JP6587385B2 - 被検体情報取得装置および被検体情報取得方法 - Google Patents

被検体情報取得装置および被検体情報取得方法 Download PDF

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Description

本発明は、被検体情報取得装置に関する。
近年では、レーザーなどの光源から照射した光を生体などの被検体内に伝播させ、その伝播光に基づく信号を検出することで、生体内の情報を得る光イメージング装置の研究が医療分野で積極的に進められている。このような光イメージング技術の一つとして、光音響イメージングが知られている。光音響イメージングとは、光源から発生したパルス光を被検体に照射し、被検体内で伝播・拡散した光のエネルギーを吸収した生体組織から発生した音響波を検出し、被検体内部の光学特性値に関連した情報を可視化する技術である。これにより、被検体内の光学特性値分布、特に光エネルギー吸収密度分布を得ることができる。例えば、上記に用いるパルス光としてヘモグロビンが吸収する波長の光を用いることで、生体内の血管像を非侵襲で画像化することができる。また、それとは異なる波長のパルス光を用いることで、皮膚下のコラーゲンやエラスチンを画像化できる。さらに、造影剤を使用することによって血管像を強調したり、リンパ管を画像化するようにしても良い。
光音響イメージングを用いた3次元可視化技術として代表的なものは以下のようなものである。すなわち、光吸収体から発生した光音響波を2次元平面上に配置された超音波トランスデューサなどを用いて検出し、画像再構成演算を行うことで光学特性値に関連した3次元データを作成する技術である。この3次元可視化技術は光音響トモグラフィー(PhotoAcoustic Tomography;PAT)と呼ばれる。
さらに、近年、光音響イメージングに関する技術を用いて高い空間分解能で可視化を可能とする装置として光音響顕微鏡が注目されている。光音響顕微鏡は、光学レンズまたは音響レンズを用いることで光や音をフォーカスすることにより、高分解能の画像を取得することが可能である。
しかしながら、PATを用いた装置や光音響顕微鏡などの光音響装置は、可視化する深度と空間分解能とがトレードオフになることが知られている。すなわち、PATは、生体の深い位置にある組織に係る情報ほど空間分解能が低下するという性質を持っている。この原因としては、生体内で光が拡散しやすいことや、生体内から発生する高周波数の光音響波の減衰が大きいことなどが挙げられる。この性質のため、高い空間分解能を有する光音響顕微鏡は、生体の比較的浅い部分に存在する皮膚内の光吸収体を可視化することが主な用途となる。例えば、光音響顕微鏡によって血中ヘモグロビンを可視化する場合であれば、皮膚の真皮層に存在する血管を可視化することができる。
非特許文献1では、音響レンズを用いることによって小動物の皮膚内部の血管画像を高解像度にイメージングすることが可能な光音響顕微鏡が記載されている。
Konstantin Maslov, Gheorghe Stoica, Lihong V. Wang, "In vivo dark−field reflection−mode photoacoustic microscopy", OPTICS LETTERS, March 15,2005,Vol.30,No.6.
光音響顕微鏡によって皮膚内部に存在する血管画像をイメージングする場合、測定領域全域に亘って高解像度の画像を取得するためには、被検体に照射するパルス光の焦点位置が皮膚血管の走行する深さに位置決めされていることが望ましい。
しかしながら、通常、皮膚表面は平らではなく、しわや、くぼみなどの凹凸が存在するため、2次元平面走査によって測定を行う際、皮膚表面の凹凸によって、各測定場所におけるパルス光の焦点の皮膚表面からの深さが異なる。これにより、画像化を行う際に、場所によっては描出したい血管がパルス光の焦点から外れることで、全体として血管走行が不連続に描出されるなどの問題がある。
また、パルス光の焦点位置を3次元領域に亘って網羅的に走査し画像化する方法では、測定時間が2次元平面走査を行う場合よりも大幅に長くなる。そのため、測定時間中に被検体が動くことに起因する画像の歪みを無視できなくなる。これは例えば被検体の血液の酸素飽和度を演算する場合のように、複数波長のパルス光を用いて各波長による測定を順次行う場合に、その精度が悪化する要因になり得る。
この点に関して、例えば非特許文献1に記載された光音響顕微鏡は、皮膚表面の凹凸による画像精度の低下が考慮されていない。
本発明の目的は、上記に鑑み、被検体表面の凹凸を考慮することで、より精度の良い被検体画像を取得できる被検体情報取得装置を提供することにある。
上記課題を解決するための、本発明に係る被検体情報取得装置は、
第1の光を発生する光源と、被検体内の所定の領域に前記第1の光を照射する照射部と、前記第1の光が前記被検体に照射されることにより発生する第1の音響波を検出する音響波検出部とを有する受信部と、前記被検体の表面に第2の光を照射するとともに、前記被検体に前記第2の光が照射されることにより発生する光を受信して前記被検体の表面と前記音響波検出部との距離を測定し、所定の測定範囲における各測定位置に対応する前記距離に基づく3次元領域データを算出する距離算出部と、前記受信部が前記被検体の表面の凹形状または凸形状に沿うように、前記3次元領域データを用いて前記被検体と前記受信部との相対移動を行いつつ前記第1の光の照射及び前記第1の音響波の検出を行う走査部と、前記音響波検出部の検出結果に基づいて前記被検体における前記所定の領域の特性情報を取得する取得部と、を有することを特徴とする。
また、本発明の別形態に係る被検体情報取得装置は、
第1の光を発生する光源と、被検体内の所定の領域に前記第1の光を照射する照射部と、前記第1の光が前記被検体に照射されることにより発生する第1の音響波を検出する音響波検出部とを有する受信部と、前記被検体の表面に第2の光を照射するとともに前記第2の光が照射されることにより前記被検体の表面から発生する第2の音響波を受信し、前記第2の光の照射から前記第2の音響波の受信までの時間に基づいて前記被検体の表面と前記音響波検出部との距離を測定し、所定の測定範囲における各測定位置に対応する前記距離に基づく3次元領域データを算出する距離算出部と、前記受信部が前記被検体の表面の凹形状または凸形状に沿うように、前記3次元領域データを用いて前記被検体と前記受信部との相対移動を行いつつ前記第1の光の照射及び前記第1の音響波の検出を行う走査部と、前記音響波検出部の検出結果に基づいて前記被検体における前記所定の領域の特性情報を取得する取得部と、を有することを特徴とする。
また、本発明に係る被検体情報取得方法は、
被検体内の所定の領域に第1の光を照射する照射部と、前記第1の光が前記被検体に照射されることにより発生する第1の音響波を検出する音響波検出部と、を含む受信部を有する被検体情報取得装置が行う被検体情報取得方法であって、前記被検体の表面に第2の光を照射するとともに、前記被検体に前記第2の光が照射されることにより発生する光を
受信して前記被検体の表面と前記音響波検出部との距離を測定し、所定の測定範囲における各測定位置に対応する前記距離に基づく3次元領域データを算出する距離算出ステップと、前記受信部が前記被検体の表面の凹形状または凸形状に沿うように、前記3次元領域データを用いて前記被検体と前記受信部との相対移動を行いつつ前記第1の光の照射及び前記第1の音響波の検出を行う走査ステップと、前記第1の音響波の検出結果に基づいて前記被検体における前記所定の領域の特性情報を取得する取得ステップと、を含むことを特徴とする。
また、本発明の別形態に係る被検体情報取得方法は、
被検体内の所定の領域に第1の光を照射する照射部と、前記第1の光が前記被検体に照射されることにより発生する第1の音響波を検出する音響波検出部と、を含む受信部を有する被検体情報取得装置が行う被検体情報取得方法であって、前記被検体の表面に第2の光を照射するとともに前記第2の光が照射されることにより前記被検体の表面から発生する第2の音響波を受信し、前記第2の光の照射から前記第2の音響波の受信までの時間に基づいて前記被検体の表面と前記音響波検出部との距離を測定し、所定の測定範囲における各測定位置に対応する前記距離に基づく3次元領域データを算出する距離算出ステップと、前記受信部が前記被検体の表面の凹形状または凸形状に沿うように、前記3次元領域データを用いて前記被検体と前記受信部との相対移動を行いつつ前記第1の光の照射及び前記第1の音響波の検出を行う走査ステップと、前記第1の音響波の検出結果に基づいて前記被検体における前記所定の領域の特性情報を取得する取得ステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、被検体表面の凹凸を考慮することで、より精度の良い被検体画像を取得できる被検体情報取得装置が提供される。
本発明の実施の形態に係る被検体情報取得装置の実施例1を示すブロック図 実施例1における装置の動作を示すタイミングチャート 実施例1におけるデータ取得プロセスを示すフローチャート 実施例1におけるデータ取得プロセスの他の一例を示すフローチャート 本発明の実施の形態に係る被検体情報取得装置の実施例2を示すブロック図 実施例2における装置の動作を示すタイミングチャート 実施例2におけるデータ取得プロセスを示すフローチャート 実施例2におけるデータ取得プロセスの一部を示す模式図 実施例2における被検体情報取得装置の他の一例を示す模式図 本発明の実施の形態に係る被検体情報取得装置の実施例3を示す図 実施例3における装置の動作を示すタイミングチャート 実施例3におけるデータ取得プロセスを示すフローチャート 本発明の実施の形態に係る被検体情報取得装置の実施例4を示す図 実施例4におけるデータ取得プロセスを示すフローチャート
以下に図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を詳しく説明する。なお、同一の構成要素には原則として同一の参照番号を付して、説明を省略する。ただし、以下に記載されている詳細な演算式、演算手順などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の記載に限定する趣旨のものではない。
本発明の被検体情報取得装置である光音響顕微鏡には、被検体に近赤外線等の光(電磁波)を照射することにより被検体内で発生した音響波を受信して、被検体情報を画像データとして取得する光音響効果を利用した装置を含む。
光音響効果を利用した装置では、取得される被検体情報とは、光照射によって生じた音響波の発生源分布、被検体内の初期音圧分布、あるいは初期音圧分布から導かれる光エネルギー吸収密度分布や吸収係数分布、組織を構成する物質の濃度分布を示す。物質の濃度分布とは、例えば、酸素飽和度分布、トータルヘモグロビン濃度分布、酸化・還元ヘモグロビン濃度分布などである。
また、複数位置の被検体情報である特性情報を、2次元または3次元の特性分布として取得してもよい。特性分布は被検体内の特性情報を示す画像データとして生成され得る。
本発明でいう音響波とは、典型的には超音波であり、音波、超音波と呼ばれる弾性波を含む。光音響効果により発生した音響波のことを、光音響波または光超音波と呼ぶ。
<実施例1>
本実施例では、被検体情報取得装置の一例として、超音波フォーカス型の光音響顕微鏡について説明する。本実施例において、超音波フォーカス型の光音響顕微鏡とは、超音波の焦点領域に対して、パルス光の焦点領域(光焦点領域に対応する)の方が広くなるような構成を持つ光音響顕微鏡を意味する。しかしこれに限られず、本発明は、超音波の焦点領域よりもパルス光の焦点領域の方が小さくなるような構成を有する光フォーカス型の光音響顕微鏡にも適用可能である。
≪装置の全体構成について≫
図1は、本発明の実施の形態に係る被検体情報取得装置の実施例1を示すブロック図である。実施例1の被検体情報取得装置100(以下「装置100」と略称する)の全体構成について説明する。
パルス光源101は、測定制御部102(走査部に対応する)の制御によりパルス光を発光する。パルス光は、光ファイバ103を通り、被検体112である生体に励起光を照射するための光学系に導光される。本実施例においては、この光学系はレンズ105、ビームスプリッタ106、コニカルレンズ107、およびレンズ108を含む。光ファイバ103から出たパルス光104は、レンズ105でコリメートされ、コリメートされたパルス光の一部はビームスプリッタ106を透過するとともに、他の一部はビームスプリッタ106により反射される。ビームスプリッタ106を透過したパルス光は、コニカルレンズ107によって円環状に広げられて、ミラー111(照射部に対応する)に入射する
。一方、ビームスプリッタ106で反射されたパルス光は、レンズ108で集光されて、フォトディテクタ109によって検出される。
データ収集部データ収集部(Data AcQuisition;DAQ部)110は、フォトディテクタ109がパルス光を検出することによって出力した電気信号をA/D変換してデジタル信号を生成する。そして、DAQ部110は、そのデジタル信号をDAQ部の内部メモリに蓄積する。このようにして蓄積されたデジタル信号は、被検体112にパルス光を照射することにより発生する光音響波の受信結果である光音響信号の光量変動に起因する誤差を補正するのに使用することができる。さらに、光音響波の測定タイミングを決めるトリガー信号として使用することもできる。
コニカルレンズ107は、パルス光104を円環状に広げる。ミラー111は、その円環状に広げられたパルス光104を反射することにより集光する。ミラー111は、例えばガラスのような透明部材を母材として、ミラー111とミラー111の外部(空気や、後述する水など)との境界でパルス光104を反射するように構成される。また、ミラー111では、ミラー111の周囲に金属膜を蒸着するなどして、光の反射率を高めてもよい。集光された光の焦点の位置は、光音響波の測定時は被検体112の内部に来るように設定する。このとき、パルス光104は、円環状を保って集光されるため、光の焦点の直上の被検体112の表面においては直接照射されない。本実施例において、レンズ105、コニカルレンズ107、およびミラー111は、パルス光104を被検体112に導く光学部として機能する。
被検体112の内部で拡散したパルス光は、被検体内部の血液などの光吸収体113に吸収される。光吸収体113は、その種類によって固有の光の吸収係数を持つ。光吸収体112は、光を吸収することで光音響波114を発生させる。トランスデューサ115(音響波検出部に対応する)は、ミラー111の中心付近に設置されるとともに光音響波114を検出して、その音圧強度変化が電気信号(検出結果に対応する)に変換される。トランスデューサ115は、例えば超音波の周波数帯域に感度を持つ超音波トランスデューサである。トランスデューサ115は、音響レンズを備えていてもよい。本実施例では、トランスデューサ115が音響レンズを備えるようにした。そうすることにより、その音響レンズ自身により形成される焦点の位置から発生した音波を集音して感度良く検出することができる。トランスデューサ115では、この音響レンズの焦点(音響焦点領域に対応する)をミラー111により集光されたパルス光の焦点位置である所定の位置に設定することで、パルス光の焦点位置から発生した音波を感度良く検出できる。なお、本実施例では受信部123は、ミラー111と、トランスデューサ115とが一体化されて成る。
なお、トランスデューサ115と被検体112との間には、水槽116に溜められた水が存在し、これによりトランスデューサ115と被検体112との音響インピーダンスマッチングが図られている。水槽116に溜められる音響インピーダンスマッチング材は水に限られず、他の物質を含んでもよい。また、水槽116底部と被検体112との間には、ジェル状の音響インピーダンスマッチング材を塗布してもよい。
パルサーレシーバー117は、信号増幅器を有しているとともにトランスデューサ115によって得られた電気信号を入力してその電気信号の強度を信号増幅器により増幅する。DAQ部110は、信号増幅器により増幅された電気信号を入力してその電気信号をA/D変換によりデジタル信号に変換する。DAQ部は、内部メモリを有しており、変換後のデジタル信号をその内部メモリにデータとして蓄積する。信号処理部118は、DAQ部110に蓄積されたデータを信号処理する。画像処理部119は、信号処理部118による信号処理結果に基づいて画像処理を行う。表示部120は、画像処理部119からの画像処理結果に基づいて画像データとして表示する。なお、信号処理部118および画像
処理部119を一体の処理部として構成してもよい。
本実施例において、一点鎖線で囲われた部材121は、3次元状に走査可能な可動ステージ(不図示)に載置されている。可動ステージは、被検体112に対して3次元状に移動することで、被検体112にパルス光104が集光されてなる焦点とトランスデューサ115の焦点の位置を移動する。3次元走査した各測定位置において光音響波を検出することで、被検体内の光音響信号データを取得することができる。なお、これに限られず、被検体112を可動ステージに対して3次元上に移動することでパルス光104の焦点とトランスデューサ115の焦点の位置を被検体112内で移動するようにしてもよい。
また、本実施例は、被検体112の受信部側の表面とトランスデューサ115までの距離を測定する。そうすることで、被検体112の表面のパルス光を被検体112に導光する光学系の光軸方向(ここではレンズ105の光軸方向であり、Z軸方向と同一の方向)のその現時点の距離(測定結果に対応する)における座標を算出する。そして、その座標をもとに各光音響信号の測定位置における当該光軸方向のトランスデューサの座標を決定する機構を備えている。
パルサーレシーバー117では、測定制御部102で生成されるトリガー信号に基づいて被検体112に対して弾性波を送信する指示をトランスデューサ115に出す。トランスデューサ115は、その指示信号を入力して被検体112に弾性波を送信する。そして、トランスデューサ115は、被検体表面で反射した弾性波を受信して電気信号に変換するとともにその信号強度を増幅してDAQ部に送出する。DAQ部では、その送出された信号をデジタル信号に変換して被検体表面距離算出部122に送出する。
被検体表面距離算出部122では、DAQ部から送出された信号が測定制御部102で生成されたトリガー信号からどれだけ遅延したかを示す遅延時間を用いて、被検体112の表面とトランスデューサ115の距離を算出する。その距離から、可動ステージの位置決めのために用いられる座標系における座標である被検体表面のしわ、吹き出物、くぼみなどの凹形状や凸形状を反映したZ軸方向の座標を算出する。そして、測定制御部102では、被検体表面の凹凸形状を反映したZ軸方向の座標情報に基づいて光音響信号の各測定位置におけるZ軸方向のトランスデューサ115(または可動ステージ(不図示))の座標を決定する。そして、測定制御部102は、光音響測定時には決定された座標情報にしたがって可動ステージ(不図示)をその決定された座標に位置させるように制御する。このようにして、本実施例における可動ステージは、被検体表面の凹凸形状を反映した2次元曲面上を移動しながら測定を行う。すなわち、本実施例における可動ステージは、被検体の表面の凹形状または凸形状に追従して移動しながら測定を行う。なお、被検体表面のZ軸方向の座標の算出方法や、その算出値に基づいた各測定位置におけるトランスデューサ115のZ軸方向の座標の決定の仕方については後で詳述する。また、測定制御部102は、パルス光の発光タイミング制御や、可動ステージ(不図示)の制御、DAQ部110のデータサンプリングに関する制御等を行う。
なお、上記で説明した構成では、パルス光104の焦点領域(一方に対応する)は、トランスデューサ115に具備された音響レンズの超音波焦点(他方に対応する)を包含する構成を例示した。しかしこれに限られず、光フォーカス型の光音響顕微鏡のように、この関係性が逆になっている構成でもよい。すなわち、対物レンズなどを用いてパルス光104をフォーカスした焦点領域が、トランスデューサ115の音響レンズの超音波焦点の領域に包含される構成になっていても良い。すなわち、光フォーカス型の光音響顕微鏡を用いることで、光の焦点の大きさが光音響顕微鏡の解像度を決定するため、より高解像度の光音響画像を取得することが可能になる。
≪動作タイミング≫
図2は、実施例1における装置の動作を示すタイミングチャートである。測定制御部102で生成されるトリガー信号201は、ここではパルス信号である。測定制御部102は、光音響波測定位置トリガー信号201を生成する。トリガー信号201の立ち上がりのタイミングは、前述した可動ステージ(不図示)の走査に伴って、トランスデューサ115の音響レンズの焦点がユーザー側で予め設定する光音響測定の測定位置を通過するタイミングである。なお、ユーザー側で予め測定位置を設定する際には、実際に測定が実行される2次元曲面上の測定点を、パルス光の光軸(図1のZ軸)と直交する可動ステージの二つの軸(図1のX軸、Y軸)で構成される2次元平面上に投影した点を指定する。
具体的には、この2次元平面上における測定ピッチや、測定範囲を指定する。被検体距離測定トリガー信号202は、トリガー信号201を基準として生成される。トリガー信号202は、被検体表面距離を測定するためにトランスデューサ115から送信する弾性波の送信タイミングを決めるものである。なお、トリガー信号202は、トリガー信号201に同期して発生してもよいし、本実施例のように一定の時間のずれがあってもよい。すなわち、被検体表面距離測定は必ずしも光音響測定位置と同じ個所で行われる必要はない。反射弾性波203は、トランスデューサ115から送信された弾性波の被検体112の表面における反射弾性波である。反射弾性波203は、トリガー信号202に対して、被検体112の表面とトランスデューサ115のセンサ面との距離に応じて、遅延時間204を生じる。後述するように、被検体表面距離算出部122では、遅延時間204に基づいて、被検体表面までの距離を算出する。パルス光発光トリガー信号205は、光音響信号の測定開始と同期している信号である。このトリガー信号205は、光音響測定位置トリガー信号201と同期している。光音響波206は、トリガー信号205に示すタイミングでパルス光源101から発せられるパルス光によって被検体内部で励起されてトランスデューサ115に到達した光音響波を示している。
トランスデューサ115に検出される光音響波206は、パルス光源101の発光タイミングに対して、光音響波の発生源からトランスデューサ115に到達するまでの時間分の遅延をもつ。サンプリングタイミング207は、トランスデューサ115に到達した光音響波を測定するタイミングを規定するものである。信号205に対して遅延した時刻からサンプリングを開始し、光音響波の最大、最小のピークを少なくとも含む時間幅に亘ってサンプリングを行う。ただし、DAQ部110のメモリが十分あるならば、サンプリング開始時刻を遅延せずにパルス光源101の発光に同期してサンプリングを開始しても良い。また、測定サンプリング周波数は、発生する光音響波の主周波数に対して少なくとも二倍以上で可能な限り十分大きな周波数に設定することが望ましい。
なお、上記では被検体距離測定のためのトリガー信号202はトリガー信号201に対して一定の時間ずれがあっても良いとした。すなわち、この時間ずれは反射弾性波203と光音響波206とがトランスデューサ115に到達する時刻が重複しないように設定されている。また、上記の動作タイミングは可動ステージ(不図示)の走査が停止せずに連続的に行われる場合について述べた。しかしこれに限られず、可動ステージが光音響測定を実行する位置ごとや、被検体距離測定ごとに停止する走査方法でも各測定を行うことができる。
≪データ取得プロセス≫
図3は、実施例1におけるデータ取得プロセスを示すフローチャートである。上記で説明した装置100を用いて、被検体112内部から発生した光音響信号を取得し、画像表示する方法について図3を参照しつつ具体的に説明する。
ステップS301では、超音波フォーカス型の光音響顕微鏡である装置100で光音響画像を測定する被検体112を設置、固定しておく。このとき、測定中に被検体112が
動かないように適宜麻酔をかけるなどの処置を行う。ステップS302では、測定制御部102が超音波トランスデューサ115をZ軸方向に移動させることにより音響焦点の被検体112内部の深さの初期調整を行う。前述したように、通常、パルス光の焦点が被検体内部の深い位置にあるほど鮮明な画像化が困難になる。光音響波が被検体内部組織により散乱や減衰したり、或いはパルス光104の被検体内部における拡散するからである。したがって、超音波トランスデューサ115の音響焦点の被検体112内部の深さは、この特性を考慮して被検体112の光学特性や音響特性に合わせて実験的に設定する。
ステップS303では、測定制御部102から各機能ブロックを動作させるための、測定パラメータの設定をする。測定パラメータの一つとして光音響信号を取得する測定位置に関しては、前述したように、図1のY軸、X軸から成る2次元平面に投影した測定ピッチ、測定範囲を操作者が手入力等により指定する。この測定範囲とは、例えば被検体の表面をXY平面上に投影した領域であって、その領域を格子状の区画に分割してなる領域の一つ一つであっても良い。この時、測定ピッチとは、各格子におけるXY座標間のピッチとしても良い。測定パラメータの他のものとしては、1箇所あたりの光音響信号の保存サンプリング周波数、保存時間、自動ステージの走査速度、加速度、パルス光源101の発光周波数、光量、波長などである。
ステップS304では、被検体112の表面とトランスデューサ115までの距離を測定することで、被検体表面のパルス光を被検体112に導光する光学系のZ軸方向の座標を算出する。なお、ここでいう被検体112の表面とはトランスデューサ115と対向する位置にある表面のことである。具体的には下記の方法によって実行する。
初めに、パルサーレシーバー117が、測定制御部102で生成される被検体距離測定トリガー信号202に基づいて被検体112に対して弾性波を送信する指示をトランスデューサ115に出す。トランスデューサ115は、被検体表面で反射した弾性波を受信して電気信号を出力し、パルサーレシーバー117は、その出力信号の強度を増幅する。DAQ部では、その増幅された信号をデジタル信号に変換して、被検体表面距離算出部122に送られる。被検体表面距離算出部122では、送られたデジタル信号の被検体距離測定トリガー信号202に対する遅延時間204に基づいて、被検体112の表面とトランスデューサ115との距離を算出する。そして、被検体表面距離算出部122では、パルス光の焦点とトランスデューサ115のセンサ面との既知の距離を考慮して、被検体表面とパルス光104の焦点位置との距離を算出する。
ここで、遅延時間204をΔt[s]、水槽116内の水中でのトランスデューサ115から送信される弾性波の速度をν[mm/s]とする。また、可動ステージの位置決めのための座標系における、被検体表面距離測定時の可動ステージのZ軸方向の座標をZst_s[mm]とする。このとき、上記位置決めのための座標系における、被検体表面のZ軸方向の座標Z[mm]をZ=Zst_s−((Δt)/2)*ν・・・(1)の式を用いて算出する。なお、水中内の弾性波速度νは水温に依存する。そのため、水槽116内の水温を温度計で測定しておき、その測定値から速度νを決定してもよい。また、ここでは遅延時間204は弾性波が水中を伝搬する時間が大半を占めており、トランスデューサ115の内部を伝搬する時間は無視できるとしている。トランスデューサ115の内部を伝搬する時間を無視できない場合には、式(1)の代わりに弾性波がトランスデューサ115の内部を伝搬する時間および速度を考慮した式を用いればよく、後の処理は式(1)を使用した場合と同様に行うことができる。
また、ここではトランスデューサ115の音響レンズの中心軸と、パルス光104を被検体112に導光する光学系の光軸が平行である場合を仮定している。平行でない場合は、二つの軸の傾きを考慮して式(1)を補正することでこの後の処理も同様にして成立す
る。なお、ここで述べた座標Z[mm]は、可動ステージの座標系における被検体表面の実際の座標から定ベクトル分平行移動したものであり、今後の議論に影響を及ぼさないため、ここではこの座標を用いて議論をする。すなわち、可動ステージの座標系における被検体表面の実際の座標は、基準となる一定値Zconstに、演算結果である座標Zsを加算してなる座標(Zconst+Zs)である。しかし、基準となる一定値Zconstはどの位置を選択しても良いので、一定値Zconstは0としても特に問題はない。すなわち、被検体表面の実際の座標(Zconst+Zs)から定ベクトルZconst分平行移動したものである。
ステップS305では、ステップS304で算出した座標Z[mm]に基づいて、測定制御部102で、次に光音響信号を取得する測定位置における可動ステージのZ軸方向の座標Zst_pa[mm]を決定する。これは、Lf1−(Zst_pa−Zs_bar)=Δ・・・(2)を満たすように決定する。ここで、Lf1[mm]、Δ[mm]、Zs_bar[mm]は既知の値である。Lf1[mm]はトランスデューサ115の音響レンズの焦点とトランスデューサ115のセンサ面との距離である。また、Δ[mm]は被検体表面と音響レンズとの焦点の距離であり、ユーザーが予め測定したい対象が存在する被検体表面下の位置に応じて設定することができる。特にヒトの表皮下の血管や毛細血管内の血液を画像化の対象として光音響測定を行う場合は、0.05〜0.2[mm]程度に設定する。またZs_bar[mm]は次の光音響信号の測定位置における、Z[mm]の近似値を表しており、この演算方法としては以下の方法を用いることができる。すなわち、第1の方法は、次の光音響測定を行う測定位置に最も近い位置で測定した座標ZをZs_barの値として設定するものである。第2の方法は、次の光音響測定を行う測定位置に近い複数の位置で測定した座標Zの線形補間値をZs_barの値として設定するものである。第3の方法は、次の光音響測定を行う測定位置に近い複数の位置で測定した座標Zの非線形補間値をZs_barの値として設定するものである。
ステップS306では、次の光音響信号の測定位置に移動する。まず被検体表面と平行な方向(XY方向)に部材121を移動する。そうすることでトランスデューサ115を次の測定位置のXY軸方向位置まで移動する。そして、その移動後のXY平面上の位置においてステップS305で決定した次の光音響信号の測定位置におけるZ軸方向のステージの座標を参照してステージをZ軸方向に移動する。そうすることでトランスデューサ115を次の測定位置へと移動させる。
ステップS307では、光音響信号の測定を行う。光音響信号の測定は次の順序で実行される。パルス光源101が、測定制御部102で生成されるパルス光発光トリガー信号205に基づいてパルス光を被検体112に照射する。その照射に基づいて発生した光音響波114をトランスデューサ115が受信する。受信した光音響波の音圧はトランスデューサ115によって電気信号に変換される。この電気信号は、パルサーレシーバー117で増幅される。その後、パルサーレシーバー117で増幅されてなる電気信号は、DAQ部110でA/D変換され、このA/D変換されてなるデジタル信号がDAQ部110の内部メモリに蓄積される。そして、DAQ部110に蓄積されたデータは信号処理部118に送られる。
ステップS308では、ステップS303で設定したXY方向における各測定範囲の全ての測定を終了したかどうかを判断する。もし、終了していなければ次の被検体表面距離を測定する測定範囲までXY方向にステージを移動する。そして、再度ステップS304において被検体表面距離を測定し、その後Z方向に移動してその測定範囲において再度光音響測定を行う。被検体距離測定のステップS304から光音響測定の終了判断のステップS308までを順次行い、すべての測定が終了するまで繰り返す。
ステップS308で、すべての測定範囲における測定を終えたと判断した場合、ステップS309を実行する。ここでは、信号処理部118が、各測定範囲で取得した光音響信号に基づく電気信号の信号処理を行う。信号処理の具体的な内容としては、パルス光源101のパルス幅を考慮したデコンボリューションや、包絡線検波などである。また、予め信号に付加されるノイズに特徴的な周波数が分かっており、これを光音響信号の主たる周波数と分離できる場合には、ノイズに起因する特定の周波数成分を除去するようにしても良い。また、被検体112の表面や水槽116の底部などで反射することで光音響波の音源から直接伝達された波に対しては以下のような処理を行うようにしても良い。すなわち、そのようにして遅延してトランスデューサ115に到達した光音響波による成分などは、ノイズとなりやすい。よって、信号処理により画像を形成する(画像再構成)のに用いるための信号からこのような光音響波によるノイズ成分を除去するようにしても良い。また、被検体112の表面で発生した光音響波の成分が顕著である場合には、それをこのステップS308において削除するようにしても良い。
ステップS310は、画像処理を行うステップである。画像処理部119は、ステップS309で、信号処理を行ってなる処理後の光音響信号の、可動ステージ走査面における位置および被検体の深さ方向の信号強度分布をもとにボクセルデータを作成する。そのボクセルデータに基づいて可視化するための画像データを生成する。このとき、既知のアーティファクトがあればボクセルデータから除去してもよい。また、例えば被検体内の光吸収体の酸素飽和度を算出する場合などに、複数のパルス光の波長で取得した光音響信号強度のボクセルデータから、酸素飽和度値を格納したボクセルデータを作成しておくようにしても良い。この他にも、被検体内の血中ヘモグロビンを主な光吸収体とするためにパルス光の波長を設定して測定を行った場合に、例えば取得したボクセルデータから血管の画像を二値化し抽出するようにしても良い。
なお、このステップS310では、ステップS305において決定された、各光音響測定位置のZ軸方向のステージ座標(各測定範囲のZ軸方向のステージ座標)をボクセルデータに反映し、画像化するようにしても良い。すなわち、ステップS307で測定した光音響信号のみを用いて画像データを作成すると、被検体表面の凹凸形状は画像データには反映されない。そのため、必要に応じて、被検体表面の凹凸形状の測定に基づいて決定したZ軸方向のステージ座標情報をボクセルデータに反映させることで、被検体表面の実際の形状を表現することができる。
ステップS311は、ステップS310で光音響信号の強度分布から作成されたボクセルデータを、ユーザーの希望する表示方法で表示するステップである。表示方法として、例えば、X軸、Y軸、Z軸のそれぞれに垂直な断面を表示する方法や、各軸の方向についてのボクセルデータの最大値、最小値または平均値の2次元分布として表示する方法を用いることができる。また、ユーザーがボクセルデータ内でROI(注目領域)を設定して、その領域内の吸収体の形状に関する統計的な情報や、酸素飽和度情報を表示するようにユーザーインターフェースのプログラムが構成されていても良い。
図4は、実施例1におけるデータ取得プロセスの他の一例を示すフローチャートである。上記で説明したフローにおいては、各測定位置において被検体距離測定を実行し、逐一、次の光音響測定位置におけるZ軸方向のステージの座標を決定した。しかし、予め、光音響測定を行う全領域である全測定範囲に亘って座標Zをまとめて測定し、各々の位置のZ軸方向のステージの座標をまとめて決定してから、まとめて光音響測定を行ってもよい。
ここで、測定パラメータの設定までは図3と同様であるため説明を省略する。その後ステップS401で、ステップS303で設定した光音響測定を行う領域の全測定範囲に亘
って、座標Z[mm](可動ステージの位置決めのための座標系における座標)を測定する。算出には上記の式(1)を用いる。このとき、光音響測定は実行されない。したがって被検体112に対してパルス光の照射がされないか、または、単位時間当たりの光エネルギー密度が実際の光音響測定よりも小さく設定されているようにする。
ステップS402では、ステップS401で得られた被検体表面のZ軸方向の座標分布情報に基づいて、上記等式(2)を用いて、光音響測定を行う各測定範囲におけるZ軸方向のステージ座標Zst_pa[mm]を決定する。ステップS403では、ステップS402の決定値に基づいて、測定領域の全域である全測定範囲に亘って光音響測定を実行する。その後の信号処理、画像処理、表示のフローについては図3と同様のためその説明を省略する。
<その他>
上記で説明した実施例の構成及び動作は、例示的なものであり、変更を加えることができる。例えば、被検体112へ照射するパルス光104は、被検体112を構成する成分のうち特定の成分に吸収される特性の波長の光を用いるようにしても良い。パルス光104のパルス幅は、数ピコから数百ナノ秒オーダーのものであり、被検体112が生体の場合には数ナノから数十ナノ秒のパルス光を採用することが好ましい。パルス光104を発生するパルス光源101としてはレーザーが好ましいが、レーザーの代わりに発光ダイオードやフラッシュランプなどを用いるようにしても良い。パルス光源101のレーザーとしては、固体レーザー、ガスレーザー、色素レーザー、半導体レーザーなど様々なレーザーを使用することができる。発振する波長の変換可能な色素やOPO(Optical Parametric Oscillators)を用いれば、光学特性値分布の波長による違いを測定することも可能になる。パルス光源101の波長に関しては、400nmから1600nmの波長領域、さらにはテラヘルツ波、マイクロ波、ラジオ波領域も使用できる。なお、パルス光104として、複数の波長の光を用いた場合は、それぞれの波長に関して、生体内の光学特性に関する係数を算出し、それらの値と生体組織を構成する物質(グルコース、コラーゲン、酸化・還元ヘモグロビンなど)固有の波長依存性とを比較する。これによって、生体を構成する物質の濃度分布を画像化するようにしても良い。
なお、本実施例では可動ステージ(不図示)によって光音響信号を受信するトランスデューサ115やパルス光104の焦点位置をXY方向移動をベースとして位置合わせのためにZ方向にも移動するようにした。しかし、少なくとも一つの方向の機械的移動に換えて、ガルバノミラーを用いて光の方向を変えることにより機械的に移動したのと同様の効果を得ることができるようにしても良い。また、パルス光を被検体112に導光する光学系を部分的に動かすことで同様の効果を得るようにしても良い。また、本実施例では被検体112の表面で反射した弾性波を参照して、被検体表面までの距離を測定して可動ステージのZ軸方向の座標を制御するようにした。しかしながら、被検体内部に音響インピーダンスの異なる層が存在する場合、被検体内部のそれらの層の境界面からの反射弾性波を参照して、可動ステージの制御を行うようにしても良い。例えば、被検体として動物の皮膚を対象とする場合、皮膚は、表皮、真皮、皮下脂肪などの音響インピーダンスのそれぞれ異なる層から構成されている。したがって、この場合、皮膚表面の形状を参照するのではなく、皮膚内部の表皮と真皮の境界面や、真皮と皮下脂肪の境界面の形状を参照して、ステージのZ軸方向の座標制御を行うようにしても良い。
上記の被検体情報取得装置を用いることで、被検体表面の凹凸を考慮した測定を行うことができ、測定領域全域に亘って高解像度な画像を取得することが可能になる。
<実施例2>
図5は、本発明の実施の形態に係る被検体情報取得装置の実施例2を示すブロック図で
あり、実施例1と共通の構成については同一の番号を付して説明を省略する。以下、実施例2の被検体情報取得装置200(以下「装置200」と略称する)の全体構成について説明する。本実施例は、被検体表面の凹凸形状の測定方法として実施例1とは別の方法を採用したものである。
≪全体構成の説明≫
本実施例では被検体表面の凹凸形状の測定方法として、トランスデューサ115から送信する弾性波ではなく、光学手段を用いた測長方法を用いるようにした。光学測長部501は光学手段を有しており、トランスデューサ115に隣接して備えられている。光学測長部501は、部材121の枠線で囲われたパルス光104を被検体112に導光するための光学系やトランスデューサ115とともに、実施例1と同様に3次元状に走査可能な可動ステージ(不図示)に載置されている。被検体表面距離算出部502は、光学測長部501で取得された被検体112と光学測長部501のセンサとの距離情報を入力し、実施例1と同様に、被検体112の表面の凹凸形状を反映したZ軸方向の座標を算出する。測定制御部102では、算出された被検体表面の凹凸形状の分布情報をもとに、光音響測定を行う各位置における可動ステージの当該光軸方向の座標を決定し、その決定値に従ってステージを制御する。また、本実施例においては、信号増幅器503は、トランスデューサ115で光音響波114が受信されるとともにその受信結果として出力される電気信号の信号強度を増幅する。その他の構成要素については実施例1と同様であるため、ここでは説明を省略する。
なお、上記では光学測長部501はトランスデューサ115に隣接して備えられるようにし、トランスデューサ115と、光学測長部501と、ミラー111とが一体化されて受信部5123を構成する。しかしこれに限られず、測長部501のみ別途上記で説明したものとは異なる2次元状あるいは3次元状に走査可能な可動ステージに載置されていてもよい。ただし、この場合は、トランスデューサ115が載置されている可動ステージと光学測長部が載置されている可動ステージは同じ座標系に基づいてステージ位置が制御されていることが望ましい。これによって、トランスデューサ115で信号を取得する位置と、光学測長部501で測定する位置とが対応可能なように構成される。また、光学測長部501としては、レーザーを用いた変位計や形状測定機、カメラなどのオートフォーカス機能を用いた測長手段などを用いるようにしても良い。また、図5に示すように、トランスデューサ115に隣接して光学測長部501の本体が載置されている必要はなく、被検体112までの距離を測定するための光学系の一部が載置されるようにしても良い。例えばレーザーを用いた変位計のレーザーを反射するためのミラーのみが載置されるようにしても良い。
≪動作タイミング≫
図6は、実施例2における装置の動作を示すタイミングチャートである。光音響信号の測定については実施例1と同様のためここでは説明を省略し、光学測長部501による被検体表面までの距離測定のタイミングについて述べる。まず、光学測長部501で測長のために用いる光の波長領域と、光音響測定に用いる光であって、パルス光源101で発せられる光の波長領域と少なくとも一部が重複している場合について述べる。この場合、光音響波測定位置トリガー信号201とパルス光発光トリガー信号205に対して時間602の分だけずらした被検体表面距離測定用トリガー信号601の立ち上がりのタイミングで被検体距離測定を行う。時間602はトリガー信号205の立ち上がりのタイミングで発生するパルス光のパルス幅よりも長い。これにより、光学測長部501による光学測定と光音響測定が互いに影響を与えることを回避できる。ただし、トリガー信号205が生成されないタイミング、すなわち光音響波測定が実行されないタイミングについては、時間602を設ける必要はなく、光音響波測定位置トリガー信号201と同期していてもよい。次に、光学測長部501で測長のために用いる光の波長領域が、パルス光源101で
用いる光の波長領域と重ならない場合は、光学測長部501による光学測定と光音響測定が同時に実行されても互いに影響を与えることはない。したがって、時間602を設ける必要はなく、光音響波測定位置トリガー信号201やパルス光発光トリガー信号205と同期していてもよい。
≪データ取得プロセス≫
図7は、実施例2におけるデータ取得プロセスを示すフローチャートである。本実施例においては、実施例1とは異なり、被検体112の表面の凹凸形状を測定するための光学測長部501と、光音響波を受信するトランスデューサ115が空間的に異なる位置に備えられている。そのため、光音響測定を行う測定ピッチが光学測長部501とトランスデューサ115の距離よりも小さい場合、被検体表面距離測定を行った直後に、その結果に応じて光音響測定を行うという測定プロセスを踏むことはできない。よって、以下のようなプロセスでデータ取得を行う。ここでは、ステップS301からS303までは実施例1と同様のため説明を省略する。
ステップS701では、光学測長部501によって、ステップS303で設定した光音響測定を行う測定範囲について被検体表面の距離測定を実行する。本実施例においては光学的手段を用いるため被検体表面の凹凸形状を表す座標Z[mm]を算出する際に、実施例1で説明した式(1)ではなくZ=Zst_s−L・・・(3)の式を用いる。ただし、式(2)と同様に、被検体表面測定時の可動ステージのZ軸方向の座標をZst_s[mm]とする。ここで、L[mm]は光学測長部501の測定原点から被検体112の表面までの距離であり、L[mm]には光学測長部501による測定値を代入するようにする。なお、ここではパルス光104を被検体に導光する光学系の光軸と、光学測長部501の光軸が平行(ともにZ軸と平行な方向)である場合を仮定している。平行でない場合は、二つの軸の傾きを考慮して式(3)を補正することでこの後の処理も同様にして成立する。
ステップS702では、ステップS701で算出したZに基づいて、測定制御部102において、光音響測定を行う位置における可動ステージのZ軸方向の座標Zst_pa[mm]を決定する。そして、本実施例ではLf2−(Zst_pa−Zs_bar)=Δ・・・(4)を用いて、Zst_paを求めるようにする。ここで、Δ[mm]、Zs_bar[mm]は実施例1で説明した値と同様である。Lf2[mm]は、光学測長部501の測定原点から、トランスデューサ115の音響レンズの焦点のZ軸方向の座標を含む平面までの距離であり、既知の値である。
図8は、実施例2におけるデータ取得プロセスの一部を示す模式図である。図8を用いて上記ステップS701、ステップS702について詳しく説明する。図8は、被検体表面の測定領域、光学測長部501による測定位置、およびトランスデューサ115による光音響測定を行う位置を、被検体表面の測定領域と対向する位置から見たものである。全体領域801に含まれる格子点802のそれぞれは、光音響測定を行う位置を示している。この測定領域、及び光音響測定する位置はステップS303でユーザーによって設定される。ミラー111は、パルス光104を反射し被検体内部に集光するものであり、トランスデューサ115は、音響レンズの焦点位置803である白丸から発生する光音響波を受信する。光学測長部501による被検体表面上の測長位置804は黒丸で示している。光学測長部501では、被検体表面のこの測長位置804における図8の紙面垂直方向の距離を測定する。走査方向805は可動ステージの走査方向を示している。すなわち、トランスデューサ115および光学測長部501は領域801に対して矢印の方向805に相対的に移動(相対移動に対応する)する。図8の時点において、位置806、807、808については光音響測定が未実施である。しかしながら、光学測長部501の測長位置804は、位置806、807、808を通過しており、すでにこの三点と同一の位置
または近傍の複数点について被検体表面距離測定を完了している。ステップS701における部分的な領域とは、上記のような光音響測定を実施する前に、光学測長部501による被検体表面測定を実施する領域のことを示している。部分的な領域は、音響レンズの焦点位置803と測長位置804との距離が、光音響測定を行う測定ピッチよりも大きい場合に生じる。また、光学測長部501がポイントセンサではなく、一次元や2次元面における複数位置での高さを高さ分布として一括で取得できる測長センサである場合にも生じる。なお、光音響測定の測定ピッチの方が、位置803と位置804との距離よりも大きい場合には、実施例1の図3で説明した測定プロセスを採用するようにしても良い。
ステップS702では、光音響信号の測定位置806、807、808においてそれぞれ、実施例1と同様の方法でZs_barを算出し、式(4)を用いて図5のZ軸方向の座標Zst_pa[mm]を決定する。
ステップS703では、ステップS303で設定した領域の全域において、被検体112の表面距離測定が終了したか否かを判断する。距離測定が終了していなければ、再度可動ステージの走査に合わせてステップS701に移行し、同様に距離測定を行う。距離測定が終了している場合はステップS704に移行し、被検体表面距離測定は終了する。
ステップS705では、ステップS702で座標Zst_pa[mm]が決定された領域において、光音響測定を実行する。この方法については実施例1と同様のため説明を省略する。
ステップS706では、ステップS303で設定した領域の全域において光音響測定が終了したか否かを判断し、測定が終了していなければ、再度ステップS705に移行し、残りの測定を終了するまで実行する。
その他のデータ取得プロセスについては、実施例1と同様のため、説明を省略する。なお、上記で説明したプロセスは一連の可動ステージの走査に合わせて実行され、被検体表面の距離測定と、光音響測定は各々同時並行的に実行される。しかしながら、本実施例では、実施例1で図4を用いて説明したように、予め、測定領域の全域に亘って被検体表面距離を測定する。そして、光音響測定の測定位置における可動ステージのZ軸方向の座標を決定してから、実際の測定を行うようにしても良い。これは実施例1と同様に行うことが可能であるため、ここでは説明を省略する。
なお、実施例1の<その他>の項目に記載された種々の形態は本実施例においても適用できる。また、本実施例においては、光学測長部501を一箇所のみに具備した例を示したが、複数の光学測長部を備えていてもよい。さらに、光学測長部501の測定方法として、被検体112の表面の一点において測長が可能な例を示した。しかしこれに限られず、ラインセンサや2次元面の高さ分布を同時に取得可能なセンサを用いることも可能である。
<その他>
図9は、実施例2における被検体情報取得装置の他の一例を示す模式図である。上記で光学測長部501による距離測定箇所と、光音響波を受信するトランスデューサ115の音響レンズの焦点とが空間的に離れた位置にある場合について説明した。しかしこれに限られず、これらが空間的に同一の位置にある場合または近傍にある場合でも適用可能である。すなわち図9は、実施例2における被検体情報取得装置の他の一例の、ミラー111、トランスデューサ115、水槽116が備えられた部分を拡大して示したものである。ここでは、被検体112の表面形状を測定する手段として、光学測長部501の代わりに光学測長部901、902を用いる。受信部9123は、ミラー111と、光学測長部9
01,902と、トランスデューサ115とが一体化されて構成されている。これらは三角測量を利用した測定原理に基づいており、被検体112表面のZ軸の方向の変位量を測定することが可能である。光学測長部901からは測定用レーザー光903が射出され、被検体112の表面で反射・散乱したレーザー光を光学測長部902が受信する。このときレーザー903が照射される被検体表面の領域904がZ軸の方向の変位量を測定する箇所となる。なお、図9の音響焦点領域905はトランスデューサ115に備えられた音響レンズの焦点である。図9のような構成をとることにより、被検体表面のZ軸方向の凹凸形状を測定する箇所904と、トランスデューサ115の音響焦点領域905の、Z軸に垂直な平面への射影は、同一にすることが可能である。このような場合、図7で示した測定プロセスではなく、実施例1の図3、図4で説明したプロセスに従って測定を行うことができる。なお、図9では、ミラー111の内部に光学測長部901、902を配置した。しかしこれに限らず、ミラー111の外側に光学測長部901、902を配置してもよい。
上記の被検体情報取得装置を用いることで、被検体表面の凹凸を考慮して測定することで、測定領域全域に亘って高解像度な画像を取得することが可能になる。
<実施例3>
図10は、本発明の実施の形態に係る被検体情報取得装置の実施例3を示すブロック図であり、実施例1または実施例2と共通の構成については同一の番号を付して説明を省略する。以下、実施例3の被検体情報取得装置300(以下「装置300」と略称する)の全体構成について説明する。本実施例では、被検体表面の凹凸形状の測定方法として実施例1や実施例2で採用した方法とは異なり、被検体112の表面で発生した光音響信号を用いるようにした。
≪全体構成の説明≫
本実施例では、光音響測定を行う際に、被検体内部に位置決めされたトランスデューサ115の音響レンズの焦点の直上の被検体表面に、パルス光源1001から出射された光音響波を励起するためのパルス光1002が照射されるように導光する。以下、この照明方法を明視野照明と呼ぶ。装置300では、ミラー1003のように凸面形状のミラーを用いてパルス光を広げることで明視野照明を実現する。しかしこれに限られず、明視野照明が実現されれば他の照明方法でもよい。本実施例では、受信部1112は、ミラー1003と、トランスデューサ115とから構成される。
パルス光源1001は、光吸収体113が吸収する波長であるとともに、被検体112の表面部位でも光の吸収が行われる波長の光を発光することができる。なお、両者の吸収する波長レンジに重なる領域がある場合は、そのレンジ内の同一の波長を用いることができる。光音響波の受信に基づく光音響信号の取得から画像の表示までに必要な構成については実施例2と同様のため、ここでは説明を省略する。上記のように、本実施例においては、被検体112の表面形状の測定をする際に、被検体表面から発生した光音響波を用いる。このとき、パルス光源1001では、被検体112の表面部位で光吸収が起こる波長の光を発光し、トランスデューサ115では、その光吸収によって被検体表面から発生した光音響波を受信する。信号増幅器503では、その光音響波の受信結果としてトランスデューサ115から出力される電気信号を増幅する。
被検体表面距離算出部1001では、その増幅してなる信号に基づいて、パルス光を被検体112に導光する光学系の光軸方向(Z軸方向)における、被検体112の表面の座標を算出する。測定制御部102は、その算出されてなる被検体112の表面の座標をデータとして入力する。測定制御部102は、そのデータに基づいて、被検体内部の光吸収体113を測定する際の、トランスデューサ115が固定されている可動ステージ(不図
示)のZ軸方向の座標を決定する。測定制御部102では、その決定された座標に基づき、可動ステージを制御する。
なお、上記の例では、単一のパルス光源1001が、光吸収体113と被検体112の表面部位に対して光吸収のある、同一又は別々の波長を発光できるようにした。しかしこれに限られず、別々の波長を発光する場合、パルス光源は異なる波長を発光可能な複数のパルス光源であってもよい。
≪動作タイミング≫
図11は、実施例3における装置の動作を示すタイミングチャートである。光音響測定のためのトリガー信号やサンプリングについては図2で説明したものと同様のため説明を省略する。トリガー信号1101は、被検体112の表面までの距離を測定するために、被検体表面から光音響波を発生させるパルス光の発光タイミングを決めるパルス信号である。光音響波1102は、このパルス光によって被検体表面から発生する。この光音響波1102は、トリガー信号1101の立ち上がり時刻から時間1103だけ遅延してトランスデューサ115により受信される。時間1103は、被検体112の表面からトランスデューサ115までの光音響波の伝搬時間に応じた時間である。ここで、被検体表面で発生した光音響波1102は、光吸収体113で発生した光音響波206と時間的に重複しないようする。このタイミングの関係を実現するために、被検体表面から光音響波を発生させるパルス光発光トリガー信号1101と、光吸収体113から光音響波を発生させるパルス光発光トリガー信号205とは立ち上がりのタイミングをずらすようにする。ただし、被検体112の表面からの光音響波発生用のパルス光の波長と、光吸収体113からの光音響波発生用のパルス光の波長が同一で、かつ、それぞれの光音響波が時間的に重複しない場合には、それぞれのトリガー信号のタイミングは同期していてもよい。
≪データ取得プロセス≫
図12は、実施例3におけるデータ取得プロセスを示すフローチャートである。ステップS301からステップS303までは実施例1と同一であるため、ここでは説明を省略する。ステップS1201では、トランスデューサ115が被検体112の表面から発生した光音響波を受信する。そして、被検体表面距離算出部1001が、遅延時間1103(図11)に基づいて被検体表面距離を測定する。そして、被検体表面距離算出部1001が、測定箇所における被検体表面の凹凸形状を反映する座標Z[mm]をZ=Zst_s−ν*Δt・・・(5)によって算出する処理を行う。
ここで、Zst_s[mm]は、被検体表面距離を測定するときの可動ステージのZ軸方向の座標である。Δt[s]は、パルス光発光トリガー信号1101の立ち上がり時刻から、トランスデューサ115に被検体表面から発生した光音響波が到達した時刻までの時間である遅延時間1103である。ν[mm/s]は、水槽116内の水の中で光音響波が伝搬する速度である。なお、実施例1でも述べたように、水中内の光音響波の速度νは水温に依存する。そのため、水槽116内の水温を温度計で測定しておき、その測定値から速度νを決定してもよい。また、ここでは遅延時間1103は光音響波が水中を伝搬する時間が大半を占めており、トランスデューサ115の内部を伝搬する時間は無視できるとしている。トランスデューサ115の内部を伝搬する時間が無視できない場合には、式(5)の代わりに光音響波がトランスデューサ115の内部を伝搬する時間と、速度を考慮した式を用いればよく、後の処理は式(5)を使用した場合と同様に行うことができる。また、ここではトランスデューサ115の音響レンズの中心軸と、パルス光104を被検体112に導光する光学系の光軸が平行である場合(ともにZ軸と平行な方向)を仮定している。平行でない場合は、二つの軸の傾きを考慮して式(5)を補正することでこの後の処理も同様にして成立する。
ステップS1202では、ステップS1201で算出した座標Z[mm]に基づいて、測定制御部102で、次に光音響信号を取得する測定位置における可動ステージのZ軸方向の座標Zst_pa[mm]を決定する。これは、実施例1で説明したのと同様に式(2)を満たすように決定することができるため、ここでは詳細の説明を省略する。他の測定プロセスについては、実施例1と同様に実行することが可能であるため、ここでは説明を省略する。なお、本実施例においても実施例1で図4を用いて説明したように、予め、測定領域の全域に亘って被検体表面距離を測定し、光音響測定の測定位置における可動ステージのZ軸方向の座標をまとめて決定してから、実際の測定をまとめて行うことも可能である。これは実施例1と同様に行うことが可能であるため、ここでは説明を省略する。
<その他>
実施例1の<その他>の項目に記載された種々の形態は本実施例においても適用可能である。実施例3の被検体情報取得装置を用いることで、被検体表面の凹凸を考慮して測定することができる。それにより、測定領域全域に亘って高解像度な画像を取得することが可能になる。
<実施例4>
図13は、本発明の実施の形態に係る被検体情報取得装置の実施例4を示すブロック図である。実施例4の被検体情報取得装置400(以下「装置400」と略称する)の全体構成について説明する。実施例1から3においては、被検体112とミラー111が主に非接触の場合について説明した。本実施例においては、被検体内部のより深い位置にある光吸収体からの光音響信号を取得するものである。
本実施例においては、被検体112とミラー111は接触している。なお、図13に図示していないが、この接触境界面には音響インピーダンスマッチングを図るため水などの液体や、音響インピーダンスマッチングジェルなどを塗布してある。この接触面で生じる圧力によって被検体内部の光吸収体113の位置が変わる。そのため、この接触面で生じる圧力を圧力センサ1301(圧力測定部に対応する)で測定し、その圧力情報に基づいてトランスデューサ115やミラー111の被検体112の表面に対する相対位置を制御する。具体的には、ミラー111の被検体表面に対する押し込み距離を一定に保つように調整する。押し込む方向は、ここでは、パルス光104を被検体112に導光する光学系の光軸方向(Z軸方向)である。ここで、圧力センサ1301は、被検体112に導光されるパルス光の光路を妨げない位置に配置されている。また、圧力センサとしては、歪ゲージや静電容量式圧力センサ、圧電式圧力センサなどを用いることができる。圧力センサ1301は、測定した圧力値を押込距離算出部1302に送出する。
押込距離算出部1302では、被検体表面とミラー111との接触圧力値から、ミラー111が、Z軸方向において被検体表面に押し込まれている距離である押し込み距離を算出する。本実施例では、受信部13123は、ミラー111と、圧力センサ1301と、トランスデューサ115とをベースとして構成されており、圧力センサ1301から電気信号を取り出す電気配線を有している。押込距離算出部1302では、この押し込み距離を算出する際に、接触面の圧力値と被検体表面のZ軸方向の押し込み距離が対応した換算表を参照して算出する。この換算表は、光音響測定前に実際の被検体112によって予め作成しておくか、被検体112を模擬したファントムを用いて予め作成しておいてもよい。換算表の作成方法としては、被検体表面に接触してからZ軸方向に可動ステージ(不図示)を少しずつ動かし、動かした距離とその時の圧力センサ1301で測定した圧力値とを対応させてあらかじめメモリに記憶させておく等することで作成することができる。このメモリは、押込距離算出部1302内部に設けて算出の際に適宜読みだすようにしても良いし、外部に設けて適宜読みだすようにしても良い。なお、安全性を考慮して、ユーザ
ーが指定する一定の圧力値を超える場合は、それ以上被検体への押し込みをしないように測定制御部1303を制御するようにしても良い。
本実施例におけるデータ取得タイミングは、光音響測定については他の実施例と同様に行えばよい。また、被検体表面の押し込み距離の測定タイミングに関しては、実施例2の被検体距離測定のタイミングと同様に行えばよい。したがってここでは詳細な説明を省略する。なお、本実施例においては、実施例2のように被検体との距離を測定するための光照射を行わないため、遅延時間602の設定の必要性はない。
図14は、実施例4におけるデータ取得プロセスを示すフローチャートである。本実施例ではステップS301から303までは実施例1と同様である。ステップS1401で、上記で説明した方法に従って、ミラー111による被検体112の表面の押し込み距離と圧力センサ1301で測定した圧力値の換算表を作成する。この換算表は、図示しない換算表取得部によって作成されるようにしても良いし、押込距離算出部1302が作成するようにしても良い。作成された換算表は押込距離算出部1302に内蔵されたメモリに記憶される。ステップS1402では、押込距離算出部1302が、被検体112の表面のミラー111による押し込み距離を測定する。押し込み距離の測定開始時においては、ステップS303で設定した測定範囲の測定開始点における、ステップS302の測定アライメントした位置でこの押し込み距離の測定を行う。具体的には、圧力センサ1301で測定した圧力から、押込距離算出部1302が、ステップS1401で作成した換算表を参照して、押し込み距離に換算する。さらに、このときの被検体表面の凹凸形状を反映した座標Z[mm]をZ=Zst_s+L・・・(6)の式に基づいて算出する。ここで、Zst_s[mm]は被検体表面距離を測定するときの、可動ステージのZ軸方向の座標である。またL[mm]は、このとき算出した接触圧力値から換算した被検体表面の押し込み距離である。
ステップS1403では、ステップS1402で測定した被検体表面の凹凸形状を反映した座標Zに基づいて測定制御部1303が座標Zst_pa[mm]を決定する。座標Zst_pa[mm]とは、次の光音響測定を行うための位置における可動ステージ(不図示)のZ軸の方向の座標である。このとき、Zst_paは、Zst_pa=Zs_bar−Lpi・・・(7)を用いて演算する。
ここで、Zs_bar[mm]は、実施例1の式(2)で説明したものと同様であり、光音響測定を行う位置におけるZの近似値である。また、Lpi[mm]は、ステップS302の測定アライメント時における測定初期の被検体表面の押し込み距離である。式(7)によると、被検体表面からの押し込み距離を初期の値に保ちながら光音響測定を行うことができる。以降の測定プロセスについては、実施例1と同様のためここでは説明を省略する。なお、本実施例においても図4で説明した例のように、予め、測定領域の全域に亘って被検体表面からの押し込み距離を測定し、光音響測定の測定位置における可動ステージのZ軸方向の座標を決定する。そうしてから、実際の測定を行うようにしても良い。これは実施例1と同様に行うことが可能であるため、ここでは説明を省略する。
<その他>
実施例1の<その他>の項目に記載した種々の形態は本実施例においても適用可能である。上記で説明した構成では、ミラー111と被検体112の表面を接触させるようにした。しかしこれに限られず、本実施例においては、これらが接触しない構成でもよい。すなわち、圧力センサ1301とミラー111とは離間されるとともに双方の位置関係が一定に保たれるようにしても良い。このとき、圧力センサは、ミラー111よりも被検体表面に近い側に支持されるとともに被検体表面と接触するようにする。そして、圧力センサは、その接触面の圧力を測定することで、被検体表面とミラー111又はトランスデュー
サ115との距離を被検体表面の凹凸に追従するように制御することができる。
上記の被検体情報取得装置を用いることで、被検体表面の凹凸を考慮して測定することで、測定領域全域に亘って高解像度な画像を取得できる。
また、本発明の目的は、以下によっても達成される。すなわち、前述した実施例の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを格納した記憶媒体(または記録媒体)を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読み出し実行する。この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が前述した実施例の機能を実現することになり、そのプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成することになる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているオペレーティングシステム(OS)などが実際の処理の一部または全部を行う。その処理によって前述した実施例の機能が実現される場合も、本発明の範囲に含まれる。さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張カードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込まれたとする。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張カードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も、本発明の範囲に含まれる。本発明を上記記憶媒体に適用する場合、その記憶媒体には、先に説明したフローチャートに対応するプログラムコードが格納されることになる。
上記各実施例における様々な技術を適宜組み合わせて新たなシステムを構成することは当業者であれば容易に相当し得るものであるので、このような様々な組み合わせによるシステムもまた、本発明の範疇に属するものである。
上記した被検体情報取得装置によると、被検体が生体物質である場合において医療用画像診断機器として利用可能である。例えば、腫瘍や血管疾患などの診断や化学治療の経過観察などのため、生体内の光学特性値分布及びそれらの情報から得られる生体組織を構成する物質の濃度分布の画像化が可能となる。また、非生体物質を被検体とした非破壊検査などに応用できる。
101 パルス光源、102 測定制御部、111 ミラー、115 トランスデューサ、123 受信部、119 画像処理部

Claims (14)

  1. 第1の光を発生する光源と、
    被検体内の所定の領域に前記第1の光を照射する照射部と、前記第1の光が前記被検体に照射されることにより発生する第1の音響波を検出する音響波検出部とを有する受信部と、
    前記被検体の表面に第2の光を照射するとともに、前記被検体に前記第2の光が照射されることにより発生する光を受信して前記被検体の表面と前記音響波検出部との距離を測定し、所定の測定範囲における各測定位置に対応する前記距離に基づく3次元領域データを算出する距離算出部と、
    前記受信部が前記被検体の表面の凹形状または凸形状に沿うように、前記3次元領域データを用いて前記被検体と前記受信部との相対移動を行いつつ前記第1の光の照射及び前記第1の音響波の検出を行う走査部と、
    前記音響波検出部の検出結果に基づいて前記被検体における前記所定の領域の特性情報を取得する取得部と、
    を有する被検体情報取得装置。
  2. 第1の光を発生する光源と、
    被検体内の所定の領域に前記第1の光を照射する照射部と、前記第1の光が前記被検体に照射されることにより発生する第1の音響波を検出する音響波検出部とを有する受信部と、
    前記被検体の表面に第2の光を照射するとともに前記第2の光が照射されることにより前記被検体の表面から発生する第2の音響波を受信し、前記第2の光の照射から前記第2の音響波の受信までの時間に基づいて前記被検体の表面と前記音響波検出部との距離を測定し、所定の測定範囲における各測定位置に対応する前記距離に基づく3次元領域データを算出する距離算出部と、
    前記受信部が前記被検体の表面の凹形状または凸形状に沿うように、前記3次元領域データを用いて前記被検体と前記受信部との相対移動を行いつつ前記第1の光の照射及び前記第1の音響波の検出を行う走査部と、
    前記音響波検出部の検出結果に基づいて前記被検体における前記所定の領域の特性情報を取得する取得部と、
    を有する被検体情報取得装置。
  3. 前記第1の光と同じ光路で前記被検体の表面に前記第2の光を照射することで前記被検体の表面に対する明視野照明の光学系が構成されている
    請求項2に記載の被検体情報取得装置。
  4. 凸面形状ミラーをさらに有し、前記光源からの光が前記凸面形状ミラーで反射されることで前記第2の光が導光される
    請求項2または3に記載の被検体情報取得装置。
  5. 前記音響波検出部は音響レンズを有し、
    前記音響レンズは前記第1の光が前記被検体に照射されることにより音響焦点領域から発生する音響波を集音する
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  6. 前記所定の領域および前記音響焦点領域の一方は他方に含まれる
    請求項5に記載の被検体情報取得装置。
  7. 前記特性情報は画像を形成するための画像データである
    請求項1乃至6のいずれか1項に記載の被検体情報取得装置。
  8. 前記画像データに基づいて画像を表示する表示部をさらに有する
    請求項7に記載の被検体情報取得装置。
  9. 被検体内の所定の領域に第1の光を照射する照射部と、前記第1の光が前記被検体に照射されることにより発生する第1の音響波を検出する音響波検出部と、を含む受信部を有する被検体情報取得装置が行う被検体情報取得方法であって、
    前記被検体の表面に第2の光を照射するとともに、前記被検体に前記第2の光が照射されることにより発生する光を受信して前記被検体の表面と前記音響波検出部との距離を測定し、所定の測定範囲における各測定位置に対応する前記距離に基づく3次元領域データを算出する距離算出ステップと、
    前記受信部が前記被検体の表面の凹形状または凸形状に沿うように、前記3次元領域データを用いて前記被検体と前記受信部との相対移動を行いつつ前記第1の光の照射及び前記第1の音響波の検出を行う走査ステップと、
    前記第1の音響波の検出結果に基づいて前記被検体における前記所定の領域の特性情報を取得する取得ステップと、
    を含む、被検体情報取得方法。
  10. 被検体内の所定の領域に第1の光を照射する照射部と、前記第1の光が前記被検体に照射されることにより発生する第1の音響波を検出する音響波検出部と、を含む受信部を有する被検体情報取得装置が行う被検体情報取得方法であって、
    前記被検体の表面に第2の光を照射するとともに前記第2の光が照射されることにより前記被検体の表面から発生する第2の音響波を受信し、前記第2の光の照射から前記第2の音響波の受信までの時間に基づいて前記被検体の表面と前記音響波検出部との距離を測定し、所定の測定範囲における各測定位置に対応する前記距離に基づく3次元領域データを算出する距離算出ステップと、
    前記受信部が前記被検体の表面の凹形状または凸形状に沿うように、前記3次元領域データを用いて前記被検体と前記受信部との相対移動を行いつつ前記第1の光の照射及び前記第1の音響波の検出を行う走査ステップと、
    前記第1の音響波の検出結果に基づいて前記被検体における前記所定の領域の特性情報を取得する取得ステップと、
    を含む、被検体情報取得方法。
  11. 前記被検体の表面に対する明視野照明で前記第2の光を照射する
    請求項10に記載の被検体情報取得方法。
  12. 前記第1の光を発生する光源からの光が凸面形状ミラーで反射されることで前記第2の光が導光される
    請求項10または11に記載の被検体情報取得方法。
  13. 前記特性情報は画像を形成するための画像データである
    請求項9乃至12のいずれか1項に記載の被検体情報取得方法。
  14. 前記画像データに基づいて画像を表示する表示ステップをさらに含む
    請求項13に記載の被検体情報取得方法。
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