JP6597920B1 - 蒸着マスク用基材、蒸着マスク用基材の製造方法、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法 - Google Patents

蒸着マスク用基材、蒸着マスク用基材の製造方法、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

電気めっきを用いて形成された金属箔である蒸着マスク用基材である。金属箔は、鉄ニッケル系合金製である。第1面と、第1面とは反対側の面である第2面とを含む。第1面は、第1面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第1ニッケル質量比(質量%)を有する。第2面は、第2面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第2ニッケル質量比(質量%)を有する。第1ニッケル質量比(質量%)と、第2ニッケル質量比(質量%)との差の絶対値が、質量差(質量%)である。質量差を蒸着マスク用基材の厚さ(μm)で除算した値が規格値である。規格値が、0.05(質量%/μm)以下である。

Description

本発明は、蒸着マスク用基材、蒸着マスク用基材の製造方法、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法に関する。
有機EL表示装置が備える有機EL素子は、蒸着マスクを用いた有機材料の蒸着によって形成される。蒸着マスクを形成するための材料には、鉄ニッケル系合金の薄板が蒸着マスク用基材として用いられている(例えば、特許文献1を参照)。鉄ニッケル系合金の薄板には、鉄ニッケル系合金の母材を圧延することによって薄板化した圧延材が用いられている。
特許第6237972号
ところで、鉄ニッケル系合金の薄板として、電気めっきを用いて形成された金属箔を用いることが提案されている。金属箔の形成時には、鉄ニッケル系合金の薄板に必要とされる線膨張係数を満たす上で、電気めっきによって金属箔を形成した後に、金属箔をアニールすることが必要である。金属箔に対してアニールが行われると、金属箔の四隅の少なくとも1つが、金属箔の中央部に対して浮き上がることがある。こうした金属箔の浮き上がりは、蒸着マスクを形成する際の作業性の低下や、蒸着マスクに形成される貫通孔の形状や位置の精度の低下の一因である。そのため、アニール後の金属箔において、四隅の浮き上がりを抑えることが求められている。
本発明は、電気めっきを用いて形成された金属箔である蒸着マスク用基材において、蒸着マスク用基材の四隅における浮き上がりの抑制を可能とした蒸着マスク用基材、蒸着マスク用基材の製造方法、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための蒸着マスク用基材は、電気めっきを用いて形成された金属箔である蒸着マスク用基材である。前記金属箔は、鉄ニッケル系合金製である。第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面と、を含む。前記第1面は、前記第1面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第1ニッケル質量比(質量%)を有する。前記第2面は、前記第2面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第2ニッケル質量比(質量%)を有する。前記第1ニッケル質量比(質量%)と、前記第2ニッケル質量比(質量%)との差の絶対値が、質量差(質量%)である。前記質量差を前記蒸着マスク用基材の厚さ(μm)で除算した値が規格値である。前記規格値が、0.05(質量%/μm)以下である。
上記課題を解決するための蒸着マスク用基材の製造方法は、電気めっきを用いて形成された金属箔である蒸着マスク用基材を製造する方法である。前記電気めっきによってめっき箔を形成することと、前記めっき箔をアニールして前記金属箔を得ることと、を含む。前記金属箔は、鉄ニッケル系合金製であり、第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面と、を含む。前記第1面は、前記第1面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第1ニッケルの質量比(質量%)を有する。前記第2面は、前記第2面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第2ニッケル質量比(質量%)を有する。前記第1ニッケル質量比(質量%)と、前記第2ニッケル質量比(質量%)との差の絶対値が、質量差(質量%)である。前記質量差を前記蒸着マスク用基材の厚さ(μm)で除算した値が規格値である。前記規格値が、0.05(質量%/μm)以下である。
上記課題を解決するための蒸着マスクの製造方法は、電気めっきを用いて形成された金属箔である蒸着マスク用基材に複数の貫通孔を形成することによって蒸着マスクを製造する方法である。前記電気めっきを用いてめっき箔を形成することと、前記めっき箔をアニールして前記金属箔を得ることと、前記金属箔に複数の貫通孔を形成することと、を含む。前記金属箔は、第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面と、を含む。前記第1面は、前記第1面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第1ニッケル質量比(質量%)を有する。前記第2面は、前記第2面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第2ニッケル質量比を有する。前記第1ニッケル質量比(質量%)と、前記第2ニッケル質量比(質量%)との差の絶対値が、質量差(質量%)である。前記質量差を前記蒸着マスク用基材の厚さ(μm)で除算した値が規格値である。前記規格値が、0.05(質量%/μm)以下である。
上記課題を解決するための表示装置の製造方法は、上記蒸着マスクの製造方法による蒸着マスクを準備することと、前記蒸着マスクを用いた蒸着によってパターンを形成することと、を含む。
上記構成によれば、規格値、すなわち、蒸着マスク用基材の単位厚さあたりにおいて、ニッケルの質量比における変化量が0.05(質量%/μm)以下に抑えられているため、蒸着マスク用基材の四隅が中央部に対して浮き上がることが抑えられる。
上記課題を解決するための蒸着マスク用基材は、電気めっきを用いて形成された金属箔である蒸着マスク用基材である。前記金属箔は、鉄ニッケル系合金製であり、第1面と、前記第1面とは反対側の面である第2面と、を含む。前記第1面は、前記第1面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第1ニッケル質量比(質量%)を有する。前記第2面は、前記第2面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第2ニッケル質量比(質量%)を有する。前記第1ニッケル質量比(質量%)と、前記第2ニッケル質量比(質量%)との差の絶対値が、質量差(質量%)である。前記質量差が、0.6(質量%)以下である。上記構成によれば、質量差が0.6(質量%)以下に抑えられているため、蒸着マスク用基材の四隅が中央部に対して浮き上がることが抑えられる。
上記蒸着マスク用基材において、前記蒸着マスク用基材の厚さが15μm以下であってもよい。上記構成によれば、蒸着マスクが有する孔の深さを15μm以下にすることができ、蒸着マスクが有する孔の容積を小さくすることができる。これにより、蒸着マスクの孔を通過する蒸着材料が蒸着マスクに付着する量を少なくすることができる。
上記蒸着マスク用基材において、前記第1ニッケル質量比および前記第2ニッケル質量比は各々、35.8質量%以上42.5質量%以下であってもよい。
上記構成によれば、蒸着マスク用基材の線膨張係数と、ガラス基板の線膨張係数との差、および、蒸着マスク用基材の線膨張係数と、ポリイミドシートの線膨張係数との差を小さくすることができる。これにより、蒸着マスクでの熱膨張による大きさの変化が、ガラス基板およびポリイミドシートでの熱膨張による大きさの変化と同じ程度である。それゆえに、蒸着対象としてガラス基板またはポリイミドシートを用いる場合に、蒸着マスクによって形成する蒸着パターンにおける形状の精度を高めることができる。
本発明によれば、電気めっきを用いて形成された金属箔である蒸着マスク用基材において、蒸着マスク用基材の四隅における浮き上がりを抑えることができる。
蒸着マスク用基材の構造を示す斜視図。 マスク装置の構造を示す平面図。 マスク部の構造の一例を部分的に示す断面図。 マスク部の構造の他の例を部分的に示す断面図。 マスク部の縁とフレーム部との接合構造の一例を部分的に示す断面図。 (a)蒸着マスクの構造の一例を示す平面図、(b)蒸着マスクの構造の一例を示す断面図。 蒸着マスク用基材の製造方法における電気めっきによってめっき箔を形成する工程を示す工程図。 蒸着マスク用基材の製造方法におけるアニール工程を示す工程図。 マスク部を製造するためのエッチング工程を示す工程図。 マスク部を製造するためのエッチング工程を示す工程図。 マスク部を製造するためのエッチング工程を示す工程図。 マスク部を製造するためのエッチング工程を示す工程図。 マスク部を製造するためのエッチング工程を示す工程図。 マスク部を製造するためのエッチング工程を示す工程図。 蒸着マスクの製造方法におけるマスク部をフレーム部に接合する工程の一例を示す工程図。 蒸着マスクの製造方法におけるマスク部をフレーム部に接合する工程の他の例を示す工程図。 蒸着マスクの製造方法におけるマスク部をフレーム部に接合する工程の別の他の例を示す工程図。 蒸着マスク用基材のカール量を測定する方法を説明するための斜視図。 実施例2における蒸着マスク用基材を撮影した写真。 実施例3における蒸着マスク用基材を撮影した写真。 比較例4における蒸着マスク用基材を撮影した写真。 比較例2における蒸着マスク用基材を撮影した写真。 規格値とカール量との関係を示すグラフ。 質量差とカール量との関係を示すグラフ。
図1から図24を参照して、蒸着マスク用基材、蒸着マスク用基材の製造方法、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法の一実施形態を説明する。以下では、蒸着マスク用基材の構成、蒸着マスクを備えるマスク装置の構成、蒸着マスク用基材の製造方法、蒸着マスクの製造方法、表示装置の製造方法、および、実施例を順に説明する。
[蒸着マスク用基材の構成]
図1を参照して、蒸着マスク用基材の構成を説明する。
図1が示すように、蒸着マスク用基材10は、電気めっきを用いて形成された金属箔である。金属箔は、鉄ニッケル系合金製である。蒸着マスク用基材10は、第1面10Aと、第1面10Aとは反対側の面である第2面10Bとを含んでいる。蒸着マスク用基材10において、第1面10Aにおけるニッケル(Ni)の質量比(質量%)と、第2面10BにおけるNiの質量比(質量%)との差の絶対値が、質量差(質量%)(MD)である。質量差を蒸着マスク用基材の厚さ(μm)(T)で除算した値が規格値(MD/T)である。蒸着マスク用基材10において、規格値が、0.05(質量%/μm)以下である。
言い換えれば、第1面10Aは、第1面10Aにおける鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第1ニッケル質量比(質量%)を有する。第2面10Bは、第2面10Bにおける鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第2ニッケル質量比(質量%)を有する。第1ニッケル質量比(質量%)と、第2ニッケル質量比(質量%)との差が、質量差(質量%)である。質量差を蒸着マスク用基材の厚さ(μm)で除算した値が規格値である。規格値が、0.05(質量%/μm)以下である。
これにより、規格値、すなわち、蒸着マスク用基材10の単位厚さあたりにおいて、Niの質量比における変化量が0.05以下に抑えられているため、蒸着マスク用基材10の四隅が中央部に対して浮き上がることが抑えられる。
蒸着マスク用基材10の各面において、Niの質量比とは、各面において、鉄の質量(Wfe)とNiの質量(Wni)との合計(Wfe+Wni)に対するNiの質量の百分率{100×Wni/(Wfe+Wni)}である。蒸着マスク用基材10において、Ni以外の部分である残部は鉄(Fe)である。蒸着マスク用基材10は、鉄ニッケル系合金製の基材である。なお、残部は、主成分であるFeに加えて他の元素を含んでもよい。他の元素には、例えばSi、C、O、および、Sなどを挙げることができる。また、各面における全質量に対するFeの質量とNiの質量との合計の百分率(質量%)は、90質量%以上である。
第1面10Aは、例えば、電気めっき用の電極に接触していた面である電極面10Eである。第2面10Bは、電極面10Eとは反対側の面である析出面10Dである。例えば、電極面10EにおけるNiの質量比が、析出面10DにおけるNiの質量比よりも大きい。また例えば、電極面10EにおけるNiの質量比が、析出面10Dにおける質量比よりも小さい。電極面10EにおけるNiの質量比と、析出面10DにおけるNiの質量比との差は、小さいほど好ましい。
本実施形態では、蒸着マスク用基材10の厚さは15μm以下である。これにより、蒸着マスクが有する孔の深さを15μm以下にすることができ、これによって、蒸着マスクが有する孔の容積を小さくすることができる。そのため、蒸着マスクの孔を通過する蒸着材料が蒸着マスクに付着する量を少なくすることができる。
本実施形態では、第1面10AにおけるNiの質量比(第1ニッケル質量比)、および、第2面10BにおけるNiの質量比(第2ニッケル質量比)が、ニッケル質量比である。ニッケル質量比は、35.8質量%以上42.5質量%以下である。そのため、蒸着マスク用基材10の線膨張係数と、ガラス基板の線膨張係数との差、および、蒸着マスク用基材10の線膨張係数と、ポリイミドシートの線膨張係数との差を小さくすることができる。これにより、蒸着マスクでの熱膨張による大きさの変化が、ガラス基板およびポリイミドシートでの熱膨張による大きさの変化と同じ程度である。それゆえに、蒸着対象としてガラス基板またはポリイミドシートを用いる場合に、蒸着マスクによって形成する蒸着パターンにおける形状の精度を高めることができる。
[マスク装置の構成]
図2から図6を参照して、蒸着マスクを含むマスク装置の構成を説明する。
図2は、蒸着マスク用基材10を用いて製造される蒸着マスクを備えるマスク装置の概略的な平面構造を示している。図3は、蒸着マスクが備えるマスク部の断面構造の一例を示している。図4は、蒸着マスクが備えるマスク部の断面構造の他の例を示している。なお、図2におけるマスク装置が備える蒸着マスクの個数や、蒸着マスク30が備えるマスク部の個数は、蒸着マスクの個数やマスク部の個数の一例である。
図2が示すように、マスク装置20は、メインフレーム21と、3つの蒸着マスク30とを備えている。メインフレーム21は、複数の蒸着マスク30を支持する矩形枠状を有し、蒸着を行うための蒸着装置に取り付けられる。メインフレーム21は、各蒸着マスク30が位置する範囲のほぼ全体にわたり、メインフレーム21を貫通するメインフレーム孔21Hを有している。
各蒸着マスク30は、帯板状を有したフレーム部31と、各フレーム部31に3個ずつのマスク部32とを備える。フレーム部31は、マスク部32を支持する短冊板状を有して、メインフレーム21に取り付けられる。蒸着マスク30は、蒸着マスク30が延びる方向における各端部が、メインフレーム21の外縁を越えて延びるように、メインフレーム21に接合されてもよい。
フレーム部31は、マスク部32が位置する範囲のほぼ全体にわたり、フレーム部31を貫通するフレーム孔31Hを有する。フレーム部31は、マスク部32よりも高い剛性を有し、かつ、フレーム孔31Hを囲む枠状を有する。各マスク部32は、フレーム孔31Hを区画するフレーム部31のフレーム内縁部に1個ずつ固定されている。マスク部32の固定には、例えば、溶着や接着が用いられる。
図3が示すように、マスク部32の一例は、マスク板321から構成される。マスク板321は、蒸着マスク用基材10から形成された1枚の板部材であってもよいし、蒸着マスク用基材10から形成された1枚の板部材と樹脂板との積層体であってもよい。なお、図3では、蒸着マスク用基材10から形成された1枚の板部材としてマスク板321が示されている。
マスク板321は、第1面321A(図3の下面)と、第1面321Aとは反対側の面である第2面321B(図3の上面)とを備える。第1面321Aは、マスク装置20が蒸着装置に取り付けられた状態で、ガラス基板などの蒸着対象と対向する。第2面321Bは、蒸着装置の蒸着源と対向する。マスク部32は、マスク板321を貫通する複数の孔32Hを有する。孔32Hの壁面は、マスク板321の厚み方向に対して、断面視において傾きを有する。孔32Hの壁面の形状は、断面視において、図3が示すように、孔32Hの外側に向けて張り出す半円弧状であってもよいし、複数の屈曲点を有する複雑な曲線状であってもよい。
マスク板321の厚さは、15μm以下である。マスク板321の厚さが15μm以下であるため、マスク板321に形成される孔32Hの深さを15μm以下とすることが可能である。このように、薄いマスク板321であれば、孔32Hが有する壁面の面積そのものを小さくすることによって、孔32Hの壁面に付着する蒸着物質の体積を小さくすることが可能である。
第2面321Bは、孔32Hの開口である第2開口H2を含み、第1面321Aは、孔32Hの開口である第1開口H1を含む。第2開口H2は、平面視において、第1開口H1よりも大きい。各孔32Hは、蒸着源から昇華した蒸着物質が通る通路である。蒸着源から昇華した蒸着物質は、第2開口H2から第1開口H1に向けて進む。第2開口H2が第1開口H1よりも大きい孔32Hであるため、第2開口H2から孔32Hに入る蒸着物質の量を増やすことが可能である。なお、第1面321Aに沿う断面での孔32Hの面積は、第1開口H1から第2開口H2に向けて、第1開口H1から第2開口H2まで単調に増大してもよいし、第1開口H1から第2開口H2までの途中でほぼ一定となる部位を備えてもよい。
図4が示すように、マスク部32の他の例は、マスク板321を貫通する複数の孔32Hを有する。第2開口H2は、平面視において、第1開口H1よりも大きい。孔32Hは、第2開口H2を有する大孔32LHと、第1開口H1を有する小孔32SHとから構成される。大孔32LHの断面積は、第2開口H2から第1面321Aに向けて、単調に減少する。小孔32SHの断面積は、第1開口H1から第2面321Bに向けて、単調に減少する。孔32Hの壁面は、断面視において、大孔32LHが小孔32SHと接続する部位、すなわち、マスク板321の厚さ方向の中間で、孔32Hの内側に向けて突き出た形状を有する。孔32Hの壁面にて突き出た部位と、第1面321Aとの間の距離は、ステップハイトSHである。
なお、図3を参照にて先に説明した断面構造の例では、ステップハイトSHがゼロである。第1開口H1に到達する蒸着物質の量を確保する観点では、ステップハイトSHがゼロである構成が好ましい。ステップハイトSHがゼロであるマスク部32を得る構成では、蒸着マスク用基材10の片面からのウェットエッチングで孔32Hが形成される程度に、マスク板321の厚みは薄く、例えば、15μm以下である。
図5は、マスク部32とフレーム部31との接合構造が有する断面構造の一例を示す。なお、図5では、図3を参照して先に説明したマスク部32とフレーム部31との接合構造が有する断面構造が示されている。
図5が示す例のように、マスク板321の外縁部32Eは、孔32Hを備えていない領域である。マスク板321が有する第2面321Bのなかでマスク板321の外縁部32Eに含まれる部分は、フレーム部31に接合されている。フレーム部31は、フレーム孔31Hを区画する内縁部31Eを備える。内縁部31Eは、マスク板321と対向する接合面31A(図5の下面)と、接合面31Aとは反対側の面である非接合面31B(図5の上面)とを備える。
内縁部31Eの厚さT31、すなわち、接合面31Aと非接合面31Bとの間の距離は、マスク板321が有する厚さT32よりも十分に厚い。これにより、フレーム部31は、マスク板321よりも高い剛性を有する。特に、フレーム部31は、内縁部31Eが自重によって垂れ下がることや、内縁部31Eがマスク部32に向けて変位することに対して、高い剛性を有する。内縁部31Eの接合面31Aは、第2面321Bと接合された接合部32BNを備える。
接合部32BNは、内縁部31Eのほぼ全周にわたり、連続的、あるいは、間欠的に位置する。接合部32BNは、接合面31Aと第2面321Bとの溶着によって形成される溶着痕であってもよいし、接合面31Aを第2面321Bと接合する接合層であってもよい。フレーム部31は、内縁部31Eの接合面31Aを、マスク板321の第2面321Bと接合し、かつ、マスク板321がマスク板321の外側に向けて、すなわち、マスク板321の両端が互いから離れる方向に引っ張られるような応力Fを、マスク板321に加える。
なお、フレーム部31もまた、フレーム部31の外側に向けて引っ張られるような応力を、マスク板321での応力Fと同じ程度に、メインフレーム21によって加えられる。そのため、メインフレーム21から取り外された蒸着マスク30では、メインフレーム21とフレーム部31との接合による応力が解除され、マスク板321に加わる応力Fも緩和される。接合面31Aでの接合部32BNの位置は、マスク板321に応力Fを等方的に作用させる位置であることが好ましく、マスク板321の形状、および、フレーム孔31Hの形状に基づき、適宜選択される。
接合面31Aは、接合部32BNが位置する平面であり、第2面321Bの外縁部32Eからマスク板321の外側に向けて広がる。言い換えれば、内縁部31Eは、第2面321Bが第2面321Bの外側へ擬似的に拡張された面構造を備え、第2面321Bの外縁部32Eから、マスク板321の外側に向けて広がる。そのため、接合面31Aが広がる範囲では、マスク板321の厚さに相当する空間Vが、マスク板321の周囲に形成されやすい。結果として、マスク板321の周囲では、蒸着対象Sがフレーム部31と物理的に干渉することを抑えることが可能である。
図6は、蒸着マスク30が備える孔32Hの個数と、マスク部32が備える孔32Hの個数との関係の一例を示す。
図6(a)の例が示すように、フレーム部31は、3つのフレーム孔31Hを有する。3つのフレーム孔31Hは、第1フレーム孔31HA、第2フレーム孔31HB、および、第3フレーム孔31HCである。図6(b)の例が示すように、蒸着マスク30は、各フレーム孔31Hに対して、マスク部32を1つずつ備える。3つのマスク部32は、第1マスク部32A、第2マスク部32B、および、第3マスク部32Cである。第1フレーム孔31HAを区画する内縁部31Eは、第1マスク部32Aと接合する。第2フレーム孔31HBを区画する内縁部31Eは、第2マスク部32Bと接合する。第3フレーム孔31HCを区画する内縁部31Eは、第3マスク部32Cと接合する。
ここで、蒸着マスク30は、複数の蒸着対象に対して、繰り返し用いられる。そのため、蒸着マスク30が備える各孔32Hは、孔32Hの位置や、孔32Hの構造などに、より高い精度を求められる。そして、孔32Hの位置や、孔32Hの構造などに、所望の精度を得られない場合には、蒸着マスク30の製造であれ、蒸着マスク30の補修であれ、マスク部32を適宜交換することが望まれる。
この点、図6が示す構成のように、1個のフレーム部31に要する孔32Hの個数を、3個のマスク部32で分担する構成であれば、仮に、1個のマスク部32に交換を望まれた場合であっても、3個のマスク部32のうち、1個のマスク部32のみを交換すれば足りる。すなわち、3個のマスク部32のうち、2個のマスク部32を継続して利用することが可能となる。それゆえに、各フレーム孔31Hに対応する部位に別々のマスク部32を接合した構成であれば、蒸着マスク30の製造であれ、蒸着マスク30の補修であれ、これらに要する各種材料の消費量を抑えることが可能である。マスク板321の厚さが薄いほど、また、孔32Hの大きさが小さいほど、マスク部32の歩留まりは下がりやすく、マスク部32に対する交換の要請は大きい。そのため、各フレーム孔31Hに対応する部位に別々のマスク部32を備える上述の構成は、高解像度を求められる蒸着マスク30において、特に好適である。
なお、孔32Hの位置や、孔32Hの構造に関する検査は、応力Fが加えられた状態、すなわち、フレーム部31にマスク部32が接合された状態で行われることが好ましい。こうした観点において、上述した接合部32BNは、マスク部32の交換を可能とするように、例えば、内縁部31Eの一部に間欠的に存在することが好ましい。
[蒸着マスク用基材の製造方法]
図7および図8を参照して、蒸着マスク用基材10の製造方法を説明する。蒸着マスク用基材10の製造方法は、電気めっきによってめっき箔を形成することと、めっき箔をアニールして金属箔を得ることと、を含む。以下、本実施形態における蒸着マスク用基材10の製造方法をより詳しく説明する。
図7は、電気めっきによってめっき箔を形成する工程を模式的に示している。
図7が示すように、電気めっきによってめっき箔を形成するときには、電解浴42によって満たされた電解槽41内に、陰極43と陽極44とを配置する。そして、陰極43と陽極44とに接続された電源45によって、陰極43と陽極44との間に電位差を生じさせる。これにより、陰極43の表面にめっき箔10Mが形成される。すなわち、めっき箔10Mにおいて、陰極43に接している面が、蒸着マスク用基材10の電極面10Eに対応し、陰極43から離れた面が蒸着マスク用基材10の析出面10Dに対応する。陰極43に形成されためっき箔10Mを陰極43から離型する。
なお、電気めっきでは、例えば、鏡面を表面とする電解ドラム電極が電解浴に浸され、かつ、電解ドラム電極を下方で受けて電解ドラム電極の表面と対向する他の電極が用いられてもよい。そして、電解ドラム電極と他の電極との間に電流が流されて、電解ドラム電極の表面である電極表面に、めっき箔10Mが沈着する。電解ドラム電極が回転してめっき箔10Mが所望の厚さになるタイミングで、電解ドラム電極の表面からめっき箔10Mが剥がされて巻き取られる。
電気めっきに用いられる電解浴は、鉄イオン供給剤、ニッケルイオン供給剤、および、pH緩衝剤を含む。電気めっきに用いられる電解浴は、応力緩和剤、Fe3+イオンマスク剤、および、錯化剤などを含んでもよい。電解浴は、電気めっきに適したpHに調整された弱酸性の溶液である。鉄イオン供給剤は、例えば、硫酸第一鉄・7水和物、塩化第一鉄、および、スルファミン酸鉄などである。ニッケルイオン供給剤は、例えば、硫酸ニッケル(II)、塩化ニッケル(II)、スルファミン酸ニッケル、および、臭化ニッケルなどである。pH緩衝剤は、例えば、ホウ酸、および、マロン酸などである。マロン酸は、Fe3+イオンマスク剤としても機能する。応力緩和剤は、例えば、サッカリンナトリウムなどである。錯化剤は、例えば、リンゴ酸やクエン酸などである。電気めっきに用いられる電解浴は、例えば、上述した添加剤を含む水溶液であり、pH調整剤、例えば、5%硫酸、あるいは、炭酸ニッケルなどによって、例えば、pHが2以上3以下になるように調整される。
電気めっきに用いられるめっき条件では、めっき箔10Mの厚さ、および、めっき箔10Mの組成比などに応じて、電解浴の温度、電流密度、および、めっき時間が適宜調整される。電解浴に適用される陽極は、例えば、純鉄製の電極、および、ニッケル製の電極などである。電解浴に適用される陰極は、例えば、SUS304などのステンレス板などである。電解浴の温度は、例えば、40℃以上60℃以下である。電流密度は、例えば、1A/dm以上4A/dm以下である。この際、以下の[条件1]が満たされるように、電極表面での電流密度が設定される。好ましくは、以下の[条件2]が[条件1]とともに満たされるように、電極表面での電流密度が設定される。
[条件1]規格値(MD/T)が0.05(質量%/μm)以下である。
[条件2]ニッケル質量比が、35.8質量%以上42.5質量%以下である。
図8は、めっき箔10Mをアニールする工程を模式的に示している。
図8が示すように、めっき箔10Mに対してアニール処理が行われる。アニール処理では、めっき箔10Mが、アニール炉51内の載置部52に載置される。めっき箔10Mは、加熱部53によって加熱される。アニール処理では、めっき箔10Mが350℃以上の温度に加熱され、好ましくは600℃以上の温度に加熱される。加熱時間は、例えば、1時間である。このとき、めっき箔10Mにおいて上述した条件1が満たされているため、アニール工程を経て得られた蒸着マスク用基材10において、四隅が中央部よりも浮き上がることが抑えられる。
[蒸着マスクの製造方法]
図9から図17を参照して、蒸着マスク30の製造方法を説明する。本実施形態では、蒸着マスク30の製造方法として、図4に示したマスク部32を製造するための工程を説明する。なお、図3を参照して先に説明したマスク部32を製造するための工程は、図4を参照して先に説明したマスク部32を製造するための工程にて、小孔32SHを貫通孔として、大孔32LHを形成するための工程を割愛した工程と同様であるため、その説明を省略する。
蒸着マスク30の製造方法は、電気めっきによってめっき箔を形成することと、めっき箔をアニールして金属箔を得ることと、金属箔に複数の貫通孔を形成することと、を含む。以下、図面を参照して、本実施形態における蒸着マスク30の製造方法をより詳しく説明する。
図9が示すように、蒸着マスク30が備えるマスク部32を製造するときには、まず、第1面10Aと第2面10Bとを含む蒸着マスク用基材10と、第1面10Aに貼り付けられる第1ドライフィルムレジスト(Dry Film Resist:DFR)61と、第2面10Bに貼り付けられる第2ドライフィルムレジスト(DFR)62とが準備される。DFR61,62の各々は、蒸着マスク用基材10とは別に形成される。次いで、第1面10Aに第1DFR61が貼り付けられ、かつ、第2面10Bに第2DFR62が貼り付けられる。
図10が示すように、DFR61,62のうち、孔を形成する部位以外の部分を露光し、露光後のDFR61,62を現像する。これによって、第1DFR61に第1貫通孔61aを形成し、かつ、第2DFR62に第2貫通孔62aを形成する。露光後のDFRを現像するときには、現像液として、例えば、炭酸ナトリウム水溶液を用いる。
図11が示すように、例えば、現像後の第1DFR61をマスクとして、塩化第二鉄液を用いて蒸着マスク用基材10の第1面10Aをエッチングする。このとき、第2面10Bが第1面10Aと同時にエッチングされないように、第2面10Bを保護する第2保護層63を形成する。第2保護層63の材料は、塩化第二鉄液に対する化学的な耐性を有する。これによって、第2面10Bに向けて窪む小孔32SHを第1面10Aに形成する。小孔32SHは、第1面10Aに開口する第1開口H1を有する。
蒸着マスク用基材10をエッチングするエッチング液は、塩化第二鉄液に限らず、酸性のエッチング液であって、鉄ニッケル系合金をエッチングすることが可能なエッチング液であってよい。酸性のエッチング液は、例えば、過塩素酸第二鉄液、および、過塩素酸第二鉄液と塩化第二鉄液との混合液に対して、過塩素酸、塩酸、硫酸、蟻酸、および、酢酸のいずれかを混合した溶液である。蒸着マスク用基材10をエッチングする方法は、蒸着マスク用基材10を酸性のエッチング液に浸漬するディップ式であってもよいし、蒸着マスク用基材10に酸性のエッチング液を吹き付けるスプレー式であってもよい。
図12が示すように、第1面10Aに形成した第1DFR61と、第2DFR62に接する第2保護層63とを取り除く。また、第1面10Aのさらなるエッチングを防ぐための第1保護層64を第1面10Aに形成する。第1保護層64の材料は、塩化第二鉄液に対する化学的な耐性を有する。
図13が示すように、現像後の第2DFR62をマスクとして、塩化第二鉄液を用いて第2面10Bをエッチングする。これによって、第1面10Aに向けて窪む大孔32LHを第2面10Bに形成する。大孔32LHは、第2面10Bに開口する第2開口H2を有する。第2面10Bと対向する平面視において、第2開口H2は、第1開口H1よりも大きい。この際に用いられるエッチング液もまた、酸性のエッチング液であって、鉄ニッケル系合金をエッチングすることが可能なエッチング液であればよい。蒸着マスク用基材10をエッチングする方法もまた、蒸着マスク用基材10を酸性のエッチング液に浸漬するディップ式であってもよいし、蒸着マスク用基材10に酸性のエッチング液を吹き付けるスプレー式であってもよい。
図14が示すように、第1保護層64と第2DFR62とを蒸着マスク用基材10から取り除くことによって、複数の小孔32SHと、各小孔32SHに繋がる大孔32LHとが形成されたマスク部32が得られる。
なお、圧延を用いる蒸着マスク用基材の製造方法では、酸化アルミニウムや酸化マグネシウムなどの金属酸化物が、蒸着マスク用基材のなかに少なからず含まれる。蒸着マスク用基材の母材が形成されるときには、通常、母材のなかに酸素が混入することを抑えるために、粒状のアルミニウムやマグネシウムなどの脱酸剤が原料に混ぜられる。そして、アルミニウムやマグネシウムは、酸化アルミニウムや酸化マグネシウムなどの金属酸化物として、母材中に少なからず残る。この点で、電気めっきを用いる蒸着マスク用基材の製造方法によれば、金属酸化物がマスク部32に混ざることが抑えられる。
こうして形成されたマスク部32は、例えば、図15から図17を参照して以下に説明する3つの方法のいずれかによってフレーム部31に接合される。これにより、上述した蒸着マスク30が得られる。なお、図15から図17を参照して説明する接合工程の前に、マスク部32における第1面321Aに支持体を貼り付ける。支持体によって、接合工程においてマスク部32のたわみを抑えることができる。これにより、フレーム部31に対するマスク部32の接合を安定に行うことができる。
また、マスク部32におけるたわみが小さい場合には、マスク部32に支持体を貼り付けなくてもよい。さらには、マスク部32が図3を参照して先に説明した構造を有する場合には、蒸着マスク用基材10のエッチングを行う前に、蒸着マスク用基材10に支持体を貼り付けることも可能である。
図15が示す例では、第2面321Bの外縁部32Eをフレーム部31の内縁部31Eに接合する方法として、抵抗溶接を用いる。この際、絶縁性を有した支持体SPに、複数の孔SPHを形成する。各孔SPHは、支持体SPのなかで、図5を参照して先に説明した接合部32BNとなる部位と対向する部位に形成される。そして、各孔SPHを通じて通電し、間欠的な接合部32BNを形成する。これによって、外縁部32Eを内縁部31Eと溶着する。次いで、マスク部32から支持体SPを剥離することによって、蒸着マスク30を得ることができる。
図16が示す例では、第2面321Bの外縁部32Eをフレーム部31の内縁部31Eに接合する方法として、レーザー溶接を用いる。この際、光透過性を有した支持体SPを用い、支持体SPを通じて、接合部32BNとなる部位にレーザー光Lを照射する。そして、外縁部32Eの周囲でレーザー光Lを間欠的に照射することによって、間欠的な接合部32BNを形成する。あるいは、外縁部32Eの周囲でレーザー光Lを連続的に照射し続けることによって、外縁部32Eの全周にわたり、連続的な接合部32BNを形成する。これによって、外縁部32Eを内縁部31Eと溶着する。次いで、マスク部32から支持体SPを剥離することによって、蒸着マスク30を得ることができる。
図17が示す例では、第2面321Bの外縁部32Eをフレーム部31の内縁部31Eに接合する方法として、超音波溶接を用いる。この際、外縁部32Eと内縁部31Eとを、クランプCPなどで挟持し、接合部32BNとなる部位に超音波を印加する。超音波が直接印加される部材は、フレーム部31であってもよいし、マスク部32であってもよい。なお、超音波溶接が用いられた場合には、フレーム部31や支持体SPに、クランプCPによる圧着痕が形成される。次いで、マスク部32から支持体SPを剥離することによって、蒸着マスク30を得ることができる。
なお、上述した各接合では、マスク部32に対してマスク部32の外側に向けた応力を加えた状態で、溶着や溶接を行うことも可能である。また、マスク部32に対してマスク部32の外側に向けた応力を加えた状態で、支持体SPがマスク部32を支持している場合には、マスク部32に対する応力の印加を割愛することも可能である。
また、図15から図17を参照して説明した例では、マスク部32の第2面321Bをフレーム部31に接合しているが、マスク部32の第1面321Aをフレーム部31に接合してもよい。
[表示装置の製造方法]
上述した蒸着マスク30を用いて表示装置を製造する方法では、まず、蒸着マスク30を搭載したマスク装置20を蒸着装置の真空槽内に取り付ける。この際、ガラス基板などの蒸着対象が第1面321Aと対向するように、かつ、蒸着源が第2面321Bと対向するように、マスク装置20を取り付ける。そして、蒸着装置の真空槽に蒸着対象を搬入し、蒸着源によって蒸着物質を昇華させる。これにより、第1開口H1に追従した形状を有するパターンが、第1開口H1と対向する蒸着対象に形成される。なお、蒸着物質は、例えば、表示装置の画素を構成する有機発光材料や、表示装置の画素回路を構成する画素電極を形成するための材料などである。
[実施例]
図18から図24を参照して実施例を説明する。
実施例1から実施例8、および、比較例1から比較例7の各々における蒸着マスク用基材を得るために、電気めっきによってめっき箔を形成するときには、以下に記載する添加物が添加された水溶液であって、pH2.3に調整された電解浴を用いた。また、電気めっきにおいて、電流密度を1(A/dm)以上4(A/dm)以下の範囲で変更することによって、実施例1から実施例8、および、比較例1から比較例7のめっき箔が得られた。これにより、長さが150mmであり、幅が150mmであるめっき箔を得た。
[電解浴]
・硫酸第一鉄・7水和物 :83.4g/L
・硫酸ニッケル(II)・6水和物:250.0g/L
・塩化ニッケル(II)・6水和物:40.0g/L
・ホウ酸 :30.0g/L
・サッカリンナトリウム2水和物 :2.0g/L
・マロン酸 :5.2g/L
・温度 :50℃
電気めっきによって形成されためっき箔から、長さが50mmであり、幅が50mmである正方形状を有した第1金属片を切り出した。このとき、第1金属片における各辺が、めっき箔において当該辺と対向する辺に対して平行であり、かつ、めっき箔における中心と、第1金属片の中心とがほぼ一致するように、めっき箔から第1金属片を切り出した。そして、加熱温度を600℃に設定し、かつ、加熱時間を1時間に設定して、真空中において第1金属片を加熱した。これにより、各実施例および各比較例における第1金属片を得た。後述するように、第1金属片をカール量の測定対象とした。
また、上述した各めっき箔から、第1金属片を切り出した領域の近傍から、長さが10mmであり、幅が10mmである正方形状を有した第2金属片を切り出した。以下に説明するように、第2金属片を厚さ、電極面の組成比、および、析出面の組成比の測定対象とした。
各実施例、および、各比較例の第2金属片について、厚さ、電極面の組成比、および、析出面の組成比を測定した。なお、厚さの測定には、走査形電子顕微鏡(SEM)(JSM−7001F、日本電子(株)製)を用いた。組成比の測定には、SEMに取り付けた元素分析用エネルギー分散型X線分析装置(EDX)(INCA PentaPET×3、オックスフォード・インストゥルメンツ社製)を用いた。組成比を測定する際には、各第2金属片の断面を5000倍で観察した。このとき、SEMの加速電圧を20kVに設定し、二次電子像を得た。また、EDXの測定時間を60秒に設定した。
なお、各実施例、および、各比較例の第2金属片において、クロスセクションポリッシャーを用いて断面を露出させた。そして、電極面(10E)から0.5μmだけ内側の面での組成比を電極面での組成比に設定し、析出面(10D)から0.5μmだけ内側の面での組成比を析出面での組成比に設定した。各面について、互いに異なる3点における組成比を測定し、3点の平均値を各面における組成比とした。析出面におけるNiの質量比(第2ニッケル質量比)(質量%)と、電極面におけるNiの質量比(第1ニッケル質量比)(質量%)との差の絶対値を質量差(MD)(質量%)として算出した。また、質量差(MD)(質量%)を蒸着マスク用基材の厚さ(T)(μm)で除算することによって、規格値(MD/T)(質量%/μm)を得た。
図18が示すように、各実施例、および、各比較例の第1金属片M1を、第1金属片M1の四隅が平坦面FLから離れる方向に反る、すなわち、平坦面FLから浮き上がるように、平坦面FL上に載置した。そして、第1金属片M1の四隅の各々において、平坦面と四隅との差である高さH(mm)を測定し、4カ所の高さHの平均値をカール量(mm)として算出した。
各実施例、および、各比較例の第1金属片について、TMA(Thermomechanical Analysis)法を用いて線膨張係数を測定した。線膨張係数の測定には、熱機械分析装置(TMA−50、(株)島津製作所製)を用いた。なお、線膨張係数として、25℃以上100℃以下の範囲における線膨張係数の平均値を測定した。
[解析結果]
各実施例および比較例において、厚さ(T)、析出面におけるNiの質量比(第2ニッケル質量比)、電極面におけるNiの質量比(第1ニッケル質量比)、質量差(MD)、規格値(MD/T)、カール量、および、線膨張係数は、以下の表1に示す通りであった。
表1が示すように、各実施例の第2金属片では、質量差(MD)が0.6質量%以下であり、規格値(MD/T)が0.05(質量%/μm)以下であることが認められた。そして、各実施例の第1金属片では、カール量が0.6mm以下であることが認められた。これに対して、各比較例の第2金属片では、質量差(MD)が0.7質量%以上であり、規格値(MD/T)が0.07(質量%/μm)以上であることが認められた。そして、各比較例の第1金属片では、カール量が2.3mm以上であることが認められた。なお、比較例2では、第1金属片が円筒状を有しているために、カール量を測定することができなかった。また、0.0mmよりも大きいカール量を有する第1金属片では、Niの質量比が低い面から、Ni質量比が高い面に向けて浮き上がることが認められた。
なお、各面における組成比の測定結果において、第2金属片では、ニッケル以外の残部のほぼ全てが鉄であることが認められた。また、各実施例、および、各比較例において、アニール前の組成比と、アニール後の組成比とは同一であることが認められた。
図19は実施例5の第1金属片を撮影した写真であり、図20は実施例6の第1金属片を撮影した写真である。図19および図20が示すように、カール量が0.3mm程度であれば、第1金属片はほぼ平坦であることが認められた。すなわち、第1金属片が、平坦面FLにほぼ沿う形状を有することが認められた。これに対して、図21は比較例5の第1金属片を撮影した写真であり、図22は比較例3の第1金属片を撮影した写真である。図21が示すように、カール量が5mmを超えてしまうと、第1金属片の四隅における浮き上がりが顕著であることが認められた。また、図22が示すように、カール量が15mmを超えてしまうと、第1金属片の四隅における浮き上がりがさらに顕著であることが認められた。なお、全ての実施例、および、比較例において、アニール前の金属箔は、ほぼ平坦であることが認められた。
また、規格値(MD/T)とカール量との関係は、図23に示す通りであった。
図23が示すように、質量差(MD)(質量%)を第2金属片の厚さ(T)で除算した値である規格値(MD/T)(質量%/μm)が0.05(質量%/μm)を超えると、0.05(質量%/μm)以下である場合と比べて、第1金属片におけるカール量が顕著に大きくなることが認められた。
さらに、質量差(MD)とカール量との関係は、図24に示す通りであった。
図24が示すように、質量差(MD)(質量%)が0.6(質量%)を超えると、0.6(質量%)以下である場合と比べて、第1金属片におけるカール量が顕著に大きくなることが認められた。
以上説明したように、蒸着マスク用基材、蒸着マスク用基材の製造方法、蒸着マスクの製造方法、および、表示装置の製造方法の一実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)規格値(MD/T)、すなわち、蒸着マスク用基材10の単位厚さあたりにおいて、Niの質量比における変化量が0.05(質量%/μm)以下に抑えられているため、蒸着マスク用基材10の四隅が中央部に対して浮き上がることが抑えられる。
(2)質量差(MD)が0.6(質量%)以下に抑えられているため、蒸着マスク用基材10の四隅が中央部に対して浮き上がることが抑えられる。
(3)蒸着マスク30が有する孔の深さを15μm以下にすることができ、蒸着マスク30が有する孔の容積を小さくすることができる。これにより、蒸着マスク30の孔を通過する蒸着材料が蒸着マスク30に付着する量を少なくすることができる。
(4)蒸着マスク用基材10の線膨張係数と、ガラス基板の線膨張係数との差、および、蒸着マスク用基材10の線膨張係数と、ポリイミドシートの線膨張係数との差を小さくすることができる。これにより、蒸着マスクでの熱膨張による大きさの変化が、ガラス基板およびポリイミドシートでの熱膨張による大きさの変化と同じ程度である。それゆえに、蒸着対象としてガラス基板またはポリイミドシートを用いる場合に、蒸着マスクによって形成する蒸着パターンにおける形状の精度を高めることができる。
なお、上述した実施形態は、以下のように適宜変更して実施することができる。
[厚さ]
・蒸着マスク用基材10の厚さは、15μmよりも大きくてもよい。
[エッチング]
・蒸着マスク用基材10のエッチングでは、蒸着マスク用基材10の第1面10Aに開口した大孔32LHを形成し、かつ、第2面10Bに開口した小孔32SHを形成してもよい。
10…蒸着マスク用基材、10A,321A…第1面、10B,321B…第2面、10D…析出面、10E…電極面、10M…めっき箔、20…マスク装置、21…メインフレーム、21H…メインフレーム孔、30…蒸着マスク、31…フレーム部、31A…接合面、31B…非接合面、31E…内縁部、31H…フレーム孔、31HA…第1フレーム孔、31HB…第2フレーム孔、31HC…第3フレーム孔、32…マスク部、32A…第2マスク部、32B…第2マスク部、32C…第3マスク部、32BN…接合部、32E…外縁部、32H,SPH…孔、32LH…大孔、32SH…小孔、41…電解槽、42…電解浴、43…陰極、44…陽極、45…電源、51…アニール炉、52…載置部、53…加熱部、61…第1ドライフィルムレジスト、61a…第1貫通孔、62…第2ドライフィルムレジスト、62a…第2貫通孔、63…第2保護層、64…第1保護層、321…マスク板、CP…クランプ、FL…平坦面、H…高さ、H1…第1開口、H2…第2開口、L…レーザー光、M1…第1金属片、S…蒸着対象、SH…ステップハイト、SP…支持体、V…空間。

Claims (6)

  1. 電気めっきを用いて形成された金属箔である蒸着マスク用基材であって、
    前記金属箔は、鉄ニッケル系合金製であり、
    第1面と、
    前記第1面とは反対側の面である第2面と、を含み、
    前記第1面は、前記第1面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第1ニッケル質量比(質量%)を有し、
    前記第2面は、前記第2面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第2ニッケル質量比(質量%)を有し、
    前記第1ニッケル質量比(質量%)と、前記第2ニッケル質量比(質量%)との差の絶対値が、質量差(質量%)であり、
    前記質量差を前記蒸着マスク用基材の厚さ(μm)で除算した値が規格値であり、
    前記質量差が、0.6(質量%)以下であり、
    前記規格値が、0.05(質量%/μm)以下である
    蒸着マスク用基材。
  2. 前記蒸着マスク用基材の厚さが、15μm以下である
    請求項1に記載の蒸着マスク用基材。
  3. 前記第1ニッケル質量比および前記第2ニッケル質量比は各々、35.8質量%以上42.5質量%以下である
    請求項1または2に記載の蒸着マスク用基材。
  4. 電気めっきを用いて形成された金属箔である蒸着マスク用基材を製造する方法であって、
    前記電気めっきによってめっき箔を形成することと、
    前記めっき箔をアニールして前記金属箔を得ることと、を含み、
    前記金属箔は、鉄ニッケル系合金製であり、
    第1面と、
    前記第1面とは反対側の面である第2面と、を含み、
    前記第1面は、前記第1面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第1ニッケル質量比(質量%)を有し、
    前記第2面は、前記第2面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第2ニッケル質量比(質量%)を有し、
    前記第1ニッケル質量比(質量%)と、前記第2ニッケル質量比(質量%)との差の絶対値が、質量差(質量%)であり、
    前記質量差を前記蒸着マスク用基材の厚さ(μm)で除算した値が規格値であり、
    前記質量差が、0.6(質量%)以下であり、
    前記規格値が、0.05(質量%/μm)以下である
    蒸着マスク用基材の製造方法。
  5. 電気めっきを用いて形成された金属箔である蒸着マスク用基材に複数の貫通孔を形成することによって蒸着マスクを製造する方法であって、
    前記電気めっきによってめっき箔を形成することと、
    前記めっき箔をアニールして前記金属箔を得ることと、
    前記金属箔に複数の貫通孔を形成することと、を含み、
    前記金属箔は、
    第1面と、
    前記第1面とは反対側の面である第2面と、を含み、
    前記第1面は、前記第1面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第1ニッケル質量比(質量%)を有し、
    前記第2面は、前記第2面における鉄の質量とニッケルの質量との合計に対するニッケルの質量の百分率である第2ニッケル質量比(質量%)を有し、
    前記第1ニッケル質量比(質量%)と、前記第2ニッケル質量比(質量%)との差の絶対値が、質量差(質量%)であり、
    前記質量差を前記蒸着マスク用基材の厚さ(μm)で除算した値が規格値であり、
    前記質量差が、0.6(質量%)以下であり、
    前記規格値が、0.05(質量%/μm)以下である
    蒸着マスクの製造方法。
  6. 請求項の記載の蒸着マスクの製造方法による蒸着マスクを準備することと、
    前記蒸着マスクを用いた蒸着によってパターンを形成することと、を含む
    表示装置の製造方法。
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