JP6587136B2 - 成形型及び成形体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プレス成形用の成形型及び成形体の製造方法に関する。
樹脂複合材料には、熱硬化性樹脂を含む熱硬化性樹脂複合材料及び熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂複合材料の二種類がある。
熱硬化性樹脂複合材料中の熱硬化性樹脂を硬化させ成形するには、加熱により熱硬化性樹脂を、必要に応じて、硬化剤と共に化学反応させる必要がある。一般的に熱硬化性樹脂複合材料の硬化は、電気オーブンを用いた外部加熱により行われる。
また、熱可塑性樹脂複合材料を融着又は成形するには、加熱により溶融又は軟化させる必要がある。一般的に、熱可塑性樹脂複合材料は、電気ヒーターや赤外線を用いた外部加熱により行われる。
一方、熱硬化性樹脂複合材料及び熱可塑性樹脂複合材料を内部加熱する方法として、マイクロ波を照射する方法が知られている。
特許文献1には、上型と下型とで構成される空間内に樹脂材料を充填し加熱成形する誘電加熱樹脂成形用の成形型が開示されている。このとき、成形品の加熱されにくい部分が、高周波の電界により発熱する粒子を含む型材料で形成されている。
特許文献2には、プラスチック材料に補強用繊維を配合してなる複合材料の塊状予備成形材料を加熱する方法が開示されている。このとき、塊状予備成形材料中に、0.1〜4.5重量%の比率で誘電損失向上剤を配合すると共に、マイクロ波を照射することによってマイクロ波加熱を行う。
特許文献3には、繊維強化複合材料を含む少なくとも一層を有する構造部分を製造する成形用具が開示されている。このとき、成形用具は三次元の型を有する。また、成形用具は構造部分に対する接触面を有し、少なくとも接触面はマイクロ波感受性材料からなる。
特開平4−284207号公報 特開平3−182309号公報 特表2011−524825号公報
しかしながら、曲げ特性に優れる成形体を短時間で製造することが望まれている。
本発明の一態様は、曲げ特性に優れる成形体を短時間で製造することが可能な成形型を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、プレス成形用の成形型であって、当該成形型は、セラミックスの焼結体であり前記セラミックスの焼結体は、相対密度が99.0%以上であり、熱浸透率が1300J/(m1/2K)以上3100J/(m1/2K)以下であり、焼結粒の直径の最大値が20nm以上1μm以下である。

本発明の一態様によれば、曲げ特性に優れる成形体を短時間で製造することが可能な成形型を提供することができる。
次に、本発明を実施するための形態を説明する。
プレス成形用の成形型(以下、成形型という)は、ガラス又はセラミックスを含むため、マイクロ波を透過又は弱く吸収する。
成形型がガラスを含む場合の成形型の製造方法としては、特に限定されないが、板ガラスの成形法であるフロート法、ロールアウト法、スロットダウン法、フュージョン法、さらにはブローイング成形法、プレス成形法等が挙げられ、二種以上併用してもよい。さらに、これらの成形法に削り出しを組み合わせてもよい。
成形型がセラミックスを含む場合の成形型の製造方法としては、乾式成形法、塑性成形法、鋳込み成形法、テープ成形法が挙げられ、二種以上併用してもよい。さらに、これらの成形法に、削り出しを組み合わせてもよい。
本実施形態の成形型は、マイクロ波を樹脂複合材料に照射する前、又は、マイクロ波を樹脂複合材料に照射しながら、樹脂複合材料をプレス成形することができる。
そのため、成形型は、相対密度が99.0%以上の緻密体であることが必要であり、相対密度が99.5%以上の緻密体であることが好ましい。成形型の相対密度が99.0%未満であると、樹脂複合材料をプレス成形する場合に、成形型が破損しやすくなる。
ここで、成形型の相対密度とは、成形型を構成する材料の真密度に対する成形型のかさ密度の割合を意味する。
本実施形態の樹脂複合材料は、マイクロ波を吸収して発熱することが可能なフィラーを含む。
このようなフィラーとしては、例えば、炭素系材料、具体的には、カーボンブラック、黒鉛、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、グラフェン等を用いることができ、二種以上併用してもよい。
本実施形態の樹脂複合材料は、さらに、熱伝導性、耐熱性、寸法安定性、機械特性等の向上を図るために、添加剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、特に限定されないが、金、銀、銅、鉄、鉛、ニッケル、アルミニウム、マグネシウム及びこれらの合金、炭化ケイ素、窒化アルミニウム、立方晶窒化ホウ素、六方晶窒化ホウ素、サファイア、アルミナ、窒化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、イットリア、ムライト、フォルステライト、コージライト、ジルコニア、ステアタイト、サイアロン、ガラス、ゴム等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
本実施形態の樹脂複合材料におけるマトリックス樹脂の種類は、本実施形態の用途等に応じて任意に選択することができ、特に限定されるものではない。
マトリックス樹脂としては、熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱硬化性樹脂としては、特に限定されないが、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート、ケイ素樹脂、ビニルエステル、ポリイミド等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
熱可塑性樹脂としては、特に限定されないが、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリロニトリル共重合体、ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリメチルメタクリレート、変性アクリル樹脂、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリウレタン、三フッ化塩化エチレン、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体、四フッ化エチレン・パーフルオロアルコキシエチレン共重合体、フッ化ビニリデン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
熱硬化性樹脂複合材料は、加熱により、熱硬化性樹脂を、必要に応じて硬化剤と共に、硬化させることで、成形体を製造することができる。そのため、樹脂複合材料中の熱硬化性樹脂が半硬化状態である場合、本実施形態の成形型に挟み込んでプレス成形することによって成形型に合致した形状にすることができる。さらに、プレス成形されて成形型に挟み込まれた熱硬化性樹脂複合材料にマイクロ波を照射することによって、型と型の間に熱を封じ込め、熱硬化性樹脂を加熱して硬化させることができ、その結果、成形体を短時間で製造することができる。
熱可塑性樹脂複合材料は、加熱により、熱可塑性樹脂を溶融又は軟化させることで、成形体を製造することができる。そのため、本実施形態の成形型に熱可塑性樹脂複合材料を挟み込んでプレス成形する際に、成形型に挟み込まれた熱可塑性樹脂複合材料にマイクロ波を照射することによって、型と型の間に熱を封じ込め、熱可塑性樹脂を溶融又は軟化させることができ、その結果、成形体を短時間で製造することができる。
マイクロ波により加熱された樹脂複合材料から、樹脂複合材料と接触した成形型に熱が逃げるのを抑制し、型と型の間に熱を封じ込めるには、本実施形態の成形型の熱浸透率が低いことが必要である。具体的には、成形型の熱浸透率は、1300〜3100J/(m1/2K)である。成形型の熱浸透率が1300J/(m1/2K)未満であると、成形型は、機械特性が低く、熱膨張や熱劣化しやすくなり、3100J/(m1/2K)を超えると、曲げ特性に優れる成形体を短時間で製造することができない。
なお、本明細書において、曲げ特性とは、JIS K7074 炭素繊維強化プラスチックの曲げ試験方法に従って測定された、曲げ強度及び曲げ弾性率のことを言う。
成形型の熱浸透率b[J/(m1/2K)]は、成形型の熱伝導率をκ[W/(mK)]、成形型の密度をρ[kg/m])、成形型の比熱容量をC[J/(kgK)]とすると、式
b=(κ×ρ×C)1/2・・・(1)
から、求めることができる。ここで、成形型の熱伝導率は、定常法、フラッシュ法によって求めることができる。本発明では定常法を用いて熱伝導率を測定した。
なお、成形型がセラミックスを含む場合、焼結粒が小さいことにより、焼結粒間の界面熱抵抗が大きくなり、焼結体、即ち、成形型の熱伝導率が低くなる。具体的には、セラミックスの焼結粒の直径の最大値は、20nm〜1μmである必要があり、10nm〜0.8μm以下であることが好ましい。セラミックスの焼結粒の直径の最大値が20nm未満であると、セラミックスの焼結が不十分で、相対密度が低下し、成形型が破損しやすくなる。また、この最大値が1μmを超えると、成形型の熱抵抗が小さくなり熱の拡散が大きくなるため、短時間で、曲げ特性に優れる成形体を製造することができない。
本明細書及び特許請求の範囲において、焼結粒の直径とは、焼結粒を内包する円の直径とする。
本実施形態の成形型は、本実施形態の熱硬化性樹脂複合材料を成形型に挟んだ状態でプレス成形した後、バッチ式マイクロ波炉、マイクロ波連続炉内を通過させる成形体の製造方法、プレス機構を備えたマイクロ波炉又はマイクロ波炉を備えたプレス機を用いて、本実施形態の熱可塑性樹脂複合材料を成形型に挟んだ状態でプレス成形する成形体の製造方法等に適用することができる。
以下に、実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は、実施例により限定されない。
<ジルコニアの仮焼体の作製>
セラミックス材質としての、ジルコニア粉末TZ−3Y(東ソー社製)60質量部と、分散剤としての、固形分40.3質量%のアロンA−6114(東亞合成社製)0.8質量部と、溶媒としての、蒸留水39.2質量部を、1Lのポットに直径が5mmのジルコニアボールと共に入れ、400rpmの回転速度で15時間ボールミルANZ−50S(日陶科学社製)により処理することで、スラリーを作製した。作製したスラリーの粘度を、音叉型振動式粘度計SV−10(A&D社製)で測定したところ、22mPasであった。
得られたスラリーを、10×10×1.0cmのセッコウ型に、スラリーを流し込み、鋳込み成形し、室温で1週間自然乾燥させた。
鋳込み成形し、乾燥させたジルコニアを、電気炉SB(モトヤマ社製)により100℃/hの速さで1000℃になるまで加熱し、1000℃で2時間保持した後に、100℃/hの速さで室温になるまで冷却することで、ジルコニアの仮焼体を作製した。
作製した仮焼体を4.5×4.5×0.9cmに切断し、彫刻機EGX−20(ローランド社製)を用いて凹形状と凸形状に削り出し、凹形状及び凸形状のジルコニアの仮焼体を作製した。
一方、作製した仮焼体を10×5.0×1.0cmに切断し、平板状のジルコニアの仮焼体を作製した。
(実施例1−1)
凹形状及び凸形状並びに平板状のジルコニアの仮焼体を緻密体に焼結するため、100℃/hの速さで1450℃になるまで加熱して緻密体に焼結し、1450℃で2時間保持した後に、100℃/hの速さで室温になるまで冷却することで、合わせ型及び平板状の成形型を作製した。
次に、合わせ型及び平板状の成形型と同一の条件で作製したジルコニアの焼結体の相対密度、熱浸透率、焼結粒の直径の最大値を測定した。なお、ジルコニアの焼結体を作製する際に、直径が20mmの円柱状の穴が空いた高さが30mmのシリコン型の下にセッコウを設置した型を用いた。
(比較例1−1)
ジルコニアの仮焼体を1550℃になるまで加熱した以外は、実施例1−1と同様にして、合わせ型及び平板状の成形型と同一の条件で作製したジルコニアの焼結体の相対密度、熱浸透率、焼結粒の直径の最大値を測定した。
(比較例1−2)
ジルコニアの仮焼体を1600℃になるまで加熱した以外は、実施例1−1と同様にして、合わせ型及び平板状の成形型を作製するとともに、合わせ型及び平板状の成形型と同一の条件で作製したジルコニアの焼結体の相対密度、熱浸透率、焼結粒の直径の最大値を測定した。
<相対密度>
JIS R1634 ファインセラミックスの焼結体密度・開気孔率の測定法に従い、アルキメデス法を用いて、ジルコニアの焼結体のかさ密度を測定し、ジルコニアの真密度(6.0g/cm)に対するジルコニアの焼結体のかさ密度の割合を算出し、相対密度を求めた。
<熱浸透率>
JIS R 1611 ファインセラミックスのフラッシュ法による熱拡散率・比熱容量・熱伝導率の測定方法に従い、レーザーフラッシュ法熱定数測定装置TC−7000(アルバック理工社製)により、厚さを1mmに調整したジルコニアの焼結体の熱伝導率を求め、ジルコニアの焼結体の比熱容量を470J/(kgK)として、式(1)から、熱浸透率を求めた。
<焼結粒の直径の最大値>
ジルコニアの焼結体の表面を、走査型電子顕微鏡S−4300(日立製作所社製)を用いて観察し、画像解析ソフトImage−Jを用いて、焼結粒の直径の最大値を測定した。
表1に、ジルコニアの焼結体の相対密度、熱浸透率、焼結粒の直径の最大値の測定結果を示す。
Figure 0006587136
表1から、焼結粒の直径の最大値が小さい場合に、焼結体の熱浸透率が低くなることがわかる。
(熱硬化性樹脂複合材料の作製)
25体積%のエポキシ樹脂JER806(三菱化学社製)、15体積%の硬化剤JERキュアST−11(三菱化学社製)を混ぜたものを、60体積%の4枚重ねた150×200mmの炭素繊維クロスCO6343(東レ社製)に真空樹脂含浸法を用いて含浸させた。次に、室温で8時間静置することで、エポキシ樹脂を半硬化状態にし、熱硬化性樹脂複合材料を作製した。
(実施例2−1)
実施例1−1で作製した平板状の成形型に、75×15×1mmに切断した半硬化状態の熱硬化性樹脂複合材料を挟み込んで3MPaでプレス成形した後、マイクロ波照射装置FSU201VP−07(富士電波工機社製)を用いて熱硬化性樹脂複合材料の表面が、硬化剤の推奨条件である120℃になるようにマイクロ波を5分間照射して加熱し、成形体を作製した。サーモビューアFSV−1200−L16(アピステ社製)で確認したところ、熱硬化性樹脂複合材料の表面は120℃に加熱され、平板状の成形型の表面は120℃以下の温度になった。
(比較例2−1)
マイクロ波を照射する代わりに、電気オーブンSA310(益田社製)を用いて、硬化剤の推奨条件の120℃で3時間加熱した以外は、実施例2−1と同様にして、成形体を作製した。
(比較例2−2)
120℃で5分間加熱した以外は、比較例2−1と同様にして、成形体を作製した。
(比較例2−3)
実施例1−1で作製した平板状の成形型の上に、3MPaでプレス成形し、75×15×1mmに切断した半硬化状態の熱硬化性樹脂複合材料を乗せて、マイクロ波を実施例2−1と同様にして、5分間照射して加熱し、成形体を作製した。熱硬化性樹脂複合材料の表面は45℃までしか加熱されず、平板状の成形型の表面は45℃以下の温度になった。
次に、成形体の曲げ特性を評価した。
<曲げ特性>
JIS K7074 炭素繊維強化プラスチックの曲げ試験方法に従い、成形体の曲げ特性を評価した。
表2に、成形体の曲げ特性の評価結果を示す。
Figure 0006587136
表2から、実施例2−1は、加熱時間が短時間であっても、曲げ特性に優れる成形体を製造できることがわかる。
これに対して、比較例2−1は、マイクロ波が照射されていないため、成形体の曲げ特性を高くするために、加熱時間を長くする必要がある。
また、比較例2−2は、マイクロ波が照射されていないため、加熱時間が短いと、成形体の曲げ特性が低い。
さらに、比較例2−3は、平板状の成形型に熱硬化性樹脂複合材料を挟み込まないため、加熱時間が短いと、成形体の曲げ特性が低い。
なお、35×30×1.0mmに切断した半硬化状態の熱硬化性樹脂複合材料を、実施例1−1で作製した合わせ型に挟み込んだ以外は、実施例2−1と同様にして、成形体を作製することで、合わせ型に合致した形状の賦形が可能であることを確認した。
(ポリプロピレンシート1の作製)
後述する熱可塑性樹脂複合材料における炭素繊維クロスの含有量を45体積%とするため、50体積%のポリプロピレンのノバテックMA3(日本ポリプロ社製)、5体積%の六方晶窒化ホウ素(h−BN)UHP−1(昭和電工社製)を、一軸混練機IMC−TAD3(井元製作所社製)を用いて、混練温度180℃、スクリューの回転数30rpmで溶融混練し、ペレットを作製した。得られたペレットを190℃の加熱プレス機AH−10TD(アズワン社製)で加熱プレス成形し、ポリプロピレンシート1を作製した。なお、六方晶窒化ホウ素は、マイクロ波を照射する際に、マトリックスであるポリプロピレンが熱劣化するのを抑制する目的で添加した。
(ポリプロピレンシート2の作製)
六方晶窒化ホウ素を添加しない以外は、ポリプロピレンシート1と同様にして、ポリプロピレンのペレットを加熱プレス成形し、ポリプロピレンシート2を作製した。
(熱可塑性樹脂複合材料の作製)
ポリプロピレンシート1、2及び8.0×10cmの炭素繊維クロスCO6343(東レ社製)を用いて、ポリプロピレンシート2、炭素繊維クロス、ポリプロピレンシート1、炭素繊維クロス、ポリプロピレンシート1、炭素繊維クロス、ポリプロピレンシート1、炭素繊維クロス、ポリプロピレンシート2を順次積層し、加熱プレス機AH−10TD(アズワン社製)を用いて、200℃でプレス成形し、熱可塑性樹脂複合材料を作製した。ここで、前述したように、熱可塑性樹脂複合材料における炭素繊維クロスの含有量を45体積%とした。
(熱可塑性樹脂材料の作製)
炭素繊維クロス及びポリプロピレンシート1の代わりに、ポリプロピレンシート2を用いた以外は、熱可塑性樹脂複合材料と同様にして、熱可塑性樹脂材料を作製した。このとき炭素繊維クロスは45体積%、ポリプロピレンシート2は55体積%とした。
(実施例3−1)
35×30×1.0mmに切断した熱可塑性樹脂複合材料を、実施例1−1で作製した合わせ型に挟み込み、プレス圧力が3MPaとなるようにセラミックスの重石を乗せた状態で、80Wのマイクロ波を照射して、プレス成形し、成形体を作製した。サーモビューアFSV−1200−L16(アピステ社製)で確認したところ、熱可塑性樹脂複合材料の表面は120℃に加熱され、合わせ型は熱可塑性樹脂複合材料と接触する表面の近傍のみが50℃になった。また、熱可塑性樹脂複合材料は熱劣化することなく、25秒間で成形された。
(比較例3−1)
実施例1−1で作製した合わせ型の代わりに、比較例1−2で作製した合わせ型を用いた以外は、実施例3−1と同様にして、成形体を作製した。熱可塑性樹脂複合材料の表面温度は120℃に加熱され、合わせ型は全体が80℃になった。また、熱可塑性樹脂複合材料は熱劣化することなく、260秒間で成形された。
このため、実施例3−1は、短時間で成形体を作製できることがわかる。
これに対して、比較例3−1は、合わせ型を構成するジルコニア焼結体の熱浸透率が3340J/(m1/2K)であり、焼結粒の直径の最大値が1.8μmであるため、成形体を作製する時間が長くなる。
(実施例3−2)
実施例1−1で作製した平板状の成形型に、75×15×1.0mmに切断した熱可塑性樹脂複合材料を挟み込んだ以外は、実施例3−1と同様にして、成形体を作製した。熱可塑性樹脂複合材料の表面は120℃に加熱され、平板状の成形型は熱可塑性樹脂複合材料と接触する部分の近傍のみが50℃になった。また、熱可塑性樹脂複合材料は熱劣化することなく、25秒間で成形された。
(比較例3−2)
熱可塑性樹脂複合材料を75×15×1.0mmに切断し、成形体を作製した。
(比較例3−3)
熱可塑性樹脂材料を75×15×1.0mmに切断し、成形体を作製した。
次に、成形体の曲げ特性を評価した。
表3に、成形体の曲げ特性の評価結果を示す。
Figure 0006587136
表3から、実施例3−2は、比較例3−2と同様に、曲げ特性に優れる成形体を製造できることがわかる。このことから、マイクロ波を照射してもマトリックスが劣化せずにプレス成形できることがわかる。
また、比較例3−3は、炭素繊維クロスを含まない熱可塑性樹脂材料が用いられているため、成形体の曲げ強度が低い。
以上のことから、実施例1−1の成形型は、熱硬化性樹脂複合材料及び熱可塑性樹脂複合材料を用いて、曲げ特性に優れる成形体を短時間で製造できることがわかる。

Claims (3)

  1. プレス成形用の成形型であって、
    当該成形型は、セラミックスの焼結体であり
    前記セラミックスの焼結体は、相対密度が99.0%以上であり、熱浸透率が1300J/(m1/2K)以上3100J/(m1/2K)以下であり、焼結粒の直径の最大値が20nm以上1μm以下であることを特徴とする成形型。
  2. 請求項1に記載の成形型に樹脂複合材料を挟み込んでプレス成形する工程と、
    該プレス成形されて成形型に挟み込まれた樹脂複合材料にマイクロ波を照射する工程を有し、
    前記樹脂複合材料は、熱硬化性樹脂及びマイクロ波を吸収して発熱することが可能なフィラーを含むことを特徴とする成形体の製造方法。
  3. 請求項1に記載の成形型に樹脂複合材料を挟み込んでプレス成形する工程を有し、
    該プレス成形する際に、成形型に挟み込まれた樹脂複合材料にマイクロ波を照射し、
    前記樹脂複合材料は、熱可塑性樹脂及びマイクロ波を吸収して発熱することが可能なフィラーを含むことを特徴とする成形体の製造方法。
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