以下、図面に基づいて、本発明の実施形態に係る画像形成装置1について、図面に基づき詳細に説明する。本実施形態では、画像形成装置の一例として、タンデム方式のカラープリンタを例示する。画像形成装置は、例えば、複写機、ファクシミリ装置、及びこれらの複合機等であってもよい。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置1の斜視図である。図2は、画像形成装置1の上面カバー111T(天板)が取り外された様子を示す斜視図である。図3は、画像形成装置1の内部構造を示す断面図である。図4は、画像形成装置1に画像形成ユニット10が装着される様子を示す斜視図である。
画像形成装置1は、箱形の筐体11を備える。筐体11は、下部筐体111(装置本体)と、上部筐体112と、連結筐体113とを備える。なお、図1、図2および図4では、上部筐体112および連結筐体113の図示が省略されている。下部筐体111は、筐体11の下方部分を画定し、略直方体形状からなる。下部筐体111は、上面カバー111T(天板)を備える。上部筐体112は、下部筐体111の上方に間隔をおいて配置された扁平状の筐体である。連結筐体113は、下部筐体111と上部筐体112とを、互いの左端部および後端部において上下方向に連結する。連結筐体113よりも前方であって、下部筐体111と上部筐体112との間には、排紙部17が形成されている(図3)。排紙部17には、画像が形成されたシートが排出される。
上面カバー111Tは、下部筐体111の上面部の一部を構成する板状部材であり、下部筐体111に対して着脱可能とされている。上面カバー111Tが下部筐体111から取り外されると、図2に示すように、下部筐体111の内部が露出する。この際、後記の高圧基板50が下部筐体111の外側に露出する。また、上面カバー111Tは、排紙トレイ171(排紙部)を備える。排紙トレイ171は、上面カバー111Tの一部が下方に没することで形成されている。排紙トレイ171には、画像が形成されたシートが積載される。排紙トレイ171は、画像が形成されたシートの排出方向下流側から上流側に向かって先下がりの傾斜面を備えている(図1、図3)。
図3を参照して、下部筐体111の内部には、シートが搬送される搬送路として、主搬送路11Aと、両面搬送路11Bと、手差し搬送路11Cとが延設されている。主搬送路11Aは、後記の給紙部12から中間転写ユニット14と二次転写ローラー26との間の二次転写ニップ部および定着部16を通過して、下部筐体111の上方部分までシートを搬送する。図3に示すように、主搬送路11Aには、複数の搬送ローラー対が配置されている。
また、下部筐体111の上端部には、切替部114と、排紙口115(図1、図3)とが形成されている。切替部114は、シートの搬送方向を切り替える。主搬送路11Aを搬送されたシートは排紙口115から排紙部17に排出される。両面搬送路11Bは、主搬送路11Aの下流側端部に連通されている。両面搬送路11Bは、シートの裏面にも画像が形成される際に、シートが搬送される搬送路である。表面に画像が形成されたシートの先端部が排紙口115から排紙部17に露出された状態で、切替部114が回動され、シートの搬送路が切り替えられる。その後、不図示の搬送ローラー対が逆回転されると、シートが両面搬送路11Bに搬入される。両面搬送路11Bを搬送されたシートは、二次転写ニップ部よりも上流側の主搬送路11Aに再び搬入される。この結果、シートの裏面に画像が形成される。手差し搬送路11Cは、後記の手差しトレイ124から搬送されたシートを主搬送路11Aに搬入させる搬送路である。手差し搬送路11Cは、給紙カセット121の上方において、水平方向に延設されている。
画像形成装置1は、給紙部12と、画像形成部13と、中間転写ユニット14と、二次転写ローラー26(転写部)と、定着部16と、読取部18と、自動原稿搬送装置19と、高圧基板50(電気基板)と、を備える。
給紙部12は、下部筐体111に配置され、シートを給紙する。給紙部12は、給紙カセット121と、ピックアップローラー122と、給紙ローラー対123と、手差しトレイ124と、手差し給紙ローラー125と、を備える。
給紙カセット121は、下部筐体111の下方位置に前方から挿脱可能に装着され、複数枚のシートが積層されたシート束を貯留する。給紙カセット121は、内部にリフト板121Sを備える。リフト板121Sは、不図示の昇降機構によって後端側が上方に移動される。この結果、リフト板121S上に積載されたシートがピックアップローラー122に当接する。ピックアップローラー122は、給紙カセット121に貯留されたシートを繰り出す。給紙ローラー対123は、ピックアップローラー122によって繰り出されたシートを1枚ずつ捌きながら主搬送路11Aに送り出す。手差しトレイ124は、手差しされるシートが載置されるトレイであり、手差しでシートを給紙する際、図3に示すように、下部筐体111の前側面から開放される。手差し給紙ローラー125は、手差しトレイ124に載置されたシートを手差し搬送路11Cに繰り出す。
画像形成部13は、シートに転写するトナー像(現像剤像)を形成するものであって、異なる色のトナー像を形成する複数のユニットを備える。このユニットとして、本実施形態では、後述する中間転写ベルト141の回転方向上流側から下流側へ(図3の前側から後側へ)向けて順次配設された、マゼンタ(M)色の現像剤を用いるマゼンタ用ユニット、シアン(C)色の現像剤を用いるシアン用ユニット、イエロー(Y)色の現像剤を用いるイエロー用ユニット、及びブラック(BK)色の現像剤を用いるブラック用ユニットが備えられている。各ユニットは、それぞれ感光体ドラム20と、感光体ドラム20の周囲に配置された帯電装置21、現像装置23及びクリーニング装置25とを備える。また、各ユニットの感光体ドラム20を露光するための露光装置22が、画像形成部13の下方に配置されている。露光装置22は、第1露光ユニット22Aと、第2露光ユニット22Bとを備える。第1露光ユニット22Aは、マゼンタ用ユニットおよびシアン用ユニットの感光体ドラム20の周面に画像情報に応じたレーザー光を照射する。第2露光ユニット22Bは、イエロー用ユニットおよびブラック用ユニットの感光体ドラム20の周面に画像情報に応じたレーザー光を照射する。
感光体ドラム20は、その軸回りに回転駆動され、その周面に静電潜像及びトナー像が形成される。この感光体ドラム20としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。なお、図3に示されるように、各色のユニットに対応して、感光体ドラム20がそれぞれ配置されている。帯電装置21は、感光体ドラム20の表面を均一に帯電する。帯電装置21としては、帯電ローラーと、前記帯電ローラーに付着したトナーを除去するための帯電クリーニングブラシとを備える、接触帯電方式による帯電装置を採用することができる。また、クリーニング装置25は、トナー像転写後の感光体ドラム20の周面を清掃する。
現像装置23は、感光体ドラム20上に形成された静電潜像を現像するために、感光体ドラム20の周面にトナーを供給する。現像装置23は、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤用のものであり、二本の攪拌ローラー、磁気ローラー、及び現像ローラーを含む。攪拌ローラーは、2成分現像剤を攪拌しながら循環搬送することで、トナーを帯電させる。磁気ローラーの周面には2成分現像剤層が担持され、現像ローラーの周面には、磁気ローラーと現像ローラーとの間の電位差によってトナーが受け渡されることにより形成されたトナー層が担持される。現像ローラー上のトナーは、感光体ドラム20の周面に供給され、前記静電潜像が現像される。
中間転写ユニット14は、画像形成部13の上方に配置されている。図3を参照して、中間転写ユニット14は、中間転写ベルト141と、駆動ローラー142と、従動ローラー143と、複数の一次転写ローラー24と、を備える。
中間転写ベルト141は、無端状のベルト状回転体であって、その周面側が各感光体ドラム20の周面にそれぞれ当接するように、駆動ローラー142及び従動ローラー143に架け渡されている。中間転写ベルト141は、一の方向(図3の矢印方向)に周回駆動され、感光体ドラム20から転写されたトナー像を表面に担持する。中間転写ベルト141は、基層、弾性層、及びコート層から成る積層構造を有する導電性の軟質ベルトである。
駆動ローラー142は、中間転写ユニット14の後端側で中間転写ベルト141を張架し、中間転写ベルト141を周回駆動させる。従動ローラー143は、中間転写ユニット14の前端側で中間転写ベルト141を張架する。従動ローラー143は、中間転写ベルト141に張力を付与する。
一次転写ローラー24は、感光体ドラム20上のトナー像を中間転写ベルト141上に一次転写する。図3に示されるように、各色の感光体ドラム20に対向して、それぞれ、一次転写ローラー24が配置されている。この結果、中間転写ベルト141を挟んで、各感光体ドラム20および一次転写ローラー24の間に、各色の一次転写ニップ部が形成される。
本実施形態では、画像形成部13および中間転写ユニット14は、画像形成ユニット10として一体的に下部筐体111に対して着脱可能とされる。特に、画像形成ユニット10は、図4に示すように、後方向(装着方向)に沿って下部筐体111に装着される。
二次転写ローラー26(転写部)は、中間転写ベルト141を挟んで駆動ローラー142に対向して配置されている。二次転写ローラー26は、中間転写ベルト141の周面に圧接されて二次転写ニップ部を形成している。二次転写ローラー26は、給紙部12から供給されるシートに、中間転写ベルト141からトナー像を転写する。
定着部16は、内部に加熱源を備えた定着ローラーと、定着ローラーに対向配置され定着ニップ部を形成する加圧ローラーとを備えている。定着部16へ供給されたシートは、前記定着ニップ部を通過することで、加熱加圧される。これにより、前記二次転写ニップ部でシートに転写されたトナー像は、シートに定着される。
読取部18は、上部筐体112の内部に配置されている。読取部18は、自動原稿搬送装置19によって送り出された原稿シート、または、不図示のコンタクトガラス上に載置された原稿シートの画像を読み取る。自動原稿搬送装置19は、前記コンタクトガラス上に形成された読取位置に向かって、原稿シートを搬送する。
図5は、本実施形態に係る画像形成装置1の内部における高圧基板50および画像形成ユニット10の斜視図である。図6は、画像形成装置1の高圧基板50の斜視図である。高圧基板50は、前後および左右方向に延びる矩形状の電気基板である。高圧基板50は、画像形成ユニット10の上方において、画像形成ユニット10の装着方向に延びるように下部筐体111に配置されている。高圧基板50は、画像形成ユニット10に供給する電圧を発生する。図6に示すように、高圧基板50は、上面部に複数の電気部品および出力端子を備えている。詳しくは、図6を参照して、高圧基板50は、第1端子511(出力端子)と、第2端子512(出力端子)と、第3端子513(出力端子)と、第4端子514(出力端子)と、を備える。第1端子511〜第4端子514は、本実施形態の出力端子として機能する。これらの出力端子は、画像形成ユニット10の装着方向(前後方向)に沿って、複数配置されている。第1端子511〜第4端子514は、高圧基板50内の不図示の電源回路に接続された端子であって、画像形成ユニット10に供給する各種の電圧を出力する。
第1端子511、第2端子512および第3端子513は、高圧基板50の左側の側部に沿って隣接して配置されている。第1端子511は4つ配置されており、画像形成ユニット10の各色の帯電装置21に供給される帯電バイアスを出力する。第2端子512は2つ配置されており、画像形成ユニット10の一次転写ローラー24に供給される一次転写バイアスを出力する。なお、1つの第2端子512から2本の一次転写ローラー24にバイアスが供給される。また、第3端子513は1つ配置され、二次転写ローラー26に供給される二次転写バイアスを出力する。一方、第4端子514は、高圧基板50の右側の側部に沿って隣接して配置されている。第4端子514は、4つ配置されており、画像形成ユニット10の各色の現像装置23に供給される現像バイアスを出力する。
また、高圧基板50は、締結穴515と、左固定穴516と、右固定穴517と、コネクタ50Kと、を備える。締結穴515は、高圧基板50の四隅に開口された孔部である。締結穴515に挿通された不図示のスクリューが、下部筐体111の不図示のフレームに締結されることで、高圧基板50が下部筐体111に固定される。左固定穴516は、高圧基板50の左側の側部において、前後方向に間隔をおいて開口された複数の開口部である。また、右固定穴517は、高圧基板50の右側の側部において、前後方向に間隔をおいて開口された複数の開口部である。左固定穴516には後記の左配線ユニット61が装着され、右固定穴517には後記の右配線ユニット62が装着される。コネクタ50Kは、高圧基板50の後側の側部の左右方向の中央部に配置されたコネクタである。コネクタ50Kは、高圧基板50の上面部から上方に向かって突設されている。下部筐体111内に備えられたケーブルがコネクタ50Kに装着される。当該ケーブルを介して、高圧基板50と下部筐体111との間で各種の制御信号を送受信される。
上記のように、本実施形態では、高圧基板50の上面部に各種の電気部品および出力端子が配置されている。このため、図2に示すように、下部筐体111の上面カバー111Tが取り外されるだけで、高圧基板50のメンテナンスが容易に実現される。一方、このように、上面部に第1端子511〜第4端子514の出力端子が配置される場合、高圧基板50よりも下方に配置される画像形成ユニット10への電圧供給が困難となる。更に、本実施形態では、画像形成ユニット10が下部筐体111に対して着脱可能とされている。このため、電圧供給の供給経路において接触不良が生じやすいという問題が生じる。本実施形態では、このような課題を解決するために、画像形成装置1が、左配線ユニット61および右配線ユニット62(いずれの電圧供給ユニット)を備える。
図7は、本実施形態に係る画像形成装置1の高圧基板50に左配線ユニット61および右配線ユニット62が装着された様子を示す斜視図である。図8は、左配線ユニット61および右配線ユニット62の底面図である。図9は、高圧基板50に左配線ユニット61および右配線ユニット62が装着された様子を示す底面図である。
左配線ユニット61は、高圧基板50のうち画像形成ユニット10の装着方向に延びる左側端部に装着される。左配線ユニット61は、第1端子511、第2端子512および第3端子513に電気的に接続される。そして、左配線ユニット61は、高圧基板50の左側方を介して下方の画像形成ユニット10に電圧を供給する。同様に、右配線ユニット62は、高圧基板50のうち画像形成ユニット10の装着方向に延びる右側端部に装着される。右配線ユニット62は、第4端子514に電気的に接続される。そして、右配線ユニット62は、高圧基板50の右側方を介して下方の画像形成ユニット10に電圧を供給する。図8に示すように、左配線ユニット61と右配線ユニット62との間に形成される基板位置50Hに、高圧基板50が配置される(図9)。なお、本実施形態では、前述のように、高圧基板50が下部筐体111のフレームに複数のスクリューで固定された後、高圧基板50の上方から左配線ユニット61および右配線ユニット62がそれぞれ高圧基板50に装着される。
図10Aは、左配線ユニット61の側面図である。図10Bおよび図10Cは、左配線ユニット61の斜視図である。図11Aは、右配線ユニット62の側面図である。図11Bおよび図11Cは、右配線ユニット62の斜視図である。図12Aおよび図12Bは、本実施形態に係る左配線ユニット61の拡大斜視図である。
左配線ユニット61は、上面視(底面視)で略L字型のユニットである。左配線ユニット61は、左ハウジング610(ハウジング)と、第1圧縮ばね61A(図10C)(圧縮ばね部材)と、第2圧縮ばね61B(図10C)(圧縮ばね部材)と、第3圧縮ばね61C(図10C)(圧縮ばね部材)と、第1コイルばね61D(コイルばね部材)と、第2コイルばね61E(コイルばね部材)と、第3コイルばね61F(コイルばね部材)と、を備える(図10B)。
左ハウジング610は、絶縁性の樹脂材料からなり、箱型形状を有している。左ハウジング610は、左配線ユニット61の各部材を支持する。左ハウジング610は、左固定片611(図10C)と、左突部61P(被押圧部)と、左スタッド61T(軸部)(図10B)と、左シールド部61G(仕切り壁)と、左スリット61S(スリット)(図10C)と、を備える。
左固定片611は、左ハウジング610の下面部から突設された突片である。左固定片611は、前後方向に間隔をおいて複数配置されている。左配線ユニット61が高圧基板50に装着されるにあたり、左固定片611は左固定穴516(図6)に挿入される。左固定片611および左固定穴516は、公知のスナップフィット構造を備える。
左突部61Pは、左ハウジング610の前後方向の中央部に配置され、左ハウジング610の上面部から上方に向かって突設された突起部である。左突部61Pは、第1被押圧部61P1と、第2被押圧部61P2とを備える(図10B)。第1被押圧部61P1および第2被押圧部61P2は、左突部61Pの上面部である。なお、第2被押圧部61P2は、第1被押圧部61P1に対して左右方向において隣接して配置され、第1被押圧部61P1よりも低く設定されている。
左スタッド61Tは、左ハウジング610の左側面から突設された軸部である。図10Bに示すように、左スタッド61Tは、画像形成ユニット10の装着方向と交差する方向(幅方向)に突設されている。また、左スタッド61Tは、前後方向に間隔をおいて複数配置されている。
左シールド部61Gは、各左スタッド61T間に立設された壁部である。左シールド部61Gは、後記の第1コイルばね61D、第2コイルばね61Eおよび第3コイルばね61Fの間に配置され、リーク(短絡)を防止する機能を備えている。
左スリット61S(図10C)は、左ハウジング610の下面部において、前後方向に沿って細長状に開口された開口部である。左スリット61Sは、前後方向に間隔をおいて複数配置されている。また、複数の左スリット61Sは、左右方向にずれた位置に階段状に配置されている。
第1圧縮ばね61Aは、左ハウジング610の内部に配置された導電性のばね部材である。第1圧縮ばね61Aは、左突部61Pよりも前側において、間隔をおいて4つ配置されている。第1圧縮ばね61A の上端部は、左ハウジング610の上面部に固定されている。一方、第1圧縮ばね61Aの下端部は、図10Cに示すように、左ハウジング610の下側に露出しており、高圧基板50の第1端子511に電気的に接続される。
第2圧縮ばね61Bは、左ハウジング610の内部に配置された導電性のばね部材である。第2圧縮ばね61Bは、左突部61Pよりも後側において、間隔をおいて2つ配置されている。第2圧縮ばね61B の上端部は、左ハウジング610の上面部に固定されている。一方、第2圧縮ばね61Bの下端部は、図10Cに示すように、左ハウジング610の下側に露出しており、高圧基板50の第2端子512に電気的に接続される。
同様に、第3圧縮ばね61Cは、左ハウジング610の内部に配置された導電性のばね部材である。第3圧縮ばね61Cは、第2圧縮ばね61Bよりも後側において、1つ配置されている。第3圧縮ばね61Cの上端部は、左ハウジング610の上面部に固定されている。一方、第3圧縮ばね61Cの下端部は、図10Cに示すように、左ハウジング610の下側に露出しており、高圧基板50の第3端子513に電気的に接続される。
なお、左配線ユニット61が高圧基板50に装着されると、第1圧縮ばね61A、第2圧縮ばね61Bおよび第3圧縮ばね61Cは、左ハウジング610と高圧基板50との間で圧縮される。
第1コイルばね61D、第2コイルばね61Eおよび第3コイルばね61Fは、左ハウジング610の左スタッド61Tに回動可能に支持されている。第1コイルばね61D、第2コイルばね61Eおよび第3コイルばね61Fは、導電性のばね部材である。第1コイルばね61Dは、第1圧縮ばね61Aに電気的に接続され、第2コイルばね61Eは、第2圧縮ばね61Bに電気的に接続され、更に、第3コイルばね61Fは第3圧縮ばね61Cに電気的に接続される。第1コイルばね61Dは4つの第1圧縮ばね61Aに対応して4つ配置されている。同様に、第2コイルばね61Eは2つ配置され、第3コイルばね61Fは1つ配置されている。また、第1コイルばね61D、第2コイルばね61Eおよび第3コイルばね61Fは、画像形成ユニット10に電圧を供給する機能を備えている。
図12Bに示すように、左配線ユニット61が高圧基板50に装着されると、左配線ユニット61の下面部の左端側が高圧基板50の外側に露出される。また、図10Aに示すように、第1コイルばね61D、第2コイルばね61Eおよび第3コイルばね61Fの一部は、左スリット61S(図10C)から左ハウジング610の下方に突出する。
右配線ユニット62は、左配線ユニット61と同様に、上面視(底面視)で略L字型のユニットである。右配線ユニット62は、右ハウジング620(ハウジング)と、第4圧縮ばね62A(図11C)(圧縮ばね部材)と、第4コイルばね62B(図11A、図11B)(コイルばね部材)と、を備える。
右ハウジング620は、絶縁性の樹脂材料からなり、箱型形状を有している。右ハウジング620は、右配線ユニット62の各部材を支持する。右ハウジング620は、右固定片621(図11C)と、右突部62P(被押圧部)(図11B)と、右スタッド62T(軸部)と、右シールド部62G(仕切り壁)と、右スリット62S(スリット)(図11C)と、を備える。
右固定片621は、右ハウジング620の下面部から突設された突片である。右固定片621は、左右方向において互いに対向するように一対配置されるとともに、当該一対の右固定片621が前後方向に間隔をおいて複数配置されている。右配線ユニット62が高圧基板50に装着されるにあたり、一対の右固定片621のうちの一方はそれぞれ右固定穴517(図6)に係止される。なお、一対の右固定片621のうちの他方は、それぞれ、高圧基板50の端縁に係止される。右固定片621および右固定穴517は、公知のスナップフィット構造を備える。
右突部62Pは、右ハウジング620の前後方向の中央部に配置され、右ハウジング620の上面部から上方に向かって突設された突起部である。右突部62Pは、第3被押圧部62P1と、第4被押圧部62P2とを備える(図11B)。第3被押圧部62P1および第4被押圧部62P2は、右突部62Pの上面部である。なお、第4被押圧部62P2は、第3被押圧部62P1に対して左右方向において隣接して配置され、第3被押圧部62P1よりも低く設定されている。
右スタッド62Tは、右ハウジング620の右側面から突設された軸部である。図11Bに示すように、右スタッド62Tは、画像形成ユニット10の装着方向と交差する方向(幅方向)に突設されている。また、右スタッド62Tは、前後方向に間隔をおいて複数配置されている。
右シールド部62Gは、各右スタッド62T間に立設された壁部である。右シールド部62Gは、隣接する第4コイルばね62B同士の間に配置され、リーク(短絡)を防止する機能を備えている。なお、右シールド部62Gは右ハウジング620の右側面を構成し、右スタッド62Tは、右ハウジング620の右側面の一部が左方に向かって没した凹部に配置されている。
右スリット62S(図11C)は、右ハウジング620の下面部において、前後方向に沿って細長状に開口された開口部である。右スリット62Sは、前後方向に間隔をおいて複数配置されている。また、複数の右スリット62Sは、左右方向にずれた位置に階段状に配置されている。
第4圧縮ばね62Aは、右ハウジング620の内部に配置された導電性のばね部材である。第4圧縮ばね62Aは、右突部62Pよりも前側および後側において、それぞれ間隔をおいて2つずつ配置されている。第4圧縮ばね62Aの上端部は、右ハウジング620の上面部に固定されている。一方、第4圧縮ばね62Aの下端部は、図11Cに示すように、右ハウジング620の下側に露出しており、高圧基板50の第4端子514(図6)に電気的に接続される。なお、右配線ユニット62が高圧基板50に装着されると、第4圧縮ばね62Aは、右ハウジング620と高圧基板50との間で圧縮される。
第4コイルばね62Bは、右ハウジング620の右スタッド62Tに回動可能に支持されている。第4コイルばね62Bは、導電性のばね部材である。第4コイルばね62Bは、第4圧縮ばね62Aに電気的に接続される。このため、第4コイルばね62Bは4つの第4圧縮ばね62Aに対応して4つ配置されている。また、第4コイルばね62Bは、画像形成ユニット10に電圧を供給する機能を備えている。
図13は、本実施形態に係る高圧基板50に対して、左配線ユニット61および右配線ユニット62に内装された各圧縮ばね部材および各コイルばね部材の配置を示した斜視図である。図14Aは、図13の高圧基板50の一部を拡大した拡大斜視図である。図14Bは、図13の高圧基板50の一部を下方から見た拡大斜視図である。図13に示すように、上面部に各電気部品や出力端子を備えた高圧基板50から、各圧縮ばね部材および各コイルばね部材を介して、画像形成ユニット10に電圧が供給される。
図14Aを参照して、第1圧縮ばね61Aは、圧縮本体部61A1と、第1アーム部61A2と、第1圧縮ばね61A3と、を備える。圧縮本体部61A1は、第1圧縮ばね61Aの本体部分であって、コイル状に巻かれたばね部分である。圧縮本体部61A1の下端部は、第1端子511(図6)に接触し、導通している。第1アーム部61A2は、圧縮本体部61A1の上端側から、第1圧縮ばね61Aの一端が延びることで形成されている。第1アーム部61A2は、僅かに前方に延びた後、屈曲され、左方に延びている。更に、第1アーム部61A2の先端部は屈曲され、僅かに上方に延びている。当該第1アーム部61A2の先端側は、左ハウジング610内で固定されている。なお、第2圧縮ばね61B、第3圧縮ばね61Cおよび第4圧縮ばね62Aについても、上記の第1圧縮ばね61Aと同様の構造を備えている。
図14A、図14Bを参照して、第1コイルばね61Dは、コイル本体部61D1(軸支部)と、第2アーム部61D2と、第3アーム部61D3とを備える。コイル本体部61D1は、第1コイルばね61Dの本体部分であって、コイル状に巻かれたばね部分である。コイル本体部61D1は、左スタッド61Tに回動可能に外嵌されている。第2アーム部61D2は、コイル本体部61D1から延びる第1コイルばね61Dの一端部である。第2アーム部61D2は、コイル本体部61D1の前端側から、第1コイルばね61Dの回動における径方向に延びている。詳しくは、第2アーム部61D2は、前方かつ上方に延びた後、屈曲され、僅かに左方に延びている。第2アーム部61D2は、第1圧縮ばね61Aの第1アーム部61A2に当接する。第3アーム部61D3は、コイル本体部61D1から延びる第1コイルばね61Dの他端部である。第3アーム部61D3は、コイル本体部61D1の後端側から、第2アーム部61D2とは異なる方向に延びている。詳しくは、第3アーム部61D3は、前方かつ下方に向かって延びた後、略V字状に屈曲され、上方かつ後方に向かって延びている。更に、第3アーム部61D3の先端部は屈曲され、僅かに左方に延びている。第3アーム部61D3のV字部分は、左スリット61Sから下方に突出する。
図15Aは、本実施形態に係る画像形成装置1の断面斜視図である。図15Bおよび図15Cは、図15Aの画像形成装置1の一部を拡大した断面斜視図である。前述のように、下部筐体111の上面部には、上面カバー111Tが配置されている。また、上面カバー111Tは、排紙トレイ171を備える。また、下部筐体111の直下には、高圧基板50が配置されている。上面カバー111Tのうち、排紙トレイ171の左右には、左側部111Lおよび右側部111R(いずれも側部)が配置されている。左側部111Lおよび右側部111Rは、下部筐体111の上面部を画定する。排紙トレイ171は、左側部111Lおよび右側部111Rよりも下方に配置されている。また、上面カバー111Tは、第1押圧部11P1および第2押圧部11P2(いずれも突起部)を備える。第1押圧部11P1は、排紙トレイ171の下面部の左端部から下方に向かって突設された突起である。同様に、第2押圧部11P2は、排紙トレイ171の下面部の右端部から下方に向かって突設された突起である。第1押圧部11P1および第2押圧部11P2は、それぞれ、第2被押圧部61P2および第4被押圧部62P2の上方に位置する(図15B、図15C)。また、左側部111Lおよび右側部111Rの直下に、第1被押圧部61P1および第3被押圧部62P1が位置する。上面カバー111Tが下部筐体111に装着されると、左側部111Lおよび右側部111Rの下面部が、それぞれ、第1被押圧部61P1および第3被押圧部62P1を下方に押圧する。また、排紙トレイ171の下面部に配置された第1押圧部11P1および第2押圧部11P2が、それぞれ、第2被押圧部61P2および第4被押圧部62P2を下方に押圧する。
図16Aは、本実施形態に係る画像形成ユニット10の斜視図である。図16Bは、図16Aの画像形成ユニット10の一部を拡大した拡大斜視図である。図17Aは、画像形成装置1の内部において、画像形成ユニット10が挿入される様子を示す側面図である。また、図17Bは、画像形成装置1の内部において、画像形成ユニットが装着された様子を示す側面図である。更に、図18Aは、画像形成装置1の内部において、画像形成ユニット10が装着された様子を示す斜視図である。図18Bは、図18Aの一部を拡大した拡大斜視図である。図19は、画像形成装置1の内部において、高圧基板50、各圧縮ばね部材、各コイルばね部材および画像形成ユニット10の位置関係を示す斜視図である。
図16Aを参照して、画像形成ユニット10は、左ユニット壁部10Lおよび右ユニット壁部10Rを備える。左ユニット壁部10Lおよび右ユニット壁部10Rは、画像形成ユニット10の左右に立設された壁部である。画像形成ユニット10内の各部材は、左ユニット壁部10Lおよび右ユニット壁部10Rによって支持されている。左ユニット壁部10Lの上面部には、第1接点部101、第2接点部102および第3接点部103が配置されている。これらの接点部は、それぞれ、接点ばね10S(図19)(入力端子)を備えている。接点ばね10Sは、左配線ユニット61から電圧を受け入れる。4つの第1接点部101に備えられた接点ばね10Sは、それぞれ、第1コイルばね61Dに当接するとともに、各色の帯電装置21に電気的に接続されている。また、2つの第2接点部102に備えられた接点ばね10Sは、第2コイルばね61Eに当接するとともに、分岐された後、各色の一次転写ローラー24に電気的に接続されている。更に、1つの第3接点部103に備えられた接点ばね10Sは、第3コイルばね61Fに当接するとともに、二次転写ローラー26に電気的に接続されている。なお、右ユニット壁部10Rの上面部にも、第1接点部101、第2接点部102および第3接点部103と同様の接点部が4つ配置されている。これらの接点部に備えられた接点ばね10Sは、右配線ユニット62の第4コイルばね62Bに当接するとともに、各色の現像装置23に電気的に接続されている。
更に、図19を参照して、左ユニット壁部10Lの上面部には、複数の突壁10Tが突設されている。これらの突壁10Tは、左右および前後方向における位置が異なっており、画像形成ユニット10の挿入方向(図19の矢印D1)に沿って、順に後方にずれた位置に配置されている。そして、隣接する突壁10T同士の間には、ガイド部10Gが形成されている。ガイド部10Gには、左配線ユニット61から突設された第1コイルばね61Dの第3アーム部61D3が進入する。また、前述の接点ばね10Sの一端部である当接部10S1は、突壁10Tに形成された切欠き10Uに係止されている。この際、当接部10S1は、ガイド部10Gを介して、隣接する突壁10T同士を跨ぐように左右方向に延びている。なお、当接部10S1とは反対側の接点ばね10Sの他端部は、画像形成ユニット10内の各部材に接続されている。
図17Aに示すように、画像形成装置1内の左配線ユニット61(右配線ユニット62)の下方に対して、画像形成ユニット10が所定の装着方向(図19の矢印D1)に向かって挿入される。この時、各色に対応した第3アーム部61D3がガイド部10Gに進入する。やがて、接点ばね10Sの当接部10S1が第3アーム部61D3に当接すると、当接部10S1が第3アーム部61D3を装着方向に押圧する(図19の矢印D2)。そして、第1コイルばね61Dが左スタッド61T(図10B)回りに回動し、第2アーム部61D2が第1圧縮ばね61Aの第1アーム部61A2を押圧する(図19の矢印D3)。この結果、電気的な接点として、第1接触部Q1および第2接触部Q2が形成され、高圧基板50、左配線ユニット61および画像形成ユニット10が導通する。なお、先に説明した第2端子512、第3端子513および第4端子514から供給される電圧経路も、上記と同様に形成される。
このように、本実施形態では、高圧基板50の上面部に備えられた第1端子511(図6)から、左配線ユニット61を介して、高圧基板50の下方に配置された画像形成ユニット10に電圧が供給される。この結果、着脱可能な画像形成ユニット10へのバイアス供給が安定して実現される。また、導電性の第1圧縮ばね61Aと第1コイルばね61Dとによって、画像形成ユニット10へのバイアス供給が安定して実現される。特に、第1圧縮ばね61Aおよび第1コイルばね61Dの弾性力を利用して、電気接点の当接圧力を充分に確保することができる。この結果、電気接点における接触不良が抑止される。また、画像形成ユニット10の挿入に伴う第1コイルばね61Dの回動によって、複数の電気接点(第1接触部Q1、第2接触部Q2)が安定して形成される。
なお、図19を参照して、当接部10S1が第3アーム部61D3を装着方向に押圧すると、第1コイルばね61Dのコイル本体部61D1(図14A)から左スタッド61T(図10B)を介して、左配線ユニット61の左ハウジング610に上方に向かって押圧力が付与される。この場合、左ハウジング610が浮き上がってしまうと、第1圧縮ばね61Aと第1コイルばね61Dとの接点(第2接触部Q2)や第1圧縮ばね61Aと第1端子511との接点において、当接圧の低下や接触不良が生じてしまう。このような問題を解決するために、本実施形態では、上面カバー111Tが左配線ユニット61を下方に向かって押圧している。このため、画像形成ユニット10の装着に伴って、左配線ユニット61が上方に浮き上がることが抑止される。この結果、複数の電気接点における接触不良が防止される。なお、上面カバー111Tと左配線ユニット61との当接箇所は、左配線ユニット61の前後方向の中央部に位置している。このため、画像形成ユニット10の装着のみならず、左配線ユニット61の左ハウジング610の撓みなどによって、接触不良が生じることが抑止される。また、上面カバー111Tの左側部111Lが左突部61Pの第1被押圧部61P1を押圧し、排紙トレイ171から突設された第1押圧部11P1が第2被押圧部61P2を押圧するため、高さの異なる押圧箇所が形成される。この結果、左配線ユニット61を安定して固定することができる。更に、突起状の左突部61Pによって、上面カバー111Tが第2被押圧部61P2を押圧する圧力が増大されるため、左配線ユニット61が上方に浮き上がることが更に抑止される。なお、上面カバー111Tおよび右配線ユニット62においても、同様の効果が奏される。
更に、本実施形態では、高圧基板50の第1端子511は、画像形成ユニット10の装着方向に沿って複数配置されている。また、左配線ユニット61の第1圧縮ばね61Aおよび第1コイルばね61Dは、複数の第1端子511に対応して、装着方向に沿って複数配置されている。更に、画像形成ユニット10の接点ばね10Sは、複数の第1コイルばね61Dに対応して、装着方向に沿って複数配置されている。加えて、複数の第1コイルばね61Dは、画像形成ユニット10の幅方向(左右方向)において異なる位置に配置され、複数の接点ばね10Sは、それぞれが当接する第3アーム部61D3の位置に応じて、幅方向において異なる位置に配置されている。このため、画像形成ユニット10の装着に伴って、複数の電圧供給経路同士の干渉が防止される。
また、本実施形態では、左配線ユニット61の左ハウジング610が、樹脂材料から構成されている。このため、左配線ユニット61が安価に構成される。また、左ハウジング610に絶縁性の樹脂材料が用いられることで、左配線ユニット61内での短絡が防止される。特に、左ハウジング610は、左シールド部61Gを備えている。このため、複数の電圧供給経路間の沿面距離が拡大され、左配線ユニット61内での短絡が更に防止される。右配線ユニット62の右シールド部62Gも同様の効果を備えている。
以上、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1につき詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本発明は、例えば以下のような変形実施形態を取ることができる。
(1)上記の実施形態では、画像形成ユニット10が画像形成部13および中間転写ユニット14を備える態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。筐体11に対して着脱可能とされるユニットは、画像形成部13の一部を構成するユニットでもよく、中間転写ユニット14だけであってもよい。
(2)上記の実施形態では、高圧基板50に対して、左配線ユニット61および右配線ユニット62が装着される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。高圧基板50に対して左配線ユニット61および右配線ユニット62の一方が装着される態様でもよい。