JP6586690B2 - 貴金属の回収方法 - Google Patents

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Description

本発明は貴金属の回収方法に関する。
低品位鉱物や工場排水、携帯電話のような廃棄製品などから貴金属を回収するために、酸性下にある溶液中から酵母を用いて貴金属を回収することが試みられている。例えば、非特許文献1にはpH1の溶液中で酵母と各種金属イオンを接触させたところ、金イオンやパラジウムイオン、白金イオンが酵母に吸着されることが示されている。また、非特許文献2には、金イオンを酵母で吸着した後、水素化ホウ素ナトリウムで還元すると、酵母菌体の表面に金属の析出が観察されたことが開示されている。
非特許文献3には、酵母の培養上清液と金イオンを接触させたところ、pH2〜4の培養上清液において、540nmのプラズモン吸収が観測され、還元体である金のナロ粒子が生成されたことが報告されている。また、特許文献1には、乳酸菌やサッカロマイセス・ブーラルデイのようなプロバイオティクス微生物と金属イオンを接触させて、細菌膜上で金やパラジウムなどのコロイド金属を製造する方法が記載されている。さらに特許文献2には、ニッケルイオンを含む廃材と水と接触させてニッケルイオンを吸着した酵母を水と共に回収した後に、回収した水のpHを2以下又は6以上にして酵母を沈殿させ、当該酵母を焼成することでニッケルイオンを濃縮する方法が記載されている。
しかしながら、非特許文献1や2では酵母が金イオンを吸着することしか開示されておらず、還元体である金の金属とするためには、非特許文献2に開示されたように吸着により回収した金イオンを還元剤で還元する必要がある。また、非特許文献3に記載された方法では、酵母の培養上清液と金イオンを接触することで金属である金粒子を得ることができるが、十分な量の金属を得るためには6時間以上の接触時間が必要となる。さらに特許文献1では、塩基性下で乳酸菌と接触させた結果、金ナノ粒子が形成されたとの実施例があるが、酸性下で酵母と接触させた報告はなく、酵母による金ナノ粒子の形成については真偽不明である。さらに、これらの貴金属イオン以外の非貴金属イオンとの共存下においては、貴金属のみを選択的に回収できるかどうかまでは分からなかった。また、特許文献2では、酵母を含む液体のpHを調整することで酵母を沈殿させることが記載されているが、この操作は接触後の酵母を集菌する方法であって酸性下において酵母と接触させる技術とは異なる。また、集菌した酵母を焼成することが記載されているが、ここにはニッケル成分が濃縮した無機残渣を得たことしか記載されておらず、焼成によりニッケルイオンが還元を受けて、還元体であるニッケルが得られるのかどうかは不明である。
特許文献3には、鉄還元細菌を作用させて、金属酸化物や金属水酸化物から金属を回収する方法が記載されている。この方法では、鉄還元細菌の菌体内に金属(還元体)として回収できる。しかしながら、この方法は鉄還元細菌の鉄還元作用を利用する方法であるので、培地には電子供与体が必要となる。また、鉄還元細菌の菌体は小さいので溶液からの細菌の回収が困難であるという問題もあった。
特表2009−541593号公報 特開2011−52315号公報 特開2007−113116号公報
二井手哲平ら、化学工学会年会研究発表講演要旨集、Vol. 75th、2010、B121 高橋克矢ら、化学系学協会東北大会プログラム及び講演予稿集、Vol.2006、2006、p149 Hyun-ah Lim at al., Journal of Nanoscience and Nanotechnology, Vol.11, 2011, p518-522
本発明の課題は、酸性下にある貴金属イオンを含む溶液中から、迅速かつ極めて簡単な方法によって、貴金属イオン、好ましくは非貴金属イオンと分別して、その還元体である貴金属として回収する手段を提供することにある。
本発明に係る方法は、貴金属イオンを含むpH4以下の酸性液体中で酵母と前記貴金属イオンを接触させた後に酵母を分離回収し、回収した酵母を焼成することで、還元体である貴金属を回収する方法である。
本発明によると、酵母を用いて貴金属イオンを還元して還元体である貴金属として回収できる。
図1はサッカロマイセス・セレビシエによる酸性溶液からの金イオンの回収を示す図である。(a)はpH3.5における回収を示す図、(b)はpH1.8における回収を示す図である。 図2はサッカロマイセス・セレビシエの焼成により回収された金粒子のX線回析による回析結果を示す図である。 図3はサッカロマイセス・セレビシエによる酸性溶液(pH1.8)からのパラジウムイオンの回収を示す図である。 図4はサッカロマイセス・セレビシエの焼成により回収されたパラジウム粒子のX線回析による回析結果を示す図である。 図5はサッカロマイセス・セレビシエによるICチップの酸性溶解液(pH1.4)からの金イオンの回収を示す図である。 図6はサッカロマイセス・セレビシエによるクロムイオン共存下における白金イオン含有排液(pH1.2)からの回収を示す図である。(a)は液相の白金イオン濃度を、(b)は液相のクロムイオン濃度を示す。 図7はサッカロマイセス・セレビシエによるパラジウムイオンと白金イオンの共存下における両イオンの回収を示す図である。
本発明に係る方法は、貴金属イオンを含むpH4以下の液体中で酵母と前記貴金属イオンを接触させる工程を有する。
本発明で使用し得る酵母は貴金属イオンを回収できる酵母であれば何れの酵母でもよいが、好ましくはサッカロマイセス属の酵母、さらに望ましくはサッカロマイセス・セレビシエである。この酵母はパン酵母などとして広く知られており、入手や取り扱いが極めて容易である。サッカロマイセス属の酵母は出芽酵母の代表的な酵母であって、例えば、S. bayanusであり、S. boulardiiであり、S. bulderiであり、S. cariocanusであり、S. cariocusであり、S. cerevisiaeであり、S. chevalieriであり、S. dairenensisであり、S. ellipsoideusであり、S. florentinusであり、S. kluyveriであり、S. martiniaeであり、S. monacensisであり、S. norbensisであり、S. paradoxusであり、S. pastorianusであり、S. spencerorumであり、S. turicensisであり、S. unisporusであり、S. uvarumであり、S. zonatusであり得る。本発明においては、サッカロマイセス属の酵母に限られず、その他の酵母も使用され得る。サッカロマイセス属以外の酵母で、本発明で使用し得る酵母は、例えば、カンジダ属(Candida)、トルロプシス属(Torulopsis)、ジゴサッカロマイセス属(Zygosaccharomyces)、シゾサッカロマイセス属(Schizosaccharomyces)、ピチア属(Pichia)、ヤロウィア属(Yarrowia)、ハンセヌラ属(Hansenula)、クルイウェロマイセス属(Kluyveromyces)、デバリオマイセス属(Debaryomyces)、ゲオトリクム属(Geotrichum)、ウィッケルハミア属(Wickerhamia)、フェロマイセス属(Fellomyces)、スポロボロマイセス属(Sporobolomyces)の酵母であり得る。
本発明に係る方法の対象金属は、貴金属である。具体的には、金及び白金族金属であり、より具体的には金であり、銀であり、白金であり、パラジウムであり、ロジウムであり、イリジウムであり、ルテニウムであり、オスミウムであり得る。
これらの貴金属のイオンと酵母の接触はpHが4以下である液体中で行われる。酵母は生菌でもよく、また回収機能が発揮される限り死菌であってもよい。貴金属イオンを含む液体は回収対象物から任意の方法で調製され得る。その調製法は、例えば、土壌であれば水に懸濁して必要に応じて酸処理を行う方法であり、鉱物や合金であれば酸処理を行う方法である。回収対象物は、上記の物質に限らず貴金属イオンとして取り出せる対象物であればよく、塩であるか合金のような金属であるかを問わず、又液体であるか固体であるかを問わず、前記の貴金属又は貴金属イオンを含むものであれば特に限定されない。貴金属イオンを含む液体は、前記貴金属以外の非貴金属イオンを含むものであっても差し支えない。酵母と接触させる液体のpHは4以下であればよいので、本発明に係る方法はICチップや排液、使用済み電子機器、製品などのいわゆる都市鉱山と称される廃棄物や鉱物などを酸に溶解して貴金属をイオン化した液体からの回収には好都合である。また、液体のpHが4以下となるように適宜酸やアルカリが使用され得る。なお、酵母との接触に際しては不溶物を予め除去しておくのが好ましい。
酵母と接触させる液体は、酵母の生育に必要な栄養素を必須とはしない。また、酵母の生育に最低限必要な栄養素(窒素源や炭素源)を含む液体でもよい。このような栄養素は酵母の培養に用いられる栄養素であり、例えば、ショ糖、ブドウ糖、乳糖、酵母エキス、肉エキス、ブイヨン、ポリペプトンやペプトンであり得る。栄養素を含む場合、酵母と接触させる液体は、貴金属イオンを含む液体中にこれらの栄養素が添加され、あるいはこれらの栄養素を含む溶液中に回収する貴金属イオンを含む液体を添加することで調製される。栄養素を含む液体は、例えば、酵母用に特化されたYPD培地であり、汎用培地であるブイヨン培地で有り得る。本発明においては、酵母と接触させる溶液には電子供与体の存在は必須ではない。もっとも電子供与体の存在下において酵母と貴金属イオンを接触させることもできる。
酵母と接触させる液体の温度は当業者が適宜設定できる事項である。温度は好ましくは1〜40℃、さらに望ましくは25〜35℃である。接触時間は、酵母の菌体密度や貴金属イオンの濃度、回収の目的とする貴金属の種類、非貴金属イオンの存否などの条件によっても異なるが、概ね10分から24時間であって、12時間以内、好ましくは8時間以内、望ましくは4〜5時間以内であって、1時間以内で足りる場合もある。また、非貴金属イオンは酵母により回収されないので、銅イオンやニッケルイオン、鉄イオンなどの非貴金属イオンなどが共存する場合であっても、前記程度の接触時間で貴金属イオンを選択的かつ短時間で回収できる。なお、酵母と接触させる液体のpHの下限は酵母が死滅するような低いpHであっても差し支えないが、取扱や作業性の観点から、その下限はpH1程度である。
酵母と接触させる液体の貴金属イオン濃度や菌体濃度も当業者が適宜設定できる事項である。貴金属イオン濃度は、酵母の菌体濃度によっても異なるが、概ね1×10-6 mol/m3〜1×103mol/m3であり、好ましくは1×10-5mol/m3〜1×102mol/m3、望ましくは1×10-2mol/m3〜10mol/m3である。菌体濃度は、概ね1.0×106cells/m3〜1.0×1018cells/m3、好ましくは1.0×1010cells/m3〜1×1016である。
貴金属イオンと接触した酵母は液体から分離される。分離方法は適宜の方法が選択され、例えば、遠心分離による方法やろ過による方法が例示される。固液分離により回収された酵母は焼成される。焼成には焼却炉や焼成炉、バーナーなどが用いられる。焼成温度も当業者が適宜設定できる事項である。焼成温度は300℃以上であり、好ましくは500℃以上であるが、温度が高すぎると金属が酸化金属となるおそれがある。従って、焼成温度は概ね約500〜650℃が好ましいと言える。焼成には還元剤などの添加剤を加える必要はなく、回収した酵母を湿潤した状態で、または乾燥した状態で焼くことで足りる。酵母が前記炉の中やバーナーで焼かれた結果、菌体は灰となり、灰の中に貴金属イオンの還元体である貴金属塊が生成される。
このように本発明に係る方法によると、酸性下において貴金属イオンと酵母を接触させ、その後回収した酵母を焼却することで還元体である貴金属として回収できる。また、酸性下においては、貴金属イオンの酵母への吸着は迅速であり、接触開始から早い時間帯に酵母を回収することで、貴金属イオンを選択的に回収できる。この結果、いわゆる都市鉱山と称される廃棄された携帯電話やパーソナルコンピュータなどの各種廃棄製品からの貴金属の回収が容易になる。
以下、本発明について下記実施例に基づいてさらに説明するが、本発明は下記実施例に限定されないのは言うまでもない。
〔金の回収〕
酵母の代表菌である酵母標準菌(パン酵母)、サッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae、NBRC2044株)を使用した。当該酵母をYPD培地に接種した後、30℃、48時間静置培養した。培養した菌体を回収した後、1.0mol/m3の金イオン(Au3+)を含むpHが3.5及び1.8に調整された塩化金の水溶液に、細胞濃度(菌体濃度)が5.0×1014cells/m3となるように酵母を加えた。酵母を加えた後、室温で静置し、液相の金イオン濃度の変化を調べた。この結果、図1に示すように、両pHともに接触開始後から急激に液相の金濃度が低下し、10分〜30分程度で開始濃度のほぼ1/10程度の濃度にまで低下した。また、図示はしないが、pHが4を越え、7付近の中性に近づくと貴金属イオンの還元が生じ、菌体内に還元体である貴金属が蓄積する傾向にあった。
上記の試験において接触後に酵母を遠心分離により分離・回収した酵母を50℃で12時間乾燥させた後、これを580℃で焼成して得られた粉末試料について、X線回折スペクトルを測定した。また、金イオンを含まない溶液を用いて同様に操作して得られた酵母の粉末試料についてもX線回折スペクトルを測定し、これをバックグラウンドとした。先に求めた金イオンと接触させた酵母のX線回折パターンから、バックグラウンドを差し引いて得られたX線回折スペクトルを得た。この結果を図2に示した。図2に示す黒い丸で示したピークは還元体である金の標準ピークと一致し、試料中にAu金属が存在することが確認された。したがって、パン酵母細胞に回収された金(III)イオンは、酵母の焼成処理によってAu金属として回収できることが明らかになった。
〔パラジウムの回収〕
1.0mol/m3のパラジウムイオン(Pd2+)を含むpHが1.8に調整された塩化パラジウムの水溶液に、実施例1と同様に室温で酵母と接触させ、液相のパラジウムイオン濃度の変化を調べた。この結果を図3に示す。接触開始直後から液相のパラジウムイオン濃度は急激に減少し、接触開始後1時間程度で液相のパラジウムイオン濃度は開始濃度のほぼ1/10程度の濃度にまで低下した。また、実施例1と同様にして、600℃で焼成して得られた粉末試料について、X線回折スペクトルを測定し、バックグラウンドを差し引いて得られたX線回折スペクトルを図4に示した。図4に示す黒い丸で示したピークは還元体であるパラジウムの標準ピークと一致し、試料中にパラジウム金属が存在することが確認された。したがって、パン酵母細胞に回収されたパラジウム(II)イオンは、酵母の焼成処理によってパラジウムとして回収できることが明らかになった。
〔ICチップの酸性溶解液からの回収〕
ICチップを塩酸で溶解した後、残渣を除去して溶解液(pH1.4)を調整した。この溶解液は、197ppmの金イオンと、191ppmの銅イオンと、1057ppmの鉄イオンと、704ppmのニッケルイオンを含んでいた。この溶解液を用いて、実施例1と同様に室温で酵母と接触させ、各金属イオンの濃度変化を調べた。その結果を図5に示した。
接触開始後10分程度で90%以上の金イオンが酵母により回収された。一方、非貴金属イオンである銅イオンや鉄イオン、ニッケルイオンは1時間程度の接触ではほとんど回収されなかった。また、実施例1と同様にして酵母を580℃で焼成した粉末には金イオンの還元体であるAu金属の存在が確認された。このことから、接触開始後約1時間以内で酵母を分離・回収することで、銅イオンや鉄イオン、ニッケルイオンなどの非貴金属イオンが混合した溶液から貴金属イオンを選択的に回収できると言える。
〔酸性の工業廃液からの回収〕
酸性の工業廃液(pH1.2)は、約0.65mol/m3の白金イオンと約15mol/m3のクロムイオンを含んでいた。この廃液を用いて、実施例1と同様に室温で酵母と接触させ、各金属イオンの濃度変化を調べた。その結果を図6に示した。クロムイオンは接触開始後8時間程度でもほとんど回収されなかったが、白金イオンは接触開始後1時間程度で液相濃度が約半分に低下し、約8時間程度でほぼ回収率は一定となった。このように、長くとも8時間、好ましくは4〜5時間程度の接触時間で低濃度の白金イオンを非貴金属イオンであるクロムイオンから分別回収できることが示された。また、実施例1と同様にして酵母を約600℃で焼成した粉末には白金イオンの還元体である白金金属の存在が確認された。このことから、クロムイオンが共存した系からも、白金イオンなどの貴金属イオンを選択的に回収できると言える。
〔パラジウム及び白金の回収〕
約0.8mol/m3のパラジウムイオン(Pd2+)と約0.25mol/m3の白金イオン(Pt4+)を含むpHが1.2に調整された塩化パラジウム及び塩化白金酸の混合水溶液を用いて、実施例1と同様に室温で酵母と接触させ、液相のパラジウムイオン濃度及び白金イオン濃度の変化を調べた。その結果を図7に示した。パラジウムイオンも白金イオンも接触開始後は約2時間でほぼ平衡となり、2時間後の回収率はパラジウムで80%、白金で82%であった。このように2種以上の貴金属イオンが共存している系においても短時間で貴金属イオンを同時に回収することができた。
本発明は、酵母を用いて酸性溶液中の貴金属イオンを選択的かつ迅速に分離し、還元体である貴金属として回収する方法を提供する。

Claims (5)

  1. 貴金属イオンと非貴金属イオンを含むpH4以下の液体中で酵母と前記貴金属イオンを接触させる工程と、
    前記液体中から分離した酵母を焼成する工程と、
    を有する貴金属イオンを選択的に回収する貴金属回収方法。
  2. 酵母との接触開始後5時間以内に酵母を分離する請求項1に記載の貴金属回収方法。
  3. 酵母との接触開始後1時間以内に酵母を分離する請求項1に記載の貴金属回収方法。
  4. 前記貴金属イオンは、金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムからなる群から選ばれる1種又は2種以上の貴金属イオンである請求項1〜3の何れか1項に記載の貴金属回収方法。
  5. 前記接触させる酵母は、サッカロマイセス属の酵母である請求項1〜4の何れか1項に記載の貴金属回収方法。
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