JP6595212B2 - 固形眉目頬化粧料及びその製造方法 - Google Patents

固形眉目頬化粧料及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は水を用いた湿式成型法により製造され、環境や安全性に配慮し、滑らかな感触を有し、耐衝撃性に優れた固形眉目頬化粧料及びその製造方法に関する。
固形眉目頬化粧料の製造方法には、一般的に乾式成型法と湿式成型法がある。乾式成型法は粉体と油剤を混合したのち加圧成型するもので、この製造方法は簡便で広く用いられている。しかし、官能特性面での差別化を図ることが困難であった。
湿式成型法は、粉体と油剤からなる化粧料基材に揮発性溶剤を加えてスラリーとし、容器に充填した後、揮発性溶剤を乾燥除去し、化粧料を得るもので、この成型法で作製された化粧料は、滑らかな感触が得られ易い。しかし、耐衝撃性の悪化やひび割れによる不良率の増加を生じてしまう。また、固形眉目頬化粧料を作製する際には、光輝性粉体が汎用されるが、光輝性粉体は粒径が大きく、硬度の低下、不均一化等の課題があり、安定的に製造することが困難であった。
特に、濃色系の眉目頬化粧料の場合は、ぼけた色になりやすいため、彩度の低い、外観に劣った化粧料になりやすい。これは、光輝性粉体の製造工程における配向や沈降が多いことに起因すると思われる。製造工程の調整のみで、このような工程の制御を行うことは難しい。
湿式成型法において、スラリーを作製する際、溶媒として揮発性炭化水素や低沸点アルコール等が多用されているが、これらは危険物である為、防爆対策、作業者への安全対策、環境への配慮として溶剤の回収が必要であった。これらのことから、近年では、溶媒として水を用いて化粧料を作製する研究がなされている(特許文献1)。
しかし、水を溶媒として用いた場合、揮発性炭化水素や低沸点アルコール等を溶媒として用いたものと比較して、充填性及び生産性が悪く、また、水を除去する際に空隙ができ易くなることで、取れが多くなり、粉飛びする、耐衝撃性に劣る等の問題が生じ易かった。
また、油剤を配合した化粧料基材は水が馴染み辛く、スラリー作製の際に水と化粧料基材との均一な混合分散が困難であった。分散性が悪いと、配合成分の局在化が生じ、使用する部分によって使用感が異なったり、耐衝撃性が悪くなる。
これらの問題点を解決する為に皮膜形成剤を配合したり(特許文献2)、水と油剤を馴染み易くする為に、水酸基を有する油剤や両親媒性エステル等、特定の油剤を配合することで分散性や耐衝撃性を改善する試みがなされている(特許文献1、特許文献3、特許文献4)。
特許第5236380 特許第3455476 特開2014―141483 特開2012―214420
上記のように皮膜形成剤を用いた場合、耐衝撃性が改善されるが硬くなり、使用感が劣る。また油剤を工夫した場合も粒径の大きな光輝性粉体等を配合すると取れが多くなったり、粉飛びし易い等の課題が残る。さらに水を用いた湿式成型法では、スラリー作製時に油剤や光輝性粉体等の分散性が悪く、水を除去して最終的に得られる化粧料が不均一になったり、スラリーの状態により充填性及び生産性が低下する。
これらのことから、水を用いてスラリーを作製することによって、分散性が良好なスラリーを得ることができ、耐衝撃性に優れ、伸びや滑らかさといった使用感にも優れた固形眉目頬化粧料の開発が望まれていた。
上記課題を解決するために本発明は、特定のエステル油剤、多価アルコール、光輝性粉体及び親水性増粘剤を含有することにより、水を用いてスラリーを作製した場合にも油剤や粉体等の分散性が良好であり、粉飛び防止、耐衝撃性を向上させることができ、さらに滑らかな感触を有し、使用感に優れた、環境及び安全面に配慮した固形眉目頬化粧料が得られることを見出した。
本発明は、下記(A)〜(D):
(A)ヒドロキシ酸と高級アルコールからなるエステル油、長鎖脂肪酸とジグリセリンからなるエステル油より選ばれる1種又は2種以上
(B)多価アルコール
(C)光輝性粉体
及び
(D)親水性増粘剤
(前記(D)成分は、親水性増粘剤と水の比が、0.01:100〜5:100(質量比))並びに水を含有するスラリー状組成物を容器に充填する工程(1)及び前記工程(1)に次いで行われる前記スラリー状組成物から水を除去する工程(2)を有するものであり、
前記スラリー状組成物は、成分(D)親水性増粘剤を水と混合して、親水性増粘剤水溶液を調製し、これを(A)〜(C)の成分と混合してスラリーを作製する工程を有する製造方法によって得られたものである
製造方法によって製造されたことを特徴とする固形眉目頬化粧料である。
本発明は水を用いた湿式製法により製造され、環境や安全性に配慮し、滑らかな感触を有し、耐衝撃性に優れた固形眉目頬化粧料及びその製造方法を提供する。
本発明の詳細について以下に説明する。
本発明は、上述した成分(A)〜(C)及び(D)並びに水を含有するスラリー状組成物を、容器に充填し、水を除去することによって得られた固形眉目頬化粧料である。このような固形眉目頬化粧料は、成分(A)〜(C)及び(D)を組み合わせすることで、滑らかな感触、使用感を有し、優れた外観を有し、耐衝撃性に優れており、ケーキングが起こりにくく、取れの調節が容易に行えるものである。
これらの作用は、成分(A)で示した特定の油剤、成分(B)多価アルコール、成分(C)光輝性粉体及び成分(D)親水性増粘剤の粘結性、分散性に由来し、スラリー状組成物作製時には、安定的に、均一に混合分散することができることによるものと推測される。
上記成分(A)は、ヒドロキシ酸と高級アルコールからなるエステル油、長鎖脂肪酸とジグリセリンからなるエステル油より選ばれる1種又は2種以上の油剤である。成分(A)を配合することで、油剤と粉体の結合力が向上し、取れや硬度の調節が行い易くなり、肌への付着性も向上する。
成分(A)は、通常化粧料に用いられるものであれば良い。「ヒドロキシ酸と高級アルコールからなるエステル油」における高級アルコールは、炭素数6以上の高級アルコールであることが望ましい。また、ヒドロキシ酸としては特に限定されず、リンゴ酸、乳酸、ヒドロキシステアリン酸等を挙げることができる。
ヒドロキシ酸と高級アルコールからなるエステル油の具体例としては、リンゴ酸ジイソステアリル、リンゴ酸ジオクチルドデシル、リンゴ酸ジアルキル(C12,13)、リシノール酸オクチルドデシル、リシノール酸セチル、乳酸オクチルドデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、ヒドロキシステアリン酸フィトステリル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、ヒドロキシステアリン酸コレステリル等が挙げられる。
上記「長鎖脂肪酸とジグリセリンからなるエステル油」における長鎖脂肪酸は、炭素数14以上のものであることが好ましい。「長鎖脂肪酸とジグリセリンからなるエステル油」の具体例としては、イソステアリン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ジグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、オレイン酸ジグリセリル等が挙げられる。
成分(A)は、これらの中でも常温で液状のものが好ましい。常温で液状のものとすることで、配合する粉体や油剤の分散性を向上し、得られる化粧料がケーキングを起こしにくく、肌への付着性が良くなる点で好ましい。
成分(A)の配合量は特に制限されないが、化粧料全量に対して0.1〜10.0質量%が好ましい。上記下限は、1.0質量%を超えることがより好ましく、2.0質量%を超えることが更に好ましい。上限は、8.0質量%未満であることがより好ましく、5.0質量%未満であることがさらに好ましい。10.0質量%を超えると硬くなり取れが悪くなったり、ケーキングを起こし易くなるおそれがある。0.1質量%未満だと、取れが多くなり粉飛びが生じ易くなり、肌への付着性も悪くなるおそれがある。
本発明に用いられる成分(B)の多価アルコールは、特に制限されず、化粧料分野において通常使用される2以上の水酸基を有する低分子量化合物を使用することができる。上記多価アルコールを配合すると、スラリー状組成物作製時の混合分散が良好になり、容器に充填する際に、取り扱い易いスラリー状組成物を作製することが可能となる。
成分(B)として具体的には、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、1,3ブチレングリコール、ソルビトール、マルチトール等が挙げられる。
成分(B)多価アルコールの配合量は、特に制限されないが、化粧料全量に対して0.5〜10.0質量%配合されていると、滑らかなスラリーを作製し易い点で好ましい。上記下限は1.0質量%を超えることがより好ましく、1.5質量%を超えることが更に好ましい。上限は、7.0質量%未満であることがより好ましく、5.0質量%未満であることが更に好ましい。0.5質量%未満だとスラリー状組成物作製時の分散性が悪くなるおそれがあり、10.0質量%を超えると水を除去した後に得られる化粧料が白っぽくなったり、取れが必要以上に多くなったりするおそれがある。
上記成分(C)の光輝性粉体は、通常化粧料に配合されるものを使用することができる。例えば、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、カルミン被覆雲母チタン、カルミン・コンジョウ被覆雲母チタン、酸化鉄・カルミン処理雲母チタン、コンジョウ処理雲母チタン、酸化鉄・コンジョウ処理雲母チタン、酸化クロム処理雲母チタン、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆ホウケイ酸(Ca/Al)等が挙げられる。また、必要に応じて疎水化処理等の化粧品分野における公知の表面処理を施したものであってもよい。
成分(C)の配合量は、特に制限されず、通常化粧料に用いられる量であれば良い。例えば、化粧料全量に対して0.1質量%〜60.0質量%とすることができる。上記下限は、好ましくは1.0質量%を超え、5.0質量%を超えることが更に好ましい。上限は、より好ましくは50.0質量%未満で、更に好ましくは40.0質量%未満である。
上記成分(D)親水性増粘剤は、粘結剤としての役割を有し、硬度及び、取れの調節を可能にし、粉飛び防止、耐衝撃性を向上させるものである。成分(D)親水性増粘剤において、親水性とあるのは、水と親和性が大きい増粘剤であることを意味し、より具体的には水と結びつきやすい、水に溶けやすいという意味である。
成分(D)親水性増粘剤としては特に限定されず、具体的には、アクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド、アルギン酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、プルラン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カラギーナン、ペクチン、寒天、デンプン、クインシード、キサンタンガム、結晶セルロース等の水溶性高分子、ベントナイト、ケイ酸(Al/Mg)、カオリン等の粘土鉱物が挙げられる。
特に、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、ベントナイト、ケイ酸(Al/Mg)が、スラリー化する工程及び充填工程において、充填性及び生産性が向上し、加えて、得られる化粧料が耐衝撃性に優れているという点で、好適に用いられる。
成分(D)親水性増粘剤の配合量は、化粧料全量に対して0.01〜5.0質量%が好ましい。さらに好ましくは0.1〜3.0質量%である。5.0質量%を超えると、粘結力が高くなり取れが悪くなったり、ケーキングを起こしたりするおそれがある。また、0.01%未満であると、スラリー化する工程及び充填工程での生産性、充填性が悪くなり、その結果、取れの調節や耐衝撃性の向上といった、本願発明の効果を得ることができないおそれがある。
本発明の固形眉目頬化粧料は、成分(E)である融点が25℃〜50℃の半固形及び又は固形のトリグリセライドを更に配合することもできる。これによって、本発明の化粧料は更に滑らかな感触を得ることができる。なお、上記融点はMettler FP90 Central Processor及びFP83HT Dropping Point Cellを用いて測定することができる。
成分(E)の具体例としては、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、トリ(パーム油脂肪酸/パーム核油脂肪酸/オリーブ油脂肪酸/マカデミアナッツ油脂肪酸/アブラナ種子油脂肪酸)グリセリル、シア脂、カカオ脂、マンゴー種子油等が挙げられる。
上記成分(E)は、化粧料全量に対して0.1〜5.0質量%が好ましい。さらに好ましくは1.0〜3.0質量%である。5.0質量%を超えると、取れが悪くなったり、ケーキングを起こし易くなったりするおそれがある。
本発明においては、上記成分に加えて化粧料において一般的に使用される油剤を併用するものであってもよい。このような油剤としては、油脂類、ロウ類、炭化水素類、エステル油類、脂肪酸類、高級アルコール類、シリコーン油類等を挙げることができる。
このようなその他の油剤としては、具体的には、例えば、オリーブ油、マカデミアナッツ油、アボガド油、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリエチルヘキサノイン、トリイソステアリン、ホホバ種子油、ミツロウ、オレフィンオリゴマー、スクワラン、流動パラフィン、水添ポリデセン、水添ポリイソブテン、ワセリン、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ネオペンタン酸イソデシル、エチルヘキサン酸セチル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸エチルヘキシル、ミリストイルメチルアミノプロピオン酸ヘキシルデシル、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、オレイン酸フィトステリル、マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル、トリポリヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、イソステアリン酸、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、シクロヘキサシロキサン、シクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、カプリリルメチコン、ジメチコン、フェニルトリメチコン、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸等を挙げることができる。上記その他の油剤の配合量は特に限定されないが、化粧品全量に対して、0.5質量%〜20質量%であることが好ましい。
本願発明の固形眉目頬化粧料は、更に、上述した成分(C)に該当しないその他の顔料及び有機粉末を含有するものであってもよい。この場合、当該その他の顔料としては、特に限定されず、具体的には例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、マイカ、セリサイト、合成金雲母、合成金雲母鉄、タルク、シリカ、シリル化シリカ、ヒドロキシアパタイト、硫酸バリウム、窒化ホウ素、法定色素、ラウロイルリシン、ナイロン末、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸アルキル、ポリメチルシルセスキオキサン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー等を挙げることができる。上記その他の顔料の配合量は、特に限定されないが、化粧品全量に対して、30質量%〜85質量%であることが好ましい。また、必要に応じて疎水化処理等の化粧品分野における公知の表面処理を施したものであってもよい。
さらに、上記成分に加えて、化粧料において一般に用いられるその他の成分、例えば、薬効成分、着香剤、清涼剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、懸濁剤、安定化剤、湿潤剤、抗酸化剤、pH調整剤、着色剤、防腐剤等を配合するものであってもよい。
本発明の固形眉目頬化粧料は、前記成分(A)〜(C)及び(D)並びに水を含有するスラリー状組成物を、容器に充填し、水を除去することによって得られるものである。本発明においては、製造工程において使用する揮発性溶媒として水を用いることから、溶媒の除去に特別な装置を用いる必要がない。
本発明において、成分(D)親水性増粘剤を使用する水と混合して、親水性増粘剤水溶液を調製し、これを(A)〜(C)の成分と混合してスラリーを作製することが好ましい。
この際、親水性増粘剤(D)と水の比は、0.01:100〜5.0:100(質量比)である。
上記割合で親水性増粘剤水溶液を調製する場合、成分(D)と水とを予めホモジナイザー等を用いて混合、分散膨潤せしめる。(D)親水性増粘剤を予め水に分散膨潤せしめた水溶液を用いてスラリーを作製することで、スラリー化工程の分散性が格段に向上し、優良な固形眉目頬化粧料を得ることができる。
上記親水性増粘剤水溶液の割合は、化粧料基材(すなわち、最終製品に含まれる成分(D)親水性増粘剤以外の全成分)100質量部に対して40〜200質量部が好ましく、より好ましくは50〜150質量部で、更に好ましくは60〜100質量部である。40質量部未満であると、粉体が十分に濡れず、分散性、充填性が悪くなる。また、200質量部を超えると、水を除去するために費やす時間が長くなり生産性が低下するおそれがある。
また、上記スラリーは、本発明の効果や製造工程に悪影響を与えない範囲で水以外の揮発性溶媒を併用して使用するものであってもよい。この場合は、その他の揮発性溶媒の添加量は、例えば水に対して10質量%以下の割合で配合しても構わない。例えば揮発力の高いエタノール等を用いると、揮発性溶媒として全量水を用いるよりも、揮発性溶媒を除去する時間を短縮することが可能となる。
より具体的には、例えば、以下のようにしてスラリー状組成物を製造する方法を挙げることができる。まず成分(A)〜(C)を含有する化粧料原料を常法によって均一に混合して化粧料基材を作製する(工程A)。次いで成分(D)を精製水に膨潤せしめた水溶液と、成分(A)〜(C)を含有する化粧料基材とを混合し、スラリーを得る(工程B)。
この工程Bで得られたスラリーを容器に充填(工程1)する。容器としては特に限定されず、固形眉目頬化粧料において使用される通常の容器を使用することができる。次いで、充填後の前記スラリー状組成物から水を除去する(工程2)。水の除去方法は特に限定されず、公知の常法に従って行うことができる。具体的には、例えば、自然乾燥、加温乾燥、温風乾燥、真空吸引等によって行われる。
スラリーを作製する際に用いられる水は、特に制限されない。具体的には、精製水、常水等が挙げられる。また、本発明の効果に悪影響を与えない限りにおいて、その他の揮発性有機溶剤を併用して使用するものであってもよい。
以上のような方法で得られる固形眉目頬化粧料は、例えば、アイシャドウ、アイブロー、頬紅等として使用される。前述した固形眉目頬化粧料の製造方法も本発明の一部である。
以下に、実施例をあげて、本発明をより詳細に説明する。本発明はこれにより制限されるものではない。
実施例1〜10及び比較例1〜5:アイシャドウ
表1に示す組成のアイシャドウを下記の方法により作製した。
(固形粉末アイシャドウの製造方法:実施例1〜10及び比較例1〜5)
(ア):成分1〜10を加熱溶解し、均一に分散させる。
(イ):成分11〜17をヘンシェルミキサーで均一に分散する。
(ウ):(イ)をヘンシェルミキサーで攪拌しながら、(ア)を添加し、均一に分散混合して化粧料基材を得る。
(エ):成分18〜20はホモジナイザーを用いて成分21の精製水に分散膨潤せしめる。(比較例2は、精製水のみで作製を行った。)
(オ):(ウ)の化粧料基材100質量部に対して、(エ)の水溶液を80質量部添加し、均一混合し、スラリーを作製する。
(カ):(オ)を金皿に充填し、多孔質吸引ヘッドを用いて吸引圧縮成型する。
(キ):(カ)を70℃乾燥機内で乾燥し、精製水を除去して、アイシャドウを得る。
(評価方法1:分散性)
化粧料基材に精製水又はベントナイトを膨潤せしめた精製水を加え、作製したスラリー1.0gをスライドガラスに1.5cm四方に拡げて塗布し、目視にてその表面状態を観察し、以下の4段階の判定基準に従って判定した。
(判定基準)
内容 :判定
凝集がみられず、水と均一に混ざり合っている :◎
凝集はみられないが、水と粗雑に混ざり合っている :○
少し凝集がみられる :△
凝集が見られる、又は水と混ざっていない :×
(評価方法2:感触・使用感)
化粧品専門家パネル20名に実施例及び比較例の化粧料を使用してもらい感触・使用感(滑らかさ・肌への付着性)について、各自が以下の基準に従って5段階評価し、化粧料毎に評点を付し、さらに全パネルの評点の平均点を以下の4段階の判断基準に従って判定した。
(評価基準)
評価結果 :評点
非常に良好 :5点
良好 :4点
普通 :3点
やや不良 :2点
不良 :1点
(判定基準)
評点の平均点 :判定
4.5以上 :◎
3.5以上〜4.5未満 :○
1.5以上〜3.5未満 :△
1.5未満 :×
(評価方法3:取れ)
化粧品専門家パネル20名に実施例及び比較例の化粧料を使用してもらい、取れについて、各自が4段階の判定基準に従って判定した。
(評価基準:取れ)
評価結果 :評点
粉飛びせず、塗布に適した量が取れる :◎
少し粉飛びが見られるが、塗布に適した量が取れる :○
取れが少し多い、又は少し少ない :△
取れが多すぎる、又は硬くて取れない :×
(評価方法4:外観)
作製した化粧料の表面を目視で観察し、判定を行った。
(判定基準)
内容 :判定
発色が非常に良好 :◎
発色が良好 :○
発色がやや不良 :△
彩度が低く発色が不良 :×
(評価方法5:耐衝撃性)
実施例及び比較例の化粧料を容器に装着した状態で、50cmの高さから合板上に落下を繰り返し、欠け、割れ、ひび等の異常が生じるまでの回数を評価した。評価基準は以下の通りである。
(評価基準)
異常が生じるまでの回数 :判定
20回以上 :◎
15回〜19回 :○
10〜14回 :△
9回以下 :×



(結果)
表1より、以下の点が明らかとなった。
・成分(A)を配合しなかった比較例1は、取れが多く、ぼそぼそとした感触になり実施例より劣っていた。
・成分(D)を配合していない比較例2は耐衝撃性が低く、実施例より劣っていた。
・成分(B)を配合しなかった比較例3は、取れが悪くなり、ケーキングを起こし易く、実施例より劣っていた。
・成分(B)を多く配合した比較例4は、取れが多くなり、外観が白くなり、実施例より劣っていた。
・成分(D)を水に膨潤せしめず、他の粉体原料と同時にヘンシェルミキサーで混合して製造された比較例5は、用いた親水性増粘剤がスラリーを作製する際に分散性が悪く、感触も悪く、実施例より劣っていた。
(実施例11:アイシャドウ)
以下の表2に示す成分を使用して、実施例1と同様の方法で化粧料を得た。
(実施例12:チーク)
以下の表3に示す成分を使用して、実施例1と同様の方法で化粧料を得た。

(実施例13:アイブロー)
以下の表4に示す成分を使用して、実施例1と同様の方法で化粧料を得た。
実施例11〜13の各化粧料も、実施例1〜10のものと同様に、優れた外観を有し、耐衝撃性に優れ、伸びや滑らかさといった使用感にも優れた化粧料であった。
本発明の固形眉目頬化粧料は、アイシャドウ、アイブロー、頬紅等に使用することができる。

Claims (4)

  1. 下記(A)〜(D):
    (A)ヒドロキシ酸と高級アルコールからなるエステル油、長鎖脂肪酸とジグリセリンからなるエステル油より選ばれる1種又は2種以上
    (B)多価アルコール
    (C)光輝性粉体
    及び
    (D)親水性増粘剤並びに水(前記(D)成分は、親水性増粘剤と水の比が、0.01:100〜5:100(質量比))を含有するスラリー状組成物を容器に充填する工程(1)
    及び前記工程(1)に次いで行われる前記スラリー状組成物から水を除去する工程(2)
    を有する製造方法によって製造された固形眉目頬化粧料であって、
    前記スラリー状組成物は、成分(D)親水性増粘剤を水と混合して、親水性増粘剤水溶液を調製し、これを(A)〜(C)の成分と混合してスラリーを作製する工程を有する製造方法によって得られたものである
    ことを特徴とする固形眉目頬化粧料。
  2. 成分(D)親水性増粘剤は、ベントナイト、ケイ酸(Al/Mg)、キサンタンガム、アルギン酸ナトリウムから選ばれる1種又は2種以上のものである請求項1記載の固形眉目頬化粧料。
  3. 成分(E)として融点が25℃〜50℃の半固形及び又は固形のトリグリセライドを配合することを特徴とする請求項1記載の固形眉目頬化粧料。
  4. 下記(A)〜(D):
    (A)ヒドロキシ酸と高級アルコールからなるエステル油、長鎖脂肪酸とジグリセリンからなるエステル油より選ばれる1種又は2種以上
    (B)多価アルコール
    (C)光輝性粉体
    及び
    (D)並びに水(前記(D)成分は、親水性増粘剤と水の比が、0.01:100〜5:100(質量比))を含有するスラリー状組成物を容器に充填する工程(1)及び前記工程(1)に次いで行われる前記スラリー状組成物から水を除去する工程(2)を有するものであり、
    前記スラリー状組成物は、成分(D)親水性増粘剤を水と混合して、親水性増粘剤水溶液を調製し、これを(A)〜(C)の成分と混合してスラリーを作製する工程を有する製造方法によって得られたものである
    ことを特徴とする固形眉目頬化粧料の製造方法。
JP2015101233A 2015-05-18 2015-05-18 固形眉目頬化粧料及びその製造方法 Active JP6595212B2 (ja)

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