JP6590048B1 - 熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂 Download PDF

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Abstract

【課題】比誘電率及び誘電正接の低い樹脂基材が得られる材料を提供する。【解決手段】主鎖骨格がブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体又はその水素化物であって、下記式(1)で表される官能基を分子中に1.5個以上有する、熱硬化性樹脂5〜100質量部と、上記熱硬化性樹脂以外の樹脂100質量部と、無機充填材10〜200質量部とを含有する、熱硬化性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、熱硬化性樹脂組成物及び熱硬化性樹脂に関する。
従来、銅張積層板の樹脂基材には、主にガラスエポキシ基材が使用されている。また、銅張積層板の比誘電率及び誘電正接を下げるために、樹脂基材に、ガラスエポキシ基材の代わりにポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂基材等の熱可塑性樹脂基材を使用した銅張積層板も開発されている(例えば、特許文献1)。
国際公開第2017/150043号
昨今、高周波基板等に対応するために、銅張積層板の樹脂基材に対して、比誘電率及び誘電正接のさらなる低下が求められている。
このようななか、本発明者らが、特許文献1に記載の樹脂基材についてその比誘電率及び誘電正接を評価したところ、昨今求められているレベルを満たすものではないことが明らかになった。
そこで本発明は、比誘電率及び誘電正接の低い樹脂基材が得られる材料を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題について鋭意検討した結果、従来基材に使用されている樹脂に特定の熱硬化性樹脂等を特定の割合で配合することで、上記課題が解決できることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明者は、以下の構成により上記課題が解決できることを見出した。
(1) 主鎖骨格がブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体又はその水素化物であって、後述する式(1)で表される官能基を分子中に1.5個以上有する、熱硬化性樹脂5〜100質量部と、
上記熱硬化性樹脂以外の樹脂100質量部と、
無機充填材10〜200質量部とを含有する、熱硬化性樹脂組成物。
(2) 上記熱硬化性樹脂の主鎖骨格が、後述する式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有する、上記(1)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(3) 上記熱硬化性樹脂の主鎖骨格を構成する全繰り返し単位のうち、上記式(Ia)で表される繰り返し単位の占める割合が、15モル%超である、上記(2)に記載の熱硬化性樹脂組成物。
(4) 主鎖骨格がブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体又はその水素化物であって、後述する式(1)で表される官能基を分子中に1.5個以上有する、熱硬化性樹脂。
以下に示すように、本発明によれば、比誘電率及び誘電正接の低い樹脂基材が得られる材料を提供することができる。
以下に、本発明の熱硬化性樹脂組成物及び本発明の熱硬化性樹脂について説明する。
なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
また、本発明の熱硬化性樹脂組成物に含有される各成分は、1種を単独でも用いても、2種以上を併用してもよい。ここで、各成分について2種以上を併用する場合、その成分について含有量とは、特段の断りが無い限り、合計の含有量を指す。
[熱硬化性樹脂組成物]
本発明の熱硬化性樹脂組成物(以下、「本発明の組成物」とも言う)は、
主鎖骨格がブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体又はその水素化物であって、後述する式(1)で表される官能基を分子中に1.5個以上有する、熱硬化性樹脂5〜100質量部と、
上記熱硬化性樹脂以外の樹脂100質量部と、
無機充填材10〜200質量部とを含有する、熱硬化性樹脂組成物、である。
本発明の組成物はこのような構成をとるため、上述した効果が得られるものと考えらえる。その理由は明らかではないが、およそ以下のとおりと推測される。
本発明の組成物に含有される特定の熱硬化性樹脂は、主鎖骨格がブタジエンやイソプレンの重合体又はその水素化物であり、極性基等を有さないため、比誘電率及び誘電正接が低い。また、上記特定の熱硬化性樹脂は、後述する式(1)で表される官能基を分子中に1.5個以上有するため、本発明の組成物を加熱等した場合、上記官能基中のビニル結合が反応して架橋構造を形成し、組成物中に含有される上記特定の熱硬化性樹脂以外の樹脂(ベース樹脂)を取り込んで強固な三次元構造を形成する。すなわち、本発明の組成物を加熱等した場合、上記ベース樹脂と、比誘電率及び誘電正接の低い熱硬化性樹脂との強固な三次元構造となる。結果として、本発明の組成物を用いた場合、極めて低い比誘電率及び誘電正接を有する樹脂基材が得られるものと推測される。
〔ベース樹脂〕
本発明の組成物は、後述する特定樹脂以外の樹脂(以下、「ベース樹脂」とも言う)を含有する。
ベース樹脂としては、例えば、熱可塑性樹脂、後述する特定樹脂以外の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
<熱可塑性樹脂>
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂及びポリエーテルスルホン(PES)樹脂などが挙げられ、なかでも、樹脂基材にしたときに比誘電率及び誘電正接がより低くなる理由から、PPE樹脂及びPES樹脂が好ましく、PPE樹脂がより好ましい。以下、「樹脂基材にしたときに比誘電率及び誘電正接がより低くなる」ことを、単に「比誘電率及び誘電正接がより低くなる」又は「本発明の効果がより優れる」とも言う。
<熱硬化性樹脂>
上記特定樹脂以外の熱硬化性樹脂としては、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂に熱硬化性基を導入した樹脂(例えば、ポリフェニレンエーテル樹脂の末端のヒドロキシ基をクロロメチルスチレンで変性した樹脂、アクリル酸エステルでアクリル変性した樹脂)等が挙げられ、なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、ポリフェニレンエーテル樹脂に熱硬化性基を導入した樹脂が好ましい。
〔特定樹脂〕
本発明の組成物は、主鎖骨格がブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体又はその水素化物であって、後述する式(1)で表される官能基を分子中に1.5個以上有する、熱硬化性樹脂(以下、「特定樹脂」とも言う)を含有する。
<主鎖骨格>
上述のとおり、特定樹脂の主鎖骨格は、ブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体又はその水素化物(水添物)である。特定樹脂の主鎖骨格は、本発明の効果がより優れる理由から、ブタジエンの重合体(ポリブタジエン)、イソプレンの重合体(ポリイソプレン)、ブタジエンの重合体の水素化物(水添ポリブタジエン)又はイソプレンの重合体の水素化物(水添ポリイソプレン)であることが好ましく、水添ポリブタジエン又は水添ポリイソプレであることがより好ましい。
上記水素化物(水添物)の水添率は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、50モル%以上であることが好ましく、70モル%以上であることがより好ましく、90モル%以上であることがさらに好ましい。上限は特に制限されず100モル%である。
ここで水添率とは、特定樹脂の主鎖骨格を構成する全繰り返し単位のうち、水素化された繰り返し単位の占める割合である。
特定樹脂の主鎖骨格は、本発明の効果がより優れる理由から、下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位を有するのが好ましく、下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位からなるのがより好ましい。
上記式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)中、破線と実線との二重線は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、単結合が好ましい。
なお、特定樹脂の主鎖骨格がポリブタジエン又は水添ポリブタジエンである場合、特定樹脂の主鎖骨格は上記式(Ia)及び(Ib)からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位からなり、特定樹脂の主鎖骨格がポリイソプレン又は水添イソプレンである場合、特定樹脂の主鎖骨格は上記式(Ic)、(Id)及び(Ie)からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位からなる。
特定樹脂の主鎖骨格を構成する全繰り返し単位のうち、上記式(Ia)で表される繰り返し単位の占める割合は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、10〜90モル%であることが好ましく、15モル%超50モル%以下であることがより好ましい。
また、特定樹脂の主鎖骨格を構成する全繰り返し単位のうち、上記式(Ib)で表される繰り返し単位の占める割合は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、10〜90モル%であることが好ましく、20〜80モル%であることがより好ましい。
また、特定樹脂の主鎖骨格を構成する全繰り返し単位のうち、上記式(Ic)で表される繰り返し単位の占める割合は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、10〜90モル%であることが好ましく、30〜90モル%であることがより好ましい。
また、特定樹脂の主鎖骨格を構成する全繰り返し単位のうち、上記式(Id)及び(Ie)で表される繰り返し単位の占める割合の合計は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、10〜90モル%であることが好ましく、15モル%超50モル%以下であることがより好ましい。
以下、「特定樹脂の主鎖骨格を構成する全繰り返し単位のうち、上記式(Ia)で表される繰り返し単位の占める割合」を「Ia含有率」とも言い、「特定樹脂の主鎖骨格を構成する全繰り返し単位のうち、上記式(Ib)で表される繰り返し単位の占める割合」を「Ib含有率」とも言い、「特定樹脂の主鎖骨格を構成する全繰り返し単位のうち、上記式(Ic)で表される繰り返し単位の占める割合」を「Ic含有率」とも言い、「特定樹脂の主鎖骨格を構成する全繰り返し単位のうち、上記式(Id)で表される繰り返し単位の占める割合」を「Id含有率」とも言い、「特定樹脂の主鎖骨格を構成する全繰り返し単位のうち、上記式(Ie)で表される繰り返し単位の占める割合」を「Ie含有率」とも言う。
<特定官能基>
上述のとおり、特定樹脂は、下記式(1)で表される官能基(以下、「特定官能基」とも言う)を分子中に1.5個以上有する。
上記式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を表す。*は結合位置を表す。
上記炭化水素基としては、例えば、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はこれらを組み合わせた基などが挙げられる。上記脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。上記脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、直鎖状又は分岐状のアルケニル基(好ましくは炭素数2〜10)、直鎖状又は分岐状のアルキニル基(好ましくは炭素数2〜10)などが挙げられる。上記芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基、ナフチル基などが挙げられる。上記アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基などが挙げられる。
〜Rは、本発明の効果がより優れる理由から、炭化水素基であることが好ましく、炭素数1〜10(好ましくは、炭素数1〜3)の脂肪族炭化水素基であることがより好ましく、メチル基であるがさらに好ましい。
上記式(1)中の結合位置にウレタン結合が存在する場合、上記式(1)中のR及びRが炭化水素であると、これが立体障害となり、上記ウレタン結合が安定するため、好ましい。
また、上記式(1)中のRが炭化水素であるとビニル結合の反応性が上がるため、好ましい。
上述のとおり、特定樹脂が分子中に有する特定官能基の個数は1.5個以上である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、2個が好ましい。上限は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、10個以下であることが好ましい。
特定樹脂は、本発明の効果がより優れる理由から、両末端に特定官能基を有するのが好ましい。
<分子量>
特定樹脂の重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)によって測定されるポリスチレン換算の値として、1,000〜1,000,000であることが好ましく、2,000〜30,000であることがより好ましい。
<特定樹脂の製造方法>
特定樹脂の製造方法は特に制限されないが、得られる組成物を樹脂基材にしたときに比誘電率及び誘電正接がより低くなる理由から、
両末端に水酸基を有する、ブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体又はその水素化物と、
後述する式(11)で表される化合物(以下、「特定化合物」とも言う)とを反応させることで、
ブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体又はその水素化物の両末端にウレタン結合を介して特定官能基を有する熱硬化性樹脂を得る方法が好ましい。
(両末端に水酸基を有する、ブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体又はその水素化物)
上記「両末端に水酸基を有する、ブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体又はその水素化物」は、上述した主鎖骨格に記載のブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体又はその水素化物であって、両末端に水酸基を有するものである。
上記「両末端に水酸基を有する、ブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体又はその水素化物」の好適な態様は特定樹脂と同じである。
(特定化合物)
特定化合物は下記式(11)で表される化合物である。
上記式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を表す。R〜Rの具体例及び好適な態様は、それぞれ上述した式(1)中のR〜Rと同じである。
上記「両末端に水酸基を有する、ブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体又はその水素化物」と特定化合物とを反応させる方法は特に制限されないが、各成分を混合して加熱する方法等が挙げられる。その際、触媒を用いてもよい。
<含有量>
本発明の組成物において、特定樹脂の含有量は、上述したベース樹脂100質量部に対して、5〜100質量部である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、10〜50質量部であることが好ましい。
〔無機充填材〕
本発明の組成物に含有される無機充填材は特に制限されないが、例えば、シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、層状又は板状粘土鉱物、アルミナ、水酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸カルシウム、カーボンブラックなどが挙げられ、こちらのうち1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
上記無機充填材は、本発明の効果がより優れる理由から、シリカであることが好ましい。
<含有量>
本発明の組成物において、無機充填材の含有量は、上述したベース樹脂100質量部に対して、10〜200質量部である。なかでも、本発明の効果がより優れる理由から、50〜150質量部であることが好ましい。
〔任意成分〕
本発明の組成物は、上述した成分以外の成分(任意成分)を含有してもよい。
そのような成分としては、加硫剤(例えば、硫黄)、架橋剤、硬化剤、溶剤(例えば、トルエン)等が挙げられる。
<架橋剤>
本発明の組成物は、本発明の効果がより優れる理由から、架橋剤(特に、有機過酸化物)を含有するのが好ましい。
(含有量)
本発明の組成物において、架橋剤の含有量は特に制限されないが、本発明の効果がより優れる理由から、上述したベース樹脂100質量部に対して、0.05〜10質量部であることが好ましく、0.1〜5質量部であることがより好ましい。
〔用途〕
上述のとおり、本発明の組成物を用いることで比誘電率及び誘電正接の低い樹脂基材が得られるため、銅張積層板(特に、高周波基板)の樹脂基材として有用である。
[特定樹脂]
本発明の熱硬化性樹脂は、主鎖骨格がブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体又はその水素化物であって、上述した式(1)で表される官能基を分子中に1.5個以上有する、熱硬化性樹脂(特定樹脂)である。
特定樹脂の詳細は上述のとおりである。
以下、実施例により、本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔特定樹脂の合成〕
以下のとおり、特定樹脂1〜4を合成した。
<特定樹脂1>
Crayvalley社製HLBH−P2000(両末端に水酸基を有する水添ポリブタジエン、Ia含有率:35モル%、Ib含有率:65モル%、ここで式(Ia)及び(Ib)中の二重線は主に単結合を表す(水添率90モル%以上)、Mw:4,000)100質量部にイソプロペニルジメチルベンジルイソシアネート(下記構造式)16.4質量部、日東化成社製U−810(触媒)0.01質量部を投入し、70℃で3時間反応させた。
その結果、水添ポリブタジエンの両末端にウレタン結合を介して下記式(1a)で表される官能基を有する熱硬化性樹脂(特定樹脂1)(Ia含有率:35モル%、Ib含有率:65モル%、ここで式(Ia)及び(Ib)中の二重線は主に単結合を表す(水添率90モル%以上)、Mw:4,000)が得られた。上述のとおり、特定樹脂1は両末端に上記式(1a)で表される官能基を有するため、特定樹脂1は上記式(1a)で表される官能基を分子中に2個有する。
<特定樹脂2>
Crayvalley社製HLBH−P2000の代わりにCrayvalley社製HLBH−P3000(両末端に水酸基を有する水添ポリブタジエン、Ia含有率:35モル%、Ib含有率:65モル%、ここで式(Ia)及び(Ib)中の二重線は主に単結合を表す(水添率90モル%以上)、Mw:6,000)を使用し、イソプロペニルジメチルベンジルイソシアネート16.4質量部の代わりにイソプロペニルジメチルベンジルイソシアネート11.5質量部を使用した以外は、上述した特定樹脂1と同様の手順に従って、反応させた。
その結果、水添ポリブタジエンの両末端にウレタン結合を介して上記式(1a)で表される官能基を有する熱硬化性樹脂(特定樹脂2)(Ia含有率:35モル%、Ib含有率:65モル%、ここで式(Ia)及び(Ib)中の二重線は主に単結合を表す(水添率90モル%以上)、Mw:6,000)が得られた。上述のとおり、特定樹脂2は両末端に上記式(1a)で表される官能基を有するため、特定樹脂2は上記式(1a)で表される官能基を分子中に2個有する。
<特定樹脂3>
Crayvalley社製HLBH−P2000の代わりにCrayvalley社製LBH−P2000(両末端に水酸基を有するポリブタジエン、Ia含有率:35モル%、Ib含有率:65モル%、ここで式(Ia)及び(Ib)中の二重線は二重結合を表す、Mw:4,000)を使用した以外は、上述した特定樹脂1と同様の手順に従って、反応させた。
その結果、ポリブタジエンの両末端にウレタン結合を介して上記式(1a)で表される官能基を有する熱硬化性樹脂(特定樹脂3)(Ia含有率:35モル%、Ib含有率:65モル%、ここで式(Ia)及び(Ib)中の二重線は二重結合を表す、Mw:4,000)が得られた。上述のとおり、特定樹脂3は両末端に上記式(1a)で表される官能基を有するため、特定樹脂3は上記式(1a)で表される官能基を分子中に2個有する。
<特定樹脂4>
Crayvalley社製HLBH−P2000の代わりに日本曹達社製GI−3000(両末端に水酸基を有する水添ポリブタジエン、Ia含有率:10モル%、Ib含有率:90モル%、ここで式(Ia)及び(Ib)中の二重線は主に単結合を表す(水添率90モル%以上)、Mw:6,000)を使用し、イソプロペニルジメチルベンジルイソシアネート16.4質量部の代わりにイソプロペニルジメチルベンジルイソシアネート10質量部を使用した以外は、上述した特定樹脂1と同様の手順に従って、反応させた。
その結果、水添ポリブタジエンの両末端にウレタン結合を介して上記式(1a)で表される官能基を有する熱硬化性樹脂(特定樹脂4)(Ia含有率:10モル%、Ib含有率:90モル%、ここで式(Ia)及び(Ib)中の二重線は主に単結合を表す(水添率90モル%以上)、Mw:6,000)が得られた。上述のとおり、特定樹脂4は両末端に上記式(1a)で表される官能基を有するため、特定樹脂4は上記式(1a)で表される官能基を分子中に2個有する。
〔熱硬化性樹脂組成物の調製〕
下記表1に示される各成分を同表に示される割合(質量部)で配合することで熱硬化性樹脂組成物(ワニス状)を得た。
〔評価〕
得られた熱硬化性樹脂組成物を加熱することで(120℃で3分、その後、220℃で90分)、硬化させ、評価用の試験片を作製した。
得られた試験片について、ネットワークアナライザ「E8364C」(keysight technologies社製)を用いて、空洞共振器摂動法により、10GHzでの比誘電率(Dk)及び誘電正接(Df)を測定した。結果を表1に示す。Dk及びDfともに小さい方が好ましい。実用上、Dkは3.3以下であることが好ましく、Dfは0.0027以下であることが好ましい。
上記表1中の各成分の詳細は以下のとおりである。なお、ベース樹脂1〜3はいずれも上述したベース樹脂に該当し、特定樹脂1〜4はいずれも上述した特性樹脂に該当する。
・ベース樹脂1:SABIC社製SA90(ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂)
・ベース樹脂2:住友化学社製スミカエクセルPES5400P(ポリエーテルスルホン(PES)樹脂)
・ベース樹脂3:以下のとおり合成した熱硬化性樹脂
SABIC社製SA90(ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂)100質量部に対して、トルエン200質量部、AGCセイミケミカル社製CMS−P(クロロメチルスチレン)15質量部及びテトラブチルアンモニウムブロマイド0.5質量部を加えて60℃で攪拌した。さらに水酸化ナトリウム水溶液(濃度50%)20質量部を添加して70℃で5時間攪拌した。反応生成物に塩酸を添加し中和した後、メタノールを添加して結晶化し、洗浄ろ過し、乾燥して、熱硬化性樹脂(ポリフェニレンエーテル樹脂の末端のヒドロキシ基をクロロメチルスチレンで変性した樹脂)を得た。得られた熱硬化性樹脂をベース樹脂3とする。
・特定樹脂1:上述のとおり合成した特定樹脂1
・特定樹脂2:上述のとおり合成した特定樹脂2
・特定樹脂3:上述のとおり合成した特定樹脂3
・特定樹脂4:上述のとおり合成した特定樹脂4
・マレイン酸変性ポリブタジエン:Crayvalley社製Ricobond1756(マレイン酸変性ポリブタジエン)
・有機過酸化物:日本油脂社製パークミルD(ジクミルパーオキサイド)
・無機充填材:アドマテックス社製SC2050(球状合成シリカ)
・溶剤:トルエン
表1から分かるように、特定樹脂を含有する実施例1〜9の組成物は比誘電率及び誘電正接が低かった。なかでも、特定樹脂のIa含有率が15モル%超である実施例1〜3及び5〜9は、誘電正接がより低かった。
実施例1〜3の対比(ベース樹脂としてベース樹脂1を使用し、特定樹脂のIa含有率が15モル%超であり、ベース樹脂100質量部に対して特定樹脂を20質量部含有する態様同士の対比)から、特定樹脂の主鎖骨格が水添ポリブタジエンである実施例1及び2は、誘電正接がより低かった。なかでも、特定樹脂のMwが5,000以下である実施例1は、誘電正接がさらに低かった。
実施例1と5との対比(ベース樹脂として熱可塑性樹脂を使用し、特定樹脂として特定樹脂1を使用し、ベース樹脂100質量部に対して特定樹脂を20質量部含有する態様同士の対比)から、ベース樹脂がPPE樹脂である実施例1は、比誘電率及び誘電正接がより低かった。
実施例1及び7〜9の対比(ベース樹脂としてベース樹脂1を使用し、特定樹脂として特定樹脂1を使用する態様同士の対比)から、ベース樹脂100質量部に対して特定樹脂を15質量部以上含有する実施例1及び8〜9は、比誘電率及び誘電正接がより低かった。
一方、特定樹脂を含有しない比較例1〜3は、比誘電率及び誘電正接が高かった。

Claims (3)

  1. 主鎖骨格がブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体又はその水素化物であって、下記式(1)で表される官能基を分子中に1.5個以上有し、前記官能基を末端に有する熱硬化性樹脂であって、前記主鎖骨格が、下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位からなる、熱硬化性樹脂5〜100質量部と、
    前記熱硬化性樹脂以外の樹脂100質量部と、
    無機充填材10〜200質量部とを含有する、熱硬化性樹脂組成物。
    式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を表す。*は結合位置を表す。
    式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)中、破線と実線との二重線は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。
  2. 前記熱硬化性樹脂の主鎖骨格を構成する全繰り返し単位のうち、前記式(Ia)で表される繰り返し単位の占める割合が、15モル%超である、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 主鎖骨格がブタジエン及びイソプレンからなる群より選択される少なくとも1種のモノマーの重合体の水素化物であって、下記式(1)で表される官能基を分子中に1.5個以上有し、前記官能基を末端に有する熱硬化性樹脂であって、前記主鎖骨格が、下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)からなる群より選択される少なくとも1種の繰り返し単位からなり、
    前記主鎖骨格を構成する全繰り返し単位のうち、前記式(Ia)で表される繰り返し単位の占める割合が、15モル%超である、熱硬化性樹脂。
    式(1)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基を表す。*は結合位置を表す。
    式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)及び(Ie)中、破線と実線との二重線は、それぞれ独立に、単結合又は二重結合を表す。
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