JP6594015B2 - エアゾール容器 - Google Patents
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Description
本実施形態のエアゾール容器1は、図1に示すように、内容物が収容される容器本体2と、容器本体2の上部に取り付けられた噴射ボタン3と、噴射ボタン3の上部を開放して囲うように容器本体2の上部に装着されたカバーキャップ4と、を備えている。
容器本体2としては、例えば、スチールやアルミニウム等からなる金属製の耐圧容器が挙げられる。この例の容器本体2は、上部に設けられたマウンティングカップ2aと、マウンティングカップ2aの内側中央部から突出するステム2bと、ステム2bを下方に押し下げることにより開放されるバルブ機構(図示せず。)と、を備えている。マウンティングカップ2aの外周部は、図3(c)に示すように、耐圧容器の上端部に巻き締めされることによって巻締め部2cを形成している。
噴射ボタン3は、容器本体2に収容された内容物を噴射させるためのものである。噴射ボタン3は、図1〜5に示すように、ステム2bの先端部に取り付けられたボタン本体5を備え、ボタン本体5の前面に噴射口6が形成されている。
ボタン本体5は、略筒状で、かつ平面視で前後方向に長い円形状の外側壁部7と、外側壁部7の内側中央部に設けられた円筒状の内側壁部8と、外側壁部7及び内側壁部8の上面を閉塞する上壁部9と、を備えている。また、ボタン本体5の後部において、外側壁部7と内側壁部8とが補強用のリブ壁10で接続されている。また、噴射ボタン3を上方から押圧しやすくするために、上壁部9の上面は凹状とされている。
噴射ボタン3をステム2bの先端部に取り付けた状態において、裾筒部13の上面は巻締め部2cの上端と同じ高さ又はそれよりも上方に位置するようになっている。
ボタン本体5の上壁部9における前面側の上面には、上方に突出する凸部26aが設けられている。凸部26aは、噴射ボタン3を上方から見たときに噴射口6が設けられている側がどちらであるかを判断するための目印となる。
噴射ボタン3の製造方法は、公知の製造方法を採用できる。
カバーキャップ4は、図1、図2、図6〜8に示すように、容器本体2の上部に着脱自在に装着される円筒状の外筒部17と、外筒部17の内側に噴射ボタン3を囲うように、かつ噴射ボタン3が上下動できるように設けられた内筒部18と、外筒部17と内筒部18との間の上面を閉塞する上壁部19とを備えている。
外筒部17及び上壁部19には、噴射ボタン3を上方から押圧しやすくするために、前面部よりも背面部の高さが低くされた操作用凹部20が形成されている。
内筒部18は、外筒部17の内側中央部に配置され、その上端には開口部18aが形成され、下端にも開口部18bが形成されている。容器本体2の上部に噴射ボタン3とカバーキャップ4を装着した状態では、内筒部18の開口部18aから噴射ボタン3の上部が露出するようになっている。
内筒部18の下端部には、内側に噴射ボタン3を挿入しやすくするためのテーパー面18cが形成されている。
連結筒部22が設けられていることで、内容物を噴射させる際に噴射音が内筒部18と外筒部17の間の領域で反響することが抑制される。また、連結筒部22が設けられていることで、連結筒部22がない場合に比べて落下衝撃強度が高くなり、エアゾール容器1を誤って落下させた場合でもカバーキャップ4が破損しにくい。
なお、噴射用開口部21aの正面視形状は、下方に向かって窄まった形状であればよく、上記した形状には限定されず、例えば、上辺が下辺よりも長い台形状、逆三角形状等であってもよい。
半円状の噴射用開口部21bの正面視での半径は、噴射ガイド7aの正面視での半径とほぼ同等になっている。
連結筒部22における内筒部18側の端部を噴射用開口部21a側から見たときの正面視形状は、噴射用開口部21aと同様に、矩形の下辺が下側に凸の円弧状となった形状になっている。すなわち、連結筒部22は、外筒部17側の端部の正面視形状と、内筒部18側の端部の正面視形状とが相似な形状になっている。外筒部17側の端部の正面視形状と内筒部18側の端部の正面視形状の両方が、矩形の下辺が下側に凸の円弧状となった形状となるように連結筒部22が窄まっていることで、落下時の応力がより分散されやすくなり、落下衝撃強度がさらに高くなる。
なお、連結筒部22の形状は、上述したような形状には限定されない。
エアゾール容器1を正面視したときには、カバーキャップ4の噴射用開口部21a、21bの位置に噴射口6が位置するようになっている。噴射ボタン3を上方から押圧したときには、噴射口6から噴射された内容物がカバーキャップ4の噴射用開口部21a、連結筒部22、及び噴射用開口部21bを通って前方に拡散される。
凹部17bの円弧部分の曲率半径は、0.3〜5が好ましく、0.5〜3がより好ましい。円弧部分の曲率半径が前記範囲内であれば、落下時の衝撃強度がより向上する。
一対の抜止め部25は、前後方向において噴射ボタン3の一対の抜止め突起12のそれぞれに対応する位置で、噴射ボタン3とカバーキャップ4が容器本体2に装着された状態において、一対の抜止め突起12の下方に位置するように設けられている。噴射ボタン3が上方に抜けようとした場合、一対の抜止め突起12がカバーキャップ4の一対の抜止め部25に係合する。これにより、輸送中の振動や落下によって噴射ボタン3が脱落することが抑制される。
カバーキャップ4の製造方法は、公知の製造方法を採用できる。
エアゾール容器1に収容する内容物としては、特に限定されず、例えば、各種目的に応じた有効成分、及び必要に応じて含まれる溶剤、補助剤等を含む原液と、液体ガスや圧縮ガス等の噴射剤との混合物が挙げられる。
前記有効成分の具体例としては、例えば、殺虫剤、忌避剤、殺菌剤、芳香剤、室内消臭剤、整髪剤、ヘアケア剤、育毛トニック剤、シェービングフォーム、制汗消臭剤、ガラスクリーナー、エアコン洗浄剤、防水剤、塗料等が挙げられる。
エアゾール容器1では、図1に示すように、ステム2bが噴射ボタン3の内側壁部8の嵌合部8aに挿入され、ステム2bの先端に内側壁部8の段差8cが当接されるようにして、内容物が収容された容器本体2の上部に噴射ボタン3が取り付けられる。
カバーキャップ4の内筒部18の内側に噴射ボタン3が挿入されるように、カバーキャップ4が容器本体2の上部に装着される。この状態では、正面視でカバーキャップ4の噴射用開口部21a、21bの位置が噴射ボタン3の噴射口6の位置と揃えられ、噴射ボタン3の一対のガイド突起11がカバーキャップ4の一対のガイドスリット23内に嵌まっている。噴射ボタン3の上部はカバーキャップ4から露出している。
噴射ボタン3の押圧を解除すると、押し下げられたステム2bが再び元の位置に戻り、内容物の噴射が停止する。
以上説明した本発明のエアゾール容器では、外筒部と内筒部の間に、それらに設けられた噴射用開口部を繋ぐ連結筒部が設けられているため、内容物を噴射する際の噴射音の反響が抑制される。
また、本発明のエアゾール容器では、連結筒部が設けられていることに加えて、外筒部に形成された噴射用開口部の正面視形状が下方に向かって窄まった形状であることで、落下してカバーキャップに衝撃が加わったときに応力が分散されやすい。そのため、本発明のエアゾール容器のカバーキャップは落下衝撃強度が高く、エアゾール容器を誤って落下させた場合でも破損しにくい。
例えば、本発明のエアゾール容器は、図10に例示したカバーキャップ4Aを備えるエアゾール容器であってもよい。図10における図6と同じ部分は同符号を付して説明を省略する。カバーキャップ4Aは、外筒部17の上端部に凹部17bが形成されず、正面視で上端部が直線状になっている以外は、カバーキャップ4と同じである。
カバーキャップ4Aを備えるエアゾール容器でも、連結筒部22が設けられていることで、噴射音の反響が抑制され、落下衝撃強度も高くなる。
[実施例1]
図6〜8に示す連結筒部22を備えるカバーキャップ4を作製し、図1に示すように、容器本体2に噴射ボタン3とともにカバーキャップ4を装着してエアゾール容器1を得た。
図10に示すような、外筒部17の上端部に凹部17bが形成されておらず、外筒部17の上端部が直線状になっている以外は、カバーキャップ4と同じ態様のカバーキャップ4Aを作製した。容器本体2に噴射ボタン3とともにカバーキャップ4Aを装着してエアゾール容器を得た。
図11に示すような、連結筒部22を備えず、外筒部17に形成された噴射用開口部21aの正面視形状が円形状である以外は、カバーキャップ4と同じ態様のカバーキャップ104を作製した。容器本体2に噴射ボタン3とともにカバーキャップ104を装着してエアゾール容器101を得た。
Audio Technica AT9440を用いて、実施例1と比較例1のエアゾール容器から内容物を噴射したときの噴射音の反響音(周波数100〜17000Hz)を測定した。
LS−DYNAを用いて、各例のエアゾール容器を60cmの高さからカバーキャップを下にして落下させた場合を想定したシミュレーションを行い、カバーキャップにかかる応力を求めて落下衝撃強度を評価した。
比較例1では、正面視でカバーキャップ104の噴射用開口部21aにおける高さ方向の中央の左右の縁部分に応力が集中し、最大応力値EAが観測された。そのため、実施例1、2のカバーキャップ4、4Aの噴射用開口部21aにおいて、比較例1で最大応力値EAが観測された位置に相当する、高さ方向の中央の左右の縁部分の応力値をEBとして求めた。また、実施例1、2では、正面視でカバーキャップ4、4Aの噴射用開口部21aにおける上側の角部分に応力が集中し、最大応力値ECが観測された。
比較例1の最大応力値EAを「100」としたときの実施例1、2の応力値EBの比率を応力比αとして算出した。また、比較例1、2の最大応力値EAを「100」としたときの実施例1の最大応力値ECの比率を最大応力比βとして算出した。
また、実施例1、2では、応力比αが50以下と小さく、比較例1のカバーキャップ104において最大応力値EAが観測された部分に相当する部分に応力が集中しなかった。さらに、実施例1、2では最大応力比βが77以下であり、比較例1のカバーキャップに比べて最大応力値が小さく、応力が分散しており、落下衝撃強度が高かった。
2 容器本体
2b ステム
3 噴射ボタン
4、4A カバーキャップ
5 ボタン本体
6 噴射口
14 噴射用流路
17 外筒部
17b 凹部
18 内筒部
19 上壁部
21a、21b 噴射用開口部
22 連結筒部
Claims (3)
- 内容物が収容される容器本体と、前記容器本体の上部に取り付けられた噴射ボタンと、前記噴射ボタンの上部を開放して囲うように前記容器本体の上部に装着されたカバーキャップと、を備えるエアゾール容器であって、
前記カバーキャップは、前記容器本体の上部に着脱自在に装着される外筒部と、前記外筒部の内側に前記噴射ボタンを囲うように、かつ前記噴射ボタンが上下動できるように設けられた内筒部と、前記外筒部と前記内筒部との間の上面を閉塞する上壁部と、を備え、
前記外筒部及び前記内筒部には、それぞれ前面に噴射用開口部が形成され、
前記外筒部に形成された噴射用開口部の正面視形状は、矩形の下辺が下側に凸の円弧状となった形状であり、
前記カバーキャップには、前記外筒部に設けられた噴射用開口部の周縁から前記内筒部まで延び、前記内筒部に設けられた噴射用開口部を囲う筒状の連結筒部が設けられている、エアゾール容器。 - 前記連結筒部は、前記外筒部側の端部から前記内筒部に向かうにしたがって窄まった形状を有し、
前記連結筒部における前記内筒部側の端部の正面視形状は、矩形の下辺が下側に凸の円弧状となった形状であり、
前記内筒部に形成された噴射用開口部の正面視形状は、半円状になっており、
前記連結筒部の前記内筒部側の底部には、前記内筒部に形成された噴射用開口部を含む円形状の穴が形成されている、請求項1に記載のエアゾール容器。 - 前記外筒部における上端部に凹部が形成されている、請求項1又は2に記載のエアゾール容器。
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