JP6590542B2 - 荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置 - Google Patents

荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置 Download PDF

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Description

本発明は、荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置に係り、例えば、電子ビームを試料上に照射する電子ビーム描画装置における電子ビームの分解能の調整に関する方法及び装置に関する。
近年、LSIの高集積化に伴い、半導体デバイスの回路線幅はさらに微細化されてきている。これらの半導体デバイスへ回路パターンを形成するための露光用マスク(レチクルともいう。)を形成する方法として、優れた解像性を有する電子ビーム(EB:Electron beam)描画技術が用いられる。
図11は、可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。可変成形型電子線描画装置は、以下のように動作する。第1のアパーチャ410には、電子線330を成形するための矩形の開口411が形成されている。また、第2のアパーチャ420には、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330を所望の矩形形状に成形するための可変成形開口421が形成されている。荷電粒子ソース430から照射され、第1のアパーチャ410の開口411を通過した電子線330は、偏向器により偏向され、第2のアパーチャ420の可変成形開口421の一部を通過して、所定の一方向(例えば、X方向とする)に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340に照射される。すなわち、第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過できる矩形形状が、X方向に連続的に移動するステージ上に搭載された試料340の描画領域に描画される。第1のアパーチャ410の開口411と第2のアパーチャ420の可変成形開口421との両方を通過させ、任意形状を作成する方式を可変成形方式(VSB方式)という。
ここで、電子ビーム描画では、マスク生産においてはスループットを重要視する。一方、次世代のリソグラフィ開発のための種々な評価を行うためには、より微細なパターンの形成が求められる。すなわち、かかる場合にはビームの分解能を重要視する。
スループットを高くするにはビーム電流密度を上げることが有効であるが、その場合ビーム電流が増加して一般にクーロン効果によりビーム分解能が低下する。クーロン効果はビーム電流に大きく依存するので軌道に沿ってビーム形状が同じ条件下でビーム電流密度が低ければ、ビーム電流が小さくなり、クーロン効果の影響が小さくなり分解能が高くなり、逆に電流密度が高い場合はクーロン効果の影響が大きくなり分解能が低くなる。
また、描画装置の世代によっても分解能が異なる。一般に、世代が新しい描画装置は世代が古い描画装置よりも分解性が高い。しかし、世代が上がったからと言って常に最先端のパターンだけを描画する訳ではない。古い世代に描画されていた分解性が低いパターンも描画する。
このように、例えばビーム電流の条件によって、或いは、異なる描画装置間によって、ビームの分解能が異なってしまう。一方、描画後の試料に対して実施されるエッチング等のプロセスでは、描画時のビームの分解能に依存したプロセス条件が設定されている。言い換えれば、描画時のビームの分解能が変わってしまうと、後工程のプロセスのパラメータの最適化がやり直しになってしまう。よって、プロセス重視の観点からは、どのエミッション電流の条件によってでも、或いは、どの描画装置を用いた場合でも、同じ分解能性能が求められる。
ここで、一端側と他端側でビームプロファイルの傾きが異なるビームを、一端側と他端側とで反転させた同じ寸法のビームプロファイルのビームと重ねることでパターンの設計上の中心位置をずらさずに一端側と他端側で対称となる形状のパターンを形成する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−054945号公報
そこで、本発明の一態様は、ビームの分解能の性能が異なる複数のビームを用いる場合でも低い分解能のビームと同様のビームで描画可能な方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画方法は、
重ね合わせることにより、第1の分解能を有する第1の荷電粒子ビームで得られる第1の図形パターンと同じ形状が得られるように、第1の分解能よりも高い第2の分解能を有する第2の荷電粒子ビームを用いて得られる、前記第1の図形パターンの幅寸法よりも小さい幅寸法の図形パターンと大きい幅寸法の図形パターンとを含む幅寸法が互いに異なる複数の第2の図形パターンを作成する工程と、
第2の荷電粒子ビームを用いて、複数の第2の図形パターンを重ねた多重描画を行うことにより前記第1の図形パターンを描画する工程と、
を備え
前記第1の分解能を有する前記第1の荷電粒子ビームで得られるビームプロファイルは、前記第2の分解能を有する前記第2の荷電粒子ビームで得られるビームプロファイルよりも傾きがなだらかであることを特徴とする。
また、複数の第2の図形パターン用の第2の荷電粒子ビームの各ビームプロファイルを重ねた場合に、閾値モデルの閾値の位置における重ね合わせた後のビームプロファイルの傾きを、第1の図形パターン用の第1の荷電粒子ビームのビームプロファイルの傾きと一致させるように、複数の第2の図形パターンを作成すると好適である。
また、第1と第2の分解能が異なる要因として、同一描画装置でビーム電流が異なる第1の場合と、描画装置自体が異なる第2の場合とが含まれる。
また、本発明の他の態様の荷電粒子ビーム描画方法は、
隣接配置することにより、第1の分解能を有する第1の荷電粒子ビームで得られる第1の図形パターンと同じ形状が得られるように、第1の分解能よりも高い第2の分解能を有する第2の荷電粒子ビームを用いて得られる、前記第1の図形パターンの幅寸法より小さい幅寸法の図形パターンを挟んで隣接配置される幅寸法が互いに異なる複数の第2の図形パターンを作成する工程と、
第2の荷電粒子ビームを用いて、隣接配置するように複数の第2の図形パターンを描画することにより前記第1の図形パターンを描画する工程と、
を備え
前記複数の第2の図形パターン用の前記第2の荷電粒子ビームの各ビームプロファイルを重ねた場合に、閾値モデルの閾値の位置における重ね合わせた後のビームプロファイルの傾きを、前記第1の図形パターン用の前記第1の荷電粒子ビームのビームプロファイルの傾きと一致させるように、前記複数の第2の図形パターンを作成し、
前記第1の分解能を有する前記第1の荷電粒子ビームで得られるビームプロファイルは、前記第2の分解能を有する前記第2の荷電粒子ビームで得られるビームプロファイルよりも傾きがなだらかであることを特徴とする。
また、本発明の一態様の荷電粒子ビーム描画装置は、
重ね合わせることにより、第1の分解能を有する第1の荷電粒子ビームで得られる第1の図形パターンと同じ形状が得られるように、第1の分解能よりも高い第2の分解能を有する第2の荷電粒子ビームを用いて得られる、前記第1の図形パターンの幅寸法よりも小さい幅寸法の図形パターンと大きい幅寸法の図形パターンとを含む幅寸法が互いに異なる複数の第2の図形パターンを作成するパターン作成部と、
第2の荷電粒子ビームを用いて、複数の第2の図形パターンを重ねた多重描画を行うことにより前記第1の図形パターンを描画する描画部と、
を備え、
前記第1の分解能を有する前記第1の荷電粒子ビームで得られるビームプロファイルは、前記第2の分解能を有する前記第2の荷電粒子ビームで得られるビームプロファイルよりも傾きがなだらかであり、
前記複数の第2の図形パターン用の前記第2の荷電粒子ビームの各ビームプロファイルを重ねた場合に、閾値モデルの閾値の位置における重ね合わせた後のビームプロファイルの傾きを、前記第1の図形パターン用の前記第1の荷電粒子ビームのビームプロファイルの傾きと一致させるように、前記複数の第2の図形パターンを作成することを特徴とする。
本発明の一態様によれば、ビームの分解能の性能が異なる複数のビームを用いる場合でも低い分解能のビームと同様のビームで描画できる。よって、低い分解能で最適化された後工程のプロセス条件の更なる最適化処理を不要にできる。
実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。 実施の形態1における各領域を説明するための概念図である。 実施の形態1における異なる描画装置間での形成パターンの違いを説明するための図である。 実施の形態1における多重描画のパターン構成とビームプロファイルの一例を示す図である。 実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。 実施の形態1における多重回数を2回で近似する場合の図形パターンとビームプロファイルとを示す図である。 実施の形態1における図形パターンの端部付近のビームプロファイルのシミュレーション比較結果の一例を示す図である。 実施の形態1における図形パターンの端部付近の45度方向のビームプロファイルのシミュレーション比較結果の一例を示す図である。 実施の形態2における隣接配置パターンの構成とビームプロファイルの一例を示す図である。 実施の形態2における隣接配置パターンのサイズと入射照射量の求め方を説明するための図である。 可変成形型電子線描画装置の動作を説明するための概念図である。
以下、実施の形態では、荷電粒子ビームの一例として、電子ビームを用いた構成について説明する。但し、荷電粒子ビームは、電子ビームに限るものではなく、イオンビーム等の荷電粒子を用いたビームでも構わない。また、荷電粒子ビーム装置の一例として、可変成形型の描画装置について説明する。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1における描画装置の構成を示す概念図である。図1において、描画装置100は、描画部150と制御部160を備えている。描画装置100は、荷電粒子ビーム描画装置の一例である。特に、可変成形型(VSB型)の描画装置の一例である。描画部150は、電子鏡筒102、及び描画室103を備えている。電子鏡筒102内には、電子銃201、照明レンズ202、第1の成形アパーチャ部材203、投影レンズ204、偏向器205、第2の成形アパーチャ部材206、対物レンズ207、主偏向器208、及び副偏向器209が配置されている。描画室103内には、XYステージ105が配置される。XYステージ105上には、描画時には描画対象となるマスク等の試料101が配置される。試料101には、半導体装置を製造する際の露光用マスクが含まれる。また、試料101には、レジストが塗布された、まだ何も描画されていないマスクブランクスが含まれる。
制御部160は、制御計算機110、メモリ112、制御回路120、及び磁気ディスク装置等の記憶装置140,142,144,146を有している。制御計算機110、メモリ112、制御回路120、及び記憶装置140,142,144,146は、図示しないバスで接続されている。制御回路120は、描画部150に接続され、描画部150を制御する。
制御計算機110内には、取得部50、N設定部52、パラメータ演算部54、パターン作成部56、データ処理部58、及び描画制御部60が配置される。取得部50、N設定部52、パラメータ演算部54、パターン作成部56、データ処理部58、及び描画制御部60といった各機能は、プログラムといったソフトウェアで構成されても良い。或いは、電子回路等のハードウェアで構成されてもよい。或いは、これらの組み合わせであってもよい。取得部50、N設定部52、パラメータ演算部54、パターン作成部56、データ処理部58、及び描画制御部60内に必要な入力データ或いは演算された結果はその都度メモリ112に記憶される。
ここで、図1では、実施の形態1を説明する上で必要な構成を記載している。描画装置100にとって、通常、必要なその他の構成を備えていても構わない。例えば、位置偏向用には、主偏向器208と副偏向器209の主副2段の多段偏向器を用いているが、1段の偏向器或いは3段以上の多段偏向器によって位置偏向を行なう場合であってもよい。また、描画装置100には、マウスやキーボード等の入力装置、及びモニタ装置等が接続されていても構わない。
図2は、実施の形態1における各領域を説明するための概念図である。図2において、試料101の描画領域10は、主偏向器208のY方向偏向可能幅のサイズによって短冊状の複数のストライプ領域20に仮想分割される。また、各ストライプ領域20は、副偏向器209の偏向可能なサイズによって複数のサブフィールド(SF)30(小領域)に仮想分割される。そして、各SF30の各ショット位置にショット図形32が描画される。
制御回路120から図示しないDACアンプに対して、主偏向制御用のデジタル信号が出力される。そして、主偏向制御用のDACアンプでは、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅させた上で偏向電圧として、主偏向器208に印加する。かかる偏向電圧によって電子ビーム200が偏向させられ、各ショットのビームがメッシュ状に仮想分割された、目標となるSF30の基準位置Aに偏向される。
制御回路120から図示しないDACアンプに対して、副偏向制御用のデジタル信号が出力される。そして、副偏向制御用のDACアンプでは、デジタル信号をアナログ信号に変換し、増幅させた上で偏向電圧として、副偏向器209に印加する。かかる偏向電圧によって電子ビーム200が偏向させられ、各ショットのビームが対象となるSF30内の各ショットの基準位置Bに偏向される。
描画装置100では、複数段の多段偏向器を用いて、ストライプ領域20毎に描画処理を進めていく。ここでは、一例として、主偏向器208、及び副偏向器209といった2段偏向器が用いられる。XYステージ105が例えば−x方向に向かって連続移動しながら、1番目のストライプ領域20についてx方向に向かって描画を進めていく。そして、1番目のストライプ領域20の描画終了後、同様に、或いは逆方向に向かって2番目のストライプ領域20の描画を進めていく。以降、同様に、3番目以降のストライプ領域20の描画を進めていく。そして、主偏向器208が、XYステージ105の移動に追従するように、SF30の基準位置に電子ビーム200を順に偏向する。また、副偏向器209が、各SF30の基準位置から当該SF30内に照射されるビームの各ショット位置に電子ビーム200を偏向する。このように、主偏向器208、及び副偏向器209は、サイズの異なる偏向領域をもつ。そして、SF30は、かかる複数段の偏向器の偏向領域のうち、最小偏向領域となる。
電子銃201(放出部)から放出された電子ビーム200は、照明レンズ202により矩形の穴を持つ第1の成形アパーチャ部材203の開口部全体を含む領域を照明する。ここで、電子ビーム200をまず矩形に成形する。そして、第1の成形アパーチャ部材203を通過した第1のアパーチャ像の電子ビーム200は、投影レンズ204により第2の成形アパーチャ部材206上に投影される。偏向器205によって、かかる第2の成形アパーチャ部材206上での第1のアパーチャ像は偏向制御され、ビーム形状と寸法を変化させる(可変成形を行なう)ことができる。かかる可変成形はショット毎に行なわれ、通常ショット毎に異なるビーム形状と寸法に成形される。そして、第2の成形アパーチャ部材206を通過した第2のアパーチャ像の電子ビーム200は、対物レンズ207により焦点を合わせ、主偏向器208及び副偏向器209によって偏向され、連続的に移動するXYステージ105に配置された試料101の所望する位置に照射される。図1では、位置偏向に、主副2段の多段偏向を用いた場合を示している。かかる場合には、主偏向器208でSF30の基準位置Aにステージ移動に追従しながら該当ショットの電子ビーム200を偏向し、副偏向器209でSF内の各ショット図形の基準位置B(照射位置)にかかる該当ショットのビームの基準位置が合うようにビームを偏向すればよい。かかる動作を繰り返し、各ショットのショット図形を繋ぎ合わせることで、描画データに定義された図形パターンを描画する。
ここで、上述したように、分解能σ1、σ2(第1と第2の分解能)が異なる要因として、同一描画装置で例えばエミッション電流(ビーム電流)が異なる第1の場合と、描画装置自体が異なる第2の場合とが含まれる。
図3は、実施の形態1における異なる描画装置間での形成パターンの違いを説明するための図である。ここでは、図3(a)に示すように、例えば、設計パターンとして、矩形パターンを描画する場合を想定する。図3(b)に示すビーム分解能が低い装置Aでは、図3(c)に示すように、設計パターンに対して、4隅が大きく丸くなった直線部分があまり無いパターンが形成される。これに対して、図3(d)に示すビーム分解能が高い装置Bでは、図3(e)に示すように、設計パターンに対して、4隅部分が丸くなるものの4辺は直線に形成されるパターンが形成される。このように、異なる描画装置間によって、ビームの分解能が異なると形成されるパターン形状に大きな違いが生じてしまう。一方、描画後の試料に対して実施されるエッチング等のプロセスでは、描画時のビームの分解能に依存したプロセス条件が設定されている。言い換えれば、描画時のビームの分解能が変わってしまうと、後工程のプロセスのパラメータの最適化がやり直しになってしまう。よって、プロセス重視の観点からは、どのエミッション電流の条件によってでも、或いは、どの描画装置を用いた場合でも、同じ分解能性能が求められる。そこで、実施の形態1では、ビーム分解能が高い装置、或いはビーム分解能が高いエミッション電流の条件で得られるビームを用いて、形成されるパターンを、ビーム分解能が低い装置、或いはビーム分解能が低いエミッション電流の条件で得られるビームで描画されるパターンに合わせる。具体的には以下のように実施する。
図4は、実施の形態1における多重描画のパターン構成とビームプロファイルの一例を示す図である。図4(a)では、設計パターン(第1の図形パターン)を示している。ここでは、矩形パターンを描画する場合を想定する。ビーム分解能が低い装置、或いはビーム分解能が低いエミッション電流の条件で、かかる矩形パターンを描画する場合、図4(b)に示すようにビームプロファイルの傾きがなだらかなビームによって閾値モデルの閾値Dthの幅寸法のパターンを形成できる。一方、ビーム分解能が高い装置、或いはビーム分解能が高いエミッション電流の条件で、図4(a)に示す矩形パターン(第1の図形パターン)を描画する場合、図4(c)に示すように、幅寸法が互いに異なる複数の図形パターン(第2の図形パターン)を重ねた多重描画を行う。図4(c)の例では、図4(a)に示す矩形パターンよりも幅寸法の小さい矩形パターンと同じ幅寸法の矩形パターンと幅寸法の大きい矩形パターンとの3つの矩形パターンを多重描画する。図4(c)に示す3つの矩形パターンの照射量の合計が図4(a)に示す矩形パターンの照射量と同様になる点は言うまでもない。かかる複数の矩形パターンの描画順序はどれからでも構わない。かかる多重描画により、図4(d)に示すようにビームプロファイルの傾きが、1回で描画する場合よりも相対的になだらかなプロファイルのビームによって閾値モデルの閾値Dthの幅寸法のパターンを形成できる。
図5は、実施の形態1における描画方法の要部工程を示すフローチャート図である。図5では、高いビーム分解能のビームで、低いビーム分解能のビームにより形成されるパターンに合わせる場合を示している。図5において、実施の形態1における描画方法は、分解能パラメータ入力工程(S102)と、多重度N設定工程(S104)と、パラメータ演算工程(S106)と、複数パターン作成工程(S108)と、描画工程(S110)と、いう一連の工程を実施する。
分解能パラメータ入力工程(S102)として、まず、描画装置100の外部から描画されるパターン形状を合わせる複数のビーム分解能σ1,σ2のパラメータを入力し、記憶装置142に格納しておく。ここでは、一例として、高いビーム分解能σ2で描画可能な描画装置100に、かかる自己のビーム分解能σ2のパラメータと、別の描画装置の低いビーム分解能σ1のパラメータとを格納しておく。そして、取得部50は、記憶装置142から複数のビーム分解能σ1,σ2のパラメータを読み出し、取得する。
多重度N設定工程(S104)として、N設定部52は、高いビーム分解能のビームで多重描画する場合の多重度Nを設定する。多重回数(多重度)は、例えば、2回(N=2)、或いは3回(N=3)が好適である。
パラメータ演算工程(S106)として、パラメータ演算部54は、高いビーム分解能のビームで多重描画する多重回数(多重度)個の図形パターン(第2の図形パターン)用の各ビームプロファイルを重ねた場合に、閾値モデルの閾値の位置における重ね合わせた後のビームプロファイルの傾きを、低いビーム分解能のビームで描画(例えば1回描画)する図形パターン(第1の図形パターン)用のビームプロファイルの傾きと一致させるように、パラメータを演算する。
前提として、データ像関数psf(r)を、距離r、ビーム分解能σを用いて、以下の式(1)と仮定する。分解能が低いとはσが大きいこと、分解能が高いとはσが小さいことを意味する。また、ビーム電流分布はビーム形状を表す関数とデータ像関数との畳み込み積分で表されるとする。
Figure 0006590542
次に、低いビーム分解能σ1で描画する図形パターン(例えば矩形パターン)の幅寸法をa、長さをLとして、Lがaより十分長い無限長とみなせる直線を仮定する。図形パターンの中心位置をx=0とすると、図形パターンの端部(エッジ)の位置xは、x=±a/2となる。今、パターン中央部の右端部を考えると、x=a/2付近となるx=a/2+Xでの分布は、aがσよりも十分大きい(a>>σ)と仮定すると以下の式(2)で定義できる。
Figure 0006590542
以下、便宜上Xをxと表現する。分布関数gは、x≧0の場合には、以下の式(3−1)で、x<0の場合には、以下の式(3−2)で定義できる。但し、erf(z)は式(3−3)で定義される誤差関数である。
Figure 0006590542
次に、低いビーム分解能σ1で描画する図形パターン(例えば矩形パターン)を高いビーム分解能σ2で描画する場合の近似式fを定義する。まず、閾値モデルの閾値のx方向(パターン幅方向)位置xと、位置xからの微小距離dxと、ビーム分解能σとを用いて、近似式f(dx,σ,x)を以下の式(4)で定義する。
Figure 0006590542
例えば、多重回数(多重度)を2回に設定する2関数近似を行う場合について説明する。
図6は、実施の形態1における多重回数を2回で近似する場合の図形パターンとビームプロファイルとを示す図である。図6(c)に、低いビーム分解能σ1で描画する図形パターン16を示す。図形パターン16は、幅寸法aとする。ここでは縦方向の長さはaよりも十分長いとする。実施の形態1では、図形パターン16を、図6(a)に示すように、高いビーム分解能σ2で幅寸法(a−2dx)の図形パターン12と幅寸法(a+2dx)の図形パターン14とを多重描画することで近似する。低いビーム分解能σ1、高いビーム分解能σ2、x方向(パターン幅方向)位置x、位置xからの微小距離dx、係数k1,k2を用いて、低いビーム分解能σ1で描画する図形パターン16の近似式fと高いビーム分解能σ2で2回多重描画する図形パターン12,14の近似式fとが以下の式(5)を満たすようにすればよい。
Figure 0006590542
式(5)の左辺は、低いビーム分解能σ1で描画する図形パターン16の項を示す。式(5)の右辺の第1項は、高いビーム分解能σ2で描画する幅寸法が小さい図形パターン12の項を示す。式(5)の右辺の第2項は、高いビーム分解能σ2で描画する幅寸法が大きい図形パターン14の項を示す。図形パターンの中心位置をx=0とすると、図形パターン16の端部(エッジ)の位置xは、x=±a/2となる。式(5)において、閾値モデルの閾値Dthのx方向(パターン幅方向)位置x(図6(b)に示すC部)は、図形パターン16の端部(エッジ)の位置xは、x=a/2となる。よって、x=a/2において、式(5)が成り立つ必要がある。同時に、同じ分解能の特性にするには、図6(b)に示すように、x=a/2における図形パターン12のビームプロファイルA1と図形パターン14のビームプロファイルA2との合成プロファイルの傾きが、図形パターン16のビームプロファイルB1の傾きに一致する必要がある。言い換えれば、x=a/2での式(5)の左辺の1回微分値と、式(5)の右辺の1回微分値とが一致する必要がある。よって、これらを満たす微小距離dx、係数k1,k2をパラメータとして演算する。また、x=a/2での式(5)の左辺の高次微分値と、式(5)の右辺の高次微分値とが一致するように演算すればよい。例えば、2回微分値が一致するように演算すればよい。以上により未知の変数dx,k1,k2と同じ数の関係式が得られる。よって、かかる関係式により、未知の変数dx,k1,k2を求めることができる。例えば、σ1=2、σ2=1の場合、k1=k2≒0.5、dx=0.83・σ2となる。
なお、高いビーム分解能σ2で幅寸法(a−2dx)の図形パターン12と幅寸法(a+2dx)の図形パターン14とを多重描画する際のそれぞれの入射照射量は、低いビーム分解能σ1で描画する図形パターン16の入射照射量の1/2ずつに設定すればよい。
或いは、図4(c)に示したように、実施の形態1における多重回数を3回で近似しても好適である。例えば、図4(a)に示す、低いビーム分解能σ1で描画する幅寸法aの図形パターンを、図4(c)に示したように、高いビーム分解能σ2で幅寸法(a−2dx)の図形パターン(上段)と幅寸法aの図形パターン(中断)と幅寸法(a+2dx)の図形パターン(下段)とを多重描画することで近似する。低いビーム分解能σ1、高いビーム分解能σ2、x方向(パターン幅方向)位置x、位置xからの微小距離dx、係数k1,k2,k3を用いて、低いビーム分解能σ1で描画する図形パターンの近似式fと高いビーム分解能σ2で3回多重描画する幅寸法が異なる3つの図形パターンの近似式fとが以下の式(6)を満たすようにすればよい。
Figure 0006590542
式(6)の左辺は、低いビーム分解能σ1で描画する図形パターンの項を示す。式(6)の右辺の第1項は、高いビーム分解能σ2で描画する幅寸法が最も小さい図形パターン(図4(c)上段)の項を示す。式(6)の右辺の第2項は、高いビーム分解能σ2で描画する幅寸法が左辺の図形パターンと同じ図形パターン(図4(c)中段)の項を示す。式(6)の右辺の第3項は、高いビーム分解能σ2で描画する幅寸法が大きい図形パターン(図4(c)下段)の項を示す。図形パターンの中心位置をx=0とすると、図4(a)に示す図形パターンの端部(エッジ)の位置xは、x=±a/2となる。式(6)において、閾値モデルの閾値Dthのx方向(パターン幅方向)位置xは、x=a/2となる。よって、x=a/2において、式(6)が成り立つ必要がある。同時に、同じ分解能の特性にするには、x=a/2における図形パターン(図4(c)上段)のビームプロファイルと図形パターン(図4(c)中段)のビームプロファイルと図形パターン(図4(c)下段)のビームプロファイルとの合成プロファイルの傾きが、図形パターン(図4(a))のビームプロファイルの傾きに一致する必要がある。言い換えれば、x=a/2での式(6)の左辺の1回微分値と、式(6)の右辺の1回微分値とが一致する必要がある。よって、これらを満たす微小距離dx、係数k1,k2,k3をパラメータとして演算する。また、x=a/2での式(6)の左辺の高次微分値と、式(6)の右辺の高次微分値とが一致するように演算すればよい。例えば、2回微分値および3回微分値が一致するように演算すればよい。以上により未知の変数dx,k1,k2,k3と同じ数の関係式が得られる。よって、かかる関係式により、未知の変数dx,k1,k2,k3を求めることができる。例えば、σ1=2、σ2=1の場合、k1=k3≒0.27、k2≒0.47、dx≒1.66・σ2となる。
複数パターン作成工程(S108)として、パターン作成部56は、パラメータdxを用いて、重ね合わせることにより、低いビーム分解能σ1(第1の分解能)を有する電子ビーム200(第1の電子ビーム)で得られる図形パターン(第1の図形パターン)と同じ形状が得られるように、ビーム分解能σ1よりも高いビーム分解能σ2(第2の分解能)を有する電子ビーム(第2の電子ビーム)を用いて得られる、幅寸法が互いに異なる複数の図形パターン(第2の図形パターン)を作成する。具体的には、パターン作成部56は、複数の図形パターン12,14用の電子ビームの各ビームプロファイルA1,A2を重ねた場合に、閾値モデルの閾値Dthの位置における重ね合わせた後のビームプロファイルの傾きを、図形パターン16用の電子ビームのビームプロファイルB1の傾きと一致させるように、複数の図形パターン12,14(多重用分割パターン)を作成する。図6の例では、幅寸法(a−2dx)の図形パターン12と幅寸法(a+2dx)の図形パターン14とを作成する。そして、かかる図形パターン12と図形パターン14は、入射照射量が図形パターン16の半分に設定される。作成された複数の多重用分割パターンのパターンデータは、記憶装置146に格納される。多重用分割パターンのパターンデータには、図形コード、座標、サイズ等の各データが定義される。さらに、各図形の照射量データも合わせて定義されても良い。或いは、照射量データは別のファイルデータに定義されてもよい。
図7は、実施の形態1における図形パターンの端部付近のビームプロファイルのシミュレーション比較結果の一例を示す図である。図7において、縦軸は入射照射量(相対値)、横軸は位置xを示す。なお、図7では、閾値モデルの閾値のビームプロファイルのx方向位置をゼロとした場合を示している。グラフAは、低いビーム分解能σ1を有する電子ビーム200で1回描画を行うことで得られるビームプロファイルの一例を示す。グラフBは、高いビーム分解能σ2を有する電子ビーム200で1回描画を行うことで得られるビームプロファイルの一例を示す。グラフCは、高いビーム分解能σ2を有する電子ビーム200で2回描画(多重描画)を行うことで得られるビームプロファイルの一例を示す。グラフDは、高いビーム分解能σ2を有する電子ビーム200で32回描画(多重描画)を行うことで得られるビームプロファイルの一例を示す。図7に示すように、2回描画よりも3回描画の方が、より高精度に、上述した低いビーム分解能σ1で描画する場合のビームプロファイルに近づけることができる。
図8は、実施の形態1における図形パターンの端部付近の45度方向のビームプロファイルのシミュレーション比較結果の一例を示す図である。図8において、縦軸は入射照射量(相対値)、横軸は位置xを示す。図形パターンの幅寸法だけでなく角部の位置についても合わせることが望ましい。図8では、かかる角部のビームプロファイルのシミュレーション比較結果の一例を示す。なお、図8では、閾値モデルの閾値のビームプロファイルのx方向位置をゼロとした場合を示している。グラフA’は、低いビーム分解能σ1を有する電子ビーム200で1回描画を行うことで得られるビームプロファイルの一例を示す。グラフB’は、高いビーム分解能σ2を有する電子ビーム200で1回描画を行うことで得られるビームプロファイルの一例を示す。グラフC’は、高いビーム分解能σ2を有する電子ビーム200で2回描画(多重描画)を行うことで得られるビームプロファイルの一例を示す。グラフD’は、高いビーム分解能σ2を有する電子ビーム200で32回描画(多重描画)を行うことで得られるビームプロファイルの一例を示す。図7に示すように、2回描画よりも3回描画の方が、より高精度に、上述した低いビーム分解能σ1で描画する場合のビームプロファイルに近づけることができる。
描画工程(S110)として、まず、データ処理部58は、記憶装置146から多重用分割パターンを読み出す。そして、複数段のデータ変換処理を行って、描画装置固有のショットデータを生成する。描画装置100のビーム成形サイズには限界があるので、かかる多重用分割パターン(図形パターン)を一度に照射することは困難である。そのため、描画装置100で成形可能なサイズで多重用分割パターン(図形パターン)を複数のショット図形に分割する。そして、ショット図形毎にショットデータを生成する。ショットデータには、図形コード、座標、サイズ等の各データが定義される。さらに、各図形の照射量データも合わせて定義されても良い。或いは、照射量データは別のファイルデータに定義されてもよい。ショットデータは記憶装置144に格納される。
そして、制御回路120は、記憶装置144からショットデータを読み出し、ショットデータに従って、描画部150を制御する。描画部150は、ビーム分解能σ1よりも高いビーム分解能σ2(第2の分解能)を有する電子ビーム(第2の電子ビーム)を用いて、複数の多重用分割パターン(第2の図形パターン)を重ねた多重描画を行う。
以上のように、実施の形態1によれば、ビームの分解能の性能が異なる複数のビームを用いる場合でも低い分解能のビームと同様のビームで描画できる。よって、低い分解能で最適化された後工程のプロセス条件の更なる最適化処理を不要にできる。
実施の形態2.
実施の形態1では、多重描画を前提にして分割パターンを作成したが、これに限るものではない。実施の形態2では、隣接配置する幅寸法および入射照射量が異なる分割パターンを作成する構成について説明する。描画装置100の構成については、図1と同様である。また、描画方法については図5と同様である。その他、特に説明しない点は実施の形態1と同様である。
図9は、実施の形態2における隣接配置パターンの構成とビームプロファイルの一例を示す図である。図9(a)では、設計パターン(第1の図形パターン)を示している。ここでは、矩形パターン22を描画する場合を想定する。ビーム分解能が低い装置、或いはビーム分解能が低いエミッション電流の条件で、かかる矩形パターン22を描画する場合、図9(b)に示すようにビームプロファイルの傾きがなだらかなビームによって閾値モデルの閾値Dthの幅寸法のパターンを形成できる。一方、ビーム分解能が高い装置、或いはビーム分解能が高いエミッション電流の条件で、図9(a)に示す矩形パターン22(第1の図形パターン)を描画する場合、図9(c)に示すように、幅寸法が互いに異なる複数の図形パターン24,26(第2の図形パターン)を隣接配置した描画を行う。図9(c)の例では、図9(a)に示す矩形パターンよりも幅寸法の小さい同じ入射照射量の矩形パターン24の一端側にさらに幅寸法の小さく、かつ入射照射量が小さい矩形パターン26を他端側に同様に幅寸法の小さく、かつ同様に入射照射量が小さい矩形パターン28を隣接配置するように描画する。かかる複数の矩形パターン24,26,28の描画順序はどれからでも構わない。かかる描画により、図9(d)に示すようにビームプロファイルの傾きが、1個の矩形パターン22を高い分解能σ2のビームで描画する場合よりも相対的になだらかなプロファイルのビームによって閾値モデルの閾値Dthの幅寸法のパターンを形成できる。
図10は、実施の形態2における隣接配置パターンのサイズと入射照射量の求め方を説明するための図である。図10(a)の例では、上述した2関数近似の式(5)を適用できる。左右の端部(エッジ)について、それぞれ演算すればよい。
図10で、図形パターン22は実施の形態1で説明した図4の図形と同じ幅aの図形として説明する。実施の形態1の例と同じく、図形の中心をx=0とし、x=a/2での照射量分布を考える。形態1で求めた入射照射量分布は、x≦a/2−dxでk1+k2=1,a/2−dx≦x≦a/2+dxでk2=0.5である。従って、x≦a/2−dxの領域のパターンをk1+k2=1の照射量で描画し、a/2−dx≦x≦a/2+dxの領域の幅2dxのパターンをk2=1/2の照射量で描画すれば良い。また、図10(a)の例でX=−a/2の端も考えると、−a/2−dx≦x≦−a/2+dxの幅2dxのパターン26と、a/2−dx≦x≦a/2+dxの幅2dxのパターン28とを照射量k2=1/2で描画し、−a/2+dx≦x≦a/2−dxの幅a−2dxのパターン24を照射量k1+k2=1で描画すれば良い。
或いは、図10(b)の様に隣接配置パターンの数を増やすことも出来る。この場合、式(6)を適用し、−a/2−dx≦x≦−a/2の幅dxのパターン34をk1≒0.27,−a/2≦x≦−a/2+dxの幅dxのパターン32をk1+k2≒0.73,−a/2+dx≦x≦a/2−dxの幅a−2dxのパターン30を1、a/2−d≦x≦a/2の幅dxのパターン32をk1+k2≒0.73,a/2≦x≦a/2+dxの幅dxのパターン34をk1≒0.27で描画することにより更に照射量分布のより高次の項まで一致させることが出来る。
複数パターン作成工程(S108)として、パターン作成部56は、パラメータdxを用いて、隣接配置することにより、低いビーム分解能σ1(第1の分解能)を有する電子ビーム(第1の荷電粒子ビーム)で得られる図形パターン22(第1の図形パターン)と同じ形状が得られるように、低いビーム分解能σ1よりも高いビーム分解能σ2(第2の分解能)を有する電子ビーム(第2の荷電粒子ビーム)を用いて得られる、幅寸法が互いに異なる複数の図形パターン24,26,28(第2の図形パターン)を作成する。具体的には、上述した演算結果から、矩形パターン24は、図形パターン22と同じ入射照射量で、幅が(a−2dx)のパターンとして作成できる。また、矩形パターン26(及び矩形パターン28)は、図形パターン22の1/2の入射照射量で、幅が2dxのパターンとして作成できる。
描画工程(S110)として、まず、データ処理部58は、記憶装置146から隣接配置用分割パターンを読み出す。そして、複数段のデータ変換処理を行って、描画装置固有のショットデータを生成する。描画装置100のビーム成形サイズには限界があるので、かかる隣接配置用分割パターン(図形パターン)を一度に照射することは困難である。そのため、描画装置100で成形可能なサイズで多重用分割パターン(図形パターン)を複数のショット図形に分割する。但し、端部に配置された小図形パターン26,28については、それぞれ1ショットのショット図形で形成されると望ましい。
そして、ショット図形毎にショットデータを生成する。ショットデータには、図形コード、座標、サイズ等の各データが定義される。さらに、各図形の照射量データも合わせて定義されても良い。或いは、照射量データは別のファイルデータに定義されてもよい。ショットデータは記憶装置144に格納される。
そして、制御回路120は、記憶装置144からショットデータを読み出し、ショットデータに従って、描画部150を制御する。描画部150は、ビーム分解能σ1よりも高いビーム分解能σ2(第2の分解能)を有する電子ビーム(第2の電子ビーム)を用いて、隣接配置するように複数の隣接配置用分割パターン(第2の図形パターン)を描画する。
以上のように、実施の形態2によれば、実施の形態1と同様、ビームの分解能の性能が異なる複数のビームを用いる場合でも低い分解能のビームと同様のビームで描画できる。よって、低い分解能で最適化された後工程のプロセス条件の更なる最適化処理を不要にできる。
以上、具体例を参照しつつ実施の形態について説明した。しかし、本発明は、これらの具体例に限定されるものではない。
また、装置構成や制御手法等、本発明の説明に直接必要しない部分等については記載を省略したが、必要とされる装置構成や制御手法を適宜選択して用いることができる。例えば、描画装置100を制御する制御部構成については、記載を省略したが、必要とされる制御部構成を適宜選択して用いることは言うまでもない。
その他、本発明の要素を具備し、当業者が適宜設計変更しうる全ての荷電粒子ビーム描画方法及び荷電粒子ビーム描画装置は、本発明の範囲に包含される。
10 描画領域
20 ストライプ領域
30 SF
32 ショット図形
50 取得部
52 N設定部
54 パラメータ演算部
56 パターン作成部
58 データ処理部
60 描画制御部
100 描画装置
101,340 試料
102 電子鏡筒
103 描画室
105 XYステージ
110 制御計算機
112 メモリ
120 制御回路
140,142,144,146 記憶装置
150 描画部
160 制御部
200 電子ビーム
201 電子銃
202 照明レンズ
203,410 第1のアパーチャ
204 投影レンズ
205 偏向器
206,420 第2のアパーチャ
207 対物レンズ
208 主偏向器
209 副偏向器
330 電子線
411 開口
421 可変成形開口
430 荷電粒子ソース

Claims (4)

  1. 重ね合わせることにより、第1の分解能を有する第1の荷電粒子ビームで得られる第1の図形パターンと同じ形状が得られるように、前記第1の分解能よりも高い第2の分解能を有する第2の荷電粒子ビームを用いて得られる、前記第1の図形パターンの幅寸法よりも小さい幅寸法の図形パターンと大きい幅寸法の図形パターンとを含む幅寸法が互いに異なる複数の第2の図形パターンを作成する工程と、
    前記第2の荷電粒子ビームを用いて、前記複数の第2の図形パターンを重ねた多重描画を行うことにより前記第1の図形パターンを描画する工程と、
    を備え、
    前記第1の分解能を有する前記第1の荷電粒子ビームで得られるビームプロファイルは、前記第2の分解能を有する前記第2の荷電粒子ビームで得られるビームプロファイルよりも傾きがなだらかであり、
    前記複数の第2の図形パターン用の前記第2の荷電粒子ビームの各ビームプロファイルを重ねた場合に、閾値モデルの閾値の位置における重ね合わせた後のビームプロファイルの傾きを、前記第1の図形パターン用の前記第1の荷電粒子ビームのビームプロファイルの傾きと一致させるように、前記複数の第2の図形パターンを作成することを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  2. 前記第1と第2の分解能が異なる要因として、同一描画装置でビーム電流が異なる第1の場合と、描画装置自体が異なる第2の場合とが含まれることを特徴とする請求項記載の荷電粒子ビーム描画方法。
  3. 隣接配置することにより、第1の分解能を有する第1の荷電粒子ビームで得られる第1の図形パターンと同じ形状が得られるように、前記第1の分解能よりも高い第2の分解能を有する第2の荷電粒子ビームを用いて得られる、前記第1の図形パターンの幅寸法より小さい幅寸法の図形パターンを挟んで隣接配置される幅寸法が互いに異なる複数の第2の図形パターンを作成する工程と、
    前記第2の荷電粒子ビームを用いて、隣接配置するように前記複数の第2の図形パターンを描画することにより前記第1の図形パターンを描画する工程と、
    を備え、
    前記複数の第2の図形パターン用の前記第2の荷電粒子ビームの各ビームプロファイルを重ねた場合に、閾値モデルの閾値の位置における重ね合わせた後のビームプロファイルの傾きを、前記第1の図形パターン用の前記第1の荷電粒子ビームのビームプロファイルの傾きと一致させるように、前記複数の第2の図形パターンを作成し、
    前記第1の分解能を有する前記第1の荷電粒子ビームで得られるビームプロファイルは、前記第2の分解能を有する前記第2の荷電粒子ビームで得られるビームプロファイルよりも傾きがなだらかであることを特徴とする荷電粒子ビーム描画方法。
  4. 重ね合わせることにより、第1の分解能を有する第1の荷電粒子ビームで得られる第1の図形パターンと同じ形状が得られるように、前記第1の分解能よりも高い第2の分解能を有する第2の荷電粒子ビームを用いて得られる、前記第1の図形パターンの幅寸法よりも小さい幅寸法の図形パターンと大きい幅寸法の図形パターンとを含む幅寸法が互いに異なる複数の第2の図形パターンを作成するパターン作成部と、
    前記第2の荷電粒子ビームを用いて、前記複数の第2の図形パターンを重ねた多重描画を行うことにより前記第1の図形パターンを描画する描画部と、
    を備え、
    前記第1の分解能を有する前記第1の荷電粒子ビームで得られるビームプロファイルは、前記第2の分解能を有する前記第2の荷電粒子ビームで得られるビームプロファイルよりも傾きがなだらかであり、
    前記複数の第2の図形パターン用の前記第2の荷電粒子ビームの各ビームプロファイルを重ねた場合に、閾値モデルの閾値の位置における重ね合わせた後のビームプロファイルの傾きを、前記第1の図形パターン用の前記第1の荷電粒子ビームのビームプロファイルの傾きと一致させるように、前記複数の第2の図形パターンを作成することを特徴とする荷電粒子ビーム描画装置。
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