスタは、前記送信電波を複数の搬送波周波数で送信して、その電波に準じた複数の搬送波周波数を有する前記返信電波を前記端末に返信させる通信を通じて、前記遅延時間を測定することが好ましい。この構成によれば、搬送波周波数を複数有するようにしたので、例えば搬送波周波数が1つのときに比べて、不正通信をより正しく検出するのに一層有利となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、前記パラメータ設定部は、搬送波パラメータの設定にあたり、ある周期の搬送波において搬送波周波数を変化させることが好ましい。この構成によれば、搬送波周波数を変化させる処理により、精度よく不正通信を検出することが可能となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、前記パラメータ設定部は、搬送波パラメータの設定にあたり、ある周期の搬送波において1周期内の搬送波周波数の送信順番を変化させることが好ましい。この構成によれば、搬送波周波数の送信順番を変化させる処理により、精度よく不正通信を検出することが可能となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、前記パラメータ設定部は、搬送波パラメータの設定にあたり、ある周期の搬送波において1周期内の搬送波周波数の組み合わせを変化させることが好ましい。この構成によれば、搬送波周波数の組み合わせを変化させる処理により、精度よく不正通信を検出することが可能となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、前記パラメータ設定部は、搬送波パラメータの設定にあたり、ある周期の搬送波において1周期内の搬送波周波数同士の振幅比を変化させることが好ましい。この構成によれば、搬送波周波数同士の振幅比を変化させる処理により、精度よく不正通信を検出することが可能となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、前記パラメータ設定部は、搬送波パラメータの設定にあたり、ある周期の搬送波において搬送波周波数の初期位相を変化させることが好ましい。この構成によれば、搬送波周波数の初期位相を変化させる処理により、精度よく不正通信を検出することが可能となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、前記パラメータ設定部は、搬送波パラメータの設定にあたり、ある周期の搬送波において1周期内の搬送波周波数の周波数間隔を変化させることが好ましい。この構成によれば、搬送波周波数の周波数間隔を変化させる処理により、精度よく不正通信を検出することが可能となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、搬送波パラメータを変更して通信の正否を判定する処理は、複数回実行されることが好ましい。この構成によれば、不正通信か否かの判定が複数の周期に亘って行われるので、不正通信をより正しく検出するのに有利となる。
前記通信不正成立防止システムにおいて、搬送波パラメータの設定は、端末側で実行されることが好ましい。この構成によれば、搬送波パラメータを変化させる機能を通信マスタに設けなくてもよいので、通信マスタの構成を複雑化させずに済む。
前記通信不正成立防止システムにおいて、搬送波パラメータの設定は、通信マスタ側で実行されることが好ましい。この構成によれば、通信マスタからの送信電波を中継器で中継する不正通信において、実際の遅延時間とは異なる時間を遅延させ、通信を不正に成立させてしまう行為が行われても、これを不正通信として検出することが可能となる。よって、不正通信の成立防止に一層有利となる。
本発明によれば、不正通信を精度よく検出することができる。
第1実施形態の通信不正成立防止システムの構成図。 (a),(b)は不正通信の具体例を示す説明図。 遅延時間推定の通信シーケンス図。 第2実施形態の遅延時間推定の通信シーケンス図。 第3実施形態の遅延時間推定の通信シーケンス図。 第4実施形態の遅延時間推定の通信シーケンス図。 (a),(b)は第5実施形態の搬送波周波数の初期位相を示す波形図。 遅延時間推定の通信シーケンス図。 第6実施形態の遅延時間推定の通信シーケンス図。 中継器を使用した不正通信の具体例を示す説明図。 第7実施形態の通信不正成立防止システムの構成図。 遅延時間推定の通信シーケンス図。
(第1実施形態)
以下、通信不正成立防止システムの第1実施形態を図1〜図3に従って説明する。
図1に示すように、車両1は、電子キー2との間で無線によるID照合を行う電子キーシステム3を備える。本例の電子キーシステム3は、車両1からの通信を契機に狭域通信を通じて電子キー2とID照合を実施するキー操作フリーシステムである。一般に、キー操作フリーシステムで実施されるID照合を「スマート照合」といい、その通信を「スマート通信」という。
車両1は、ID照合(スマート照合)を行う照合ECU(Electronic Control Unit)4と、車載電装品の電源を管理するボディECU5と、エンジン7を制御するエンジンECU6とを備える。これらECUは、車内の通信線8を通じて接続されている。通信線8は、例えばCAN(Controller Area Network)やLIN(Local Interconnect Network)からなる。照合ECU4には、車両1に登録された電子キー2の電子キーID及び暗号鍵がメモリ(図示略)に書き込み保存されている。暗号鍵は、ID照合の過程で実施されるチャレンジレスポンス認証で使用される。
車両1は、室外に電波を送信する室外送信機11と、室内に電波を送信する室内送信機12と、車両1において電波を受信する電波受信機13とを備える。室外送信機11及び室内送信機12は、例えばLF(Low Frequency)帯の電波を送信する。電波受信機13は、例えばUHF(Ultra High Frequency)帯の電波を受信する。電子キーシステム3は、LF−UHFの双方向通信によって電子キー2を認証する。ボディECU5は、車両ドアに設けられたドアロック機構14の作動を制御することにより、車両ドアの施解錠を切り替える。
電子キー2は、電子キー2の動作を制御するキー制御部17と、電子キー2において電波を受信する受信部18と、電子キー2において電波を送信する送信部19とを備える。キー制御部17には、キー固有のIDとして電子キーIDと、ID照合のチャレンジレスポンス認証で使用する暗号鍵とが、メモリ(図示略)に書き込み保存されている。受信部18は、例えばLF電波を受信する。送信部19は、例えばUHF電波を送信する。
照合ECU4は、ウェイク信号Swkを室外送信機11又は室内送信機12から定期的にLF送信し、電子キー2との通信確立を監視する。照合ECU4は、ウェイク信号Swkを受信した電子キー2からアック信号Sackを受信すると、具体的な照合通信を実行する。照合通信時に実施されるID照合には、例えば電子キー2に登録されている電子キーIDの正否を確認する電子キーID照合や、車両1及び電子キー2の双方でチャレンジコードを暗号鍵で演算してレスポンスコードを確認するチャレンジレスポンス認証などが含まれることが好ましい。
電子キー2が室外のときには、車両1との間で室外のスマート照合が実行され、同照合が成立すれば、ボディECU5による車両ドアの施解錠が許可又は実行される。また、電子キー2が室内のときには、車両1との間で室内のスマート照合が実行され、同照合が成立すれば、車両電源の遷移操作(エンジン始動操作等)が許可される。
電子キーシステム3は、通信の不正成立を防止する通信不正成立防止機能(通信不正成立防止システム22)を備える。本例の通信不正成立防止システム22は、通信マスタ23(本例は照合ECU4)からの送信電波Saを端末24(本例は電子キー2)に受信させて、端末24から送信電波Saに応じた返信電波Sbを返信させる。そして、通信不正成立防止システム22は、送信電波Saを送信してから返信電波Sbを受信するまでの遅延時間Txを測定し、遅延時間Txから2者間の通信の正否を判定する遅延時間推定によって、通信の正否を判定する。このように、本例の通信不正成立防止システム22は、通信マスタ23及び端末24の間で交互に電波を送信する半二重方式により、遅延時間推定を行う。遅延時間Txは、車両1から電波を送信してから、その電波に対する電子キー2の応答を受信するまでの伝搬時間に相当する。通信不正成立防止システム22は、この遅延時間Txが規定時間内に収まるか否かを確認することにより、ID照合の通信の正否を判定する。なお、通信マスタ23及び端末24の間で電波を送受信して遅延時間Txを測定する処理は、複数回実施されることが好ましい。
通信不正成立防止システム22は、返信電波Sb又は送信電波における搬送波のパラメータを設定するパラメータ設定部26を備える。本例では、搬送波パラメータの設定を端末24(本例は電子キー2)側で実行する。このため、パラメータ設定部26は、キー制御部17に設けられるとともに、電子キー2から車両1に送信される返信電波Sbの搬送波パラメータを設定する。
本例の通信不正成立防止システム22は、搬送波パラメータをどの送信パターンに設定するのかのデータであるタイミング情報Stに基づき、搬送波パラメータを設定する。すなわち、搬送波パラメータの決め方を通信マスタ23及び端末24の両方で予め共有しておき、相手側から送信されてくる電波が正規のパターンをとるか否かを確認する。この場合、通信マスタ23(本例は照合ECU4)には、タイミング情報Stを端末24に通知する情報通知部27が設けられる。タイミング情報Stは、搬送波パラメータの送信パターンを相手に通知できる情報であればよい。
通信不正成立防止システム22は、受信された返信電波Sb又は送信電波Saにおいて搬送波のパラメータを確認することにより、通信の正否を判定する正否判定部28を備える。本例の正否判定部28は、照合ECU4に設けられている。正否判定部28は、遅延時間Txが規定時間内に収まるか否かを確認する遅延時間推定と、電子キー2から受信した返信電波Sbの搬送波パラメータを確認する搬送波パラメータ認証とにより、通信の正否を判定する。また、通信マスタ23は、端末24(電子キー2)に登録されたID(電子キーID)の正否を確認するID照合と、遅延時間推定と、搬送波パラメータ認証とを行い、これら全てが成立することを確認すると、通信成立を許可する。
次に、図2及び図3を用いて、通信不正成立防止システム22の作用及び効果を説明する。
図2(a)から図2(b)の流れで図示するように、第三者がID照合の通信を不正に成立させる一例としては、例えば第三者が中継器29を所持して、正規ユーザが所持する電子キー2と不正に通信を確立させる行為がある。この場合、例えば車両1からの電波を、中継器29を通じて電子キー2に中継し、車両1及び電子キー2の間の照合通信を成立させてから、正規ユーザが車両1から離れても、遅延時間Txの推定の際に第三者が中継器29にて電波を送り返すことによって、スマート照合を不正に成立させてしまう場合がある。本例は、この不正通信を防止するための対処案である。
図3に示すように、本例の場合、スマート通信を行うにあたり、照合ECU4は、ウェイク信号Swkを定期的に送信する。電子キー2は、ウェイク信号Swkを受信して起動すると、アック信号SackをUHF送信する。照合ECU4は、ウェイク信号Swkを送信してから規定時間内にアック信号Sackを受信すると、電子キー2の正否を確認する照合通信を開始する。
照合ECU4は、照合通信として、まずチャレンジレスポンス認証を実行する。このとき、照合ECU4は、送信の度に値が毎回変化するチャレンジコード(乱数)を含むチャレンジ信号Schを電子キー2に送信する。電子キー2は、チャレンジ信号Schを受信すると、チャレンジコードを自身の暗号鍵に通すことにより、レスポンスコードを演算する。照合ECU4は、チャレンジ信号Schを電子キー2に送信するにあたり、自身も同様にレスポンスコードを演算する。そして、照合ECU4は、電子キー2からレスポンスコードを受信すると、このレスポンスコードを自身のレスポンスコードと比較して、レスポンスコードの正否を確認する。照合ECU4は、これらレスポンスコードが一致することを確認すると、チャレンジレスポンス認証を成立として処理する。
チャレンジレスポンス認証の成立後、照合ECU4は、遅延時間推定も実行する。本例の場合、遅延時間推定で使用する返信電波Sbの搬送波をどのパラメータ(搬送波パラメータ)で返信するかのデータであるタイミング情報Stを相手側に通知し、このタイミング情報Stに基づき返信電波Sbの搬送波パラメータを設定する。特に、本例は、タイミング情報Stを通信マスタ23から端末24に事前に相手に送信して、返信電波Sbの搬送波パラメータを決める方式である。
また、遅延時間推定にあたり、本例の通信マスタ23は、送信電波Saを複数の搬送波周波数で送信して、その電波に準じた複数の搬送波周波数を有する返信電波Sbを端末24に返信させる通信を通じて、遅延時間Txを測定する。通信マスタ23及び端末24の間で電波を送受信して遅延時間Txを測定する処理は、複数周期で実行される。そして、本例のパラメータ設定部26は、複数周期の中のある周期(本例の場合は2周期目)の搬送波において搬送波のパラメータを変化させる。本例の搬送波パラメータは、搬送波周波数となっている。
チャレンジレスポンス認証の成立後、情報通知部27は、返信電波Sbの搬送波パラメータに関するタイミング情報Stを室外送信機11からLF送信する。本例のタイミング情報Stは、1周期目の返信電波Sbの搬送波周波数を「f1,f2,f3」とするように指定し、2周期目の返信電波Sbの搬送波周波数を「f1’,f2’,f3’」とするように指定する情報群となっている。これにより、照合ECU4から電子キー2に知らせたタイミング情報Stによって、返信電波Sbの搬送波パラメータが設定される。
照合ECU4は、タイミング情報Stの送信後、遅延時間推定を行うための送信電波Saを、室外送信機11から電子キー2にLF送信する。送信電波Saは、電子キー2に返信電波Sbの送信を指示できる電波であれば、どのような情報を含んだ電波でもよい。電子キー2は、送信電波Saを受信すると、この送信電波Saに対する応答として、返信電波Sbを送信部19から車両1にUHF送信する。このとき、パラメータ設定部26は、タイミング情報Stから決まる搬送波パターンで、返信電波Sbを送信する。
本例の場合、1周期目は、返信電波Sbを搬送波周波数「f1,f2,f3」で送信するように指示されているので、電子キー2は、返信電波Sbを搬送波周波数「f1,f2,f3」で同時に送信する。
照合ECU4は、電子キー2から1周期目の返信電波Sbを受信すると、1周期目において送信電波Saを送信してから返信電波Sbを受信するまでに要した遅延時間Txを測定する。照合ECU4は、例えば自身が備えるカウンタ等を用いて遅延時間Txを計測するとよい。
また、正否判定部28、受信した1周期目の返信電波Sbの搬送波周波数を確認する。すなわち、1周期目の返信電波Sbは搬送波周波数が「f1,f2,f3」で送信されてくるように決められているため、受信した返信電波Sbの搬送波周波数が「f1,f2,f3」であるか否かを確認する。正否判定部28は、1周期目の返信電波Sbが指定した搬送波周波数で返信されていることを確認できれば、通信を継続し、1周期目の返信電波Sbが指定した搬送波周波数で返信されていないことを確認すると、通信を強制終了する。ここでは、正当な通信を想定しているので、返信電波Sbは正規の搬送波周波数で返信されており、2周期目の電波送受信に移行する。
続いて、照合ECU4は、2周期目において、遅延時間推定を行うための送信電波Saを、再度送信する。電子キー2は、送信電波Saを受信すると返信電波Sbの応答を返す動作を行うが、本例の場合、2周期目の返信電波Sbは、搬送波周波数を「f1’,f2’,f3’」で送信するように指示されているので、電子キー2は、返信電波Sbを搬送波周波数「f1’,f2’,f3’」で同時に送信する。
照合ECU4は、電子キー2から2周期目の返信電波Sbを受信すると、2周期目において送信電波Saを送信してから返信電波Sbを受信するまでに要した遅延時間Txを計測する。
また、正否判定部28は、受信した2周期目の返信電波Sbの搬送波周波数を確認する。すなわち、2周期目の返信電波Sbは搬送波周波数が「f1’,f2’,f3’」で送信されてくるように決められているため、受信した返信電波Sbが指定した搬送周波数「f1’,f2’,f3’」で返信されていることを確認する。正否判定部28は、2周期目の返信電波Sbが指定した搬送周波数で返信されていることを確認できれば、通信を継続し、2周期目の返信電波Sbが指定した搬送波周波数で返信されていないことを確認すると、通信を強制終了する。ここでは、正当な通信を想定しているので、返信電波Sbは正規の搬送波周波数で返信されており、3周期目の電波送受信に移行する。
電子キー2及び照合ECU4は、3周期目以降も同様の電波送受信を繰り返し、遅延時間推定及び搬送波周波数判定を行う。照合ECU4は、受信した全ての返信電波Sbにおいて遅延時間Txが判定閾値(規定時間)内に収まることを確認できれば、遅延時間推定を成立とする。また、照合ECU4は、返信電波Sbの搬送波周波数がタイミング情報Stに準じた規定の変化をとることを確認すると、搬送波周波数判定を成立とする。
照合ECU4は、チャレンジレスポンス認証、電子キーID照合、遅延時間推定及び搬送波周波数判定の全てが成立することを確認すると、スマート照合を成立とする。これにより、照合ECU4は、車両1の操作を許可する。すなわち、車外の電子キー2との間でスマート照合が成立すれば、車両ドアの施解錠操作が許可又は実行される。また、車内の電子キー2との間でスマート照合が成立すれば、車両電源の遷移操作(エンジン始動操作)が許可される。
ところで、中継器29を使用してスマート照合の通信を不正に成立する場合、中継器29はデータを送受信することはできても、搬送波周波数をタイミング情報Stに基づくパターンに沿って切り替えて相手側に送ることはできない。すなわち、中継器29は、車両1から受信した送信電波Saを単にそのまま車両1に送り返すのみである。このため、中継器29を使用した不正通信の場合、搬送波周波数判定が不成立となり、スマート照合の成立が許可されない。よって、第三者による中継器29を使用した不正通信成立を防止することが可能となる。
通信マスタ23及び端末24の間、すなわち車両1及び電子キー2の間で電波を送受信して遅延時間Txを測定する処理は、複数周期で実行される。そして、パラメータ設定部26は、複数周期の中のある周期の搬送波において搬送波のパラメータを変化させる。これにより、どの周期で搬送波パラメータが変化するのかを予想され難くすることが可能となる。よって、不正通信を成立させ難くするのに一層有利となる。
通信マスタ23(照合ECU4)は、送信電波Saを複数の搬送波周波数で送信して、この電波に準じた複数の搬送波周波数を有する返信電波Sbを端末24(電子キー2)に返信させる通信を通じて、遅延時間Txを測定する。よって、例えば搬送周波数が1つのときに比べて、不正通信をより正しく検出するのに一層有利となる。
搬送波パラメータの設定は、端末24(電子キー2)側で実行される。よって、搬送波パラメータを変化させる機能を通信マスタ23(照合ECU4)に設けなくてもよいので、通信マスタ23の構成を複雑化させずに済む。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態を図4に従って説明する。なお、第2実施形態は、第1実施形態の搬送波パターンを変更した実施例である。よって、第1実施形態と同一部分については同じ符号を付して詳しい説明を省略し、異なる部分のみ詳述する。
図4に示すように、本例の搬送波パラメータは、返信電波Sbの搬送波周波数の送信順番となっている。すなわち、遅延時間推定の通信課程において、搬送波周波数の送信順番を、不規則なタイミングで変化させる方法となっている。また、本例のタイミング情報Stは、1周期目の返信電波Sbの搬送波周波数を「f1,f2,f3」と指定し、2周期目の返信電波Sbの搬送波周波数を「f1,f3,f2」と指定する情報群となっている。
本例の場合、1周期目は、返信電波Sbを搬送波周波数「f1,f2,f3」で送信するように指示されているので、電子キー2は、返信電波Sbを搬送波周波数「f1,f2,f3」で順次送信する。すなわち、返信電波Sbは、最初、搬送波周波数が「f1」で送信され、途中で搬送波周波数が「f2」に切り替えられ、そして搬送波周波数が「f3」に切り替えられて送信される。続いて、電子キー2は、以降の各周期において、タイミング情報Stに則った搬送波周波数の送信順番で返信電波Sbを車両1に適宜送信する。
ここで、スマート照合が正当な通信であれば、搬送波周波数の送信順番が予め決められたパターンと一致するので、スマート照合の成立が許可される。一方、中継器29を使用した不正通信であれば、返信電波Sbの搬送波周波数の送信順番が決められたパターンと一致せず、スマート照合の成立が許可されない。よって、車両1からのデータを電子キー2まで中継して認証を成立させてから、遅延時間推定の際に車両1から受信した電波をそのまま車両1に送り返す行為(図2(a),(b)で示す攻撃パターン)に対し、この通信が中継器29を使用したものであることを判定することができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を図5に従って説明する。本例も、第1及び第2実施形態に対して異なる部分のみ詳述する。
図5に示すように、本例の搬送波パラメータは、同時に送信する搬送波周波数の組み合わせとなっている。すなわち、遅延時間推定の通信課程において、同時に送信される搬送波周波数の組み合わせを、不規則なタイミングで変化させる方法となっている。本例の場合、選択可能な搬送波周波数をf1〜f4とし、その中から2つの周波数が選択されて組み合わされる。本例のタイミング情報Stは、1周期目の返信電波Sbの搬送波周波数の組み合わせを「f1,f2」と指定し、2周期目の返信電波Sbの搬送波周波数の組み合わせを「f1,f4」と指定する情報群となっている。
照合ECU4は、タイミング情報Stの送信後、遅延時間推定を行うための送信電波Saを、室外送信機11から電子キー2にLF送信する。本例の1周期目の送信電波Saは、搬送波周波数が「f1,f2」の電波となっている。電子キー2は、1周期目において送信電波Saを受信すると、この送信電波Saに対する応答として、タイミング情報Stに準じた返信電波Sbを送信部19から車両1にUHF送信する。
本例の場合、1周期目は、返信電波Sbを搬送波周波数「f1,f2」で送信するように指示されているので、電子キー2は、返信電波Sbを搬送波周波数「f1,f2」で順次送信する。すなわち、返信電波Sbは、最初、搬送波周波数が「f1」で送信され、途中で搬送波周波数が「f2」に切り替えられて送信される。
続いて、照合ECU4は、2周期目において、遅延時間推定を行うための送信電波Saを、再度送信する。本例の2周期目の送信電波Saは、搬送波周波数が「f3,f4」となっている。これは、電波返信時の選択肢となる搬送波周波数の値が「f3」,「f4」であることを電子キー2に通知するためである。但し、電子キー2がf3,f4の値を予め知っているのであれば、送信電波Saの搬送波周波数は「f1,f2」でもよい。
本例の場合、2周期目の返信電波Sbは、搬送波周波数の組み合わせが「f1,f4」で送信するように指示されているので、電子キー2は、返信電波Sbを送信周波数「f1,f4」の組み合わせで送信する。すなわち、返信電波Sbは、最初、搬送波周波数が「f1」で送信され、途中で搬送波周波数が「f4」に切り替えられて送信される。そして、電子キー2は、以降の各周期において、タイミング情報Stに則った搬送波周波数の組み合わせパターンで返信電波Sbを車両1に適宜送信する。
ここで、スマート照合が正当な通信であれば、搬送波周波数の組み合わせが予め決められたパターンと一致するので、スマート照合の成立が許可される。一方、中継器29を使用した不正通信であれば、返信電波Sbの搬送波周波数の組み合わせが予め決められたパターンと一致せず、スマート照合の成立が許可されない。よって、図2(a),(b)で示す攻撃パターンに対し、この通信が中継器29を使用したものであることを判定することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態を図6に従って説明する。本例も、第1〜第3実施形態に対して異なる部分のみ詳述する。
図6に示すように、本例の搬送波パラメータは、搬送波周波数同士の振幅比となっている。すなわち、遅延時間推定の通信課程において、搬送波周波数同士の振幅比を、不規則なタイミングで変化させる方法となっている。本例のタイミング情報Stは、1周期目の返信電波Sbの搬送波周波数同士の振幅比を「1:1:2」と指定し、2周期目の返信電波Sbの搬送波周波数同士の振幅比を「1:2:1」と指定する情報群となっている。
本例の場合、電子キー2は、遅延時間推定の通信時、1周期目において、搬送波周波数f1,f2,f3同士の振幅比を「1:1:2」にして返信電波Sbを車両1に送信する。また、電子キー2は、遅延時間推定の通信時、2周期目において、搬送波周波数f1,f2,f3同士の振幅比を「1:2:1」にして返信電波Sbを車両1に送信する。すなわち、2周期目において搬送波周波数同士の振幅比が、これまでの「1:1:2」から「1:2:1」に切り替えられる。そして、電子キー2は、以降の各周期において、タイミング情報Stに則った振幅比パターンで返信電波Sbを車両1に適宜送信する。
ここで、スマート照合が正当な通信であれば、搬送波周波数同士の振幅比が予め決められたパターンと一致するので、スマート照合の成立が許可される。一方、中継器29を使用した不正通信であれば、返信電波Sbの搬送波周波数同士の振幅比が予め決められたパターンと一致せず、スマート照合の成立が許可されない。よって、図2(a),(b)で示す攻撃パターンに対し、この通信が中継器29を使用したものであることを判定することができる。
ところで、本例の場合、車両1及び電子キー2の間で予めタイミング情報Stによって振幅比パターンが共有され、電子キー2はその振幅比パターンを基に振幅を変更して、車両1に返信電波Sbを送り返している。車両1は、共有している振幅比パターンで返信電波Sbが送信されてくることを知っているので、共有している振幅比パターンの情報を基に、電子キー2から得た振幅比を補正することにより、遅延時間Txを求める。このとき、振幅の補正を正確に行わないと、正しい遅延時間Txを求めることができない。
この考え方を踏まえ、例えば図2(a),(b)で示す攻撃パターンが行われたとき、車両1は、共有する振幅比パターンで電子キー2から返信電波Sbが送信されてくると想定して、共有する振幅比パターンの情報を基に補正をかける。しかし、不正通信時、車両1が受け付ける電波の振幅は変動していないので、正しく補正が行われず、正確な遅延時間Txが推定されない。よって、求めた遅延時間Txが実際の距離の時間と異なるので、結果、通信が不正であることを判定することができる。
また、本例の場合、搬送波周波数の振幅比パターンを変更して遅延時間Txを測定する動作を、複数回実施してもよい。すなわち、搬送波周波数同士の振幅比を「1:1:2」から「1:2:1」に変えて遅延時間推定を行うことに加え、以降、さらに振幅比を「2:1:1」に変えて遅延時間推定を行ってもよい。こうすれば、正規通信であれば、いずれの遅延時間Txも全て等しい値となるはずである。一方、図2(a),(b)で示す攻撃パターンのときのように、車両1からの電波を中継器29がただ送り返す場合には、求めた遅延時間Txが全て異なる値となるので、これをもって不正通信を検出することができる。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態を図7及び図8に従って説明する。本例も、第1〜第3実施形態に対して異なる部分のみ詳述する。
図7(a),(b)に示すように、本例の搬送波パラメータは、搬送波周波数の初期位相となっている。初期位相を変えるとは、例えば図7(a)の初期位相φ1を、初期位相φ2に切り替える例がある。そして、本例は、遅延時間推定の通信課程において、返信電波Sbの搬送波周波数の初期位相を、不規則なタイミングで変化させる方法となっている。本例のタイミング情報Stは、1周期目の返信電波Sbにおける搬送波周波数f1,f2,f3の各初期位相を「φ1,φ1,φ1」と指定し、2周期目の返信電波Sbにおける搬送波周波数f1,f2,f3の各初期位相を「φ1,φ1,φ2」と指定する情報群となっている。
図8に示すように、電子キー2は、遅延時間推定の通信時、1周期目において、搬送波周波数f1,f2,f3の各初期位相を「φ1,φ1,φ1」にして返信電波Sbを車両1に送信する。また、電子キー2は、遅延時間推定の通信時、2周期目において、搬送波周波数f1,f2,f3の各初期位相を「φ1,φ1,φ2」にして返信電波Sbを車両1に送信する。すなわち、2周期目において搬送波周波数f3の初期位相が「φ1」から「φ2」に切り替えられる。そして、電子キー2は、以降の各周期において、タイミング情報Stに則った初期位相パターンで返信電波Sbを車両1に適宜送信する。
ここで、スマート照合が正当な通信であれば、搬送波周波数の各初期位相が予め決められたパターンと一致するので、スマート照合の成立が許可される。一方、中継器29を使用した不正通信であれば、返信電波Sbの搬送波周波数の初期位相が予め決められたパターンと一致せず、スマート照合の成立が許可されない。よって、図2(a),(b)で示す攻撃パターンに対し、この通信が中継器29を使用したものであることを判定することができる。
また、図2(a),(b)で示す攻撃パターンが行われたとき、車両1は、共有する初期位相パターンで電子キー2から返信電波Sbが送信されてくると想定して、共有する初期位相パターンの情報を基に補正をかける。しかし、不正通信時、車両1が受け付ける電波の初期位相は変動していないので、正しく補正が行われず、正確な遅延時間Txが推定されない。よって、求めた遅延時間Txが実際の距離の時間と異なるので、結果、通信が不正であることを判定することができる。また、搬送波周波数の初期位相パターンを変更して遅延時間Txを測定する動作を、複数回実施すれば、不正通信をより正しく検出するのに有利となる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態を図9及び図10に従って説明する。本例も、第1〜第3実施形態に対して異なる部分のみ詳述する。
図9に示すように、本例の搬送波パラメータは、搬送波周波数の周波数間隔Δfとなっている。搬送波周波数の周波数間隔Δfは、例えば返信電波Sbにおける「f1」及び「f2」の間の間隔と、返信電波Sbにおける「f2」及び「f3」の間の間隔とをいい、これらが同じ値に設定されている。本例のタイミング情報Stは、1周期目の周波数間隔ΔfをΔfaと指定し、2周期目の周波数間隔ΔfをΔfbと指定する情報群となっている。
電子キー2は、遅延時間推定の通信時、1周期目において、搬送波周波数の周波数間隔Δfが「Δfa」となった返信電波Sbを車両1に送信する。また、電子キー2は、遅延時間推定の通信時、2周期目において、搬送波周波数の周波数間隔Δfを「Δfb」に切り替えて返信電波Sbを車両1に送信する。すなわち、2周期目において搬送波周波数の周波数間隔Δfが「Δfa」から「Δfb」に切り替えられる。そして、電子キー2は、以降の各周期において、タイミング情報Stに則った搬送波周波数の周波数間隔パターンで返信電波Sbを車両1に適宜送信する。
ここで、スマート照合が正当な通信であれば、搬送波周波数の周波数間隔Δfが予め決められたパターンと一致するので、スマート照合の成立が許可される。一方、中継器29を使用した不正通信であれば、返信電波Sbの搬送波周波数の周波数間隔Δfが予め決められたパターンと一致せず、スマート照合の成立が許可されない。よって、図2(a),(b)で示す攻撃パターンに対し、この通信が中継器29を使用したものであることを判定することができる。
ところで、図10に示すように、車両1からの送信電波Saを中継器29で中継する不正通信において、実際の遅延時間Txとは異なる時間を遅延させ、通信を不正に成立させてしまう行為が想定される。これは、遅延時間推定の周期性(推定可能な遅延時間Tkの繰り返し)を利用した攻撃であって、遅延時間推定の演算に際して周波数の位相を基に演算する手法を用いた場合に発生する特性である。
さて、本例の場合、搬送波周波数の周波数間隔Δfが変わると、推定する遅延時間Txも変わる。そこで、搬送波周波数の周波数間隔Δfを切り替えて遅延時間Txを測定する動作を複数回実行する。このとき、スマート通信が正規通信であれば、車両1と電子キー2との距離が近いので、仮に搬送波周波数が変わっても全て同じ遅延時間Txが求まる。一方、中継器29を使用した不正通信において、実際とは異なる時間を推定させる行為が行われた場合には、演算結果の遅延時間Txが異なる値をとるので、不正通信と判定することができる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態を図10〜図12に従って説明する。本例は、搬送波周波数の搬送波パラメータ設定(搬送波パラメータ変更)を通信マスタ23側(車両1側)で切り替える実施例である。よって、本例も第1〜第6実施形態に対して異なる部分のみ詳述する。
図11に示すように、本例のパラメータ設定部26は、端末24ではなく通信マスタ23(照合ECU4)に設けられている。これにより、本例は、送信電波Saの搬送波パラメータを変更するものとなっている。また、電子キー2は、車両1側で搬送波パラメータが設定された送信電波Saを受信したとき、これをそのまま返信電波Sbとして車両1に送り返す。すなわち、車両1側から送信された送信電波Saに準じた返信電波Sbを電子キー2に返信させ、搬送波パラメータ変更を行う車両1側において通信の正否を判定する。
車両1側で搬送波(送信電波Saの搬送波)のパラメータを変更する場合、搬送波周波数の周波数間隔Δfを変更する手法(第6実施形態の例)を採用するとよい。この場合、図10に示すような実際の遅延時間Txとは異なる時間を遅延させて通信を不正に成立させてしまう攻撃を受けても、これを不正通信と判定することができる。
また、車両1側で搬送波(送信電波Saの搬送波)のパラメータを変更する場合、搬送波周波数同士の振幅比を変更する手法(第4実施形態の例)を採用するとよい。ところで、図12に示すように、車両1からの送信電波Saを中継器29で中継する不正通信において、実際の遅延時間Txとは異なる時間を遅延させ、通信を不正に成立させてしまう行為が行われたとする。ここで、2周期目で搬送波パラメータが「パターン1」の返信電波Sbを車両1側が受信したときは、搬送波パラメータが「パターン2」の送信電波Saを送信した後であるので、「パターン2」の搬送波パラメータで振幅を補正することになる。しかし、車両1が2周期目で受信した返信電波Sbは、「パターン1」の搬送波周波数同士の振幅比となっているので、2周期目で送信する「パターン2」の送信電波Saで、返信電波Sbの振幅比を補正すると、遅延時間Txが正確な値で求まらない。よって、通信が不正であると判定することができる。
さらに、車両1側で搬送波(送信電波Saの搬送波)のパラメータを変更する場合に、搬送波周波数の振幅比パターンを変更して遅延時間Txを測定する動作を、複数回実施する手法(第4実施形態の例)を採用してもよい。これにより、仮に図10に示すような不正通信が試みられても、求まる遅延時間Txが毎回異なる値となるので、通信が不正であると判定することができる。
また、車両1側で搬送波(送信電波Saの搬送波)のパラメータを変更する場合、搬送波周波数の初期位相を変更する手法(第5実施形態の例)を採用してもよい。また、この場合、搬送波周波数の初期位相を変更して遅延時間Txを測定する動作を、複数回実施するようにしてもよい。いずれの場合も、図10に示すような不正通信が試みられたとき、この通信を不正として判定することができる。
なお、実施形態はこれまでに述べた構成に限らず、以下の態様に変更してもよい。
・各実施形態において、搬送波周波数のパラメータを「変更しない」及び「変更する」の組み合わせにより、レスポンスコードの一部を表現してもよい。具体的には、レスポンスコードは「0」及び「1」の2値情報の組み合わせからなるが、例えば「変更しない」を「0」とし、「変更する」を「1」とすることにより、レスポンスコードの一部分を利用して、遅延時間推定及び搬送波パラメータ認証を行うことも可能である。
・第6実施形態において、f1,f2の間の周波数間隔とf2,f3の周波数間隔とが同じとなっているが、これらを異なる値としてもよい。
・各実施形態において、返信電波Sbは、送信電波Saと同じデータ内容であることが好ましい。
・各実施形態において、遅延時間推定時のデータ送受信は、ID照合の通信時のどのタイミングで実施されてもよい。
・各実施形態において、不正通信か否かの判定は、車両1側で行うことに限らず、電子キー2側で実施してもよい。この場合、正否判定部28は、電子キー2に設けられることになる。
・各実施形態において、搬送波パラメータの変更は、複数周期の中のどの周期で実施してもよい。
・各実施形態において、1周期内の搬送波周波数の数は、実施例のような3つに限らず、2つでもよいし、4つ以上としてもよい。
・各実施形態において、電子キーシステム3は、スマート通信を行うシステムに限定されず、他の通信形式や周波数を用いたシステムとしてもよい。
・各実施形態において、タイミング情報Stは、電子キー2から車両1に通知されてもよい。
・各実施形態において、端末24は、電子キー2以外の他の端末(例えば高機能携帯電話)に変更可能である。
・各実施形態において、通信マスタ23は、照合ECU4以外の他のコントローラを適用可能である。
・各実施形態において、本例の通信不正成立防止システム22は、車両1に適用されることに限らず、他の機器や装置に適用してもよい。
・各実施形態において、通信不正成立防止システム22は、半二重方式に限らず、全二重方式により通信を行ってもよい。
1…車両、2…端末の一例である電子キー、4…通信マスタの一例である車両、22…通信不正成立防止システム、23…通信マスタ、24…端末、26…パラメータ設定部、28…正否判定部、Sa…送信電波、Sb…返信電波、Tx…遅延時間、f1〜f4…搬送波周波数、f1’〜f3’…搬送波周波数、φ1,φ2…初期位相、Δf…周波数間隔。

Claims (12)

  1. 通信マスタからの送信電波を端末に受信させて当該端末から返信電波を返信させることにより、前記送信電波を送信してから前記返信電波を受信するまでの遅延時間を測定し、当該遅延時間から2者間の通信の正否を判定する通信不正成立防止システムにおいて、
    前記返信電波又は前記送信電波における搬送波のパラメータを設定するパラメータ設定部と、
    受信された前記返信電波又は送信電波において前記搬送波のパラメータを確認することにより、通信の正否を判定する正否判定部と
    を備えたことを特徴とする通信不正成立防止システム。
  2. 前記通信マスタ及び端末の間で電波を送受信して前記遅延時間を測定する処理は、複数周期で実行され、
    前記パラメータ設定部は、複数周期の中のある周期の搬送波において当該搬送波のパラメータを変化させる
    請求項1に記載の通信不正成立防止システム。
  3. 前記通信マスタは、前記送信電波を複数の搬送波周波数で送信して、その電波に準じた複数の搬送波周波数を有する前記返信電波を前記端末に返信させる通信を通じて、前記遅延時間を測定する
    請求項1又は2に記載の通信不正成立防止システム。
  4. 前記パラメータ設定部は、搬送波パラメータの設定にあたり、ある周期の搬送波において搬送波周波数を変化させる
    請求項3に記載の通信不正成立防止システム。
  5. 前記パラメータ設定部は、搬送波パラメータの設定にあたり、ある周期の搬送波において1周期内の搬送波周波数の送信順番を変化させる
    請求項3に記載の通信不正成立防止システム。
  6. 前記パラメータ設定部は、搬送波パラメータの設定にあたり、ある周期の搬送波において1周期内の搬送波周波数の組み合わせを変化させる
    請求項3に記載の通信不正成立防止システム。
  7. 前記パラメータ設定部は、搬送波パラメータの設定にあたり、ある周期の搬送波において1周期内の搬送波周波数同士の振幅比を変化させる
    請求項3に記載の通信不正成立防止システム。
  8. 前記パラメータ設定部は、搬送波パラメータの設定にあたり、ある周期の搬送波において搬送波周波数の初期位相を変化させる
    請求項3に記載の通信不正成立防止システム。
  9. 前記パラメータ設定部は、搬送波パラメータの設定にあたり、ある周期の搬送波において1周期内の搬送波周波数の周波数間隔を変化させる
    請求項3に記載の通信不正成立防止システム。
  10. 搬送波パラメータを変更して通信の正否を判定する処理は、複数回実行される
    請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の通信不正成立防止システム。
  11. 搬送波パラメータの設定は、端末側で実行される
    請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の通信不正成立防止システム。
  12. 搬送波パラメータの設定は、通信マスタ側で実行される
    請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の通信不正成立防止システム。
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