JP6591193B2 - 等速自在継手 - Google Patents

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Description

本発明は、等速自在継手に関する。
例えば、各種産業機械などで使用される等速自在継手では、外部からの異物の侵入および内部からのグリースの漏出を防止するためのシール部材として、ゴムや樹脂製のブーツを装着しているのが一般的である。
しかしながら、各種産業機械の中でも鉄鋼設備の一つである連続鋳造設備で使用され、各種ロールに駆動力を伝達するロール駆動力伝達装置は、80℃以上の輻射熱、水蒸気による高温多湿、スケールの飛散、薬品類などによる劣悪雰囲気下で使用されるため、前述したゴムや樹脂製のブーツからなるシール部材の場合、そのシール部材が劣化し易く、シール性能および耐久性能の低下を招来する。
このことから、劣悪雰囲気下で使用されるロール駆動力伝達装置に組み込まれた等速自在継手では、従来において、ゴムや樹脂製のブーツからなるシール部材を使用せず、金属製の球面シール構造を採用することが提案された。
しかしながら、前記鉄鋼設備の連続鋳造設備等で使用された場合、化学水や鉄粉の飛散があり、球面シール構造を採用したとしても、球面シール内環のシール面や球面シール外環のシール面の撥水コーティングでは、長期間安定したシール機能を発揮させることが困難である。すなわち、不純物の付着・堆積により、継手内部への異物侵入が避けられないものであった。
そこで、ゴムあるいは樹脂等のブーツでは耐えることができない厳しい使用環境下においても、継手内部の潤滑機能を損なわせない等速自在継手が提案された(特許文献1)。
この特許文献1の等速自在継手は、図7に示すように、外側継手部材1と、外側継手部材1の内側にトルク伝達部材(ボール)3を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材2とを備える。そして、外側継手部材1の開口部が密封装置Sにて密封される。密封装置Sは、金属球面シール部4と金属球面シール部4の外周を覆う副シール構造体5とを備える。金属球面シール部4は、凸球面状のシール面6を有する球面シール内環7と、球面シール内環7のシール面6と相対的に摺接する凹球面状のシール面8を有する球面シール外環9とからなる。
また、副シール構造体5は、球面シール外環9の外径面に摺接するシール材10を備え、このシール材10が外側継手部材1の外径側に配設されるカバー部材11に付設され、このカバー部材11に、前記シール材10がエンドプレート12にて保持された状態で装着されている。
この図7に示すものでは、球面シール外環9の内・外側においてシールする2重密封構造となっている。このため、ゴム製あるいは樹脂製のブーツのみを用いたものでは、耐えきれない厳しい使用環境下においても優れた耐水性能が得られ、長寿化を実現した。
特開2013−96545号公報
ところが、近年、使用環境が多様化して、水や化学水の飛散だけでなく、水蒸気雰囲気での需要も出てきている。このため、このような環境下に対応すべく、更なる密封機能の必要が生じてきている。
そこで、本発明は、継手内部への異物(水分、スケール)侵入及び結露に対して有効な密封構造とし、しかも継手内部の潤滑機能をその損なわない等速自在継手を提供するものである。
本発明の等速自在継手は、外側継手部材と、この外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、内側継手部材の軸心孔にシャフトが嵌入されて、前記外側継手部材の開口部が密封装置にて密封された等速自在継手であって、前記密封装置は、第1密封構造と、この第1密封構造の外周側をシールする第2密封構造と、第1密封構造の内部に収納される第3密封構造とを備え、第1密封構造は、凸球面状のシール面を有する球面シール内環と、この球面シール内環のシール面と相対的に摺接する凹球面状のシール面を有する球面シール外環とを備え、第2密封構造は、第1密封構造の球面シール外環の外径面に摺接するシール部材を備え、第3密封構造は、金属製内筒部と、金属製外筒部と、金属製内筒部と金属製外筒部とを繋ぐ可撓性材料からなる連結部とを備え、第1密封構造の球面シール外環が内側継手部材から突出した前記シャフトに外嵌されるとともに、第1密封構造の球面シール内環が外側継手部材に装着され、かつ、第3密封構造の金属製内筒部が球面シール外環のシャフトへの固定部位よりも継手側のシャフトに外嵌されるとともに、第3密封構造の金属製外筒部が第1密封構造の球面シール内径面に内嵌されて、第1密封構造によって密封される空間内に第3密封構造が収容されているものである。
本発明の等速自在継手によれば、第1密封構造及び第2密封構造にて、継手外部からの異物等の侵入を防止でき、第3密封構造にて、継手内部からのグリースの漏洩を防止でき、第1密封構造の球面シール外環内に入った異物等の継手内部内への侵入及び継手外部への漏洩を防止できる。すなわち、第1密封構造は、球面シール内環が外側継手部材に装着され、球面シール内環のシール面と球面シール外環のシール面とが摺接し、第2密封構造のシール部材が第1密封構造の球面シール外環の外径面に摺接し、第3密封構造は、金属製内筒部がシャフトに外嵌され、金属製外筒部が第1密封構造の球面シール内環に内嵌されるものであり、従来構造のものに比べて、シール性能の更なる向上を図ることができる。
第3密封構造の連結部は、金属製内筒部との繋部及び金属製外筒部の繋部を継手内部側に設けるとともに、継手外部側へ凸状となる屈曲部を有するものが好ましい。このように設定することによって、作動角を取った際に、変位が小さい側において、各繋部が配置されることになる。このため、金属製内筒部との繋部と金属製外筒部の繋部との相対的な干渉を防止できるとともに、屈曲部の屈曲角度が大となって、連結部に大きな張力が作用するのを防止できる。
継手内部へのグリース供給のためのグリースニップルを前記外側継手部材のエンドプレートに付設してもよい。このようにグリースニップルを設けておけば、この継手内部への給脂をこのグリースニップルを介して行うことができる。なお、この等速自在継手では、複数のシール構造であるので、基本的には、グリース補充を必要としない。しかしながら、従来において球面シール外環に配置されていたグリースニップルをプラグに変更しておくことによって、緊急時の給脂や水分を排出することが可能となる。
第1密封構造の球面シール内環における球面シール外環とのシール面にシールリングを配設するのが好ましい。シールリングを配設することによって、第1密封構造の密封性の向上を図ることができる。
第3密封構造の金属製内筒部の反継手側の端部にシーリング材を塗布したものであってもよい。第3密封構造の密封性の向上を図ることができ、密封装置としてのシール性の向上を達成でき、特に、水蒸気雰囲気でのシール性確保に有効に作用(機能)する。
本発明では、従来構造のものに比べて、シール性能の更なる向上を図ることができる。継手内部への水分(水蒸気)の侵入を軽減することができ、鉄粉を含む化学水などが投射される厳しい使用雰囲気においても、密封性の向上により、等速自在継手の寿命の向上を達成できる。
また、第3密封構造の連結部は、球面シール内環との繋部及び球面シール外環の繋部を継手内部側に設けるとともに、継手外部側へ凸状となる屈曲部を有するものとすれば、金属製内筒部との繋部と金属製外筒部の繋部との相対的な干渉が無くなり、また、屈曲部の屈曲角度が大となって、連結部に大きな張力が作用したりすることがなくなるので、干渉による繋部の損傷等がなくなるとともに、各繋部において引っ張り応力が作用せず、屈曲部がちぎれたり、弾性限界を越えたりすることがなくなって、耐久性に優れたものとなる。
第1密封構造の球面シール内環における球面シール外環とのシール面にシールリングを
配設したり、第3密封構造の金属製内筒部の反継手側の端部にシーリング材を塗布したり
したものであれば、密封装置としてのシール性の向上を達成でき、特に、水蒸気雰囲気で
のシール性確保に有効に作用(機能)する。また、第2密封構造は、前記シール材が外側継手部材の外径側に配設されるカバー部材に付設され、このカバー部材に、前記シール材がエンドプレートにて保持された状態で装着されているのが好ましい。
本発明の実施形態を示す等速自在継手の断面図である。 図1に示す等速自在継手の正面図である。 図1に示す等速自在継手の作動角を取った状態の断面図である。 第2密封構造を示し、(a)は前記図1に示す等速自在継手に用いた第2密封構造の断面図であり、(b)は第1の変形例の断面図であり、(c)は第2の変形例の断面図であり、(d)は第3の変形例の断面図であり、(e)は第4の変形例の断面図である。 従来の密封装置を用いた等速自在継手の断面図である。 図5に示す密封装置を示し、(a)は金属製内筒部の軸心と金属製外筒部の軸心とが一致した状態の断面図であり、(b)は金属製内筒部の軸心が金属製外筒部の軸心に対して傾斜した状態の断面図である。 従来の等速自在継手の断面図である。
以下本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。等速自在継手は、軸方向に延びる複数のトラック溝41が内径面42に円周方向等間隔で形成された外側継手部材43と、その外側継手部材43のトラック溝41と対応させて軸方向に延びる複数のトラック溝44が外径面45に円周方向等間隔で形成された内側継手部材46と、外側継手部材43のトラック溝41と内側継手部材46のトラック溝44とが協働して形成されたボールトラックに配されたトルク伝達部材である複数のボール47と、外側継手部材43の内径面42と内側継手部材46の外径面45との間に介在してボール47を保持するケージ48とを備えている。
外側継手部材43は、前記トラック溝41が形成された内径面42を有するマウス部43aと、マウス部43aの底部側の短筒部43bとを備え、この短筒部43bに、回転軸に連結固定するためのフランジ部材55が一体的に連結されている。フランジ部材55は、筒状本体部55aと、この筒状本体部55aの反外側継手部材側に設けられる円盤状外鍔部55bとからなる。筒状本体部55aの内径は、外側継手部材側の小径部56と、反外側継手部材側の大径部57とからなり、小径部56と大径部57との間の段差部に、エンドプレート58が係合している。そして、大径部57の周方向凹溝に嵌合した止め輪59と、段差部とで、エンドプレート58が挟持保持されている。なお、図1において、60aは、外側継手部材43の短筒部43bとフランジ部材55の筒状本体部55aとを固着する溶接部である。また、このエンドプレート58の中心ボス部58aに、潤滑剤供給用のグリースニップル79が付設される開口部80が設けられている。
また、フランジ部材55の円盤状外鍔部55bの裏面(外側継手部材側の面)には、周方向全周にわたる凹部61が設けられている。この凹部61は、円盤状外鍔部55bの外周縁に達しないものである。このため、フランジ部材55の円盤状外鍔部55bの裏面の周縁に周方向残部62が形成される。そして、円盤状外鍔部55bの外周面には、周方向に沿って90°ピッチで切欠部63が設けられている(図2参照)。なお、周方向残部62の高さ、すなわち、凹部61の深さTとしては、例えば、1.5mm〜2.0mm程度である。
また、内側継手部材46の軸心孔の内径面には雌スプライン部65が設けられ、この内側継手部材46の軸心孔に、シャフト66の端部の雄スプライン部67を嵌入させる。内側継手部材46の雌スプライン部65とシャフト66の雄スプライン部67とを嵌合させる。また、シャフト66の雄スプライン部67には、先端側および基端側にそれぞれ止め輪68,69が装着され、これによって、シャフト66の内側継手部材46の軸心孔からの抜けを防止している。
シャフト66の反雄スプライン部に鍔部70が設けられ、この鍔部70にフランジ部71が溶接等にて固着されている。そして、この鍔部70と一体になったフランジ部71に、中間軸72がボルト・ナット結合を介して連結されている。すなわち、中間軸72はその端部にフランジ部71に相対面するフランジ部73を有し、フランジ部71、73同士が重ね合わされた状態で、ボルト部材とナット部材とからなる固着具75で一体化される。なお、シャフト66の鍔部70には、小鍔部76が連設されている。図1において、60bは、鍔部70とフランジ部71とを固着している溶接部である。
そして、外側継手部材43の開口部は密封装置Sで密封される。密封装置Sは、第1密封構造S1と、この第1密封構造の外周側をシールする第2密封構造S2と、第1密封構造の内部に収納される第3密封構造S3とを備える。
第1密封構造S1は、外径面が凸球面状のシール面81を有する球面シール内環82と、この球面シール内環82のシール面81と相対的に摺接する凹球面状のシール面83を内径面に有する球面シール外環84とからなる。
球面シール内環82は、小径部82aと大径部82bとを有する短筒体からなり、大径部82bが外側継手部材43に外嵌固着される。すなわち、球面シール内環82は、外側継手部材43への圧入・加締め仕様とし、ボルト等の固定具を用いないようにしている。そして、球面シール内環82の小径部82aの開口端の外径面に前記シール面81が形成される。また、球面シール外環84は、内側継手部材46から延びる軸部材(シャフト)66に外嵌される短筒部84a、この短筒部84aに連設される椀形状部84bとを備える。この椀形状部84bの内径面(内球面)が前記シール面83を構成する。
短筒部84aは薄肉部85と厚肉部86とからなり、厚肉部86に、プラグ87が付設される開口部88が設けられている。また、短筒部84aの内径面と軸部材(シャフト)66の外径面との間にOリング等のシールリング90を介在させている。すなわち、薄肉部85の内径面に周方向凹溝91を設け、この周方向凹溝91にシールリング90が嵌着されている。なお、このシールリング90としては、摺動性に優れたフッ素ゴム系のものを用いるのが好ましい。
また、シャフト66の鍔部70と球面シール外環84との間にはコイルスプリング等からなる弾性部材92が介在されている。すなわち、弾性部材92は、その一方がシャフト66の小鍔部76に外嵌されるとともに、その他方が球面シール外環84の短筒部84aの薄肉部85に外嵌されている。
このように、弾性部材92を介在させることによって、弾性部材92の弾性力で、球面シール外環84が球面シール内環82に押し付けられ、球面シール内環82のシール面81と球面シール外環84のシール面83とが弾性的に接触することになる。また、球面シール内環82のシール面81の球芯O1と、球面シール外環84のシール面83の球芯O2とが、継手軸心Oと同芯であるように設定している。
このため、図1に示す状態からこの等速自在継手が作動角をとる場合、球面シール内環82のシール面81と球面シール外環84のシール面83とは、弾性的に接触した状態で摺動することになる。また、球面シール内環82および球面シール外環84は、耐腐食性に優れたSUS系材料が好適であるが、耐熱性を目的とする場合には機械構造用炭素鋼であってもよく、さらには、耐熱性に優れたSiやフッ素系ゴム等を用いてもよい。
この実施形態では、球面シール内環82および球面シール外環84は、素材調質(硬さ:HRc20〜30)後、無電解ニッケルめっきを施したものとした。これによって、耐食性・耐摩耗性を向上させた。また、球面シール内環82のシール面81と球面シール外環84のシール面83の少なくともいずれか一方に、フッ素樹脂系コーティングを施すようにするのも好ましい。この場合、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を熱融着等によりコーティングすることができる。PTFE以外に、PFA、FEP、ETFE、分子鎖末端にカルボキシルなどの官能基を有する直鎖および、または環状の、フルオロアルキル重合体またはフルオロポリエーテル重合体などのフッ素系ポリマーを使用することができる。
また、この実施形態においては、球面シール内環82のシール面81には凹溝77が形成され、この凹溝77にはOリング等のシールリング78が嵌合されている。このため、球面シール内環82のシール面81と球面シール外環84のシール面83との間にシールリング78が配設された状態となる。
ところで、第1密封構造S1の外周側に第2密封構造S2が設けられている。第2密封構造S2は、外側継手部材43の外径側に配設されるカバー部材98に付設されるリング状体からなるシール材99を備える。カバー部材98は、外側継手部材43に、リング状の間座100を介して外嵌固定される短筒体からなる。この場合、間座100は、外側継手部材43のマウス部43aの短筒部43b側に外嵌され、これにカバー部材98が外嵌された状態で、外側継手部材43のマウス部43aに螺着されるボルト部材101を介してこのカバー部材98と間座100とが外側継手部材43に固着される。
カバー部材98の反間座側の内径部には内鍔部102が設けられ、図4(a)等に示すように、この内鍔部102のシール材嵌合用の周方向切欠部103が設けられている。そして、この周方向切欠部103にシール材99が嵌合される。また、カバー部材98の反間座側の端面には、平板リング状体のエンドプレート105が取り付けられ、これによって、シール材99が周方向切欠部103に保持される。図1に示すように、エンドプレート105は、カバー部材98の内鍔部102の端面に螺着されるボルト部材106を介してカバー部材98の反間座側の端面に固着される。シール材99としては、フェルト材(不織布)、PTFE等のフッ素樹脂、ポリアミド系の合成繊維、ゴム材(CR,NR,NBR,Si,ACM,FPM/FKM等)等を用いることができる。すなわち、シール材99はフェルトやゴム材等にて構成でき、低コスト化を図ることができる。
この場合、図4(a)に示すように、シール材99の内径面99aは、球面シール外環84のシール面83に摺接することになる。なお、カバー部材98の内鍔部102の内径102aと球面シール外環84のシール面83との間には隙間Cが形成される。また、エンドプレート105の内径縁105aと球面シール外環84のシール面83との間には隙間C1が形成される。
図4(b)〜図4(e)は、シール材99の変形例を示し、図4(b)では、シール材99の内径面99aに複数個の断面Vの字状の周方向小溝112を設け、摺接面積を小さくするとともに、接触面圧を大きくしている。図4(c)では、内径面99aに切欠部113を設け、摺接面積を小さくしている。図4(d)では、内径面99aに周方向凹溝114が形成され、2つの周方向摺接部115a、115bを形成している。図4(e)では、図4(d)と同様、2つの周方向摺接部115a、115bを形成しているが、一方の周方向摺接部115aの摺接面積を大としている。
第3密封構造S3は、図1に示すように、金属製内筒部20と、金属製外筒部21と、金属製内筒部20と金属製外筒部21とを繋ぐ可撓性材料からなる連結部22とを備える。第3密封構造の金属製内筒部20が球面シール外環84のシャフト66への固定部位よりも継手側のシャフト66に外嵌される。この場合、金属製内筒部20の軸方向長さが金属製外筒部21の軸方向長さよりも長く設定されている。このため、金属製内筒部20は、その継手内部側の端部30aが止め輪69に近接する位置とすれば、その継手外部側の端部30bが球面シール内環82よりも継手外部側(反継手側)に突出する軸方向長さを有する。この場合、金属製内筒部20のシャフト66への嵌入は隙間設定である。
そして、この金属製内筒部20の端部30bにシーリング材23が塗布されている。シーリング材23としては、この等速自在継手が使用される環境に応じて、アクリル系、ウレタン系、ポリウレタン系、シリコン系、変成シリコン、油性コーキング系、及びポリサルファイド系等から種々選択できる。
また、金属製外筒部21は球面シール内環82の小径部82aに内嵌されるものである。この場合、小径部82aの内径面には、その継手内部側に周方向内切欠部25aが設けられ、その継手外部側の端部には周方向外切欠部25bが設けられている。また、金属製外筒部21は、筒部本体21aと、この筒部本体21aの継手外部側の端部に設けられる外鍔部21bとからなる。そして、内筒部21は、その筒部本体21aが、小径部82aの内径面に圧入されて、その外鍔部21bが周方向外切欠部25bに嵌合することになる。このように、外鍔部21bが周方向外切欠部25bに嵌合することによって、内筒部21が位置決めされる。
第3密封構造S3の連結部22は、金属製内筒部20との繋部22a及び金属製外筒部21との繋部22bを継手内部側に設けるとともに、継手外部側へ凸状となる屈曲部24を有するものである。屈曲部24としては、断面横倒U字形状乃至断面横倒V字形状とされる。なお、連結部22は、この実施形態においては、例えば、CRゴム(クロロプレンゴム)を用いた。また、金属製内筒部20と金属製外筒部21とに連結部22を焼き付け一体している。
本発明の等速自在継手によれば、第1密封構造S1及び第2密封構造S2にて、継手外部からの異物等の侵入を防止でき、第3密封構造S3にて、継手内部からのグリースの漏洩を防止でき、第1密封構造S1の球面シール外環84内に入った異物等の継手内部内への侵入及び継手外部への漏洩を防止できる。すなわち、第1密封構造S1は、球面シール内環82が外側継手部材43に装着され、球面シール内環82のシール面81と球面シール外環84のシール面84とが摺接し、第3密封構造S3は、金属製内筒部20がシャフト66に外嵌され、金属製外筒部21が第1密封構造S1の球面シール内環82に内嵌されるものであり、従来構造のものに比べて、シール性能の更なる向上を図ることができる。
このため、従来構造のものに比べて、シール性能の更なる向上を図ることができる。継手内部への水分(水蒸気)の侵入を軽減することができ、鉄粉を含む化学水などが投射される厳しい使用雰囲気においても、密封性の向上により、等速自在継手の寿命の向上を達成できる。
ところで、図5は、従来の密封装置を用いた等速自在継手を示している。この等速自在継手は、軸方向に延びる複数のトラック溝141が内径面142に円周方向等間隔で形成された外側継手部材143と、その外側継手部材143のトラック溝141と対応させて軸方向に延びる複数のトラック溝144が外径面145に円周方向等間隔で形成された内側継手部材146と、外側継手部材143のトラック溝141と内側継手部材146のトラック溝144とが協働して形成されたボールトラックに配されたトルク伝達部材である複数のボール147と、外側継手部材143の内径面142と内側継手部材146の外径面145との間に介在してボール147を保持するケージ148とを備えている。
内側継手部材146の軸心孔の内径面には雌スプライン部165が設けられ、この内側継手部材146の軸心孔に、シャフト166の端部の雄スプライン部167を嵌入させる。内側継手部材146の雌スプライン部165とシャフト166の雄スプライン部167とを嵌合させる。また、シャフト166の雄スプライン部167には、先端側および基端側にそれぞれ止め輪168,169が装着され、これによって、シャフト166の内側継手部材146の軸心孔からの抜けを防止している。
密封装置は、金属製内筒部150と、金属製外筒部151と、金属製内筒部150と金属製外筒部151とを繋ぐ可撓性材料からなる連結部152とを備える。この場合、連結部152は、金属製内筒部150との繋部152aを金属製内筒部150の軸方向中間部位とし、金属製外筒部151との繋部152bを、金属製外筒部151の継手外部側の端部としている。そして、継手内部側へ凸状となる屈曲部153を有するものである。
また、図6では図5に用いた密封装置の断面図を示し、図6(a)では、金属製内筒部150の軸心と金属製外筒部151の軸心とが一致している状態を示し、図6(b)では、金属製外筒部151の軸心に対して金属製内筒部150が傾斜する状態、すなわち、図5に示すように等速自在継手に装着されて作動角を取った状態を示している。このため、反傾斜側においては、繋部152a、152bに引張応力が作用し、傾斜側においては繋部152a、152bが相互に干渉する状態となる。
このように、繋部152a、152bに引張応力が作用する状態となれば、この連結部152がちぎれる状態となったり、弾性限界を越えるおそれがある、また、繋部152a、152bが相互に干渉する状態となれば、繋部152a、152bが損傷するおそれがある。
これに対して、前記図1に示すように、第3密封構造S3の連結部22としては、金属製内筒部20との繋部20a及び金属製外筒部21の繋部21aを継手内部側に設けるとともに、継手外部側へ凸状となる屈曲部24を有するものである。このように設定することによって、図3に示すように、作動角θを取った際に、変位が小さい側において、各繋部20a、20bが配置されることになる。このため、金属製内筒部20との繋部20aと金属製外筒部21の繋部21aとの相対的な干渉を防止できるとともに、屈曲部の屈曲角度が大となって、連結部22に大きな張力が作用するのを防止できる。
すなわち、干渉による繋部20a,21aの損傷等がなくなるとともに、各繋部20a,21aにおいて引っ張り応力が作用せず、屈曲部22がちぎれたり、弾性限界を越えたりすることがなくなって、耐久性に優れたものとなる。
継手内部へのグリース供給のためのグリースニップル79が付設されているので、この継手内部への給脂をこのグリースニップル79を介して行うことができる。なお、この等速自在継手では、3重シール構造であるので、基本的には、グリース補充を必要としないが、従来において球面シール外環84に配置されていたグリースニップルをプラグ87に変更しておくことによって、緊急時の給脂や水分を排出することが可能となる。
第1密封構造S1の球面シール内環82における球面シール外環84とのシール面81にシールリングを配設したり、第3密封構造S3の金属製内筒部22の反継手側の端部にシーリング材23を塗布したりしたものであれば、密封装置Sとしてのシール性の向上を達成でき、特に、水蒸気雰囲気でのシール性確保に有効に作用(機能)する。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、第1密封構造S1としては、球面シール内環82と、球面シール外環84と、これらの内外環の間に介装される球面シール中環とを備えたものであってもよい。また、等速自在継手として、図例では、ツェッパ型の固定式等速自在継手であったが、アンダーカットフリー型の固定式等速自在継手であっても、ダブルオフセット型、クロスグルーブ型、又はトリポード型等の摺動式等速自在継手であってもよい。
第3密封構造S3の連結部は、前記実施形態では、CRゴムであったが、これに限るものではなく、ARゴム(アクリルゴム)、Siゴム(シリコーンゴム)等や熱可塑性エラストマー材等の樹脂であってもよい。
20 金属製内筒部
21 金属製外筒部
22 連結部
22a 繋部
22b 繋部
23 シーリング材
24 屈曲部
43 外側継手部材
46 内側継手部材
47 ボール
66 シャフト
78 シールリング
79 グリースニップル
80 開口部
81 シール面
82 球面シール内環
83 シール面
84 球面シール外環
S 密封装置
S1、S2、S3 密封構造

Claims (6)

  1. 外側継手部材と、この外側継手部材との間でトルク伝達部材を介して角度変位を許容しながらトルクを伝達する内側継手部材とを備え、内側継手部材の軸心孔にシャフトが嵌入されて、前記外側継手部材の開口部が密封装置にて密封された等速自在継手であって、
    前記密封装置は、第1密封構造と、この第1密封構造の外周側をシールする第2密封構造と、第1密封構造の内部に収納される第3密封構造とを備え、第1密封構造は、凸球面状のシール面を有する球面シール内環と、この球面シール内環のシール面と相対的に摺接する凹球面状のシール面を有する球面シール外環とを備え、第2密封構造は、第1密封構造の球面シール外環の外径面に摺接するシール部材を備え、第3密封構造は、金属製内筒部と、金属製外筒部と、金属製内筒部と金属製外筒部とを繋ぐ可撓性材料からなる連結部とを備え、第1密封構造の球面シール外環が内側継手部材から突出した前記シャフトに外嵌されるとともに、第1密封構造の球面シール内環が外側継手部材に装着され、かつ、第3密封構造の金属製内筒部が球面シール外環のシャフトへの固定部位よりも継手側のシャフトに外嵌されるとともに、第3密封構造の金属製外筒部が第1密封構造の球面シール内環の内径面に内嵌されて、第1密封構造によってシールされる密封空間内に第3密封構造が収容されていることを特徴とする等速自在継手。
  2. 第3密封構造の連結部は、金属製内筒部との繋部及び金属製外筒部との繋部を夫々継手内部側に設けるとともに、継手外部側へ凸状となる屈曲部を有することを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
  3. 前記継手内部へのグリース供給のためのグリースニップルが、前記外側継手部材のエンドプレートに付設されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の等速自在継手。
  4. 第1密封構造の球面シール内環における球面シール外環とのシール面にシールリングを配設したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の等速自在継手。
  5. 第3密封構造の金属製内筒部の反継手側の端部にシーリング材を塗布したことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の等速自在継手。
  6. 第2密封構造は、前記シール材が外側継手部材の外径側に配設されるカバー部材に付設され、このカバー部材に、前記シール材がエンドプレートにて保持された状態で装着されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の等速自在継手。
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