JP6589928B2 - ホットプレス部材およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板をホットプレスしてなる部材、すなわちホットプレス部材に関する。また、本発明は、特に、異なる機械的特性を有する2つの領域を同一部材内に有するホットプレス部材に関する。
地球環境の保全という観点から、自動車の燃費向上が要望されており、そのために、自動車車体の軽量化が要求されている。このような要求に応えるには、自動車用部材を薄くしても安全性が損なわれないよう、部材の素材となる鋼板を高強度化する必要がある。
また、自動車の衝突時のエネルギーを吸収する能力(衝撃エネルギー吸収能)を高める観点では、自動車用部材の曲げ性を高くすることが効果的である。そのため、高強度でありながら、曲げ性にも優れる自動車用部材が強く要望されている。
このような要望に対し、例えば、特許文献1には、
「mass%で、C:0.15〜0.30%、Si:0.01〜1.8%、Mn:1.5〜3.0%、P:0.05%以下、S:0.005%以下、Al:0.005〜0.05%、N:0.005%以下を含有し、残部がFeおよび不可避不純物からなり、以下の(1)および(2)で規定する式を満たす鋼板表層軟質部を有し、
Hv(S)/Hv(C) ≦ 0.8 ・・・・・(1)
Hv(S):鋼板表層軟質部の硬度、Hv(C):鋼板中心部の硬度
0.10 ≦ t(S)/t ≦ 0.30 ・・・・・(2)
t(S):鋼板表層軟質部の厚さ、t:板厚
かつ前記鋼板表層軟質部は焼戻しマルテンサイトが体積率90%以上であり、前記鋼板中心部の組織は焼戻しマルテンサイトであり、引張強度が1270MPa以上であることを特徴とする曲げ性に優れる超高強度冷延鋼板。」
が開示されている。
しかし、一般的に、強度が高くなるにつれて成形性が低下するため、特許文献1のような鋼板を素材として冷間成形により自動車用部材を製造する場合、成形が困難になったり、形状凍結性が悪化する、特には、成形後にスプリングバックが生じるため、所望の部品形状精度が得られないという問題があった。
そこで、上記の問題に対して、鋼板にホットプレス工法を適用して、高強度の自動車用部材を製造する技術が提案されている。
ホットプレス工法では、鋼板はオーステナイト域に加熱された後、プレス機まで搬送され、プレス機内で、金型で所望形状の部材に成形されると同時に急冷される。この金型内での冷却過程(急冷)において、部材の組織はオーステナイト相からマルテンサイト相へと相変態し、これにより、所望形状の高強度部材が得られる。
このようなホットプレス工法により得られた自動車部材として、例えば、特許文献2には、
「表層の厚さが1nm〜300μmで、該表層の転位密度が内層鋼の転位密度の1/100以下であり、内層鋼の化学成分が質量%でC:0.1〜0.8%、Mn:0.5〜3%を含有し、引張強さが980N/mm2以上であることを特徴とする高強度自動車部材。」
が開示されている。
特開2011-179030号公報 特開2006-104546号公報 特開2013-194248号公報
しかし、特許文献2の自動車用部材は、軟質層と硬質層の間の遷移層の形成が不十分であるため、十分な曲げ性が得られないという問題があった。
また、近年、異なる機械的特性を有する2つの領域を同一部材内に有するホットプレス部材やその製造方法が開発されつつあり、センターピラー(Bピラー)、リアサイドメンバー等の部品性能をさらに高める技術として注目されている。
このような技術として、例えば、特許文献3には、
「熱間プレス成形法によって薄鋼板を成形した熱間プレス成形品であって、金属組織が、マルテンサイト:80〜97面積%、残留オーステナイト:3〜20面積%を夫々含み、残部組織:5面積%以下からなる第1の領域と、金属組織が、フェライト:30〜80面積%、ベイニティックフェライト:30面積%未満(0面積%を含まない)、マルテンサイト:30面積%以下(0面積%を含まない)、残留オーステナイト:3〜20面積%からなる第2の領域を有するものであることを特徴とする熱間プレス成形品。」
が開示されている。
しかし、特許文献3の熱間プレス成形品も、加工部で残留オーステナイトがマルテンサイトに変化して硬化するために、いずれの領域でも十分な曲げ性が得られないという問題があった。
本発明は、上記の問題を解決するために開発されたものであって、異なる機械的特性を有する2つの領域を同一部材内に有するホットプレス部材、具体的には、一方の領域では、引張強さ(TS):1500MPa以上の極めて高い強度を有し、他方の領域では、引張強さ(TS):1100MPa以上の引張特性を確保しつつ、曲げ角度:70度以上の高曲げ性を有するホットプレス部材を、その有利な製造方法とともに提供することを目的とする。
なお、曲げ角度とは、ドイツ自動車工業会(VDA)規格:VDA238-100に準拠した曲げ試験で測定される曲げ角度αである。
さて、発明者らは、上記の課題を解決すべく、種々検討を重ね、以下の知見を得た。
(A)相反する特性である高強度と高曲げ性とを同時に実現するには、ホットプレス部材の鋼組織を、厚さ方向に組織が変化する傾斜組織とする、具体的には、厚さ方向に、強度に寄与する硬質層と、曲げ性に寄与する軟質層と、硬質層と軟質層の間の遷移層とから構成される傾斜組織とし、各層の組織と厚さを適正に制御することが重要である。
(B)また、一部の領域において極めて高い強度を実現する一方、それ以外の領域で、上記した傾斜組織を作り込むには、ホットプレスにより、一旦、マルテンサイトを主体とする鋼組織とした後、上記の傾斜組織を作り込もうとする領域に、雰囲気の露点、加熱温度、保持時間および冷却速度を適切に調整して、熱処理を施すことが有効である。
本発明は、上記の知見に基づき、さらに検討を加えた末に完成されたものである。
すなわち、本発明の要旨構成は次のとおりである。
1.第1の領域と第2の領域とをそなえる、ホットプレス部材であって、
該ホットプレス部材は、
質量%で、
C:0.18%以上0.40%以下、
Si:0.01〜2.0%、
Mn:0.5%以上2.5%以下、
P:0.05%以下、
S:0.05%以下、
Al:0.005〜0.1%および
N:0.01%以下
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有するとともに、
上記第1の領域は、上記第1の領域全体に対する体積率で90%以上のマルテンサイトを有する鋼組織を有するとともに、引張強さTSが1500MPa以上であり、
上記第2の領域は、その厚さ方向に表層部が軟質層、内部が硬質層、該軟質層と該硬質層との間が遷移層である鋼組織を有するとともに、引張強さTSが1100MPa以上、曲げ角度が70度以上であり、
上記軟質層は、上記軟質層全体に対する体積率で90%以上のフェライトを有し、該フェライトの平均結晶粒径は2μm以上50μm以下であり、上記軟質層の合計厚さが上記第2の領域におけるホットプレス部材厚さの5%以上25%以下であり、
上記遷移層は、その合計厚さが上記第2の領域におけるホットプレス部材厚さの5%以上25%以下であり、
上記硬質層は、上記硬質層全体に対する体積率で90%以上のマルテンサイトを有する、ホットプレス部材。
2.前記成分組成がさらに、質量%で、下記A〜E群のうちから選ばれた1群または2群以上を含有する、前記1に記載のホットプレス部材。

A群:Ni:0.01〜5.0%、Cu:0.01〜5.0%、Cr:0.01〜5.0%およびMo:0.01〜3.0%のうちから選ばれた1種または2種以上
B群:Ti:0.005〜3.0%、Nb:0.005〜3.0%、V:0.005〜3.0%およびW:0.005〜3.0%のうちから選ばれた1種または2種以上
C群:REM:0.0005〜0.01%、Ca:0.0005〜0.01%およびMg:0.0005〜0.01%のうちから選ばれた1種または2種以上
D群:Sb:0.002〜0.03%
E群:B:0.0005〜0.05%
3.質量%で、
C:0.18%以上0.40%以下、
Si:0.01〜2.0%、
Mn:0.5%以上2.5%以下、
P:0.05%以下、
S:0.05%以下、
Al:0.005〜0.1%および
N:0.01%以下
を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有するホットプレス用鋼板を準備する工程と、
上記ホットプレス用鋼板を加熱し、ついで、加熱した上記ホットプレス用鋼板に、プレス成形と同時に焼入れを施して、マルテンサイトの体積率が90%以上となる鋼組織を有するホットプレス成形体とする工程と、
上記ホットプレス成形体の一部の領域を、露点50℃以上90℃以下の雰囲気で、Ac1-50℃以上Ac3点未満の温度域に加熱し、該雰囲気かつ該温度域で5分以上90分以下保持し、その後、Ac3点-50℃以下600℃以上の冷却開始温度から200℃までの温度域を20℃/秒以上250℃/秒以下の平均冷却速度で冷却する熱処理を施すことにより、該熱処理を施した領域の鋼組織を、厚さ方向に表層部が軟質層、内部が硬質層、該軟質層と該硬質層との間が遷移層である鋼組織として、請求項1に記載の第1の領域と第2の領域とをそなえるホットプレス部材とする工程と、
をそなえる、ホットプレス部材の製造方法。
4.前記成分組成がさらに、質量%で、下記A〜E群のうちから選ばれた1群または2群以上を含有する前記3に記載のホットプレス部材の製造方法。

A群:Ni:0.01〜5.0%、Cu:0.01〜5.0%、Cr:0.01〜5.0%およびMo:0.01〜3.0%のうちから選ばれた1種または2種以上
B群:Ti:0.005〜3.0%、Nb:0.005〜3.0%、V:0.005〜3.0%およびW:0.005〜3.0%のうちから選ばれた1種または2種以上
C群:REM:0.0005〜0.01%、Ca:0.0005〜0.01%およびMg:0.0005〜0.01%のうちから選ばれた1種または2種以上
D群:Sb:0.002〜0.03%
E群:B:0.0005〜0.05%
本発明によれば、一方の領域では、引張強さ(TS):1500MPa以上の極めて高い強度を有し、他方の領域では、引張強さ(TS):1100MPa以上の引張特性を確保しつつ、曲げ角度:70度以上の高曲げ性を有するという、異なる機械的特性を有する2つの領域を同一部材内に有するホットプレス部材が得られるので、これを自動車用部材に適用することにより、高い安全性の下、自動車車体の軽量化を図ることが可能となり、また、特に、センターピラーやリアサイドメンバー等に適用する場合には、これらの部品性能をさらに高めることも可能となる。
本発明の一実施形態のホットプレス部材が有する鋼組織の模式図である。
1.ホットプレス部材
本発明の一実施形態によるホットプレス部材は、引張強さTS:1500MPa以上(好ましくは2000MPa未満)の引張特性を有する第1の領域と、引張強さTS:1100MPa以上(好ましくは1600MPa未満)の引張特性と、曲げ角度が70度以上の曲げ性を有する第2の領域と、をそなえる。
ここで、第1の領域は、衝突時に変形を許容しないという耐衝突特性部位であり、第2の領域は、衝突時には変形をある程度許容するが曲げ性が高いために、高い衝突エネルギー吸収能を有するというエネルギー吸収部位である。このように、上記のホットプレス部材は、同一のホットプレス部材の中に機械的特性の異なる二つの領域を有するので、自動車のセンターピラーやリアサイドメンバー等のような、高い衝突エネルギー吸収能を必要とする構造部材に好適に使用できる。
なお、ホットプレス部材中の第1の領域および第2の領域の位置関係は特に限定されず、当該部材の用途に応じて決定すればよいが、基本的に、ホットプレス部材の面方向(厚さ方向に直角の方向)における位置を基準として画定される。
例えば、かようなホットプレス部材をセンターピラーに用いる場合、車体上部に位置する領域を第1の領域、車体下部に位置する領域を第2の領域となるようにして用いることが例示できる。
<成分組成>
次に、本発明の一実施形態のホットプレス部材の成分組成について説明する。以下、特に断わらないかぎり、「質量%」は単に「%」と記す。
C:0.18%以上0.40%以下
Cは、鋼の強度を増加させる元素である。このような効果を得て、ホットプレス部材の第1の領域において引張強さTS:1500MPa以上、第2の領域において引張強さTS:1100MPa以上をそれぞれ確保する観点から、C含有量は0.18%以上とする。一方、C含有量が0.40%超える場合、Cによる固溶強化量が大きくなり過ぎるため、ホットプレス部材が過度に高強度化されてしまうおそれがある。よって、C含有量は0.18%以上0.40%以下とする。
Si:0.01〜2.0%
Siは、固溶強化により、鋼の強度を増加させる元素である。このような効果を得るため、Si含有量は0.01%以上とする。一方、Si含有量が2.0%を超える場合、熱間圧延時に赤スケールと呼ばれる表面欠陥の発生が増大するとともに、圧延荷重の増大や熱延鋼板の延性の低下を招く。よって、Si含有量は0.01%以上2.0%以下とする。なお、好ましくは0.02%以上である。また、好ましくは1.2%以下である。
Mn:0.5%以上2.5%以下
Mnは、焼き入れ性を向上させるのに効果的な元素である。このような効果を発現させるため、Mn含有量は0.5%以上とする。一方、Mn含有量が2.5%を超えると、Mnが偏析して、素材となるホットプレス用鋼板、ひいてはホットプレス部材の特性にバラツキが生じやすくなる。よって、Mn含有量は0.5%以上2.5%以下とする。なお、好ましくは0.8%以上である。また、好ましくは2.2%以下である。
P:0.05%以下
Pは、鋼中では不可避的不純物として存在し、結晶粒界等に偏析して、部材の靭性を低下させるなどの悪影響を及ぼす元素である。このため、Pは、できるだけ低減することが望ましいが、0.05%までは許容できる。よって、P含有量は0.05%以下とする。好ましくは0.02%以下である。
ただし、過度の脱P処理は精錬コストの高騰を招くため、P含有量は0.0005%以上とすることが好ましい。
S:0.05%以下
Sは、不可避的に含有され、鋼中では硫化物系介在物として存在し、ホットプレス部材の延性、靭性等を低下させる。このため、Sはできるだけ低減することが望ましいが、0.05%までは許容できる。よって、S含有量は0.05%以下とする。好ましくは0.005%以下である。
ただし、過度の脱S処理は精錬コストの高騰を招くため、S含有量は0.0005%以上とすることが好ましい。
Al:0.005〜0.1%
Alは、脱酸剤として作用する元素である。このような効果を発現させるため、Al含有量は0.005%以上とする。一方、Al含有量が0.1%を超える場合、Alが窒素と結合して多量の窒化物を生成し、これにより、素材とする鋼板のブランキング加工性や焼入れ性が低下する。よって、Al含有量は0.005%以上0.1%以下とする。なお、好ましくは0.02%以上である。また、好ましくは0.05%以下である。
N:0.01%以下
Nは、通常、鋼中に不可避的に含有される元素である。しかし、N含有量が0.01%を超える場合、熱間圧延やホットプレスの加熱時にAlN等の窒化物が生成し、素材とする鋼板のブランキング加工性や焼入れ性が低下する。よって、N含有量は0.01%以下とする。なお、好ましくは0.0030%以上である。また、好ましくは0.0050%以下である。
また、Nが不可避的に含有される場合、N含有量は0.0025%未満程度である。また、精錬コストが増加するため、N含有量は0.0025%以上とすることが望ましい。
以上、基本成分について説明したが、上記した基本成分に加えて、さらに以下のA〜E群のうちから選ばれた1群または2群以上を含有させてもよい。
A群:Ni:0.01〜5.0%、Cu:0.01〜5.0%、Cr:0.01〜5.0%およびMo:0.01〜3.0%のうちから選ばれた1種または2種以上
Ni、Cu、CrおよびMoはいずれも、鋼の強度を増加させるとともに、焼入れ性向上に寄与する元素であり、必要に応じて1種または2種以上を選択して含有できる。このような効果を得るため、各元素の含有量は0.01%以上とすることが好適である。一方、材料コストの増加を避ける観点から、Ni、CuおよびCr含有量は5.0%以下、Mo含有量は3.0%以下とすることが好適である。
よって、Ni、Cu、CrおよびMoを含有する場合、これらの含有量はそれぞれ、Ni:0.01〜5.0%、Cu:0.01〜5.0%、Cr:0.01〜5.0%およびMo:0.01〜3.0%とする。なお、各元素のより好適な含有量はいずれも0.01%以上である。また、各元素のより好適な含有量はいずれも1.0%以下である。
B群:Ti:0.005〜3.0%、Nb:0.005〜3.0%、V:0.005〜3.0%およびW:0.005〜3.0%のうちから選ばれた1種または2種以上
Ti、Nb、VおよびWはいずれも、析出強化によって鋼の強度増加に寄与するとともに、結晶粒の微細化によって靭性向上にも寄与する元素であり、必要に応じて1種または2種以上を選択して含有させることができる。
ここに、Tiは、強度増加および靭性向上の効果に加え、Bよりも優先して窒化物を形成し、固溶Bによる焼入れ性を向上させる効果を有する。このような効果を得る観点から、Ti含有量は0.005%以上とすることが好適である。一方、Ti含有量が3.0%を超える場合、熱間圧延時に圧延荷重が極端に増大するとともに、ホットプレス部材の靭性が低下し易くなる。よって、Tiを含有する場合、その含有量は0.005%以上3.0%以下とする。なお、より好ましくは0.01%以上である。また、より好ましくは1.0%以下である。
また、上記した強度増加および靭性向上の効果を得る観点から、Nb含有量は0.005%以上とすることが好適である。一方、Nb含有量が3.0%を超える場合、Nb炭窒化物の量が増大し、延性や耐遅れ破壊特性が低下し易くなる。よって、Nbを含有する場合、その含有量は0.005%以上3.0%以下とする。なお、より好ましくは0.01%以上である。また、より好ましくは0.05%以下である。
Vは、強度増加および靭性向上の効果に加え、析出物や晶出物として析出し、水素のトラップサイトとして耐水素脆性を向上させる効果を有する。このような効果を得る観点から、V含有量は0.005%以上とすることが好適である。一方、V含有量が3.0%を超える場合、V炭窒化物の量が増大し、延性が低下し易くなる。よって、Vを含有する場合、その含有量は0.005%以上3.0%以下とする。なお、より好ましくは0.01%以上である。また、より好ましくは2.0%以下である。
Wは、強度増加および靭性向上の効果に加え、耐水素脆性を向上させる効果を有する。このような効果を得る観点から、W含有量は0.005%以上とすることが好適である。一方、W含有量が3.0%を超える場合、延性が低下し易くなる。よって、Wを含有する場合、その含有量は0.005%以上3.0%以下とする。なお、より好ましくは0.01%以上である。また、より好ましくは2.0%以下である。
C群:REM:0.0005〜0.01%、Ca:0.0005〜0.01%およびMg:0.0005〜0.01%のうちから選ばれた1種または2種以上
REM、CaおよびMgは、いずれも介在物の形態制御によって、延性や耐水素脆性を向上させる元素であり、必要に応じて選択して1種または2種以上を含有させることができる。このような効果を得る観点から、各元素の含有量は0.0005%以上とすることが好適である。一方、熱間加工性を低下させない観点から、REM含有量およびCa含有量は0.01%以下とすることが好適である。また、粗大な酸化物や硫化物の生成により延性を低下させない観点から、Mg含有量は0.01%以下とすることが好適である。
よって、REM、CaおよびMgを含有する場合、これらの含有量はそれぞれ、REM:0.0005〜0.01%、Ca:0.0005〜0.01%およびMg:0.0005〜0.01%とする。各元素のより好適な含有量はいずれも0.0006%以上0.01%以下である。
D群:Sb:0.002〜0.03%
Sbは、鋼板の表面に濃化して耐摩耗性を向上させる元素であり、必要に応じて含有させることができる。このような効果を得る観点から、Sb含有量は0.002%以上とすることが好適である。一方、Sb含有量が0.03%を超える場合、圧延荷重の増大を招き、生産性を低下させる。よって、Sbを含有する場合、その含有量は0.002%以上0.03%以下とする。より好ましくは0.002%以上0.02%以下である。
E群:B:0.0005〜0.05%
Bは、ホットプレス時の焼入れ性向上やホットプレス後の靭性向上に寄与するため、必要に応じて含有させることができる。このような効果を得る観点から、B含有量は0.0005%以上とすることが好適である。一方、B含有量が0.05%を超える場合、熱間圧延時の圧延荷重の増加や、熱間圧延後にマルテンサイトやベイナイトが生じることによって、鋼板に割れが生じる場合がある。よって、Bを含有する場合、その含有量は0.0005%以上0.05%以下とする。好ましくは0.0005%以上0.01%以下である。
上記以外の成分はFeおよび不可避的不純物である。なお、不可避的不純物としては、例えば、O(酸素)が挙げられ、Oは0.0100%以下であれば許容できる。
<鋼組織>
次に、本発明の一実施形態のホットプレス部材の鋼組織について、説明する。
本発明の一実施形態のホットプレス部材は、異なる機械的特性を有する第1の領域と第2の領域とをそなえ、第1の領域は、第1の領域全体に対する体積率で90%以上のマルテンサイトを有する鋼組織を有し、また、第2の領域は、その厚さ方向に表層部が軟質層、内部が硬質層、該軟質層と該硬質層との間が遷移層である鋼組織(以下、単に傾斜組織ともいう)を有する。
ここで、この傾斜組織は、ホットプレス部材の厚さ方向に組織が変化する組織であり、具体的には、図1に示すような、ホットプレス部材の厚さ方向に、一方の表面(以下、単に表面ともいう)から他方の表面(以下、単に裏面ともいう)に向かって、軟質層(表面側)/遷移層(表面側)/硬質層/遷移層(裏面側)/軟質層(裏面側)の順となる鋼組織である。
以下、第1の領域の鋼組織、および、第2の領域の鋼組織について説明する。
(第1の領域の鋼組織)
マルテンサイトの体積率:90%以上
第1の領域では、引張強さTS:1500MPa以上を確保する必要がある。そのためには、第1の領域におけるマルテンサイトの体積率を90%以上とする必要がある。好ましくは95
%以上である。
なお、第1の領域におけるマルテンサイト以外の残部組織としては、フェライトやセメンタイト、パーライト、ベイナイトなどが挙げられるが、かような残部組織の体積率としては10%までは許容できる。
また、第1の領域の鋼組織における各相の体積率は、以下の方法で求める。
すなわち、ホットプレス部材のハット天板部の第1の領域から、圧延方向に平行で、かつハット天板面に垂直な面が観察面となるように、組織観察用試験片を採取する。観察面を研磨し、3vol.%ナイタール液で腐食して組織を現出し、厚さ1/4位置の組織を走査型電子顕微鏡(倍率:1500倍)で観察し、撮像する。得られた組織写真から、画像解析により、組織を同定する。ここで、比較的平滑な面で黒く観察される相はフェライトとし、結晶粒界にフィルム状または塊状に白く観察される相はセメンタイトとし、フェライトとセメンタイトが層状に形成した相をパーライトとし、ラス間に炭化物が生成した相および粒内に炭化物を有しないベイニティックフェライトで構成される相をベイナイトと同定する。また、上記以外の領域を、マルテンサイトとする。そして、組織写真中の各相の占有面積率を求め、組織が三次元的に均質であるとみなし、面積率を体積率とする。
(第2の領域の鋼組織)
・軟質層
軟質層におけるフェライトの体積率:90%以上
軟質層は、フェライトを主体とする組織であり、ホットプレス部材の曲げ性の向上に寄与する。すなわち、鋼板の表層部に形成されるフェライトを主体とする軟質層は、曲げ時に変形し易く、曲げ性の向上に寄与する。ここで、軟質層におけるフェライトの体積率が90%未満になると、軟質層が硬化し、所望の曲げ角度を得ることができない。
従って、軟質層におけるフェライトの体積率は90%以上とする。また、軟質層におけるフェライトの体積率は100%であってもよい。
なお、軟質層におけるフェライト以外の残部組織としては、マルテンサイトやセメンタイト、パーライト、ベイナイトなどが挙げられるが、かような残部組織の体積率としては10%までは許容できる。
軟質層におけるフェライトの平均結晶粒径:2μm以上50μm以下
軟質層のフェライトは、ホットプレス部材の曲げ性の向上に寄与する。しかし、軟質層のフェライトの平均結晶粒径が2μm未満になると、結晶粒の過度の微細化により軟質層が硬化して、所望の曲げ性を得られない。一方、軟質層のフェライトの平均結晶粒径が50μmを超えると、軟質層が過度に軟化して所望の強度を得られない。
従って、軟質層のフェライトの平均結晶粒径は、2μm以上50μm以下とする。好ましくは4μm以上である。また、好ましくは40μm以下である。
軟質層の合計厚さ:第2の領域におけるホットプレス部材厚さの5%以上25%以下
軟質層は、上述したように、ホットプレス部材の曲げ性の向上に寄与し、そのためには、ある程度の厚さが必要となる。ここで、軟質層の合計厚さが、第2の領域におけるホットプレス部材厚さの5%未満では、ホットプレス部材の曲げ性が十分には得られない。一方、軟質層の合計厚さが、第2の領域におけるホットプレス部材厚さの25%を超えると、所望の強度を得られない。
従って、軟質層の合計厚さは、ホットプレス部材厚さの5%以上25%以下とする。好ましくは8%以上である。また、好ましくは20%以下である。
なお、軟質層の厚さとは、第2の領域におけるホットプレス部材の厚さ方向における表面側または裏面側の各軟質層の厚さである。また、軟質層の合計厚さとは、ホットプレス部材の表面側に形成された軟質層の厚さと、裏面側に形成された軟質層の厚さを足し合わせたものである。後述する遷移層の厚さ、および、遷移層の合計厚さについても同様である。
・遷移層
遷移層の合計厚さ:第2の領域におけるホットプレス部材厚さの5%以上25%以下
遷移層は、軟質層と硬質層の中間層であり、曲げ変形に対する応力勾配を徐変させるために不可欠となる層である。ここで、遷移層の合計厚さが第2の領域におけるホットプレス部材厚さの5%未満では、曲げ変形によってホットプレス部材に割れが発生するため、所望の曲げ性を得られない。一方、遷移層の合計厚さが第2の領域におけるホットプレス部材厚さの25%を超えると、所望の強度を得られない。
従って、軟質層の合計厚さは、第2の領域におけるホットプレス部材厚さの5%以上25%以下とする。好ましくは8%以上である。また、好ましくは20%以下である。
なお、遷移層は、第2の領域におけるホットプレス部材の厚さ方向に、フェライトの面積率が10%超90%未満の範囲で変化する層である。
よって、厚さ方向における遷移層と硬質層との境界および遷移層と軟質層との境界はそれぞれ、フェライトの面積率が10%以下から10%超となる厚さ位置、および、フェライトの面積率が90%以上から90%未満になる厚さ位置として画定される。
また、遷移層の組織は、基本的にフェライトおよびマルテンサイトにより構成されるが、フェライトおよびマルテンサイト以外の残部組織として、セメンタイトやパーライト、ベイナイトなどが合計で20%程度含まれていてもよい。
・硬質層
硬質層におけるマルテンサイトの体積率:90%以上
硬質層はマルテンサイトを主体とする組織であり、所望とする引張強さTS:1100MPa以上を確保するためには、硬質層におけるマルテンサイトの体積率を90%以上とする必要がある。好ましくは95%以上である。
なお、硬質層におけるマルテンサイト以外の残部組織としては、フェライトやセメンタイト、パーライト、ベイナイトなどが挙げられるが、かような残部組織の体積率としては10%までは許容できる。
ここで、上記した軟質層、遷移層および硬質層の画定、各層の厚さの測定、ならびに、各層における金属組織の体積率の測定は、以下のようにして行う。
すなわち、ホットプレス部材のハット天板部における第2の領域から、圧延方向に平行で、かつハット天板面に垂直な面が観察面となるように、組織観察用試験片を採取する。ついで、観察面を研磨し、3vol.%ナイタール液で腐食して組織を現出し、種々の厚さ位置における組織を走査型電子顕微鏡(倍率:1500倍)で観察し、撮像する。得られた種々の厚さ位置における組織写真から、画像解析により、各厚さ位置における組織を同定する。ここで、比較的平滑な面で黒く観察される相はフェライトとし、結晶粒界にフィルム状または塊状に白く観察される相はセメンタイトとし、フェライトとセメンタイトが層状に形成した相をパーライトとし、ラス間に炭化物が生成した相および粒内に炭化物を有しないベイニティックフェライトで構成される相をベイナイトと同定する。また、上記以外の領域を、マルテンサイトとする。
そして、各組織写真中の各相の占有面積率を導出してフェライトの面積率が10%以下から10%超となる厚さ位置、および、フェライトの面積率が90%以上から90%未満になる厚さ位置を求め、これらの厚さ位置から、軟質層、遷移層および硬質層を画定して、各層の厚さを求める。
なお、ホットプレス部材のハット天板部における第2の領域から、圧延方向に平行で、かつハット天板面に垂直な面を予めマクロ観察し、厚さ方向における組織の変化を確認しておくことで、効率的に、フェライトの面積率が10%以下から10%超となる厚さ位置、および、フェライトの面積率が90%以上から90%未満になる厚さ位置を求めることが可能となる。
また、フェライトの面積率が10%以下から10%超となる厚さ位置、および、フェライトの面積率が90%以上から90%未満になる厚さ位置を求めるに当たっての厚さ方向における観察間隔は1μmとする。
さらに、軟質層における各相の体積率は、軟質層ごとに、厚さ方向に100μmピッチ(各層界面の近傍は50μmピッチ)で観察し、これらの組織写真から、上記のようにして各相の同定および占有面積率の導出を行い、これらを平均することによって求めたものである。なお、遷移層や硬質層における各相の体積率についても、軟質層と同様にして求めたものである。
また、軟質層におけるフェライトの平均結晶粒径は、軟質層ごとに、厚さ方向に100μmピッチ(各層界面の近傍は50μmピッチ)で観察し、これらの組織写真から、画像解析により各フェライト粒の面積を求め、円相当直径を算出し、それらの値を平均することで求めたものである。なお、フェライトの平均結晶粒径を求める際には、粒径が0.01μm以上の結晶粒を測定することとする。
2.ホットプレス部材の製造方法
次に、本発明の一実施形態に係るホットプレス部材の製造方法について説明する。
本発明の一実施形態に係るホットプレス部材の製造方法は、上記の成分組成を有するホットプレス用鋼板を準備する工程と、
上記ホットプレス用鋼板を加熱し、ついで、加熱した上記ホットプレス用鋼板に、プレス成形と同時に焼入れを施して、マルテンサイトの体積率が90%以上となる鋼組織を有するホットプレス成形体とする工程と、
上記ホットプレス成形体の一部の領域を、露点50℃以上90℃以下の雰囲気で、Ac1-50℃以上Ac3点未満の温度域に加熱し、該雰囲気かつ該温度域で5分以上90分以下保持し、その後、Ac3点-50℃以下600℃以上の冷却開始温度から200℃までの温度域を20℃/秒以上250℃/秒以下の平均冷却速度で冷却する熱処理を施すことにより、該熱処理を施した領域の鋼組織を、厚さ方向に表層部が軟質層、内部が硬質層、該軟質層と該硬質層との間が遷移層である鋼組織として、上記した第1の領域と第2の領域とをそなえるホットプレス部材とする工程と、
をそなえるものである。
以下、各工程について説明する。
<ホットプレス用鋼板を準備する工程>
この工程は、素材とするホットプレス用鋼板を準備する工程である。素材とするホットプレス用鋼板は、特に限定されず、上記の成分組成を有する鋼板などが挙げられる。
例えば、上記の成分組成を有する鋼スラブを、熱間圧延して熱延板とし、その後、該熱延板に冷間圧延を施して所望板厚の冷延板とし、さらに必要に応じて該冷延板に冷延板焼鈍を施すことにより、上記の成分組成を有するホットプレス用鋼板を準備することができる。
具体的には、上記の成分組成を有する溶鋼を、転炉等で溶製し、マクロ偏析を防止するために連続鋳造法でスラブとする。なお、連続鋳造法に代えて、造塊法、あるいは薄スラブ連鋳法を用いてもよい。
ついで、得られたスラブを、一旦、室温まで冷却したのち、再加熱のため加熱炉に装入する。なお、スラブを室温まで冷却することなく、温片のまま加熱炉に装入するプロセスや、スラブを短時間保熱した後、ただちに熱間圧延するプロセスなどの省エネルギープロセスも適用できる。
その後、スラブを所定の加熱温度に加熱したのち、熱間圧延して、熱延鋼板とする。この際の加熱温度としては、例えば、1000〜1300℃である。また、通常、熱間圧延における仕上げ圧延入側温度は1100℃以下、仕上げ圧延出側温度は800〜950℃である。
熱間圧延後、熱延鋼板は、通常、平均冷却速度:5℃/秒以上で冷却され、300〜750℃の巻取り温度でコイル状に巻き取られる。
その後、熱延鋼板を冷間圧延して、冷延鋼板とする。冷間圧延時の総圧下率は、その後の焼鈍やホットプレス直前の加熱を行う際の異常粒成長を防止するために、30%以上とすることが好ましく、より好ましくは50%以上とする。また、圧延負荷が増し、生産性が低下するため、総圧下率は85%以下にすることが好ましい。
なお、冷間圧延を行う前の熱延鋼板に対して、酸洗などによる酸化スケールの剥離を行っても良い。また、冷間圧延での圧延負荷が高くなる場合は、熱延鋼板に対して、軟化焼鈍を施しても良い。
上記のようにして得た冷延鋼板をホットプレス用鋼板として用いても良いが、ホットプレス用鋼板を、ブランク材にする際の鋼板の割れやせん断刃の摩耗を低減するためには、再結晶組織とするのが好ましく、よって、上記冷延鋼板を700℃〜850℃の温度域に加熱する焼鈍を行うことが好ましい。
この焼鈍は、連続焼鈍炉または、バッチ焼鈍炉で行うことが好ましい。加熱後の冷却は、特に限定されず、使用する加熱炉等に応じて適宜、放冷、徐冷、あるいは制御冷却とすればよい。
<ホットプレス工程>
上記のようにして得たホットプレス用鋼板を加熱し、ついで、加熱した上記ホットプレス用鋼板に、プレス成形と同時に焼入れを施して、マルテンサイトの体積率が90%以上となる鋼組織を有するホットプレス成形体とする。
この際の加熱条件は、特に限定されず、常法に従えばよい。例えば、ホットプレス用鋼板をAc3点以上1000℃以下の温度域に加熱し、この温度域で10秒以上900秒以下保持すればよい。また、加熱の際の昇温速度は、特に限定されないが、1〜400℃/秒とすることが好ましく、10〜150℃/秒とすることがより好ましい。昇温速度が1℃/秒以上であれば、生産性を損なわず、400℃/秒以下であれば、温度制御が不安定となることがない。
また、加熱方法は特に限定されず、一般的な加熱方法である、電気炉、ガス炉、赤外線加熱、高周波加熱、直接通電加熱等がいずれも適用できる。さらに、雰囲気についても特に限定されず、大気中や不活性ガス雰囲気中など、いずれも適用できる。
ついで、上記のようにして加熱保持したホットプレス用鋼板に、成形用金型を用いてプレス成形と同時に焼入れを行うホットプレス成形を施して、所定形状のホットプレス成形体とする。なお、「ホットプレス成形」は、加熱された薄鋼板を金型でプレス成形すると同時に急冷する工法であり、「熱間成形」、「ホットスタンプ」、「ダイクエンチ」などとも称される。
ここで、成形条件は、成形後に得られるホットプレス成形体において、マルテンサイトの体積率が90%以上となる鋼組織が得られれば特に限定されない。
また、ホットプレス用鋼板は、加熱炉からプレス機まで搬送されるので、成形開始温度は実質的にAc3点以下となる。ただし、ホットプレス用鋼板は、温度が低下するに伴い硬化する。このため、成形荷重の観点から、成形開始温度は550℃以上とすることが好ましい。
さらに、冷却条件も特に限定されるものではないが、マルテンサイトの確保および生産性の向上という観点からは、200℃までの平均冷却速度を好ましくは20℃/s以上、より好ましくは40℃/s以上とする。なお、一般的な金型冷却を行えば、200℃までの平均冷却速度は20℃/s以上となる。
また、金型からの取出し時間と、取出し後の冷却速度についても、特に限定されない。例えば、ダイ金型とパンチ金型からなる成形用金型を用いて、下死点にて1〜60秒間保持し、ダイ金型とパンチ金型によりホットプレス部材を冷却する。その後、成形用金型からホットプレス部材を取り出し、冷却する。成形用金型内、および、成形用金型から取り出した後の冷却は、ガスや液体などの冷媒による冷却方法を組み合わせることができ、それによって生産性を向上させることもできる。
<熱処理工程>
次に、上記のようにして得たホットプレス成形体の一部の領域を、露点50℃以上90℃以下の雰囲気で、Ac1-50℃以上Ac3点未満の温度域に加熱し、該雰囲気かつ該温度域で5分以上90分以下保持し、その後、Ac3点-50℃以下600℃以上の冷却開始温度から200℃までの温度域を20℃/秒以上250℃/秒以下の平均冷却速度で冷却する熱処理を施すことにより、該熱処理を施した領域の鋼組織を、厚さ方向に表層部が軟質層、内部が硬質層、該軟質層と該硬質層との間が遷移層である鋼組織として、上記した第1の領域と第2の領域とをそなえるホットプレス部材とする。
このようなホットプレス成形体に対する部分的な熱処理を行う方法は、特に限定されず、例えば、ホットプレス成形体の一部をセラミックなどの断熱材で挟み、部分的に加熱を遮断する方法が挙げられる。また、ホットプレス成形体の一部のみを加熱炉に装入し、部分的に加熱する方法が挙げられる。
露点:50℃以上90℃以下
熱処理雰囲気の露点は50℃以上90℃以下として、熱処理時に生成する酸化スケールの発生を抑制する必要がある。すなわち、ホットプレス成形体の表面に酸化スケールが多量に発生すると、製品板厚を損ねる場合がある。ここで、露点が50℃未満の場合、Fe0が生成して酸化スケールの成長が助長される。一方、酸化スケールの発生を抑制する効果は、露点がある程度まで高くなると飽和する。このため、熱処理雰囲気の露点の上限は、生産管理上の点から、90℃とする。なお、好ましくは60℃以上である。また、好ましくは80℃以下である。
熱処理(加熱)温度:Ac1点-50℃以上Ac3点未満
熱処理温度はAc1点-50℃以上Ac3点未満とする必要がある。すなわち、熱処理温度がAc1点-50℃未満では、炭素の拡散速度が遅く、脱炭を十分に進行させることができない。このため、熱処理後の冷却において、表層近傍でもマルテンサイトが生成し、所望の軟質層を有する第2の領域の傾斜組織が得られない。一方、焼鈍温度がAc3点以上では、ホットプレス部材にマンガンバンドが生成して、ホットプレス部材の曲げ性を劣化させる。好ましくはAc1-25℃以上である。また、好ましくはAc3-25℃以下である。
なお、Ac1点(℃)およびAc3点(℃)はそれぞれ、次式を使用して算出したものである。
Ac1点(℃)=751−16C+11Si−28Mn−5.5Cu−16Ni+13Cr+3.4Mo
Ac3点(℃)=910−203C1/2+44.7Si−4Mn+11Cr
ここで、式中のC、Si、Mn、Ni、Cu、Cr、Moは、ホットプレス用鋼板における各元素の含有量(質量%)である。なお、式中の元素が含有されていない場合には、当該元素の含有量を零としてAc1点およびAc3点を算出する。
保持時間:5分以上90分以下
上記熱処理温度域での保持時間は、5分以上90分以下とする必要がある。すなわち、保持時間が5分未満の場合、ホットプレス成形体の表層近傍での脱炭の進行が不十分となる。このため、熱処理後の冷却において、表層近傍でもマルテンサイトが生成し、所望の軟質層を有する第2の領域の傾斜組織が得られない。一方、保持時間が90分を超えると、脱炭が過度に進行して軟質層の厚さの増加を招き、所望とするホットプレス部材の強度を得ることができなくなる。
従って、保持時間は、5分以上90分以下とする。好ましくは10分以上である。また、好ましくは60分以下である。
冷却開始温度:600℃以上Ac3点-50℃以下
上記の保持後、所望の傾斜組織を得るために、所定の制御冷却を行うことが重要である。すなわち、上記のような加熱保持を経たホットプレス成形体では、C濃度が低い領域からフェライト変態が開始され、軟質層が形成される。しかし、制御冷却の冷却開始温度がAc3点-50℃を超える場合は、軟質層の形成が不十分で、所望とする曲げ性が得られない。一方、冷却開始温度が600℃未満の場合、硬質層の形成が不十分となって、所望とする強度が得られない。
従って、冷却開始温度は、Ac3点-50℃以下600℃以上とする必要がある。好ましくはAc3点-60℃以下である。また、好ましくは625℃以上である。
冷却開始温度から200℃までの温度域における平均冷却速度:20℃/秒以上250℃/秒以下
また、冷却開始温度から200℃までの温度域における平均冷却速度は、適正な遷移層の厚さを得るために重要な条件である。
ここで、平均冷却速度が20℃/秒未満では、第2の領域の内部で硬質層が十分に形成されず、所望とする強度を得ることができない。また、平均冷却速度が250℃/秒を超えると、遷移層の厚さが減少し、これによって、所望とする曲げ性が得られない。
従って、冷却開始温度から200℃までの温度域における平均冷却速度は、20℃/秒以上250℃/秒以下とする。なお、好ましくは40℃/秒以上である。また、好ましくは150℃/秒以下である。
なお、上記の制御冷却手段は特に限定されない。すなわち、上記の制御冷却が行える限り、水冷、ミスト冷却、高圧ガスによる冷却、金型接触による冷却など、いずれの冷却方法を採用してもよい。
表1および表4に示す成分組成(残部はFeおよび不可避的不純物)を有する溶鋼を小型真空溶解炉で溶製し、スラブとした。得られたスラブを1250℃に加熱し、さらに粗圧延および仕上げ圧延を含む熱間圧延をして、熱延鋼板を得た。仕上げ圧延入側温度は1100℃で、仕上げ圧延出側温度が850℃の条件とした。また、熱間圧延終了後の冷却速度は、800〜600℃の平均で15℃/秒とし、巻取り温度は650℃とした。
ついで、得られた熱延鋼板を酸洗し、総圧下率:54%で冷間圧延して、冷延鋼板(板厚:1.6mm)を得た。さらに、得られた冷延鋼板に、焼鈍温度:750℃の条件で焼鈍を施し、ホットプレス用鋼板を得た。
かくして得られたホットプレス用鋼板を、表2および表5に示す条件で加熱、保持したのち、プレス機に搬送し、表2および表5に示す成形開始温度でホットプレスを施して、ハット断面形状のホットプレス成形体を得た。ホットプレスは、幅:70mm、肩半径R:6mmのパンチ金型と肩半径R:6mmのダイ金型とを成形用金型として使用し、成形深さ:30mmで行った。
なお、上記の加熱を、電気加熱炉により大気中で行った場合、室温から750℃までの平均加熱速度を7.5℃/秒、750℃から加熱温度までの平均加熱速度を2.0℃/秒とした。また、上記の加熱を、直接通電加熱装置により大気中で行った場合、室温から加熱温度までの平均加熱速度を100℃/秒とした。そして、加熱温度に到達後、当該加熱温度で保持した。
また、成形用金型内での冷却は、次のようにして行った。すなわち、パンチ金型を下死点にて15秒間保持し、ダイ金型とパンチ金型による挟み込みと、挟み込みから開放したダイ金型上での空冷との組合せにより、150℃以下まで冷却した。なお、成形開始温度から200℃までの平均冷却速度は100℃/秒であった。
ついで、得られたホットプレス成形体の一部の領域に、表2および表5に示す条件で熱処理を施し、第1の領域と第2の領域とをそなえるホットプレス部材を得た。ここで、表2および表5の平均冷却速度は、冷却開始温度から200℃までの温度域における平均冷却速度である。なお、第1の領域は、上記の熱処理を施さなかった領域、第2の領域は上記の熱処理を施した領域である。
かくして得られたホットプレス部材のハット天板部の第1の領域と第2の領域のそれぞれの位置からJIS 5号引張試験片(平行部:25mm幅、平行部長さ:60mm、GL=50mm)を採取し、JIS Z 2241に準拠して引張試験を実施し、それぞれの領域における引張強さTSおよび全伸びを求めた。
また、ホットプレス部材のハット天板部の第2の領域の位置から曲げ試験片(幅60mm、長さ60mm)を採取し、ドイツ自動車工業会(VDA)規格:VDA238-100に準拠した曲げ試験を実施し、曲げ角度αを測定した。なお、曲げ荷重が落ち始めた時点を曲げ限界として、その時点のポンチストロークから曲げ角度を算出した。
結果を表3および表6に示す。
また、得られたホットプレス部材の第1の領域について、上述した方法により、組織の同定および体積率の測定を行った。さらに、得られたホットプレス部材の第2の領域についても、上述した方法により、軟質層、遷移層および硬質層の画定、各層の厚さの導出、ならびに、各層における金属組織の体積率および軟質層におけるフェライトの平均結晶粒径の測定を行った。
結果を表3および表6に併記する。なお、これらのホットプレス部材の第2の領域ではいずれも、図1に示すような、厚さ方向に、表面から裏面に向かって、軟質層/遷移層/硬質層/遷移層/軟質層の順となる鋼組織が得られていた。また、硬質層の厚さは、ホットプレス部材厚さ(1.6mm)から、軟質層および遷移層の合計厚さを減じることによって算出することができる。
Figure 0006589928
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Figure 0006589928
Figure 0006589928
Figure 0006589928
表3および表6に示すように、発明例ではいずれも、引張強さTS:1100MPa以上の高強度と、曲げ角度:70度以上の優れた曲げ性が得られた。これに対し、比較例では、強度および曲げ性の少なくともいずれかの特性を満足しなかった。

Claims (4)

  1. 第1の領域と第2の領域とをそなえる、ホットプレス部材であって、
    該ホットプレス部材は、
    質量%で、
    C:0.18%以上0.40%以下、
    Si:0.01〜2.0%、
    Mn:0.5%以上2.5%以下、
    P:0.05%以下、
    S:0.05%以下、
    Al:0.005〜0.1%および
    N:0.01%以下
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有するとともに、
    上記第1の領域は、上記第1の領域全体に対する体積率で90%以上のマルテンサイトを有する鋼組織を有するとともに、引張強さTSが1500MPa以上であり、
    上記第2の領域は、その厚さ方向に表層部が軟質層、内部が硬質層、該軟質層と該硬質層との間が遷移層である鋼組織を有するとともに、引張強さTSが1100MPa以上、曲げ角度が70度以上であり、
    上記軟質層は、上記軟質層全体に対する体積率で90%以上のフェライトを有し、該フェライトの平均結晶粒径は2μm以上50μm以下であり、上記軟質層の合計厚さが上記第2の領域におけるホットプレス部材厚さの5%以上25%以下であり、
    上記遷移層は、その合計厚さが上記第2の領域におけるホットプレス部材厚さの5%以上25%以下であり、
    上記硬質層は、上記硬質層全体に対する体積率で90%以上のマルテンサイトを有する、ホットプレス部材。
  2. 前記成分組成がさらに、質量%で、下記A〜E群のうちから選ばれた1群または2群以上を含有する、請求項1に記載のホットプレス部材。

    A群:Ni:0.01〜5.0%、Cu:0.01〜5.0%、Cr:0.01〜5.0%およびMo:0.01〜3.0%のうちから選ばれた1種または2種以上
    B群:Ti:0.005〜3.0%、Nb:0.005〜3.0%、V:0.005〜3.0%およびW:0.005〜3.0%のうちから選ばれた1種または2種以上
    C群:REM:0.0005〜0.01%、Ca:0.0005〜0.01%およびMg:0.0005〜0.01%のうちから選ばれた1種または2種以上
    D群:Sb:0.002〜0.03%
    E群:B:0.0005〜0.05%
  3. 質量%で、
    C:0.18%以上0.40%以下、
    Si:0.01〜2.0%、
    Mn:0.5%以上2.5%以下、
    P:0.05%以下、
    S:0.05%以下、
    Al:0.005〜0.1%および
    N:0.01%以下
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる成分組成を有するホットプレス用鋼板を準備する工程と、
    上記ホットプレス用鋼板を加熱し、ついで、加熱した上記ホットプレス用鋼板に、プレス成形と同時に焼入れを施して、マルテンサイトの体積率が90%以上となる鋼組織を有するホットプレス成形体とする工程と、
    上記ホットプレス成形体の一部の領域を、露点50℃以上90℃以下の雰囲気で、Ac1-50℃以上Ac3点未満の温度域に加熱し、該雰囲気かつ該温度域で5分以上90分以下保持し、その後、Ac3点-50℃以下600℃以上の冷却開始温度から200℃までの温度域を20℃/秒以上250℃/秒以下の平均冷却速度で冷却する熱処理を施すことにより、該熱処理を施した領域の鋼組織を、厚さ方向に表層部が軟質層、内部が硬質層、該軟質層と該硬質層との間が遷移層である鋼組織として、請求項1に記載の第1の領域と第2の領域とをそなえるホットプレス部材とする工程と、
    をそなえる、ホットプレス部材の製造方法。
  4. 前記成分組成がさらに、質量%で、下記A〜E群のうちから選ばれた1群または2群以上を含有する請求項3に記載のホットプレス部材の製造方法。

    A群:Ni:0.01〜5.0%、Cu:0.01〜5.0%、Cr:0.01〜5.0%およびMo:0.01〜3.0%のうちから選ばれた1種または2種以上
    B群:Ti:0.005〜3.0%、Nb:0.005〜3.0%、V:0.005〜3.0%およびW:0.005〜3.0%のうちから選ばれた1種または2種以上
    C群:REM:0.0005〜0.01%、Ca:0.0005〜0.01%およびMg:0.0005〜0.01%のうちから選ばれた1種または2種以上
    D群:Sb:0.002〜0.03%
    E群:B:0.0005〜0.05%
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