JP6596036B2 - 粘着式保持具及び被保持体の保持方法 - Google Patents

粘着式保持具及び被保持体の保持方法 Download PDF

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Description

本発明は、ベースプレートと、ベースプレートの一方の面に突設される少なくとも1個のエラストマーからなる粘着体とを備え、粘着体の突設方向先端の保持面を被保持体に粘着させて保持する粘着式保持具及び被保持体の保持方法に関し、特に、粘着体の耐熱温度より低い加熱雰囲気で使用されるものに関する。
例えば、真空雰囲気の真空チャンバ内で、シリコンウエハやガラス基板等の基板に対して加熱処理、成膜処理やエッチング処理等の各種の処理を行う場合に、基板を鉛直方向に起立させた姿勢、または、基板の処理面が鉛直方向下方を向く姿勢にし、この状態で所定の処理を行う場合がある。そのような姿勢で被保持体としての基板を保持する簡便な保持具として、ベースプレートと、ベースプレートの一方の面に突設される少なくとも1個のエラストマーからなる粘着体とを備える所謂粘着式のものが従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。このような保持具では、基板の自重に打ち勝つ粘着力を発現するように粘着体の種類やその形状が適宜選択され、その中には、保持具が、粘着体の耐熱温度より低い所定温度(例えば、200℃)まで加熱される雰囲気で使用されることを考慮して、ベースプレートをアルミニウム等の金属製としたものも一般に知られている。
ここで、上記のように、保持具が粘着体の耐熱温度より低い所定温度まで加熱される雰囲気で使用される場合、粘着体が所定温度(例えば、室温より100℃以上高くなる温度)まで加熱されると、粘着体から基板が脱離してしまうという問題がある。そこで、本願の発明者らは、鋭意研究を重ね、次のことを知見するのに至った。即ち、ベースプレートをアルミニウム製、粘着体をフッ素ゴムとした場合を例に説明すると、保持具が加熱されると、ベースプレート及び粘着体が夫々熱膨張するが、このときのベースプレートと粘着体との線膨張係数の違いにより、粘着体の保持面の周縁部から基板と保持面との間に隙間が形成され、言い換えると、粘着体の保持面が凸状に反り、このときの反りに起因して粘着体から基板が脱離することが判明した。そして、粘着体の保持面の円形度と、面積と、厚さとで保持具の温度に応じた粘着体の反り量が決まり、この反り量を保持具の温度に応じた所定値より小さくすれば、基板の脱離を防止できることを知見するのに至った。
特開2004−356542号公報
本発明は、以上の知見に基づくものであり、粘着体の耐熱温度より低い所定温度まで加熱される雰囲気で使用される場合でも、粘着体から基板の脱離を防止できる粘着式保持具及び被保持体の保持方法を提供することをその課題とするものである。
上記課題を解決するために、本発明は、ベースプレートと、ベースプレートの一方の面に突設される少なくとも1個のエラストマーからなる粘着体とを備え、粘着体の突設方向先端の保持面を被保持体に粘着させて保持する粘着式保持具において前記粘着式保持具は、前記粘着体の耐熱温度より低い加熱雰囲気にて加熱されたとき、被保持体の自重と、ベースプレート及び粘着体の線膨張係数の違いとにより粘着体の保持面が凸状に反る姿勢で使用され、前記粘着体の粘着力が常温で100〜400kPaの範囲のものであり、粘着体の厚さは、保持面を被保持体に当接させた状態で突設方向に押圧力を加えたときにその保持面がその全面に亘って被保持体と面接触するように設定され、その保持面が、0.785〜1の範囲内の円形度を有し、保持面の面積mm が、厚さをtmmとしたとき、π(t/6)より大きく、且つ、π(t/2+1/2)と同等以下になるように設定されることを特徴とする。この場合、例えば、前記エラストマーがフッ素ゴムであり、前記ベースプレートがアルミニウム製である。
本発明によれば、例えば、室温より100℃以上高く且つ粘着体の耐熱温度より低い所定温度まで粘着体が加熱される雰囲気で使用されても、その温度における粘着体の保持面の反り量が所定値より小さくなって、粘着体から被保持体の脱離を防止することができる。ここで、本発明において、粘着体としては、例えば、ベースプレートに所定間隔を置いて立設される円柱状のもの、または、所定厚さのベース粘着シートと当該ベース粘着シートの一方の面にエンボス状に設けた突片とで構成されるものが利用でき、粘着体の「厚さ」といった場合、ベースプレート表面から保持面までの距離をいう。なお、本願の発明者らの実験によれば、その厚さが0.5mmより薄くなると、保持面を被保持体に当接させた状態で突設方向に押圧力を加えても保持面がその全面に亘って被保持体に面接触しないことが確認された。また、反り量といった場合、被保持体と保持面とが密着した位置を基準とし、被保持体から脱離したときの保持面までの距離をいう。
本発明においては、前記保持面は、90度より小さい角度の角を持たない輪郭を持つことが好ましい。これによれば、保持面に90度より小さい角度の角があると、粘着体の耐熱温度より低い所定温度に加熱されたときの当該角での反り量が局所的に多くなって、粘着体からの被保持体の脱離を防止できない。なお、粘着体の保持面は、角部を持たない輪郭、即ち、角を持たない円形もしくは円形に近い形状(正六角形以上の正多角形)であることが好ましい。これによれば、保持面の周縁部における反り量が同等になることで、被保持体の脱離を防止するための反り量の管理が容易にでき、有利である。
また、上記課題を解決するために、ベースプレートと、ベースプレートの一方の面に突設される少なくとも1個のエラストマーからなる粘着体とを備える粘着式保持具を用い、その粘着体の突設方向先端の保持面を被保持体に粘着させて保持する本発明に係る被保持体の保持方法は、常温にてベースプレートの一方の面に突設した、粘着力が常温で100〜400kPaの範囲の少なくとも1個のエラストマーからなる粘着体を被保持体に対してその上方から押圧して粘着体の突出方向先端の保持面を粘着させる工程と、ベースプレートを介して被保持体を持ち上げた後、室温より100℃以上高く且つ粘着体の耐熱温度より低い所定温度まで粘着体が加熱される雰囲気で、且つ、粘着体が加熱されたときに被保持体の自重とベースプレート及び粘着体の線膨張係数の違いとにより粘着体の保持面が凸状に反る姿勢で被保持体を保持する工程とを含み、前記被保持体を保持する工程の間、前記保持面の反り量を前記保持具の温度に応じた所定値より小さく維持する工程とを更に含むことを特徴とする。
本発明の実施形態の粘着式保持具が用いられるスパッタリング装置の模式断面図。 (a)及び(b)は、本発明の実施形態の粘着式保持具の斜視図及び断面図。 加熱前後における粘着式保持具で基板を保持した状態を説明する側面図。 (a)及び(b)は、本発明の効果を示す実験の結果を示すグラフ。 (a)〜(c)は、本発明の効果を示す実験に用いられた実験用の粘着式保持具を説明する図。
以下、図面を参照して、被保持体を液晶用ガラス基板(以下、「基板W」という)とし、内部が所定温度まで加熱され得る真空チャンバ内で基板Wを保持する本発明の粘着式保持具及び被保持体の保持方法の実施形態を説明する。以下においては、図1に示す姿勢で保持具が基板Wを保持するものとし、上、下といった方向を示す用語は図1を基準として説明する。
図1を参照して、SMは、真空雰囲気中で基板Wに対して成膜処理を行うスパッタリング装置である。スパッタリング装置SMは真空チャンバ1を備え、図外の真空ポンプにより所定の圧力に真空引きできるようになっている。真空チャンバ1には、図外のガス導入手段が設けられ、放電用の希ガスや反応性スパッタリング時の反応ガスを所定の流量で導入できるようになっている。また、真空チャンバ1内の下部には、基板Wに成膜しようとする薄膜に応じて選択される材料からなるターゲットを有するスパッタリングカソード2が設けられている。なお、スパッタリング装置SM自体は、公知のものが利用できるため、これ以上の説明は省略する。そして、スパッタリングによる成膜時、成膜面W1をスパッタリングカソード2に対向させた姿勢で基板Wを保持するため、本発明の粘着式保持具HEが使用される。
粘着式保持具HEは、図2(a)及び(b)に示すように、ベースプレート3と、ベースプレート3の一方の面に突設される粘着性のエラストマーからなる粘着体4とで構成されている。ベースプレート3としては、アルミニウムやステンレス等の金属、またはフッ化炭素樹脂等の樹脂で構成され、基板Wの面積や重量に応じてベースプレート3の面積や厚さが設定されている。一方、粘着体4としては、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ニトリルゴムまたはブタジエンゴム等が使用され、粘着式保持具HEが、比較的高い温度まで加熱され得るような場合には、シロキサンフリーのフッ素ゴムが好ましい。この場合、粘着体4は、ベースプレート3にその表面内のX軸方向及びY軸方向に等ピッチで配置された複数本の円柱状のもので構成され、その突出方向先端の保持面41が互いに同一平面上に位置するように高さが揃えられている。ベースプレート3に設ける粘着体4の本数、粘着体4相互の間隔や保持面41の面積は、基板Wのサイズや重さに応じて適宜設定される。
また、粘着体4の厚さt、即ち、ベースプレート3の表面から保持面41までの高さは、0.5mm〜3mmの範囲に設定される。粘着体4の厚さtが0.5mm より薄くなると、基板Wに対して保持面41を当接させた状態で突設方向に押圧力を加えても保持面41がその全面に亘って基板Wに面接触せず、基板Wとの密着性が悪くなり、逆に、厚さtが3mmより厚くなると、基板Wの引き剥がし時、各粘着体4が伸びてしまい、例えば搬送ロボットを用いて基板Wの引き剥がしをする場合、そのハンドリング性が悪くなる。また、粘着体4は硬すぎると基板Wとの密着性が悪化する一方で、柔らかすぎると外力により変形して剥離を招くことから、硬度(タイプA)は45〜65の範囲が好ましく、また、温度変化のある使用環境で使用されるため、その粘着力は、常温で100〜400kPaの範囲のものが使用される。
ベースプレート3に対する粘着体4の接着は、例えば公知の接着剤を用いることができる。また、ベースプレート3表面で粘着性材料を加硫成型して一体に形成することもできる。この場合、密着強度を上げるために、プライマー処理を施したり、ベースプレート3表面を粗くするためにブラスト処理を施すようにしてもよい。また、ベースプレート3に効率よく複数本の円柱状の粘着体4を形成するために、上下一対の金型を用いて一体成型することもできる。この場合、特に図示して説明しないが、ベースプレート3の所定位置に生ゴムの注入孔を設け、下型とベースプレート3との間に粘着性材料を充填し、上型と下型とで上下方向から挟み込んだ状態で加硫成型する。その後で金型を取り外し、不要な粘着性材料を除去することでベースプレート3上に複数本の円柱状のゴムが形成される。ベースプレート3には固定のための取付穴が開設され、例えば粘着体が劣化した場合に交換できるようにしてもよい。
次に、上記粘着式保持具HEを用いた被保持体としての基板Wの保持方法を説明する。例えば、真空チャンバ1にゲートバルブGvを介して連設される図外のロードロックチャンバ11にて、特に図示して説明しないが、粘着体4の各々を上方に向けた姿勢で保持具HEが設置され、各粘着体4の保持面41に対して基板Wが位置決めして設置される。そして、基板Wの下面に図外のバキュームチャックを吸着させて各粘着体4の保持面41に対して基板Wを押し付ける(保持面を粘着させる工程)。これにより、粘着体4の保持面41が基板Wに粘着することで基板Wが保持される。その後、ロードロックチャンバ11を真空引きし、保持具HEのベースプレート3を介して基板Wを持ち上げた後、図外の搬送ロボットで真空チャンバ1に移送される。この場合、真空チャンバ1の天井部には取付台12が吊設され、その取付台12にベースプレート3がセットされ、この状態では、基板Wがその成膜面W1をその下方に向けた姿勢となり、粘着体4の保持面41には、基板Wの自重が作用する状態となる(基板を保持する工程)。取付台12へのベースプレート3の取付方法としては、マグネット式等、公知のものが利用される。
ところで、スパッタリング装置SMで基板Wに対して成膜処理する場合、プラズマからの輻射熱で上記保持具HEが粘着体4の耐熱温度より低い所定温度まで加熱され、このとき、粘着体4が所定温度(例えば、室温より100℃以上高くなる温度)まで加熱されると、粘着体4から基板Wが脱離してしまう場合がある。即ち、ベースプレート3をアルミニウム製、粘着体4をフッ素ゴムとした場合、保持具HEが加熱されると、ベースプレート3と粘着体4とが夫々熱膨張するが、このときのベースプレート3の線膨張係数(25ppm/k)と粘着体4の線膨張係数(150ppm/k)との違いにより、図3に示すように、基板Wに対する粘着体4の保持面41の周縁部42から基板Wと保持面41との間に隙間が形成され、言い換えると、粘着体4の保持面41が凸状に反り、このときの反りに起因して(即ち、反り量Cdが所定値を超えると)粘着体4から基板Wが脱離することが判明した。そこで、本実施形態の保持方法では、成膜処理する間、即ち、上記のようにして基板Wを保持している工程の間、保持面41の反り量を保持具HEの加熱温度(例えば、室温より100℃以上高く且つ粘着体の耐熱温度より低い所定温度)に応じた所定値より小さく維持されるようにした。つまり、保持面41の円形度と、面積と、粘着体4の厚さtとで粘着体4の温度に応じた粘着体4の反り量Cdが決まり、保持具HEが最も高く加熱されたときの反り量Cdを所定値より小さくすれば、基板Wの脱離を防止できる。
そこで、上記保持方法の実施に利用される本実施形態の保持具HEでは、保持面41が、0.785〜1の範囲内の円形度を有する輪郭、たとえば、円形、矩形や六角形等の(正)多角形または長円に輪郭を有し、保持面41の面積が、厚さをtとしたとき、π(t/6)より大きく、且つ、π(t/2+1/2)と同等以下になるように設定することとした。これにより、室温より100℃以上高く且つ粘着体4の耐熱温度より低い所定温度まで粘着体4が加熱される雰囲気で、及び、保持面41に基板Wの自重が作用する状態で基板Wを保持するとき、その耐熱温度における粘着体4の保持面41の反り量Cdが所定値より小さくなって、粘着体4から基板Wの脱離を防止することができることが確認された。この場合、保持面41は、90度より小さい角度の角を持たない輪郭を持つことが好ましい。保持面41に90度より小さい角度の角があると、粘着体4の耐熱温度より低い所定温度に加熱されたときの当該角での反り量が局所的に多くなって、粘着体4からの基板Wの脱離を防止できない。なお、粘着体4の保持面41は、角部を持たない輪郭、即ち、角を持たない円形もしくは円形に近い形状(正六角形以上の正多角形)であることが好ましい。これによれば、保持面41の周縁部における反り量が同等になることで、被保持体の脱離を防止するための反り量の管理が容易にでき、有利である。
以下に、本発明の効果を確認するため、次の実験を行った。被保持体を40mm×40mm×厚さ0.7mmの液晶用ガラス基板とし、また、ベースプレート3として、板厚が2mm、直径が12mmのアルミニウム製のものとした。更に、粘着体4として、ベースプレート3の一方の面に、公知の接着剤を用いて、直径d1が2mmの円柱状(即ち、保持面41の輪郭が円形で円形度が1となるよう)に成形したフッ素ゴム(耐熱温度約230℃)をX軸方向及びY軸方向に等間隔で5個立設し、上記実施形態に対応する粘着式保持具HEを作製することとした(図2参照)。このとき、粘着体4の厚さを0.1mm、0.4mm、1mm及び3mmのものを用意し、粘着体4の各保持面41に液晶用ガラス基板を粘着させた後、液晶用ガラス基板が鉛直方向下方を向く姿勢にした状態でベースプレート3及び粘着体4の温度を常温の25℃から200℃まで昇温させ、そのときの粘着体4の反り量Cdを公知の変位計により測定した。図4(a)にはその測定結果が示されている。
図4(a)中、−◇−線は厚さが0.1mmのものであり、−□−線は厚さが0.4mmのものであり、−△−線は厚さが1mmのものであり、−×−線は厚さが3mmのものである。これによれば、粘着体4の厚さtが厚くなる程、ベースプレート3、ひいては、粘着体4が加熱されたときの反り量Cdが多くなることが確認された。この場合、反り量Cdが所定値(例えば、8μm)を超えると、液晶用ガラス基板が粘着体4の保持面41から完全に脱離してしまうことが確認された。ここで、保持面41の直径D(mm)/粘着体の厚さt(mm)をz、反り量(mm)/粘着体の厚さt(mm)をyとした場合、上記測定結果からzに対するyの関係をグラフに表すと、図4(b)のようになる。この図4(b)から、1<zにおいては、y=8z/1000−8/1000と考えることができる(なお、0<z≦1においては、反りが生じないため、考慮する必要はない)。そして、8μm以下で基板Wの落下を防止できるため、y×t≦8/1000の関係が成立する。これを整理すれば、直径Dの範囲は、0<D≦t+1.0となり、このとき、直径DがD<t/3では座屈などが問題となるので、適正な直径Dの範囲は、t/3<D≦t+1.0となる。これから適正な保持面41の面積S(mm)の範囲は、π(t/6)<S≦π(t/2+1/2)となる。このように保持面41の円形度と粘着体4の厚さtとを考慮して保持面41の面積Sを適宜設定すれば、粘着体4から基板Wの脱離を確実に防止することができることが判った。
次に、上記実施形態に対応する粘着式保持具HEとして、板厚が2mm、直径が12mmのアルミニウム製のベースプレート3の一方の面に、公知の接着剤を用いて、直径d1が2mm、厚さtが3mmの円柱状(保持面41の円形度が1、保持面の面積がπmm)に成形したフッ素ゴムをX軸方向及びY軸方向に等間隔で5個立設したもの(試料1:図2参照))と、直径d1が3.3mm、厚さtが1mmの円柱状(保持面41の円形度が1、保持面の面積が3.3×πmm)に成形したフッ素ゴムをX軸方向及びY軸方向に等間隔で5個立設したもの(試料2:図2参照))とを用意した。また、実験用の粘着式保持具HEとして、上記ベースプレート3の一方の面に、直径d2が5mm、厚さtが3mmの円柱状に成形したフッ素ゴム(保持面41の円形度が1、保持面の面積が5×πmm)をX軸方向及びY軸方向に等間隔で3個立設したもの(試料3:図5(a)参照))を用意した。他の実験用の粘着式保持具HEとして、上記ベースプレート3の一方の面に、公知の接着剤を用いて、一辺Sdが1mmの正方形(保持面41の円形度が0.785、保持面の面積が1mm)、厚さtが2mmなる角柱状に成形したフッ素ゴムをX軸方向及びY軸方向に等間隔で5個立設したもの(試料4:図5(b)参照)と、一辺が3.2mmの正方形、厚さtが1mmで、角柱状に成形したフッ素ゴム(保持面41の円形度が0.785、保持面の面積が10.24mm)をX軸方向及びY軸方向に等間隔で5個立設したもの(試料5:図5(b)参照)とを用意した。更に他の実験用の粘着式保持具HEとして、ベースプレート3の一方の面に、直径が12mm、厚さtが0.5mmの1枚のシート状のフッ素ゴムを貼付したもの(試料6:図5(c)参照)も用意した。
上記と同様にして、各試料1〜6の粘着体4の各保持面41に液晶用ガラス基板を粘着させた後、液晶用ガラス基板が鉛直方向下方を向く姿勢にした状態で常温(25℃)で所定時間(12時間)を超えて液晶用ガラス基板を保持でき、その上で、ベースプレート3及び粘着体4の温度を室温の25℃から200℃まで昇温させたときに液晶用ガラス基板が脱離するかのテストを行った。これによれば、保持面41の面積S(mm)と、厚さtとの関係が、π(t/6)<S≦π(t/2+1/2)を満たす試料1、試料4については、液晶用ガラス基板が脱離することなく保持できることが確認された。他方、試料2,3,5では、ベースプレート3及び粘着体4を昇温していくと、粘着体4が室温より100℃高い温度(125℃)を超えると、液晶用ガラス基板が脱離してしまうことが確認された。また、試料6では、保持面を粘着させるときの押圧力に関係なく、液晶用ガラス基板に対してその全面に亘って粘着体を接着させることができないことが確認された。なお、保持面41の円形度が0.785より小さくなったり、または、保持面41に90度より小さい角度の角があると、粘着体の耐熱温度より低い所定温度に加熱されたとき、反り量が局所的に多くなって粘着体からの液晶用ガラス基板の脱離を防止できないことが確認された。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではない。上記実施形態では、粘着体4を円柱状にしたものを例に説明したが、上記実験例に示したように、粘着体の厚さによっては、保持面41の円形度が0.785以上の角柱状のものも利用できる場合がある。また、上記実施形態では、ベースプレート3にその表面内のX軸方向及びY軸方向に等ピッチで配置された複数の円柱状のもので粘着体4が構成されるものを例に説明したが、これに限定されるものではなく、粘着体4は、基板Wのサイズや重さに応じて等ピッチに配置されている必要はなく、また、特に図示して説明しないが、粘着体4は、例えば、所定厚さを有し、ベースプレートに貼付されるベース粘着シートと、当該ベース粘着シートの一方の面に間隔を置いてエンボス状に設けた突片とで構成されるものが利用でき、この場合、粘着体の「厚さ」といった場合、ベース粘着シートを含む、ベースプレート表面から保持面までの距離をいう。更に、上記実施形態では、スパッタリング装置SMに用いるものを例に説明したが、本発明は上記用途に限られるものではない。
HE…粘着式保持具、W…基板(被保持体)、1…真空チャンバ、3…ベースプレート、4…粘着体、41…保持面、42…保持面の周縁部、d1…粘着体の直径、t…粘着体の厚さ。

Claims (5)

  1. ベースプレートと、ベースプレートの一方の面に突設される少なくとも1個のエラストマーからなる粘着体とを備え、粘着体の突設方向先端の保持面を被保持体に粘着させて保持する粘着式保持具において、
    前記粘着式保持具は、前記粘着体の耐熱温度より低い加熱雰囲気にて加熱されたとき、被保持体の自重と、ベースプレート及び粘着体の線膨張係数の違いとにより粘着体の保持面が凸状に反る姿勢で使用され、
    前記粘着体の粘着力が常温で100〜400kPaの範囲のものであり、粘着体の厚さは、保持面を被保持体に当接させた状態で突設方向に押圧力を加えたときにその保持面がその全面に亘って被保持体と面接触するように設定され、その保持面が、0.785〜1の範囲内の円形度を有し、保持面の面積mmが、厚さをtmmとしたとき、π(t/6)より大きく、且つ、π(t/2+1/2)と同等以下になるように設定されることを特徴とする粘着式保持具。
  2. 前記エラストマーがフッ素ゴムであり、前記ベースプレートがアルミニウム製であることを特徴とする請求項1記載の粘着式保持具。
  3. 前記粘着体の厚さは、0.5mm〜3mmの範囲に設定されることを特徴とする請求項1または請求項2記載の粘着式保持具。
  4. 前記保持面は、90度より小さい角度の角を持たない輪郭を持つことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の粘着式保持具。
  5. ベースプレートと、ベースプレートの一方の面に突設される少なくとも1個のエラストマーからなる粘着体とを備える粘着式保持具を用い、その粘着体の突設方向先端の保持面を被保持体に粘着させて保持する被保持体の保持方法であって、
    常温にてベースプレートの一方の面に突設した、粘着力が常温で100〜400kPaの範囲の少なくとも1個のエラストマーからなる粘着体を被保持体に対してその上方から押圧して粘着体の突出方向先端の保持面を粘着させる工程と、
    ベースプレートを介して被保持体を持ち上げた後、室温より100℃以上高く且つ粘着体の耐熱温度より低い所定温度まで粘着体が加熱される雰囲気で、且つ、粘着体が加熱されたときに被保持体の自重とベースプレート及び粘着体の線膨張係数の違いとにより粘着体の保持面が凸状に反る姿勢で被保持体を保持する工程とを含むものにおいて、
    前記被保持体を保持する工程の間、前記保持面の反り量を前記保持具の温度に応じた所定値より小さく維持する工程とを更に含むことを特徴とする被保持体の保持方法。
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