JP6593793B2 - 避難支援システム - Google Patents
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Description
全館避難手法のうち、「一斉避難」を高層ビルで実施すると、避難階段内において複数のフロアからの避難者の合流が発生し、大変な混雑が懸念される。狭い避難階段内での混雑により、避難者同士の将棋倒しなどといった二次災害に発展するおそれもある。
[1]自衛消防隊等の自衛組織を備えたシステムの説明
まず始めに、特許文献1に開示されている支援システムについて、図1,図2を用いて説明する。
(1−1)自動火災報知設備の構成と動作
図1は、本発明の実施の形態1における自動火災報知設備の構成図である。まず始めに、本実施の形態1に係る支援システム100が接続される自動警報設備としての自動火災報知設備200(以下、自火報設備200と称す)について、この図1に基づいて説明する。
次に、本実施の形態1に係る支援システム100の構成について、図1に基づいて説明する。支援システム100は、避難誘導関係者である自衛消防隊の隊員が所持し携帯する1以上の端末2と、受信機4と接続された支援装置1と、で構成される。そして、支援装置1と端末2は、通信回線3を介して互いに通信する。
次に、支援システム100を構成する支援装置1の構成について、図2に基づいて説明する。図2は、本発明の実施の形態1における支援システム100に含まれる支援装置1の構成図である。支援装置1は、第1の通信部14と、第2の通信部13と、記憶部12と、制御部11とを有する。
制御部11は、図示しないCPU等の演算処理装置を備え、その機能的構成として、特定部111、受付部112、要請部113、通知部116、編成部117を備える。
また、記憶部12は、前記プログラムに加えて、第1の記憶領域として隊員データベース122を有する。なお、図2においては、「データベース」を「DB」と表記している。隊員データベース122は、すべての自衛消防隊の隊員を、各隊員が所持する端末2の識別子と、各隊員の属性情報とを関連付けて記憶する。
次に、順次避難を行う際の具体的な制御方法について、図3〜図6を用いて説明する。
まず始めに、本発明における全館避難手法として採用する「順次避難」、および「避難フェーズ」に関する概念を、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態1における避難支援システムにおいて採用される「順次避難」、および「避難フェーズ」に関する説明図である。
フェーズ1:出火階およびその上階に当たる9階、10階を最優先順位として割り付け、待機時間なしに直ちに避難を開始させる避難フェーズである。
フェーズ2:フェーズ1で設定した階よりもさらに上階に当たる11階〜13階を2番目の優先順位として割り付け、フェーズ1による退避にかかる時間を考慮した待機時間T1を持たせた後に、避難を開始させる避難フェーズである。
本発明に係る順次避難計画の算出手法は、ビルのどの階でいつ火災が発生したとしても、即時に最適な順次避難計画が算出可能である。算出された順次避難計画に則って、避難誘導を行う自衛隊員が所持する端末2と、支援装置1とが通信による適切な情報伝達を行うことで、以下の効果を得ることができる。
(効果1)階段内の混雑度を許容範囲内に抑えることができる。
(効果2)火災危険の高い階にいる在館者を優先的に避難させることができる。
(効果3)全館避難完了時間を、一斉避難を行った場合の時間に近い時間内に収めることができる。
<算出に際して用いる近似>
a.階段内の人の動きについて
即時に順次避難計画を算出するにあたり、ある程度の計算の簡便化が必要である。そのため、階段内を降下する人の動きに対して、近似を行う。図4は、本発明の実施の形態1における順次避難計画の算出手法で用いている近似に関する説明図である。
次に、[1]で説明した自衛組織を備えた図1、図2のような構成を備えるシステムに対して、[2]で説明した順次避難制御を組み込んだ本願の避難支援システムについて説明する。
本願発明は、自火報システムの火災受信機から、インターネット等の通信網を介して、移報を受信する避難支援システムを基本構成としている。そして、この本願の避難支援システムは、通信回線3を介して相互接続された支援装置1と、複数の端末2とで構成される。具体的な構成例としては、先の図1が挙げられ、避難支援システムは、図1中の支援システム100に相当する。
実施例1:各階の避難開始時点を設定し、順次避難を実行する手法
実施例2:避難開始順位に基づく退室完了通知を利用し、順次避難を実行する手法
そこで、これら2つの実施例について、先の図3に示した13階建ての高層ビルの具体例を用いて、以下に、詳細に説明する。
避難順序として、以下の優先順位を設定する。
優先順位1:出火階である9階を最優先として設定する。
優先順位2:出火階よりも上層階であり、より出火階に近い順に、10階、11階、12階、最上階の13階の順位で設定する。
優先順位3:出火階よりも下層階であり、避難階である1階に近い順に、2階、3階、・・・、8階の順位で設定する。
先の実施例1は、支援装置1側から、それぞれのフロアの避難誘導係の各端末2に対して、順次、避難開始を指示していく手法であった。これに対して、実施例2は、支援装置1が、あるフロアに対して避難開始を指示した後、そのフロアの避難誘導係の端末2から、退室完了情報を取得することで、次の優先順位のフロアに対して避難開始を指示することを繰り返し、順次避難を実行する手法について説明する。
(効果1)火災等の異状覚知後において、出火階に応じて設定される順次避難の優先順位に応じて策定された最適な順次避難計画を避難誘導係に対して迅速に伝達できる避難支援システムを実現できる。この結果、共用される避難階段内の混雑度が許容範囲内に収まるようにして避難誘導した上で、全館避難完了時間の短縮化を図ることができる。
Claims (6)
- 避難対象となる建物での異状発生時に、前記建物においてあらかじめ設定された複数の避難対象区画から、前記複数の避難対象区画に共通の避難経路を経由して、前記建物の在館者を避難場所まで避難させることで順次避難による全館避難を実行する避難支援システムであって、
避難誘導関係者が所持する複数の携帯端末と、
通信網を介して前記複数の携帯端末に対して前記順次避難に必要な情報を送信し、前記避難誘導関係者による避難誘導活動を支援する支援装置と
を有し、
前記支援装置は、
前記避難誘導関係者に対して割り当てられた携帯端末と前記避難誘導関係者が避難誘導を担当する避難対象区画との対応関係情報と、異状が発生した避難対象区画に応じて設定される前記複数の避難対象区画の避難優先順位を記憶部に記憶しており、
異状が発生した避難対象区画に応じて前記記憶部に記憶された前記避難優先順位に従って、前記在館者が前記避難経路を経由して避難する際の前記避難経路の混雑度が許容範囲内となる条件で、前記複数の避難対象区画のそれぞれに対する避難開始時点を設定し、
前記複数の避難対象区画のそれぞれに対して設定された前記避難開始時点の時系列順に従って、前記避難開始時点となったことを通知すべき携帯端末を、前記記憶部に記憶された前記対応関係情報に基づいて特定し、特定した携帯端末に対して避難開始指示を順次通知する
避難支援システム。 - 前記支援装置は、前記複数の避難対象区画のそれぞれについて、前記避難優先順位に従って、前記避難経路への移動を開始するまでの最適待機時間を算出し、前記最適待機時間を前記避難開始時点として設定する
請求項1に記載の避難支援システム。 - 避難対象となる建物での異状発生時に、前記建物においてあらかじめ設定された複数の避難対象区画から、前記複数の避難対象区画に共通の避難経路を経由して、前記建物の在館者を避難場所まで避難させることで順次避難による全館避難を実行する避難支援システムであって、
避難誘導関係者が所持する複数の携帯端末と、
通信網を介して前記複数の携帯端末に対して前記順次避難に必要な情報を送信し、前記避難誘導関係者による避難誘導活動を支援する支援装置と
を有し、
前記支援装置は、
前記避難誘導関係者に対して割り当てられた携帯端末と前記避難誘導関係者が避難誘導を担当する避難対象区画との対応関係情報と、異状が発生した避難対象区画に応じて設定される前記複数の避難対象区画の避難優先順位を記憶部に記憶しており、
異状が発生した避難対象区画に応じて前記記憶部に記憶された前記避難優先順位に従って、前記在館者が前記避難経路を経由して避難する際に、前記複数の避難対象区画が、最も優先順位が高い1番目の避難対象区画から最も優先順位が低いN(Nは2以上の整数)番目の避難対象区画までのN段階の優先順位の避難対象区画である場合に、n(nは、1以上N−1以下の整数)番目の避難対象区画に対応する第n携帯端末に対して避難開始指示を通知した後、前記避難開始指示の返答として前記第n携帯端末から、前記n番目の避難対象区画から在館者が退室したことを知らせる退室完了情報を受信し、
前記n番目の避難対象区画から前記退室完了情報を受信することで、n+1番目の避難対象区画に対応する第n+1携帯端末に対して避難開始指示を通知し、前記順次避難による全館避難を実行する
避難支援システム。 - 前記支援装置は、
前記第n携帯端末に対して前記避難開始指示を通知する際に、前記n番目の避難対象区画から在館者が退室を完了する前に前記n+1番目の避難対象区画から在館者が退室を開始しても前記避難経路の混雑度が許容範囲内に収まる調整時間を算出し、前記第n携帯端末に対して前記避難開始指示とともに前記調整時間を通知し、
前記第n携帯端末を所持する避難誘導関係者が、実際に退出が完了する時間から前記調整時間を引いた時間に相当する退室完了見込み時点において、前記退室完了情報を前記第n携帯端末から前記支援装置に返答できるようにする
請求項3に記載の避難支援システム。 - 前記支援装置は、前記複数の避難対象区画が前記建物の各階床に対応しており、前記建物で発生した異状が、ある階床で発生した火災である場合には、火災が発生した階を最も高い第1優先順位として設定し、火災が発生した階よりも上層階において前記火災の発生した階に近い順に前記第1優先順位に続く優先順位を有する第2優先順位として設定し、火災が発生した階よりも下層階を前記第2優先順位に続く優先順位を有する第3優先順位として設定する
請求項1から4のいずれか1項に記載の避難支援システム。 - 前記支援装置は、前記建物が、前記避難経路として複数の避難ルートを有する場合には、異状が発生した避難対象区画に応じて前記複数の避難対象区画を前記複数の避難ルートのいずれかに割り振り、それぞれの避難ルートごとの避難優先順位に基づいて、前記複数の避難対象区画における避難開始時点および避難ルートを設定する
請求項1から5のいずれか1項に記載の避難支援システム。
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