JP6593793B2 - 避難支援システム - Google Patents

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Description

本発明は、避難対象である高層ビル等の建物での火災等の異状発生時に、自衛消防隊の活動を支援し、適切な順次避難誘導を実現するための避難支援システムに関する。
高層ビル火災の事例をみると、海外では、これまでに多くの大規模火災が発生している。一例を挙げると、1988年にロサンゼルス市のファーストインターステート銀行ビルで発生した火災では、62階建ての12階から16階までが4時間にわたり延焼した。
一方、国内では、高層ビルにおいては、大規模火災といえる程度の火災は発生していない。しかしながら、例えば、都市で大地震が発生し、高層ビルのスプリンクラー設備が損傷してしまうというシナリオを考えると、火災の延焼が防げなくなり、大規模火災に発展する可能性が十分にあり得る。
さらに、日本では、今後30年以内に70%の確率で、首都直下地震や南海トラフ地震といった大地震が起こると予測されている。このため、国内の高層ビルにおいても、大規模火災は、いつ起こってもおかしくないものと想定しておく必要がある。そして、高層ビルで大規模火災が発生した場合には、原則として、全館避難が必要とされる。
一方、防火対象物である高層ビルには、火災等の異状を自動的に感知して警報を報知する自動警報設備としての自動火災報知設備(以下、自火報設備という)が設置される。この防火対象物においては、異状発生時に備えて自衛組織として自衛消防隊が組織され、自火報設備の報知により火災等の異状を覚知すると、現場確認や初期消火といった初期対応をはじめ、避難誘導、所轄消防への通報、等を消防計画に従って行う。
そして、このような自衛消防隊等の自衛組織を備えたシステムにおいて、火災等の異状覚知後に自衛組織の隊員へ迅速に事態を伝達するとともに招集し、個々の隊員の属性に応じて組織編成し、隊員同士が連携して初期対応に当たることを支援する技術を、本願の出願人は、すでに提案済みである(例えば、特許文献1参照)。
特開2015−108923号公報
しかしながら、従来技術には、以下のような課題がある。
全館避難手法のうち、「一斉避難」を高層ビルで実施すると、避難階段内において複数のフロアからの避難者の合流が発生し、大変な混雑が懸念される。狭い避難階段内での混雑により、避難者同士の将棋倒しなどといった二次災害に発展するおそれもある。
そこで、避難開始のタイミングをまとまった階ごとに数フェーズに分ける「順次避難」という発想がある。以下の説明では、このフェーズを「避難フェーズ」と呼ぶこととする。順次避難では、それぞれの滞在階での避難開始までの「待機時間」を設け、避難開始タイミングを異ならせることで、避難階段内の混雑を軽減することができる。
しかしながら、順次避難において、待機時間や避難対象階をどのように設定するかというガイドラインが、明確に存在しないのが現状である。
さらに、特許文献1に開示された支援システムを活用して、全館避難における順次避難を行うための誘導情報を、携帯端末を所持する自衛消防隊に連絡することができれば、避難階段内の混雑を的確に回避し、迅速な避難誘導を実現することが可能になると考えられる。
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたものであり、順次避難において、共用される避難経路の混雑度を許容範囲内に抑えた上で、避難優先順位の高い区画を優先し、かつ、全館避難完了時間が短くなるような最適な順次避難計画を避難誘導員に対して迅速に伝達することのできる避難支援システムを得ることを目的とする。
本発明に係る避難支援システムは、避難対象となる建物での異状発生時に、建物においてあらかじめ設定された複数の避難対象区画から、複数の避難対象区画に共通の避難経路を経由して、建物の在館者を避難場所まで避難させることで順次避難による全館避難を実行する避難支援システムであって、避難誘導関係者が所持する複数の携帯端末と、通信網を介して複数の携帯端末に対して順次避難に必要な情報を送信し、避難誘導関係者による避難誘導活動を支援する支援装置とを有し、支援装置は、避難誘導関係者に対して割り当てられた携帯端末と避難誘導関係者が避難誘導を担当する避難対象区画との対応関係情報と、異状が発生した避難対象区画に応じて設定される複数の避難対象区画の避難優先順位を記憶部に記憶しており、異状が発生した避難対象区画に応じて記憶部に記憶された避難優先順位に従って、在館者が避難経路を経由して避難する際の避難経路の混雑度が許容範囲内となる条件で、複数の避難対象区画のそれぞれに対する避難開始時点を設定し、複数の避難対象区画のそれぞれに対して設定された避難開始時点の時系列順に従って、避難開始時点となったことを通知すべき携帯端末を、記憶部に記憶された対応関係情報に基づいて特定し、特定した携帯端末に対して避難開始指示を順次通知するものである。
また、本発明に係る避難支援システムは、避難対象となる建物での異状発生時に、建物においてあらかじめ設定された複数の避難対象区画から、複数の避難対象区画に共通の避難経路を経由して、建物の在館者を避難場所まで避難させることで順次避難による全館避難を実行する避難支援システムであって、避難誘導関係者が所持する複数の携帯端末と、通信網を介して複数の携帯端末に対して順次避難に必要な情報を送信し、避難誘導関係者による避難誘導活動を支援する支援装置とを有し、支援装置は、避難誘導関係者に対して割り当てられた携帯端末と避難誘導関係者が避難誘導を担当する避難対象区画との対応関係情報と、異状が発生した避難対象区画に応じて設定される複数の避難対象区画の避難優先順位を記憶部に記憶しており、異状が発生した避難対象区画に応じて記憶部に記憶された避難優先順位に従って、在館者が避難経路を経由して避難する際に、複数の避難対象区画が、最も優先順位が高い1番目の避難対象区画から最も優先順位が低いN(Nは2以上の整数)番目の避難対象区画までのN段階の優先順位の避難対象区画である場合に、n(nは、1以上N−1以下の整数)番目の避難対象区画に対応する第n携帯端末に対して避難開始指示を通知した後、避難開始指示の返答として第n携帯端末から、n番目の避難対象区画から在館者が退室したことを知らせる退室完了情報を受信し、n番目の避難対象区画から退室完了情報を受信することで、n+1番目の避難対象区画に対応する第n+1携帯端末に対して避難開始指示を通知し、順次避難による全館避難を実行するものである。
本発明によれば、火災等の異状覚知後において、異状が発生した避難対象区画に応じて設定される複数の避難対象区画の避難優先順位に従って、自衛組織の隊員に対して、それぞれの避難対象区画の避難開始のタイミングを迅速に伝達できる構成を備えている。この結果、順次避難において、共用される避難経路の混雑度を許容範囲内に抑えた上で、避難優先順位の高い区画を優先し、かつ、全館避難完了時間が短くなるような最適な順次避難計画を避難誘導員に対して迅速に伝達することのできる避難支援システムを得ることができる。
本発明の実施の形態1における自動火災報知設備の構成図である。 本発明の実施の形態1における支援システム100に含まれる支援装置1の構成図である。 本発明の実施の形態1における避難支援システムにおいて採用される「順次避難」、および「避難フェーズ」に関する説明図である。 本発明の実施の形態1における順次避難計画の算出手法で用いている近似に関する説明図である。 本発明の実施の形態1における具体例に基づいて求めた各階の待機時間の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態1における具体例に基づいて求めた各フェーズの待機時間を示す説明図である。
以下、本発明の避難支援システムおよび順次避難計画策定方法の好適な実施の形態につき、図面を用いて説明する。
実施の形態1.
[1]自衛消防隊等の自衛組織を備えたシステムの説明
まず始めに、特許文献1に開示されている支援システムについて、図1,図2を用いて説明する。
(1−1)自動火災報知設備の構成と動作
図1は、本発明の実施の形態1における自動火災報知設備の構成図である。まず始めに、本実施の形態1に係る支援システム100が接続される自動警報設備としての自動火災報知設備200(以下、自火報設備200と称す)について、この図1に基づいて説明する。
自火報設備200は、公知の自動火災報知設備であり、火災やガス漏れ等の異状を感知する感知手段としての火災感知器5、ガス漏れ検知器6等を有し、これらの感知手段は、防火対象物である建築物に配設される。これらの感知手段は、信号線10を介して、あるいは中継手段である中継器8と信号線10とを介して、受信機4へ接続され、異状を感知すると、異状感知信号を受信機4へ送出する。
これらの感知手段は、アドレス等の固有の識別子を有し、異状を感知したときは、どの感知手段が異状を感知したか判別できるようになっているものがある。また、これらの感知手段が固有の識別子を有しない場合でも、これら感知手段が配設された区画を受信機4が特定できるような区画情報を有しており、感知手段が異状を感知したときは、どの区画で異状が感知されたか判別できるようになっている。
すなわち、自火報設備200は、感知手段に固有の識別子または感知手段が配設された区画情報に基づいて、異状を感知した場所を示す感知手段位置情報を有する。そして、これらの感知手段が異状を感知すると、自火報設備200は、異状を感知した感知手段からの異状感知信号を受信した受信機4が、異状を感知した感知手段の感知手段位置情報を含めた異状情報として異状信号を送出する。このとき、異状情報に含まれる感知手段位置情報は、異状を感知した火災感知器5またはガス漏れ検知器6に固有の識別子または区画番号等である。
また、自火報設備200は、地区音響警報装置としての音声警報装置7を有し、音声警報装置7は、防火対象物である建築物に配設される。この地区音響警報装置は、直接に信号線10を介して、または、中継手段である中継器9と信号線10とを介して、受信機4へ接続される。そして、音声警報装置7は、受信機4からの信号に応じて、後述する火災感知放送、火災放送、非火災放送を出力する。
受信機4は、異状感知信号が火災等に異状に基づく信号であるか否かを状況に応じて判断する図示しない異状確認手段を有する。受信機4は、信号線10を介して異状感知信号を受信するまで待ち受け、異状感知信号を受信すると、受信した異状感知信号が人為的な操作に基づく異状感知信号であるか否かを異状確認手段で確認する。
図示しない発信機が作動したとき、または非常電話が起動したときは、異状を確認した人が操作したものとして、異状を確認したものと判断する。そして、直ちに、後述する第2段階の警報として、音声警報装置7より所定の音声メッセージによる火災放送を報知する。
この火災放送の音声メッセージは、例えば、「火事です。火事です。(○階で)火災発生の通報がありました。落ち着いて避難してください」というようなものであり、火災発生を告げ、避難を促すものである。
一方、異状確認手段が、異状感知信号が発信機の作動または非常電話の起動に基づかないと判断したときは、異状感知信号を受信した旨を意味する異状発報信号を送出し、次に説明する異状判断を行う。
受信機4は、蓄積機能等の公知の異状判断手段を有する。すなわち、受信機4が受信した異状感知信号が、発信機の作動または非常電話の起動に基づくものではないと判断して異状発報信号を送出すると、異状判断手段は、受信した異状感知信号に基づいて異状か否かを判断する。
例えば、蓄積機能による公知の異状判断手段であれば、受信機4が異状発報信号を受信すると、感知手段を一旦復旧(蓄積復旧)し、所定時間内に再度異状発報信号を受信したとき、この異状発報信号は、ノイズ等による一過性の信号ではなく、異状であると判断する。
そして、異状判断手段が異状ではないと判断したとき、すなわち、異状感知信号が火災等の異状以外の要因による一過性の信号であると判断すると、感知手段をリセットするなどして、再び、異状感知信号を待ち受ける状態に戻る。
一方、異状判断手段が異状であると判断すると、受信機4は、異状情報として異状信号を送出するとともに、第1段階の警報として、音声警報装置7より所定の音声メッセージによる火災感知放送を報知する。この火災感知放送の音声メッセージは、例えば、「ただいま(○階の)火災感知器が作動しました。確認しておりますので、次の放送にご注意ください」というようなものであり、直ちに火災発生を警報して避難を促すものではない。
このとき、受信機4は、信号線C1を介して接続された支援システム100の支援装置1へ、異状発報信号に基づいて異状を感知した感知手段の位置または区画を示す感知手段位置情報を含む異状情報として異状信号を送出する。
なお、受信機4が異状信号を送出した後、先に異状感知信号を送出した感知手段と区分できる第2の感知手段が異状感知信号を送出したとき、受信機4の異状確認手段は、火災が拡大したものとして異状を確認したと判断する。
また、オペレータが火災等の異状を確認し、受信機4において火災断定等の異状断定操作を行ったときも、異状確認手段は、異状を確認したものと判断する。そして、異状確認手段が異状を確認したものと判断したとき、第2段階の警報として、音声警報装置7より所定の音声メッセージによる火災放送を報知する。
ここでのオペレータは、受信機4が設置される、いわゆる防災センタに配置される監視員であって、防災センタがなくとも、全館の防災設備を管理する担当者でよい。
なお、受信機4は、火災感知放送を出力した後、異状確認手段が異状と確認せず、所定時間(例えば、60秒)が経過したときに、火災放送を報知する。この火災放送の音声メッセージは、例えば、「火事です。火事です。(○階で)火災が発生しました。落ち着いて避難してください」というようなものであり、火災発生を告げ、避難を促すものである。
すなわち、自火報設備200は、異状を感知すると人為的な操作による場合を除いて、警報装置から第1段階の警報を報知させるとともに、異状を感知した感知手段の感知手段位置情報を含む異状情報として異状信号を送出し、所定時間後に、報知を第2段階の警報へ移行させる自動警報設備である。
火災感知放送の後にオペレータが火災ではないと判断したとき、受信機4を操作して音声警報装置7より非火災放送を行うことができる。この非火災放送の音声メッセージは、例えば、「さきほどの火災感知器の作動は、確認の結果、異常がありませんでした。ご安心ください」というようなものであり、火災等の異状ではなかったことを告げるものである。
そして、本実施の形態1に係る支援システム100に関連して、受信機4は、後述する支援装置1から第2段階の警報への移行を即時実行するように指示する異状確認信号を受信すると、即時、火災放送を行うようにすることができる。すなわち、所定時間が経過する前であっても、第2段階の警報を行なう。
一方、支援装置1から第2段階の警報への移行を停止するように指示する非火災信号を受信すると、第2段階の警報への移行を停止するようにすることができる。このとき、非火災放送を行うようにしてもよい。
(1−2)支援システムの構成
次に、本実施の形態1に係る支援システム100の構成について、図1に基づいて説明する。支援システム100は、避難誘導関係者である自衛消防隊の隊員が所持し携帯する1以上の端末2と、受信機4と接続された支援装置1と、で構成される。そして、支援装置1と端末2は、通信回線3を介して互いに通信する。
なお、ここでいう避難誘導関係者は、例えば、自衛消防隊の隊員に拘わらず、避難誘導を担当する者であればよく、別途避難に関する計画があるときの誘導の担当者であってもよい。
通信回線3は、例えば、IMT−2000に準拠した無線通信網などであるが、これに限るものではなく、例えば、iEEE802.11に準拠する無線LANなどであってもよい。通信回線3は、少なくとも端末2と無線通信で接続され、無線または有線で接続される支援装置1と端末2との間で通信を行う通信網である。
(1−3)支援装置の構成
次に、支援システム100を構成する支援装置1の構成について、図2に基づいて説明する。図2は、本発明の実施の形態1における支援システム100に含まれる支援装置1の構成図である。支援装置1は、第1の通信部14と、第2の通信部13と、記憶部12と、制御部11とを有する。
第1通信部14は、信号線C1を介して受信機4に接続されて、制御情報等を通信するインターフェースである。第2の通信部13は、信号線C2と通信回線3とを介して端末2と制御情報等を通信するインターフェースである。信号線C2に代えて、無線通信で通信回線3と接続するようにしてもよい。
記憶部12は、ROM、フラッシュメモリ、ハードディスク等の不揮発性の記憶手段であり、自衛消防隊隊員の活動を支援するための処理を実行するプログラムを記憶する。制御部11は、記憶部12に記憶されたプログラムに基づいて支援装置1の各部の動作を制御する制御手段である。
[制御部]
制御部11は、図示しないCPU等の演算処理装置を備え、その機能的構成として、特定部111、受付部112、要請部113、通知部116、編成部117を備える。
特定部111は、第1の通信部14を介して受信した異状信号に含まれる感知手段位置情報に基づいて、後述する設置場所データベース121を参照して、異状が感知された感知手段位置情報に対応する建物位置情報を、異状位置として特定する異状位置特定手段である。
受付部112は、第2の通信部13を介して端末2から受信する応答、要求、端末2の位置を表す端末位置情報(詳しくは後述する)を受け付ける受付手段である。
要請部113は、後述する編成部117の決定に基づき、第2の通信部13を介して端末2に自衛消防隊への参加要請を行う要請画面を表示させる要請手段であり、さらには、参加要請する際に担当する役割も要請し得る要請手段である。要請部113が端末2に要請画面を表示させるとき、第2の通信部13より要請事項に基づいた要請画面を表示するように指令信号を送信する。
通知部116は、第2の通信部13を介して、異状情報、後述する編成部で編成された自衛消防隊の隊員毎の役割、役割毎の作業内容、メンバー情報、等を送信し、端末2に通知画面を表示させる通知手段である。通知部116が端末2に通知画面を表示させるとき、第2の通信部13より通知内容に基づいた通知画面を表示するように指令信号を送信する。
編成部117は、後述する隊員データベース122を参照して、第2の通信部13および受付部112を介して受信した端末2の識別子に対応する隊員の属性情報を取得し、自衛消防隊の各役割に対する各隊員の適性を把握し、参加要請に対して参加する旨の応答があった端末2を携帯する隊員の役割を決定する自衛消防隊の編成手段である。
編成部117が自衛消防隊を編成する際には、特定部111が特定した異状位置情報と端末位置情報とに基づいて組織編成するようにしてもよい。編成部117が決定した隊員毎の役割は、後述する役割データベース123に記憶しておく。そして、通知部116、第2の通信部13、通信回線3を介して、隊員毎の役割を該当する端末2毎に表示させる。
[記憶部]
また、記憶部12は、前記プログラムに加えて、第1の記憶領域として隊員データベース122を有する。なお、図2においては、「データベース」を「DB」と表記している。隊員データベース122は、すべての自衛消防隊の隊員を、各隊員が所持する端末2の識別子と、各隊員の属性情報とを関連付けて記憶する。
なお、属性情報とは、自衛消防隊の各役割に対する適性を示し、その優先順位を記憶するようにしてもよい。また、隊員が互いに識別可能とする程度の個人情報として、顔写真や氏名およびその読み仮名を記憶しておく。
また、記憶部12は、プログラムと隊員データベース122に加えて、第2の記憶領域として設置場所データベース121を有する。設置場所データベース121は、火災感知器5やガス漏れ検知器6といった複数の感知手段について、感知手段に固有の識別子または感知手段が配設された区画情報に基づく感知手段位置情報と、建築物における位置を特定する建物位置情報とを関連付けて記憶する。
設置場所データベース121は、受信機4を介して異状を感知した感知手段位置情報として与えられる火災感知器5またはガス漏れ検知器6に固有の識別子(または感知手段が配設された区画情報としての区画番号)と、例えば、棟、階、フロアにおける座標(または区画)で示される建築物における位置情報としての建物位置情報(または区画)のデータとを関連付けて記憶する。
また、記憶部12は、プログラムと隊員データベース122と設置場所データベース121に加えて、第3の記憶領域として役割データベース123を有する。役割データベースは、役割毎の作業内容をあらかじめ記憶しておき、また、編成部117が決定した隊員毎の役割を記憶し、さらに隊員データベース122を参照して、役割毎に隊員が互いに識別可能とする程度の個人情報(顔写真、氏名およびその読み仮名)を取得して、これを記憶する。
[2]順次避難制御に関する説明
次に、順次避難を行う際の具体的な制御方法について、図3〜図6を用いて説明する。
(2−1)「順次避難」、および「避難フェーズ」に関する説明
まず始めに、本発明における全館避難手法として採用する「順次避難」、および「避難フェーズ」に関する概念を、図3を用いて説明する。図3は、本発明の実施の形態1における避難支援システムにおいて採用される「順次避難」、および「避難フェーズ」に関する説明図である。
この図3は、1階から13階までの13階建ての高層ビルにおいて、9階が出火階となった火災発生時において、各階から出口階である1階へ避難する際の、順次避難の概念の一例を示している。先の図1では、1階から3階までを例示したが、この図1を1階から13階までの13階建ての高層ビルに拡張して考えることで、図3の説明図と対応することとなる。
図3の例では、避難階段内の混雑を軽減する(すなわち、混雑度を許容範囲内に収める)ために、以下の4つの避難フェーズに分けて、避難誘導が実施される。
フェーズ1:出火階およびその上階に当たる9階、10階を最優先順位として割り付け、待機時間なしに直ちに避難を開始させる避難フェーズである。
フェーズ2:フェーズ1で設定した階よりもさらに上階に当たる11階〜13階を2番目の優先順位として割り付け、フェーズ1による退避にかかる時間を考慮した待機時間T1を持たせた後に、避難を開始させる避難フェーズである。
フェーズ3:避難階である1階に最も近いグループである2階〜5階を3番目の優先順位として割り付け、フェーズ2による退避にかかる時間を考慮した待機時間T2を持たせた後に、避難を開始させる避難フェーズである。
フェーズ4:出火階よりも下の階である6階〜8階を最も低い優先順位として割り付け、フェーズ3による退避にかかる時間を考慮した待機時間T3を持たせた後に、避難を開始させる避難フェーズである。
高層ビルにおける全館避難手法である「一斉避難」と「順次避難」を、全館避難で重視すべきと思われる5つの項目から比較すると、下表1のようにまとめることができる。
Figure 0006593793
項目(1)の階段内の混雑軽減と、項目(2)の火災危険の高い階の優先避難という観点では、順次避難の方が優位となる。逆に、項目(4)の避難指示の単純さと、項目(5)の待機時間の短さという観点では、一斉避難の方が優位となる。
項目(3)の全館避難完了時間については、避難者が階段内に一気に流入する一斉避難の方が短くなるのは事実である。しかしながら、順次避難であっても、避難手法を工夫することで、一斉避難時の時間に近づけることができる。
そこで、全館避難手法として順次避難を採用する際に、図3に示すようなフェーズ1〜フェーズ4の選定、および各フェーズの待機時間の設定を行うための「順次避難計画」の策定の最適化手法について、以下に詳細に説明する。
(2−2)順次避難計画の算出手法の概要
本発明に係る順次避難計画の算出手法は、ビルのどの階でいつ火災が発生したとしても、即時に最適な順次避難計画が算出可能である。算出された順次避難計画に則って、避難誘導を行う自衛隊員が所持する端末2と、支援装置1とが通信による適切な情報伝達を行うことで、以下の効果を得ることができる。
(効果1)階段内の混雑度を許容範囲内に抑えることができる。
(効果2)火災危険の高い階にいる在館者を優先的に避難させることができる。
(効果3)全館避難完了時間を、一斉避難を行った場合の時間に近い時間内に収めることができる。
(2−3)順次避難計画の算出手法の導出の考え方
<算出に際して用いる近似>
a.階段内の人の動きについて
即時に順次避難計画を算出するにあたり、ある程度の計算の簡便化が必要である。そのため、階段内を降下する人の動きに対して、近似を行う。図4は、本発明の実施の形態1における順次避難計画の算出手法で用いている近似に関する説明図である。
本算出手法では、仮にビルのn階のみに在館者がおり、そのn階の在館者が1階まで避難する場合の人の動きを、縦軸を階数、横軸を経過時間としたときに、図4に示したように、1つの平行四辺形で表されるものとして近似している。
平行四辺形の左側の斜辺は、n階から1階に避難する最初の人の流れを意味しており、右側の斜辺は、n階から1階に避難する最後の人の流れを意味している。また、斜辺の傾きは、階段降下時の歩行速度で規定される。
一方、平行四辺形の底辺および上辺の長さは、避難者の扉通過時間に相当し、n階の在館者数に比例する。
図5は、本発明の実施の形態1における具体例に基づいて求めた各階の待機時間の一例を示す説明図である。本ケースにおける12段階順次避難時の各階の仮の待機時間は、図5のように、出火階である9階以上に相当する9階から13階までの平行四辺形、次いで、出火階よりも下の階に相当する2階から8階までの平行四辺形を、左から順に隙間なく並べたときの、平行四辺形の左上の頂点の時間であると考えることができる。
このような各平行四辺形の左上の頂点の時間をa(nは階数)とおく。ここで、出火階である9階以上の階を順番に並べ、その後、2階〜8階を順番に並べることで、9、10、11階といった火災危険の特に高い階の避難を、優先して行うことができる。
なお、避難誘導は、各階毎に個別に順次行う必要は、必ずしもない。即ち、先の図3で示したように、複数階を1つのフェーズとしてまとめ、フェーズ毎に順次避難を行うことも考えられる。図6は、本発明の実施の形態1における具体例に基づいて求めた各フェーズの待機時間を示す説明図である。図6のように、時間間隔τを最小単位として、実運用上の待機時間t〜tを求めることで、4分割による順次避難を実行することができる。
[3]自衛消防隊等の自衛組織を備えたシステムに対して順次避難制御を適用する場合の説明
次に、[1]で説明した自衛組織を備えた図1、図2のような構成を備えるシステムに対して、[2]で説明した順次避難制御を組み込んだ本願の避難支援システムについて説明する。
(3−1)システム構成について
本願発明は、自火報システムの火災受信機から、インターネット等の通信網を介して、移報を受信する避難支援システムを基本構成としている。そして、この本願の避難支援システムは、通信回線3を介して相互接続された支援装置1と、複数の端末2とで構成される。具体的な構成例としては、先の図1が挙げられ、避難支援システムは、図1中の支援システム100に相当する。
また、図1では図示されていないが、本願発明の避難支援システムは、制御部11の内部に、[2]で説明した順次避難制御を実行するための順次避難処理部118をさらに備えた構成となっている。
複数の端末2は、建物で計画される自衛消防隊等の関係者が常時所持するものとする。そして、この自衛消防隊の役割の1つとして、各フロアに対応した避難誘導係が設定されている。通常、避難誘導係は、先導者と後方の確認者との2名で足りるが、補欠を考慮して複数設定することができ、実動は、火災発生時にその場にいる設定された在館者から選定される。
本願発明に係る避難支援システムとしては、次の2つの実施例が考えられる。
実施例1:各階の避難開始時点を設定し、順次避難を実行する手法
実施例2:避難開始順位に基づく退室完了通知を利用し、順次避難を実行する手法
そこで、これら2つの実施例について、先の図3に示した13階建ての高層ビルの具体例を用いて、以下に、詳細に説明する。
<実施例1>各階の避難開始時点を設定し、順次避難を実行する手法
避難順序として、以下の優先順位を設定する。
優先順位1:出火階である9階を最優先として設定する。
優先順位2:出火階よりも上層階であり、より出火階に近い順に、10階、11階、12階、最上階の13階の順位で設定する。
優先順位3:出火階よりも下層階であり、避難階である1階に近い順に、2階、3階、・・・、8階の順位で設定する。
対象となる高層ビルが事務所ビル等である場合には、在館者数が固定的と仮定することができる。そこで、順次避難処理部118は、それぞれのフロアから避難階である1階までの人の動きを、各フロアの在館者数に基づいて、先の図4に示したような平行四辺形により近似することができる。
すなわち、順次避難処理部118は、あらかじめ記憶部に記憶された各階床の在館者数情報を参照することで、平行四辺形の形状を決定することができる。なお、在館者数情報は、必ずしも固定値である必要はなく、例えば、入退室管理装置と連動して、現状の在館者数を動的に把握できるのであれば、動的な最新の在館者数情報を用いて、平行四辺形の形状を決定することもできる。
さらに、順次避難処理部118は、先の図5に示したように、優先順位1〜3に従って、各フロアに対して作成した平行四辺形を順に並べることで、それぞれの階の最適待機時間αを算出することができる。この最適待機時間αは、各階の避難開始時刻に相当する。
なお、上述した優先順位1〜3は、一例であり、施設に応じてあらかじめ設定される優先順位が異なる場合も考えられる。出火階と直上階は優先されるべきだが、その後は、上下に離れる方向に避難階を選択してもよく、また、最上階が避難した後は、火災の直下階から下側に避難する形でもよい。
また、震災時やその他の緊急時に全館避難を行う場合も考えられ、このような場合には、単に1階から上側に順序よく退避させればよい。なお、震災時は、揺れが治まった後で、自衛消防隊の安全防護係による避難路の安全確認後に、自衛消防隊隊長の指示で避難を開始することが好ましい。
いずれの優先順位に対しても、順次避難処理部118は、あらかじめ設定された優先順位に従って、図5のように平行四辺形を順に配列することで、優先順位に応じた最適待機時間αを算出することができる。
また、出火階が9階でない場合に対しても、順次避難処理部118は、同様にして、各フロアの在館者数および優先順位に基づいて、それぞれの階の最適待機時間αを算出することができる。従って、上述したように、在館者が固定的と仮定できる場合、あるいは、入退室管理システムなどと連動して現時点での在館者数が把握できている場合には、順次避難処理部118は、最適待機時間αを事前に算出しておくことができ、出火階に応じた避難開始時点を即座に判断できることとなる。
そこで、感知器発報などに基づいて現場確認による火災の発生が確定された時点において、支援装置1は、順次避難処理部118により算出された最適待機時間αに基づいて、優先順位に従って、まず始めに、出火階である9階の避難誘導係の各端末2に、避難開始を通知する。
ここで、支援装置1は、避難誘導係に対して割り当てられた携帯端末と、避難誘導係が避難誘導を担当する階との対応関係情報を参照することで、9階の避難誘導係の各端末2を特定することができる。そして、このような対応関係情報は、あらかじめ記憶部に記憶されているものとする。
この避難開始の通知を受けた各端末2は、バイブを伴う警報音を鳴動のうえで、表示画面に避難開始を表示することで、避難誘導係に、出火階の避難誘導を開始させる。なお、全館避難開始時に、待機している在館者を安心させるため、この開始時点で、出火階である9階以外の各階に、避難開始時点までの待機時間を、予想値として通知することができる。
引き続き、支援装置1は、順次避難処理部118により算出された最適待機時間αに基づいて、優先順位2として割り付けられた各フロアの避難誘導係の各端末2に、最適待機時間αが経過するタイミングで、避難開始を通知する。
さらに、支援装置1は、順次避難処理部118により算出された最適待機時間αに基づいて、優先順位3として割り付けられた各フロアの避難誘導係の各端末2に、最適待機時間αが経過するタイミングで、避難開始を通知する。
このようにして、支援装置1は、各フロアの避難誘導係の各端末2に対して、そのフロアでの最適待機時間αが経過したタイミングで、避難開始を指示することができる。
なお、順次避難を行うに当たっては、各階ごとに避難開始時間を異ならせる代わりに、先の図6で説明したように、時間間隔τを最小単位として、実運用上の待機時間t〜tを求めるようにして、複数階を対象に、ブロック的に避難開始を指示してもよい。あくまでも、理想は、「各階ごとに避難開始時間を異ならせる」方法である。ただし、この方法ではタイミングが細かすぎて運用が難しい場合には、「ブロック的に避難開始を指示する」方法として、複数階を一度に避難させるこのような手法が好ましい。
<実施例2>避難開始順位に基づく退室完了通知を利用し、順次避難を実行する手法
先の実施例1は、支援装置1側から、それぞれのフロアの避難誘導係の各端末2に対して、順次、避難開始を指示していく手法であった。これに対して、実施例2は、支援装置1が、あるフロアに対して避難開始を指示した後、そのフロアの避難誘導係の端末2から、退室完了情報を取得することで、次の優先順位のフロアに対して避難開始を指示することを繰り返し、順次避難を実行する手法について説明する。
優先順位に関しては、先の実施例1と同様に、あらかじめ任意の順序で設定可能であるが、以下の説明では、上述した優先順位1〜3を一例として説明する。
本実施例2において、支援装置1は、まず始めに、先の実施例1と同様に、出火階である9階の避難誘導係の各端末2に、避難開始を通知する。各端末2への避難開始の表示によって、避難誘導係は、出火階である9階の避難誘導を開始させる。
さらに、出火階の退室完了の際に、最後に退出する役割の避難誘導係が端末2を用いて退室完了の報告を支援装置1に送信する。なお、この「退室完了」とは、避難路へ通じる各階の扉をそのフロアの在館者全員が通過する時間であり、図4あるいは図5に示した平行四辺形の右上の頂点の時間に相当する。図5において、9階に相当する平行四辺形に対応した「退室完了」の時間をβとして例示し、13階に相当する平行四辺形に対応した「退室完了」の時間をβ13として例示している。
ここで、図5において、9階の退室完了の時間βと、9階の次に順次避難を行う10階の避難開始の時間α10を比較すると、10階から9階まで避難路を降りてくる分の時間だけ、時間βよりも時間α10の方が時間的に早い時刻となっている。
従って、例えば、9階の避難誘導係が端末2を用いて退室完了の報告を支援装置1に送信するタイミングは、実際の時間βではなく、10階から9階まで避難路を降りてくるタイムラグ分だけ前倒しとすることが望ましい。そこで、支援装置1は、優先順位に応じて、このようなタイムラグ分を考慮した調整時間を、避難誘導係の端末2に通知して表示できることが好ましい。
換言すると、この調整時間は、避難経路として共用する避難階段の混雑度が、前記許容人数内に収まる範囲内で、最も効率的に避難階段を利用した避難経路が実現できるように、それぞれの階に対して避難開始を指示するための時間である。
携帯端末を使用した出火階からの退出完了の報告を受信した場合には、支援装置1は、出火階である9階の直上階に相当する10階の避難誘導係の各端末2に対して、避難開始を通知し、出火階の場合と同様に、避難誘導係に、直上階の避難誘導を開始させる。
さらに、出火階と同様に、直上階の避難誘導係は、退室完了の際に、端末2を用いて退室完了の報告を、支援装置1に対して行う。
このようにして、支援装置1は、優先順位に従って、各フロアの避難誘導係に対して避難開始を指示するとともに、必要に応じて調整時間を指示し、避難開始を指示したフロアの避難誘導係から退室完了の報告を受けることで、次の優先順位のフロアの避難誘導係に対して避難開始を指示し、この手順を繰り返すこととなる。
なお、図5を例に説明すると、支援装置1は、13階の避難誘導係が所有する端末2から退出完了を受信した場合には、時間β13と時間αとの差分を考慮した上で、13階の次の優先順位である2階の避難誘導係に対して避難開始を指示することとなる。
なお、順次避難を行うに当たっては、先の実施例1と同様にして、各階ごとに避難開始時間を異ならせる代わりに、先の図6で説明したように、時間間隔τを最小単位として、複数階を対象に、ブロック的に避難開始を指示してもよい。
上述した内容を整理すると、本願発明の避難支援システムは、以下のような効果を実現できる。
(効果1)火災等の異状覚知後において、出火階に応じて設定される順次避難の優先順位に応じて策定された最適な順次避難計画を避難誘導係に対して迅速に伝達できる避難支援システムを実現できる。この結果、共用される避難階段内の混雑度が許容範囲内に収まるようにして避難誘導した上で、全館避難完了時間の短縮化を図ることができる。
(効果2)実施例1によれば、順次避難の優先順位に従って算出したそれぞれのフロアの避難開始時間に基づいて、各フロアの避難誘導係の所持する携帯端末に対して、避難開始タイミングを順次知らせることができる構成を備えている。この結果、それぞれのフロアの避難誘導係は、携帯端末を介して受信した情報に基づいて、適切な順次避難誘導を実行できる。
(効果3)実施例2によれば、避難開始を指示したフロアの避難誘導係から退室完了情報を取得した後に、退室完了したフロアの次の優先順位のフロアに対して避難指示を行っていく処理を、順次実行していく構成を備えている。この結果、それぞれのフロアの実際の避難状況に応じて、適切なタイミングで、避難開始の指示を行うことができる。特に、優先順位に応じて、タイムラグを考慮して退室完了情報を受信する構成とすることで、無駄な空白時間をなくし、全館避難完了時間の短縮化を実現することができる。
なお、上述した実施例1、2では、13階建ての高層ビルの9階で火災が発生した場合を例に説明した。しかしながら、順序避難を行う際に、階床ごとに区分けすることは必須の要件ではなく、避難対象となる建物において、あらかじめ設定された複数の避難対象区画に対して、順次避難を適用することが可能である。
また、上述した実施例1、2では、1つの避難階段を避難経路として共用して順次避難を行う場合について説明したが、本発明は、複数の避難経路を有する場合にも適用可能である。複数の避難経路を有する場合には、異状が発生した避難対象区画に応じて複数の避難対象区画を複数の避難ルートのいずれかに割り振り、それぞれの避難ルートごとの避難優先順位に基づいて、複数の避難対象区画における避難開始時点および避難ルートを設定することで、適切な順次避難を実現できる。
また、上述した実施例1、2では、全館避難の避難階を1階として説明したが、例えば、10階が途中の階に接続されている場合など、避難階とする要件に適合している場合は、該当階を避難階とする避難計画としてもよい。
また、順次避難は、高層であるほど効果が大きく、上述した実施例1、2でも13階建ての高層ビルについて説明したが、高層ビルだけでなく、4、5階建ての建物に適用してもよい。
1 支援装置、2 端末、3 通信回線、4 受信機、5 火災感知器、6 検知器、7 音声警報装置、8 中継器、9 中継器、10 信号線、11 制御部、12 記憶部、13 通信部、14 通信部、100 支援システム、111 特定部、112 受付部、113 要請部、116 通知部、117 編成部、118 順次避難処理部、121 設置場所データベース、122 隊員データベース、123 役割データベース、200 自動火災報知設備(自火報設備)。

Claims (6)

  1. 避難対象となる建物での異状発生時に、前記建物においてあらかじめ設定された複数の避難対象区画から、前記複数の避難対象区画に共通の避難経路を経由して、前記建物の在館者を避難場所まで避難させることで順次避難による全館避難を実行する避難支援システムであって、
    避難誘導関係者が所持する複数の携帯端末と、
    通信網を介して前記複数の携帯端末に対して前記順次避難に必要な情報を送信し、前記避難誘導関係者による避難誘導活動を支援する支援装置と
    を有し、
    前記支援装置は、
    前記避難誘導関係者に対して割り当てられた携帯端末と前記避難誘導関係者が避難誘導を担当する避難対象区画との対応関係情報と、異状が発生した避難対象区画に応じて設定される前記複数の避難対象区画の避難優先順位を記憶部に記憶しており、
    異状が発生した避難対象区画に応じて前記記憶部に記憶された前記避難優先順位に従って、前記在館者が前記避難経路を経由して避難する際の前記避難経路の混雑度が許容範囲内となる条件で、前記複数の避難対象区画のそれぞれに対する避難開始時点を設定し、
    前記複数の避難対象区画のそれぞれに対して設定された前記避難開始時点の時系列順に従って、前記避難開始時点となったことを通知すべき携帯端末を、前記記憶部に記憶された前記対応関係情報に基づいて特定し、特定した携帯端末に対して避難開始指示を順次通知する
    避難支援システム。
  2. 前記支援装置は、前記複数の避難対象区画のそれぞれについて、前記避難優先順位に従って、前記避難経路への移動を開始するまでの最適待機時間を算出し、前記最適待機時間を前記避難開始時点として設定する
    請求項1に記載の避難支援システム。
  3. 避難対象となる建物での異状発生時に、前記建物においてあらかじめ設定された複数の避難対象区画から、前記複数の避難対象区画に共通の避難経路を経由して、前記建物の在館者を避難場所まで避難させることで順次避難による全館避難を実行する避難支援システムであって、
    避難誘導関係者が所持する複数の携帯端末と、
    通信網を介して前記複数の携帯端末に対して前記順次避難に必要な情報を送信し、前記避難誘導関係者による避難誘導活動を支援する支援装置と
    を有し、
    前記支援装置は、
    前記避難誘導関係者に対して割り当てられた携帯端末と前記避難誘導関係者が避難誘導を担当する避難対象区画との対応関係情報と、異状が発生した避難対象区画に応じて設定される前記複数の避難対象区画の避難優先順位を記憶部に記憶しており、
    異状が発生した避難対象区画に応じて前記記憶部に記憶された前記避難優先順位に従って、前記在館者が前記避難経路を経由して避難する際に、前記複数の避難対象区画が、最も優先順位が高い1番目の避難対象区画から最も優先順位が低いN(Nは2以上の整数)番目の避難対象区画までのN段階の優先順位の避難対象区画である場合に、n(nは、1以上N−1以下の整数)番目の避難対象区画に対応する第n携帯端末に対して避難開始指示を通知した後、前記避難開始指示の返答として前記第n携帯端末から、前記n番目の避難対象区画から在館者が退室したことを知らせる退室完了情報を受信し、
    前記n番目の避難対象区画から前記退室完了情報を受信することで、n+1番目の避難対象区画に対応する第n+1携帯端末に対して避難開始指示を通知し、前記順次避難による全館避難を実行する
    避難支援システム。
  4. 前記支援装置は、
    前記第n携帯端末に対して前記避難開始指示を通知する際に、前記n番目の避難対象区画から在館者が退室を完了する前に前記n+1番目の避難対象区画から在館者が退室を開始しても前記避難経路の混雑度が許容範囲内に収まる調整時間を算出し、前記第n携帯端末に対して前記避難開始指示とともに前記調整時間を通知し、
    前記第n携帯端末を所持する避難誘導関係者が、実際に退出が完了する時間から前記調整時間を引いた時間に相当する退室完了見込み時点において、前記退室完了情報を前記第n携帯端末から前記支援装置に返答できるようにする
    請求項3に記載の避難支援システム。
  5. 前記支援装置は、前記複数の避難対象区画が前記建物の各階床に対応しており、前記建物で発生した異状が、ある階床で発生した火災である場合には、火災が発生した階を最も高い第1優先順位として設定し、火災が発生した階よりも上層階において前記火災の発生した階に近い順に前記第1優先順位に続く優先順位を有する第2優先順位として設定し、火災が発生した階よりも下層階を前記第2優先順位に続く優先順位を有する第3優先順位として設定する
    請求項1から4のいずれか1項に記載の避難支援システム。
  6. 前記支援装置は、前記建物が、前記避難経路として複数の避難ルートを有する場合には、異状が発生した避難対象区画に応じて前記複数の避難対象区画を前記複数の避難ルートのいずれかに割り振り、それぞれの避難ルートごとの避難優先順位に基づいて、前記複数の避難対象区画における避難開始時点および避難ルートを設定する
    請求項1から5のいずれか1項に記載の避難支援システム。
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