JP6587630B2 - コンベヤベルトおよびコンベヤベルト装置 - Google Patents
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Description
本願は、2014年11月5日に、日本に出願された特願2014−225293号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
このようなコンベヤベルト装置は、ベルト長さ方向に延びる本体ゴムにベルト厚さ方向から見た平面視で環状をなすループコイルが埋設されたコンベヤベルトと、ループコイルに誘導電流を生じさせる磁界を発生させる磁界発生部と、ループコイルに生じた誘導電流を検出する検出部と、を備えている。そして、このようなコンベヤベルト装置は、コンベヤベルトに縦裂きが生じて、ループコイルが破断すると、磁界発生部から磁界が発生したときにループコイルに生じる誘導電流が変化することによって、検出部によりコンベヤベルトの縦裂きを検出する。
これにより、本体ゴムに縦裂きが生じていない状態で、ループコイルが破断することが抑えられ、コンベヤベルトの縦裂きの誤検出を防止できる。
さらに、波型ループコイルの配列方向および振れ幅の長さの比を規定することにより、接合部の破断をより抑制することができる。
以下、本発明の第1実施形態によるコンベヤベルトおよびコンベヤベルト装置について、図1乃至図5に基づいて説明する。
図1に示すように、第1実施形態によるコンベヤベルト装置1Aは、水平方向に離間して配置されるとともに回転軸回りに回転可能な一対のプーリ11、12を備える。また、これらの両プーリ11、12の間に巻回される無端帯状のコンベヤベルト13Aと、コンベヤベルト13の縦裂きを検出する縦裂き検出手段20と、を備えている。
本体ゴム14は、例えば硫黄加硫可能なゴム材料で形成されている。このゴム材料としては、例えば天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)等を、単独または混合して使用してもよい。
また、本体ゴム14には、必要に応じてベルト長手方向Lの全周にわたって抗張体(不図示)が埋設されている。
ベルト支持手段16は、ベルト幅方向Hの中間部にベルト幅方向Hに沿って延びる回転軸回りに回転自在に配置され、本体ゴム14のベルト幅方向Hの中間の底壁部14aを支持するセンタローラ16aを備える。また、このセンタローラ16aのベルト幅方向Hの両側それぞれにセンタローラ16aの回転軸に対して傾斜した回転軸回りに回転自在に配置され、本体ゴム14のベルト幅方向Hの両端側の側壁部14b,14bをそれぞれ支持する一対のサイドローラ16b,16bと、を備えている。
ここで、本体ゴム14の一対の側壁部14b,14bと底壁部14aとを連結し、コンベヤベルト13Aがトラフ状に支持されたときに屈曲している部分を屈曲部14c,14cとする。
このように、コンベヤベルト13Aは、使用過程において、ベルト幅方向Hにトラフ状に屈曲変形した状態と、平坦に展開された状態を繰り返すように構成されている。
そして、ループコイル15Aの一対の長手部分15a,15aのうちの一方の長手部分15aが、本体ゴム14の一対の側壁部14b,14bのうちの一方の側壁部14bに埋設され、他方の長手部分15aが他方の側壁部14bに埋設されている。
また、ループコイル15Aの一対の幅部分15b,15bは、それぞれ、本体ゴム14のベルト幅方向Hの略全体にわたって埋設されていて、幅部分15b,15bの延びる方向の中間部が本体ゴム14の底壁部14aに埋設され両端部側がそれぞれ本体ゴム14の側壁部14b,14bに埋設されている。
また、素線部151は、ベルト厚さ方向から見た平面視で波型を呈するように屈曲しながら矩形環状に延びる。
本実施形態では、内周側に配置されるループコイル15Aの接合部152は、ベルト厚さ方向から見た平面視で、素線部151が呈する波型のループコイル15Aの環状の内側に向かって突出する凸部151aからループコイル15Aの環状の内側に向かって延び、外周側に配置されるループコイル15Aの接合部152は、素線部151が呈する波型のループコイル15Aの環状の外側に向かって突出する凸部151bからループコイル15Aの環状の外側に向かって延びる。
これにより、内周側に配置されるループコイル15Aの接合部152と、外周側に配置されるループコイル15Aの接合部152とは、それぞれ離間するように配置されている。
また、磁界発生部21および検出部22は、それぞれがコンベヤベルト13Aの裏面に対向している。なお、本実施形態では、図3に示すように、磁界発生部21および検出部22は、フレーム23によって一体的に固定されている。
検出部22は、ループコイル15Aに生じる誘導電流により誘導起電力が発生させられる図示しない受信コイルを備えている。検出部22は、ループコイル15Aに生じた誘導電流を、受信コイルによりコンベヤベルト13Aの裏面側から検出する。そして、検出部22には、受信コイルに生じた誘導起電力に基づいてコンベヤベルト13Aの縦裂きの有無を判定する図示しない判定部が接続されている。
本実施形態では、接合部152が、ループコイル15Aのうち、コンベヤベルト13Aのベルト幅方向Hの屈曲変形に追従しやすい幅部分15bには配置されず、屈曲変形に追従しにくい長手部分15aに全て配置されているため、接合部152をコンベヤベルト13Aの屈曲変形によって負荷を受けにくくすることが可能となる。これにより、本体ゴム14に縦裂きが生じていない状態でのループコイル15Aの接合部152における破断を抑えることができ、コンベヤベルト13Aの縦裂きの誤検出を防止できる。
次に、他の実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一または同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、実施形態と異なる構成について説明する。
図6に示すように、第2実施形態によるコンベヤベルト13Bおよびコンベヤベルト装置1Bでは、コンベヤベルト13Bのループコイル15Bの接合部152が、ループコイル15Bの一対の長手部分15a,15aそれぞれ配置されている。本実施形態においても、1つのループコイル15Bは、7つの素線部151を備え、7つの接合部152が形成されている。そして、ループコイル15Bの一方の長手部分15aに配置される接合部152の数と、他方の長手部分15aに配置される接合部152の数との合計が7つとなっている。
なお、ループコイル15Bの一対の幅部分15b,15bには、接合部152は配置されていない。
また、ループコイル15Bの接合部152が多い場合や、長手部分15aにおける接合部152が配置可能な部分が少ない場合でも、接合部152を一対の長手部分15a,15aの双方に配置することで、幅部分15bに接合部152を配置しない形態とすることができる。
図7に示すように、第3実施形態によるコンベヤベルト13Cおよびコンベヤベルト装置1Cでは、コンベヤベルト13Cのループコイル15Cの接合部152が、ループコイル15Cの一方の長手部分15aと一方の幅部分15bにそれぞれ配置されている。
接合部152は、一方の幅部分15bよりも一方の長手部分15aに多く配置されている。本実施形態においても、1つのループコイル15Cは、7つの素線部151を備え、7つの接合部152が形成されている。そして、ループコイル15Cの一方の長手部分15aに配置される接合部152の数と、一方の幅部分15bに配置される接合部152の数との合計が7つとなっている。
また、接合部152は屈曲部14cを回避した位置に配置され、ループコイル15Cが接合部152において屈曲変形することがないため、屈曲変形の負荷によるループコイル15Cの接合部152における破断を抑えることができる。
また、ループコイル15Cの一方の幅部分15bに配置された接合部152は、一方の幅部分15bの外端部近傍に配置されていることにより、ループコイル15Cを容易に製造することができる。
図8に示すように、第4実施形態によるコンベヤベルト13Dおよびコンベヤベルト装置1Dは、コンベヤベルト13Dのループコイル15Dの接合部152が、ループコイル15Dの一方の長手部分15aと一方の幅部分15bにそれぞれ配置されている。
接合部152は、一方の幅部分15bよりも一方の長手部分15aに多く配置されている。本実施形態においても、1つのループコイル15Dは、7つの素線部151を備え、7つの接合部152が形成されている。そして、ループコイル15Dの一方の長手部分15aに配置される接合部152の数と、一方の幅部分15bに配置される接合部152の数との合計が7つとなっている。
また、ループコイル15Dの幅部分15bに配置された接合部152は、コンベヤベルト13Dがベルト幅方向Hの屈曲変形を繰り返しても、ほとんど屈曲変形しない底壁部14aのベルト幅方向Hの中央部近傍に配置されている。従って、この接合部152にかかる負荷が抑えられ、幅部分15bに配置された接合部152であっても破断するのを抑制することができる。
さらに、表1から、a/λの値が0.31以上の場合、突出量Tの値は0.5mm〜2.5mmが好ましく、1mm〜2mmであることがさらに好ましい。突出量Tが0.5mm未満の場合は、接合部152を形成するさつま撚りの撚りがほぐれやすくなる可能性があり、2mmを超えると接合部152の破損頻度が増加する可能性がある。
また、表1より、接合部152をループコイル幅部分に配置した場合は、a/λの値が0.25であり、突出量Tが2mmであったとしても、接合部152の破損数が多いことがわかる。従って、接合部152はループコイルにおける幅部分よりも長手部分に多く配置されている方が破損数を少なくすることが可能となる。
例えば、上記の実施形態では、接合部152は、ループコイル15の一方または両方の長手部分15aに配置されたり、一方の長手部分15aおよび一方の幅部分15bに配置されたりしている。しかしながら、長手部分15aに配置される接合部152が幅部分15bに配置される接合部152よりも多ければ、ループコイル15の一方または両方の長手部分15aと両方の幅部分15bに配置されたり、両方の長手部分15aおよび一方の幅部分15bに配置されたりしてもよい。
また、上記の第3実施形態では、ループコイル15Cの幅部分15bに配置される接合部152は、幅部分15bの外端部近傍に配置されるとともに、本体ゴム14の屈曲部14cを回避した側壁部14bに埋設される。一方、第4実施形態では、本体ゴム14の底壁部14aのベルト幅方向Hの中央部近傍に埋設されているが、本体ゴム14の屈曲部14cと重なる位置や、底壁部14aのベルト幅方向Hの側部側に埋設されていてもよい。
また、上記の実施形態では、接合部152は、平面視で環状に延びる方向に対して交差する方向に延びるが、接合部152が延びる方向は適宜設定されてよいし、接合部152が任意の方向に延びる形状でなくてもよい。
また、上記の実施形態では、1つのループコイル15A〜15Dは、7つの素線部151を備え、7つの接合部152,152が形成されているが、素線部151や接合部152の数は適宜設定されてよい。
また、上記の実施形態では、素線部151は、平面視で波型を呈するように屈曲しながら環状に延びるが、このような形状でなくてもよく、屈曲していない形状としてもよい。
13A〜13D コンベヤベルト
14 本体ゴム
14a 底壁部
14b 側壁部
14c 屈曲部
15A〜15D ループコイル
15a 長手部分
15b 幅部分
17 搬送物
20 縦裂き検出手段
21 磁界発生部
22 検出部
H ベルト幅方向
L ベルト長さ方向
a 振れ幅
λ ピッチ
T 突出量
Claims (10)
- ベルト長手方向に延びる本体ゴムと、
該本体ゴムに埋設されるとともに、ベルト厚さ方向から見た平面視で環状をなすループコイルと、を備えるコンベヤベルトであって、
前記ループコイルは、前記平面視で環状に延びる方向に沿って複数配置され、互いの端部同士が接合部を介して接合された素線部を備えるとともに、ベルト長手方向に延びる一対の長手部分と、ベルト幅方向に延びる一対の幅部分と、を備え、
前記接合部は、前記平面視で環状に延びる方向に沿って複数配置されるとともに、前記ループコイルにおける前記幅部分よりも前記長手部分に多く配置され、
前記接合部は、前記平面視で環状に延びる方向に対して交差する方向に延び、
前記ループコイルは、前記平面視で、互いに間隔をあけた内周側および外周側の二重に配置され、
内周側に配置された前記ループコイルの前記接合部は、前記平面視で環状の内側に向けて突出し、
外周側に配置された前記ループコイルの前記接合部は、前記平面視で環状の外側に向けて突出しているコンベヤベルト。 - 前記接合部は、前記素線部の両端部同士が撚り合わされていて、前記平面視で環状に延びる方向に対して交差する方向に延びる請求項1に記載のコンベヤベルト。
- 前記ループコイルは、前記平面視において、前記長手部分の長さが、前記幅部分の長さよりも短い請求項1または2に記載のコンベヤベルト。
- 前記接合部は、前記一対の長手部分の双方に配置されている請求項1乃至3のいずれか一項に記載のコンベヤベルト。
- 前記接合部は、前記幅部分におけるベルト幅方向の外端部近傍に配置されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコンベヤベルト。
- 前記幅部分は、前記コンベヤベルトにおけるベルト幅方向の中央部近傍をベルト幅方向に跨いで配置され、
前記接合部は、前記幅部分のうち前記コンベヤベルトにおけるベルト幅方向の中央部近傍に位置する部分に配置されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載のコンベヤベルト。 - 前記素線部は、前記平面視で波型を呈するように屈曲しながら環状に延びる請求項1乃至6のいずれか一項に記載のコンベヤベルト。
- 前記素線部の波型は、振れ幅を有しており、ピッチに対する前記振れ幅の比が0.31以上である請求項1乃至7のいずれか一項に記載のコンベヤベルト。
- 前記本体ゴムは、ベルト幅方向の両側に位置する一対の側壁部と、該一対の側壁部の間に位置する底壁部と、前記側壁部と前記底壁部とを連結する屈曲部と、を備えるとともに、前記側壁部が前記ベルト幅方向の内側から外側に向かうに従い漸次鉛直方向の上方に向けて延びる状態で搬送物が積載されて用いられ、
前記接合部は、前記本体ゴムのうち前記屈曲部を回避した部分に配置されている請求項1乃至8のいずれか一項に記載のコンベヤベルト。 - 請求項1乃至9のいずれか一項に記載のコンベヤベルトと、
前記ループコイルに誘導電流を生じさせる磁界を発生させる磁界発生部と、
前記ループコイルに生じた誘導電流を検出する検出部と、を備えるコンベヤベルト装置。
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