JP6003837B2 - 高強度プレス部品の製造方法 - Google Patents

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本発明は、主に自動車産業分野で使用される高強度プレス部品であって、加熱した鋼板をダイとパンチからなる金型内で熱間プレスし、特に引張強さ(TS)が1300MPa以上となる高強度プレス部品の製造方法に関するものである。
近年、地球環境保全の観点から、自動車排ガス規制が強化されている。このような状況下、自動車の燃費向上が重要な課題となっており、自動車部品の高強度・薄肉化が要求されている。自動車部品の高強度・薄肉化を図る手段としては、自動車部品の素材として鋼板を用い、プレス焼入れにより鋼板を所望の部品形状に成形する手段が知られている。プレス焼入れでは、オーステナイト単相域まで加熱したブランク(鋼板)を、金型を用いて所望の形状に熱間プレス成形しつつ、金型内で抜熱して焼入れを行う。
以上のように、プレス焼入れでは、高温域に加熱した鋼板、すなわち軟質化して加工し易い状態にある鋼板をプレス成形するため、鋼板を複雑な部品形状に成形することができる。また、鋼板を所望の部品形状に成形しつつ焼入れを行うため、成形後には引張強さ(TS)が1500MPaを超えるような強度の極めて高いホットプレス部品が得られる。更に、金型内で焼入れを行うため、熱処理ひずみの抑制が可能であり、寸法精度に優れたホットプレス部品が得られる。
しかしながら、プレス焼入れにより製造された従来のホットプレス部品は、その組織が主にマルテンサイト組織であるため、延性が低い。このように延性の低い部品を自動車部品に適用すると、自動車の衝突時、大きな変形を受ける部位で割れが発生する問題がある。
また、自動車部品のうち、例えば骨格部品には、高強度であることに加えて、衝突時、座屈により衝撃エネルギーを吸収して乗員の安全を確保する機能が求められる。しかしながら、マルテンサイトを主たる組織とした従来のホットプレス部品は曲げ性に劣り、自動車衝突時、座屈部に割れが発生してしまうため、耐衝撃性が不十分であるという問題がある。
以上の理由により、従来のホットプレス部品は、自動車部品に採用しようとしても適用部位が限定され、汎用性が低い。
これらの問題に対し、例えば特許文献1には、質量%で、C:0.1〜0.4%、Si:0.001〜3.0%、Mn:1.5〜4.0%、P:0.1%以下、S:0.05%以下、Al:0.005〜0.1%、N:0.01%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、ミクロ組織が、フェライト及びパーライト、又はフェライト、セメンタイト及びパーライトより成る鋼板を、加熱速度1〜100℃/秒の加熱速度にて加熱し、700〜850℃の温度域で10〜6000秒の保持を行い、550〜700℃の温度域にてプレス成形を行うことで、成形後の鋼板の組織を、主相として冷却後面積率で40〜90%のフェライトを含有し、第二相として10〜60%のマルテンサイトを含有し、残部組織がベイナイトから成る組織とする技術が提案されている。そして、特許文献1で提案された技術によると、熱間プレス成形後の組織をフェライトとマルテンサイトの2相組織とすることで、プレス成形後の鋼板において780N/mm2以上の引張強さが得られるとともに、良好な延性が確保できるとしている。
また、特許文献2には、質量%でC:0.12%以上0.69%以下、Si:3.0%以下、Mn:0.5%以上3.0%以下、P:0.1%以下、S:0.07%以下、Al:3.0%以下およびN:0.010%以下を含有し、かつSi+Alが0.7%以上を満足し、残部はFeおよび不可避不純物からなる鋼板を、750℃以上1000℃以下の温度に加熱し、5〜1000秒間保持したのち、350℃以上900℃以下の温度域で熱間プレスを行い、ついで50℃以上350℃以下の温度まで冷却した後、350℃以上490℃以下の温度域に昇温し、該温度域に5秒以上1000秒以下保持することにより、マルテンサイトと残留オーステナイトとベイニティックフェライトを含むベイナイトを有し、マルテンサイトのうちの25%以上が焼戻しマルテンサイトである組織を有する高強度プレス部材とする技術が提案されている。そして、特許文献2で提案された技術によると、マルテンサイトの一部を焼戻しマルテンサイトにすることによって、強度と延性に優れ、かつ引張強さが980MPa以上の高強度プレス部材が得られるとしている。
特開2007−16296号公報 特開2011−184758号公報
しかしながら、特許文献1で提案された技術では、熱間プレス成形後の鋼板の強度が引張強さで高々1270MPa程度であり、ホットプレス部品として十分な強度が得られない。また、座屈部の割れに対して問題となる曲げ性についても十分ではない。一方、特許文献2で提案された技術では、十分な強度を備えたプレス部材が得られている。しかしながら、特許文献2で提案された技術では、プレス焼入れ後に再加熱・保持する熱処理を必要としていることから、そのための加熱炉が必要となり、コスト的に不利である。また、このようにプレス焼入れ後の熱処理を必要とするため、生産性が低いという問題もある。更に、特許文献2で提案された技術では、高強度プレス部材の曲げ性について検討されていない。
本発明は、上記の従来技術が抱える問題を有利に解決し、高強度であり且つ延性および曲げ性にも優れた高強度プレス部品の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明者らは、熱間プレスにより成形される高強度プレス部品に関し、強度、延性および曲げ性に及ぼす各種要因について鋭意検討した。その結果、1300MPa以上の引張強さを確保しつつ、高強度プレス部品の延性および曲げ性の向上を図るうえでは、高強度プレス部品の組織を、ベイナイトを含む組織とすることが極めて有効であることを知見した。また、高強度プレス部品の組織を、ベイナイトと共に残留オーステナイトを適量含む組織とすることで、高強度プレス部品の延性がより一層向上することを知見した。また、高強度プレス部品の強度を確保する観点からは、ベイナイトおよび残留オーステナイト以外の残部をマルテンサイトとすることが有効であることを知見した。
更に、本発明者らが検討した結果、部品の素材となる鋼板の組成や、熱間プレス成形前、熱間プレス成形時、金型から離型する際の鋼板温度などを最適化することで、熱間プレス成形後に熱処理を施すことなく、安価にかつ高効率に上記所望の組織を有する高強度プレス部品が得られることを知見した。
本発明は上記の知見に基づき完成されたものであり、その要旨は次のとおりである。
[1] 質量%で、C:0.15%以上0.6%以下、Si:0.001%以上3.0%以下、Mn:0.5%以上3.0%以下、P:0.1%以下、S:0.07%以下、Al:0.005%以上0.2%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼板を、Ac3変態点以上1200℃以下の温度に加熱した後、オーステナイトを安定化させたまま650℃以上の温度域まで徐冷した後、金型に挿入して650℃以上の温度域でプレス成形を開始し、金型内で50℃/s以上の冷却速度で550℃以下400℃以上の温度域まで冷却して離型し、離型温度から300℃までの平均冷却速度が5℃/s以下となるように徐冷することを特徴とする高強度プレス部品の製造方法。
[2] 前記[1]において、前記組成に加えて更に、質量%でCr:0.005%以上0.5%以下、V :0.005%以上0.5%以下、Mo:0.005%以上0.5%以下、Ni:0.005%以上0.5%以下のうちの少なくとも1種以上を含有することを特徴とする高強度プレス部品の製造方法。
[3] 前記[1]または[2]において、前記組成に加えて更に、質量%でTi:0.01%以上0.20%以下、Nb:0.01%以上0.10%以下のうちの少なくとも1種以上を含有することを特徴とする高強度プレス部品の製造方法。
[4] 前記[1]ないし[3]のいずれかにおいて、前記組成に加えて更に、質量%でB:0.0002%以上0.0050%以下を含有することを特徴とする高強度プレス部品の製造方法。
本発明によると、引張強さが1300MPa以上、延性の指標となる引張強さと伸びの積(TS×EL)が12000MPa・%以上であり、しかも曲げ性の指標となる限界曲げ半径Rと板厚tの比(R/t)が3.0以下である、延性および曲げ性に優れた高強度プレス部品が得られる。したがって、本発明によれば、高強度プレス部品を自動車の骨格部品等に適用することが可能となり、これらの部品の軽量化を通じて自動車の燃費性能の飛躍的な向上が期待できる。また、本発明は、延性および曲げ性に優れた高強度プレス部品を簡便かつ安価に製造できることから、自動車部品の生産性向上やコスト削減に貢献し、産業上格段の効果を奏する。
本発明に従う高強度プレス部品の製造方法における熱履歴、および従来方法における熱履歴を示す図である。 実施例のプレス部品形状を示す図である。((a)は斜視図、(b)は断面図。)
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明では、鋼板を、加熱し、金型で熱間プレス成形して所定の部品形状にするとともに金型で抜熱して冷却し、離型後に徐冷することでプレス部品を製造する。そして、本発明は、プレス部品に所望の強度を付与する目的、およびプレス部品の組織を所望の組織、すなわちベイナイトおよび残留オーステナイトを適量含み、残部がマルテンサイトからなる組織とする目的で、プレス部品の素材となる鋼板の組成、熱間プレス成形条件(鋼板の加熱温度、成形温度、金型内での冷却速度、離型温度、離型後の冷却速度)を最適化することを特徴とする。
本発明では、プレス部品の素材として、質量%で、C:0.15%以上0.6%以下、Si:0.001%以上3.0%以下、Mn:0.5%以上3.0%以下、P:0.1%以下、S:0.07%以下およびAl:0.005%以上0.2%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼板を用いる。プレス部品の素材となる鋼板の成分組成の限定理由は以下のとおりである。なお、以下の成分組成を表す%は、特に断らない限り質量%を意味するものとする。
C :0.15%以上0.6%以下
Cは、鋼の強度向上に寄与する元素である。また、Cは、残留オーステナイト量を確保するうえで必須の元素でもある。C含有量が0.15%未満であると、プレス部品の引張強さを1300MPa以上とすることが困難となる。また、C含有量が0.15%未満であると、プレス部品に含まれる残留オーステナイト量が減少し、プレス部品の延性が低下する。一方、C含有量が0.6%を超えると、溶接性が劣化する。したがって、C含有量は0.15%以上0.6%以下とする。好ましくは0.2%以上0.4%以下である。
Si:0.001%以上3.0%以下
Siは、固溶強化により鋼の強度向上に寄与する元素であり、曲げ性を阻害する粗大なセメンタイトを抑制する元素でもある。このような効果を発現させるためには、Si含有量を0.001%以上とする必要がある。また、Siは、残留オーステナイト量を確保するうえで有効な元素でもあり、このような観点からはSi含有量を1.0%以上とすることが好ましい。一方、Si含有量が3.0%を超えると、プレス部品の表面性状が著しく劣化し、化成処理性や耐食性の低下を招く。したがって、Si含有量は0.001%以上3.0%以下とする。好ましくは1.0%以上2.0%以下である。
Mn:0.5%以上3.0%以下
Mnは、固溶強化により鋼の強度向上に寄与する元素である。また、Mnは、オーステナイトを安定化させ、ベイナイト、残留オーステナイト、マルテンサイト以外の組織であるフェライトやパーライトの生成を抑制する元素でもある。このような効果を発現させるためには、Mn含有量を0.5%以上とする必要がある。一方、Mn含有量が3.0%を超えると、オーステナイトが過剰に安定化され、ベイナイトの生成が不十分となる。したがって、Mn含有量は0.5%以上3.0%以下とする。好ましくは1.0%以上2.0%以下である。
P :0.1%以下
Pは、固溶強化により鋼の強度向上に寄与する元素であるが、粒界に偏析して低温靭性や耐衝撃性の低下を招く元素でもある。したがって、本発明では、P含有量を0.1%以下に抑制する。好ましくは0.03%以下である。
S :0.07%以下
Sは、Mnと結合して粗大な硫化物を形成し、鋼の延性低下を招く元素である。そのため、S含有量は極力低減することが好ましいが、0.07%までの含有は許容できる。したがって、S含有量は0.07%以下とする。好ましくは0.01%以下である。
Al:0.005%以上0.2%以下
Alは、脱酸剤として作用し、鋼の清浄度を向上させるのに有効な元素である。このような効果を得るには、Al含有量を0.005%以上とする必要がある。一方、Al含有量が0.2%を超えて過剰になると、酸化物系介在物の増加を招き、鋼の延性を低下させる要因となる。したがって、Al含有量は0.005%以上0.2%以下とする。好ましくは0.01%以上0.1%以下である。
以上が本発明においてプレス部品の素材として用いる鋼板の基本成分であるが、該鋼板は、必要に応じて以下の元素を含有してもよい。
Cr:0.005%以上0.5%以下、V:0.005%以上0.5%以下、Mo:0.005%以上0.5%以下、Ni:0.005%以上0.5%以下のうちの少なくとも1種以上
Cr、V、Mo、Niは、いずれも鋼板のプレス成形時や成形後の冷却時にフェライトやパーライトの生成を抑制し、ベイナイト、残留オーステナイト、マルテンサイトを生成し易くする。このような効果を得るには、含有量をいずれも0.005%以上とすることが好ましい。一方、これらの元素の含有量がいずれも0.5%を超えると、その効果は飽和し、コストアップの要因となる。したがって、Cr、V、Mo、Niから選択される1種または2種以上を含有する場合には、それぞれの元素の含有量を0.005%以上0.5%以下とすることが好ましく、0.05%以上0.3%以下とすることがより好ましい。
Ti:0.01%以上0.20%以下、Nb:0.01%以上0.10%以下のうちの少なくとも1種以上
Tiは、鋼の強化に有効であり、本発明で規定する範囲内の含有量であればプレス部品の強化に使用して差し支えない。このような強度向上効果を得るには、Ti含有量を0.01%以上とすることが好ましい。一方、Ti含有量が0.20%を超えると、その効果は飽和し、コストアップの要因となる。したがって、Tiを含有する場合には、その含有量を0.01%以上0.20%以下とすることが好ましく、0.01%以上0.05%以下とすることがより好ましい。
Nbも、鋼の強化に有効であり、本発明で規定する範囲内の含有量であればプレス部品の強化に使用して差し支えない。このような強度向上効果を得るには、Nb含有量を0.01%以上とすることが好ましい。一方、Nb含有量が0.10%を超えると、その効果は飽和し、コストアップの要因となる。したがって、Nbを含有する場合には、その含有量を0.01%以上0.10%以下とすることが好ましく、0.01%以上0.05%以下とすることがより好ましい。
B :0.0002%以上0.0050%以下
Bは、オーステナイト粒界からのフェライト生成を抑制し、ベイナイト、残留オーステナイト、マルテンサイトの生成を容易にする作用を有する。このような効果を得るには、B含有量を0.0002%以上とすることが好ましい。一方、B含有量が0.0050%を超えると、その効果は飽和し、コストアップの要因となる。したがって、Bを含有する場合には、その含有量を0.0002%以上0.0050%以下とすることが好ましく、0.0005%以上0.0030%以下とすることがより好ましい。
本発明において、上記以外の成分は、Feおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては例えばNが挙げられ、N含有量は0.01%以下に低減することが好ましい。より好ましくは0.005%以下である。
なお、本発明においてプレス部品の素材として用いる鋼板は、上記の組成を有する限りその製造条件等に特段の制限はなく、従来公知の方法にしたがい製造することができる。例えば、連続鋳造法や、造塊−分塊圧延法、薄スラブ連鋳法等、公知の鋳造方法により鋳造されたスラブに、熱間圧延を施すことにより得られる熱延板(板厚:約2.0mm以上4.0mm以下)を素材鋼板としてもよい。また、上記熱延板に、必要に応じて酸洗、焼鈍を施したのち、冷間圧延を施すことにより得られる冷延板(板厚:約0.8mm以上2.3mm以下)を素材鋼板としてもよい。また、上記熱延板や冷延板に、焼鈍処理を施すことにより得られる焼鈍板を素材鋼板としてもよい。更に、上記熱延板、冷延板または焼鈍板にめっきを施したものを素材鋼板としてもよい。めっきの種類は特に限定されず、Zn系、Al系等、いずれの種類でもよい。めっき方法も特に限定されず、溶融めっき、電気めっきなど、いずれの方法を用いてもよい。
本発明は、上記の組成を有する鋼板を、加熱し、金型を用いて所望の形状に熱間プレス成形しつつ、金型内で抜熱して急冷したのち離型し、更に徐冷することによりプレス部品とする。具体的には、上記の組成を有する鋼板を、Ac3変態点以上1200℃以下の温度に加熱した後、金型に挿入して650℃以上の温度域でプレス成形を行い、金型内で50℃/s以上の冷却速度で550℃以下400℃以上の温度域まで冷却して離型し、離型温度から300℃までの平均冷却速度が5℃/s以下となるように徐冷してプレス部品とする。
鋼板の加熱温度:Ac3変態点以上1200℃以下
先述のとおり、本発明では、プレス部品の組織を、ベイナイトおよび残留オーステナイトを含み、残部がマルテンサイトである組織とすることを目的とする。そのため、本発明では、プレス成形前の鋼板を、Ac3変態点以上の温度に加熱して、鋼板をオーステナイト単相組織とする必要がある。プレス成形前の鋼板温度がAc3変態点未満であると、プレス部品の組織がフェライト、パーライト等を含む組織となってしまい、プレス部品の強度が低下する。一方、熱間プレス成形前の鋼板温度が1200℃を超えると、結晶粒の粗大化、スケール生成量の増加、めっきの揮発等の問題が生じる。したがって、プレス成形前の鋼板の加熱温度は、Ac3変態点以上1200℃以下とする。好ましくはAc3変態点+30℃以上Ac3変態点+150℃以下である。
鋼板の加熱方法は特に限定されず、電気炉や誘導加熱炉、通電加熱による加熱等、いずれの方法であってもよい。また、加熱時の雰囲気も特に限定されず、大気雰囲気中で加熱してもよいし、鋼板の表面酸化を抑制する目的で還元雰囲気中や真空中で加熱してもよい。
なお、Ac3変態点以上1200℃以下の温度域における鋼板の保持時間が1s未満であると、オーステナイトの生成が不十分でオーステナイト単相組織にならないことが懸念される。一方、上記保持時間が1000sを超えると、スケール生成量の増加やめっきの揮発が問題となる場合がある。そのため、Ac3変態点以上1200℃以下の温度域における鋼板の保持時間は1s以上1000s以下とすることが好ましい。
次いで、上記の温度域に加熱してオーステナイト単相組織とした鋼板を、金型に挿入し、熱間プレスを行い所望の部品形状に成形するとともに、金型で抜熱して冷却する。ここで、最終的に得られるプレス部品の組織をベイナイト、残留オーステナイトおよびマルテンサイトからなる組織とし、フェライト等を含まない組織とするためには、鋼板を、オーステナイト単相組織の状態を維持したまま金型に挿入して熱間プレス成形を行い、金型内で急冷する必要がある。プレス成形前の鋼板に、オーステナイトからフェライト、パーライトへの変態が生じると、プレス部品の組織もフェライト等を含む組織となってしまう。
以上の理由により、本発明では、Ac3変態点以上1200℃以下に加熱した鋼板を、金型に挿入し、鋼板温度:650℃以上でプレス成形するとともに金型内で急冷する。先述のとおり、本発明において素材として用いる鋼板は、オーステナイト安定化元素を所定量含有するため、Ac3変態点以上1200℃以下に加熱した鋼板を650℃まで徐冷しても、フェライト変態やパーライト変態が発生することはない。
したがって、650℃以上の温度の鋼板を金型に挿入し、プレス成形時(すなわち金型内での急冷開始時)の鋼板温度を650℃以上とすることにより、フェライトやパーライトの生成を抑制することができる。また、プレス成形時の鋼板温度は、660℃以上とすることがより好ましい。
金型内での平均冷却速度:50℃/s以上
金型内での平均冷却速度が50℃/s未満であると、鋼板(或いはプレス部品)にフェライトやパーライトが生成するおそれがあり、所望の組織を有するプレス部品が得られない。したがって、金型内での鋼板(或いはプレス部品)の平均冷却速度は50℃/s以上とする。好ましくは100℃/s以上である。なお、上記平均冷却速度は、プレス成形温度、すなわちプレス成形時(金型内での急冷開始時)の鋼板温度から後述する離型温度までの温度域での平均冷却速度である。
金型内での鋼板(或いはプレス部品)の冷却速度は、例えば鋼板の寸法に応じて金型の材料、質量(熱伝導率、熱容量)を選択して抜熱能を調整することや、冷却機能を備えた金型(例えば、水等の冷却媒体用通路を内部に設けた金型)を用いることにより、所望の速度に制御することができる。
離型温度(急冷停止温度):550℃以下400℃以上
本発明では、50℃/s以上の平均冷却速度で550℃以下400℃以上の温度域まで金型内で冷却(急冷)したのち、該温度域で成形後の鋼板(プレス部品)を金型から取り外し(離型)する。離型温度(急冷停止温度)が550℃を超えると、離型後の鋼板(プレス部品)でオーステナイトからフェライト、パーライトへの変態が生じてしまい、プレス部品を所望の組織とすることができない。一方、離型温度(急冷停止温度)が400℃未満になると、鋼板(プレス部品)でベイナイト変態が殆ど生じることなくマルテンサイト変態が開始してしまい、プレス部品をベイナイト含有組織とすることができなくなる場合がある。
以上の理由により、本発明では、離型温度(急冷停止温度)を550℃以下400℃以上とする。好ましくは520℃以下420℃以上である。離型温度をこのような温度範囲にすると、鋼板(プレス部品)中のオーステナイトが他の組織に変態する前に離型することができる。そして、離型後のプレス部品を、後述する所定の平均冷却速度で徐冷すると、オーステナイトの一部がベイナイト変態し、更にベイナイトに変態しなかった残りのオーステナイトの一部がマルテンサイトに変態する。その結果、ベイナイトと残留オーステナイトを適量含み、残部がマルテンサイトからなる組織を有するプレス部品が得られる。
離型温度から300℃までの平均冷却速度:5℃/s以下
離型温度から300℃までの平均冷却速度が5℃/sを超えると、プレス部品に含まれるマルテンサイトの割合が高くなり、プレス部品の組織で所望する量のベイナイトおよび残留オーステナイトを得ることができない。その結果、プレス部品の延性や曲げ性が低下する。したがって、離型温度から300℃までの温度域は、平均冷却速度で5℃/s以下で徐冷する。好ましくは3℃/s以下である。
なお、離型温度から300℃までの冷却速度は、離型後のプレス部品を炉冷したり保熱カバーを使用することで、所望の平均冷却速度に調整することができる。また、プレス部品の寸法(板厚)によっては、離型後のプレス部品を放冷することにより、5℃/s以下の平均冷却速度とすることができる。
本発明に従う高強度プレス部品の製造方法における熱履歴、および従来方法における熱履歴を、図1に示す。従来方法では、オーステナイト単相域に加熱した鋼板を、マルテンサイト変態終了温度(Mf点)以下の温度まで金型内で急冷するため、高強度プレス部品の組織がマルテンサイト単一組織となる。そのため、従来方法によると、強度が極めて高いプレス部品が得られるものの、その延性、曲げ性は乏しく、耐衝撃性が求められる自動車の骨格部品などに適用することはできない。
一方、図1に示すように、本発明では、オーステナイト単相域に加熱した鋼板を、マルテンサイト変態開始温度(MS点)よりもやや高めの温度域(MS点+50℃〜MS点+200℃)まで金型内で急冷したのち離型することで、鋼板(プレス部品)にフェライトやパーライトが生成するのを防止する。そして、離型後のプレス部品を、少なくともMS点未満Mf点超の温度域まで徐冷することで、ベイナイト変態を促進するとともに残留オーステナイト量を確保し、プレス部品の組織全体がマルテンサイト単一組織となることを防止する。
したがって、本発明の方法に従うことにより、ベイナイトおよび残留オーステナイトを含み、残部がマルテンサイトからなる組織を有する高強度プレス部品が得られる。これにより、強度を引張強さ1300MPa以上に維持しつつ、高強度プレス部品に優れた延性、曲げ性を付与することができる。
なお、本発明の方法に従い製造される高強度プレス部品において、組織全体に含まれるベイナイトの分率は約20%以上75%以下である。
表1に示す成分を有する鋼を溶製して鋳片とし、該鋳片を、1200℃に加熱し、870℃の仕上げ圧延終了温度で熱間圧延した後、600℃で巻き取り、熱延鋼板とした。次いで、該熱延鋼板を、酸洗後、65%の圧下率で冷間圧延し、板厚1.6mmの冷延鋼板とした。表1に記載のAc3変態点は、以下の(1)式より算出した(William C.Leslie著、幸田成康監訳、熊井浩、野田龍彦訳、「レスリー鉄鋼材料学」、丸善株式会社、1985年、p.273参照)。なお、(1)式において、[C]、[Ni]、[Si]、[V]、[Mo]、[Mn]、[Cr]、[P]、[Al]、[Ti]は、各元素(C、Ni、Si、V、Mo、Mn、Cr、P、Al、Ti)の含有量(質量%)である。
Ac3(℃)=910−203√[C]−15.2×[Ni]+44.7×[Si]+104×[V]
+31.5×[Mo]−30×[Mn]−11×[Cr]+700×[P]+400×[Al]
+400×[Ti] … (1)
以上のようにして得られた冷延鋼板から、200mm×400mmのブランクを打ち抜き、該ブランクを加熱・保持したのち、金型(SKD61製)を用いて熱間プレス成形した。そして、金型内で冷却したのち離型し、更に冷却して図2に示すハット形状のプレス部品を製造した。ブランクの加熱温度、加熱温度での保持時間、熱間プレス成形温度、金型内での平均冷却速度(熱間プレス成形温度から離型温度までの温度域における平均冷却速度)、離型温度、離型温度から300℃までの温度域における平均冷却速度は、表2のとおりである。なお、ブランクの加熱には、大気雰囲気の電気炉を用いた。
得られたプレス部品から試験片を採取し、引張試験、曲げ試験および組織観察を行った。各種試験方法および組織観察方法は次のとおりとした。
(i)引張試験
プレス部品の上面(図2参照)から、引張方向がプレス部品の長手方向になるようにJIS 5号試験片を採取し、JIS Z 2241(2011)の規定に準拠した引張試験(引張り速度:10mm/min)を行い、引張強さTS、全伸びT.ELを測定した。また、測定された引張強さTSと全伸びT.ELの積(TS×T.EL)を算出し、プレス部品の延性を評価した。
(ii)曲げ試験
プレス部品の上面(図2参照)から、プレス部品の長手方向が試験片の長手方向になるように幅30mm×長さ120mmの短冊状の試験片を採取した。これらの試験片の端部を表面粗さRyが1.6〜6.3Sとなるように平滑にした後、JIS Z 2248(2006)に規定の押し曲げ法に準拠し、90°の曲げ試験を行った。曲げ試験により、試験片が亀裂やネッキングを生じない最小の曲げ半径を限界曲げ半径Rとし、限界曲げ半径Rと試験片の板厚tとの比(R/t)により曲げ性を評価した。なお、R/tの値が小さいほど、曲げ性が良好である。
(iii)組織観察
プレス部品の上面(図2参照)から、走査型電子顕微鏡(SEM)用試験片を採取し、試験片の板厚断面を研磨後、ナイタール腐食し、板厚1/4位置において、倍率1500倍でSEM写真を3視野で撮影し、ベイナイト、マルテンサイトおよびその他の組織を区別して、画像解析処理により試験片の組織全体に対するベイナイトの面積率、マルテンサイトの面積率、その他(フェライト等)の面積率を求めた。また、試験片の組織全体に対する残留オーステナイトの面積率は、プレス部品の上面(図2参照)から採取した試験片を、板厚方向の1/4面まで研磨し、板厚1/4面の回折X線強度により求めた。入射X線には、MoKα線を使用し、残留オーステナイトの{111}、{200}、{220}、{311}面とフェライトの{110}、{200}、{211}面のピークの積分強度の全ての組み合せについて強度比を求め、これらの平均値により求めた。
得られた結果を表3に示す。
Figure 0006003837
Figure 0006003837
Figure 0006003837
発明例であるサンプルNo.1、4、5、8〜10のプレス部品は、延性の指標となる引張強さと全伸びの積(TS×T.EL)が12000MPa・%以上、曲げ性の指標となるR/t値が3.0以下となり、比較例のサンプルNo.2、3、6、7に比べて優れた延性と曲げ性を示している。

Claims (4)

  1. 質量%で、
    C :0.15%以上0.6%以下、 Si:0.001%以上3.0%以下、
    Mn:0.5%以上3.0%以下、 P :0.1%以下、
    S :0.07%以下、 Al:0.005%以上0.2%以下
    を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる組成を有する鋼板を、Ac3変態点以上1200℃以下の温度に加熱した後、オーステナイトを安定化させたまま650℃以上の温度域まで徐冷した後、金型に挿入して650℃以上の温度域でプレス成形を開始し、金型内で50℃/s以上の冷却速度で550℃以下400℃以上の温度域まで冷却して離型し、離型温度から300℃までの平均冷却速度が5℃/s以下となるように徐冷することを特徴とする高強度プレス部品の製造方法。
  2. 前記組成に加えて更に、質量%でCr:0.005%以上0.5%以下、V :0.005%以上0.5%以下、Mo:0.005%以上0.5%以下、Ni:0.005%以上0.5%以下のうちの少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の高強度プレス部品の製造方法。
  3. 前記組成に加えて更に、質量%でTi:0.01%以上0.20%以下、Nb:0.01%以上0.10%以下のうちの少なくとも1種以上を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の高強度プレス部品の製造方法。
  4. 前記組成に加えて更に、質量%でB:0.0002%以上0.0050%以下を含有することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の高強度プレス部品の製造方法。
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