JP6588175B1 - イオン注入装置、イオン源 - Google Patents

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Abstract

【課題】実効排気速度が大きく、イオンビーム量を増加できるイオン注入装置を提供する。【解決手段】イオン源槽11内の残留気体がイオン源槽11に直結された真空排気装置50に流入する経路の途中の場所に複数の熱遮蔽板を有する熱遮蔽装置が配置されている。イオン化槽から真空排気装置50に向かって放出された熱線は熱遮蔽板によって遮蔽され、熱線が真空排気装置50の内部に入射しないようにされており、真空排気装置50の内部が昇温しないようになっている。熱遮蔽板は黒色にされ、冷却されている。【選択図】図1

Description

本発明はイオン源の実効排気速度を向上させる技術に関する。
イオン注入装置はイオン源のイオン源槽内でイオンビームを生成し、半導体基板等の照射対象物に照射して、所望の原子のイオンを照射対象物に注入する装置である。物質の表面の性質を変化させたり、半導体にp型又はn型のドーパントを注入し、pn接合を形成する等の用途がある。
イオン源槽には、イオンの原料となる原料ガスが導入され、イオン化されてイオンビームが形成されるが、イオンビームにされた原料ガス以外の原料ガスを真空排気するため、イオン源槽に接続された真空排気装置には大きな実効排気速度が求められる。
イオン源槽と真空排気装置とを接続する排気管の長さを短くすると実効排気速度が大きくなるため、特に、イオン源槽と真空排気装置とを直結する対策が考えられている。
真空排気装置には、ターボ分子ポンプやクライオポンプ等のオイルフリーの装置が適しているが、真空排気装置を直結した場合は、イオン源槽の内部で発生した熱線(赤外線)が真空排気装置の内部に照射されると、ターボ分子ポンプの動翼が熱膨張によって動作不良となったり、クライオポンプの低温面の温度が上昇することがある。
特開2013−155716号公報
本発明は、簡素な構成で、イオン源槽と真空排気装置との間の排気管の長さを短縮させたときに生じるイオン源の内部で発生した熱線の真空排気装置への入射を防止すると共に、過熱による異常停止を防止することにある。
上記課題を解決するために本発明は、ターボ分子ポンプと、前記ターボ分子ポンプの筺体の内部に配置された動翼の回転動作によって内部の残留気体が排気管が接続された場所に移動し、補助真空排気装置によって真空排気されるイオン源槽と、前記イオン源槽の内部に配置され、内部に原料ガスが入射するイオン化槽と、前記イオン化槽の内部に入射した前記原料ガスに熱電子を照射してイオン化させ、イオンビームを生成するフィラメントと、前記イオン化槽から射出された前記イオンビームの加速と質量分析とを行って所望の質量・電荷比のイオンから成るイオンビームを試料室の内部に入射させる走行部と、を有し、前記試料室内には照射対象物が配置され、前記走行部から入射された前記イオンビームを前記照射対象物に照射され、前記残留気体が前記イオン源槽の内部から前記ターボ分子ポンプの内部に移動する途中の場所に、前記イオン化槽が位置する領域から放出され、前記ターボ分子ポンプの内部に向かう熱線を遮蔽して通過させずに前記残留気体を通過させる熱遮蔽装置が設けられたイオン注入装置であって、前記熱遮蔽装置は、複数の熱遮蔽板を有し、前記熱遮蔽板は互いに離間して配置され前記イオン化槽が位置する領域から放出される前記熱線は前記熱遮蔽板に照射され、前記残留気体は隣接する前記熱遮蔽板の間の隙間を通過して前記イオン源槽の内部から前記筺体の内部に移動するようにされ、前記熱遮蔽板の表面のうち、一表面が前記イオン化槽に対して正対するように配置されて前記熱線が照射される被照射面にされ、前記熱遮蔽板の表面のうち、少なくとも前記被照射面には黒色の第一の吸熱層が設けられ、前記熱遮蔽板は、冷熱媒体が流れる吸熱配管によって冷却されるイオン注入装置である。
本発明は、前記ターボ分子ポンプの前記筺体に設けられた吸気口と前記イオン源槽に設けられた排気口とが接続され、前記ターボ分子ポンプが動作すると、前記残留気体は前記排気口と前記吸気口とを通って前記イオン源槽の中から前記筺体の中に移動するイオン注入装置であって、前記熱遮蔽装置は前記排気口に設けられたイオン注入装置である。
発明は、前記吸熱配管は、前記イオン源槽のうち、前記熱遮蔽装置が設けられた部分に接触して設けられたイオン注入装置である。
発明は、前記被照射面とは反対側の裏面は黒色の第二の吸熱層が設けられたイオン注入装置である。
本発明は、前記熱遮蔽板は、黒色の吸熱層で覆われたイオン注入装置である。
本発明は、 ターボ分子ポンプと、前記ターボ分子ポンプの筺体の内部に配置された動翼の回転動作によって内部の残留気体が排気管が接続された場所に移動し、補助真空排気装置によって真空排気されるイオン源槽と、前記イオン源槽の内部に配置され、内部に原料ガスが入射するイオン化槽と、前記イオン化槽の内部に入射した前記原料ガスに熱電子を照射してイオン化させ、イオンビームを生成するフィラメントと、を有し、前記イオンビームを前記イオン源槽の外部に射出するイオン源であって、前記残留気体が前記イオン源槽の内部から前記ターボ分子ポンプの内部に移動する途中の場所に、前記イオン化槽が位置する領域から放出され、前記ターボ分子ポンプの内部に向かう熱線を遮蔽して通過させずに前記残留気体を通過させる熱遮蔽装置が設けられたイオン源であって、前記熱遮蔽装置は、複数の熱遮蔽板を有し、前記熱遮蔽板は互いに離間して配置され前記イオン化槽が位置する領域から放出される前記熱線は前記熱遮蔽板に照射され、前記残留気体は隣接する前記熱遮蔽板の間の隙間を通過して前記イオン源槽の内部から前記筺体の内部に移動するようにされ、前記熱遮蔽板の表面のうち、一表面が前記イオン化槽に対して正対するように配置されて前記熱線が照射される被照射面にされ、前記熱遮蔽板の表面のうち、少なくとも前記被照射面には黒色の第一の吸熱層が設けられ、前記熱遮蔽板は、冷熱媒体が流れる吸熱配管によって冷却されるイオン源である。
本発明は、前記ターボ分子ポンプの前記筺体に設けられた吸気口と前記イオン源槽に設けられた排気口とが接続され、前記ターボ分子ポンプが動作すると、前記残留気体は前記排気口と前記吸気口とを通って前記イオン源槽の中から前記筺体の中に移動するイオン源であって、前記熱遮蔽装置は前記排気口に設けられたイオン源である。
本発明は、前記吸熱配管は、前記イオン源槽のうち、前記熱遮蔽装置が設けられた部分に接触して設けられたイオン源である。
発明は、前記被照射面とは反対側の裏面は黒色の第二の吸熱層が設けられたイオン源である。
本発明は、前記熱遮蔽板は、黒色の吸熱層で覆われたイオン源である。
真空排気装置の内部に熱線が入射しないので、真空排気装置の排気速度が低下したり、真空排気装置が停止するようなことはなく、実効排気速度を大きくすることができる。
本発明のイオン注入装置の一例を説明するための図 イオン源の外形を説明するための図 イオン源の斜視図 イオン源の平面図 (a):図4のB−B線截断断面図 (b):熱遮蔽板の断面図 図4のC−C線截断断面図 真空排気装置の一例の断面図
<イオン注入工程>
図1の符号2は、本発明のイオン注入装置を示している。
このイオン注入装置2は、試料室3と、走行部4と、イオン源5とを有している。
走行部4は走行槽51を有しており、試料室3は試料槽52を有している。図2〜図4にはイオン源5が示されており、イオン源5はイオン源槽11を有している。
イオン源槽11の内部と走行槽51の内部と試料槽52の内部とは連通されており、それらの内部は後述するイオン源5に接続された真空排気装置や試料槽52に接続された真空排気装置とによって真空排気され、真空雰囲気にされている。
走行槽51には、引出部6と、分析部7と、加速部8と、スキャン部9とが配置されている。
引出部6は、走行槽51のうち、イオン源5に隣接した部分に配置されており、引出部6に位置する部分の走行槽51の内部には複数の引出電極53が設けられている。
後述するように、イオン源5にはイオン化させる原料ガスが導入され、イオン源5の内部で原料ガスのイオンが生成されている。
引出電極53には正電荷のイオンを吸引する負の引出電圧が印加されており、イオン源5の内部で生成されたイオンは引出電極53が形成する電界によってイオン源5から吸引され、放出口12からイオンビームとなって走行槽51の内部に引き出され、イオンビームは走行槽51の内部の走行を開始する。
走行を開始したイオンビームの進行方向には分析部7が配置されており、走行槽51のうち分析部7に位置する部分の外側には一対の分析用電磁石54a、54bが設けられている。
分析用電磁石54a、54bは、流れる電流の大きさに対応した強度の磁界を走行槽51の内部に形成する。分析部7に入射したイオンビーム中のイオンは分析用電磁石54a、54bが形成した磁界によって走行方向が湾曲され、磁界の強度に対応した質量電荷比を有するイオンが分析部7を通過する。
分析部7を通過したイオンから成るイオンビームの進行方向には加速部8が配置されており、走行槽51のうち加速部8に位置する部分の内部には複数枚の加速用電極55が設けられている。
各加速用電極55には、走行槽51の接地電位に対して正電圧の加速電圧が印加されており、加速部8に入射したイオンビームは加速用電極55に印加された加速電圧によって加速されながら加速部8を通過する。
加速部8を通過したイオンビームの進行方向にはスキャン部9が配置されており、走行槽51のうちスキャン部9に位置する部分の内部には複数個の電極と電磁石とから成るスキャン装置57が設けられている。
スキャン部9の走行槽51の内部には、スキャン装置57によって電界と磁界とが形成されており、スキャン部9に入射したイオンビームは電界と磁界によって進行方向が曲げられてスキャン部9を通過する。
スキャン部9を通過したイオンビームの進行方向には試料槽52が配置されており、走行槽51と試料槽52とを接続する入射口39から試料槽52の内部にイオンビームが入射する。
入射したイオンビームの進行方向には照射対象59が配置されており、照射対象59には、試料槽52の内部に入射したイオンビームが照射される。
照射対象59に照射されるイオンビームの断面積は照射対象59の一表面よりも小さくされており、スキャン部9の電界と磁界の大きさが変化されると、イオンビームの照射対象59上の照射位置が移動され、照射対象59の全面又は設定された領域にイオンビームが照射される。イオンビームの照射により、照射対象59の内部にイオンビームに含まれるイオンが表面から注入される。
なお、加速部8が位置する部分の走行槽51は電気絶縁性を有しており、走行槽51のうち上流側の部分と下流側の部分とは加速部8が位置する部分の走行槽51によって絶縁され、加速部8よりもイオンビームの上流側に位置する引出部6と、分析部7とイオン源槽11とには高電圧が印加されており、イオンビームの下流側に位置するスキャン部9と試料槽52とは接地電位に接続されている。
<真空排気装置>
図2を参照し、イオン源5はイオン源槽11を有しておりイオン源槽11には真空排気装置50が接続されている。イオン源5に接続する真空排気装置50にはターボ分子ポンプやクライオポンプ等の真空排気装置を用いることができる。
図3は真空排気装置50を取り外した状態のイオン源5の外観斜視図である。図4はその平面図であり、図5(a)は図4のB−B線截断断面図であり、図6は図4のC−C線截断断面図である。真空排気装置50は、この例ではターボ分子ポンプであり、その内部概略は図7に示されている。
真空排気装置50は筺体61を有しており、筺体61には吸入口62が設けられている。吸入口62の周囲にはポンプ側フランジ面63が形成されている。
イオン源槽11には排気口22が設けられており、排気口22の周囲にはイオン源側フランジ面13が形成されている。
ポンプ側フランジ面63とイオン源側フランジ面13とは互いに気密に当接され、筺体61とイオン源槽11とが取付部品14によって互いに動かないように固定されている。固定された状態では、筺体61の内部とイオン源槽11の内部とは、吸入口62と排気口22とを介して接続されており、イオン源槽11内部の気体が筺体61の内部に移動できるようにされている。
筺体61の内部には、モータ67が配置されている。モータ67には回転軸64が接続されており、モータ67が動作すると回転軸64が回転する。
回転軸64には複数枚の動翼66が設けられている。動翼66と動翼66との間には、筺体61に固定された静翼65が配置されている。
静翼65は、動翼66と動翼66との間に一枚ずつ配置されている。
筺体61のうち、吸入口62から離間した位置には排気管68が設けられており、動翼66と静翼65とは、吸入口62と排気管68が接続された場所との間に配置されている。
回転軸64が回転し、イオン源槽11の内部の残留ガスの気体分子が回転移動する動翼66に衝突すると、衝突した気体分子は静翼65方向に移動し、静翼65と動翼66の間を通過して、衝突した動翼66よりも、排気管68が接続された場所に近い他の動翼66の方向に移動し、その動翼66に衝突する。
そして、衝突した気体分子はその動翼66と静翼65との間を通過して、排気管68が接続された場所に近い他の動翼66の方向に移動する。このような移動を繰り返して気体分子は排気管68が接続された場所に移動する。
排気管68は補助真空排気装置に接続されており、筺体61の内部は、排気管68を介して補助真空排気装置によって真空排気されている。
排気管68が接続された場所に移動した気体は補助真空排気装置によって真空排気される。
その結果、イオン源槽11の内部の残留気体は真空排気装置50と補助真空排気装置とによって真空排気される。
<イオン源>
図6を参照し、イオン源槽11は筒状であり、互いに対向する二底面のうち、一方の底面側の壁面には放出口12が設けられており、走行槽51の内部とイオン源槽11の内部とは、放出口12によって接続されている。
他方の底面側には絶縁フランジ45が配置されている。イオン源槽11の内部には、イオン化槽31が配置されている。イオン化槽31は、図示しない部材によって絶縁フランジ45に固定されている。
イオン化槽31には供給配管32の先端43が接続されており、供給配管32の他端はイオン源槽11の外部に導出され、ガス源35(図1)に接続されている。
ガス源35には原料ガスが配置されており、供給配管32を介してガス源35からイオン化槽31に供給された原料ガスは、流量制御された状態で先端43の開口からイオン化槽31の内部に放出され、イオン化槽31の内部を走行する。
イオン化槽31の内部には、フィラメント36が配置されている。
イオン源槽11の外部には、イオン化用電源38が配置されており、フィラメント36はイオン化用電源38に電気的に接続され、イオン化用電源38からフィラメント36に電力が供給される。この電力によってフィラメント36に電流が流れ、フィラメント36は高温に発熱する。
イオン化槽31とフィラメント36との間には引出電源が接続されており、フィラメント36には負電圧が印加されている。
フィラメント36は熱電子を放出する温度に昇温されており、フィラメント36から、熱電子がイオン化槽31の内部に放出され、イオン化槽31の内部を走行するガスに照射されると、ガスがイオン化され、イオンが生成される。
イオン化槽31には放出口12と対面する位置に出口側開口44が配置されている。
イオン化槽31の内部には放出口12と出口側開口44とを介して引出電極53によって電界が形成されており、イオンは、引出電極53とイオン化槽31とが形成する電界によって加速され、イオンビームとなって出口側開口44を通過して、走行槽51の内部に放出口12から放出され、上述したように走行槽51の内部を走行し、照射対象59に照射される。
<イオン化槽>
ところで、フィラメント36から放出される熱線や熱電子は、一部は出口側開口44からイオン源槽11の内部に放出され、他の一部はイオン化槽31に照射され、イオン化槽31が加熱され700℃〜800℃の温度に昇温されている。
加熱されたイオン化槽31からも熱線が放出されており、従って、イオン化槽31が位置する領域から放出される熱線には、イオン源槽11がその領域の表面から放出する熱線と、フィラメント36が、領域の内部から放出する熱線とが含まれる。
イオン源槽11から放出される熱線の一部は排気口22に向かい、排気口22と吸入口62とを通過すると、真空排気装置50の内部に照射され、真空排気装置50の内部を昇温させる。
イオン化槽31に導入される原料ガスのうち、一部がイオンビームとなって走行槽51の内部に入射し、他の一部は残留気体となってイオン源槽11の内部に充満し、残留気体は排気口22と吸入口62とを通過して真空排気装置50によって真空排気される。
このイオン注入装置2では、残留気体がイオン源槽11の内部から真空排気装置50の内部に移動する途中の場所に、残留気体を通過させながらイオン化槽11から放出されて真空排気装置の内部に向かう熱線を遮蔽する熱遮蔽装置20が設けられている。
この熱遮蔽装置20は、取付フランジ49を有しており、細長の熱遮蔽板21が複数枚互いに離間して平行に配置され、隣接する熱遮蔽板21の間に隙間29が形成された状態で、熱遮蔽板21は長手方向の両端を取付フランジ49に固定されている。
取付フランジ49は、イオン源槽11の内部壁面のうち排気口22に近接する位置に固定されて、取付フランジ49の真空排気装置50側の表面がイオン源側フランジ面13にされている。
イオン源槽11の内部の残留気体が熱遮蔽装置20を通過しながら、イオン化槽31から放出される赤外線が熱遮蔽装置20に設けられた熱遮蔽板21に入射して吸収されるようになっている。
各熱遮蔽板21は長方形の四角形状であり、二長辺のうち一辺が排気口22が形成する平面に近い位置に配置され、他方の辺が排気口22が形成する平面から遠い位置に配置されている。
符号15はイオンビームの中心軸線であり、排気口22は、排気口22が形成する平面と垂直に交叉する直線と、イオンビームの中心軸線15とはねじれの位置にあり、排気口22が形成する平面とイオンビームの中心軸線15との間には所定の大きさの距離が存するように配置されている。
図5(b)には、取付フランジ49に取り付けられた複数の熱照射板21のうちの隣接する二枚の熱照射板21が示されている。
各熱遮蔽板21の六表面のうち、面積の大きな一表面を被照射面25aとし、被照射面25aとは反対側に位置し、面積の大きな面を裏面25bとすると、各熱遮蔽板21は、被照射面25aがイオン化槽31に対して正対するように、排気口22が形成する平面に対して傾いて配置されている(この例では120°)。
熱遮蔽板21は、銅製又はアルミニウム製等の金属製の本体板24を有しており、本体板24には、本体板24の全表面を覆う吸熱層27が設けられている。吸熱層27は黒色であり、赤外線を吸収する吸収率が80%以上が望ましく、例えば窒化チタン等の金属酸化物によって構成されている。
吸熱層27のうち、本体板24の面積が広い面26a上に形成され、表面が被照射面25aにされた部分を第一の吸熱層27aとすると、被照射面25aに照射された熱線は大部分が第一の吸着層27aに吸収される。
本体板24の面のうち、第一の吸熱層27aが形成された面26aとは反対側の面26bには、表面が裏面25bにされた第二の吸熱層27bが形成されており、被照射面25aやイオン源槽11の内壁面等で反射され、隙間29に侵入した熱線は、裏面25bに照射され、大部分が第二の吸熱層27bに吸収される。熱照射板21は熱線の吸収によって昇温する。イオン源槽11のうち、熱遮蔽装置20が取り付けられた部分の外周には、吸熱配管23が巻き回されており、イオン源槽11の外部に配置された冷却装置37(図1)から供給された低温の冷熱媒体が吸熱配管23の内部を流れ、イオン源槽11の壁を介して熱遮蔽装置20を冷却して熱遮蔽板21の温度が低下するようにされている。
また熱遮蔽板21は動翼66から見ても冷却効果を奏する(動翼66は一般的に磁気浮上状態で回転するため、熱収支は放射が支配的な要因となる為である)。これは侵入を防げなかった熱線により動翼66の温度が上昇する事に対して、熱遮蔽板21が冷却面となり、熱収支が改善されることを意味する。この結果、動翼66の過熱に基づく熱膨張の発生、つまりは静翼65と動翼66との物理的な干渉の発生、を防ぐ事が出来、ひいては異常停止や破壊等の事故を防止する事が可能となる。
イオン源槽11から伝達された熱によって冷熱媒体は昇温する。昇温した冷熱媒体は冷却装置37に戻され、冷却装置37によって冷却された後、イオン源槽11の外周に位置する吸熱配管23に供給され、熱遮蔽装置20を冷却する。このように吸熱配管23に冷熱媒体が循環されて熱遮蔽装置20が冷却されるので、熱遮蔽板21が昇温しないようになっている。冷却装置37と吸熱配管23はイオン注入装置2を運転する際にイオン源槽11を冷却する設備として必須である事から、構成要素を増やすこと無く熱遮蔽版21の過昇温を防ぐ事が可能となっている。なおこの吸熱配管23はイオン源槽11の冷却と兼用されている為(図示せず)、熱遮蔽装置20の外周に巻き回された吸熱配管23の配置は、その全長から見て上流側(配管長1/2の位置より冷却装置側)に配置する事が望ましい。
本体板24には、面積の広い二個の片面26a、26bの他、他の四面にも、吸熱層27が形成されており、熱遮蔽板21に入射する熱線は、熱照射板21に吸収されるようになっている。
2……イオン注入装置
3……試料室
5……イオン源
11……イオン源槽
20……熱遮蔽装置
21……熱遮蔽板
22……排気口
23……吸熱配管
25a……被照射面
25b……裏面
27a……第一の吸熱層
27b……第二の吸熱層
29……隙間
31……イオン化槽
50……真空排気装置
61……筺体
62……吸入口

Claims (10)

  1. ターボ分子ポンプと、
    前記ターボ分子ポンプの筺体の内部に配置された動翼の回転動作によって内部の残留気体が排気管が接続された場所に移動し、補助真空排気装置によって真空排気されるイオン源槽と、
    前記イオン源槽の内部に配置され、内部に原料ガスが入射するイオン化槽と、
    前記イオン化槽の内部に入射した前記原料ガスに熱電子を照射してイオン化させ、イオンビームを生成するフィラメントと、
    前記イオン化槽から射出された前記イオンビームの加速と質量分析とを行って所望の質量・電荷比のイオンから成るイオンビームを試料室の内部に入射させる走行部と、を有し、
    前記試料室内には照射対象物が配置され、前記走行部から入射された前記イオンビームを前記照射対象物に照射され、
    前記残留気体が前記イオン源槽の内部から前記ターボ分子ポンプの内部に移動する途中の場所に、前記イオン化槽が位置する領域から放出され、前記ターボ分子ポンプの内部に向かう熱線を遮蔽して通過させずに前記残留気体を通過させる熱遮蔽装置が設けられたイオン注入装置であって、
    前記熱遮蔽装置は、複数の熱遮蔽板を有し、
    前記熱遮蔽板は互いに離間して配置され
    前記イオン化槽が位置する領域から放出される前記熱線は前記熱遮蔽板に照射され、
    前記残留気体は隣接する前記熱遮蔽板の間の隙間を通過して前記イオン源槽の内部から前記筺体の内部に移動するようにされ、
    前記熱遮蔽板の表面のうち、一表面が前記イオン化槽に対して正対するように配置されて前記熱線が照射される被照射面にされ、
    前記熱遮蔽板の表面のうち、少なくとも前記被照射面には黒色の第一の吸熱層が設けられ、
    前記熱遮蔽板は、冷熱媒体が流れる吸熱配管によって冷却されるイオン注入装置。
  2. 前記ターボ分子ポンプの前記筺体に設けられた吸気口と前記イオン源槽に設けられた排気口とが接続され、前記ターボ分子ポンプが動作すると、前記残留気体は前記排気口と前記吸気口とを通って前記イオン源槽の中から前記筺体の中に移動するイオン注入装置であって、
    前記熱遮蔽装置は前記排気口に設けられた請求項1記載のイオン注入装置。
  3. 前記吸熱配管は、前記イオン源槽のうち、前記熱遮蔽装置が設けられた部分に接触して設けられた請求項記載のイオン注入装置。
  4. 前記被照射面とは反対側の裏面は黒色の第二の吸熱層が設けられた請求項記載のイオン注入装置。
  5. 前記熱遮蔽板は、黒色の吸熱層で覆われた請求項記載のイオン注入装置。
  6. ターボ分子ポンプと、
    前記ターボ分子ポンプの筺体の内部に配置された動翼の回転動作によって内部の残留気体が排気管が接続された場所に移動し、補助真空排気装置によって真空排気されるイオン源槽と、
    前記イオン源槽の内部に配置され、内部に原料ガスが入射するイオン化槽と、
    前記イオン化槽の内部に入射した前記原料ガスに熱電子を照射してイオン化させ、イオンビームを生成するフィラメントと、
    を有し、
    前記イオンビームを前記イオン源槽の外部に射出するイオン源であって、
    前記残留気体が前記イオン源槽の内部から前記ターボ分子ポンプの内部に移動する途中の場所に、前記イオン化槽が位置する領域から放出され、前記ターボ分子ポンプの内部に向かう熱線を遮蔽して通過させずに前記残留気体を通過させる熱遮蔽装置が設けられたイオン源であって、
    前記熱遮蔽装置は、複数の熱遮蔽板を有し、
    前記熱遮蔽板は互いに離間して配置され
    前記イオン化槽が位置する領域から放出される前記熱線は前記熱遮蔽板に照射され、
    前記残留気体は隣接する前記熱遮蔽板の間の隙間を通過して前記イオン源槽の内部から前記筺体の内部に移動するようにされ、
    前記熱遮蔽板の表面のうち、一表面が前記イオン化槽に対して正対するように配置されて前記熱線が照射される被照射面にされ、
    前記熱遮蔽板の表面のうち、少なくとも前記被照射面には黒色の第一の吸熱層が設けられ、
    前記熱遮蔽板は、冷熱媒体が流れる吸熱配管によって冷却されるイオン源
  7. 前記ターボ分子ポンプの前記筺体に設けられた吸気口と前記イオン源槽に設けられた排気口とが接続され、前記ターボ分子ポンプが動作すると、前記残留気体は前記排気口と前記吸気口とを通って前記イオン源槽の中から前記筺体の中に移動するイオン源であって、
    前記熱遮蔽装置は前記排気口に設けられた請求項記載のイオン源。
  8. 前記吸熱配管は、前記イオン源槽のうち、前記熱遮蔽装置が設けられた部分に接触して設けられた請求項記載のイオン源。
  9. 前記被照射面とは反対側の裏面は黒色の第二の吸熱層が設けられた請求項記載のイオン源。
  10. 前記熱遮蔽板は、黒色の吸熱層で覆われた請求項記載のイオン源。



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