以下、パチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。
図1に示すように、遊技機としてのパチンコ遊技機10には、遊技盤YBが備えられている。パチンコ遊技機10の前面側には、遊技盤YBへ遊技球(遊技媒体)を発射させるときに遊技者によって操作される発射ハンドルHDが配設されている。遊技盤YBの中央には、画像表示部GHを有する演出表示装置11が設けられている。演出表示装置11の画像表示部GHは、例えば液晶ディスプレイ型の表示部である。演出表示装置11では、飾り図柄(演出図柄)を用いた図柄変動ゲームなど、画像を用いた各種演出が表示される。また、パチンコ遊技機10には、発光演出を行う装飾ランプLaが設けられている。装飾ランプLaは、パチンコ遊技機10を構成する枠(例えば前枠)や遊技盤YBに配置されている。また、パチンコ遊技機10には、効果音や楽曲などの各種の音を出力し、音声演出を行うスピーカ(音出力部)Spが設けられている。
遊技盤YBには、遊技球が入球可能な複数の入賞口(入球口)が配設されている。入賞口には、第1始動口12と、第2始動口13と、大入賞口14と、を含む。
第1始動口12は、図柄変動ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。この実施形態において第1始動口12は、演出表示装置11の下方に位置しており、常時、遊技球を入球させることができるように開口されている。第1始動口12には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第1始動口12に入球した遊技球を検知するセンサ(図2に示す始動センサSE1)が配設されている。
第2始動口13は、図柄変動ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。この実施形態において第2始動口13は、第1始動口12の下方に位置している。第2始動口13は、所定条件の成立時(普通図柄の当選時)に開閉羽根(普通電動役物)15が開動作を行うことによって遊技球を入球させることができる、若しくは入球し易いように開放される。一方、第2始動口13は、開閉羽根15が閉動作を行うことによって遊技球を入球させることができない、若しくは入球し難いように閉鎖される。開閉羽根15は、アクチュエータAC1から動力を受けて動作する。アクチュエータAC1としては、ソレノイドでもよいし、モータでもよい。また、第2始動口13には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には第2始動口13に入球した遊技球を検知するセンサ(図2に示す始動センサSE2)が配設されている。
大入賞口14は、賞球の払出条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入賞口である。この実施形態において大入賞口14は、第2始動口13の下方に位置している。大入賞口14は、大当り抽選に当選した場合に大入賞口扉16が開動作を行うことによって遊技球を入球させることができるように開放される。一方、大入賞口14は、大入賞口扉16が閉動作を行うことによって遊技球を入球させることができないように閉鎖される。大入賞口扉16は、アクチュエータAC2から動力を受けて動作する。アクチュエータAC2としては、ソレノイドでもよいし、モータでもよい。また、大入賞口14には入球した遊技球を遊技盤YBの裏側に導く図示しない球通路が連設されており、その球通路には大入賞口14に入球した遊技球を検知するセンサ(図2に示すカウントセンサCS)が配設されている。
大当り遊技は、大入賞口14への遊技球の入球を許容するラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。1回のラウンド遊技では、大入賞口扉16が所定の開放態様で開放される。1回のラウンド遊技は、ラウンド遊技中における入球個数、又はラウンド遊技の経過時間によってラウンド遊技の終了条件が満たされることによって終了する。この実施形態において、ラウンド遊技の終了条件が満たされる入球個数は「9球」であり、ラウンド遊技の終了条件が満たされるラウンド遊技の経過時間は「25秒」である。
なお、大当り遊技が生起される場合、最初のラウンド遊技が開始する前にオープニング時間が設定され、そのオープニング時間中には大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。また、大当り遊技が生起される場合、最終のラウンド遊技が終了するとエンディング時間が設定され、そのエンディング時間中には大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われる。
また、遊技盤YBには、作動ゲート17が配設されている。この実施形態において作動ゲート17は、演出表示装置11の左方に位置している。作動ゲート17には、常時、遊技球を入球させることができるように開放されたゲート口17aが開口されている。ゲート口17aには、入球し、通過する遊技球を検知するセンサ(図2に示すゲートセンサGS)が配設されている。作動ゲート17のゲート口17aは、普通図柄を用いた普通図柄変動ゲームの始動条件を成立させるに際して遊技球を入球させる入球口である。第2始動口13の開閉羽根15は、作動ゲート17へ遊技球が入球することによって行われる普通図柄の当り抽選に当選し、普通図柄の当り図柄が普通図柄変動ゲームで導出された後、閉状態から開状態へ動作する。
また、遊技盤YBには、図2に示す、特別図柄表示装置18a,18b、保留表示装置19a,19b、普通図柄表示装置20が配設されている。これらの表示装置は、パチンコ遊技機を正面視した場合に遊技者が視認可能な遊技盤YBの部位に位置している。例えば、これらの表示装置は、遊技盤YBの遊技領域に配設されている飾り部材や、遊技盤YBのコーナー飾り部材などに配設されている。
特別図柄表示装置18a,18bは、特別図柄を用いた図柄変動ゲームを行い、当該図柄変動ゲームにおいて大当り抽選の抽選結果に応じた特別図柄が導出される。そして、第1始動口12に遊技球が入球し、検知された場合は、その入球を契機に第1特別図柄を用いた図柄変動ゲームの始動条件が成立する。一方、第2始動口13に遊技球が入球し、検知された場合は、その入球を契機に第2特別図柄を用いた図柄変動ゲームの始動条件が成立する。第1特別図柄と第2特別図柄では、始動条件の成立を契機に大当り抽選が行われるが、その大当り抽選に当選する確率は同一確率である。その一方で、第1特別図柄と第2特別図柄では、大当り抽選に当選した場合に決定される大当りの種類や同一種類の大当りの決定割合を異ならせている。これにより、第1特別図柄と第2特別図柄では、大当り抽選に当選した際の有利度(例えば、賞球の多少、入球率向上状態の付与期間など)を異ならせている。
また、始動条件が成立した場合には、大当り抽選の抽選結果を導出するために特別図柄表示装置18a,18bで特別図柄の図柄変動ゲームが行われるとともに、当該図柄変動ゲームで導出される特別図柄に応じた結果を導出する図柄変動ゲームが演出表示装置11においても飾り図柄を用いて行われる。
この実施形態において特別図柄表示装置18a,18bは、何れも7セグメント型の表示装置である。特別図柄の図変動ゲームでは、7セグメント型の表示装置を構成する発光体を任意に組み合わせたものが特別図柄として導出される。特別図柄には、大当り抽選に当選した場合に導出される大当り図柄と大当り抽選に当選しなかった場合に導出されるはずれ図柄とを含む。一方、飾り図柄を用いた図柄変動ゲームでは、複数列の飾り図柄の組み合わせが導出される。飾り図柄は、例えばアラビア数字を模した意匠で構成されている。そして、全列の飾り図柄が同一の飾り図柄となる組み合わせを大当り抽選に当選したことを特定可能な大当りの組み合わせとし、全列の飾り図柄が同一の飾り図柄とならない組み合わせを大当り抽選に当選しなかったことを特定可能なはずれの組み合わせとしている。
飾り図柄の図柄変動ゲームで導出される結果は、特別図柄の図柄変動ゲームで導出される結果に対応する。このため、特別図柄の図柄変動ゲームでは大当り抽選の抽選結果を特別図柄で導出させる一方で、飾り図柄の図柄変動ゲームにおいても大当り抽選の抽選結果を特定可能な情報が飾り図柄で導出される。
保留表示装置19a,19bは、実行が保留されている特別図柄の図柄変動ゲームの数(始動保留数)を表示する。普通図柄表示装置20は普通図柄を用いた普通図柄変動ゲームを行い、当該普通図柄変動ゲームにおいて普通図柄の当り抽選の抽選結果に応じた普通図柄が導出される。
また、図1に示すように、パチンコ遊技機10には、遊技者が操作可能な操作ボタンBT1と操作手段としての操作ボタンBT2が設けられている。この実施形態において操作ボタンBT1,BT2は、遊技球を貯留する貯留皿21の上面に配置されている。操作ボタンBT1,BT2は、何れも押しボタン式である。この実施形態の操作ボタンBT1は、1つの操作部を有する。また、この実施形態の操作ボタンBT2は、2つの操作部を有し、遊技者から見て左方に位置する操作部としての左ボタンLBTと、遊技者から見て右方に位置する操作部としての右ボタンRBTと、から構成されている。左ボタンLBTと右ボタンRBTは、左右に並設されている。なお、操作部は、遊技者が押圧操作を行う部分である。
この実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動機能を備えている。確率変動機能は、大当り遊技終了後に大当りの当選確率を低確率(通常確率)から高確率に変動させる確率変動状態を付与することができる機能である。確率変動状態は、例えば、次回、大当り抽選に当選するまで付与される。確率変動状態は、大当り抽選の当選確率が低確率である非確率変動状態に比して、大当り抽選に当選し易く、遊技者にとって有利な遊技状態である。
また、この実施形態のパチンコ遊技機10は、入球率向上機能を備えている。入球率向上機能は、第2始動口13への単位時間当たりの遊技球の入球率が向上される入球率向上状態を付与することができる機能である。入球率向上状態は、所謂「電サポ状態」、「高ベース状態」である。なお、以下の説明では、入球率向上状態が付与されていない状態を「非入球率向上状態」と示す場合がある。非入球率向上状態は、所謂「非電サポ状態」、「低ベース状態」である。
入球率向上状態は、例えば次に示す4つの制御のうち任意に選択された1の制御を実行すること、又は複数の制御を組み合わせて実行すること、により実現できる。第1の制御は、普通図柄変動ゲームの変動時間を、非入球率向上状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。第2の制御は、普通図柄の当り抽選に当選する確率(普通当り確率)を、非入球率向上状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。第3の制御は、普通図柄の当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根15の合計開放時間を、非入球率向上状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。なお、開放時間延長制御としては、普通図柄の当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根15の開放回数を、非入球率向上状態のときよりも多くする制御、及び普通図柄の当り抽選に当選したことに基づく開閉羽根15の1回の開放時間を非入球率向上状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方の制御を実行するとよい。第4の制御は、特別図柄変動ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、非入球率向上状態のときよりも短くなり易くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を実行する場合、入球率向上状態は、所謂「変動時間短縮状態」となる。
入球率向上状態は、例えば、次回、大当り抽選に当選するまで、又は、入球率向上状態が付与されてから規定上限回数(例えば100回)の特別図柄の図柄変動ゲームが実行されるまで、若しくは規定上限回数に到達する前に大当り抽選に当選するまで付与される。なお、第1特別図柄と第2特別図柄とを用いるパチンコ遊技機10の場合、規定上限回数は第1特別図柄の図柄変動ゲームと第2特別図柄の図柄変動ゲームとの合算回数である。
また、パチンコ遊技機10には、図2に示す主制御基板30や副制御基板31を含む各種基板が搭載されている。
主制御基板30は、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムなどの制御情報を格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cと、を有する。また、主制御基板30は、乱数生成回路30dを有する。
主制御用CPU30aには、各種センサSE1,SE2,CS,GSの検知信号が入力されるようになっている。また、主制御用CPU30aは、各種表示装置(特別図柄表示装置18a,18b、保留表示装置19a,19b、普通図柄表示装置20など)の表示内容を制御するとともに、アクチュエータAC1,AC2の動作を制御する。
主制御用ROM30bに格納されている制御情報には、遊技に関する処理を実行するためのメイン制御プログラム、特別図柄の変動パターン(メイン変動パターン)を特定する情報や、各種の判定値などがある。メイン変動パターンは、特別図柄が変動を開始してから特別図柄が確定停止表示される迄の間の変動時間(演出時間)を特定可能である。メイン変動パターンは、大当り変動用の変動パターンと、はずれ変動用の変動パターンとに分類可能である。大当り変動は、大当り抽選に当選した場合に行われる演出であって、特別図柄の図柄変動ゲームにおいては最終的に大当り図柄が導出される。はずれ変動は、大当り抽選に当選しなかった場合に行われる演出であって、特別図柄の図柄変動ゲームにおいては最終的にはずれ図柄が導出される。なお、はずれ変動には、飾り図柄の図柄変動ゲームにおいてリーチ演出が行われてはずれとなる変動と、飾り図柄の図柄変動ゲームにおいてリーチ演出が行われずにはずれとなる変動と、がある。また、各種の判定値には、大当り抽選に用いる大当り判定値、普通図柄の当り抽選に用いる普通当り判定値などを含む。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグ、始動保留数など)が記憶される。
主制御用CPU30aは、各種のソフトウェア乱数の値を所定の制御周期(割込み周期)毎に更新し、主制御用RAM30cに記憶させる乱数更新処理(ソフトウェア乱数生成処理)を実行する。ソフトウェア乱数には、特別図柄の大当り図柄を決定するときに用いる大当り図柄乱数、メイン変動パターンを振り分けるときに用いる変動パターン振分乱数などを含む。乱数生成回路30dは、マイクロプロセッサに搭載された図示しないクロック回路から供給される内部システムクロック(例えば10MHz)の1周期毎に値を1更新することにより、ハードウェア乱数を生成する。ハードウェア乱数は、特別図柄の大当り抽選に用いる大当り乱数や、普通図柄の当り抽選に用いる普通当り乱数となる。
図2に示すように、副制御基板31は、主制御基板30から一方向で情報(制御信号)が送信されるように主制御基板30と電気的に接続されている。副制御基板31は、制御動作を所定の手順で実行することができる副制御用CPU31aと、副制御用CPU31aの制御プログラムを格納する副制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる副制御用RAM31cと、を有する。
副制御基板31の副制御用CPU31aは、主制御基板30から送信される情報をもとに当該情報に応じた制御を行う。例えば、主制御用CPU30aは、特別図柄の図柄変動ゲームを開始させる場合、特別図柄表示装置18a,18bの表示内容の制御に加えて、変動の開始(ゲームの開始)を指示する情報を副制御用CPU31aに送信する。当該情報を受けた副制御用CPU31aは、演出表示装置11において飾り図柄の図柄変動ゲームを行わせるように表示内容を制御する。また、副制御用CPU31aは、飾り図柄の図柄変動ゲームの開始に伴い、当該図柄変動ゲームに付随する発光演出や音声演出を行わせるように装飾ランプLaの発光態様やスピーカSpの音声出力態様を制御する。
また、副制御基板31には、操作ボタンBT1,BT2の検知信号が入力されるようになっている。操作ボタンBT1には操作状態を検知する検知部K1が内蔵されている。検知部K1は、操作ボタンBT1が押下操作されると、操作されたことを特定可能とした検知信号を出力する。また、操作ボタンBT2には左ボタンLBT又は右ボタンRBTの操作状態を検知する検知部K2が内蔵されている。検知部K2は、左ボタンLBT又は右ボタンRBTが押下操作されると、操作されたことを特定可能とした検知信号を出力する。検知部K1,K2は、電気信号を出力可能とした例えば近接センサや接点式スイッチであり、検知手段を構成する。また、検知信号はON/OFFからなる2値の信号である。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機10には、払出制御基板32が搭載されている。払出制御基板32は、主制御基板30に接続されている。主制御基板30と払出制御基板32は、双方向に情報(制御信号)が送信されるように電気的に接続されている。払出制御基板32は、主制御基板30から送信される賞球の払出しを指示する払出情報をもとに球払出装置33を駆動させ、所定個数の賞球を払出す。
主制御基板30から払出制御基板32に送信される払出情報としての払出指定コマンド(払出信号)は、賞球払出しの対象となる入賞口へ入球したことにより、その入賞口に対応する賞球数を特定可能に構成されている。例えば、第1始動口12へ入球した場合の払出指定コマンドは賞球数として[4球]を特定可能に構成されている。なお、例えば、主制御基板30において払出すべき賞球数を合算した賞球総数を管理している場合、払出指定コマンドは1球の賞球の払出しを指示するような構成とし、必要な回数分(賞球総数が零になるまで)、1球の賞球の払出しを指示する払出指定コマンドを払出制御基板32に送信するようにしてもよい。払出指定コマンドは、2バイトのデータから構成されており、1バイト目のデータと2バイト目のデータの一方が賞球の払出しを指示していることを示すデータであり、他方が賞球数を示すデータである。
次に、主制御基板30が実行する制御内容を説明する。
主制御基板30の主制御用CPU30aは、メイン制御プログラムに基づき特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について説明する。
主制御用CPU30aは、第1始動口12又は第2始動口13へ遊技球が入球したかを判定する。この判定において、主制御用CPU30aは、第1始動センサSE1からの検知信号を入力することによって第1始動口12へ遊技球が入球したと判定し、第2始動センサSE2からの検知信号を入力することによって第2始動口13へ遊技球が入球したと判定する。
主制御用CPU30aは、第1始動口12へ遊技球が入球した場合、第1特別図柄の始動保留数が上限数(この実施形態では4)未満であるかを判定する。そして、主制御用CPU30aは、第1特別図柄の始動保留数が上限数未満である場合、始動保留数を1加算して書き換えるとともに、加算後の始動保留数を表示させるように保留表示装置19aを制御する。また、主制御用CPU30aは、第2始動口13へ遊技球が入球した場合、第2特別図柄の始動保留数が上限数(この実施形態では4)未満であるかを判定する。そして、主制御用CPU30aは、第2特別図柄の始動保留数が上限数未満である場合、始動保留数を1加算して書き換えるとともに、加算後の始動保留数を表示させるように保留表示装置19bを制御する。なお、主制御用CPU30aは、始動保留数が上限数に達している場合、始動保留数を加算せずに特別図柄入力処理を終了する。また、主制御用CPU30aは、始動保留数を加算した場合、加算後の始動保留数を特定可能な情報(保留指定コマンドなど)を副制御基板31に送信する。始動保留数を特定可能な情報を入力した副制御用CPU31aは、画像表示部GHに当該情報から特定可能な始動保留数を示す画像を表示させる。
また、主制御用CPU30aは、始動保留数の上限数未満で遊技球が入球した場合、その入球を契機に各種乱数の値を取得するとともに、該取得した各種乱数の値を特定可能な乱数情報を、主制御用RAM30cに記憶させる。乱数情報は、乱数の値によって構成されていても良いし、乱数の値を当該値を特定可能な他の情報に変換した情報によって構成されていても良い。また、主制御用CPU30aは、乱数情報を記憶させる場合、その乱数の値の取得契機となった遊技球の入球順序(情報の記憶順序)と、先に入球した遊技球の入球順序(情報の記憶順序)とが特定可能なように主制御用RAM30cに記憶させる。なお、主制御用CPU30aは、この処理において大当り乱数の値を乱数生成回路30dから取得するとともに、大当り図柄乱数の値や変動パターン振分乱数の値を主制御用RAM30cから取得する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について説明する。
主制御用CPU30aは、特別図柄の図柄変動ゲームの開始条件が成立したかを判定する。この判定において主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中ではなく、且つ大当り遊技中ではない場合に開始条件が成立したと判定する一方で、図柄変動ゲームの実行中、又は大当り遊技中である場合に開始条件が成立していないと判定する。そして、主制御用CPU30aは、開始条件が成立していない場合、特別図柄開始処理を終了する。
主制御用CPU30aは、前記開始条件が成立している場合、第2特別図柄の始動保留数を読み出し、その読み出した始動保留数が0(零)よりも大きいかを判定する。そして、第2特別図柄の始動保留数が0(零)よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、第2特別図柄の図柄変動ゲームを開始させるように所定の処理を行う。一方、主制御用CPU30aは、第2特別図柄の始動保留数が0(零)の場合、第1特別図柄の始動保留数を読み出し、その読み出した始動保留数が0(零)よりも大きいかを判定する。そして、第1特別図柄の始動保留数が0(零)よりも大きい場合、主制御用CPU30aは、第1特別図柄の図柄変動ゲームを開始させるように所定の処理を行う。この実施形態のパチンコ遊技機10は、第1特別図柄の図柄変動ゲームと第2特別図柄の図柄変動ゲームとを同時に実行させず、第2特別図柄の図柄変動ゲームを優先的に実行させる仕様である。
なお、第1特別図柄の始動保留数と第2特別図柄の始動保留数の何れもが0(零)の場合、主制御用CPU30aは、デモンストレーション演出を実行させるための処理を行う。デモンストレーション演出は、パチンコ遊技機10が待機状態であることを例えば演出表示装置11などの装置を利用して報知し、客寄せ効果を得るための演出である。
第2特別図柄の図柄変動ゲームを開始させる場合、主制御用CPU30aは、第2特別図柄の始動保留数を1減算して書き換えるとともに、減算後の始動保留数を表示させるように保留表示装置19bを制御する。また、主制御用CPU30aは、始動保留数を減算した場合、減算後の始動保留数を特定可能な情報(保留指定コマンドなど)を副制御基板31に送信する。
次に、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報を取得する。そして、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される大当り乱数の値と大当り判定値とを比較し、大当り抽選を行う。大当り抽選では、大当り乱数の値と大当り判定値とが一致することによって大当りに当選する。
大当り抽選に当選した場合、主制御用CPU30aは、大当り処理を行う。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される大当り図柄乱数の値に基づき、特別図柄の大当り図柄を決定する。この決定した大当り図柄が、特別図柄の図柄変動ゲームにて導出される確定停止図柄となる。また、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される変動パターン振分乱数の値に基づき、大当り変動用の変動パターンを決定する。
この実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合に遊技者に与えられる利益が異なる複数種類の大当りを搭載している。具体的に例示すれば、15R確変大当りと、15R非確変大当りと、を搭載している。15R確変大当りは、大当り抽選に当選した場合に付与される大当り遊技を構成するラウンド遊技の回数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に次回の大当り抽選に当選するまで確率変動状態と入球率向上状態を付与する大当りである。15R非確変大当りは、大当り遊技を構成するラウンド遊技の回数が「15回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確率変動状態は付与しないが、「100回」の入球率向上状態を付与する大当りである。
大当り遊技は、遊技者が特典(パチンコ遊技機の場合は賞球)を得られる特別遊技状態である。獲得可能な賞球個数の多少は、1回のラウンド遊技に規定する大入賞口14の開放時間を同一時間とすればラウンド回数の多少によって差を生じさせることができる。また、獲得可能な賞球個数の多少は、大当りの種類に応じて1回のラウンド遊技に規定する大入賞口14の開放時間に長短を設定すれば、ラウンド回数が同一回数であるか、異なる回数であるかに関わらず、差を生じさせることができる。そして、大当りの種類は、特別図柄の大当り図柄に対応付けられている。このため、この実施形態において大当り図柄を決定することは、大当りの種類を決定することに相当する。
一方、大当り抽選に当選しなかった場合、主制御用CPU30aは、はずれ処理を行う。はずれ処理において主制御用CPU30aは、特別図柄のはずれ図柄を決定する。この決定したはずれ図柄が、特別図柄の図柄変動ゲームにて導出される確定停止図柄となる。また、主制御用CPU30aは、取得した乱数情報から特定される変動パターン振分乱数の値に基づき、はずれ変動用の変動パターンを決定する。
はずれ処理において主制御用CPU30aは、はずれ変動用のメイン変動パターンの中から、リーチなしのメイン変動パターン、又はリーチありのメイン変動パターンを決定する。この決定は、例えば、リーチ演出を行わせるかを判定するリーチ判定を行い、その判定結果をもとにリーチありのメイン変動パターン又はリーチなしのメイン変動パターンを決定してもよい。この場合、変動パターン振分乱数は、リーチありのメイン変動パターンの分類と、リーチなしのメイン変動パターンの分類のそれぞれに振分けられている。そして、リーチ判定においてリーチ演出を行わせると判定した場合にはリーチありのメイン変動パターンの中から変動パターン振分乱数にしたがって変動パターンを決定する一方で、リーチ判定においてリーチ演出を行わせないと判定した場合にはリーチなしのメイン変動パターンの中から変動パターン振分乱数にしたがって変動パターンを決定する。また、その他の方法としては、リーチ判定を行わずに、リーチありのメイン変動パターン及びリーチなしのメイン変動パターンを含むはずれ変動用のメイン変動パターンの中から変動パターン振分乱数にしたがって変動パターンを決定する。この決定方法によれば、リーチ判定を行わないことから、メイン変動パターンを決定することによってリーチ演出を行うか否かが決定されることになる。なお、何れの決定方法を採用するかは、パチンコ遊技機の仕様によって定められている。
一方、第1特別図柄の図柄変動ゲームを開始させる場合、主制御用CPU30aは、前述した第2特別図柄の制御と同様の制御を第1特別図柄を対象にして行う。つまり、主制御用CPU30aは、第1特別図柄の始動保留数の減算、大当り抽選、大当り抽選の結果に基づく大当り処理又ははずれ処理を行う。
そして、上記のように大当り処理又ははずれ処理を行った主制御用CPU30aは、副制御基板31に対し、所定の情報(制御コマンド)を所定のタイミングで出力する等の処理を実行する。最初に、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを送信する。また、主制御用CPU30aは、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動を開始させるように特別図柄表示装置18a又は特別図柄表示装置18bの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄の図柄変動ゲームの変動時間の計測を開始する。また、主制御用CPU30aは、特別図柄を指示する特別図柄指定コマンドを送信する。
なお、特別図柄開始処理とは別の処理で、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、決定している特別図柄を導出させるように特別図柄表示装置18a又は特別図柄表示装置18bの表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、指定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、変動の停止を指示する全図柄停止コマンドを送信する。
次に、大当り抽選に当選したことによって行われる大当り遊技の進行に関する処理について説明する。
この実施形態の大当り遊技は、大当り遊技の開始に伴うオープニングと、大入賞口14を開放させるラウンド遊技と、大当り遊技の終了に伴うエンディングと、から構成されている。つまり、大当り遊技は、オープニング→ラウンド遊技→エンディングというように段階的に進行する。なお、大入賞口14を開放させるとは大入賞口14への入球を許容することであり、この実施形態の場合には大入賞口扉16を開放させることである。また、大入賞口14を閉鎖させるとは大入賞口14への入球を許容しないようにすることであり、この実施形態の場合には大入賞口扉16を閉鎖させることである。そして、主制御用CPU30aは、大当り遊技の進行に関する処理として、副制御基板31の副制御用CPU31aに遊技演出の制御を指示する制御情報(制御コマンド)を生成する処理と、大入賞口14を開放及び閉鎖させる処理を行う。前記処理で生成された各種の制御情報は、主制御用CPU30aが行うコマンド送信処理によって所定のタイミングで副制御用CPU31aに送信される。
主制御用CPU30aは、オープニングを開始させる場合、制御情報としてオープニングコマンドを生成する。オープニングコマンドは、オープニングの開始時に副制御用CPU31aに送信される。また、主制御用CPU30aは、1回のラウンド遊技を開始させる場合、制御情報として開放コマンドを生成するとともに、終了条件の成立によって1回のラウンド遊技を終了させる場合、制御情報として閉鎖コマンドを生成する。開放コマンドは、ラウンド遊技の開始時に副制御用CPU31aに送信されるとともに、閉鎖コマンドは、ラウンド遊技の終了時に副制御用CPU31aに送信される。また、主制御用CPU30aは、1回のラウンド遊技において大入賞口14を開放させる場合、アクチュエータAC2を第1状態(ソレノイドの場合は例えば励磁の状態)に制御し、大入賞口14を閉鎖させる場合、アクチュエータAC2を第2状態(ソレノイドの場合は例えば非励磁の状態)に制御する。この実施形態において1回のラウンド遊技の終了条件は、予め定めた入球上限個数(例えば9球)の入球があったこと、若しくは大入賞口14の開放時間が予め定めた上限時間に達したこと、の何れかが成立したことである。また、主制御用CPU30aは、最後のラウンド遊技の終了後、エンディングを開始させる場合、制御情報としてエンディングコマンドを生成する。エンディングコマンドは、エンディングの開始時に副制御用CPU31aに送信される。
次に、遊技状態に関する処理について説明する。
この処理において主制御用CPU30aは、制御情報として遊技状態を特定可能な制御情報を生成する。前記処理で生成された各種の制御情報は、主制御用CPU30aが行うコマンド送信処理によって所定のタイミングで副制御用CPU31aに送信される。
主制御用CPU30aは、遊技状態を非確率変動状態で、かつ非入球率向上状態とする場合、その遊技状態を特定可能な状態1指定コマンド(遊技状態情報)を生成する。また、主制御用CPU30aは、遊技状態を確率変動状態で、かつ入球率向上状態とする場合、その遊技状態を特定可能な状態2指定コマンド(遊技状態情報)を生成する。また、主制御用CPU30aは、遊技状態を非確率変動状態で、かつ入球率向上状態とする場合、その遊技状態を特定可能な状態3指定コマンド(遊技状態情報)を生成する。また、主制御用CPU30aは、入球率向上状態の付与期間をゲーム回数で管理する場合、実行された特別図柄の図柄変動ゲームの回数をカウントし、入球率向上状態の終了条件を成立させる回数に達したときに入球率向上状態の終了を特定可能な終了コマンド(遊技状態情報)を生成する。
生成された遊技状態情報は、例えば電源投入時(復電時)や遊技状態の変遷時などに、副制御用CPU31aに送信される。例えば、大当り遊技終了後の遊技状態を確率変動状態で、かつ入球率向上状態とする場合、大当り遊技の終了に伴って状態2指定コマンドが副制御用CPU31aに送信される。なお、遊技状態情報は、例示した制御情報に限らず、副制御用CPU31aに認識させる必要のある遊技状態毎に設定されている。
次に、所定個数の賞球を払出すための賞球処理を説明する。
主制御用CPU30aは、始動センサSE1,SE2、及びカウントセンサCSなどの賞球払出しの対象となる入賞口へ入球した遊技球を検知するセンサからの検知信号を入力した場合、賞球処理を行う。
賞球処理には、払出制御基板32に送信する払出指定コマンド(払出信号)を生成して、送信する処理と、副制御基板31に送信する賞球情報としての賞球指定コマンド(賞球指定信号)を生成して、送信する処理と、を含む。この実施形態において賞球指定コマンドは、賞球払出しの対象となる入賞口と当該入賞口への入球によって払出される賞球数とを特定可能に構成されており、入賞口の種類毎に設定されている。具体的に言えば、第1始動口12の賞球指定コマンドは[A1H04H]であり、第2始動口13の賞球指定コマンドは[A1H01H]であり、大入賞口14の賞球指定コマンドは[A1H0AH]である。この実施形態において各賞球指定コマンドは、2バイトのデータから構成されており、1バイト目のデータ(上位データ)が賞球払出しの対象となる入球装置(入賞口)を示すデータであり、2バイト目のデータ(下位バイト)が賞球数を示すデータである。なお、上記の賞球指定コマンドで特定される賞球数は、第1始動口12が[4球]に、第2始動口13が[1球]に、大入賞口14が[10球]である。
主制御用CPU30aは、前述した各処理の他に、普通図柄に関する処理やエラーに関する処理などを行う。普通図柄に関する処理では、ゲートセンサGSからの検知信号を入力する処理、普通図柄変動ゲームを開始させる処理などを行う。また、エラーに関する処理では、パチンコ遊技機10で生じた各種のエラーを検知することによって報知を行わせるなどの処理を行う。
次に、演出制御プログラムに基づいて、副制御基板31の副制御用CPU31aが実行する各種処理について説明する。副制御用CPU31aは、主制御用CPU30aから制御コマンドを入力すると、その制御コマンドに応じて各種処理を実行する。
最初に、飾り図柄変動処理について説明する。
飾り図柄変動処理において、副制御用CPU31aは、特別図柄指定コマンドを受信すると、特別図柄指定コマンドにより指定された特別図柄に基づき、飾り図柄の図柄変動ゲームで導出させる飾り図柄の組み合わせを決定する。副制御用CPU31aは、特別図柄の大当り図柄が指定された場合には、飾り図柄による大当りの組み合わせを決定する。また、副制御用CPU31aは、特別図柄のはずれ図柄が指定された場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに基づき、飾り図柄の図柄変動ゲームで導出させる飾り図柄の組み合わせを決定する。具体的に言えば、副制御用CPU31aは、リーチありのはずれ変動用のメイン変動パターンが指定されたときには、リーチ形成図柄を含むはずれの組み合わせを決定する。また、副制御用CPU31aは、リーチなしのはずれ変動用のメイン変動パターンが指定されたときには、リーチ形成図柄を含まないはずれの組み合わせを決定する。
飾り図柄の図柄変動ゲームでは、所定の複数列(この実施形態では左列と右列の2列)に同一の飾り図柄が導出されることによってリーチが形成され、残りの列(この実施形態では中列の1列)を導出させるためのリーチ演出が行われる。このため、所定の複数列に導出された同一の飾り図柄がリーチ形成図柄となり、リーチ形成図柄を含むはずれの組み合わせは所定の複数列が同一の飾り図柄であって、残りの列が所定の複数列の飾り図柄とは異なる飾り図柄である組み合わせとなる。また、リーチ形成図柄を含まないはずれの組み合わせは所定の複数列が異なる図柄であって、残りの列については所定の複数列の飾り図柄との一致性を問わない組み合わせとなる。因みに、この実施形態の大当りの組み合わせは、全列の飾り図柄が同一の飾り図柄となる組み合わせである。つまり、大当りの組み合わせにも、リーチ形成図柄を含んでいる。
また、副制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを受信すると、当該コマンドから特定可能なメイン変動パターンの種類をもとに、演出表示装置11の表示内容を制御するためのサブ変動パターンを決定する。サブ変動パターンは、飾り図柄の図柄変動ゲームの演出内容を特定可能である。
サブ変動パターンから特定可能な飾り図柄の図柄変動ゲームの演出内容には、次に説明するような演出内容がある。
例えば、リーチ演出を行わない完全はずれの演出内容には、例えば3列の飾り図柄の変動を予め定めた順番(例えば左列→右列→中列)に停止させ、最終的にリーチ形成図柄を含まないはずれの組み合わせを導出させる演出内容がある。また、リーチ演出を行う演出内容には、ノーマルリーチ演出を行う演出内容やスーパーリーチ演出を行う演出内容がある。ノーマルリーチ演出は、所定の複数列に同一の飾り図柄を導出させてリーチを形成し、その後に残りの列の変動を停止させることによって飾り図柄の組み合わせを導出させる演出である。スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出によって残りの列の飾り図柄を導出した後、若しくはノーマルリーチ演出の途中から演出を発展させ、その発展後の演出によって飾り図柄の組み合わせを導出させる演出である。スーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出に比して大当り期待度が高い演出として位置付けられている。大当り期待度は、はずれの場合の出現率と大当りの場合の出現率を合算した全体出現率に対する大当りの場合の出現率の割合によって規定することができる。なお、複数種類のスーパーリーチ演出を備える場合には、スーパーリーチ演出の種類毎に大当り期待度を異ならせてもよい。
サブ変動パターンを決定した副制御用CPU31aは、そのサブ変動パターンで特定される演出内容で飾り図柄の図柄変動ゲームが表示されるように演出表示装置11の表示内容を制御する。そして、副制御用CPU31aは、メイン変動パターンから特定される変動時間の経過により、飾り図柄の図柄変動ゲームを終了させ、飾り図柄の組み合わせを導出させるように演出表示装置11の表示内容を制御する。この実施形態において副制御用CPU31aは飾り図柄の図柄変動ゲームや当該図柄変動ゲームに付随する演出(音の出力や発光)などを含む演出を制御可能とした演出制御手段としても機能する。なお、この実施形態では、全図柄停止コマンドの入力を契機として、飾り図柄の図柄変動ゲームを終了させているが、副制御用CPU31aの制御によりメイン変動パターンから特定される変動時間を計時し、飾り図柄の図柄変動ゲームを終了させるようにしてもよい。つまり、主制御基板30から全図柄停止コマンドを出力せずに、飾り図柄の図柄変動ゲームの終了を制御してもよい。
飾り図柄の図柄変動ゲームを制御する副制御用CPU31aは、実行させる演出を選択し、その選択した演出に必要なデータを副制御用ROM31bから読み出す。なお、副制御基板31には、画像表示部GHに表示させるキャラクタ画像データ、具体的には人物、文字、図形又は記号(飾り図柄を含む)を予め格納したキャラクタROMを備え、キャラクタROMから必要なデータを読み出してもよい。そして、副制御用CPU31aは、読み出したデータをVDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に出力する。VDPは、入力されたデータに基づいて表示制御を実行し、画像表示部GHに画像を表示させる。
以下、図3〜図5にしたがって、この実施形態のパチンコ遊技機10で実行される特定演出について説明する。この実施形態における特定演出は、図柄変動ゲーム中に付加される遊技演出を抽出するための演出である。なお、パチンコ遊技機10では、前述したリーチ演出の他に、実行中の図柄変動ゲームの展開を示唆する予告演出(大当り予告演出やリーチ予告演出)などが実行されている。これらのリーチ演出や予告演出は、大当り抽選の抽選結果や選択されたメイン変動パターンの種類をもとに実行される演出であり、遊技状態などに応じて実行可能な演出の種類は相違するが、所定の実行条件(リーチ抽選に当選や予告抽選に当選など)の成立によって常時、行うことが可能な演出である。一方、この実施形態の特定演出は、大当り遊技中に獲得した遊技球(賞球)の総数を予め定めた条件にしたがって換算した所定数としてのポイント(点数)と交換する演出である。つまり、特定演出は、前述したリーチ演出や予告抽選などのように実行条件の成立によって常時行うことができる演出とは異なり、遊技者が保有するポイントを交換しない限り出現しない演出である。なお、この実施形態において大当り遊技中に獲得した遊技球(賞球)の総数は、大当り遊技が付与される毎に累積される数である。このため、例えば1回の大当り遊技が付与されていれば1回の大当り遊技で獲得した遊技球の総数が該当し、例えば2回の大当り遊技が付与されていれば2回の大当り遊技で獲得した遊技球の総数が該当する。
最初に、図3(a)〜(f)にしたがって、ポイントを獲得(蓄積)する態様を説明する。
図3(a)に示すように、大当り抽選に当選した図柄変動ゲームが終了すると、大当り遊技が開始する。大当り遊技は、最初にオープニングが行われ、オープニングの終了後に所定回数のラウンド遊技が行われる。図3(b),(c)に示すように、ラウンド遊技では、大入賞口14に入球する毎に所定個数の遊技球(賞球)が払出される。
この実施形態において主制御用CPU30aは、賞球払出しの対象となる入賞口への入球を検知する毎に賞球指定コマンドを副制御用CPU31aに送信する。大当り遊技中、副制御用CPU31aは、賞球指定コマンドを受信する毎に当該賞球指定コマンドから賞球数を特定し、その特定した賞球数を副制御用RAM31cで記憶保持している獲得総数値に加算する。そして、副制御用CPU31aは、獲得総数値をもとに、大当り遊技で獲得した遊技球の総数を報知する報知演出G1を、演出表示装置11の画像表示部GHに画像表示させる。報知演出G1は、例えば図3(b)に示すように「30球獲得」というように獲得した遊技球の総数を特定可能な内容(メッセージ)であり、発生した賞球数を累積加算するカウントアップ形式で実行される。
なお、大当り遊技中には大入賞口14に限らず他の入賞口(第1始動口12や第2始動口13)へ入球する可能性もあり、副制御用CPU31aは、大入賞口14の賞球指定コマンド以外の入賞口を特定可能な賞球指定コマンドを受信する場合がある。しかし、この実施形態において副制御用CPU31aは、大入賞口14の賞球指定コマンドから特定される賞球数のみを獲得総数値に加算する。これにより、報知演出G1で報知される獲得した遊技球の総数は、大入賞口14への入球によって発生した賞球の合算値になる。この実施形態で採用する賞球指定コマンド(入賞口と賞球数を特定可能なコマンド)によれば、前述したように特定の入賞口への入球によって発生した賞球数のみを選別して演出(報知演出G1)を実行させることが可能である。
そして、図3(d)に示す最終のラウンド遊技に至るまでの間、大当り遊技では、ラウンド遊技が繰り返し行われ、大入賞口14へ入球させた遊技球の個数の増加に合わせて大当り遊技中に獲得した遊技球の総数も増加する。つまり、大当り遊技中に獲得した遊技球の総数(副制御用RAM31cに記憶保持される獲得総数値)は、大当り遊技の進行に合わせて累積的に変化する変化値である。
その後、大当り遊技では、図3(e)に示すように、最終のラウンド遊技の終了後にエンディングが行われる。そして、エンディング中の画像表示部GHでは、大当り遊技中に獲得した遊技球の総数を換算して得られるポイントを報知する報知演出G2が画像表示される。報知演出G2は、図3(f)に示すように、例えば「1350pt獲得」というように遊技者が保有するポイントを特定可能な内容(メッセージ)である。この実施形態において副制御用CPU31aは、1球を1ポイントで換算する。例えば、図3(d)に示すように最終のラウンド遊技の終了時点で獲得している遊技球の総数が1350球であれば換算して得られるポイントは1350ポイントである。この実施形態において副制御用CPU31aは、獲得した遊技球の総数を所定数(ポイント)に換算する換算手段として機能する。なお、副制御用RAM31cには、現在のポイント数を特定可能なポイント情報が記憶保持されるようになっている。
図4(a),(b)は、特定演出の具体例を例示している。
この実施形態の特定演出は、遊技者の保有するポイントを交換して遊技演出を抽出する演出である。図4(a)に示すように、特定演出では、遊技演出の抽出に必要な交換ポイントは少ないが、抽出される遊技演出のレア度(希少性)が低いノーマル区分と、遊技演出の抽出に必要な交換ポイントは多いが、抽出される遊技演出のレア度が高いプレミアム区分の2つが用意されている。遊技者は、自身の保有するポイント(図中には5400ptを例示している)の一部又は全部と交換にノーマル区分又はプレミアム区分の何れかを操作ボタンBT2の操作によって選択し、その選択した区分から遊技演出を抽出することができる。例えば、図4(b)では、保有するポイントである5400ptから3000ptを交換し、プレミアム区分から遊技演出を抽出した状態を例示している。なお、遊技演出を抽出する場合、保有するポイントは選択した区分に対応するポイントが消費されるため、図4(b)の状態では2400ptに減少している。ポイントの減算は、副制御用CPU31aが行い、副制御用RAM31cのポイント情報が書き換えられる。
特定演出の実行は、副制御用CPU31aによって制御され、所定の時期に画像表示部GHに画像表示される。この実施形態において特定演出の出現時期は、大当り遊技のエンディングにおいて、具体的には図3(f)で例示した遊技者が保有するポイントを報知する報知演出G2の後である。
副制御用CPU31aは、特定演出を実行させるに際して、まずはポイント情報から特定されるポイントがノーマル区分に必要な1000ptを超えているかを判定する。1000ptを超えていない場合、副制御用CPU31aは、遊技演出の抽出に最低限必要なポイントを保有していないことから、特定演出を実行させない。つまり、特定演出を実行可能とした時期であっても、特定演出を画像表示部GHに画像表示させない。
また、副制御用CPU31aは、1000ptを超えている場合、ポイント情報をもとに遊技者が選択可能な区分(「ノーマル」、「プレミアム」)を明示するように特定演出を画像表示させる。具体的に言えば、図4(a)に例示するように保有するポイントが3000ptを超えている場合は、ノーマル区分及びプレミアム区分のそれぞれに必要なポイントを満たしているので、何れの区分も選択可能であることを特定できるように両区分を画像表示させる。そして、副制御用CPU31aは、操作ボタンBT2の操作によって選択された区分に必要なポイントと交換に、その選択された区分からの遊技演出の抽出を許可する。
一方、副制御用CPU31aは、保有するポイントが1000pt以上、3000pt未満である場合は、ノーマル区分に必要なポイントは満たしているが、プレミアム区分に必要なポイントを満たしていないので、ノーマル区分のみを選択可能であることを特定できるように両区分を画像表示させる。具体的に言えば、選択不能なプレミアム区分を暗転表示させる。また、操作ボタンBT2を操作しても、プレミアム区分を選択できないように制御する。そして、副制御用CPU31aは、操作ボタンBT2の操作によって選択されたノーマル区分に必要なポイントと交換に、その選択されたノーマル区分からの遊技演出の抽出を許可する。換言すれば、副制御用CPU31aは、保有するポイントがプレミアム区分に必要なポイントを満たしていないので、プレミアム区分からの遊技演出の抽出を許可しない。
特定演出を実行させる場合、副制御用CPU31aは、操作ボタンBT2の操作有効期間を設定する。そして、副制御用CPU31aは、操作有効期間内に操作ボタンBT2の操作が行われない場合、遊技演出の抽出に必要なポイントを保有しているときであっても遊技演出を抽出しない。操作ボタンBT2を操作しない場合の遊技者の行動は、保有するポイントを消費せずに、ポイントを貯めておく行動である。一方、操作有効期間内に操作ボタンBT2の操作が行われた場合は、操作有効期間の終了時点で選択されている区分から遊技演出を抽出する。操作ボタンBT2を操作した場合の遊技者の行動は、保有するポイントと交換して、遊技演出を抽出する行動である。
図5に示すように、この実施形態では、特定演出で選択可能な遊技演出の種類として、遊技演出PA〜PFの6種類が用意されている。6種類の遊技演出PA〜PFは、演出内容が異なる。具体的に例示すれば、演出主体を武器とすれば登場する武器の種類によって演出内容が区別されている。また、演出主体を人物とすれば登場する人物の種類によって演出内容が区別される。そして、6種類の遊技演出PA〜PFには、レア度(希少性)が設定されている。具体的に言えば、遊技演出PA,PBには同一レア度が設定されているとともに、遊技演出PC,PDには同一レア度が設定され、さらに遊技演出PE,PFには同一レア度が設定されている。そして、遊技演出PA〜PFのレア度を比較した場合、同一レア度である遊技演出PA,PBのレア度が最も低く(図中に「△」で示す)、同一レア度である遊技演出PE,PFのレア度が最も高い(図中に「◎」で示す)。また、同一レア度である遊技演出PC,PDのレア度は、遊技演出PA,PBに比して高いが、遊技演出PE,PFに比して低い(図中に「○」で示す)。
この実施形態において遊技演出PA〜PFのうち、遊技演出PA〜PDはノーマル区分から抽出される遊技演出としており、遊技演出PC〜PFはプレミアム区分から抽出される遊技演出としている。各区分からの遊技演出の抽出は、副制御用CPU31aが乱数抽選を行い、当該抽選で取得した乱数値が振り分けられている遊技演出を抽出することによって行われる。ノーマル区分において遊技演出PA〜PDには、遊技演出PC,PDに比して遊技演出PA,PBの出現率が高くなるように乱数が振り分けられている。ノーマル区分において遊技演出PA,PBの出現率は同一であり、遊技演出PC,PDの出現率は同一である。また、プレミアム区分において遊技演出PC〜PFには、遊技演出PE,PFに比して遊技演出PC,PDの出現率が高くなるように乱数が振り分けられている。プレミアム区分において遊技演出PC,PDの出現率は同一であり、遊技演出PE,PFの出現率は同一である。また、プレミアム区分における遊技演出PC,PDの出現率は、ノーマル区分における出現率よりも高い。
図5の振分けによれば、遊技演出PA〜PFのうち、遊技演出PE〜PFが最も出現し難い演出となる。つまり、この実施形態においてレア度の高い又は低いは、遊技演出を抽出する際の出現率の高低と関連付けられており、レア度が高い遊技演出はその出現率も低く、逆にレア度が低い遊技演出はその出現率も高いと言える。
また、この実施形態の特定演出では、遊技演出PA〜PFをノーマル区分とプレミアム区分に区分けし、ノーマル区分から遊技演出を抽出する難易度とプレミアム区分から遊技演出を抽出する難易度に差を生じさせている。具体的に言えば、遊技演出を抽出するためのポイントの交換率が異なり、ノーマル区分からの抽出に必要なポイント数はプレミアム区分からの抽出に必要なポイント数に比して少なく、逆にプレミアム区分からの抽出に必要なポイント数はノーマル区分からの抽出に必要なポイント数に比して多い。このことから、レア度の高い又は低いは、その遊技演出が抽出される過程の困難性の高低と関連付けられているとも言える。遊技演出PE,PFを抽出するためにはプレミアム区分から遊技演出を抽出する権利を得るために実施形態では3000pt(遊技球の個数であれば3000球)必要である。このポイント数は例えば1回の大当り遊技で想定される遊技球の獲得数を1350球とすれば、少なくとも3回の大当り遊技(3回の大当り当選)を経なければ獲得し得ない数である。一方で、ノーマル区分から遊技演出を抽出する権利を得るためにこの実施形態では1000pt(遊技球の個数であれば1000球)必要であり、前述同様に1回の大当り遊技で想定される遊技球の獲得数を1350球とするならば、1回の大当り遊技(1回の大当り当選)で獲得できる数に相当する。したがって、遊技演出PE,PFは、前述したように抽出する権利を得るための困難性が高く、レア度が高いと言える。加えて、前述したように出現率の高低も考慮すれば、遊技演出PE,PFはレア度が高い(希少性が高い)遊技演出であることは明らかである。
なお、遊技演出PC,PDは、遊技演出PE,PFと同様にプレミアム区分に振り分けられているが、ノーマル区分にも振り分けられている。このため、遊技演出PC,PDは、プレミアム区分から遊技演出を抽出する権利を得なくても、ノーマル区分から遊技演出を抽出する権利を得られれば抽出できる可能性はある。したがって、遊技演出PC,PDが抽出される過程の困難性は、遊技演出PE,PFが抽出される過程の困難性よりも低く、遊技演出PC,PDのレア度は遊技演出PE,PFのレア度に比して低いと言える。一方、遊技演出PC,PDは、ノーマル区分においてその出現率が遊技演出PA,PBに比して低く設定されていることから、遊技演出PC,PDのレア度は遊技演出PA,PBのレア度に比して高いと言える。なお、遊技演出PA,PBは、ノーマル区分から遊技演出を抽出する権利が得られれば抽出できるので、遊技演出PA,PBが抽出される過程の困難性も低く、さらにノーマル区分における出現率も高く設定されていることから、他の遊技演出PC〜PFのレア度に比してレア度は低いと言える。
この実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り遊技で獲得した遊技球の総数が多いほど保有するポイント数も多く、プレミアム区分から遊技演出を抽出する権利が得られ易くなる。このため、遊技演出PA〜PEの抽出においては、大当り遊技で獲得した遊技球の総数が多いほど、レア度の高い遊技演出を抽出し易くなる。また、換言すれば、大当り遊技で獲得した遊技球の総数が多いほど(保有するポイント数が多いほど)、抽出可能な遊技演出の種類の中にレア度の高い遊技演出が含まれていることになる。つまり、保有するポイント数が多ければ、ノーマル区分のみならず、プレミアム区分から遊技演出を抽出することもできることから、プレミアム区分に振り分けられているレア度の高い遊技演出を抽出し易くなる。
そして、この実施形態では、前述したように、大当り遊技で獲得した遊技球の総数(保有するポイント数)と抽出可能な遊技演出の種類とが関連付けられている。また、この実施形態では、大当り遊技で獲得した遊技球の総数(保有するポイント数)に応じて、抽出可能な遊技演出の種類が代わる。
次に、図6にしたがってこの実施形態のパチンコ遊技機10の作用、特に特定演出によって遊技演出が抽出され、その抽出された遊技演出が反映される態様を説明する。
大当り遊技は、第1始動口12又は第2始動口13へ遊技球を入球させて大当り抽選の権利を得ることと、大当り抽選に当選することと、を付与条件として付与されるとともに多数の賞球を獲得できるチャンスであるから、所定の抽選に当選することを付与条件に含む有利遊技である。そして、有利遊技である大当り遊技中は、大入賞口14への入球によって得た遊技球の総数に応じたポイントを獲得することができるとともに、その獲得したポイントを特定演出において遊技演出PA〜PFを抽出する権利を得るために交換することができる。
特定演出において遊技演出PA〜PFの何れかを抽出した場合、その抽出した遊技演出は、大当り遊技の終了後に行われる飾り図柄の図柄変動ゲームに反映される。この実施形態のパチンコ遊技機10は確変大当りと非確変大当りとを備えており、確変大当りに当選している場合の大当り遊技の終了後は確率変動状態、かつ入球率向上状態になり、非確変大当りに当選している場合の大当り遊技の終了後は非確変状態、かつ入球率向上状態になる。
この実施形態のパチンコ遊技機10において確率変動状態又は入球率向上状態が付与されているときの飾り図柄の図柄変動ゲームでは、敵のキャラクタ(例えば敵軍の武将)と自分のキャラクタ(例えば自軍の武将)とが対戦し、その対戦の行方(結果)と大当り抽選の抽選結果をリンクさせる演出(以下、「対戦演出」と示す)を実行させている。これらの飾り図柄の図柄変動ゲームの演出は、メイン変動パターンと当該メイン変動パターンに対応するサブ変動パターンによって制御される。具体的に演出内容を例示すると、大当り抽選に当選しておらず、はずれ変動用の変動パターンが選択されているときには両キャラクタが対峙する、小競り合いするなど勝敗が喫していない演出である。一方、大当り抽選に当選しており、大当り変動用の変動パターンが選択されているときには自分のキャラクタが勝利する演出である。
特定演出において抽出可能な遊技演出の演出主体を武器としたとき、特定演出で抽出した遊技演出に対応する武器が対戦演出において自分のキャラクタが保有する武器として反映される。そして、大当り遊技の終了後、再び大当り抽選に当選した場合は、大当りとなる図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与され、その大当り遊技では再び特定演出が実行される。再び実行される特定演出では、先の特定演出と同様に保有するポイント数に応じて遊技演出を抽出することが可能である。
この実施形態では、特定演出において抽出する遊技演出を変化させることが可能であるから、大当り遊技の終了後に実行される遊技演出、つまり特定演出で抽出され、大当り遊技の終了後に実行される飾り図柄の図柄変動ゲームに反映される遊技演出は、大当り遊技で獲得した遊技球の総数(保有するポイント)をもとに変化させることができる。なお、特定演出で抽出する遊技演出は、遊技演出の抽出先をノーマル区分とするか、プレミアム区分とするかによって代わる場合があり、同一の区分であっても遊技演出の抽選結果次第で代わる場合がある。
したがって、この実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)大当り遊技で獲得した遊技球の総数をもとに遊技演出を変化させることができるので、実行される遊技演出が変化する過程を多様化でき、興趣の向上を図ることができる。
(2)つまり、大当り遊技で獲得した遊技球の総数(保有するポイント数)の増減によって遊技演出を抽出する区分を同じにしたり、代えたりすることができ、その結果として実行される遊技演出が変化する過程を多様化できる。そして、如何なる区分を選択するかは、遊技者の保有するポイント数と交換に必要なポイント数との関係によって遊技者が任意に選択することができる。例えば、プレミアム区分のみを狙ってポイントを貯めてから遊技演出を抽出することもできれば、敢えてプレミアム区分を狙わずにノーマル区分のみから遊技演出を抽出することもできる。したがって、遊技者の意思をパチンコ遊技機10のゲーム性に反映させることができ、パチンコ遊技機10の興趣の向上を図ることができる。
(3)大当り遊技の終了後の図柄変動ゲームに反映される遊技演出は、大当り遊技中の特定演出において前回抽出した遊技演出と異なる遊技演出を抽出することで変化する。このため、遊技演出が変化する過程を多様化でき、興趣の向上を図ることができる。また、大当り遊技において特定演出が実行されることに対しての楽しみを与えることができる。
(4)特定演出で抽出可能な遊技演出は、大当り遊技で獲得した遊技球の総数(保有するポイント数)から交換するポイント数の多少によって種類が異なる。このため、どの程度のポイントを交換するかを、その時々の状況や遊技者の気分によって任意に変更することができる。
なお、本実施形態は以下のように変更してもよい。
・図7に示すように、特定演出で抽出した遊技演出は、その遊技演出を抽出した大当り遊技中の演出に反映させるようにしてもよい。例えば、特定演出を、オープニング中、又は特定のラウンド遊技中に実行させることにより、特定演出後、抽出した遊技演出を大当り遊技中の演出に反映させることができる。また、抽出した遊技演出は、大当り遊技の終了後に実行される飾り図柄の図柄変動ゲームに反映される。つまり、遊技演出は、大当り遊技から大当り遊技の終了後の飾り図柄の図柄変動ゲームに継続されて実行される。これにより、大当り遊技中の特定演出で抽出され、その大当り遊技中に反映された遊技演出は、大当り遊技で獲得した遊技球の総数をもとに変化させることができる。また、大当り遊技の終了後に実行される遊技演出は、前述したように大当り遊技中に遊技演出が変化したことに合わせて変化する。この構成によれば、上記実施形態の効果(1),(2)と同様の効果を得ることができる。
・また、実施形態及び別例において、大当り遊技中に特定演出で抽出した遊技演出を実行させる場合、その遊技演出は、前回の大当り遊技の終了後に遊技演出が変化したことに合わせて変化させてもよい。この場合の遊技の進行は、大当り遊技中の特定演出で遊技演出を抽出すると、その遊技演出は大当り遊技の終了後の図柄変動ゲームに反映され、再び大当りに当選すると大当り遊技中も新たな特定演出で遊技演出が抽出されるまで前回の大当り遊技で抽出した遊技演出が継続して実行される。そして、新たな特定演出で遊技演出が抽出されることによって遊技演出が変化することになる。この構成によれば、上記実施形態の効果(1),(2)と同様の効果を得ることができる。
・図8(a),(b)に示すように、特定演出の態様を変更してもよい。この別例の特定演出は、ポイント毎に選択可能な遊技演出を提示し(図8(a))、操作ボタンBT2の操作によって交換するポイントを遊技者に選択させた後、そのポイントで選択可能な遊技演出を操作ボタンBT2の操作によって選択させる(図8(b))。図8(a)の例示では、1000ptを交換すると遊技演出PAが選択でき、3000ptを交換すると遊技演出PA,PBの何れかを選択でき、5000ptを交換すると遊技演出PA,PB,PCの何れかを選択できる。この別例によれば、大当り遊技中に獲得した遊技球の総数が多いほど(保有するポイントが多いほど)、選択可能な遊技演出の種類が多くなる。なお、この別例における遊技演出PA〜PCのレア度は、交換するポイントの増加によって遊技演出の種類が増えるので、遊技演出PAのレア度よりも遊技演出PBのレア度が高く、遊技演出PBのレア度よりも遊技演出PCのレア度が高い。
・なお、上記別例のように大当り遊技中に獲得した遊技球の総数が多いほど(保有するポイントが多いほど)、選択可能な遊技演出の種類が多くする思想は、実施形態の特定演出でも適用することができる。つまり、ノーマル区分とプレミアム区分とで、抽出可能な遊技演出の種類数を代えてもよい。具体的に言えば、プレミアム区分で抽出可能な遊技演出の種類数を、ノーマル区分で抽出可能な遊技演出の種類数よりも多くする。
・実施形態、及び上記別例のように、特定演出で選択又は抽出可能とした遊技演出の種類は、大当り遊技中に獲得した遊技球の総数と関連付けられている。そして、このような関連付けとして、特定演出で選択又は抽出可能とした遊技演出の種類の多少と、大当り遊技中に獲得した遊技球の総数の多少と、の間に相関関係を有するようにしてもよい。例えば、相関関係として、大当り遊技中に獲得した遊技球の総数が多くなるほど、特定演出で選択又は抽出可能な遊技演出の種類が多くなるようにしてもよい。あるいは、相関関係として、大当り遊技中に獲得した遊技球の総数が多くなるほど、特定演出で選択又は抽出可能な遊技演出の種類が少なくなるようにしてもよい。この相関関係では、遊技球の総数が多くなるとレア度の高い遊技演出を選択又は抽出できるようになり、そのときの遊技演出の種類が遊技球の総数が少ないときの種類数よりも少なくなることが想定できる。
・図9に示すように、特定演出の態様を変更してもよい。この別例の特定演出は、ポイント毎に抽出可能な遊技演出の種類が同一である。具体的に言えば、図9の例示では、1000ptを交換するときと3000ptを交換するときとで抽出可能な遊技演出は遊技演出PA,PBの2種類である。そして、この別例では、遊技演出PA,PBの何れかを乱数抽選で決定するが、その乱数の振分けを1000ptを交換するときと3000ptを交換するときとで異ならせることにより、同一の遊技演出の出現率をポイントによって異ならせている。図9の例示では、遊技演出PAの出現率は1000ptを交換するときの方が3000ptを交換するときよりも高く、遊技演出PBの出現率は1000ptを交換するときよりも3000ptを交換したときの方が高い。この別例における遊技演出PA,PBのレア度は、交換するポイントが増加することによって出現率が高くなる遊技演出PBの方が遊技演出PAよりも高い。
・大当り遊技中に獲得した遊技球の総数には、大入賞口14へ入球したことによって獲得した賞球数に限らず、第1始動口12や第2始動口13などの他の入賞口へ入球したことによって獲得した賞球数を含めてもよい。
・大当り遊技中に獲得した遊技球の総数は、パチンコ遊技機10から払出された遊技球の数としてもよいし、その払出された遊技球の総数から大当り遊技中に発射された遊技球の個数を減算した数としてもよい。
・パチンコ遊技機10において、各入賞口への入球によって払出される賞球数を任意に変更してもよい。
・パチンコ遊技機10には、遊技球の入球によって賞球の払出条件のみが成立する普通入賞口(一般入賞口)がある。例えば図1に符号「F」を示すものが普通入賞口である。大当り遊技中に獲得した遊技球の総数には、普通入賞口へ入球したことによって獲得した賞球数を含めてもよい。
・所定の抽選によって当選することを条件に含む有利遊技を、確率変動状態や入球率向上状態としてもよい。確率変動状態中は大当り抽選の当選確率が高確率に変動し、大当り抽選に当選し易くなることから有利遊技である。また、入球率向上状態中は第2始動口13への入球率が向上することで始動条件が得られやすくなることから有利遊技である。そして、有利遊技で獲得した遊技球の総数は、実施形態における大当り遊技で獲得した遊技球の総数に変えて、確率変動状態、又は入球率向上状態で獲得した遊技球の総数としてもよい。または、有利遊技で獲得した遊技球の総数は、大当り遊技、確率変動状態及び入球率向上状態の全てで獲得した遊技球の総数としてもよい。
・大当り遊技中に獲得した遊技球の総数を、遊技演出を抽出する権利を得るための所定数(実施形態ではポイント)に換算する方法は任意に変更することができる。例えば、ポイントに換算する場合に、遊技球の総数を10分の1(10球を1ポイント)、又は100分の1(100球を1ポイント)した数をポイントとしてもよい。
・また、上記別例において、遊技球の総数をポイントに代えて他の単位に換算してもよい。他の単位としては例えば貨幣単位でもよく、この場合の単位は「両」や「銭」などの実在の単位でもよいし、遊技機の演出で登場する架空の単位でもよい。また、遊技球の総数の換算は、数的な換算に限らず、物品への換算としてもよい。例えば100球で1枚のくじびき券(交換券)などに換算し、そのくじびき券の数によって遊技演出を抽出する権利を与えてもよい。
・大当り遊技中において報知演出G1,G2は、同時に実行させてもよい。つまり、大当り遊技で獲得した遊技球の総数の換算をリアルタイムで行い、その換算結果を直ちに報知してもよい。
・また、大当り遊技で獲得した遊技球の総数の換算をリアルタイムで行えば、報知演出G1に代えて報知演出G2のみを実行させるようにしてもよい。
・また、複数回の大当り遊技が連続する場合(所謂、連ちゃん)、報知演出G1として、複数回の大当り遊技で獲得した遊技球の総数を報知させてもよいし、その報知に加えて今回の大当り遊技で獲得した遊技球の総数を合わせて報知させてもよい。この際にも、上記別例と同様に、報知演出G2を同時に実行させてもよい。
・副制御用RAM31cに記憶保持される獲得総数値及びポイント情報は、デモンストレーション演出への突入を契機にリセット(零クリア)してもよいし、デモンストレーション演出への突入後、所定時間経過しても図柄変動ゲームが開始されないとき(始動条件が成立しないとき)にリセットしてもよい。
・例えばパチンコ遊技機10の機外に排出されるアウト球を検知する機能を搭載したパチンコ遊技機10において、前記獲得総数値及びポイント情報は、アウト球が所定時間の間、検知されなかったことを契機にリセットしてもよい。
・また、特定演出を連ちゃん中の演出とする場合、連ちゃんの終了によって前記獲得総数値及びポイント情報をリセットしてもよい。連ちゃんは、実施形態のパチンコ遊技機10であれば、非確変大当りに当選し、大当り遊技終了後の入球率向上状態中に大当り抽選に当選せず、非入球率向上状態へ移行することによって終了する。つまり、連ちゃんは、入球率向上状態中に大当り抽選に当選すれば継続する。なお、非確変大当りに当選したことを連ちゃんの終了としてもよく、非確変大当りの当選によって前記獲得総数値及びポイント情報をリセットしてもよい。
・また、大当り遊技で獲得した遊技球の総数の計数は、確変大当りに当選したことによって付与される大当り遊技のみを対象としてもよい。この別例によれば、連ちゃん中に非確変大当りに当選した場合、その当選したことによって付与される大当り遊技では遊技球の総数は計数されない。ただし、この場合、非確変大当りに当選したことによって付与される大当り遊技の終了後の非入球率向上状態において確変大当りに当選したときにはその大当り遊技中に獲得した遊技球を総数に加算してもよい。つまり、この場合、前記獲得総数値及びポイント情報のリセットは、非入球率向上状態の終了を契機とする。
・また、大当り遊技の種類や連ちゃんの有無に関係なく、所定回数(複数回)、大当り抽選に当選したことを契機に前記獲得総数値及びポイント情報をリセットしてもよい。
・パチンコ遊技機10は、バックアップ機能を搭載していてもよい。バックアップ機能は、主制御用RAM30cの記憶情報のみをバックアップする構成としてもよいし、主制御用RAM30cの記憶情報と副制御用RAM31cの記憶情報とをバックアップする構成としてもよい。
・上記別例のバックアップ機能を搭載するパチンコ遊技機10において、前記獲得総数値及びポイント情報をリセットする契機を主制御用RAM30cに記憶保持されていたバックアップ情報を初期化するRAMクリア操作が行われたこととしてもよい。また、副制御用RAM31cの記憶情報をバックアップする構成を備えている場合、RAMクリア操作が行われずに復電されたときには前記獲得総数値及びポイント情報をリセットすることなく継続して用いてもよい。この場合は、前述した電源断がなされていない通常の遊技中などに設定したリセットの契機で前記獲得総数値及びポイント情報をリセットする。
・パチンコ遊技機10には、大当り遊技中に確変大当りであるかを報知する確変昇格演出や有利度の高い大当り遊技であるかを報知する大当り昇格演出が行われる場合がある。このため、これらの昇格演出の実行前に特定演出を実行させることと、大当り遊技中に特定演出で抽出した遊技演出を反映させることを前提とした上で、昇格演出の結果を反映させて遊技演出を抽出できるようにしてもよい。具体的には、例えば確変昇格演出であれば、確変大当り用に遊技演出を振り分けた抽選テーブルと非確変大当り用に遊技演出を振り分けた抽選テーブルを副制御用ROM31bに記憶させておく。そして、確変大当り用の抽選テーブルはレア度の高い遊技演出の出現率が高くなるように乱数を振り分ける一方で、非確変大当り用の抽選テーブルはレア度の高い遊技演出の出現率が低くなるように乱数を振り分ける。このとき、抽選テーブルは、実施形態で例示したノーマル区分とプレミアム区分のそれぞれで確変大当り用と非確変大当り用を備えておけば、どちらの区分から遊技演出を抽出しても、抽出された遊技演出の種類から確変期待度が示唆されるようになる。あるいは、プレミアム区分に対応する確変大当り用の抽選テーブルは、ノーマル区分に対応する確変大当り用の抽選テーブルに比してレア度の高い遊技演出の出現率がより高くなるように乱数を振り分ければ、確変期待度についてノーマル区分とプレミアム区分とで差を生じさせることができる。
・遊技演出を選択可能な区分又は抽出可能な区分(交換するポイント数)は2区分よりも大きい3区分以上としてもよい。また、区分の中には、零ポイントで遊技演出を選択又は抽出可能な区分を設けてもよい。
・特定演出において抽出される遊技演出は、画像表示による演出に代えて又は加えて、発光による演出や音声出力による演出としてもよい。
・特定演出において、遊技演出を選択又は抽出しなかった場合、すなわちポイントを交換しなかった場合は、このような場合に専用に用意した別の演出を実行させてもよい。あるいは、今回の特定演出よりも前の特定演出(例えば直近)で既に遊技演出を選択又は抽出している場合は、既に選択又は抽出した遊技演出を継続して実行させてもよい。なお、この別例は、特定演出の実行時に、遊技演出の選択又は抽出に必要なポイントを保有していないときでも適用することができる。
・特定演出は、飾り図柄の図柄変動ゲーム中に実行してもよい。そして、特定演出で選択又は抽出した遊技演出は、特定演出を実行させた図柄変動ゲームで反映させてもよいし、その後に大当り抽選に当選したことによって付与される大当り遊技で反映させてもよい。また、特定演出を例えば大当り確定演出として位置付ければ、大当りとなる図柄変動ゲームで実行されることになり、特定演出で選択又は抽出した遊技演出は大当りとなる図柄変動ゲーム又はその後の大当り遊技で反映してもよい。
・特定演出では、ポイントで交換可能な区分のみを表示させるようにしてもよい。
・特定演出では、最初にポイントを交換するか否かを遊技者に確認するメッセージを画像表示し、交換する意思を操作ボタンBT2の操作によって指示された場合に図4(a)に示すように区分を画像表示させてもよい。
・パチンコ遊技機10の大当りの種類は任意に変更してもよい。ラウンド遊技の回数が異なる大当りを備えていてもよいし、ラウンド遊技の回数は同数であるが、ラウンド遊技の開放パターンに長短を設定し、獲得できる遊技球の総数を変化させる大当りを備えていてもよい。
・大当り遊技で獲得した遊技球の総数を、所定回数目(例えば5連ちゃん目)までの大当り遊技で獲得した総数としてもよい。
・大当り遊技で獲得した遊技球の総数を、1回の大当り遊技において特定のラウンド遊技までに獲得した総数としてもよい。例えば10回のラウンド遊技を付与する第1の大当りと第2の大当りを想定し、第1の大当りは全てのラウンド遊技における大入賞口14の開放パターンが長開放であり、第2の大当りは大入賞口14の開放パターンが長開放のラウンド遊技と短開放のラウンド遊技とを有するとする。なお、短開放のラウンド遊技では、大入賞口14の開放時間が短く、実質的に遊技球を獲得できない。このように想定したとき、第1の大当りと第2の大当りは同じ10回のラウンド遊技を付与する大当りでありながら、全てのラウンド遊技が長開放である場合と一部が短開放である場合とでは大当り遊技で獲得できる遊技球の総数の期待値が変わることになる。このため、当選した大当りの種類によって、特定演出で選択可能な遊技演出又は抽出可能な遊技演出の種類が代わる場合が生じ、興趣の高い演出を実現できる。
・また、例えば10回のラウンド遊技を付与する大当り遊技において5回目のラウンド遊技までに獲得した遊技球の数を大当り遊技で獲得した遊技球の総数としてもよい。この場合、どこまでのラウンド遊技とするかや、どのラウンド遊技とするかを抽選などで決定すれば、獲得し得る遊技球の総数の期待値が変化し、興趣の高い演出を実現できる。
・複数種類の大当りを備える場合において、特定の大当りのときのみに特定演出が実行され、ポイントを交換できるようにしてもよい。例えば、上記別例の第1の大当りと第2の大当りでは、第1の大当りのときに特定演出が実行され、短開放のラウンド遊技を含む第2の大当りでは特定演出を実行させないようにしてもよい。なお、特定演出を実行させない大当りは、例えば全てのラウンド遊技を短開放とする大当りとしてもよい。
・また、同じ大当りの種類であっても、大当り遊技中に特殊演出(例えば前述した確変昇格演出や大当り昇格演出など)が実行される場合には特定演出の実行を禁止する又は実行に制限を加えてもよい。また、特殊演出を、大当り遊技中に実行が保留されている図柄変動ゲームの中に大当りとなる図柄変動ゲームが存在することを示唆又は報知する先読み予告(保留内大当り予告)としてもよい。また、特定演出の実行可否を抽選で決定し、実行可であるときに実行させるようにしてもよい。
・特定演出において選択可能な遊技演出又は抽出可能な遊技演出は、図柄変動ゲームの演出自体に反映されるものであってもよい。例えば、遊技演出として第1演出モードと第2演出モードを選択又は抽出可能としたとき、第1演出モードを選択又は抽出すれば図柄変動ゲームにおいて第1演出モードに応じた演出が実行され、第2演出モードを選択又は抽出すれば図柄変動ゲームにおいて第2演出モードに応じた演出が実行されるようにしてもよい。なお、演出モードに応じた演出には、画像演出であれば画像表示部GHの背景画像、演出図柄の画像(意匠)、リーチ演出の画像、予告演出の画像を含む。また、発光演出であれば装飾ランプLaの発光パターンを含む。また、音声演出であれば音声パターン(BGM、効果音、声など)を含む。このように図柄変動ゲームの進行に合わせて出現する演出自体を特定演出で選択又は抽出した演出モードに応じて代える場合、例えば1つのメイン変動パターンに対して複数のサブ変動パターンを振り分けておき、同じメイン変動パターンが指示されても演出モードに応じて選択するサブ変動パターンを変更すればよい(サブ振分け)。また、演出図柄の画像や予告演出の画像などは演出モード毎にデータを主制御用ROM30bに記憶しておけばよい。
・特定演出で選択又は抽出可能な遊技演出の種類は、例えば大当りの回数(連ちゃん回数)によって変更するようにしてもよい。例えば、実施形態のノーマル区分とプレミアム区分で例示すると、大当りの回数が4回まではノーマル区分とプレミアム区分で遊技演出を選択又は抽出でき、5回以降はプレミアム区分と超プレミアム区分というようにさらにレア度が高い遊技演出を抽出する区分が出現してもよい。そして、前述のような変更に伴って特定演出の表示態様などを変更してもよい。
・また、上記した大当りの回数によって遊技演出の種類を変更する別例は、遊技演出の種類の変更に限らず、出現率の変更にも適用することができる。例えば、5回以降は、ノーマル区分における遊技演出PC,PDの出現率を高くし、プレミアム区分における遊技演出PE,PFの出現率を高くしてもよい。
・また、上記別例において、出現率の高低には出現率を零とすることも含まれる。このため、例えばノーマル区分の遊技演出PA,PBの出現率を零とし、遊技演出PC,PDの出現率を100%とする場合、変更後のノーマル区分では遊技演出PC,PDのみを抽出できる、又は変更後のノーマル区分では遊技演出PA,PBに比して遊技演出PC,PDを抽出し易いと表現することができる。
・また、大当り遊技で獲得した遊技球の総数をポイントに換算する場合、同じ条件でポイントを換算してなくてもよい。例えば、同じ大入賞口14へ入球し、同数の賞球数を得られる場合であっても、その入球のタイミングが1回のラウンド遊技の終了条件を満たす入球個数を超えるタイミング(所謂、オーバー入賞)であるか、超えないタイミングであるかによって換算の条件を代えてもよい。具体的に例示すれば、超えないタイミングの入球であれば賞球数をそのままポイントに換算するが(10球なら10ポイント)、超えるタイミングの入球であれば賞球数に所定の係数を乗算した数をポイントに換算してもよい。例えば、賞球数を10球とし、係数を1.5にすると、ポイントは15ポイントに増加することになる。この構成によれば、特殊な状況下での入球に対して特別感を与えることができる。また、大入賞口14への入球態様(例えば、オーバー入賞が多く発生した)によって遊技者が獲得し得るポイントに変化を生じさせることができる。
・また、大当り遊技で獲得した遊技球の総数に、大入賞口14以外の他の入賞口へ入球した賞球数を加える場合、同じ条件でポイントを換算してなくてもよい。例えば、大入賞口14へ入球したときには賞球数をそのままポイントに換算するが(10球なら10ポイント)、他の入賞口へ入球したときには大入賞口14の賞球数よりも少ない賞球数であっても、その賞球数に所定の係数を乗算した数をポイントに換算してもよい。具体的に例示すれば、賞球数が5球であるときに係数として10を乗算して50ポイントとしてもよい。この別例におけるポイントの換算は、例えば図1に符号「F」を付した普通入賞口など大入賞口14に比して入球が困難な入賞口に適用することで、入球に対して特別感を与えることができる。また、大当り遊技中における大入賞口14や他の入賞口を含む入球態様(どこに入球したか)によって遊技者が獲得し得るポイントに変化を生じさせることができる。
・メイン液晶装置とサブ液晶装置を搭載したパチンコ遊技機に具体化してもよい。そして、実施形態や上記別例の遊技演出はメイン液晶装置とサブ液晶装置の何れの装置で行われる演出としてもよい。
・実施形態のパチンコ遊技機10を、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、実施形態のパチンコ遊技機10を、複数の大入賞口を有するパチンコ遊技機、単一の始動口を有し、単一の特別図柄を用いるパチンコ遊技機、若しくは複数の始動口を有し、単一の特別図柄を用いるパチンコ遊技機に具体化してもよい。
・副制御基板31をサブ統括制御基板とし、副制御基板31とは別に演出表示装置11を専門に制御する表示制御基板、装飾ランプLaを専門に制御する発光制御基板、スピーカSpを専門に制御する音声制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副制御基板としてもよい。
・また、単一の基板に主制御基板30の主制御用CPU30aと副制御基板31の副制御用CPU31aとを搭載してもよい。また、上記の別例において、表示制御基板、発光制御基板、及び音声制御基板を任意に組み合わせて単数の基板、若しくは複数の基板としてもよい。
・実施形態のパチンコ遊技機10を、遊技球が特定領域を通過することを契機に大当り遊技を付与する遊技機(所謂1種2種混合機)に具体化してもよい。
・確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機10として、次回の大当りに当選するまで確率変動状態を付与する仕様や、転落抽選に当選するまで確率変動状態を付与する仕様(転落機)、あるいは予め定めた回数分の図柄変動ゲームが終了するまで確率変動状態を付与する仕様(ST機)がある。また、確率変動機能を搭載したパチンコ遊技機には、遊技球が特定領域を通過することを契機に確率変動状態を付与する仕様(V確変機)がある。実施形態のパチンコ遊技機10は、これらの何れの仕様のパチンコ遊技機に具体化してもよい。また、パチンコ遊技機10は、上記した転落機とV確変機を混合させた仕様のパチンコ遊技機であってもよい。
・上記別例においてV確変機は、単数の大入賞口を備えて特定のラウンド遊技を生じさせる仕様がある。また、V確変機は、特定のラウンド遊技で開放される大入賞口(V入賞口)と特定のラウンド遊技以外のラウンド遊技で開放される大入賞口からなる複数の大入賞口を備えて特定のラウンド遊技を生じさせる仕様がある。
・遊技機を、回胴式遊技機に具体化してもよい。回胴式遊技機には、遊技媒体としてメダルを用いるスロットマシンや、遊技媒体として遊技球を用いるスロットマシンを含む。スロットマシンでは、ボーナス遊技やART遊技などは所定の抽選に当選することを付与条件に含む有利遊技である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記遊技演出は複数種類あり、前記特定演出で選択又は抽出可能な遊技演出の種類は、前記遊技媒体の総数によって異なる。