JP6596174B1 - 壁体構成部材の継手構造、該継手構造を用いた壁体構成部材、該壁体構成部材を用いた壁体、および該壁体構成部材を用いた壁体の構築方法 - Google Patents

壁体構成部材の継手構造、該継手構造を用いた壁体構成部材、該壁体構成部材を用いた壁体、および該壁体構成部材を用いた壁体の構築方法 Download PDF

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Abstract

【課題】筒状部材に所要のスリット幅を確保することができる継手構造を提供する。【解決手段】壁体構成部材32の所定部位に固定され、雄型継手が嵌挿される雌型継手となる筒状継手36を備え、筒状継手に長手方向に延びた嵌合用スリット36aが設けられ、嵌合用スリットの近傍に、スリット幅を狭めるためのスリット幅調整部材38が設置されていることを特徴とする。スリット幅調整部材は鋼製部材で形成されており、融接手段又は機械的手段で嵌合用スリットの近傍に固定されている。【選択図】図2

Description

本発明は、水域構造物(護岸、岸壁、防波堤、導流堤など)や陸域構造物(擁壁、土留壁など)として用いられる壁体を構成する壁体構成部材の継手構造、該継手構造を用いた壁体構成部材、該壁体構成部材を用いた壁体、および該壁体構成部材を用いた壁体の構築方法に関する。
図16は、前面側と背面側とを隔てる境界に設置される壁体によって形成される壁体構造物(二重鋼矢板壁)の一例を示した図である。図16に示される壁体80は、一対の前壁82、後壁84と、一対の隔壁86、88と、これらの壁を隅角部において接合する継手構造90とを備えている。
このような継手構造90は一般的に、壁体構成部材(例えば、ハット形鋼矢板)にスリット付き筒状継手(例えば、スリット付き鋼管)を設置することによって形成される。そして、雌型継手となるスリット付き筒状継手のスリットに、雄型継手(例えば、ハット形鋼矢板の継手部)を嵌挿することによって、壁体構成部材が連結されるようになっている。壁体構成部材に上述のスリット付き筒状継手を設置する方法は大別すると、予めスリットを設けた筒状部材を壁体構成部材に溶接により取り付ける方法と、筒状部材を壁体構成部材に溶接により取り付けた後に当該筒状部材にスリットを設ける方法の2つが想定される。
前者の方法には、以下の課題がある。すなわち、筒状部材にはその製造に伴う残留応力が蓄積されているが、この蓄積状態を予め正確に予測することは困難である。一方、筒状部材を長手方向に適宜手段で切断すると、筒状部材に蓄積されていた残留応力が開放されるが、上述のように残留応力の正確な蓄積状態を予測することができないので、切断により生ずるスリット幅を事前に正確に予測することは難しい。また、スリットを設けた筒状部材を壁体構成部材に溶接により取り付けると、溶接部が冷却に伴って収縮するため、スリット幅が拡幅するが、スリット幅の拡幅量を事前に正確に予測することも難しい。
後者の方法には、以下の課題がある。すなわち、筒状部材にはその製造時に生ずる残留応力だけでなく溶接に伴う残留応力が蓄積されており、この状態で筒状部材を長手方向に適宜手段で切断すると、切り代以上のスリット幅となるが、このスリット幅は蓄積された残留応力の蓄積状態で左右されるため、スリット幅を正確に予測することは難しい。
一方、雄型継手を雌型継手に嵌挿する際に、筒状部材のスリットの幅が大きすぎると、雄型継手とスリットとの間の隙間が大きくなり、裏込材に土砂を適用した場合、隙間から土砂が吸い出されるという不都合もある。そのような場合、裏込材の吸い出しを防止するため、裏込材として割石を使用することも考えられるが、割石は土砂よりも高価であるうえ、調達性も劣るという問題もある。
上述のように、筒状部材に設けられるスリット幅を正確に予測することが難しいため、所定のスリット幅を確保しようとすると、複数回の切断を要することがあり、これにより製作コストが嵩み、製作工期が長くなる、という問題があった。また、スリット形状も非真直状態を呈することがあり、品質上の問題があった。一方、筒状部材に設けるスリット幅が計画・設計値よりも大きいと、上述のように、スリットに嵌挿される雄型部材の嵌挿部分とスリットとの間に隙間が生じ、隙間から土砂が漏れるという問題があった。また、スリット幅が計画・設計値よりも小さいと、雄型部材をスリットに嵌挿できなかったり、雄型部材をスリットに無理に嵌挿させようとすると摩擦熱により筒状部材や雄型部材が溶融してしまう、という問題があった。
本発明は、このような状況に鑑みて開発されたものであって、筒状部材に所要のスリット幅を確保することができる壁体構成部材の継手構造、該継手構造を用いた壁体構成部材、該壁体構成部材を用いた壁体、および該壁体構成部材を用いた壁体の構築方法を提供することを目的としている。
本願請求項1に記載された、壁体の一部を構成する壁体構成部材の継手構造は、 前記壁体構成部材の所定部位に固定され、雄型継手が嵌挿される雌型継手となる筒状継手を備え、前記筒状継手に長手方向に延び、所要の幅よりも大きめの幅を有する嵌合用スリットが設けられ、前記嵌合用スリットの両方の縁部の外面又は片方の縁部の外面に、前記所要のスリット幅となるように前記嵌合用スリットの前記幅を狭めるためのスリット幅調整部材が設置されていることを特徴とするものである。
本願請求項2に記載された、壁体の一部を構成する壁体構成部材の継手構造は、前記請求項1の継手構造において、前記スリット幅調整部材が鋼製部材で形成されており、融接手段又は機械的手段で前記嵌合用スリットの近傍に固定されていることを特徴とするものである。
本願請求項3に記載された、壁体の一部を構成する壁体構成部材の継手構造は、前記請求項1又は2の継手構造において、前記筒状継手の内部に充填材が充填されていることを特徴とするものである。
本願請求項4に記載された、壁体の一部を構成する壁体構成部材の継手構造は、前記請求項3の継手構造において、前記充填材が、発泡スチロール、発泡ウレタンのような固体状の充填材であることを特徴とするものである。
本願請求項5に記載された、壁体の一部を構成する壁体構成部材の継手構造は、前記請求項4の継手構造において、前記充填材の所定部位に切れ目が設けられていることを特徴とするものである。
本願請求項6に記載された、壁体の一部を構成する壁体構成部材の継手構造は、前記請求項3の継手構造において、前記充填材が、瀝青質材、ウレタン、ゴム、ソイルセメントのような経時硬化性充填材であることを特徴とするものである。
本願請求項7に記載された壁体構成部材は、前記請求項1から前記請求項6までのいずれか1項に記載された継手構造を有するものである。
本願請求項8に記載された壁体は、前記請求項7に記載された壁体構成部材を用いて形成されたことを特徴とするものである。
本願請求項9に記載された壁体の構築方法は、前記請求項7に記載された壁体構成部材を用いて壁体を形成することを特徴とするものである。
本発明の継手構造によれば、筒状継手の長手方向に若干大きめの幅を有する嵌合用スリットを設けた後、スリット幅調整部材を設置することにより、比較的容易に計画・設計幅に適合する嵌合用スリットを得ることができるとともに、土砂漏れを容易に防止することができる。また、スリット幅調整部材を設置した筒状継手の内部に充填材を充填することにより、より確実かつ容易に土砂漏れを防止することができる。また、筒状継手の内部に充填された充填材に切れ目を設けることにより、雄型部材の挿入が容易になり、より一層確実に土砂漏れを防止することができる。さらに、該継手構造を用いた壁体構成部材、該壁体構成部材を用いた壁体、および該壁体構成部材を用いて壁体を構築することにより、力学的に良好な継手構造を得ることができるとともに、土砂漏れの危険性も回避することができる。
本発明の鋼矢板用の継手構造を備えた壁体構成部材が設置された壁体の一部を示した平面図である。 図2(a)は、図1の部分2aの拡大図、図2(b)は、図2(a)の部分2bの拡大図、図2(c)は、スリット幅調整部材によりスリット幅が狭められる状態を説明するための図である。 図1の継手構造の筒状継手の種々の形態を示した一連の図である。 図1の継手構造の筒状継手の別の種々の形態を示した一連の図である。 図1の継手構造の筒状継手のさらに別の形態を示した図である。 図1の継手構造の筒状継手のさらに別の形態を示した図である。 図1の継手構造の筒状継手のさらに別の形態を示した図である。 図1の継手構造の筒状継手のさらに別の形態を示した図である 本発明の鋼管矢板用の継手構造を備えた壁体構成部材が設置された壁体の一部を示した平面図である。 図10(a)は、図9の部分10aの拡大図、図10(b)は、スリット幅調整部材によりスリット幅が狭められる状態を説明するための図、図10(c)は、図9の部分10aの別の形態の拡大図である。 図11(a)は、雄型継手としてT形継手を用いた場合の図10(a)と同様の図、図11(b)は、スリット幅調整部材によりスリット幅が狭められる状態を説明するための図、図11(c)は、スリット幅調整部材がスリットの片側にのみ設置されている場合の図11(a)と同様の図である。 図12(a)は、雄型継手としてT形継手を用い、雌型継手として一対の山形鋼を用いた場合の図10(a)と同様の図、図12(b)は、スリット幅調整部材によりスリット幅が狭められる状態を説明するための図、図12(c)は、スリット幅調整部材がスリットの片側にのみ設置されている場合の図12(a)と同様の図である。 図13(a)は、鋼管矢板によって形成される壁体からU形鋼矢板が分岐している状態を示した図、図13(b)は、図13(a)の部分13bの拡大図である。 図14(a)は、海と陸との境界に設置された壁体構成部材を示した模式図、図14(b)および図14(c)は、図14(a)の線14b、14c‐14b、14cに沿って見た図である。 図15(a)は、筒状継手内に充填材が充填される形態を示した図、図15(b)および図15(c)は、図15(a)の充填材に切れ目が設けられる形態を示した図である。 従来の壁体によって形成される壁体構造物の一例を示した図である。
(鋼矢板用の継手構造)
最初に、壁体構成部材として鋼矢板が用いられる場合の継手構造について説明する。図1は、鋼矢板によって形成された壁体の一部を示した平面図、図2(a)は、図1の部分2aの拡大図、図2(b)は、図2(a)の部分2bの拡大図である。
図1に示される壁体10は、一対の前壁12、後壁14と、一対の隔壁16、18とを平面的に見て矩形に組んで構成した函体20を有している。一対の前壁12、後壁14、一対の隔壁16、18は、それぞれ所望の鋼矢板(例えば、ハット形鋼矢板)からなる壁体構成部材を嵌合継手を介して接続して構成される。また、函体20内の内部空間22には、中詰材(図示せず)が充填される。
前壁12、後壁14と隔壁16、18の端部との接合個所に、継手構造30が設置される。
図2(a)において全体として参照符号30で示される本発明の好ましい実施形態に係る継手構造は、図1、図2(a)および図2(b)に示される例では、壁体構成部材であるハット形鋼矢板32に固定されている。
ハット形鋼矢板32は、土水圧等の荷重が作用した場合に主として曲げモーメントに抵抗するフランジ32a、アーム部32b及び継手部32cと、主としてせん断力に抵抗するウェブ32dとを有している。より詳細に説明すると、ハット形鋼矢板32では、フランジ32aの両縁部から外方に向かって拡がるように一対のウェブ32dがそれぞれ連続して配置され、各ウェブ32dにフランジ32aと略平行になるようにアーム部32bがそれぞれ連続して配置されており、各アーム部32bに継手部32cがそれぞれ連続して設けられている。
ハット形鋼矢板32の継手部32cの一方には上方開口爪32c1が形成され、継手部32cの他方には下方開口爪32c2が形成されている。上方開口爪32c1と下方開口爪32c2は、互いに相補する形状に形作られており、一方のハット形鋼矢板32の継手部32cの上方開口爪32c1に、隣接する他方のハット形鋼矢板32の継手部32cの下方開口爪32c2を嵌め込むことによって、或いは、一方のハット形鋼矢板32の継手部32cの下方開口爪32c2に、隣接する他方のハット形鋼矢板32の継手部32cの上方開口爪32c1を嵌め込むことによって、所望の枚数のハット形鋼矢板32を嵌合させることができる。
継手構造30は、ハット形鋼矢板32のフランジ32aの背面に溶接34により固定された筒状継手36を備えている。筒状継手36は、環状断面部材(例えば、円形鋼管、角形鋼管)によって形成されている。筒状継手36には、断面方向の所定部位において、長手方向に延びた嵌合用スリット36aが設けられている。
筒状継手36の嵌合用スリット36aの両方の縁部にはそれぞれ、スリット幅を狭めるためのスリット幅調整部材38が設置されている。すなわち、図2(c)に示されるように、当初の嵌合用スリット36aの幅はB+2×ΔBであるが、スリット幅調整部材38を設置することにより、所要のスリット幅Bが得られる。なお、ΔBは、ΔB1、ΔB2というように異なった値のこともある。この場合、当初の嵌合用スリット36aの幅はB+ΔB1+ΔB2であるが、スリット幅調整部材38を設置することにより、所要のスリット幅Bが得られる。スリット幅調整部材38は、融接手段で筒状継手36に固定されているが、機械的手段(図示せず)を用いて筒状継手36に固定してもよい。スリット幅調整部材38を溶接にて筒状継手36に固定する場合の溶接は、連続溶接でも断続溶接でもよい。断続溶接を採用すると、加工コストの低減や加工工期の短縮化が可能となる。
嵌合用スリット36aとこれに嵌挿される雄型継手とにより形成される隙間が、 JIS A5523(溶接用熱間圧延鋼矢板)、JIS A5528(熱間圧延鋼矢板)に規定された鋼矢板の継手嵌合部の隙間と同程度になるようにスリット幅調整部材38を設置することが望ましい。前記隙間の具体的数値は1mm〜5mm程度である。なお、前記隙間は、壁体構成部材の打設に支障のない範囲で、狭いほうがよい。
スリット幅調整部材38は、鋼製部材で形成されている。スリット幅調整部材38としては、種々の部材、例えば、平鋼(図3(a)、図3(b)参照)、丸棒(図3(c)、図3(d)参照)、角棒(図3(e)、図3(f)参照)、山形鋼(図4(a)〜図4(d)参照)等が用いられる。
また、スリット幅調整部材38を、嵌合用スリット36aの両方の縁部にではなく、片方の縁部にのみ設置してもよい(図5(a)、図5(b)参照)。片方の縁部にのみ設置する場合には、加工コストの低減と加工工期の短縮化が可能となる。
図1〜図5に示される例では、筒状継手36が環状断面部材で形成されているが、図6(a)および図6(b)に示されるように、一対の山形鋼によって筒状継手36を形成してもよい。
壁体構成部材としてハット形鋼矢板を用いた例について説明してきたが、他の鋼矢板を用いる場合においても、継手構造の構成は実質的に同じである。図7は、U形鋼矢板40の両側の継手部を切断して筒状継手36を設置し、フランジの外面にも筒状継手36を設置した例を示した図である。筒状継手36には、図1〜図6に示される例と同様に、嵌合用スリット36aの縁部にスリット幅調整部材38が設置されている。
図8(a)及び図8(b)は、打設法線の屈曲点に使用する法線屈曲部鋼矢板42、44に筒状継手36を設置した例を示した図である。図8(a)および図8(b)に示される筒状継手36も、図1〜図7に示される例と同様に、嵌合用スリット36aの縁部にスリット幅調整部材38が設置されている。なお、法線屈曲部鋼矢板42、44は、二枚の裁断した鋼矢板を所定の角度に組み立て、接合加工することによって作られる(通常、法線屈曲部鋼矢板を異形鋼矢板と称するが、本願では、これも壁体構成部材と称する。)。
なお、筒状継手36は、壁体構成部材本体の全長にわたって設けてもよいし、全長よりも短くし、所定範囲(少なくとも、壁体の背面に存在する土砂が土砂漏れを発生させるおそれのある範囲)にわたって設けてもよい。
(鋼管矢板用の継手構造)
次に、壁体構成部材として鋼管矢板が用いられる場合の継手構造について説明する。図9は、鋼管矢板によって形成された壁体の一部を示した平面図、図10(a)は、図9の部分10aの拡大図である。
図9に示される壁体50は、複数個(図9では、5個を図示)の鋼管矢板52を、後述する継手を介して嵌合させることによって形成され、海と陸との間に構築されている(図9では、右側が海、左側が陸(土砂)として図示されている)。
鋼管矢板52用の継手構造54は、鋼管矢板52の直径方向に対向した個所に設けられた一対の筒状継手56を有している。筒状継手56は、環状断面部材(例えば、円形鋼管)によって形成されている。筒状継手56には、断面方向の所定部位において、長手方向(y方向)に延びたスリット56aが設けられている。そして、一方の鋼管矢板52の筒状継手56のスリット56aに、隣接する他方の鋼管矢板52の筒状継手56のスリット56aを嵌合させることによって、所望の個数の鋼管矢板52を結合させることができる。
筒状継手56の嵌合用スリット56aの縁部には、スリット幅を狭めるためのスリット幅調整部材58が設置されている。すなわち、図10(b)に示されるように、当初の嵌合用スリット56aの幅はB+ΔBであるが、スリット幅調整部材58を設置することにより、所要のスリット幅Bが得られる。スリット幅調整部材58は、融接手段で筒状継手56に固定されているが、機械的手段(図示せず)を用いて筒状継手56に固定してもよい。なお、図10(a)では、2個のスリット幅調整部材58が設置されているが、スリット幅調整部材58の設置個数を1個にしてもよい(図10(c)参照)。
図11は、別の形態の継手構造を示している。すなわち、継手構造は、一対の筒状継手56の代わりに、鋼管矢板52の直径方向に対向した個所の一方に設けられた筒状継手(雌型継手)56と、鋼管矢板52の直径方向に対向した個所の他方に設けられたT形継手(雄型継手)60とを有している。筒状継手56は、環状断面部材(例えば、円形鋼管)によって形成されている。筒状継手56には、断面方向の所定部位において、長手方向(y方向)に延びたスリット56aが設けられており、筒状継手56のスリット56aに、T形継手60を嵌挿させることによって、所望の個数の鋼管矢板52を結合させることができる。
筒状継手56の嵌合用スリット56aの縁部には、スリット幅を狭めるためのスリット幅調整部材58が設置されている。すなわち、図11(b)に示されるように、当初の嵌合用スリット56aの幅はB+2×ΔBであるが、スリット幅調整部材58を設置することにより、所要のスリット幅Bが得られる。なお、ΔBは、ΔB1、ΔB2というように異なった値のこともある。この場合、当初の嵌合用スリット36aの幅はB+ΔB1+ΔB2であるが、スリット幅調整部材38を設置することにより、所要のスリット幅Bが得られる。スリット幅調整部材58は、融接手段で筒状継手56に固定されているが、機械的手段(図示せず)を用いて筒状継手56に固定してもよい。図11(a)では、2個のスリット幅調整部材58が設置されているが、スリット幅調整部材58の設置個数を1個にしてもよい(図11(c)参照)。
図12は、さらに別の形態の継手構造を示している。すなわち、この継手構造は、一対の筒状継手56の代わりに、鋼管矢板52の直径方向に対向した個所の一方に設けられ、一対の山形鋼で形成された筒状継手(雌型継手)62と、鋼管矢板52の直径方向に対向した個所の他方に設けられたT形継手(雄型継手)60とを有している。筒状継手62は、一対の山形鋼の隙間が、長手方向(y方向)に延びたスリット62aとなり、筒状継手62のスリット62aに、T形継手60を嵌挿させることによって、所望の個数の鋼管矢板52を結合させることができる。
筒状継手62の嵌合用スリット62aの縁部には、スリット幅を狭めるためのスリット幅調整部材64が設置されている。すなわち、図12(b)に示されるように、当初の嵌合用スリット62aの幅はB+2×ΔBであるが、スリット幅調整部材64を設置することにより、所要のスリット幅Bが得られる。なお、ΔBは、ΔB1、ΔB2というように異なった値のこともある。この場合、当初の嵌合用スリット36aの幅はB+ΔB1+ΔB2であるが、スリット幅調整部材38を設置することにより、所要のスリット幅Bが得られる。スリット幅調整部材64は、融接手段で筒状継手62に固定されているが、機械的手段(図示せず)を用いて筒状継手62に固定してもよい。図12(a)では、2個のスリット幅調整部材64が設置されているが、スリット幅調整部材64の設置個数を1個にしてもよい(図12(c)参照)。
嵌合用スリット56a、62aとこれに嵌挿される雄型継手とにより形成される隙間は、鋼矢板用の継手構造の項での記載に準じたものになるようにスリット幅調整部材58、64を設置することが望ましい。前記隙間の具体的数値は1mm〜5mm程度である。なお、前記隙間は、壁体構成部材の打設に支障のない範囲で狭いほうがよいのは、鋼矢板用の継手構造の場合と同様である。
図13(a)は、鋼管矢板52によって形成される壁体から、U形鋼矢板40が分岐している状態を示した図である。鋼管矢板52に固定され、雌型継手となる筒状継手56の嵌合用スリット56aに、雄型継手となるU形鋼矢板40の継手部が嵌挿されている。筒状継手56には、図13(b)に示されるように、スリット幅調整部材58が設置されている。
なお、雌型継手となる筒状継手56は、鋼矢板用の筒状継手36と同様に、壁体構成部材本体の全長にわたって設けてもよいし、全長よりも短くし、所定範囲(少なくとも、壁体の背面に存在する土砂が土砂漏れを発生させるおそれのある範囲)にわたって設けてもよい。図14は、雌型継手と雄型継手の壁体構成部材への設置の例を示した模式図である。図14(b)では、壁体構成部材の一方の側の上半部に雌型継手が設置され、壁体構成部材の他方の側の上半部に雄型継手、下半部にガイド部が設置されている。図14(c)は、ガイド部が断続的に設置されている点を除いて、図14(b)の例と同じである。ガイド部は、特に壁体構成部材が鋼管矢板の場合に、継手嵌合の施工性を向上させるのに有用である。なお、壁体構成部材の上端部は通常、上部コンクリートの中に埋設される(図14(a)参照)。
(充填材が充填される継手構造)
好ましくは、筒状継手の内部に固体状の充填材46が充填されている。筒状継手36を例にして説明すると、図15(a)に示されるように、筒状継手36の内部に充填材46が充填されている。充填材46としては、例えば、固体状の充填材(発泡スチロール、発泡ウレタンなど)、経時硬化性充填材(瀝青質材、ウレタン、ゴム、ソイルセメントなど)が用いられる。筒状継手36の内部に充填材46を充填することにより、より確実かつ容易に土砂漏れを防止することができる。
また、充填材46として固体状の充填材(発泡スチロール、発泡ウレタンなど)が用いられる場合には、充填材46の所定部位に、切れ目46aを設けてもよい(図15(b)、図15(c)参照)。切れ目46aを設けることにより、嵌合用スリット36aへの雄型部材の嵌挿時に、雄型部材が切れ目46aに挿入されて充填材46が円滑に破壊されて隙間がなくなり、これにより一層確実に土砂漏れを防止することができる。
充填材46、および充填材46への切れ目46aは、筒状継手56、62についても同様に適用される。
(壁体、壁体の構築方法)
上述の継手構造を備えた壁体構成部材を適宜接続し、又は組み合わせて、所定の構築方法を用いることによって、所望の壁体が構築される。また、二重壁式に限らず、『港湾の施設の技術上の基準・同解説』などの設計基準類に掲載されている鋼矢板や鋼管矢板などの壁体構成部材を用いた様々な構造形式(控え工式、自立式、棚式等)に適用することができる。
本発明は、以上の発明の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
10 壁体
12、14 前壁、後壁
16、18 隔壁
20 函体
22 内部空間
30 鋼矢板用の継手構造
32 壁体構成部材(ハット形鋼矢板)
34 溶接
36 筒状継手
36a 嵌合用スリット
38 スリット幅調整部材
40 壁体構成部材(U形鋼矢板)
42 壁体構成部材(法線屈曲部鋼矢板)
44 壁体構成部材(法線屈曲部鋼矢板)
46 充填材
46a 切れ目
50 壁体
52 鋼管矢板
54 鋼管矢板用の継手構造
56 筒状継手
56a 嵌合用スリット
58 スリット幅調整部材
60 T形継手(雄型継手)
62 山形鋼で形成された筒状継手
62a 嵌合用スリット
64 スリット幅調整部材
80 壁体(従来技術)
82、84 前壁、後壁
86,88 隔壁
90 継手構造

Claims (9)

  1. 壁体の一部を構成する壁体構成部材の継手構造であって、
    前記壁体構成部材の所定部位に固定され、雄型継手が嵌挿される雌型継手となる筒状継手を備え、
    前記筒状継手に長手方向に延び、所要の幅よりも大きめの幅を有する嵌合用スリットが設けられ、
    前記嵌合用スリットの両方の縁部の外面又は片方の縁部の外面に、前記所要のスリット幅となるように前記嵌合用スリットの前記幅を狭めるためのスリット幅調整部材が設置されていることを特徴とする継手構造。
  2. 前記スリット幅調整部材が鋼製部材で形成されており、融接手段又は機械的手段で前記嵌合用スリットの近傍に固定されていることを特徴とする請求項1に記載された継手構造。
  3. 前記筒状継手の内部に充填材が充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載された継手構造。
  4. 前記充填材が、発泡スチロール、発泡ウレタンのような固体状の充填材であることを特徴とする請求項3に記載された継手構造。
  5. 前記充填材の所定部位に切れ目が設けられていることを特徴とする請求項4に記載された継手構造。
  6. 前記充填材が、瀝青質材、ウレタン、ゴム、ソイルセメントのような経時硬化性充填材であることを特徴とする請求項3に記載された継手構造。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載された継手構造を有する壁体構成部材。
  8. 前記請求項7に記載された壁体構成部材を用いて形成されたことを特徴とする壁体。
  9. 前記請求項7に記載された壁体構成部材を用いて壁体を形成することを特徴とする壁体の構築方法。
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