JP6587979B2 - エンジンのピストン - Google Patents
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Description
前記スカート部1の表面1aに斑点状の樹脂皮膜2aが分散配置され、隣り合う前記斑点状の樹脂皮膜2aどうしの間の前記スカート部1の表面1aと、前記隣り合う斑点状の樹脂皮膜2a,2aとにより形成される凹部3で網目状溝4が形成されるとともに、
前記斑点状の樹脂皮膜2aには、前記スカート部1のピストン移動方向6への移動に伴ってエンジンオイルをピストン周方向8で前記スカート部1の中央側へ寄せ案内するガイド溝Mが形9され、
前記ガイド溝Mは、前記斑点状の樹脂皮膜2aを部分的に前記表面1aに形成しないことによりなる皮膜欠如溝が、前記斑点状の樹脂皮膜2aに斜め溝として複数配列形成されることによりなることを特徴とする。
前記斑点状の樹脂皮膜2aには、前記スカート部1がクランク軸に近づく方向への移動に伴ってエンジンオイルをピストン周方向8で前記スカート部1の中央側へ寄せ案内する第1のガイド溝21が形成されていることを特徴とする。
前記斑点状の樹脂皮膜2aには、前記スカート部1がクランク軸から遠ざかる方向への移動に伴ってエンジンオイルをピストン周方向8で前記スカート部1の中央側へ寄せ案内する第2のガイド溝22が形成されていることを特徴とする。
前記ガイド溝Mの溝底23は、前記スカート部1の表面1aにより形成されていることを特徴とする。
前記斑点状の樹脂皮膜2aの形状が六角形に設定されていることを特徴とする。
スカート部の表面が複数個に分かれてテクスチャリングされることにより、エンジオイルのピストン移動方向通路を設けることができ、エンジンオイルを各部により有効に供給することができる。凹部によって網目状溝が形成されているので、ピストンの往復運動を利用して凹部にオイルを積極的に供給することができる。
その結果、樹脂皮膜が施されているピストンにおいて、さらなる鋭意研究により、凹部へのエンジンオイルの供給を改善することができ、耐久性向上も期待できるエンジンのピストンを提供することができる。
シリンダヘッド15には、吸気弁18と排気弁19と燃料インジェクタ20が取り付けられている。
順序として、先ず、ガイド溝(後述)を持たない樹脂皮膜2を有するピストン(図6参照)を説明し、その次に、ガイド溝(後述)を有する樹脂皮膜2付のピストン(図2,図3参照)を説明する。
従って、隣り合う斑点状の樹脂皮膜2a,2aは、ピストン移動方向6及びピストン周方向8には互いに重なる状態に配列されている。
図6(図2)の例では、斑点状の樹脂皮膜2aはピストン移動方向6に、周方向端部1Aでは5個(又は6個)並び、周方向中央部1Bでは7個(又は6個)並んでいる。つまり、多数の亀の甲形状の樹脂皮膜2aが縦横に配列されている樹脂皮膜2のコーティングパターンである。
樹脂皮膜列5の隣り合う斑点状の樹脂皮膜2a,2aどうしの間に形成される溝部分7(=凹部3)のピストン移動方向6側の両端開口部7a,7bは、ピストン移動方向6で隣り合う樹脂皮膜列5の斑点状の樹脂皮膜2a、詳しくは、斑点状の樹脂皮膜2aにおけるピストン周方向8の中心に対向する構成とされている。
図2,図3に示されるように、正六角形で斑点状の樹脂皮膜2aには、スカート部1のピストン移動方向6への移動に伴ってエンジンオイルをピストン周方向8でスカート部1の中央側へ寄せ案内するガイド溝Mが形成されている。
ガイド溝Mは斑点状の樹脂皮膜2aを部分的に表面1aに形成しないことによりなる皮膜欠如溝であり、一つの斑点状の樹脂皮膜2aには4つの斜め溝として配列形成されている。つまり、図2,3において示される多数のガイド溝Mは、スカート部1の表面1aが溝状のものとして見えていることになる。
図5(a)に示されるように、ガイド溝M,21,22の溝底23はスカート部1の表面1aである。なお、図5(a)においては、例として、第2のガイド溝22及びその溝底23として描いてある。
また、オイルをスカート部1に効率良く保持できるので、オイルによる流体膜には正圧が発生し、摺動面を浮上させ、フリクション低減が図れ、従って、燃費低減の効果が期待できる。また、エンジンの耐焼き付き性も向上するようになる。特に、寒冷時でもオイル保持ができる利点もある。
その結果、樹脂皮膜2の形状工夫により、オイルをより必要とする箇所に無理なく供給することができ、耐久性向上に寄与するエンジンのピストン12を提供することができる。
スラスト側12aに存在する斑点状の樹脂皮膜2aの第1のガイド溝21により、爆発によって強くシリンダ14に押されるスラスト側12aのスカート部1へのオイル供給が促進されるようになる。また、反スラスト側12bに存在する斑点状の樹脂皮膜2aの第2のガイド溝22により、スラスト側ほど強烈ではないが、比較的強くシリンダ14に押される反スラスト側12bのスカート部1へのオイル供給が促進されるようになる。
その結果、樹脂皮膜の形状工夫により、スカート部におけるエンジンオイルのより必要とされる箇所の潤滑性を無理なく改善することができ、耐久性向上も可能となる利点が得られる。
斑点状の樹脂皮膜2aに形成されるガイド溝Mは、図4(a)に示されるように、樹脂皮膜2の厚さを減じること、例えば半分の厚みとされることでなる溝でも良い。この場合の溝底23は、図5(b)に示されるように、スカート部1の表面1aではなく、樹脂皮膜2の凹入面25によりなる。
なお、図2,3に示される斑点状の樹脂皮膜2aは、元は図6に示す六角形の樹脂皮膜2aを基本としており、全体として六角形を呈する計5つの皮膜破片(符記省略)によりなるものである。
ガイド溝Mを有する斑点状の樹脂皮膜2aは、図4(b)に示されるように、鼓形に設定されたものでも良い。この例では、ピストン移動方向6にやや長い鼓形を呈している。なお、斑点状の樹脂皮膜2aの形状は、六角形や鼓形以外の形状でも良い。
スラスト側12aのスカート部1に形成されている斑点状の樹脂皮膜2aには、スカート部1がクランク軸17に近づく方向への移動に伴ってオイルをピストン周方向8でスカート部1の中央側へ寄せ案内する第1のガイド溝21(M)が形成されている、という構成を採ることが可能である。そして、反スラスト側12bのスカート部1に形成されている斑点状の樹脂皮膜2aには、スカート部1がクランク軸17から遠ざかる方向への移動に伴ってオイルをピストン周方向8でスカート部1の中央側へ寄せ案内する第2のガイド溝22(M)が形成されている、という構成を採ることが可能である。
1a 表面
2 樹脂皮膜
2a 斑点状の樹脂皮膜
3 凹部
4 網目状溝
6 ピストン移動方向
8 ピストン周方向
21 第1のガイド溝
22 第2のガイド溝
23 溝底
M ガイド溝
Claims (5)
- スカート部の表面に樹脂皮膜と凹部とを備えたエンジンのピストンであって、
前記スカート部の表面に斑点状の樹脂皮膜が分散配置され、隣り合う前記斑点状の樹脂皮膜どうしの間の前記スカート部の表面と、前記隣り合う斑点状の樹脂皮膜とにより形成される凹部で網目状溝が形成されるとともに、
前記斑点状の樹脂皮膜には、前記スカート部のピストン移動方向への移動に伴ってエンジンオイルをピストン周方向で前記スカート部の中央側へ寄せ案内するガイド溝が形成され、
前記ガイド溝は、前記斑点状の樹脂皮膜を部分的に前記表面に形成しないことによりなる皮膜欠如溝が、前記斑点状の樹脂皮膜に斜め溝として複数配列形成されることによりなるエンジンのピストン。 - 前記斑点状の樹脂皮膜には、前記スカート部がクランク軸に近づく方向への移動に伴ってエンジンオイルをピストン周方向で前記スカート部の中央側へ寄せ案内する第1のガイド溝が形成されている請求項1に記載のエンジンのピストン。
- 前記斑点状の樹脂皮膜には、前記スカート部がクランク軸から遠ざかる方向への移動に伴ってエンジンオイルをピストン周方向で前記スカート部の中央側へ寄せ案内する第2のガイド溝が形成されている請求項1に記載のエンジンのピストン。
- 前記ガイド溝の溝底は、前記スカート部の表面により形成されている請求項1〜3の何れか一項に記載のエンジンのピストン。
- 前記斑点状の樹脂皮膜の形状が六角形に設定されている請求項1〜4の何れか一項に記載のエンジンのピストン。
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