JP6594157B2 - 水中油型乳化組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、水中油型乳化組成物に関する。
紫外線は、UV−A(波長400nm−320nm)、UV−B(波長320nm−280nm)、UV−C(波長280nm−190nm)に大別され、どの波長の紫外線も皮膚の劣化を招くことが知られている。
そのため、近年、紫外線を拡散、吸収、又は遮蔽するベースメークアップ化粧料に適用できる種々の水中油型乳化組成物が提案されている。
具体的には、例えば、特許文献1には、疎水化処理二酸化チタン、疎水化処理酸化鉄、パラメトキシ桂皮酸オクチル、及び疎水変性ポリエーテルウレタンを含む水中油型乳化組成物が開示されている。
特許文献2には、シリコーン処理二酸化チタン、シリコーン処理酸化鉄、パラメトキシ桂皮酸オクチル、及び(PEG−240/デシルテトラデセス−20/ヘキサメチルジイソシアネート)コポリマーを含む水中油型乳化化粧料が開示されている。
特許文献3及び4には、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン被覆酸化チタンと、酸化鉄と、を含むリキッドファンデーションが開示されている。
特開2009−234917号公報 特開2015−91770号公報 国際公開2014/185315号 国際公開2014/185317号
近年、長波長紫外線と呼ばれるUV−Aが真皮に影響を及ぼし、シワの発生を助長することが知られてきていることから、UV−Aを吸収又は遮蔽するベースメークアップ化粧料に適用しうる水中油型乳化組成物の開発が望まれている。
上記の特許文献1及び2に記載の水中油型乳化組成物においては、酸化チタン及びパラメトキシ桂皮酸オクチルにより、紫外線の拡散能及びUV−Bの吸収能が発現されるものの、UV−Aの吸収能又は遮断能は不十分である。
また、上記の特許文献3及び4に記載のリキッドファンデーションにおいては、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン被覆酸化チタンにより、優れたUV−Aの吸収能が発現される。しかしながら、酸化チタンを被覆している「4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン」の存在により、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン被覆酸化チタン自体の凝集、及び、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン被覆酸化チタンと酸化鉄との凝集が生じ易くなることがあり、UV−Aの吸収能の経時安定性、及び、酸化鉄の存在が不均一化することにより発生する色むらについては、改良の余地があった。
そこで、本発明は、長波長紫外線の吸収能及びその経時安定性に優れ、かつ、長期間に亘り色むらの発生が抑制される水中油型乳化組成物を提供することを課題とする。
ここで、本明細書における「長波長紫外線」とは、UV−A、即ち、波長320nm〜400nmの紫外線を指す。
本明細書における「色むら」とは、水中油型乳化組成物を被塗布面に塗布し、得られた塗布物表面を目視にて観察したときに、不均一な色調を示すことを意味する。
課題を解決するための具体的手段は、以下の態様を含む。
<1> 酸化チタンの表面の少なくとも一部に波長330nm〜500nmに極大吸収を有する有機紫外線吸収剤を有する粉体、下記一般式(1)で表される化合物、及び酸化鉄を含む水中油型乳化組成物。
一般式(1)中、Rは炭素数2〜36でm価の炭化水素基を表し、R及びRは各々独立に炭素数1〜4で2価の炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は脂肪族環若しくは芳香環を含むh+1価の炭化水素基を表し、Rは2価の炭化水素基を表し、Rは水素原子又はヒドロキシ基を表す。mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnは括弧内の構造の繰り返し数を表し、各々独立に0〜1000の範囲の整数であり、k及びnの両方が0になることはない。
<2> 粉体における波長330nm〜500nmに極大吸収を有する有機紫外線吸収剤が、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを含む<1>に記載の水中油型乳化組成物。
<3> 一般式(1)で表される化合物の含有量が、水中油型乳化組成物の全量に対して0.5質量%以上である<1>又は<2>に記載の水中油型乳化組成物。
<4> 多価アルコール及びベタインからなる群より選択される少なくとも1種の水溶性化合物を更に含む<1>〜<3>のいずれか1に記載の水中油型乳化組成物。
<5> 水溶性化合物がベタインを含む<4>に記載の水中油型乳化組成物。
本発明によれば、長波長紫外線の吸収能及びその経時安定性に優れ、かつ、長期間に亘り色むらの発生が抑制される水中油型乳化組成物が提供される。
本発明の水中油型乳化組成物は、酸化チタンの表面の少なくとも一部に波長330nm〜500nmに極大吸収を有する有機紫外線吸収剤を有する粉体(A)、一般式(1)で表される化合物(B)、及び酸化鉄(C)を含む。
以降、「酸化チタンの表面の少なくとも一部に波長330nm〜500nmに極大吸収を有する有機紫外線吸収剤を有する粉体(A)」は「UV−A吸収性粉体(A)」と、「一般式(1)で表される化合物(B)」は「化合物(B)」と、略称して説明することがある。
長波長紫外線(UV−A)の吸収能の点では、酸化チタンの表面の少なくとも一部に波長330nm〜500nmに極大吸収を有する有機紫外線吸収剤を有する粉体(UV−A吸収性粉体(A))が有効であることが知られている。
しかしながら、波長330nm〜500nmに極大吸収を有する有機紫外線吸収剤は、一般に、水への溶解性が低い有機化合物であるため、これを表面に有するUV−A吸収性粉体(A)は、凝集性が高くなる傾向にある。そのため、UV−A吸収性粉体(A)を含む水中油型乳化組成物においては、UV−A吸収性粉体(A)が経時により凝集することで、長波長紫外線の吸収効率が低下して、長波長紫外線(UV−A)の吸収能の経時安定性が不十分となることがある。
一方、ファンデーション等のベースメークアップ化粧料において肌色の色調調整に用いる酸化鉄(C)を、UV−A吸収性粉体(A)と共存させると、UV−A吸収性粉体(A)の表面に存在する波長330nm〜500nmに極大吸収を有する有機紫外線吸収剤により、UV−A吸収性粉体(A)と酸化鉄(C)との粉体間でも凝集が生じることがある。そのため、UV−A吸収性粉体(A)と酸化鉄(C)とを含む水中油型乳化組成物においては、酸化鉄(C)の存在状態が不均一化し易く、色むらが発生することがある。
本発明では、UV−A吸収性粉体(A)、化合物(B)、及び酸化鉄(C)を含むことで、長波長紫外線(UV−A)の吸収能及びその経時安定性に優れ、且つ、長期間に亘り色むらの発生が抑制される水中油型乳化組成物を得ることができる。
この効果が得られる機構は明確ではなく、以下のように推測される。但し、本発明は、以下の推定理論には拘束されない。
化合物(B)は、主鎖にウレタン構造及び親水性のアルキレンオキシ基を有し、末端に疎水性の炭化水素基を有する、疎水性に変性されたウレタン系コポリマーである。この構造に起因して、化合物(B)は、UV−A吸収性粉体(A)と相互作用を形成し易く、UV−A吸収性粉体(A)自体の凝集を抑制し、更に、UV−A吸収性粉体(A)と酸化鉄(C)との凝集をも抑制すると考えられる。
その結果、UV−A吸収性粉体(A)による長波長紫外線(UV−A)の吸収能は、水中油型乳化組成物の調製直後から経時しても維持され、また、酸化鉄(C)の存在状態も不均一化し難くなり、長期間に亘り、色むらの発生を抑制しうるものと考えられる。
なお、UV−A吸収性粉体(A)と酸化鉄(C)とを含み、化合物(B)の代わりに、高分子分散剤(例えば、日油(株)のLipidure−PMB(登録商標)、旭化成ケミカルズ(株)のペリセア(登録商標)等)、低分子界面活性剤(例えば、PEG−20水添ひまし油及びレシチン等)、又は高分子増粘剤(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー等)を含む水中油型乳化組成物の場合、調製直後においては、十分な長波長紫外線(UV−A)の吸収能が得られ、色むらも発生しない。しかしながら、例えば、40℃の恒温槽に入れ1週間保存させた後の水中油型乳化組成物では、長波長紫外線(UV−A)の吸収能の低下が見られ、また、色むらも発生してしまうことが、本発明らの検討により明らかになった。
このことから、化合物(B)が、特異的に、UV−A吸収性粉体(A)を用いることに起因する、UV−A吸収性粉体(A)自体の凝集及びUV−A吸収性粉体(A)と酸化鉄(C)との凝集を抑制し、UV−A吸収性粉体(A)及び酸化鉄(C)の粉体分散性を効果的に維持させていると推測される。
本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において水中油型乳化組成物中の各成分の量は、水中油型乳化組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、水中油型乳化組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明において、水中油型乳化組成物における「水相」とは、溶媒の種類にかかわらず「油相」に対する語として使用する。
以下、本発明の水中油型乳化組成物に含まれる各成分について、詳細に説明する。
本発明の水中油型乳化組成物は、UV−A吸収性粉体(A)、化合物(B)、及び酸化鉄(C)を含む。
〔UV−A吸収性粉体(A)〕
本発明の水中油型乳化組成物は、UV−A吸収性粉体(A)、即ち、酸化チタンの表面の少なくとも一部に波長330nm〜500nmに極大吸収を有する有機紫外線吸収剤を有する粉体を含む。
以降、UV−A吸収性粉体(A)が含む「波長330nm〜500nmに極大吸収を有する有機紫外線吸収剤」を、「UV−A吸収剤(a)」と略称することがある。
−酸化チタン−
UV−A吸収性粉体(A)に含まれる酸化チタン(TiO)の結晶型は、アナタース、ルチル、ブルカイト等のいずれであってもよく、紫外線の遮蔽能の高さから、ルチル型であることが好ましい。
酸化チタンは、球状、板状、針状等の形状;煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径;多孔質、無孔質等の粒子構造;などは特に限定されない。
UV−A吸収性粉体(A)に含まれる酸化チタンは、1種単独であってもよいし、2種以上であってもよい
酸化チタンの平均一次粒子径は、紫外線の遮蔽能の点から、200nm以下であることが好ましく、水中油型乳化組成物の透明性、また、化粧料等に適用した場合の使用感の点から、1nm〜90nmであることが好ましく、5nm〜50nmであることがより好ましい。
ここで、酸化チタンの平均一次粒子径は、酸化チタンを分散後、透過型電子顕微鏡で1000個以上撮影し、撮影された個々の粒子を画像解析式粒度分布測定装置で画像処理を行い、円相当径を測定した平均値を採用することができるが、この測定方法に限定されるものではない。
酸化チタンとして市販品を用いる場合には、平均一次粒子径は、市販品のカタログデータを優先して採用することができる。
酸化チタンとしては、例えば、酸化チタンの表面活性を抑えるために、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム等の無機物の表面処理剤で表面処理された酸化チタン、ステアリン酸等の有機物の表面処理剤で表面処理された酸化チタンなども使用することができる。
更に、無機物の表面処理剤で表面処理された酸化チタン又は有機物の表面処理剤で表面処理された酸化チタンに、更に、シリコーン処理、脂肪酸処理、金属石鹸処理、フッ素処理等の疎水化処理、又はポリアクリル酸処理等の親水化処理を行って得られる酸化チタンも使用することができる。
−UV−A吸収剤(a)−
酸化チタンの表面の少なくとも一部に存在するUV−A吸収剤(a)は、波長330nm〜500nmに極大吸収を有することから、UV−Aのような長波長紫外線に対する吸収能を有する。
UV−A吸収剤(a)としては、製造適性の点から、常温常圧(20℃、1気圧)下で固体の有機紫外線吸収剤であることが好ましい。
UV−A吸収剤(a)の例としては、以下に示される有機紫外線吸収剤のうち、330nm〜500nmに極大吸収を有する化合物が挙げられる。
トリアジン系紫外線吸収剤(例えば、ビスレゾルシニルトリアジン、より具体的には、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン(2,4―ビス{〔4−(2−エチルヘキシルオキシ)―2−ヒドロキシ〕フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)1,3,5−トリアジン、オクチルトリアゾン(2,4,6―トリス{4−(2−エチルヘキシルオキシカルボニル)アニリノ}1,3,5−トリアジン、若しくは、2,4,6−トリアニリノ−p−(カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン、2−[2−ヒドロキシ−4−(2−エチルヘキシル)フェノキシ]−2H−ベンゾトリアゾール等;
安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル等);
アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等);
サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);
ケイ皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート等);
ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2−[4−(ジエチルアミノ)−2−ヒドロキシベンゾイル]安息香酸ヘキシルエステル(別名:ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル)、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);
2−フェニル−5−メチルベンゾオキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン;
フェニルアクリレート系紫外線吸収剤(例えば、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(別名:オクトクレリン)、2−エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート等);
ジベンゾイルメタン系紫外線吸収剤(例えば、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等);
カンファー誘導体(例えば、4−メチルベンジリデンカンファー、テレフタリリデンジカンファースルフォニックアシッド、3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー等);
フェニルベンゾトリアゾール誘導体(例えば、ヒドロキシ−(エチルヘキシル)フェノキシベンゾトリアゾール、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール等);
ベンザルマロネート誘導体(例えば、ジメチコベンザルマロネート等);
等が挙げられる。
中でも、UV−A吸収剤(a)としては、長波長紫外線(UV−A)の吸収能及び化粧料への適用容易性の点から、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル等が好ましい。
本発明においては、長波長紫外線(UV−A)の吸収能に優れる点、及びUV−A吸収性粉体(A)としての入手容易性の点から、UV−A吸収剤(a)としては、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンが特に好ましい。
UV−A吸収剤(a)の中には、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンをはじめとして、金属イオン等とキレート化する化合物がある。これらの化合物は、酸化チタンの表面において、例えば、表面処理剤として用いられるアルミニウムイオン等とキレート錯体を形成し、吸収波長が長波長化した状態で存在するものがある。酸化チタンの表面において長波長化したUV−A吸収剤(a)は、酸化鉄(C)と共存することで、キレート状態が経時的に変化することがある。その結果、長波長紫外線(UV−A)の吸収能が経時にて低下することがある。
本発明においては、上記のようなキレート状態の経時的な変化に起因する、長波長紫外線(UV−A)の吸収能の経時安定性の低下についても、化合物(B)の存在により抑制することができる。
−UV−A吸収性粉体(A)の好ましい態様−
UV−A吸収性粉体(A)は、酸化チタンの表面の少なくとも一部に、UV−A吸収剤(a)を有していればよい。長波長紫外線(UV−A)の吸収能の点からは、酸化チタンの表面の多くの領域にUV−A吸収剤(a)が存在することが好ましく、酸化チタンの表面全面にUV−A吸収剤(a)が存在することが更に好ましい。但し、本発明の効果を損なわない範囲において、酸化チタンの表面には、UV−A吸収剤(a)を有していない部分があってもよい。
酸化チタンの表面(酸化チタンが無機物又は有機物の表面処理剤で表面処理されている場合には、表面に配置されている無機物又は有機物)と、UV−A吸収剤(a)との結合様式は、UV−A吸収剤(a)と酸化チタンとが一体的に挙動する結合様式であれば特に制限はなく、共有結合等の化学結合であってもよく、吸着等の非化学結合であってもよい。
なお、酸化チタンの表面にUV−A吸収剤(a)が存在することは、UV−A吸収性粉体(A)に有機溶媒(エタノール等)を加えて攪拌し、上澄み液の355nm波長における吸光度を、分光光度計を用いて測定することにより確認することができる。
酸化チタンの表面とUV−A吸収剤(a)との結合様式は、以下のように表面層を設ける様式であってもよい。
即ち、UV−A吸収性粉体(A)は、例えば、酸化チタンの表面にUV−A吸収剤(a)を含む表面層を有する構造を有していてもよい。酸化チタンの表面の少なくとも一部にUV−A吸収剤(a)が存在する限り、表面層は一層であっても多層であってもよく、多層である場合には、UV−A吸収剤(a)が含まれない層が存在していてもよい。表面層は、酸化チタンの表面全体に存在することが好ましい。但し、本発明の効果を損なわない範囲で、酸化チタンの表面にはUV−A吸収剤(a)を含む表面層が存在しない部分があってもよい。
また、表面層は、脂肪酸及び水酸化アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を含むことが好ましい。例えば、UV−A吸収性粉体(A)は、酸化チタンの表面に、脂肪酸及び水酸化アルミニウムからなる群より選ばれる少なくとも1種を含む第1の表面層と、UV−A吸収剤(a)を含む第2の表面層と、をこの順に有する構造であってもよい。
UV−A吸収性粉体(A)において、酸化チタンとUV−A吸収剤(a)との比率は特に制限されない。紫外線の遮蔽能及び長波長紫外線(UV−A)の吸収能の点から、例えば、酸化チタン1質量部に対するUV−A吸収剤(a)は、0.03質量部〜1質量部とすることがよい。
UV−A吸収性粉体(A)の平均粒子径は、1μm未満であることが好ましい。UV−A吸収性粉体(A)の平均粒子径が1μm未満であれば、UV−A吸収性粉体(A)自体による水中油型乳化組成物の着色が抑えられ、水中油型乳化組成物をファンデーション等のベースメークアップ化粧料に適用した際の、所謂、白浮きも生じない傾向があると考えられる。UV−A吸収性粉体(A)の平均粒子径は、紫外線の遮蔽能、長波長紫外線(UV−A)の吸収能、及び化粧料等に適用した場合の使用感の点から、1nm〜500nmであることが好ましく、3nm〜100nmであることがより好ましい。
UV−A吸収性粉体(A)の平均粒子径は、前述の酸化チタンの平均一次粒子径と同様の方法により測定することができる。
本発明の水中油型乳化組成物に用いうるUV−A吸収性粉体(A)としては、例えば、国際公開第2010/098249号等に開示されたものを挙げることができる。
また、UV−A吸収性粉体(A)は、市販品としても入手可能である。
UV−A吸収性粉体(A)の市販品としては、テイカ(株)のHXMT−100ZA、HXLT−01、HXLT−02等を用いることができる。
なお、テイカ(株)のHXMT−100ZAは、酸化チタンの表面に、水酸化アルミニウム及びステアリン酸を含む第1の表面層と、4−tert−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタンを含む第2の表面層と、をこの順に有する構造である。
本発明の水中油型乳化組成物におけるUV−A吸収性粉体(A)の含有量は、求められる紫外線の遮蔽能及び長波長紫外線(UV−A)の吸収能の他、ファンデーション等のベースメークアップ化粧料に適用した場合であれば、使用感、白浮きの抑制等に応じて決定されればよい。
本発明の水中油型乳化組成物におけるUV−A吸収性粉体(A)の含有量は、例えば、水中油型乳化組成物の全量に対して、0.1質量%〜30質量%が好ましく、1質量%〜20質量%であることがより好ましく、3質量%〜15質量%であることが更に好ましい。
UV−A吸収性粉体(A)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
UV−A吸収性粉体(A)は、水中油型乳化組成物の油相又は水相に含まれる。水中油型乳化組成物を化粧料等に適用した場合の使用感(例えば、肌へ塗布した際のきしみの抑制等)の点から、UV−A吸収性粉体(A)は、油相に含まれていることが好ましい。
ここで、UV−A吸収性粉体(A)が油相に含まれるとは、UV−A吸収性粉体(A)が水中油型乳化組成物の油滴中に分散して存在することを意味する。UV−A吸収性粉体(A)が水相に含まれるとは、UV−A吸収性粉体(A)が水中油型乳化組成物の水相に分散していることを意味する。
水中油型乳化組成物がUV−A吸収性粉体(A)を油相に含む場合、例えば、シリコーン油(例えばシクロペンタシロキサン等)等を用いて、UV−A吸収性粉体(A)を含むスラリーを調製し、スラリーの形態で他の成分と配合してもよい。
スラリーにおけるUV−A吸収性粉体(A)の含有量は特に制限されず、水中油型乳化組成物にUV−A吸収性粉体(A)を安定に配合し易い点から、一般に、スラリーの全量に対して、10質量%〜80質量%とすることが好ましく、20質量%〜60質量%とすることがより好ましい。
〔化合物(B)〕
本発明の水中油型乳化組成物は、化合物(B)、即ち、下記一般式(1)で表される化合物を含む。
一般式(1)中、Rは炭素数2〜36でm価の炭化水素基を表し、R及びRは各々独立に炭素数1〜4で2価の炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は芳香環を有してもよいh+1価の炭化水素基を表し、Rは2価の炭化水素基を表し、Rは水素原子又はヒドロキシ基を表す。mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnは括弧内の構造の繰り返し数を表し、各々独立に0〜1000の範囲の整数であり、k及びnの両方が0になることはない。
化合物(B)は、一般式(1)から明らかなように、主鎖にウレタン構造及び親水性のアルキレンオキシ基を有し、末端に疎水性の炭化水素基を有する、疎水性に変性されたウレタン系コポリマーである。
一般式(1)中のRは、炭素数2〜36でm価の炭化水素基を表し、好ましくは2価〜8価の炭化水素基である。Rで表される炭化水素基は、その炭素原子−炭素原子間に酸素原子を含んでもよい。
一般式(1)中のR及びRは、各々独立に、炭素数1〜4で2価の炭化水素基を表し、好ましくは炭素原子数2〜4のアルキレン基である。
一般式(1)中のRは、ウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は脂肪族環若しくは芳香環を含むh+1価の炭化水素基を表し、好ましくは2価〜4価の炭化水素基であり、より好ましくは2価の炭化水素基である。Rで表される炭化水素基の炭素原子数としては1〜10が好ましい。
一般式(1)中のRは、2価の炭化水素基を表し、その炭素原子数は8〜36が好ましく、12〜24がより好ましい。Rで表される2価の炭化水素基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基から水素原子を1つ除いて得られる2価の基が挙げられ、中でも、アルキル基から水素原子を1つ除いて得られるアルキレン基が好ましい。
一般式(1)中のRは、水素原子又はヒドロキシ基を表す。
が水素原子である場合には、Rは、Rで表される2価の炭化水素基と共に末端基となる。
一般式(1)中のmは、Rで表される炭化水素基の価数と同じであり、2以上の整数である。
一般式(1)中のhは、Rで表される炭化水素基の価数−1であり、1以上の整数である。hは、好ましくは1〜3であり、より好ましくは1である。
一般式(1)中のkは、(O−R)構造の繰り返し数(重合度)であって、0〜1000の範囲の整数であればよい。
一般式(1)中のnは、(R−O)構造の繰り返し数(重合度)であって、0〜1000の範囲の整数であればよい。
なお、一般式(1)中、k及びnの両方が0になることはない。
[一般式(1−1)で表される化合物]
本発明では、一般式(1)で表される化合物として、下記一般式(1−1)で表される化合物(以降、化合物(B−1)と称する場合がある)が好ましい。
一般式(1−1)中、R11は炭素数2〜12でm1価の炭化水素基を表し、R12及びR14は各々独立に炭素数1〜4で2価の炭化水素基を表し、R13はウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は脂肪族環若しくは芳香環を含むh1+1価の炭化水素基を表し、R15は1価の炭化水素基を表す。m1は2以上の整数であり、h1は1以上の整数であり、k1及びn1は括弧内の構造の繰り返し数を表し、各々独立に0〜1000の範囲の整数であり、k1及びn1の両方が0になることはない。
ここで、一般式(1−1)中のR12、R13、R14、m1、h1、k1、及びn1は、一般式(1)中のR、R、R、m、h、k、及びnに相当し、定義は同じであり、中でも、好ましい態様は以下の通りである。
即ち、一般式(1−1)において、R11で表される炭化水素基の炭素数としては、2〜12であり、2〜4が好ましい。R11で表される炭化水素基は、鎖状又は分岐状の脂肪族炭化水素基であることが好ましく、鎖状の脂肪族炭化水素基であることがより好ましい。
13で表される炭化水素基は脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
m1は好ましくは2であり、h1は好ましくは1である。
k1としては、好ましくは1〜500の整数であり、より好ましくは100〜300の整数である。
n1としては、好ましくは1〜200の整数であり、より好ましくは10〜100の整数である。
また、一般式(1−1)中のR15は、一般式(1)中のRが水素原子である場合の「R−R」で表される基に相当し、好ましい例も同様である。
一般式(1−1)では、R15はアルキル基(つまり、一般式(1)中のRで表される2価の炭化水素基が分岐状のアルキレン基で、Rが水素原子である構造)であることが好ましい。
化合物(B−1)は、例えば、「R11−[(O−R12k1−OH]m1(ここで、R11、R12、k1、及びm1は上記の定義と同じ)」で表されるポリエーテルポリオールと、「R13−(NCO)h1+1(ここで、R13及びh1は上記の定義と同じ)」で表されるポリイソシアネートと、「HO−(R14−O)n1−R15(ここで、R14、R15、及びn1は上記の定義と同じ)」で表されるポリエーテルモノアルコールと、を反応させる方法により得られることが好ましい。
ここで、反応に用いる原料である、ポリエーテルポリオール、ポリイソシアネート、及びポリエーテルモノアルコールは、それぞれ、1種であってもよいし、2種以上であってもよい。
上記の方法にて化合物(B−1)を得る場合、一般式(1−1)中のR11〜R15で表される炭化水素基は、用いる3つの原料「R11−[(O−R12k1−OH]m1」、「R13−(NCO)h1+1」、及び「HO−(R14−O)n1−R15」により、それぞれ決定される。
上記3つの原料の仕込み比は、特に限定されるものでなく、例えば、ポリエーテルポリオール及びポリエーテルモノアルコール由来の水酸基と、ポリイソシアネート由来のイソシアネート基と、の比がNCO:OH=0.8:1〜1.4:1の範囲となることが好ましい。
「R11−[(O−R12k1−OH]m1で表されるポリエーテルポリオールは、m1価のポリオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキシド等を付加重合することにより得られる。
従って、化合物(B−1)の合成に用いられるm1価のポリオールの構造により、R11で表される炭化水素基が決定される。また、m1価のポリオールに付加重合させる、アルキレンオキシド等により、R12で表される炭化水素基が決定される。
ここで、ポリオールとしては、2価〜8価のものが好ましく、具体的には例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、ネオペンチルグリコール等の2価アルコール;グリセリン、トリオキシイソブタン、1,2,3−ブタントリオール、1,2,3−ペンタトリオール、2−メチル−1,2,3−プロパントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、2−エチル−1,2,3−ブタントリオール、2,3,4−ペンタントリオール、2,3,4−ヘキサントリオール、4−プロピル−3,4,5−ヘプタントリオール、2,4−ジメチル−2,3,4−ペンタントリオール、ペンタメチルグリセリン、ペンタグリセリン、1,2,4−ブタントリオール、1,2,4−ペンタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の3価アルコール;ペンタエリスリトール、1,2,3,4−ペンタンテトロール、2,3,4,5−ヘキサンテトロール、1,2,4,5−ペンタンテトロール、1,3,4,5−ヘキサンテトロール等の4価のアルコール;アドニット、アラビット、キシリット等の5価アルコール;ジペンタエリスリトール、ソルビット、マンニット、イジット等の6価アルコール;ショ糖等の8価アルコール等が挙げられる。
本発明においては、2価のアルコール、特に、エチレングリコールが好ましい。
また、上記したm1価のポリオールに付加重合させる、アルキレンオキシド等としては、特に入手が容易であり、優れた効果を発揮させるために、炭素原子数2〜4のアルキレンオキシドが好ましく、エチレンオキサイドが特に好ましい。
アルキレンオキシド等の付加重合の形態は、単独重合であってもよいし、2種以上を用いた共重合であってもよい。また、共重合の際には、ランダム重合であってもよいし、ブロック重合であってよい。なお、この付加重合の方法は通常の方法でよい。
重合度を示すk1は0〜1000の範囲であればよく、1〜500の範囲が好ましく、100〜300の範囲がより好ましい。
全R12に占めるエチレン基の割合は、全R12中の50質量%〜100質量%の範囲であることが好ましい。
「R11−[(O−R12k1−OH]m1の分子量は、500〜10万のものが好ましく、1000〜5万のものが特に好ましい。
「R13−(NCO)h1+1」で表されるポリイソシアネートは、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されない。
従って、化合物(B−1)の合成に用いられるポリイソシアネートにより、R13で表される炭化水素基が決定される。
本発明に用いられるポリイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、フェニルメタンのジ−、トリ−、テトライソシアネート等が挙げられる。本発明では、脂肪族ジイソシアネートが好ましい。
脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、メチレンジイソシアネート、ジメチレンジイソシアネート、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メトキシヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等が挙げられる。これらの中でも、本発明に用いられる脂肪族ジイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネートが好ましい。
芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、ジメチルベンゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネート、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナフタレンジイソシアネート、2,7−ナフタレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族ジイソシアネートとしては、例えば、水添キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等が挙げられる。
ビフェニルジイソシアネートとしては、例えば、ビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニルジイソシアネート、3,3’−ジメトキシビフェニルジイソシアネート等が挙げられる。
フェニルメタンのジイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,5,2’,5’−テトラメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシルビス(4−イソシオントフェニル)メタン、3,3’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジメトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、4,4’−ジエトキシジフェニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、2,2’−ジメチル−5,5’−ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジクロロジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ベンゾフェノン−3,3’−ジイソシアネート等が挙げられる。
フェニルメタンのトリイソシアネートとしては、例えば、1−メチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゼン−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,7−ナフタレントリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、3−メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4’’−トリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート等が挙げられる。
ポリイソシアネートとしては、上記のポリイソシアネートのダイマー、トリマー(イソシアヌレート結合)が用いられてもよく、また、上記のポリイソシアネートをアミンと反応させてビウレットとして用いてもよい。
更に、これらのポリイソシアネートとポリオールとを反応させたウレタン結合を有するポリイソシアネートも用いてもよい。ここで用いるポリオールとしては、2価〜8価のものが好ましく、前述のポリオールが好ましい。
なお、「R13−(NCO)h1+1」として、3価以上のポリイソシアネートを用いる場合は、上記のウレタン結合を有するポリイソシアネートが好ましい。
「HO−(R14−O)n1−R15」で表されるポリエーテルモノアルコールは、1価のアルコールのポリエーテルであれば特に限定されない。
このような化合物は、1価のアルコールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン等のアルキレンオキシド等を付加重合することにより得ることができる。
従って、化合物(B−1)の合成に用いる1価のアルコールにより、R15で表される炭化水素基が決定される。また、1価のアルコールに付加重合させる、アルキレンオキシド等により、R14で表される炭化水素基が決定される。
ここでいう1価のアルコールは、下記一般式(2)、(3)、又は(4)で表されるアルコールである。よって、R15は、下記一般式(2)〜(4)において水酸基を除いた基に相当する。
一般式(2):R−OH
一般式(3):R−CH(R)−R−OH
一般式(4):R−CH(R)−OH
上記一般式(2)〜(4)中、R、R、R、R、及びRは、各々独立に炭化水素基を表し、具体的には例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等の炭化水素基が挙げられる。
アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、イソステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシル、トリアコンチル、2−オクチルドデシル、2−ドデシルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モノメチル分岐−イソステアリル等が挙げられる。
アルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。
アルキルアリール基としては、例えば、トルイル、キシリル、クメニル、メシチル、エチルフェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチルフェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル等が挙げられる。
シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メチルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が挙げられる。
一般式(3)中、Rは2価の炭化水素基を表し、具体的には例えば、アルキレン基、アルケニレン基、アルキルアリーレン基、シクロアルキレン基、シクロアルケニレン基等が挙げられる。
これらの炭化水素基としては、前に挙げられた、アルキル基、アルケニル基、アルキルアリール基、シクロアルキル基、及びシクロアルケニル基からそれぞれ水素原子を1つ除いてなる、アルキレン基、アルケニレン基、アルキルアリーレン基、シクロアルキレン基、及びシクロアルケニレン基が挙げられる。
また、上記した1価のアルコールに付加重合させる、アルキレンオキシド等としては、特に入手が容易であり、優れた効果を発揮させるために、炭素原子数2〜4のアルキレンオキシドが好ましく、エチレンオキサイドが特に好ましい。
アルキレンオキシド等の付加重合の形態は、単独重合であってもよいし、2種以上を用いた共重合であってもよい。また、共重合の際には、ランダム重合であってもよいし、ブロック重合であってよい。なお、この付加重合の方法は通常の方法でよい。
重合度を示すn1は0〜1000の範囲であればよく、1〜200の範囲が好ましく、10〜200の範囲がより好ましい。
また、全R14に占めるエチレン基の割合は、全R14の50質量%〜100質量%の範囲が好ましく、65質量%〜100質量%の範囲がより好ましい。
化合物(B−1):一般式(1−1)で表される化合物を製造する方法としては、通常のポリエーテルとイソシアネートとの反応と同様にして、例えば、80〜90℃で1〜3時間加熱し、反応せしめて得ることができる。
「R11−[(O−R12k1−OH]m1」で表されるポリエーテルポリオール(a)と、「R13−(NCO)h1+1」で表されるポリイソシアネート(b)と、「HO−(R14−O)n1−R15」で表されるポリエーテルモノアルコール(c)と、を反応させる場合には、一般式(1−1)で表される化合物(コポリマー)以外のものも副生することがある。
例えば、ジイソシアネートを用いた場合、主生成物としては、一般式(1−1)で表されるc−b−a−b−c型のコポリマーが生成するが、その他、c−b−c型、c−b−(a−b)−a−b−c型等のコポリマーが副生することがある。
この場合、一般式(1−1)で表されるc−b−a−b−c型のコポリマーを分離することなく、このコポリマーを含む混合物の状態で、本発明の水中油型乳化組成物に使用してもよい。
本発明に用いる化合物(B−1)としては、特開平9−71766号公報に挙げられた化合物が好適に用いられる。
本発明では、化合物(B−1)として、特に、PEG−240/デシルテトラデセス−20/ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)コポリマーが好適である。
かかるコポリマーとしては、市販品を用いてもよく、例えば、(株)ADEKAの「アデカノールGT−700」が挙げられる。
[一般式(1−2)で表される化合物]
本発明では、一般式(1)で表される化合物として、下記一般式(1−2)で表される化合物(以降、化合物(B−2)と称する場合がある)が好ましい。
一般式(1−2)中、R21は炭素数6〜36でm2価の飽和炭化水素基を表し、R22は、メチルジフェニレン基、ヘキサメチレン基、メチルジシクロヘキシレン基、3−メチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシレン基、ジメチルフェニレン基、又はトリレン基を表し、R23は水素原子又はメチル基を表す。n2は90〜900の整数を表し、m2は1〜5の整数を表す。
ここで、R21としては、炭素数6〜36の飽和炭化水素基であることが望ましく、中でも、炭素数6〜36の直鎖アルキル基又は分岐アルキル基が好ましい。
化合物(B−2)は、「H−(O−CHR23CHn2−OH(ここで、R23及びn2は上記の定義と同じ)」で表されるポリアルキレンオキシド化合物と、「HO−R21(ここで、R21は上記の定義と同じ)」で表される1価の疎水性アルコールと、「R22<(NCO)(ここで、R22は上記の定義と同じ)」で表されるジイソシアネート化合物と、を原料として、これらを反応させることにより得られる。
「H−(O−CHR23CHn2−OH」で表されるポリアルキレンオキシド化合物としては、具体的には、ポリエチレレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド(好ましくは、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体)等が挙げられる。
これらのポリアルキレンオキシド化合物の中でも、好ましくはエチレンオキシド基を70質量%以上含有するポリアルキレンオキシド化合物であり、より好ましくはエチレンオキシド基を95質量%以上有するポリアルキレンオキシド化合物である。
「HO−R21」で表される1価の疎水性アルコールとしては、水への溶解性が0.4質量%以下の範囲にあるアルコールが好ましく、具体的には、例えば、ヘキシルアルコール、ヘプチルアルコール、オクチルアルコール、ノニルアルコール、デシルアルコール、ウンデシルアルコール、ドデシルアルコール、トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、オクタデシルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキルアルコール、2−オクチルドデカノール、及びベヘニルアルコール等が挙げられ、セチルアルコール、及びベヘニルアルコールが好ましい。
これらの1価の疎水性アルコールは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
1価の疎水性アルコールは、ポリアルキレンオキシド化合物1モルに対して、0.2モル〜1.0モルの割合で使用することが好ましく、0.25モル〜0.70モルの割合で使用することがより好ましい。
「R22<(NCO)」で表されるジイソシアネート化合物として具体的には、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(HMDI)、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,8−ジメチルベンゾール−2,4−ジイソシアネート及び2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)等が挙げられる。
これらのジイソシアネート化合物の中でも、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(HMDI)及び1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)が好ましい。
これらのジイソシアネート化合物は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ジイソシアネート化合物は、ポリアルキレンオキシド化合物と1価の疎水性アルコール化合物の末端水酸基の合計モル数([−OH]のモル数)1モルに対して、ジイソシアネート化合物が有するイソシアネート基のモル数([−NCO]のモル数)で0.67モル〜0.91モルの割合で使用することが好ましく、0.70モル〜0.90モルの割合で使用することが好ましい。
上記した、ポリアルキレンオキシド化合物と1価の疎水性アルコールとジイソシアネート化合物とを反応させる方法としては、例えば、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド等の反応溶媒に溶解や分散させて反応させる方法;固体を粉末状に粉砕(粉末状)もしくは液状に溶融して両者を均一に混合した後、所定の温度に加熱して反応させる方法等が挙げられる。
化合物(B−2)の合成方法としては、特開2013−116941号公報の段落〔0049〕〜〔0051〕に記載された方法が好適に用いられる。
本発明では、化合物(B−2)としては、ビスステアリルPEG/PPG−8/6(メチレンジフェニルジイソシアネート/PEG−400) コポリマーが好ましい。
かかるコポリマーとしては、市販品を用いてもよく、例えば、住友精化(株)の「アクペック HU タイプC」が挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物における化合物(B)の含有量は、UV−A吸収性粉体(A)自体の凝集及びUV−A吸収性粉体(A)と酸化鉄(C)との凝集を抑制する点から、水中油型乳化組成物の全量に対して、0.5質量%以上であることが好ましく、0.8質量%以上であることがより好ましく、1.0質量%以上であることが更に好ましい。
また、本発明の水中油型乳化組成物を、リキッドファンデーション、ゲル状ファンデーションに適用した際の垂れ難さを得る点からは、化合物(B)の含有量は、1.2質量%以上であることが好ましい。
一方、本発明の水中油型乳化組成物の塗布性等の点からは、化合物(B)の含有量は、2.0質量%以下が好ましく、1.75質量%以下がより好ましく、1.5質量%以下が更に好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物における化合物(B)の含有量は、例えば、0.5質量%〜2.0質量%の範囲が好ましく、0.8質量%〜2.0質量%の範囲がより好ましく、1.0質量%〜1.75質量%の範囲が更に好ましく、1.2質量%〜1.5質量%の範囲が特に好ましい。
化合物(B)は、1種単独で用いてもよいし、2種以上で用いてもよい。
〔酸化鉄(C)〕
本発明の水中油型乳化組成物は、酸化鉄(C)を含む。
酸化鉄(C)は、色調調整に用いられる成分であって、特に、本発明の水中油型乳化組成物をファンデーション等のベースメークアップ化粧料に適用する際の、肌色の色調調整に用いられる。
酸化鉄(C)としては、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及び黄色酸化鉄等が挙げられる。
酸化鉄(C)は、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及び黄色酸化鉄からなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましく、肌色の調整のためには、赤色酸化鉄、黒色酸化鉄、及び黄色酸化鉄を合わせて用いることがより好ましい。
酸化鉄(C)の好ましい形状としては、球状又は針状が挙げられる。
酸化鉄(C)の平均粒子径としては、数十nm以上数百nm以下が好ましい。
ここで、酸化鉄(C)の平均粒子径は、測定対象となる酸化鉄(C)を含む所定の濃度の溶媒分散物を調製して、市販のレーザー光散乱の原理に基づく種々の測定機器(例えば、レーザー回折散乱式粒度分布測定器LMS−30((株)セイシン企業))により測定することができるが、この測定方法に限定されるものではない。
また、後述の市販品を用いる場合には、平均粒子径は、市販品のカタログデータを優先して採用することができる。
酸化鉄(C)としては、市販品を用いてもよい。
酸化鉄(C)の市販品としては、大東化成工業(株)のOTS−2 RED R−516L(赤色酸化鉄)、OTS−2 BLACK BL−100(黒色酸化鉄)、OTS−2 YELLOW LLXLO(黄色酸化鉄)等が挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物における酸化鉄(C)の含有量は、水中油型乳化組成物の用途に応じて、適宜決定されればよく、肌色の色調調整の点からは、水中油型乳化組成物の全量に対して、0.1質量%以上が好ましく、0.5質量%以上がより好ましく、0.8質量%以上が更に好ましい。
また、本発明の水中油型乳化組成物の透明感を損なわない点からは、酸化鉄(C)の含有量は、水中油型乳化組成物の全量に対して、10質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物における酸化鉄(C)の含有量は、例えば、0.1質量%〜10質量%の範囲が好ましく、0.5質量%〜5質量%の範囲がより好ましく、0.8質量%〜5質量%の範囲が更に好ましい。
〔その他の成分〕
本発明の水中油型乳化組成物は、上述した、UV−A吸収性粉体(A)、化合物(B)、及び酸化鉄(C)以外のその他の成分を含んでいてもよい。
つまり、以下に示すその他の成分は、本発明における、UV−A吸収性粉体(A)、化合物(B)、及び酸化鉄(C)には該当しない成分である。
以下、その他の成分について、説明する。
[多価アルコール及びベタイン]
本発明の水中油型乳化組成物は、多価アルコール及びベタインからなる群より選択される少なくとも1種の水溶性化合物を含むことが好ましい。
この水溶性化合物を用いることで、本発明の水中油型乳化組成物を化粧料等に適用した場合の使用感(特に、伸びのよさ、保湿感)の向上が図られる。
本発明においては、上記の水溶性化合物は、常温常圧下で液体の化合物であることが好ましい。
−多価アルコール−
多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、1,3−ブチレングリコール(BG)、エチレングリコール、ポリエチレンオキシド(PEO)、又は、多糖類、例えば、還元水あめ、ショ糖、エリスリトール、キシリトール、グルコース、ガラクトース、ソルビトール、マルトトリオース、トレハロース等を挙げることができる。
中でも、本発明の水中油型乳化組成物に、伸びの良さ及び保湿感を効果的に付与する点から、多価アルコールとしては、グリセリン、1,3−ブチレングリコール(BG)等が好ましい。
−ベタイン−
ベタインは、以下に示す構造を有するトリメチルグリシンであり、グリシンベタイン、無水ベタインと称されることもある。
ベタインは多くの生体内に存在する有機化合物である。
ベタインは、例えば、テンサイ糖蜜から抽出、精製することで得ることができる。
ベタイン(トリメチルグリシン)は市販品としても入手可能である。
ベタインの市販品としては、例えば、旭化成ケミカルズ(株)のアミコート(商品名)、恵比須化学工業(株)のBetafinBP(商品名)などが挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物において、多価アルコール及びベタインからなる群より選択される少なくとも1種の水溶性化合物の含有量は、伸びの良さ及び保湿感を付与する点から、水中油型乳化組成物の全量に対して、1質量%〜20質量%とすることが好ましく、5質量%〜15質量%であることがより好ましく、8質量%〜12質量%であることが更に好ましい。
多価アルコール及びベタインからなる群より選択される少なくとも1種の水溶性化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上で用いてもよい。
本発明の水中油型乳化組成物は、被塗布物へ塗布した後、水が蒸発した際(乾燥時)に、化合物(B)自体が凝集することがあり、この化合物(B)自体の凝集により、色むらが発生することがある。上記の水溶性化合物としてベタインを含むことにより、化合物(B)自体の凝集を抑制することができ、被塗布物へ塗布した後、乾燥時に発生する色むらを抑制しうると考えられる。
特に、多価アルコール及びベタインからなる群より選択される少なくとも1種の水溶性化合物の全量に対するベタインの含有量は、10質量%〜100質量%が好ましく、20質量%〜80質量%がより好ましい。
[水]
本発明の水中油型乳化組成物は、水を含む水中油型乳化組成物であることが好ましい。
ここで用いられる水としては、水中油型乳化組成物に適用しうる水であれば特に制限はなく、精製水、蒸留水、イオン交換水、純水、ミリQ水等の超純水のいずれも使用することができる。
なお、ミリQ水とは、メルク(株)の超純水製造装置であるミリQ水製造装置により得られる超純水である。
本発明の水中油型乳化組成物における水の含有量は、水中油型の形態を得る点から、水中油型乳化組成物の全量に対して、40質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましい。また、本発明の水中油型乳化組成物中の水の含有量は、99質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。
なお、水中油型乳化組成物において、水は水相を構成する成分の1つとなる。
[その他の粉体]
本発明の水中油型乳化組成物は、UV−A吸収性粉体(A)及び酸化鉄(C)以外に、色材粉体や、体質顔料、パール顔料等の顔料を含有することが好ましい。
−色材粉体−
本発明における色材粉体とは、水中油型乳化組成物の色調の調整に寄与し、かつ、UV−A吸収性粉体(A)、酸化鉄(C)、後述するパール顔料以外の顔料を意味する。
色材粉体の例としては、酸化チタン(顔料級酸化チタンを含む)、酸化亜鉛等の白色顔料、赤色226号、黄色4号、黄色5号、黄色401号等の法定色素、顔料が無機物中にインターカレーションされた複合顔料などが挙げられる。
白色顔料として含まれる酸化チタン、酸化亜鉛等は、シミやソバカス等の隠蔽剤、紫外線散乱剤としての機能を有していてもよい。
特に、顔料級酸化チタンは、平均粒子径が0.1μm以上0.5μm以下の酸化チタン粒子であり、可視光を効率良く散乱するため、毛穴、シワ等の肌表面の凹凸の補正効果の発現のために、好ましく用いられる。
色材粉体の形状としては、白色顔料では、球形が好ましく用いられる。
色材粉体の平均粒子径としては、例えば、顔料級酸化チタン以外の白色顔料では、十数nm以上数十nm以下が好ましい。
白色顔料の平均粒子径は、酸化鉄(C)の平均粒子径と同様にして測定することができる。
本発明の水中油型乳化組成物における色材粉体の含有量は、特に限定されるものではなく、用途に応じて目的とする色調が得られるよう適宜決定されればよい。
色材粉体の含有量としては、水中油型乳化組成物の全量に対して、0.1質量%以上30質量%以下であることが好ましく、1質量%以上25質量%以下であることがより好ましい。
色材粉体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上で用いてもよい。
−体質顔料−
本発明における体質顔料とは、色調の調整に実質的に寄与しない顔料を意味する。
体質顔料の例としては、マイカ、合成マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、無水珪酸、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等が挙げられる。
体質顔料としては、市販品を用いることもでき、例えば、SERICITE FSE(三信鉱工(株))、TAL JA−46R(浅田製粉(株))、合成金雲母PDMシリーズ(トピー工業(株))、OTS−2 SERICITE FSE、OTS−2 TAL JA−46R(以上、大東化成工業(株))、合成金雲母PDMシリーズ(トピー工業(株))等が挙げられる。
体質顔料の平均粒子径は、平均一次粒子径が1μm以上100μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以上80μm以下である。
体質顔料の平均粒子径は、酸化鉄(C)の平均粒子径と同様にして測定することができる。
本発明の水中油型乳化組成物における体質顔料の含有量は、特に限定されるものではなく、例えば、水中油型乳化組成物の全量に対して、1質量%以上20質量%以下が好ましい。
体質顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上で用いてもよい。
−パール顔料−
本発明におけるパール顔料とは、色相の調整に寄与し、且つ真珠光沢を有する顔料を意味する。
パール顔料の例としては、酸化チタン被覆雲母(雲母チタン)、酸化チタン被覆ガラスフレーク、酸化チタン被覆タルク等が挙げられる。また、酸化チタンの被覆層が複数積層されたもの、酸化チタンの被覆と酸化シリコンの被覆層とが積層されたもの等も好ましく用いることができる。
パール顔料としては、市販品を用いることもでき、例えば、ロナフレアバランス ゴールド、トランスプリズマーレッド、ティミロン スーパーシルク MP−1005(以上、メルク(株))、フラメンコシリーズ(BASFジャパン(株))等が挙げられる。
パール顔料としては、肌色のつながり(観察角度によって肌色の濃度変化が大きくならないようにすること)の点から、赤色パール顔料及び金色パール顔料から選択された少なくとも1種であることがより好ましく、2種以上の混合物とすることがより好ましい。
パール顔料の平均粒子径は、0.5μm以上100μm以下であることが好ましく、より好ましくは1μm以上80μm以下である。
パール顔料の平均粒子径は、酸化鉄(C)の平均粒子径と同様にして測定することができる。
本発明の水中油型乳化組成物におけるパール顔料の含有量は、特に限定されるものではなく、例えば、水中油型乳化組成物の全量に対して、0.5質量%以上10質量%以下であることが好ましく、1質量%以上7質量%以下であることがより好ましい。
パール顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上で用いてもよい。2種以上で用いる場合、パール顔料全体が示す反射色の色相角が40°〜80°の範囲になる比率で配合することが好ましい。
[油剤]
本発明の水中油型乳化組成物は、油剤を含むことが好ましい。
油剤としては、例えば、シリコーン油(例えば、ジメチコン、シクロペンタシロキサンなど)、流動パラフィン、ワセリン、パラフィンワックス、スクワラン、ミツロウ、カルナウバロウ、オリーブ油、ラノリン、高級アルコール、脂肪酸、高級脂肪酸、エステル油(例えば、パルミチン酸エチルヘキシル、トリ(カプリル/カプリン酸)グリセリルなど)、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、キャンデリラロウ、ジグリセライド、トリグリセライド、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン、ホホバ油、ミリスチン酸オクチルドデシル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール等の化粧料に汎用される油分が挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物における油剤の総含有量は、水中油型乳化組成物の全量に対して、3質量%以上30質量%以下が好ましく、5質量%以上25質量%以下がより好ましい。
油剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上で用いてもよい。
[紫外線吸収剤及び紫外線散乱剤]
本発明の水中油型乳化組成物は、目的の紫外線の遮断能を得るために、UV−A吸収性粉体(A)以外の紫外線吸収剤及び紫外線散乱剤を含んでいてもよい。
紫外線吸収剤としては、UV−A吸収性粉体(A)の欄にて記載した有機紫外線吸収剤として挙げた化合物を用いることができる。
また、紫外線吸収剤としては、例えば、フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸及びその塩、フェニレンビスベンゾイミダゾールテトラスルホン酸及びその塩等のベンゾイミダゾール系紫外線吸収剤;ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2,2−(1,4−フェニレン)ビス−(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸)等を用いてもよい。
紫外線散乱剤としては、その他の粉体の欄にて記載した酸化チタン等の白色顔料を用いることができる。但し、高い紫外線拡散能を有する点から、平均粒子径が、十数nm以上数十nm以下である、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛等が好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物において、UV−A吸収性粉体(A)以外の紫外線吸収剤及び紫外線散乱剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲において決定されればよく、例えば、水中油型乳化組成物の全量に対して、0.5質量%〜15質量%が好ましく、1質量%〜10質量%がより好ましい。
[その他の添加剤]
本発明の水中油型乳化組成物は、上記したその他の成分以外に、本発明の効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて、その他の添加剤を含有することができる。
その他の添加剤としては、例えば、化粧料に汎用される添加剤が挙げられる。
具体的には、化粧料に使用した際に有用な美容効果(例えば、保湿効果、美白効果、整肌効果等)を示す機能性成分が挙げられる。このような機能性成分としては、例えば、イソノナン酸トリイソデシル等のエモリエント剤;トコフェロール、トコトリエノール等のビタミンEをはじめとするビタミン;コエンザイムQ10等のユビキノン;ヒアルロン酸等の多糖類;セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド5、セラミド6等の活性セラミド;グルコシルセラミド、ガラクトシルセラミド等のスフィンゴ糖脂質;加水分解コラーゲン、水溶性コラーゲン等のコラーゲン;アセチルヒドロキシプロリン等のアミノ酸、加水分解シロバナル−タンパク;アスタキサンチン、リコピン等のカロテノイドなどが挙げられる。
その他には、例えば、生薬、消炎剤、殺菌剤、制菌剤等の化粧料に汎用される薬剤、乳化剤、乳化安定剤、防腐剤、酸化防止剤、粉体以外の色素、増粘剤、pH調整剤、緩衝剤、香料、無機塩又は有機酸塩、キレート剤、有機溶剤などが挙げられる。
〔水中油型乳化組成物の形態及び用途〕
本発明の水中油型乳化組成物の形態は、上述した、UV−A吸収性粉体(A)、化合物(B)、及び酸化鉄(C)を含んでいれば、特に限定されず、適用用途に応じて、適宜選択されればよい。
特に、化合物(B)がゲル化剤として機能することから、本発明の水中油型乳化組成物は、ゲル状の形態とすることが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物がゲル状である場合、その硬度(25℃における硬度)は、5g以上であることが好ましく、被塗布物へと塗布した際の被塗布物上での垂れ難さの点からは、10g以上がより好ましく、20g以上が更に好ましく、30g以上が特に好ましい。
なお、被塗布物へと塗布した際の伸ばし易さの点からは、本発明の水中油型乳化組成物の硬度は100g以下が好ましく、70g以下がより好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物の硬度の測定方法については特に限定されないが、本明細書においては、レオメーター(FUDOH REHOMETER、(株)レオテック)を用い、本発明の水中油型乳化組成物に対して、測定温度25℃の条件下、60mm/分の速度で、直径20mmのアダプターの先端を2kgの荷重で20mm挿入したときに測定される応力のピーク値(単位:g)を指す。
本発明の水中油型乳化組成物としては、特に、肌色の色調を有する、化粧料、医薬品等の皮膚外用剤として用いることができる。
特に、本発明の水中油型乳化組成物は、ベースメークアップ化粧料(リキッドファンデーション、クリームファンデーション、ゲル状ファンデーション等のファンデーション、化粧下地、BBクリームなど)、ボティ用化粧料等に好適である。
しかしながら、本発明の水中油型乳化組成物は、これらの用途に制限されるものではない。
〔製造方法〕
本発明の水中油型乳化組成物は、目的とする形態に応じて製造方法が選択される。
例えば、本発明の水中油型乳化組成物は、以下の方法にて調製されることが好ましい。
本発明の水中油型乳化組成物の好ましい製造方法は、UV−A吸収性粉体(A)及び酸化鉄(C)を含む粉体成分を用いて油相組成物を調製し、得られた油相組成物と、化合物(B)を含む水相組成物と、を混合し、乳化して乳化物を得る方法である。
油性組成物には、UV−A吸収性粉体(A)及び酸化鉄(C)以外の粉体の他、油剤、有機紫外線吸収剤等が含まれることが好ましい。
水性組成物には、化合物(B)の他、水、多価アルコール、ベタイン等が含まれることが好ましい。
また、本発明の水中油型乳化組成物の製造方法に適用される乳化方法は特に限定されるものではなく、従来の公知の乳化方法を適用することができる。
製造された水中油型乳化組成物における油相と水相との比率は、特に限定されるものではなく、質量基準で、油相/水相として、2/98〜60/40が好ましく、5/95〜50/50がより好ましく、10/90〜50/50が更に好ましい。
以下、本発明を実施例にて詳細に説明する。しかしながら、本発明はそれらに何ら限定されるものではない。
[実施例1〜実施例13、比較例1〜比較例8]
表1及び表2に示す各成分を、表1及び表2に記載の含有量(水中乳化組成物の全量に対する含有割合:質量基準)で用いて、油相組成物及び水相組成物を調製し、得られた油相組成物及び水相組成物を用いて常法により乳化を行い、水中油型乳化組成物を得た。
具体的には、以下のようにして、水中油型乳化組成物を得た。
−実施例1〜実施例3、実施例5〜10−
まず、UV−A吸収性粉体(A)、酸化鉄(C)、及びその他の粉体を含む粉体成分を混合し、予備分散した。
油剤(油剤が複数種であればこれの混合物)に、予備分散した粉体成分を添加して、ディスパーで分散し、油相組成物を得た。
一方、化合物(B)、多価アルコール、及び水を混合し、水相組成物を得た。
得られた油相組成物と水相組成物とを混合し、せん断力の付与及び攪拌を行い、水中油型乳化組成物を得た。
−実施例4−
水相組成物を得る際、その他の成分として「(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー」を更に用いた以外は、実施例1の水中油型乳化組成物の製造と同様にして、実施例4の水中油型乳化組成物を得た。
−実施例11及び実施例12−
油相組成物を得る際、有機紫外線吸収剤を更に用いた以外は、実施例1の水中油型乳化組成物の製造と同様にして、実施例11及び実施例12の水中油型乳化組成物を得た。
−実施例13−
水相組成物を得る際、多価アルコール及びベタインを用いなかった以外は、実施例1の水中油型乳化組成物の製造と同様にして、実施例13の水中油型乳化組成物を得た。
−比較例1−
粉体成分として、UV−A吸収性粉体(A)を用いなかった以外は、実施例1の水中油型乳化組成物の製造と同様にして、比較例1の水中油型乳化組成物を得た。
−比較例2−
粉体成分として、酸化鉄(C)を用いなかった以外は、実施例1の水中油型乳化組成物の製造と同様にして、比較例2の水中油型乳化組成物を得た。
−比較例3−
水相組成物を得る際、化合物(B)を用いなかった以外は、実施例1の水中油型乳化組成物の製造と同様にして、比較例3の水中油型乳化組成物を得た。
−比較例4及び比較例5−
水相組成物を得る際、化合物(B)の代わりに「Lipidure PMB(登録商標)」又は「ペリセア(登録商標) L−30」を用いた以外は、実施例1の水中油型乳化組成物の製造と同様にして、比較例4及び比較例5の水中油型乳化組成物を得た。
−比較例6−
粉体成分として、UV−A吸収性粉体(A)の代わりに微粒子酸化チタンを用い、油相組成物を得る際、有機紫外線吸収剤として「4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン」を更に用いた以外は、実施例1の水中油型乳化組成物の製造と同様にして、比較例6の水中油型乳化組成物を得た。
−比較例7及び比較例8−
水相組成物を得る際、化合物(B)の代わりに「PEG−20水添ひまし油及びレシチン」又は「(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー」を用いた以外は、実施例1の水中油型乳化組成物の製造と同様にして、比較例7及び比較例8の水中油型乳化組成物を得た。
[評価]
上記で得られた実施例1〜実施例13、比較例1〜比較例8の水中油型乳化組成物から分取した各試験試料を用いて、以下の評価を行った。
評価結果を表1及び表2にあわせて示す。
(1)UV−A吸収能
ISO24443のin vitro測定方法に基づき、実施例1〜実施例13、比較例1〜比較例8の各試験試料32.5mgを、PMMAプレート(HELIOPLATE HD6)に均一な厚みに塗布し測定試料を作製した。なお、測定試料はそれぞれ2サンプルずつ作製した。
この測定試料について、SPFアナライザー(Labsphere社のUV−2000S)を用いて、波長400nmにおける透過率を測定し、UV−Aの吸収能の指標とした。また、透過率の値は、2つのサンプルをそれぞれ5箇所(n=5)ずつ測定し、その平均値とした。
波長400nmにおける透過率の値が小さいほど、その波長における光の透過率が低く、UV−A(長波長紫外線)の吸収能に優れることを示す。
評価指標は以下の通りである。
A:波長400nmにおける透過率が40%未満
B:波長400nmにおける透過率が40%以上70%未満
C:波長400nmにおける透過率が70%以上90%未満
D:波長400nmにおける透過率が90%以上
なお、調製した直後の水中油型乳化組成物から分取した各試験試料について上記の評価を行った結果を「UV−A吸収能(フレッシュ)」とし、また、調製後の水中油型乳化組成物を40℃の恒温槽にて1週間保存して、加速試験を行い、その後分取した各試験試料について上記の評価を行った結果を「UV−A吸収能(経時)」とした。
(2)色むら
5名の専門評価者に、各試験試料0.2gを手にとり、顔に塗布し、塗布した箇所の肌色について、判断してもらった。
専門評価者が、「肌色にむらがない」と感じた場合には「4」と採点し、「肌色にわずかなむらが見られる」と感じた場合には「3」と採点し、「肌色にややむらが見られる」と感じた場合には「2」と採点し、「肌色のむらが目立つ」と感じた場合には「1」と採点してもらった。
各専門評価者の採点結果を平均した数値を、色むらの評価結果とした。
色むらの評価基準は以下の通りである。
A:3.5以上
B:3.0以上3.5未満
C:2.0以上3.0未満
D:2.0未満
なお、調製した直後の水中油型乳化組成物から分取した各試験試料について上記の評価を行った結果を「色むら(フレッシュ)」とし、また、調製後の水中油型乳化組成物を40℃の恒温槽にて1週間保存して、加速試験を行い、その後分取した各試験試料について上記の評価を行った結果を「色むら(経時)」とした。
(3)垂れ難さ
5名の専門評価者に、各試験試料0.2gを手にとり、顔に塗布した後、肌上での垂れ難さについて、判断してもらった。
専門評価者が、「とても垂れ難い」と感じた場合には「4」と採点し、「垂れ難い」と感じた場合には「3」と採点し、「やや垂れ易い」と感じた場合には「2」と採点し、「とても垂れ易い」と感じた場合には「1」と採点してもらった。
各専門評価者の採点結果を平均した数値を、垂れ難さの評価結果とした。
垂れ難さの評価基準は以下の通りである。
A:3.5以上
B:3.0以上3.5未満
C:2.0以上3.0未満
D:2.0未満
(4)硬度の測定
各試験試料50gをガラス容器に入れ、キャップをした状態で、25℃で24時間保存した。この25℃で24時間保存した後の各試験試料の硬度を、レオメーター(機種名:FUDOH REHOMETER、(株)レオテック)を用いて測定した。
具体的には、各試験試料に対して、測定温度25℃の条件下、60mm/分の速度で、直径20mmのアダプターの先端を2kgの荷重で20mm挿入したときに測定される応力のピーク値を、硬度の測定値(単位:g)とした。
〔成分の詳細について〕
(UV−A吸収性粉体(A))
・粉体:HXMT−100ZA(4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを16.8質量%含有、平均一次粒子径:10μm)、テイカ(株)
・スラリー:上記粉体:HXMT−100ZAをシクロペンタシロキサンに加え、ディスパーで分散した分散液(分散剤なし、HXMT−100ZAの含有率40質量%)
(化合物(B))
・PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート) コポリマー:アデカノールGT−700、ADEKA(株)
・ビスステアリルPEG/PPG−8/6(SMDI(メチレンジフェニルジイソシアネート)/PEG−400) コポリマー:アクペック HU タイプC、住友精化(株)
(酸化鉄(C))
・黄色酸化鉄:OTS−2 YELLOW LLXLO、大東化成(株)
・赤色酸化鉄:OTS−2 RED R−516L、大東化成(株)
・黒色酸化鉄:OTS−2 BLACK BL−100、大東化成(株)
(有機紫外線吸収剤)
・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル:ユビナール(登録商標)A Plus Glanular、BASFジャパン(株)
(多価アルコール)
・BG(1,3−ブチレングリコール):1.3ブタンジオール、ダイセル製
(その他の成分)
・PEG−20水添ひまし油:NIKKOL(登録商標) HCO−20、日光ケミカルズ(株)
・レシチン:レシオンP、大豆由来、理研ビタミン(株)
・(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10−30))クロスポリマー:カーボポール ULTREZ−20、Lubrizol Advanced Materials
・Lipidure−PMB(登録商標):ポリクオタニウム−51の5%水溶液、日油(株)
・ペリセア(登録商標) L−30:ジラウロイルグルタミン酸リシンNaの29%水溶液、旭化成ケミカルズ(株)
表1及び表2に示されるように、UV−A吸収性粉体(A)、化合物(C)、及び酸化鉄(C)を含む実施例1〜実施例13の水中油型乳化組成物は、いずれも、初期におけるUV−A吸収能に優れ、色むらもなく、更に、これらを加速試験に供しても変化し難いことが分かる。
また、実施例1〜実施例13の水中油型乳化組成物は、硬度が十分にあり、肌上で垂れ難いことも分かる。
実施例1と実施例9及び実施例10とを比較すると、ベタインを用いることで、調製直後から加速試験後まで色むらの発生がより効果的に抑制されていることが分かる。
<処方例>
[実施例A:リキッドファンデーション]
常法により、下記組成を有するリキッドファンデーションを調製した(全量100質量%)。
〔組成〕 〔含有量(質量%)〕
<油相>
・シクロペンタシロキサン :10.0
・ジメチコン :5.0
・トコフェロール :0.5
・トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル :1.0
・ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル :2.0
・イソステアリン酸 :0.5
・オキアミ抽出物 :0.1
・トマト抽出物 :0.1
・酸化鉄(C):酸化鉄(赤、黄、黒) :適量
・UV−A吸収性粉体(A):HXMT−100ZA :10.0
(テイカ(株)、平均一次粒径10nm)
<水相>
・酸化チタン :5.0
・水酸化アルミニウム :1.0
・化合物(B):PEG−240/デシルテトラデセス−20/HDI(ヘキサメチレンジイソシアネート) コポリマー :1.2
・セスキオレイン酸ソルビタン :1.0
・グリチルリチン酸ジカリウム :0.5
・リン酸−L−アスコルビルマグネシウム :0.1
・水溶性コラーゲン :0.5
・加水分解コラーゲン溶液(魚由来) :0.5
・N−アセチル−L−ヒドロキシプロリン :0.5
・クエン酸 :0.7
・クエン酸ナトリウム :適量
・オリザノール :0.01
・ポリオキシエチレンフィトステロール :0.03
(NIKKOL(登録商標) BPS−20:日光ケミカルズ(株))
・ポリオキシエチレン硬化ひまし油(60E.O.) :0.2
・レシチン :0.1
・香料 :微量
・パラオキシ安息香酸メチル :0.15
・精製水 :残量

Claims (4)

  1. 酸化チタンの表面の少なくとも一部に波長330nm〜500nmに極大吸収を有する有機紫外線吸収剤を有する粉体、下記一般式(1)で表される化合物、及び酸化鉄を含む水中油型乳化組成物であって、下記一般式(1)で表される化合物の含有量が、水中油型乳化組成物の全量に対して0.5質量%以上である水中油型乳化組成物


    一般式(1)中、Rは炭素数2〜36でm価の炭化水素基を表し、R及びRは各々独立に炭素数1〜4で2価の炭化水素基を表し、Rはウレタン結合を有してもよく、直鎖、分岐鎖、又は脂肪族環若しくは芳香環を含むh+1価の炭化水素基を表し、Rは2価の炭化水素基を表し、Rは水素原子又はヒドロキシ基を表す。mは2以上の整数であり、hは1以上の整数であり、k及びnは括弧内の構造の繰り返し数を表し、各々独立に0〜1000の範囲の整数であり、k及びnの両方が0になることはない。
  2. 粉体における波長330nm〜500nmに極大吸収を有する有機紫外線吸収剤が、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを含む請求項1に記載の水中油型乳化組成物。
  3. 多価アルコール及びベタインからなる群より選択される少なくとも1種の水溶性化合物を更に含む請求項1又は請求項2に記載の水中油型乳化組成物。
  4. 水溶性化合物がベタインを含む請求項に記載の水中油型乳化組成物。
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