JP2005185361A - 遊技機 - Google Patents

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Abstract

【課題】大当たり遊技中の遊技結果に応じて、大当たり遊技後に展開される通常遊技の遊技形態を変化させることのできる遊技機を提供すること。
【解決手段】特定入賞領域への遊技球の入賞数をカウントするカウント手段と、当該カウント手段による上限数のカウント又は所定時間の経過を契機とした前記特定入賞領域の閉鎖及び当該閉鎖後の開放が所定回数を限度として繰り返し行われる大当たり遊技を実行する大当たり実行手段と、遊技中において演出画像を表示する表示手段と、を備えた遊技機であって、前記カウント手段が前記上限数を越える入賞数をカウントしたことを条件として、前記大当たり遊技後の通常遊技中における前記表示手段の演出画像の表示態様を特別の表示態様に変化させる表示態様変化手段を備える構成とした。
【選択図】図10

Description

この発明は遊技機に関し、特に所謂パチンコ遊技機などの弾球遊技機に関するものである。
従来、遊技機の一種として弾球遊技機があり、その最もポピュラーなものとしてパチンコ遊技機が知られている。
パチンコ遊技機では、遊技盤上に発射された遊技球が所定の入賞口に入球すると、所定数の入賞球が遊技者に払い出されるが、前記入賞口の中には、「電動チューリップ」と呼ばれる開閉動作する一対の可動片を備えた特別入賞口が設定される場合がある。前記可動片は、例えば入賞口に前記「電動チューリップ」が閉状態のときに入賞するなどの所定の条件が成立したことを契機として開状態となり、遊技球が入賞しやすくなるようにガイド可能となる。そして、予め定められた上限数(「電動チューリップ」の場合は通常1個)の遊技球が入賞するまで若しくは所定時間だけ開状態を維持し、前記上限数の入賞を検知するか若しくは所定時間経過すると閉状態に変化する。
一方、近年のパチンコ遊技機では、これも遊技機の1つであるスロットマシンのように図柄からなる識別情報を組み合わせる所謂「可変表示ゲーム」を実行する遊技形態を採用したものが一般的になっている。
前記「可変表示ゲーム」は、発射した遊技球が入賞口の一つである始動口へ入賞するとその入賞に基づき当選かハズレかを抽選し、抽選結果に応じて表示手段である液晶表示部上で図柄からなる前記識別情報を変動表示及び停止表示させる。そして、抽選結果が当選となって識別情報が有効な識別情報を示す有効ライン上で予め定められた当選組合せで停止表示された場合には、入賞口の一種である大入賞口の開閉動作を所定回数(例えば15回であり、大入賞口の開状態から閉状態に至るまでの一回の遊技を「1ラウンド」とも呼ぶ。)繰り返して、遊技者に有利な状態である所謂「大当たり遊技状態」を発生させるようにしている。
この大入賞口は一旦開状態になると、前記「電動チューリップ」の可動片同様、予め定められた上限数の遊技球が入賞するまで(例えば10個)若しくは所定時間(例えば29秒)だけ開状態を維持し、前記上限数の入賞をセンサで検知するか若しくは所定時間経過すると閉状態に変化する。また、この大入賞口内は特定領域と一般領域とに区画されており、特定領域内に入賞すると、大入賞口が閉鎖された後再度開放することが約束される。
このような大入賞口や、前記可動片を備えた特別入賞口などのような可動入賞手段を備えているパチンコ遊技機では、前記所定時間内において、前記上限数の入賞を超えて入賞する場合がある(この上限数を超えて遊技球が入賞することを余剰入賞と呼ぶ)。特に前記大入賞口は遊技盤の最下方位置に設けられることが多く、また、上限数が多い上に所定の開放時間が長いために、遊技球の集まりが良い遊技機であればセンサが上限数を検知するまでの間に一挙に余剰入賞することがある。
当然ながら余剰入賞1個あたりに所定の入賞球を獲得できることから、遊技者にとってはかかる余剰入賞の発生は好ましいものであり、遊技者によっては余剰入賞を狙って上限数に達する直前に大入賞口へ遊技球を集めるように努めている。
しかし、余剰入賞数については表示されることがない上に、かかる余剰入賞に対する賞球の払い出しは、上限数までの入賞に対する払い出しに連続して行われるために、余剰入賞が発生したことを目視で確認してもそれが正確かどうかを判断できず、発生した余剰入賞に対してなされた賞球の払い出しを実感することも困難であった。
そこで、余剰入賞を実感させるために、余剰入賞に応じて遊技者に対して利益を享受させるものが提案されている。これは、前記可動入賞手段への入賞を入賞検出手段によりカウントした結果が40を超えると、前記「大当たり遊技状態」のラウンド数を追加するものである(例えば特許文献1を参照。)。
特開2001−137455号公報
ところが、上記従来の遊技機には、未だ下記の課題が残されていた。
すなわち、従来の遊技機は、あくまで大当たり遊技中の遊技態様が変化するのみであり、大当たり遊技が終了して通常遊技に戻ると遊技に何ら変化が生じなかった。すなわち、大当たり遊技中の遊技結果は次の通常遊技に何ら反映されなかったため、もとから特別な遊技態様である大当たり遊技がさらに遊技者にとって有利な遊技態様へと変化したのみで、遊技時間の大半を占める通常遊技においては、大当たり遊技実行前と変わりのない遊技が展開された。
従って、大当たり遊技と通常遊技との遊技態様の落差がより大きいものとなると共に、一旦大当たり遊技が終了してしまうと、直ぐに以前と変わりのない通常遊技に引き戻されてしまい、通常遊技においては大当たり遊技中のような高揚感を持って遊技を楽しむことができなかった。
本発明は、上記課題を解決することのできる遊技機を提供することを目的としている。
請求項1記載の本発明では、特定入賞領域への遊技球の入賞数をカウントするカウント手段と、当該カウント手段による上限数のカウント又は所定時間の経過を契機とした前記特定入賞領域の閉鎖及び当該閉鎖後の開放が所定回数を限度として繰り返し行われる大当たり遊技を実行する大当たり実行手段と、遊技中において演出画像を表示する表示手段と、を備えた遊技機であって、前記カウント手段が前記上限数を越える入賞数をカウントしたことを条件として、前記大当たり遊技後の通常遊技中における前記表示手段の演出画像の表示態様を特別の表示態様に変化させる表示態様変化手段を備えることとした。
請求項2記載の本発明では、通常遊技中の演出画像において複数の識別情報が変動及び停止し、有効な識別情報を示す有効ライン上で停止した複数の識別情報の組合せが所定の当選組合せとなった場合には、前記大当たり遊技に移行する可変表示ゲームを実行する可変表示ゲーム実行手段と、少なくとも前記有効ラインの数が異なる複数の演出画像の画像データを記憶した画像記憶手段と、を備え、前記表示態様変化手段は、前記特別の表示態様として、前記画像記憶手段から大当たり遊技前よりも有効ラインが多い画像データを選択して前記表示手段に表示することとした。
本発明によれば、大当たり遊技中の遊技結果を次の通常遊技に反映させることができるので、大当たり遊技中には、次の通常遊技に向けて遊技者をより一層遊技に集中させることができ、大当たり遊技終了後の通常遊技においては、新たな演出画像によって遊技者の注意を遊技に引きつけることができる。
本実施形態の遊技機は、特定入賞領域への遊技球の入賞数をカウントするカウント手段と、当該カウント手段による上限数のカウント又は所定時間の経過を契機とした前記特定入賞領域の閉鎖及び当該閉鎖後の開放が所定回数を限度として繰り返し行われる大当たり遊技を実行する大当たり実行手段と、遊技中において演出画像を表示する表示手段と、を備えた遊技機であって、前記カウント手段が前記上限数を越える入賞数をカウントしたことを条件として、前記大当たり遊技後の通常遊技中における前記表示手段の演出画像の表示態様を特別の表示態様に変化させる表示態様変化手段を備える遊技機である。
すなわち、本実施形態の遊技機は、特別入賞領域の閉鎖及び開放を所定回数を限度として繰り返す大当たり遊技において、開放中の特別入賞領域に入賞した遊技球の数をカウントすると共に、そのカウント数が前記特定入賞領域を閉鎖する契機となる上限数を越えた場合には、大当たり遊技終了後の通常遊技において表示手段に表示される演出画像を変化させて特別な表示態様とするのである。カウント手段によるカウントは、前記特定入賞領域が開放される度に行われるので、そのうち1回でも前記上限数を越える余剰入賞があれば、大当たり遊技終了後の通常遊技中に表示される演出画像の表示態様が特別な表示態様に変化する。
このように、本実施形態の遊技機は、特別入賞領域の開放中に同特別入賞領域を閉鎖する契機となる上限数を越える余剰入賞があった場合には、大当たり遊技終了後の通常遊技中に表示される演出画像を変化させて特別な表示態様とすることにしたので、遊技者は余剰入賞を演出画像の変化という分かりやすい方法で実感することができ、余剰入賞させた自分の遊技技量に対して満足感を充足させることができる。しかも、単調になりがちなパチンコ遊技に技術介入性が生じ、遊技に新たな興趣が付加されて、遊技の面白さを向上させることができる。さらに、大当たり遊技中の遊技結果を次の通常遊技に反映させることができるので、大当たり遊技中には、次の通常遊技に向けて遊技者をより一層遊技に集中させることができる一方、大当たり遊技終了後の通常遊技においては、新たな演出画像によって遊技者の興味を遊技に引きつけることができ、大当たり遊技が終了したとしても、引き続き遊技者の興味を遊技に引きつけることができる。
なお、前記特定入賞領域とは、例えば、背景技術の欄で説明したような「電動チューリップ」や、近年のパチンコ遊技機の主流である「可変表示ゲーム」を実行する遊技機において用いられる大入賞口のように開閉可能な可動入賞手段を備えた入賞領域のことである。
また、前記通常遊技とは、大当たり遊技が実行されていないときに実行される全ての遊技を指す。
また、前記演出画像とは、遊技中に表示手段に表示される全ての画像を指し、表示手段には、通常、複数種類の演出画像が合成されて表示される。かかる演出画像としては、例えば、遊技を盛り上げる目的で表示手段に表示されるキャラクタ画像や背景画像が挙げられ、それらキャラクタ画像や背景画像を大当たり遊技終了後の通常遊技において変化させることによって、大当たり遊技終了後の通常遊技における演出画像の表示態様を特別な表示態様に変化させることもできる。
特に、遊技者自身が選択したキャラクタ画像や背景画像を大当たり遊技終了後の通常遊技において特別な表示態様として表示するようにすれば、遊技者自身が選択したキャラクタやストーリーからなる遊技者好みの演出が表示手段上に実現されることとなるので、遊技者の興味を遊技に引きつけることができる。
また、演出画像には、前記可変表示ゲームにおいて表示手段に表示される識別情報も含まれ、後述するように複数の識別情報の中から有効な識別情報を示す有効ラインの画像を演出画像として変化させることにより、大当たり遊技終了後の通常遊技における演出画像の表示態様を特別な表示態様に変化させることもできる。
また、大当たり遊技終了後の通常遊技における演出画像の表示態様を特別な表示態様に変化させる条件としては、前述した特定入賞領域を閉鎖する契機となる上限数を越えて遊技球が特定入賞領域に余剰入賞した場合のみならず、1回の特定入賞領域の開放中に前記上限数を越えて特定入賞領域に入賞した余剰入賞数が所定数以上となった場合や、大当たり遊技中に前記上限数を越えて特定入賞領域に入賞した余剰入賞数の累計数、すなわち総余剰入賞数が所定数以上となった場合であってもよい。
さらに、前記カウント手段によりカウントされた余剰入賞数は、同余剰入賞数を表示する余剰入賞数表示手段を設けて遊技者に報知するのが望ましく、かかる構成とすることにより、余剰入賞数を目視によりはっきりと認識できると共に、余剰入賞1球に対する賞球数は一定なので、全余剰入賞によって得られる賞球総数も遊技者は簡単に計算することができ、数字として実感することができる。
上記構成からなる本実施形態の遊技機は、特にパチンコ遊技機として好適に実施することができる。現在のパチンコ遊技機は、前述したように「可変表示ゲーム」を実行する遊技機が主流であり、この可変表示ゲームを行うパチンコ遊技機においては、可変表示ゲーム中に、有効な識別情報を示す有効ライン上で停止した複数の識別情報の組合せが所定の当選組合せとなったときに、通常遊技から移行するかたちで前記大当たり遊技が実行される。
従って、本実施形態の遊技機を、上記可変表示ゲームを行うパチンコ遊技機として実施した場合には、本実施形態の遊技機は、通常遊技中の演出画像において複数の識別情報が変動及び停止し、有効な識別情報を示す有効ライン上で停止した複数の識別情報の組合せが所定の当選組合せとなった場合には、前記大当たり遊技に移行する可変表示ゲームを実行する可変表示ゲーム実行手段を備えることとなる。特に、かかる可変表示ゲーム実行手段に加えて、少なくとも前記有効ラインの数が異なる複数の演出画像の画像データを記憶した画像記憶手段を備え、前記表示態様変化手段が、前記画像記憶手段から大当たり遊技前よりも有効ラインが多い画像データを選択して前記表示手段に表示することによって、大当たり遊技後の通常遊技中における演出画像の表示態様を特別な表示態様に変化させるようにした場合には、大当たり遊技終了後の可変表示ゲームにおいて識別情報の有効ラインの数を増加させて、遊技者にとって有利な遊技状態とすることができる。従って、遊技者は、次の可変表示ゲームにおける有効ラインの数を増加させるべく大当たり遊技中の遊技に集中することとなり、遊技者の興味をより一層遊技に引きつけることができる。
ここで、本実施形態の遊技機を、上記可変表示ゲームを行うパチンコ遊技機として実施した場合の実際の遊技態様について簡単に説明する。なお、以下においては、余剰入賞数の累計数(総余剰入賞数)が所定数以上となったことを条件として、大当たり遊技終了後の通常遊技における演出画像の表示態様を特別な表示態様に変化させるものとする。また、以下においては、開放された特別入賞領域が閉鎖されるまでを1ラウンドと呼ぶ。
遊技者は遊技ハンドルを操作して遊技球を次々と発射させる。
遊技盤上に発射された遊技球が始動口と呼ばれる特定入賞口に入球すると、前記「可変表示ゲーム」が実行され、複数の識別情報が液晶表示装置などからなる前記表示手段上で可変表示される。この表示手段上には1本の有効ラインが表示されており、前記複数の識別情報が前記有効ライン上でそれぞれ停止表示されたときの組合せが所定の当選組合せとなった場合、通常遊技から大当たり遊技に移行して、特定入賞領域としての大入賞口の開閉が、例えば15ラウンドを限度として開始される。
大入賞口内は、特定領域と一般領域とに区画されており、特定領域内に入賞すると、大入賞口が閉鎖された後再度開放することが約束されている。そこで、遊技者は、先ず特定領域内に遊技球を入賞させて次回ラウンドを確保しながら、所定時間内に大入賞口を閉鎖する契機となる上限入賞数を超える余剰入賞が発生するのを期待して開放された大入賞口内に遊技球を集めるように努める。
余剰入賞が発生すると、例えば前記液晶表示装置、或いは特別に設けた表示装置などに余剰入賞数が表示される。遊技者はこの表示数によって、通常の大当たり遊技中よりも賞球が増加することを知り、満足感と共に勝利感を得ることができる。
こうしてラウンドが次々と消化され、各ラウンド中には大入賞口への入賞数に見合った賞球が連続的に払い出される。
そして、最終のラウンドが終了したとき、前記表示装置にはこれまでの余剰入賞数が累計表示されているが、この余剰入賞数の累計数(総余剰入賞数)が予め定められた所定数以上となった場合には、次に開始される通常遊技において表示手段に表示される演出画像の表示態様を特別の表示態様に変化させるのである。例えば、前述したように、表示手段に演出画像として表示されるキャラクタ画像や有効ラインを示す画像を大当たり遊技の実行前と実行後とで変化させることにより、大当たり遊技実行後に表示手段に表示される演出画像の表示態様を大当たり遊技実行前とは異なる特別な表示態様に変化させるのである。
従って、遊技者は大当たり遊技中に所定数以上の余剰入賞を発生させたことを演出画像の表示態様の変化という分かりやすい方法で知ることができ、喜びも高まると共に、自身の遊技技量に対する満足感を充足させることができる。
ところで、前記識別情報は、数字を含む文字、記号、絵柄又は模様等の図柄からなり、複数の識別情報からなる識別情報群が表示手段上に変動表示及び停止表示される。そして、かかる識別情報群を変動表示及び停止表示する前記表示手段は、前記液晶表示装置の他、CRTからなるディスプレイとしてもよい。さらに、本実施形態における表示手段には、その他の7セグメント表示器やランプ類、或いはスピーカなどの音声出力装置なども含まれる。また、かかる表示手段は、遊技機内に配設した制御部により制御される。
この制御部には、前記表示手段を制御する他、上述したパチンコ遊技を進めていくためのパチンコ遊技プログラムが格納されている。
このパチンコ遊技プログラムは、遊技球が特定の入球口に入球したことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する内部抽選実行機能と、この内部抽選実行機能による抽選結果に基づいて、表示手段上に表示される演出画像において、複数の識別情報を変動表示及び停止表示し、有効な識別情報を示す有効ライン上で停止表示された複数の識別情報の組合せが所定の当選組合せとなった場合には、遊技者に有利な大当たり遊技に移行させる可変表示ゲームを実行する可変表示ゲーム実行機能と、特定入賞領域としての前記大入賞口に遊技球が入賞したことを検知する入賞検知機能と、検知した入賞数を累計的にカウントするカウント機能と、前記大当たり遊技中に、前記特定入賞領域(大入賞口)を、予め定められた上限数の遊技球が入賞するまで若しくは所定時間経過するまで開放状態に維持し、前記上限数の入賞をカウントするか若しくは所定時間経過すると閉鎖状態に変化させる特定入賞領域の開放及び閉鎖を所定回数を限度として繰り返す大当たり遊技を実行する大当たり実行機能と、特定入賞領域(大入賞口)を閉鎖する契機となる前記上限数を越えて特定入賞領域(大入賞口)に入賞した余剰入賞数の累計数(総余剰入賞数)が予め定められた所定数以上となった場合に、前記大当たり遊技後の通常遊技において表示手段に表示される演出画像の表示態様を特別の表示態様に変化させる表示態様変化機能とをコンピュータに実現するためのプログラムである。
また、上述してきた遊技機としては、必ずしも実際の鋼球からなる遊技球を用いる必要はなく、パチンコ遊技盤を遊技画面として画像表示するディスプレイ上に仮想遊技球を映像として打出し可能な遊技ハンドル(操作部)と、前記したパチンコ遊技プログラムを実行する制御部とを備えた映像パチンコ遊技機であっても構わない。さらに、表示手段としての表示部と制御部とを備えた業務用若しくは家庭用のゲーム機に適用することも可能である。
またさらには、汎用のコンピュータや携帯端末装置等に、上記パチンコ遊技プログラムをはじめ、各種の制御を行うソフトウェアをインストールしたものにも適用できる。この場合、上述してきた遊技盤を含む遊技機画像の表示を実行させることのできる表示プログラムを含む前記パチンコ遊技プログラムを格納した記憶媒体を介して遊技を行うことができる。或いは、インターネットなどを介して前記パチンコ遊技プログラムをダウンロードして遊技することができる。つまり、遊技機としては、サーバと端末機(クライアント)とに分割して構成したものであってもよいし、端末機と通信可能であり、パチンコ遊技機を示す遊技機画像を各端末機に表示可能としたサーバであってもよい。
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいてより具体的に説明する。なお、以下に説明する遊技機は、前述した可変表示ゲームを行うパチンコ遊技機であり、大当たり遊技中の余剰入賞数の累計数(総余剰入賞数)が所定数以上になった場合に、大当たり遊技終了後の通常遊技における演出画像の表示態様を特別な表示態様に変化させる遊技機である。しかも、以下に説明する遊技機においては、説明を分かりやすくするために、可変表示ゲームにおいて大当たり遊技が実行されていないときに実行される遊技、すなわち、識別情報の変動表示及び停止表示を通常遊技としている。さらに、遊技には実際の鋼球からなる遊技球を用いている。
[実施形態1]
(パチンコ遊技機の構成)
図1は本実施形態に係るパチンコ遊技機10の正面図を示しており、パチンコ遊技機10は、矩形枠状の本体枠12に矩形板状の遊技盤14を組込み、同遊技盤14の前面に前記本体枠12の窓枠16を設け、さらに、同窓枠16の下側であって、本体枠12の前面には上皿20及び下皿22を設けると共に、同下皿22の右側に発射ハンドル26を配設している。
また、遊技盤14の前面には複数の障害釘(図1では入賞口の直上方に設けたものを除いて省略している)を打ち込んでいる。なお、釘を打ち込むような構成とせず、遊技盤14を樹脂素材で成形し、この樹脂素材の遊技盤14に棒状体を遊技盤14の前方向に突出するように一体的に突設する構成としてもよく、かかる構成とした遊技機(所謂「パチコン機」)にも本発明を適用することができる。
図1中、20aは前記上皿20内の遊技球を下皿22へ送るバイパス路開閉ボタン、46はスピーカ、28は前記発射ハンドル26の裏側に設けたソレノイド、26aは前記ソレノイド28の一時停止ボタン、29は前記発射ハンドル26の周縁部に設けたタッチセンサである。なお、前記ソレノイド28に代えて発射モータを用いてもよい。
上記構成により、遊技球はガイドレール30に案内されて遊技盤14上に発射され、上述した複数の障害釘との衝突によりその進行方向を変えながら遊技盤14の下方に向かって落下し、後述する各種入賞口に入らなかった遊技球は、遊技盤14の中央最下部に位置する排出口53から回収される。
遊技盤14を拡大した拡大正面図を図2に示す。なお、図2においても図1同様に障害釘の大部分を省略している。
図2に示すように、遊技盤14の前面の略中央には、表示手段としての液晶パネルからなる表示装置32を設けており、この表示装置32上に、それぞれ図柄からなる10種類の識別情報を有する識別情報群を横3列に表示可能とすると共に、その他様々な演出画像を静止画や動画で表示可能としている。なお、前記識別情報の図柄種類は10種類に限定されるものではなく、複数種であればよい。そして、この識別情報を変動表示する前記表示装置32は、遊技者が見得るような位置であればパチンコ遊技機10の何処の位置に設けても構わない。
52は小型の副表示装置であり、識別情報の一つである数字や記号等からなる普通図柄を、変動と停止とを繰り返すように可変表示することができる。
表示装置32の下部には、後述する可変表示ゲームが開始される契機となる特定の入球口としての始動口44を設けている。58(58a,58b)はこの始動口44に付設した電動チューリップと呼ばれる開閉動作可能な可動片であり、開時には遊技球を前記始動口44へガイド可能としている。
また、表示装置32の左右側部には、球通過検出器55a,55bとバイパス通路入口51a,51bとを設けている。そして、前記球通過検出器55a,55bが遊技球の通過を検出したときに前記普通図柄が変動し、所定の図柄で停止表示されると、ソレノイド57(図3参照)により前記可動片58(58a,58b)を駆動し、前記始動口44に遊技球が入りやすくなるようにしている。他方、前記バイパス通路入口51a,51bに遊技球が入ると、バイパス通路51’,51’を通過して前記始動口44の直上方まで遊技球を案内し、始動口44に遊技球が入りやすくなるようにしている。
上述した副表示装置52の左右両側には、4つの保留ランプ34(34a〜34d)を設けている。
また、前記表示装置32の左右両側には、遊技球の経路を所定の方向に誘導するための風車状の転動誘導部材60(60a,60b)を設けると共に、遊技盤14の外側の上左側と上右側とには、装飾ランプ36(36a,36b)を設けている。
さらに、遊技盤14の下部には、後述する大当たり入賞装置Mを設けると共に、遊技盤14の全域にわたって、複数の一般入賞口50,54a,54b及び第2の一般入賞口56(56a,56b,56c,56d)を設けている。
ここで、前記大当たり入賞装置Mについて説明する。
大当たり入賞装置Mは、可変入賞手段として設けられており、可変入賞装置である大入賞口38が形成された前カバー200と、後カバー201との間に装置各部材が介設されており、後述する可変表示ゲームにおいて大当たり遊技に移行した場合に、ソレノイド48の駆動により前後に揺動して前記大入賞口38を閉鎖状態及び開放状態にするシャッタ40と、同シャッタ40の後方に配され、ソレノイド205により駆動されて左右に傾動するスイング板206とを備えている。
そして、前記シャッタ40の開放時に、スイング板206を介して遊技球が特定領域である特定入球口204に入球すると、シャッタ40は所定時間経過或いは所定数入球後においても次のシャッタ40の開放が約束され、これが繰り返されることで遊技者にとって有利な大当たり遊技を実現するようにしている。
前記シャッタ40が開放され、予め定められた所定時間(本実施形態では29秒とする)経過するか、或いは遊技球が前記大入賞口38に上限数(本実施形態では10個とする)入賞して閉鎖するまでの1サイクルを大当たり遊技の1ラウンドとしており、本実施形態における大当たり遊技では、15ラウンドを上限として繰り返すことができるようにしている。そして、各ラウンドにおいて、前記大入賞口38に入賞した遊技球数(入賞数)に応じた賞球が逐次払い出される。
賞球の払い出しは、大入賞口38への入賞を球検知センサ45(図4参照)で検出することにより行われ、入賞1個あたり所定個数(本実施形態では10個)の賞球を払出装置59(図4参照)により払い出すようにしている。
また、前記球検知センサ45により検出した入賞個数は、カウント手段であるカウンター63(図4参照)により累積的にカウントされている。このカウンター63が上限入賞球数である10個をカウントすると前記シャッタ40は閉鎖されるのであるが、閉鎖タイミングと遊技球の落下タイミングによっては、遊技球が上限入賞球数(10個)を超えて大入賞口38へ入賞する場合がある。この場合、本実施例ではこれを余剰入賞として、前記カウンター63によりカウント可能としている。すなわち、本実施形態に係るパチンコ遊技機10では、10個を超えて大入賞口38へ入球した遊技球を余剰入賞として別途記憶するのである。
なお、図3中、202はシャッタ軸、203は通常領域である通常入球口、207はシャッタ40の裏面に形成した遊技球ガイドである。
(パチンコ遊技機10の制御)
本実施形態に係るパチンコ遊技機10の制御回路を示すブロック図を図4に示す。
図示するように、制御部61は、中央処理回路(以下、CPUと称する)66と、インターフェイス回路群62,72と、ROM68、RAM70と、カウンター63と、これらに接続し、前記CPU66にデータ信号又はアドレス信号を入出力する入出力バス64とを備えている。
上記インターフェイス回路群62には、前記発射ハンドル26と、前記一時停止ボタン26aと、前記タッチセンサ29とを接続している。
また、インターフェイス回路群62には、前記各入賞口に設けた第1〜第3の球検知センサ42,43,45を接続しており、第1の球検知センサ42は、遊技球が前記始動口44を通過したときに、第2の球検知センサ43は、遊技球が、一般入賞口50,54a,54b、第2の一般入賞口56、及び排出口53を通過したときに、第3の球検知センサ45は、遊技球が、大入賞口38を通過したときに検出信号をインターフェイス回路群62にそれぞれ供給する。
さらに、インターフェイス回路群62には、球通過検出器55(左側球通過検出器55a,右側球通過検出器55b)を接続しており、同球通過検出器55は遊技球が通過したことを検出したときに検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。
前記カウンター63は、前記第3の球検知センサ45の検出結果を大入賞口38への入賞数としてカウントする。
前記ROM68は、パチンコ遊技機10の遊技全体の流れを制御する遊技プログラムを含む制御プログラムや、個々の識別情報やそれらの組合せや必要な画像データ等を記憶している。
本実施形態における遊技プログラムは、特定の入球口である始動口44に入球したことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選する内部抽選実行機能と、この内部抽選実行機能による抽選結果に基づいて、表示手段である表示装置32上に表示される演出画像において、複数の識別情報を変動表示及び停止表示し、有効な識別情報を示す有効ライン上で停止表示された複数の識別情報の組合せが所定の当選組合せとなった場合には、遊技者に有利な大当たり遊技に移行させる可変表示ゲームを実行する可変表示ゲーム実行機能と、特定入賞領域としての前記大入賞口38に遊技球が入賞したことを検知する入賞検知機能と、検知した入賞数を累計的にカウントするカウント機能と、前記大当たり遊技中に、前記特定入賞領域(大入賞口38)を、予め定められた上限数の遊技球が入賞するまで若しくは所定時間経過するまで開放状態に維持し、前記上限数の入賞をカウントするか若しくは所定時間経過すると閉鎖状態に変化させる特定入賞領域(大入賞口38)の開放及び閉鎖を所定回数を限度として繰り返す大当たり遊技を実行する大当たり実行機能と、特定入賞領域(大入賞口38)を閉鎖する契機となる前記上限数を越えて特定入賞領域(大入賞口38)に入賞した余剰入賞数の累計数(総余剰入賞数)が予め定められた所定数以上となった場合に、前記大当たり遊技後の通常遊技において表示手段に表示される演出画像の表示態様を特別の表示態様に変化させる表示態様変化機能とをコンピュータに実現するためのプログラムである。
かかるプログラムを実行することにより、遊技球が始動口44に入球したことを受けて当選かはずれかを内部抽選し、抽選結果に基づいて前記識別情報群が表示装置32上で変動表示及び停止表示され、抽選結果が当選の場合、停止表示されたときの各識別情報の組合せが当選組合せとなると共に、大当たり遊技に移行する可変表示ゲームを伴うパチンコ遊技を楽しむことができる。しかも、前記大当たり遊技においては、前記大当たり入賞装置Mの大入賞口38への入賞を、前記第3の球検知センサ45が検出し、この検出結果をカウンター63がカウントして入賞数として累積し、前記第3の球検知センサ45が10球を超えて入賞数を検出すると、この10球を超えた数を余剰入賞として前記カウンター63がカウントする。そして、大当たり遊技が終了したときに前記余剰入賞数の累計数(総余剰入賞数)が予め定められた所定数以上となった場合には、その情報が前記RAM70に記憶され、このRAM70に記憶された情報に基づき、CPU66は、ROM68から可変表示ゲームに用いる演出画像の画像データを選択するときに、特別の表示態様となる演出画像の画像データを選択して表示装置32に表示するのである。このとき、CPU66は、表示態様変化手段として機能することになる。
特に、本実施形態では、前記表示態様変化機能を、ROM68から大当たり遊技前よりも有効ラインが多い演出画像の画像データを選択して前記表示装置32に表示する機能としており、前述のように余剰入賞数の累計数(総余剰入賞数)が予め定められた所定数以上になると、CPU66は、大当たり遊技前よりも有効ラインが多い演出画像を選択して、前記特別の表示態様となる演出画像として表示装置32に表示する。従って、遊技者は、大当たり遊技中に予め定められた所定数以上の余剰入賞を行えば、次に開始される可変表示ゲームにおいては識別情報の有効ラインの数が増加するのを目の当たりにすることができ、余剰入賞のメリットを直接的に実感することができる。しかも、余剰入賞させた自分の遊技技量に対しても満足感を覚え、遊技への意欲がさらに高まるのである。
このように、本実施形態におけるパチンコ遊技機10では、単調になりがちなパチンコ遊技に技術介入性が生じ、特に、大当たり遊技では単に遊技球を発射させるだけの機械任せになりがちな遊技に新たな興趣が付加されるので、遊技の面白さを向上させることができる。
上述したような遊技プログラムが実行される本実施形態のパチンコ遊技機10においては、ROM68は、前記表示装置32において可変表示ゲームが実行される際に、変動表示や停止表示される識別情報の画像データや、演出画面として表示される画面画像としてのキャラクタを示すキャラクタ画像データや、表示装置32の背景を構成する背景画像データや、動画映像画像データを含む表示装置32に表示される各種演出画像の画像データを記憶している。
特に、本実施形態では前述したように可変表示ゲームの有効ラインの数を増加させるので、前記画像データとして、有効ラインの数が異なる複数の演出画像の画像データを記憶している。このとき、ROM68は画像記憶手段として機能する。なお、前記有効ラインは背景画像上に表示されており、前記有効ラインの数が異なる複数の演出画像とは、それぞれ異なる数の有効ラインが表示された複数の背景画像を指している。
また、ROM68は、遊技に用いる音データや、前記制御プログラムを実行するための初期データや、前記装飾ランプ36の点滅動作パターンや、これらを制御するプログラム等も記憶している。
さらに、ROM68は、通常大当たりと確変大当たりとを発生させる抽選を行うために必要な確率テーブルや当該確率テーブルを用いて抽選を行うためのプログラムなどを記憶している。ここで、通常大当たりとは、遊技者に有利な大当たり遊技が終了すると、直ちに通常遊技に戻る大当たりであり、確変大当たりとは、前記大当たり遊技へ移行した後、引き続きこの大当たり遊技へ高確率で再度移行可能な大当たりをいう。
一方、前記RAM70は、上述した各プログラムで使用するフラグや変数の値等を記憶している。すなわち、CPU66による演算結果や遊技の履歴を示す累積リーチデータ、累積変動数、可変表示ゲーム実行中に前記カウンター63によりカウントした余剰入賞数や累積大当たり回数などを記憶している。
そして、制御部61内のCPU66は、前記ROM68から所定のプログラムを呼び出して実行することにより演算処理を行い、この演算処理の結果に基づいて各種の制御を行う。
特に、本実施形態では、前述したように、遊技球が前記始動口44に入球したことを受けて当選かはずれかを所定の抽選確率で抽選すると共に、抽選結果に応じて表示装置32上に表示される演出画像において、識別情報群を変動表示及び停止表示させ、さらに、抽選結果が当選の場合は、有効ライン上で停止表示される複数の識別情報の組合せが前述した当選組合せでの停止表示態様となるように制御し、大当たり遊技中に各ラウンドで発生した余剰入賞数の累計数が予め定められた所定数以上となった場合には、大当たり遊技終了後に表示装置32上で実行される可変表示ゲームにおける有効ラインの数が、大当たり遊技実行前の有効ラインの数よりも増加するように制御している。このように、CPU66は、可変表示ゲームに関する情報を読み出して、表示装置32における演出画像の表示態様を制御している。
また、前記インターフェイス回路群72には、表示装置32、副表示装置52、スピーカ46、発射ハンドル26用のソレノイド28、保留ランプ34及び装飾ランプ36、さらには可動片58(58a,58b)やシャッタ40を駆動するソレノイド48,57,205、及び払出装置59を接続しており、CPU66における演算処理の結果に応じて上述した各装置類それぞれを制御すべく駆動信号や駆動電力を供給する。
なお、前記表示装置32は、変動図柄表示部と演出画面表示部とからなり、CPU66の制御によりこれらの2つの表示部に表示される画面の双方を合成して表示する。
また、保留ランプ34は、可変表示ゲーム実行中に始動口44に入球した保留球数を表示するもので、識別情報群を変動表示させるに有効な回数が示される。また、払出装置59は、遊技球の入賞に応じて上皿20又は下皿22に予め定められた数の遊技球を払い出すものである。
本実施形態では、上述したCPU66などからなる演算処理装置により制御部61が構成され、この制御部61により、大当たり実行手段、表示態様変化手段、可変表示ゲーム実行手段、及び画像記憶手段が構成される。また、この制御部61と前記第3の球検知センサ45とによりカウント手段が構成されている。
なお、本実施形態ではCPU66などからなる演算処理装置を1つとしているが、必ずしも1つである必要はなく、メインの演算処理装置としての主制御部と、画像表示を司るサブの演算処理装置としての副制御部を含む構成とすることもできる。また、上記したROM68やRAM70も、複数個備える構成であっても構わない。
(パチンコ遊技機10の動作)
本実施形態に係るパチンコ遊技機10は上述してきた構成となっており、その動作を以下に説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機10は起動しており、上述したCPU66において用いられる変数は所定の値に初期化され、定常動作しているものとする。
まず、パチンコ遊技機10は、パチンコ遊技を制御するパチンコ遊技プログラムを実行し、かかるプログラムから所定のタイミングで図5に示す遊技球検出ルーチンを呼び出して実行すると共に、図8に示す本発明の要旨ともなる大当たり実行処理ルーチンを呼び出して実行し、大当たり遊技中に発生した余剰入賞数の累計数が予め定められた所定数以上となった場合には、大当たり遊技終了後に実行される可変表示ゲームにおいて、有効ラインの数を増加させるようにしている。
図5に示すように、遊技球検出ルーチンでは、最初に入賞口(一般入賞口50,54a,54b並びに第2の一般入賞口56a〜56d)に遊技球が入ったか否かを検出する(ステップS11)。
ステップS11において、上記入賞口に遊技球が入ったと判別したときには、入賞口の種類に応じて予め定められた数の遊技球を払い出す処理を実行する(ステップS12)。
次に、始動口44に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS13)。このステップS13において、始動口44に遊技球が入ったと判別したときには内部抽選実行処理(ステップS14)を実行し、次いで可変表示ゲームを実行する。ステップS14における内部抽選実行処理では、「通常大当たり」、「確変大当たり」及び「はずれ」のいずれか1つの結果を発生させる処理を行うものである。
さらに、球通過検出器55a,55bを遊技球が通過したか否かを判断する(ステップS16)。球通過検出器55a,55bを遊技球が通過したと判別したときには、普通図柄を変動表示させる処理を実行する(ステップS17)。
次に、上述したステップS14において呼び出されて実行される内部抽選実行処理を行うサブルーチンを図6に示す。
なお、以下の説明において、変動図柄とは、表示装置32に表示される識別情報のうちで変動表示状態にある図柄を指し、停止図柄とは、この変動表示された変動図柄が最終的に停止したときに表示される図柄を指すものとする。
上述した抽選実行処理が開始されると、まず、CPU66の演算処理による内部抽選処理を実行する(ステップS100)。すなわち、CPU66は、前記ROM68に記憶された内部抽選に用いられる確率テーブルをRAM70に設定すると共に、乱数のサンプリングを行う。
なお、確率テーブルをRAM70に設定する処理は、ステップS100を実行するたびに行う必要はなく、常にRAM70に設定しておいてもよい。また、ROM68に内部抽選に用いられる確率テーブルを複数記憶させておき、必要に応じて異なる確率テーブルをRAM70に設定することとして、通常大当たりを発生させる確率、確変(特別)大当たりを発生させる確率、及び、はずれを発生させる確率を変更させることもできる。
次に、「通常大当たり」、「確変大当たり」及び「はずれ」のうち、どの結果が得られたかについて判断する(ステップS101)。
ステップS101において、はずれの抽選結果が得られたと判断した場合、CPU66は、はずれに対応する抽選データをRAM70に記憶する(ステップS102)。このとき、はずれが発生したことになる。なお、この抽選データは可変表示ゲームを実行する際に用いられるデータであり、CPU66は、当該抽選データに基づき、可変表示ゲーム処理ルーチンにおいて、変動図柄を所定の組合せで停止表示させる。
ステップS101において、通常大当たりの結果が得られたと判断した場合、CPU66は、通常大当たりに対応する抽選データなどをRAM70に記憶し(ステップS103)、さらに、通常大当たり情報を記憶する(ステップS104)。このとき、通常大当たりが発生したことになる。
また、ステップS101において、確変大当たりの結果が得られたと判断した場合、CPU66は、確変大当たりに対応する抽選データなどをRAM70に記憶し(ステップS107)、さらに、確変大当たり情報を記憶する(ステップS108)。このとき、確変大当たりが発生したことになる。
次いで、大当たり遊技が現在実行されているか否かを判断し(ステップS110)、大当たり遊技が現在実行されていると判断した場合、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS110において、大当たり遊技が現在実行されていないと判断した場合、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在するか否か判断する(ステップS111)。進行(表示)中の可変表示ゲームとは、現在、表示装置32に表示され、遊技者が見ることが可能な状態にあり、変動図柄が停止表示される前の可変表示ゲームである。すなわち、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在するということは、既に、1つの遊技球が始動口44に入り、後述する可変表示ゲーム処理ルーチンが実行されているということである。
ステップS111において、進行(表示)中の可変表示ゲームが存在しないと判断した場合、可変表示ゲームを実行する(ステップS112)。一方、進行(表示)の可変表示ゲームが存在すると判断した場合、本サブルーチンを終了する。
次に、図6に示すステップS112において呼び出されて実行される可変表示ゲーム処理を行うサブルーチンについて、図7を用いて説明する。本サブルーチンが呼び出されることにより、表示装置32において表示されていた固定画面を通常画面へと切り替え、可変表示ゲームを開始する。なお、固定画面とは、表示装置32において実行される可変表示ゲームは実行されておらず、パチンコ遊技機10においてパチンコ遊技のみが進行している際に表示装置32に表示される画面をいう。また、通常画面とは、表示装置32において可変表示ゲームが開始されて表示装置32に表示される図柄(識別情報)が変動表示されてから、可変表示ゲームがリーチとなったり大当たりとなったりしたときの状態に至るまでの間に、表示装置32に表示される演出画面をいう。
ここで、可変表示ゲームは、複数の識別情報の変動表示が開始されてから停止表示されるまでを1回とするゲームである。本実施形態に係るパチンコ遊技機10において予め設定されている識別情報は、「0」、「2」、…、「9」からなる10個の算用数字からなる図柄を1つの組として、これらの10個の図柄を表示装置32に順次表示し、その図柄が移動するように表示しつつ、図柄自身が変化するように変動表示する。
例えば、表示装置32において、図柄の「1」を表示装置32の上から下へスクロールするように表示した後、図柄の「2」を上から下へスクロールするように表示し、続いて図柄の「3」を同様に上から下へスクロールするように表示するのである。そして、図柄の「0」から図柄の「9」までをこのような態様で表示した後、再び図柄の「0」をスクロールするように表示し、同様の表示を順次繰り返すのである。表示装置32においてこのように図柄を表示することにより、「0」から「1」へ、「1」から「2」へと、また「2」から「3」へと、図柄がスクロールされながら順次変化して「9」まで表示され、次に再び「0」が表示されることとなるのである。なお、上述した図柄の組(識別情報群)は、スロットマシンにおいて用いられる1本のリールに表示された図柄の組に対応する概念である。
さらに、可変表示ゲームが表示装置32において実行されるときには、複数の組からなる識別情報群の各々に属する図柄を表示する。例えば、3つの識別情報群に属する図柄の各々を横方向に配列させて表示することとした場合には、1つの識別情報群に属する図柄は表示装置32の左側に表示され、他の識別情報群に属する図柄は表示装置32の中央に表示され、残りの識別情報群に属する図柄は表示装置32の右側に表示される。
このように識別情報である図柄を表示することにより、表示部である表示装置32には複数の識別情報が表示されることとなる。なお、可変表示ゲームが実行される際における組の数は、3つに限られることはなく、3以外の複数個の識別情報群(組)に属する図柄を表示装置32に表示することとしてもよい。
さらに、1つの識別情報群に属する図柄について、複数個の図柄を変動表示することとしてもよく、例えば、1つの識別情報群に属する3つの図柄を同時に表示することとし、3つの識別情報群について表示することとした場合には、表示装置32には、合計9個の図柄が変動表示されることとなる。
そして、複数の識別情報群に属する図柄を変動表示した後、変動表示されていた全ての図柄を所定のタイミングで停止表示した際には、1つの識別情報群につき複数個の図柄を停止表示する。例えば、前述のように1つの識別情報群に属する3つの図柄を同時に表示することとし、3つの識別情報群について表示することとした場合には、表示装置32には、合計9個の図柄が停止表示されることとなる。
また、停止表示された図柄の背後に表示される背景画像には、停止表示された図柄のうち有効な図柄を示す有効ラインが1つ又は複数表示されており、同有効ライン上に停止表示された複数の図柄の組合せが所定の組合せとなった場合には、遊技者から見れば可変表示ゲームが「大当たり」に当選したことになり、通常遊技から大当たり遊技に移行して、遊技者に対して有利な大当たり遊技の提供が行われる。
前述した内部抽選処理によって、CPU66の演算処理による内部抽選処理を実行し、上述したステップS102、S103またはS107においてRAM70に記憶した抽選データに基づいて、変動表示されている図柄を全て停止表示させたときの図柄の組合せを予め決定し、可変表示ゲームが開始されると、図7に示すように、抽選データを更新(減少)させる(ステップS201)。すなわち、CPU66は、RAM70に記憶された抽選データの中から、今回の可変表示ゲーム処理に使用する抽選データを可変表示ゲーム処理領域に呼び出し、これまで抽選データが記憶されていた領域からは当該抽選データを消去する処理を行う。
次に、選択された背景画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS202)。すなわち、CPU66によって、内部抽選処理の結果や、可変表示ゲームの進行状況等に応じて、背景画像を選択するプログラムがROM68から呼び出され実行される。上記背景画像としては、特に限定されるものではなく、可変表示ゲームの進行状況や、上記内部抽選処理の結果に基づいて、CPU66によって、適宜選択される。
特に本実施形態では、背景画像に可変表示ゲームにおける有効ラインを表示すると共に、同有効ラインの数を増加させるライン増加情報を後述する大当たり実行処理においてRAM70に記憶するようにしており、CPU66が背景画像を選択する際に、前記ライン増加情報がRAM70に存在する場合には、有効ラインの数が増加した背景画像が複数の背景画像の中から選択される。
次に、選択されたキャラクタ画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS203)。すなわち、上記プログラムの実行結果に基づいて、CPU66により選択されたキャラクタ画像の画面構成情報が、RAM70に生成される。このとき、例えば、1/60秒や、1/30秒等毎の一定間隔の周期(フレームスパン)で、キャラクタ画像の先頭位置が所定の移動量分ずれるように制御することにより、キャラクタ画像に動きを与えて表示させることができる。
次いで、識別情報である変動図柄の画面構成情報が、上記プログラムの実行結果に基づいて、CPU66によって、RAM70に生成される(ステップS204)。
上記変動図柄を構成する各図柄となる画像の画面構成情報は、上述したプログラムに基づいて、CPU66により生成される。また、各変動図柄となる画像が、所定の順序で順次生成されるように制御して、変動図柄の変動表示を行うことができる。さらに、フレームスパンや、画面構成情報の読み出しの先頭位置等を調整することによって、変動図柄の変動速度を制御することができるため、背景画像において、展開されている物語等に応じて、変動図柄の変動を滑らかにさせ、背景画像と、変動図柄との融合を図ることも可能である。
また、本実施形態では、前述したように背景画像に可変表示ゲームにおける有効ラインを表示すると共に、同有効ラインの数を増加させるライン増加情報を後述する大当たり実行処理においてRAM70に記憶するようにしているので、上述した如くCPU66によって変動図柄の画面構成情報をRAM70に生成する際には、背景画像に表示される有効ラインの数と位置に応じて、適した位置に変動図柄が停止表示されるように変動図柄の画面構成情報を生成する。
次に、1つの変動図柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判断する(ステップS205)。すなわち、複数、例えば、三つの組(識別情報群)のうち、1つの組に属する図柄を停止表示させるタイミングであるか否かを判断する。
変動図柄を停止表示させるタイミングであると判断したときには、CPU66によって、1つの変動図柄を停止表示させる態様で変動図柄を表す変動図柄画像が選択され、該変動図柄画像の画面構成情報がRAM70に生成される(ステップS206)。
次いで、ステップS202〜206において、RAM70に生成された画面構成情報に基づいて、CPU66によって、ROM68から、上記画面構成情報に対応する各画像データが読み出される。読み出された各画像データは、その後、上記画面構成情報内の表示される優先順位や、位置等に関する情報によって、表示装置32に表示される画像データとされた後、表示装置32に送信されて表示される(ステップS207)。上述したステップS202〜S207の処理は、後述するステップS208において複数の識別情報群に属する図柄の全てが停止表示されたと判別されるまで繰り返し実行される。このように処理を繰り返し実行することにより、所定の態様でスクロールするように図柄を変動表示することができ、また、キャラクタ画像も所定の動作をするように表示することができる。
ステップS207の処理を実行した後、複数の組に属する図柄の全てが停止表示されたか否かを判断する(ステップS208)。
複数の識別情報群に属する図柄の全てが停止表示されていないと判断したときには、処理をステップS202に戻す。一方、複数の識別情報群に属する図柄の全てが停止表示されたと判断したときには、RAM70に記憶された通常大当たり情報若しくは確変大当たり情報が存在するか否かを判断する(ステップS209)。
大当たり情報が存在すると判断した場合、大当たり実行処理を行い(ステップS210)、大当たり遊技状態を発生させ、遊技者に対して有利な状態の提供を行う。
一方、RAM70に記憶された大当たり情報が存在しないと判断した場合、RAM70に記憶された抽選データが存在するか否かを判断する(ステップS211)。RAM70に記憶された抽選データが存在しないと判断した場合、待機中の可変表示ゲームは存在しないことになるので、本サブルーチンを終了する。
一方、ステップS211において、RAM70に記憶された抽選データが存在すると判断した場合、待機中の可変表示ゲームが存在することになるので、RAM70に記憶された抽選データのうち、最も古い抽選データを読み出し(ステップS212)、処理をステップS201に戻す。その後、CPU66は、読み出した抽選データに基づいて、ステップS201〜S209の処理を繰り返し実行することになる。
前記大当たり実行処理(ステップS210)において実行される大当たり実行処理ルーチンについて、図8を用いて説明する。なお、以下の説明では、大当たり遊技に移行すると、断続的に15回の大当たり遊技が提供されることとする。また、当該大当たり遊技は、大入賞口38が開放状態となってから、当該大入賞口38に10球の遊技球が入るまで、又は、所定の時間(29秒)が経過するまでを1回とする遊技である。さらに、1回の大当たり遊技を、前述したように1ラウンドとする。また、「通常の大当たり遊技になる通常大当たり」と「確率変動状態での大当たり遊技になる確変大当たり」とでは異なる点がほとんどないため、区別しないで説明する。
この大当り実行処理ルーチンにおいては、まず、大当たり遊技のラウンド回数であるnをn=1に設定する(ステップS301)。
すなわち、CPU66は、RAM70に設けられた大当たり遊技のラウンド回数を記憶するテーブル(ラウンド数記憶テーブル)にn=1であることを記憶させる。
次いで、大入賞口38が開放状態となるタイミングであるか否かを判断する(ステップS302)。
上記大入賞口38が開放状態となるタイミングであると判断したときは、シャッタ40を開方向へ駆動させて大入賞口38を開放する(ステップS303)。
すなわち、CPU66は、インターフェイス回路群72を介して、ソレノイド48に駆動信号を供給することによりシャッタ40を前方へ傾動させて大入賞口38を開放状態とする。これにより、遊技者が大入賞口38へ遊技球を入れることが可能となる。
一方、上記大入賞口38が開放状態となるタイミングでないと判断したときは、処理をステップS302に戻す。
次に、大入賞口38に遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS304)。遊技球が大入賞口38に入ったか否かは、本実施形態では大入賞口38に設けられた前記第3の球検知センサ45により判断される。
そして、大入賞口38に設けられた第3の球検知センサ45により遊技球が検出された際には、検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。この検出信号を受け取ったCPU66は、カウンター63を駆動させて球数をカウントすると共に、カウント結果をRAM70の所定テーブル(大入賞口遊技球記憶テーブル)に遊技球の入賞数として記憶させ(ステップS305)、同時に前記第3の球検知センサ45からの検出信号ごとに払出装置59に制御信号を送信して払出装置59を駆動させ、予め定められた数(10個)の遊技球を払い出す処理を実行する(ステップS306)。
ステップS304において、大入賞口38に遊技球が入っていないと判断した場合、又は、ステップS306において遊技球を払い出す処理を実行した場合には、次に、大入賞口38に上限数(10個)の遊技球が入ったか否かを判断する(ステップS307)。すなわち、CPU66は、大入賞口遊技球記憶テーブルに記憶された遊技球の数とRAM70の別の領域に記憶された上限入賞数(10球)とを比較し、大入賞口38に入った遊技球が上限入賞数(10球)となっているか否かを判断する。
大入賞口38に上限数の遊技球が入っていないと判断したときは、大入賞口38が開放状態となってから所定の時間(29秒)が経過したか否かを判断する(ステップS310)。すなわち、CPU66は、ステップS302から開始した経過時間のカウントが、所定の時間に達したか否かについて判断する。
大入賞口38が開放状態となってから所定の時間が経過していないと判断したときは、処理をステップS304に戻す。
一方、ステップS307において、大入賞口38に上限数の遊技球が入ったと判断したときは、CPU66は大入賞口38のシャッタ40を閉鎖する制御信号をソレノイド48に出力するが、この出力と実際にシャッタ40が閉方向へ傾動する間に遊技球が大入賞口38に飛び込むことがある。これを第3の球検知センサ45は余剰入賞として検出する。この検出があるかどうかを判断し(ステップS308)、余剰入賞があると判断した場合は、その検出結果を余剰入賞数としてカウンター63によりカウントすると共に、RAM70に記憶し(ステップS309)、さらにシャッタ40を駆動して大入賞口38を閉鎖する(ステップS311)。
また、ステップS308で余剰入賞がないと判断した場合、所定の時間が経過したか否かを判断し(ステップS310)、所定の時間が経過したと判断したときに前記ステップS311の処理に進む。
このように大入賞口38の開放時間は、大入賞口38に入った遊技球の数か、時間かのいずれかの要素により判断され、大入賞口38に上限数の遊技球が入れば、所定の時間に達しなくとも大入賞口38は閉鎖され、一方、大入賞口38に入った遊技球の数が上限数に達していなくても、所定の時間が経過すれば大入賞口38は閉鎖されるのである。
次に、大当たり遊技の回数であるnに1を加算して、n=n+1とするように設定する(ステップS312)。すなわち、CPU66は、RAM70に設けられたラウンド数記憶テーブルにn=n+1となるようにラウンド数を記憶させる。
そして、ラウンド数nが14以下であるか否かを判断する(ステップS313)。すなわち、CPU66は、まず、ラウンド数記憶テーブルに記憶された大当たり遊技の回数を読み出し、この回数とRAM70の別の領域に記憶されたn=14のデータとを比較し、大当たり遊技の回数nがn≦14であるか否かを判断する。大当たり遊技の回数nがn≦14であると判断したときには、処理をステップS302に戻す。従って、本サブルーチンでは、nが14を超えるまで、繰り返し大当たり遊技が行われることとなる。
そして、大当たり遊技の回数であるnが14を超えるとき、すなわちラウンド数の最大値である15回に達した場合は、大当たり情報を更新(減少)させる(ステップS314)。すなわち、通常大当たりに基づく大当たり遊技状態が発生している場合(大当たり実行処理ルーチンが通常大当たりに基づいて実行されている場合)、RAM70に記憶された通常大当たり情報を削除する。一方、特別大当たりに基づく大当たり遊技状態が発生している場合(大当たり実行処理ルーチンが特別大当たりに基づいて実行されている場合)、RAM70に記憶された特別大当たり情報を1つ削除する。
次いで、CPU66は、RAM70に可変表示ゲームにおける有効ラインを増加させるライン増加情報が存在するか否かを判断し(ステップS315)、ライン増加情報が存在すると判断した場合にはそのライン増加情報を消去する(ステップS316)。次いで、ステップS309で記憶された各ラウンドごとの余剰入賞数の累計である総余剰入賞数を読み出して、大当たり遊技中における大入賞口38の総余剰入賞数が予め設定された所定数(例えば、25球)以上であるか否かを判断する(ステップS317)。前記ステップS315の処理において、前記総余剰入賞数が予め設定された所定数以上であると判断した場合には、前記ライン増加情報をRAM70に記憶して(ステップS318)、その後、本サブルーチンを終了する。
これにより、次に可変表示ゲームが実行され、前記図7の可変表示ゲーム実行処理のステップS202の処理において背景画像が選択されるとき、及びステップ204の処理において識別情報が選択されるときには、前記ライン増加情報に基づき有効ラインの増加に適した背景画像及び識別情報がCPU66によりROM68から選択され、表示装置32に演出画像として表示される。
なお、前回の大当たり遊技で総余剰入賞数が所定数以上となって有効ラインが既に増加しているときに、再び大当たり遊技が実行されて大当たり遊技中の総余剰入賞数が所定数以上となった場合には、前記ステップS316の処理でRAM70から消去されたライン増加情報が、ステップS318の処理で再びRAM70に記憶されることとなり、有効ラインの増加状態が継続されることとなる。
また、上述のように有効ラインが既に増加しているときに再び有効ラインが増加することとなった場合には、現状の有効ライン数を変更することなく単に有効ラインの増加状態を維持することもできるし、現状の有効ライン数からさらに有効ライン数を増加させつつ有効ラインの増加状態を維持することもできる。
また、上述してきた大当たり実行処理ルーチンが実行されている間、表示装置32では、大当たり遊技中であることを遊技者に認識させると共に、遊技を盛り上げるための演出画像が表示される。すなわち、大当たり遊技特有の演出表示がなされ、各ラウンド中、所定のキャラクタなどを動画表示してラウンド演出表示を実行し、大当たり遊技中であることを華やかに演出すると共に、このラウンド演出表示においては、現在実行中のラウンドが何回目であるか、また現在実行中のラウンドにおける大入賞口38への入賞数が何個であるか、また現在実行中のラウンドにおいて大入賞口38の特別領域である特定入球口204(図3参照)に少なくとも遊技球が1個入賞し、次ラウンドが保証されているか、などの情報を表示するようにしている。
なお、本サブルーチンでは、ラウンド回数の上限を15回としてnの最大数を14としたが、nは自然数であれば特に限定されず、ラウンド回数の上限に応じて適宜設定してよい。
ここで、本実施形態に係るパチンコ遊技機10における実際の遊技状況を想定して、可変表示ゲーム中の演出画像の表示態様について具体的に説明すると、本実施形態では、通常遊技においては、前記識別情報群を複数の識別情報が縦列した画像列として表示装置32に左右方向に3列表示しており、各画像列をそれぞれ上方から下方へスクロールさせることによって、各画像列中の識別情報を変動表示している。
また、各画像列のスクロールが停止したときには、図10(a)及び図10(b)に示すように、各画像列につき3つの識別情報が表示されて、表示装置32に計9個の識別情報が表示されるようにしている。そして、かかる9つの識別情報によって縦方向に3列、横方向に3列、斜め方向に2列形成される3つの識別情報からなる8つのラインのうち、横方向中段に形成されるラインを画像列のスクロールが停止したときに可変表示ゲームの組合せ結果として採用される有効ラインとしている。
このように、有効ラインは、連続する複数の識別情報からなる前記ラインの中から1つ又は複数選択されるので、画像列自体は、前記ラインを複数形成可能であれば、縦方向に限らず、横方向、斜め方向など、どのような方向にスクロールさせても良いし、その数を増減させてもよい。また、本実施形態では、前記画像列を構成する識別情報の図柄をローマ数字としている。
上記画像列の背景には、右側の若い男性の主人公キャラクタと左側の3人の敵キャラクタが撃ち合いをしている様子をキャラクタ画像として表示すると共に、主人公キャラクタの打った銃弾を上記中段の3つの図柄の各間に背景画像として表示しており、同銃弾によって前記有効ライン上の3つの図柄を強調するようにしている。
可変表示ゲームが開始されると、図9(a)に示すように、前記3つの画像列が上下方向にスクロールを開始し、図9(b)に示すように、主人公キャラクタによって左側手前の敵キャラクタが撃たれて倒れるのに同期して、まず、左側の画像列が停止する。このとき、有効ライン上に図柄「7」が停止表示される。
引き続き、図9(c)に示すように、主人公キャラクタによって左側中央の敵キャラクタが撃たれて倒れるのに同期して右側の画像列が停止し、有効ライン上に図柄「7」が停止表示される。また、図10(a)に示すように、主人公キャラクタによって左側奥の敵キャラクタが撃たれて倒れるのに同期して中央の画像列が停止し、有効ライン上図柄「7」が停止表示される。
このようにして有効ライン上の3つの図柄が全て同一の図柄「7」となり大当たりとなった場合には、通常遊技から大当たり遊技に移行する。
大当たり遊技では、図11に示すように、主人公キャラクタである若い男性が銃撃戦での勝利を喜んでいる様子を表示装置32の中央部に表示すると共に、表示装置32の上部左側に大当たりとなった図柄の組合せ「7」「7」「7」を、表示装置32の上部右側に現在のラウンド数と、次ラウンドに移行可能となる特別領域に遊技球が入球したことを示す「V」マークと、現在実行中のラウンドにおける大入賞口38への入賞数と、全ラウンドにおける余剰入賞数の累計数(総余剰入賞数)とを演出画像として表示する。例えば図11からは、現在のラウンドが5ラウンドであり、既にVゾーンに入球があり、現在実行中のラウンドにおける大入賞口38への入賞数が8球であり、余剰入賞数の累計数(総余剰入賞数)が3球であることが分かる。
また、入賞上限数である10個目が大入賞口38に入ると、大入賞口38は閉鎖されるが、閉鎖直前に駆け込み入賞が発生した場合、この駆け込み入賞である余剰入賞は、前述した現在実行中のラウンドにおける大入賞口38への入賞数にも、全ラウンドにおける余剰入賞数の累計数(総余剰入賞数)にも数字として表れて表示装置32に表示される。従って、遊技者は、上記演出画像を見ながら余剰入賞をねらって遊技に励むこととなり、遊技者を大当たり遊技に集中させることができる。特に、本実施形態では、総余剰入賞数が予め定められた所定数(例えば、25球)以上となった場合には、次に実行される可変表示ゲームにおいて識別情報の有効ラインの数を増加させるようにしているので、遊技者は、有効ラインの数を増加させる条件となる前記所定数以上余剰入賞を行うように遊技に励むこととなる。
上述のようにして行われた大当たり遊技の結果、全ラウンドにおける余剰入賞数の累計数(総余剰入賞数)が予め定められた所定数以上となった場合には、横方向中段の一列のみならず、例えば右下がりの斜め方向一列も有効ラインにして可変表示ゲームを開始し、前述した図10(a)に示すように、中段横一列の有効ライン上に並ぶ識別情報が全て同じ図柄になった場合にも、図10(b)に示すように、右下がり斜め一列の有効ライン上に並ぶ識別情報が全て同じ図柄になった場合にも大当たりとするのである。また、主人公キャラクタの打った銃弾を、右下がり斜め一列のラインを構成する3つの図柄の各間にも背景画像として表示するのである。
なお、大当たり遊技の結果、全ラウンドにおける余剰入賞数の累計数(総余剰入賞数)が予め定められた前記所定数に満たなかった場合には、前記図9及び図10(a)に示すように、有効ラインの数を増加させることなく中段横一列のままで再び可変表示ゲームを開始する。
このように、本実施形態では、大当たり遊技中の余剰入賞数の累計数(総余剰入賞数)が予め定められた所定数以上となった場合には、大当たり遊技終了後に新たに開始される可変表示ゲームにおいて、大当たり遊技実行前に実行された通常遊技における有効ラインの数よりも有効ラインの数を増加させるようにしたので、遊技者は、大当たり遊技中には、次の可変表示ゲームにおける有効ラインの数を増加させて自分にとって有利な状況とすべく遊技に集中することとなり、遊技者の興味をより一層大当たり遊技に引きつけることができる。
[実施形態2]
上記実施形態1では、1回の大当たり遊技における余剰入賞数の累計数(総余剰入賞数)が予め定められた所定数以上となった場合には、次から実行される可変表示ゲームにおいて演出画像中の有効ラインの数を増加させるようにしたが、本実施形態では、前記総余剰入賞数が予め定められた所定数以上となった場合に、遊技中に表示装置32に表示される演出画像としてのキャラクタ画像を遊技者が選択できるようにしている。
そのため、本実施形態のパチンコ遊技機10は、前記図1〜図4で説明した実施形態1のパチンコ遊技機10の構成に加えて、キャラクタ画像を設定するための設定操作部も設けている。
上記設定操作部は、キャラクタ画像を選択する選択キーや、選択されたキャラクタ画像を最終的に決定する決定キー等を含んでおり、例えば、実施形態1で説明した上皿20の上面等に設けている。また、設定操作部は、実施形態1で説明したインターフェイス回路群62に接続しており、選択キーや決定キーが遊技者によって押されると、その検出信号をインターフェイス回路群62に供給する。
上記設定操作部によるキャラクタの設定操作は、後述するキャラクタ選択処理で行うようにしており、同キャラクタ選択処理で使用する各種演出画像の画像データは、実施形態1で説明したROM68に他の画像データと共に記憶している。そして、CPU66は、前記設定操作部からの入力に応じて前記ROM68から必要な画像データを選択し、表示装置32に表示する。
本実施形態のパチンコ遊技機10は上記構成からなり、起動状態においては、前記実施形態1と同様、パチンコ遊技を制御するパチンコ遊技プログラムを実行し、かかるプログラムから所定のタイミングで図5に示す遊技球検出ルーチンを呼び出して実行すると共に、図6に示す内部抽選実行処理を行うサブルーチン、図7に示す可変表示ゲーム処理を行うサブルーチンを適宜呼び出し、可変表示ゲームを実行する。そして、可変表示ゲームが大当たりとなった場合には、前記図7の大当たり実行処理(ステップS210)において図12に示す大当たり実行処理ルーチンを呼び出し、実行する。
図12に示すように、大当たり実行処理が実行されると、実施形態1における大当たり実行処理と同様、ステップS301〜ステップS314に示す処理を行い、大当たり遊技を実行する。そして、前記ステップS314の処理に引き続きステップS317の処理を行い、同ステップS317の処理において、大当たり遊技中における大入賞口38の総余剰入賞数が予め設定された所定数(例えば、25球)以上であると判断した場合には、後述するキャラクタ選択処理を実行する(ステップS319)。
上記ステップS319の処理が実行された場合、又は前記ステップS317の処理において、大当たり遊技中における大入賞口38の総余剰入賞数が予め設定された所定数に満たないと判断した場合には、本サブルーチンを終了する。
図13には、前記ステップS319において呼び出されて実行されるキャラクタ選択処理を実行するサブルーチンを示している。図13に示すように、キャラクタ選択処理が実行されると、表示装置32に図14(a)に示すような主人公キャラクタの選択肢を示すキャラクタ選択画像を表示し(ステップS401)、遊技者に対して遊技中に表示装置32に表示する主人公キャラクタの選択を促す。図14(a)には、選択肢となる主人公キャラクタとして、これまで表示装置32に表示されてきた若い男性のキャラクタと、新たなキャラクタである若い女性のキャラクタとサングラスをかけた男性のキャラクタとを示している。各キャラクタには1〜3番のキャラクタ選択用の番号を順に割り振っており、現在選択されているキャラクタの番号は色を変えるなどして強調表示するようにしている。
次に、設定操作部の選択キーが押されたか否かを判断し(ステップS402)、選択キーが押されたと判断した場合には、現在選択されているキャラクタの番号から前記1〜3番の順に1つだけ番号を繰り下げて主人公キャラクタを変更する(ステップS403)。なお、現在選択されているキャラクタの番号が3番のときに選択キーが押された場合には、再び1番に繰り上がる。
上記ステップS403の処理が実行された場合、又は前記ステップS402の処理において選択キーが押されていないと判断した場合には、設定操作部の決定キーが押されたか否かを判断し(ステップS404)、決定キーが押されたと判断するまで前記ステップS402及びステップS403の処理を繰り返す。そして、決定キーが押されたと判断した場合には、その時点において選択されている主人公キャラクタを次から実行される可変表示ゲームにおいて表示装置32に表示する主人公キャラクタとして確定し、その主人公キャラクタに関する情報(主人公キャラクタ情報)をRAM70に記憶して(ステップS405)、本サブルーチンを終了する。
これにより、次に可変表示ゲームが実行され、前記図7の可変表示ゲーム実行処理のステップS203の処理においてキャラクタ画像が選択されるときには、遊技者が新たに設定した主人公キャラクタの画像データが前記主人公キャラクタ情報に基づきROM68からCPU66により選択され、画像列の背景に主人公キャラクタとして表示される。
例えば、前述した図14(a)に示す1〜3番の主人公キャラクタのうち、2番の若い女性が主人公キャラクタとして選択された場合には、図14(b)に示すように、大当たり遊技終了後に新たに実行される可変表示ゲームにおいては、先に選択された若い女性が主人公キャラクタとして画像列の背景に表示されるのである。
このように、本実施形態によれば、大当たり遊技中の余剰入賞数の累計数(総余剰入賞数)が予め定められた所定数以上となって大当たり遊技が終了した場合には、遊技者が自ら演出画像としてのキャラクタ画像を選択することができるので、遊技者は適宜自分の好みにあったキャラクタを選択して楽しく遊技を行うことができる。
第1の実施形態に係るパチンコ遊技装置の概観を示す正面図である。 同パチンコ遊技装置の遊技盤面の拡大正面図である。 同パチンコ遊技装置の大当たり入賞装置を示す説明図である。 同パチンコ遊技装置の制御回路を示すブロック図である。 パチンコ遊技装置において実行される遊技球を検出する処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 内部抽選実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 可変表示ゲーム処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 大当たり実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 通常遊技における演出画像の表示態様を具体的に示す説明図である。 通常遊技における演出画像の表示態様を具体的に示す説明図であり、(a)は最後に行われた大当たり遊技の総余剰入賞数が所定数未満であった場合を、(b)は最後に行われた大当たり遊技の総余剰入賞数が所定数以上であった場合を示している。 大当たり遊技における演出画面の表示態様を具体的に示す説明図である。 大当たり実行処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 キャラクタ選択処理のサブルーチンを示すフローチャートである。 総余剰入賞数が所定数以上となった大当たり遊技後の演出画像の表示態様を具体的に示す説明図であり、(a)はキャラクタ選択画像を、(b)は通常遊技における演出画像を示している。
符号の説明
M 大当たり入賞装置
10 パチンコ遊技機
38 大入賞口
45 球検知センサ
59 払出装置
63 カウンター

Claims (2)

  1. 特定入賞領域への遊技球の入賞数をカウントするカウント手段と、
    当該カウント手段による上限数のカウント又は所定時間の経過を契機とした前記特定入賞領域の閉鎖及び当該閉鎖後の開放が所定回数を限度として繰り返し行われる大当たり遊技を実行する大当たり実行手段と、
    遊技中において演出画像を表示する表示手段と、を備えた遊技機であって、
    前記カウント手段が前記上限数を越える入賞数をカウントしたことを条件として、前記大当たり遊技後の通常遊技中における前記表示手段の演出画像の表示態様を特別の表示態様に変化させる表示態様変化手段を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 通常遊技中の演出画像において複数の識別情報が変動及び停止し、有効な識別情報を示す有効ライン上で停止した複数の識別情報の組合せが所定の当選組合せとなった場合には、前記大当たり遊技に移行する可変表示ゲームを実行する可変表示ゲーム実行手段と、
    少なくとも前記有効ラインの数が異なる複数の演出画像の画像データを記憶した画像記憶手段と、を備え、
    前記表示態様変化手段は、前記特別の表示態様として、前記画像記憶手段から大当たり遊技前よりも有効ラインが多い画像データを選択して前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
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