JP6595996B2 - C−c開始剤でプロピレン系ポリマーをビスブレーキングするためのプロセス - Google Patents

C−c開始剤でプロピレン系ポリマーをビスブレーキングするためのプロセス Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2013年12月19日出願の米国特許出願第61/918,326号の優先権を主張し、その全内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
ポリプロピレン(PP)をビスブレーキングする従来の方法は、有機過酸化物の使用による。有機過酸化物は樹脂のメルトフローレート(MFR)を増加させるが、生成されるその副産物(典型的には、アルコール、ケトン、アルデヒドなど)は、結果として得られる産物に強い風味及び臭気を与える。炭素−炭素(C−C)開始剤は、その構造中に一切の酸素を有しないため、これらの不快な風味及び臭気成分を生成しない。
国際公開第2012/096962号は、抗酸化剤としての「C−C含有」化合物の使用を開示している。国際公開第2012/074812号は、ブロックコポリマーの重合における不純物捕捉剤としての「C−C含有」化合物の使用を開示している。国際公開第2010/0108357号は、ポリマー組成物における架橋剤としての「C−C含有」化合物の使用を開示している。米国特許第5,268,440号は、LDPEプロセスにおけるC−C開始剤の使用を開示している。米国特許第6,967,229号は、ゴルフボール構成要素の形成における「C−C含有」化合物の使用を開示している。米国第2006/0047049号は、難燃剤組成物における「C−C含有」化合物を開示している。改善された特性を有するビスブレーキングされたプロピレン系ポリマーを形成するための新たなプロセスが依然として必要とされている。この必要性が以下の発明によって満たされた。
本発明は、第1のプロピレン系ポリマーから第2のプロピレン系ポリマーを調製するためのプロセスであって、各プロピレン系ポリマーが、メルトフローレート(MFR;2.16kg/230℃)を有し、第2のプロピレン系ポリマーのMFRが、第1のプロピレン系ポリマーのMFRより大きく、本プロセスが、ビスブレーキング条件下で、第1のプロピレン系ポリマーを少なくとも1つの構造Iの炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤と接触させるステップを含み、
式中、R、R、R、R、R、及びRが、各々独立して、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つ以上のR基(R、R、R、R、R、及びR)が環構造を形成する、プロセスを提供する。
45.1℃での溶融ピーク及び202.7℃での分解ピークを示す、DEDPHのDSCプロファイルである。
本発明は、第1のプロピレン系ポリマーから第2のプロピレン系ポリマーを調製するためのプロセスであって、各プロピレン系ポリマーが、メルトフローレート(MFR;2.16kg/230℃)を有し、第2のプロピレン系ポリマーのMFRが、第1のプロピレン系ポリマーのMFRより大きく、本プロセスが、ビスブレーキング条件下で、第1のプロピレン系ポリマーを少なくとも1つの構造Iの炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤と接触させるステップを含み、
式中、R、R、R、R、R、及びRが、各々独立して、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つ以上のR基(R、R、R、R、R、及びR)が環構造を形成する、プロセスを提供する。
発明プロセスは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
一実施形態では、C−Cフリーラジカル開始剤は、第1のプロピレン系ポリマー1キログラム当たり0.12グラム(g/kg)以上、更に1キログラム当たり0.20グラム超、更に1キログラム当たり0.50グラム超、更に1キログラム当たり0.70グラム超の量で存在する。
一実施形態では、C−Cフリーラジカル開始剤は、第1のプロピレン系ポリマー1キログラム当たり1.00グラム(g/kg)以上、更に1キログラム当たり1.20グラム超、更に1キログラム当たり1.50グラム超の量で存在する。
一実施形態では、C−Cフリーラジカル開始剤は、DSC測定に基づいて、(>)125℃、または>130℃、または>150℃、または>180℃、または>200℃、または>250℃、または>300℃の分解温度を有する。
一実施形態では、本プロセスは、放射線によってC−Cフリーラジカル開始剤を分解または活性化することを含む。
一実施形態では、本プロセスは、第1のプロピレン系ポリマーを少なくとも2つのC−Cフリーラジカル開始剤と接触させることを含む。
一実施形態では、構造Iについて、R及びRは、フェニルである。
一実施形態では、構造Iについて、少なくとも1つのC−C開始剤は、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、及び3,4−ジエチル−3,4−ジフェニルヘキサンから成る群から選択される。
一実施形態では、第2のプロピレン系ポリマーのMFRは、(≦)200g/10分、更に≦150g/10分、更に≦100g/10分、更に≦90g/10分である。
一実施形態では、第2のプロピレン系ポリマーのMFRは、(≧)10g/10分、更に≧20g/10分、更に≧50g/10分であるが、≧90g/10分である。
一実施形態では、第2のプロピレン系ポリマーのMFRは、≧100g/10分、更に≧200g/10分、更に≧500g/10分、更に≧1000g/10分である。
一実施形態では、第2のプロピレン系ポリマーのMFRは、第1のプロピレン系ポリマーのMFRの少なくとも130%、または少なくとも150%、または少なくとも200%、または少なくとも300%、または少なくとも400%である。
一実施形態では、第1のプロピレン系ポリマーは、少なくとも1つの構造Iの炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤及び少なくとも1つの過酸化物と接触させられる。
一実施形態では、炭素−炭素フリーラジカル開始剤の過酸化物に対するモル比は、1.0超、更に1.5超、更に2.0超である。
発明プロセスは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
本発明はまた、前述の請求項のいずれか一項に記載のプロセスによって形成される第2のプロピレン系ポリマーを含む組成物を提供する。
一実施形態では、第2のプロピレン系ポリマーは、≦1.0ppm、または≦0.9ppm、または≦0.8ppmのtert−ブタノールレベルを有する。
一実施形態では、第2のプロピレン系ポリマーは、≦0.90g/cc、更に≦0.89g/cc、更に≦0.88g/ccの密度を有する。
一実施形態では、第2のプロピレン系ポリマーは、≧0.83g/cc、更に≧0.84g/cc、更に≧0.85g/ccの密度を有する。
一実施形態では、第2のプロピレン系ポリマーは、0.83g/cc〜0.90g/cc、更に0.84g/cc〜0.89g/cc、更に0.85g/cc〜0.88g/ccの密度を有する。
一実施形態では、第2のプロピレン系ポリマーは、≦0.946g/cc、更に≦0.93g/cc、更に≦0.91g/ccの密度を有する。
一実施形態では、第2のプロピレン系ポリマーは、0.83g/cc〜0.946g/cc、更に0.88g/cc〜0.93g/cc、更に0.89g/cc〜0.91g/ccの密度を有する。
一実施形態では、第2のプロピレン系ポリマーは、1.5〜6、更に2.5〜5.5、更に3〜5の分子量分布を有する。
一実施形態では、本組成物は、1つ以上の添加剤を更に含む。
発明組成物は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
本発明はまた、本明細書に記載の発明組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む物品を提供する。更なる実施形態では、本物品は、フィルムまたはコーティングである。
発明物品は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
第2のプロピレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
第1のプロピレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
C−C開始剤
本発明の実施に使用される炭素−炭素(「C−C」)開始剤は、構造Iを有し
式中、R〜Rは、各々独立して、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つ以上のR〜R基は、環構造を形成してもよい。
一実施形態では、R〜R基のうちの1つ以上は、脂肪族である。
一実施形態では、R〜R基のうちの1つ以上は、アルキルである。
一実施形態では、R〜R基のうちの1つ以上はアリールである。
一実施形態では、R〜Rは、各々独立して、ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つ以上のR〜R基は、環構造を形成してもよい。
一実施形態では、R〜Rは、各々独立して、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基である。
一実施形態では、R〜Rは、各々独立して、置換ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つ以上のR〜R基は、環構造を形成してもよい。
一実施形態では、R〜Rは、各々独立して、C1−24ヒドロカルビル基またはC1−24置換ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つ以上のR〜R基は、環構造を形成してもよい。
一実施形態では、R〜Rは、各々独立して、C1−24ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つ以上のR〜R基は、環構造を形成してもよい。
一実施形態では、R〜R基は、各々独立して、C1−24ヒドロカルビル基またはC1〜24置換ヒドロカルビル基である。
一実施形態では、R〜R基は、各々独立して、C1−24置換ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つ以上のR〜Rは、環構造を形成してもよい。
一実施形態では、R〜R基は、各々独立して、C1−12ヒドロカルビル基またはC1−12置換ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つ以上のR〜R基は、環構造を形成してもよい。
一実施形態では、R〜R基は、各々独立して、C1−12ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つ以上のR〜R基は、環構造を形成してもよい。
一実施形態では、R〜Rは、各々独立して、C1−12ヒドロカルビル基またはC1−12置換ヒドロカルビル基である。
一実施形態では、R〜R基は、各々独立して、C1−12置換ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つ以上のR〜R基は、環構造を形成してもよい。
一実施形態では、R〜Rは、各々独立して、C1−6ヒドロカルビル基またはC1−6置換ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つ以上のR〜R基は、環構造を形成してもよい。
一実施形態では、R〜R基は、各々独立して、C1−6ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つ以上のR〜R基は、環構造を形成してもよい。
一実施形態では、R〜R基は、各々独立して、C1−6ヒドロカルビル基またはC1−6置換ヒドロカルビル基である。
一実施形態では、R〜R基は、各々独立して、C1−6置換ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つ以上のR〜Rは、環構造を形成してもよい。
一実施形態では、R及びRは、同じまたは異なるアリールラジカルである。更なる実施形態では、R及びRは、各々、フェニル、例えば、構造IIであり、式中、R、R、R、及びRは、各々、上記の通りである。
一実施形態では、R〜R及びR〜Rは、同じまたは異なるアルキルラジカル、より好ましくは同じまたは異なるC1−6アルキルラジカル、更により好ましくは同じC1−4直鎖アルキルラジカルである。
代表的なC−C開始剤としては、以下の構造III〜IXが挙げられるが、これらに限定されない:2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン(構造III)、
3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン(構造IV)、
及び3,4−ジエチル−3,4−ジフェニルヘキサン(構造V)、
2,7−ジメチル−4,5−ジエチル−4,5−ジフェニルオクタン(DBuDPH)(構造VI)、
3,4−ジベンジル−3,4−ジトリルヘキサン(DBnDTH)(構造VII)、
3,4−ジエチル−3,4−ジ(ジメチルフェニル)ヘキサン(構造VIII)、
及び3,4−ジベンジル−3,4−ジフェニルヘキサン(構造IX)。
他のC−C開始剤としては、ポリ−1,4−ジイソプロピルベンゼン、1,1,2,2−テトラフェニル−1,2−エタンジオール、及び構造Iのもの、ならびに国際公開第2012/096962号、国際公開第2012/074812号、米国第2010/0108357号、欧州特許第1 944 327号、米国特許第5,268,440号、米国特許第6,967,229号、及び米国第2006/0047049号などの出版物に記載のものが挙げられる。C−C開始剤は、単独で、または互いに組み合わせて使用することができる。
一実施形態では、本発明の実施に使用されるC−C開始剤の量は、第1のプロピレン系ポリマーの重量に基づいて、典型的には少なくとも0.05重量%、より典型的には少なくとも0.10重量%、更により典型的には少なくとも0.20重量%である。本発明の実施に使用されるC−C開始剤の最大量に対する唯一の制限は、プロセス経済性及び効率の関数であるが、典型的には、本発明の実施に使用されるC−C開始剤の最大量は、第1のプロピレン系ポリマーの重量に基づいて、1重量%を超えず、より典型的には0.8重量%を超えず、更により典型的には0.5重量%を超えない。
C−C開始剤は、本明細書に記載の2つ以上の実施形態の組み合わせを含んでもよい。
第1のプロピレン系ポリマー
「第1のプロピレン系ポリマー」として使用されるプロピレン系ポリマーは、プロピレンホモポリマーとプロピレンインターポリマー及びコポリマーとの両方を含む。
一実施形態では、第1のプロピレン系ポリマーは、プロピレンコポリマーである。更なる実施形態では、第1のプロピレンコポリマーは、50重量%超のプロピレンから誘導される単位、典型的には60重量%超、より典型的には70重量%超のプロピレンから誘導される単位を含み、残りのポリマーは、1つ以上のコモノマー、典型的には、例えば、エチレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテンなどの、アルファオレフィンモノマーの単位を含む。第1のプロピレンコポリマーはまた、例えば、ブタジエン、イソプレン、シクロペンタジエンなどのジエンから誘導される単位を含むことができる。
一実施形態では、ビスブレーキング前のプロピレン系ポリマー、すなわち、第1のプロピレン系ポリマーは、存在したとしてもわずかな(例えば、<1重量%、または<0.5重量%、または<0.1重量%)の過酸化物または酸素しか含有しない。
ビスブレーキング前のプロピレン系ポリマー、すなわち、第1のプロピレン系ポリマーは、典型的には、≦10分当たり50グラム(g/10分)、より典型的には≦25、または≦20、または≦10、または≦5、または≦1、または≦0.5、または≦0.1g/10分のメルトフローレート(MFR)を有する。
ビスブレーキング後のプロピレン系ポリマー、すなわち、第2のプロピレン系ポリマーは、典型的には、ビスブレーキング前のそれらのMFRの130%超、典型的には>150%、または>200%、または>300%のMFRを有する。一実施形態では、第2のプロピレン系ポリマーは、典型的には、≧0.13、または≧0.15、または≧0.2、または≧0.3、または≧0.5、または≧1、または≧5、≧10、または≧20、または≧30、または≧40、または≧50、または≧60、または≧70、または≧80、または≧90、または≧100、または≧200、または≧300g/10分のMFRを有する。一実施形態では、第2のプロピレン系ポリマーは、0.13〜300、または0.13〜200、または0.13〜100、または0.13〜50、または0.13〜20、または0.13〜10g/10分のMFRを有する。
好適な第1のプロピレン系ポリマーは、プロピレンホモポリマー及びプロピレンインターポリマーを含む。ポリプロピレンホモポリマーは、アイソタクチック、シンジオタクチック、またはアタクチックポリプロピレンであり得る。プロピレンインターポリマーは、ランダムもしくはブロックコポリマー、またはプロピレン系ターポリマーであり得る。ポリプロピレンのリアクターコポリマーも使用され得る。
プロピレンとの重合に好適なコモノマーとしては、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、ならびに4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、5−メチル−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、及びスチレンが挙げられる。好ましいコモノマーとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、及び1−オクテン、より好ましくはエチレンが挙げられる。
好適な第1のプロピレン系ポリマーとしては、Dow 5D98ならびに他のポリプロピレンホモポリマー及びコポリマー(現在Braskemから入手可能)、VERSIFYプラストマー及びエラストマー(The Dow Chemical Company)、ならびにVISTAMAXXポリマー(ExxonMobil Chemical Co.)、LICOCENEポリマー(Clariant)、EASTOFLEXポリマー(Eastman Chemical Co.)、REXTACポリマー(Hunstman)、VESTOPLASTポリマー(Degussa)、PROFAX PF−611及びPROFAX PF−814(Montell)が挙げられる。
一実施形態では、第1のプロピレン系ポリマーは、≦0.90g/cc、好ましくは≦0.89g/cc、より好ましくは≦0.88g/ccの密度を有する。
一実施形態では、第1のプロピレン系ポリマーは、≧0.83g/cc、好ましくは≧0.84g/cc、より好ましくは≧0.85g/ccの密度を有する。
一実施形態では、第1のプロピレン系ポリマーは、0.83g/cc〜0.90g/cc、及び好ましくは0.84g/cc〜0.89g/cc、より好ましくは0.85g/cc〜0.88g/ccの密度を有する。
一実施形態では、第1のプロピレン系ポリマーは、1.5〜6、より好ましくは2.5〜5.5、より好ましくは3〜5の分子量分布を有する。
第1のプロピレン系ポリマーは、本明細書に記載の2つ以上の好適な実施形態の組み合わせを有してもよい。
ビスブレーキングプロセス
本発明のビスブレーキングプロセスは、ビスブレーキング条件下、好ましくは酸素の不在下で、かつ典型的には不活性雰囲気下、例えば窒素下で、第1のプロピレン系ポリマーをC−Cフリーラジカル開始剤と接触させるステップを含む。ビスブレーキング条件は、典型的には、第1のプロピレン系ポリマーが溶融され、C−Cフリーラジカル開始剤が分解されて、フリーラジカルを形成する温度、例えば、200℃〜350℃、または200℃〜300℃、または210℃〜270℃を含む。一実施形態では、ビスブレーキング条件は、C−Cフリーラジカル開始剤を放射線に曝露することによってそれを分解または活性化させることを含む。
この接触は、典型的には、従来の混合装置、例えば、混合押出機、バッチ混合器機などで行われ、第1のプロピレン系ポリマーのMFRが所望のレベルに増加するまで継続する。C−C開始剤をポリマーに一度に添加するか、または時間をかけてポリマーに計り入れることができる。添加剤、例えば安定剤が、混合操作中にポリマー中に存在し得る。
添加剤
発明組成物は、1つ以上の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、安定剤、帯電防止剤、顔料、染料、核形成剤、充填材、スリップ剤、難燃剤、可塑剤、加工助剤、潤滑剤、安定剤、煙抑制剤、粘度制御剤、ブロッキング防止剤、及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。典型的には、発明組成物は、1つ以上の安定剤、例えば、共にCiba Specialty Chemicalsにより供給されるIRGANOX 1010及びIRGAFOS 168などの抗酸化剤を含有する。ポリマーは、典型的には、押出または他の溶融プロセスの前に、1つ以上の安定剤で処理される。
定義
反対のことが述べられない限り、文脈から暗に示されない限り、または当該技術分野における慣習でない限り、全ての部及びパーセントは重量に基づき、全ての試験方法は、本開示の出願日の時点で最新である。米国特許実務の目的で、特に定義(本開示で特別に提供されるいずれの定義とも矛盾しない程度に)及び当該技術分野における一般知識の開示に関して、いずれの参照される特許、特許出願、または公開の内容も、その全体が参照により組み込まれる(またはその等価の米国版がそのように参照により組み込まれる)。
「備える(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」などの用語は、組成物、プロセスなどが、開示される構成要素、ステップなどに限定されず、他の開示されていない構成要素、ステップなどを含み得ることを意味する。対照的に、「から本質的に成る(consisting essentially of)」という用語は、組成物、プロセスなどの能力、実施可能性などに不可欠でないものを除き、いずれの組成物、プロセスなどの範囲からも、いずれの他の構成要素、ステップなども除外する。「から成る(consisting of)」という用語は、組成物、プロセスなどから、特に開示されていないいかなる構成要素、ステップなども除外する。「または」という用語は、別段述べられない限り、開示される成員を、個別にかつ任意の組み合わせで指す。
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、同じ種類または異なる種類のモノマーを重合することによって調製されるポリマー化合物を指す。したがって、総称であるポリマーは、ホモポリマー(1種類のみのモノマーから調製されるポリマーを指すように用いられる)及び下文に定義されるインターポリマーという用語を含む。微量の触媒残渣などの不純物が、ポリマー中またはポリマー中に組み込まれ得る。
本明細書で使用される場合、「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの異なる種類のモノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。したがって、総称であるインターポリマーは、コポリマー(2つの異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを指すように用いられる)及び3つ以上の異なる種類のモノマーから調製されるポリマーを含む。
本明細書で使用される場合、「プロピレン系ポリマー」という用語は、少なくとも大部分の重量パーセント、重合されたプロピレン(ポリマーの重量に基づく)を含み、任意選択で1つ以上の更なるコモノマーを含むポリマーを指す。
「ヒドロカルビル」などの用語は、炭素及び水素原子から成るラジカルを指す。ヒドロカルビルラジカルの非限定的な例としては、アルキル(直鎖、分枝、または環式)、アリール(例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル、ビフェニル)、アラルキル(例えば、ベンジル)などが挙げられる。
「置換ヒドロカルビル」などの用語は、ヒドロカルビルラジカルのいずれかの炭素と結合した1つ以上の水素原子及び/またはヒドロカルビルラジカルの1つ以上の炭素原子が、独立して、以下のうちの1つによって置き換えられる、ヒドロカルビルラジカルを指す。
i)ヘテロ原子、または
ii)少なくとも1つのヘテロ原子を含む、ペルオキシ基(−OOH)以外の基。
ヘテロ原子の非限定的な例としては、ハロゲン、窒素、硫黄、酸素が挙げられる。ペルオキシ基以外の基の非限定的な例としては、ハロアルキル、ヒドロキシ、アミノ、ホスフィド、アルコキシ、アミノ、チオ、ニトロ、及びこれらの組み合わせが挙げられる。
「脂肪族炭化水素」などの用語は、分枝もしくは非分枝または環式、飽和または不飽和の炭化水素ラジカルを意味する。好適な脂肪族ラジカルの非限定的な例としては、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、2−プロペニル(またはアリル)、ビニル、n−ブチル、t−ブチル、i−ブチル(または2−メチルプロピル)、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。一実施形態では、脂肪族ラジカルは、1〜24個の炭素原子のアルキルラジカルである。
「アリール」などの用語は、単一の芳香環であり得るか、あるいは、共に融合した、共有結合した、またはメチレン部分もしくはエチレン部分などの共通基と結合した複数の芳香環であり得る芳香族ラジカルを意味する。芳香環(複数可)の非限定的な例としては、中でも、フェニル、ナフチル、アントラセニル、ビフェニルが挙げられる。一実施形態では、アリールラジカルは、典型的には、6〜20個の炭素原子を含む。
試験方法
MFRとしても知られるメルトフローレート(グラム/10分またはdg/分)を、ASTM D 1238(230℃/2.16kg)に従って測定する。
高温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC):屈折率検出器及び4つのPLgel Mixed−A(20μm)カラム(Polymer Laboratory Inc.)を備え付けたPL−220シリーズ高温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)ユニット上でポリマーを分析する。オーブン温度を150℃に設定し、自動サンプラーの高温ゾーン及び温暖ゾーンの温度を、それぞれ135℃及び130℃に設定する。溶媒を、約200百万分率(ppm)の2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)を含有する1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)に窒素パージする。流量は1.0mL/分であり、注入体積は200マイクロリットル(μl)である。試料を、穏やかに撹拌しながら160℃で2.5時間、Nパージし予熱したTCB(200ppmのBHTを含有する)中に溶解させることにより、1リットル当たり2ミリグラム(mg/mL)の試料濃度を調製する。
GPCカラムセットを、20個の狭分子量分布ポリスチレン標準物を実行することによって較正する。標準物の分子量(Mw)は、580〜8,400,000g/molの範囲であり、これらの標準物は、6個の「カクテル」混合物中に含有される。各標準物混合物は、個々の分子量間で少なくとも10進離れている。ポリスチレン標準物を、1,000,000g/mol以上の分子量については溶媒「20mL中0.005g」で、1,000,000g/mol未満の分子量については溶媒「20mL中0.001g」で調製する。ポリスチレン標準物を、撹拌下で30分間150℃で溶解させる。分解の影響を最低限に抑えるために、狭分子量分布の標準物混合物を最初に、最高分子量成分が減少する順に実行する。四次多項式当てはめを溶出体積の関数として使用して、対数分子量較正を生成する。等価ポリプロピレン分子量を、報告されたポリプロピレン(Th.G.Scholte,N.L.J.Meijerink,H.M.Schoffeleers,and A.M.G.Brands,J.Appl.Polym.Sci.,29,3763−3782(1984))及びポリスチレン(E.P.Otocka,R.J.Roe,N.Y.Hellman,P.M.Muglia,Macromolecules,4,507(1971))についてのMark−Houwinkの係数によって、以下の等式を使用して計算する。
式中、Mppは、ポリプロピレン(PP)等価分子量(MW)であり、MPSは、ポリスチレン(PS)等価MWであり、対数K及びaは、PP及びPSのMark−Houwink係数の値であり、以下に列挙する。
[表]
屈折率検出器(dRI)及び狭分子量分布標準較正を使用する屈折率検出器GPC結果に基づくMn、Mw、及びMzの計算値を、以下の等式によって決定する。
上の等式では、dRI及びMPP,iは、それぞれ、dRI応答のi番目のスライスのdRI基線補正応答及び従来の較正ポリプロピレン分子量である。
Tert−ブチルアルコール決定のための試験方法:ポリプロピレン中のtert−ブチルアルコールレベルを、Agilent Technologies,Wilmington,DEから入手可能であるフレームイオン化検出器を有するヘッドスペースサンプラーモデル7694を備え付けたAgilentモデル6890ガスクロマトグラフ上で、ヘッドスペースガスクロマトグラフィーを使用して決定する。約1グラムのポリプロピレンペレット(0.0001g単位で秤量し記録する)を、ヘッドスペースバイアル中に置き、密封する。試料を、ヘッドスペースバイアル中で150℃で1時間平衡化する。ヘッドスペースを分析し、tert−ブチルアルコールのピーク面積を決定する。定量化を、これまでに決定した150℃のポリプロピレン中のtert−ブチルアルコールの分布定数によって、外部標準較正を使用して行う。
示差走査熱量測定(DSC):DSCを、1分当たり10℃の走査速度にて、0℃の初期温度から最大400℃の最終温度まで、窒素ヘッドスペース下で行う。試料量は約10mgであった。
密度:密度測定のための試料を、ASTM D 4703−10に従って調製する。試料を、10,000psi(68MPa)で5分間、374°F(190℃)で加圧する。温度を、上記の5分間、374°F(190℃)に維持し、その後、圧力を3分間30,000psi(207MPa)に増加させる。この後、70°F(21℃)及び30,000psi(207MPa)で1分間保持する。試料の加圧から1時間以内に、ASTM D792−08(方法B)を使用して測定を行う。
実験を、HAAKE混合器を使用して実行した。DOW 5D98は、3.4g/10分のメルトフローレート(MFR)及び0.900g/ccの密度を有するポリプロピレン(第1のプロピレン系ポリマー)である(Braskemから現在入手可能)。表1は、実施例で使用する種々のC−C開始剤の特性を提供する。
HAAKE 600 Mixing Bowlを用いたRS5000 Torque Rheometerにおける試料の調製:
ポリマー試料を、加熱したRS5000ドライブ及びHAAKE RHEOMIX 600混合器中で種々のレベルの指定の添加剤と溶融ブレンドした。充填レベル61%の混合チャンバを使用し、これはすなわち、チャンバの容積の61%を試料で充填したということである。使用した試料重量を、試料重量=材料のかさ密度(0.900g/cm)×チャンバの実容積(69cm)×充填率(0.61)〜37.9gとして近似した。
混合器に、25%のGF(ガラス充填)TEFLON(登録商標)の特注ブッシング及びローラ式回転子を備え付けた。材料(ポリプロピレン及びC−C開始剤または過酸化物)の全てをチャンバに加えた後、窒素パージを開始し、その間、材料を溶融させ混合した。材料をチャンバに加えた後1〜2分以内に、窒素パージを開始した。窒素パージは、回転子間のニップにおける試料の溶融物または溶融表面の「皮」の著しい温度減少を引き起こさないように十分に低い速度であった。
PP 5D98から成形したカプセルを、添加剤の加熱した混合器への添加のために使用した。成形カプセルを特注成形型で作製して、約5分間、手動のPHI卓上プレスにおいて圧力なしで190℃でカプセルの上部及び下部を成形した。カプセルを有する成形型を、取扱いに十分な程度に冷却されるまで、空気中で室温に冷却した。カプセルの重量は約1〜1.5gであった。このカプセル重量を、混合器に添加する試料のベースポリマーの重量に含めた。その後、添加剤をカプセル中に量り入れた。この添加剤カプセルを、溶融するまで約40秒〜1分、材料を混合器中に保つためのラムを使用して、ポリマーペレットと共に混合器に加えた。その後、溶融処理中の大気酸素を減少させるために、窒素ブロックを混合器の開口部中に置いた。ポリマー配合については表2を参照されたい。
ボウル(ゾーン2)中の温度を、ポリマーと接触する(ボウル表面と同一平面の)溶融熱電対を使用して制御した。この熱電対は、ポリマー溶融を、その処理中に測定する。ゾーン1及び3の熱電対を使用して、これらのゾーンの設定温度を制御した(これらの場合において、熱電対はまとまっている窒素ブロック中に存在するが、ポリマーとは接触していない)。ゾーン2によって設定及び測定したポリマー溶融温度を表2に示す(温度は、210℃、240℃、または270℃のいずれかであった)。全ての試料について、1分当たりの回転数(rpm)は50であり、混合時間は10分であった。
試料(約38gから、チャンバから容易に取り出すことができなかった約2gを引いたもの)を、TEFLON(登録商標)コーティングしたシート上にステンレス鋼のへらで掻き出すことによって熱い混合器から素早く取り出し、CARVER油圧プレスの冷プラテン間の熱い試料をCarverホットプレス(プラテン中の冷却液の設定点は18℃、3〜5分、20,000psiであった)においてプレスすることによって即座に急冷して、厚さ約3/8〜1/2インチの「パンケーキ」を形成した。
ビスブレーキング条件も、以下の表2で要約する。
表3は、表2に記載する実施例のメルトフローレートを提供し、表4は、ビスブレーキング後の実施例の更なる分子量特性を提供する。TRIGONOX 101を含む試料は比較試料である。
表3に示すように、第2のプロピレン系ポリマーのメルトフローレートは、DEDPH及びDMDPH(C−C開始剤)では、ビスブレーキング後に増加し、これは最も顕著な増加を示すものであり、最終メルトフローレート(270℃で)は、TRIGONOX 101で得られたものと酷似していた。表3はまた、いくつかのC−C開始剤(DEDPH及びDMDPBなど)がより高い温度でより効果的である一方で、他のもの(DBnDTHなど)は、より低い温度でより効果的であることを示す。表4に示すように、C−C開始剤を使用する発明実施例のMw/Mn値は、概して、TRIGONOX 101を使用する比較例のものを上回る。
表5は、これらのポリマー試料中で測定された、臭気を引き起こすことが知られている化合物であるtert−ブタノールのレベルを示す。TRIGONOX 101で作製した比較例からのポリマーが1ppmを上回るt−ブタノールレベルを示す一方で、新規開始剤で作製したポリマー試料は、ほとんどの場合に、検出不能なレベルまたは非常に低いレベルを示す。
表3〜5に示すように、発明プロセスから調製された第2のプロピレン系ポリマーは、メルトフローレート、MWD(Mw/Mn)値、及び減少した副産物(例えば、tert−ブタノール)に関して、優れた特性を有する。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
第1のプロピレン系ポリマーから第2のプロピレン系ポリマーを調製するためのプロセスであって、各プロピレン系ポリマーが、メルトフローレート(MFR;2.16kg/230℃)を有し、前記第2のプロピレン系ポリマーの前記MFRが、前記第1のプロピレン系ポリマーの前記MFRより大きく、前記プロセスが、ビスブレーキング条件下で、前記第1のプロピレン系ポリマーを少なくとも1つの構造Iの炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤と接触させるステップを含み、
式中、R、R、R、R、R、及びRが、各々独立して、ヒドロカルビル基または置換ヒドロカルビル基であり、任意選択で、2つ以上のR基(R、R、R、R、R、及びR)が環構造を形成する、前記プロセス。
項2.
、R、R、R、R、及びRが、各々独立して、C1−24ヒドロカルビル基または置換C1−24ヒドロカルビル基である、項1に記載の前記プロセス。
項3.
前記C−Cフリーラジカル開始剤が、前記第1のプロピレン系ポリマーの重量に基づいて少なくとも0.05重量%の量で存在する、項1または2に記載の前記プロセス。
項4.
前記C−Cフリーラジカル開始剤が、DSC測定に基づいて130℃を上回る分解温度を有する、項1〜3のいずれか一項に記載の前記プロセス。
項5.
前記第1のプロピレン系ポリマーを少なくとも2つのC−Cフリーラジカル開始剤と接触させることを含む、項1〜4のいずれか一項に記載の前記プロセス。
項6.
及びRが、各々、フェニル基である、項1〜5のいずれか一項に記載の前記プロセス。
項7.
前記少なくとも1つのC−Cフリーラジカル開始剤が、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、及び3,4−ジエチル−3,4−ジフェニルヘキサンから成る群から選択される、項1〜6のいずれか一項に記載の前記プロセス。
項8.
前記第2のプロピレン系ポリマーの前記MFRが、前記第1のプロピレン系ポリマーの前記MFRの少なくとも130%である、項1〜7のいずれか一項に記載の前記プロセス。
項9.
前記第1のプロピレン系ポリマーが、少なくとも1つの構造IのC−Cフリーラジカル開始剤及び少なくとも1つの過酸化物と接触させられる、項1〜8のいずれか一項に記載の前記プロセス。
項10.
前記ビスブレーキング条件が、不活性雰囲気下で、前記第1のプロピレン系ポリマーを前記C−Cフリーラジカル開始剤と接触させることを更に含む、項9に記載の前記プロセス。
項11.
項1〜10のいずれか一項に記載の前記プロセスによって形成される前記第2のプロピレン系ポリマーを含む、組成物。
項12.
前記第2のプロピレン系ポリマーが、10g/10分を上回るメルトフローレート(MFR)を有する、項11に記載の前記組成物。
項13.
前記第2のプロピレン系ポリマーが、1.0ppm未満のt−ブタノールレベルを有する、項11または項12に記載の前記組成物。
項14.
前記組成物が、1つ以上の添加剤を更に含む、項11〜13のいずれか一項に記載の前記組成物。
項15.
項11〜14のいずれか一項に記載の前記組成物から形成される少なくとも1つの構成要素を含む、物品。

Claims (9)

  1. 第1のプロピレン系ポリマーから第2のプロピレン系ポリマーを調製するためのプロセスであって、各プロピレン系ポリマーが、メルトフローレート(MFR;2.16kg/230℃)を有し、前記第2のプロピレン系ポリマーの前記MFRが、前記第1のプロピレン系ポリマーの前記MFRより大きく、前記プロセスが、酸素不在および酸素含有化合物不在のビスブレーキング条件下で、前記第1のプロピレン系ポリマーを少なくとも1つの構造Iの炭素−炭素(C−C)フリーラジカル開始剤と接触させるステップを含み、
    式中、R、R、R、R、R、及びRが、各々独立して、 〜C ヒドロカルビル基である、前記プロセス。
  2. 、R、R、R、R、及びRが、各々独立して、 〜C ヒドロカルビル基である、請求項1に記載の前記プロセス。
  3. 前記C−Cフリーラジカル開始剤が、前記第1のプロピレン系ポリマーの重量に基づいて少なくとも0.05重量%の量で存在する、請求項1または2に記載の前記プロセス。
  4. 前記C−Cフリーラジカル開始剤が、DSC測定に基づいて130℃を上回る分解温度を有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の前記プロセス。
  5. 前記第1のプロピレン系ポリマーを少なくとも2つの異なるC−Cフリーラジカル開始剤と接触させることを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の前記プロセス。
  6. 及びRが、各々、フェニル基である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記プロセス。
  7. 前記少なくとも1つのC−Cフリーラジカル開始剤が、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタン、3,4−ジメチル−3,4−ジフェニルヘキサン、及び3,4−ジエチル−3,4−ジフェニルヘキサンから成る群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記プロセス。
  8. 前記第2のプロピレン系ポリマーの前記MFRが、前記第1のプロピレン系ポリマーの前記MFRの少なくとも130%である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の前記プロセス。
  9. 前記ビスブレーキング条件が、不活性雰囲気下で、前記第1のプロピレン系ポリマーを前記C−Cフリーラジカル開始剤と接触させることを更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の前記プロセス。
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