JP6586408B2 - 複合容器 - Google Patents
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Description
そこで、この際の入れ替えを容易にするために、内容器とこの内容器を嵌め入れ可能にする外容器との二重容器構造(以下、「複合容器」と言う)を採用して、内容器自体をレフィルとする(内容器に内容物が充填されておりこの内容器ごと入れ替えをする)ことが提案されている(特許文献1)。
そして、外容器の口部外周には円環状をした肩カバーが回転自在に設けられ、この肩カバーを45°程度回転させることで、外容器の切欠を上方へ開口させたり閉鎖させたりする構造であった。すなわち、肩カバーで切欠を開口させておけば外容器に対して内容器を出し入れでき、外容器に内容器を嵌め込んだ後に肩カバーで切欠を閉鎖させれば、内容器を取り出し不能な状態にロックできる構成としてあった。
ことがあった。
例えば、内容器にはその口部を閉鎖するキャップが付属されているのが普通である。このキャップは、内容器の口部まわりに設けられた雄ネジに対してネジ結合ができるようにしてあった。そのため、このキャップを開閉する際の回転が、キャップ自体又はキャップを掴む手指を介して肩カバーに伝搬して、肩カバーを回転させてしまうというものであった。
即ち、本発明に係る複合容器は、内容物を詰める充填凹部が設けられた内容器と、前記内容器を嵌め入れる嵌合凹部が設けられた外容器と、前記外容器上で当該外容器と離脱不能のまま直線状に横スライド自在に保持されて前記嵌合凹部を常に上方へ開放させる中央口が設けられた上枠部材と、を有し、前記内容器には、前記外容器の嵌合凹部に嵌り込む外側面位置で横突出させた係合凸部又は外周面を凹ませた係合凹部が設けられており、前記上枠部材には、前記外容器の嵌合凹部に嵌められた前記内容器の係合凸部又は係合凹部に対して横スライドの往動と復動とにより当該内容器の浮上を阻止する係合状態と係合を解除する非係合状態とに切り替わるシャッター部が設けられていることを特徴とする。
前記内容器の充填凹部を開閉する蓋部材が前記外容器、前記内容器、前記上枠部材のうち一つに係合離脱自在に設けられており、前記蓋部材には、前記内容器の充填凹部を閉鎖時において前記上枠部材又は前記外容器に係合することにより前記上枠部材の横スライドを邪魔するストッパ部が設けられたものとしてもよい。
図1乃至図12は、本発明に係る複合容器(以下、「本発明容器1」と言う)の第1実施形態を示している。
まず概要を説明する。図1に斜視図で示すように、本発明容器1は、内容器2と、この内容器2を嵌め入れ可能な外容器3と、この外容器3の上部に保持された上枠部材4とを有している。
内容器2は、上部を口部7として内容物(図示略)を詰めることのできる充填凹部8が設けられたものである。この充填凹部8に詰められる内容物としては、例えばクリーム状をした化粧品や油脂材、薬剤等をはじめとして、粉状のものや固形状のもの等、特に限定されるものではない。
これに対して外容器3は、図7に示すように上部を開口10として内容器2を嵌め入れるための嵌合凹部9が設けられたものである。嵌合凹部9は、内容器2をガタツキなく収容できるものとされており、したがって内容器2の外形状や大きさに応じて内部形状や大きさなどを適宜変更可能であることは言うまでもない。
この上枠部材4には、横スライドの前後を通じて常に外容器3の嵌合凹部9を上方へ開放させるようにした中央口11が設けられている。言い換えれば、上枠部材4は、外容器3の嵌合凹部9と中央口11との合致状態が常に維持される範囲(ストローク)で、外容器3に対して横スライドするようになっている。
まず、内容器2について説明する。
図4に示すように、内容器2には、その口部7を取り巻く外周面に沿って雄ネジ12が設けられている。この雄ネジ12は蓋部材5をネジによる係脱で着脱できるようにするためのものである。言うまでもなく蓋部材5にはこの雄ネジ12と螺合可能となる雌ネジ1
3を設けてある(図10及び図11参照)。
また蓋部材5は、外容器3や上枠部材4に対してネジによる係脱(着脱)構造を採用することも可能である。更に、ネジによる係脱構造以外にも、蓋部材5は、内容器2、外容器3、上枠部材4のうち一つに対して例えばヒンジなどにより開閉自在な状態に連結される構造としてもよい。
また内容器2には、フランジ部15の下部側(内容器2を外容器3へ嵌め込んだ場合に外容器3の嵌合凹部9に嵌り込むようになる外側面位置)に、複数の係合凸部20が設けられている。
また、これとは反対に、外容器3と上枠部材4とが図心を不一致にさせた偏心位置にあるときから、上枠部材4を元の同心位置へ戻すとき(このときの横スライドを以下では往復動作の「復動」とする)には外容器3から内容器2が取り出せない状態にするべく、切り替えるためのものである。
具体的には、一方組の180°両端位置に爪形をした係合凸部20(以下、「爪形凸部20A」と言う)が配置され、これと90°交差する他方組の180°両端位置にブロック形をした係合凸部20(以下、「ブロック形凸部20B」と言う)が配置されている。
これに対してブロック形凸部20Bは、爪形凸部20Aが備える2個の突出片の外法寸法Xと同じ寸法の外法寸法Yを有した単一の直方体に形成されている(図5参照)。また、爪形凸部20A及びブロック形凸部20Bは、内容器2の外周面から突出する寸法も同じに揃えられている。
次に、外容器3について説明する。
外容器3では、図7に示すように、嵌合凹部9における開口10の内周部に、内容器2の外周面に設けられた係合凸部20を収容するための位置決め凹部23が設けられている。
なお、方向替えを180°よりも小角度の例えば120°おきや90°おきで行わせる場合には、爪形凸部20Aと爪受け凹部23Aとの組み合わせ数、及びブロック形凸部20Bとブロック受け凹部23Bとの組み合わせ数を、3組、4組と増やせばよい。
このように、内容器2において係合凸部20を設ける配置及び配置数や、外容器3において位置決め凹部23設ける配置及び配置数は、何ら限定されるものではない(それぞれ少なくとも1箇所あればよい)。
また、外容器3では、開口10の外周まわりが一段低く形成されており、この低くされた位置に水平方向の環状平坦面25が設けられている。この環状平坦面25は、上枠部材4の下端を実質的に支持して横スライドを安定させるためのものとされる。但し、場合によっては上枠部材4の下端を不支持とさせてもよい。この場合は、上枠部材4の下端と環状平坦面25との間を非接触状態のまま可及的に近接させるようにして、外観上、外容器3と上枠部材4との一体感が得られるように工夫することもできる。
両側の規制面26は、図9及び図12に示すように、上枠部材4の内周部に設けられる一対の挟持対壁37(詳細は後述する)により挟持される状態を維持して、上枠部材4が外容器3に対して非回転となるようにする(回り止め効果)。この回り止め効果は、図12に示した上枠部材4の往動前の時点(上枠部材4が外容器3と同心位置とされた状態)でも、また図9に示した上枠部材4の往動後の時点(上枠部材4が外容器3の偏心位置とされた状態)でも、常に維持される。
本第1実施形態において、レール部27は、嵌合凹部9の開口10を挟んで位置決め凹部23のブロック受け凹部23Bが振り分けられる方向とレール長手方向とが同じになる配置としてある(レール部27の両端側にブロック受け凹部23Bが配置される関係としてある)。
ただ、外容器3と上枠部材4との組み立てを可能にすることに起因して、これらレール部27とレールフック部38との係合度合いを大きくすることには制限を受けるので、外れ防止作用を満足できるほど強くすることは難しい。そこで本第1実施形態では、図8〜図10及び図12に示すように、レール部27の長手方向一端側となる配置で、環状平坦面25の上部に一定高さの隙間が生じるように張り出す浮上防止部30を設けてある。
この浮上防止部30とスライド部39との係合状態は、図12に示した上枠部材4の往動前の時点はもとより、上枠部材4を往動させる過程でも継続される。しかし、図8及び図9に示すように、上枠部材4を制限いっぱいまで往動させた時(図9に示した上枠部材4の往動後の時点)には、浮上防止部30とスライド部39との係合状態は外れるように設定されている。従ってこの位置で、外容器3と上枠部材4との組み立てを可能にしている。
上枠部材4は、図6に示すように、外容器3の嵌合凹部9を上方へ開放させるための中央口11が設けられていることで、枠形状に形成されている。
本第1実施形態では外容器3を円柱形として、その外周面と上枠部材4の外周面とが面一に合致するようにしている。そのため、上枠部材4は、外容器3と同径の円形リング壁33と、この円形リング壁33の上端から径方向内方へ張り出す内鍔部34とを有し、この内鍔部34の内向きの張出端によって中央口11を形成するものとしてある。
レールフック部38は、外容器3に設けられた一対(2本)のレール部27と各別に係合するように、上枠部材4における内鍔部34の2箇所から下方へ垂下して設けられている(図11参照)。このレールフック部38がレール部27と係合することで、外容器3に対する上枠部材4の横スライドが案内されることは前記した通りである。
但し、レールフック部38は下方への垂下構造とする他、上枠部材4の円形リング壁33から径方向内方へ向けて張り出させるような横張出構造として、外容器3のレール部27と係合させることも可能である。
本第1実施形態では、上枠部材4におけるリング壁33の内周面から径方向内方へ向けて、2本のリブ状突起が互いに平行して突設されたものとしてある。2本のリブ状突起は、それらの形状がリブ状であることで下端縁寄りほど微小ながら撓み変形が許容されるようになっている。
このことから、挟持対壁37は外容器3の規制面26に対して堅牢な挟持状態を保持するのではなく、相互近接離反方向の動きを僅かながら吸収できるものとなり、その結果、上枠部材4の微小角度の回転を許容することになる。これにより、上枠部材4の横スライドに対し、円滑性の一助にできるという効果を期待できる。もとより、リブ状に形成していることで使用樹脂量を可及的に抑制でき、低コスト化に寄与できる。
このスライド部39が浮上防止部30と係合することで、常態下にあって外容器3に対する上枠部材4の外れ防止(浮き上がり防止)作用を奏することは前記した通りである。
本第1実施形態では、上枠部材4の横スライド方向に対して平面直交する方向(嵌合凹部9の開口10を挟んで位置決め凹部23の爪受け凹部23Aが振り分けられた方向)で設けられる爪用シャッター部36Aと、上枠部材4の横スライド方向(嵌合凹部9の開口10を挟んで位置決め凹部23のブロック受け凹部23Bが振り分けられる方向)に設けられるブロック用シャッター部36Bとを備えたものとしている。
このような上枠部材4のシャッター部36(爪用シャッター部36A及びブロック用シャッター部36B)は、外容器3に内容器2が嵌め入れられているときに、内容器2の係合凸部20とフランジ部15の下面との上下間に設けられた隙間21を摺動することになる。
の係合凸部20(爪形凸部20A及びブロック形凸部20B)に対して、上枠部材4のシャッター部36(爪用シャッター部36A及びブロック用シャッター部36B)が係合を解除する非係合状態になる。これにより、外容器3に対して内容器2を出し入れ自在な状態になる。
なお、このように上枠部材4を横スライドさせるにあたり、上枠部材4に対する押し位置を判り易くするために、上枠部材4のリング壁33外面に対して、横スライド方向の正面位置に立体表示、或いは色、文字、図柄、イラストなどによる表示を設けておくのが好適である(本第1実施形態では半球状の立体表示45の場合を例示してある)。
本第1実施形態においてクリック感発生部50は、図6、図7、図9、図12に示すように、上枠部材4に設けた一対のバネ脚51と、外容器3に設けた一対の脚入れ部52とによって構成されたものを示してある。
なお、わざわざ段差55を形成させなくとも、蓋部材5の下端縁を下方へ延長して、上枠部材4におけるリング壁33の外面を外嵌させるような構造に代えてもよい。
なお、蓋部材5の下端縁を外容器3まで延長させて、この外容器3(環状平坦面25に設ける段差部や外容器3の外周面など)と係合させるようにすることで、上枠部材4の横スライドを邪魔させる構造としてもよい。
図1及び図10に示すように、上枠部材4が外容器3と同心位置にあるときに上枠部材
4を横スライド(往動)させて偏心させ、この状態を保持させたまま外容器3の嵌合凹部9へ内容器2を嵌め入れる。
一方で、内容器2の充填凹部8に詰めた内容物が無くなった場合などには、上枠部材4を横スライド(往動)させて偏心させ、外容器3の嵌合凹部9から内容器2を取り出す。その後は、新たに準備した内容器2を上記と同じ手順で外容器3へ嵌め入れればよい。
本第2実施形態の本発明容器1が第1実施形態(図1乃至図12)と最も異なるところは、外容器3と上枠部材4との両者間に、上枠部材4が係合状態から非係合状態へ横スライドする(往動時)ときに、押し返し方向(復動方向)へ向けた弾性力を強める自己復帰部材60が設けられている点にある。
自己復帰部材60は、シリコンゴムなどの弾性材により形成した丸棒状のものを、上枠部材4の横スライド方向に軸線を揃えるように配置するものとした。
本第2実施形態では更に、上枠部材4に設けるシャッター部36の爪用シャッター部36Aに対して、その内部の片面にカム傾斜が付与されたものとした。このカム傾斜は、上からの押圧力を、上枠部材4が横スライドするうちの往動に変換できるようにしたものである。
なお、同じ作用を得るうえでは、上枠部材4の爪受け凹部23Aにカム傾斜を設けるのに代えて、内容器2の爪形凸部20Aに対してカム傾斜を設けるようにしてもよい。この場合は、作用方向を同じにするためにカム傾斜の傾きは逆向きにすることは言うまでもない。
ところで、本発明は、前記各実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて更に適宜変更可能である。
例えば、内容器2の外面に係合凸部20を設けるのに代えて、外周面を凹ませた係合凹部を設けることも可能である。この場合は、この係合凹部と凹凸係合する凸部を、外容器3の嵌合凹部9に設けておけばよい。
また内容器2を平面視が角形の箱形にしたり、外容器3や蓋部材5の外形状を角柱状にしたりすることは任意に採用可能である。
上枠部材4において、外容器3や蓋部材5と外周面よりも外方へ張り出す形状にするこ
ともできる。
従って例えば、上枠部材4が外容器3の図心から偏心した状態を横スライド前の状態(未操作の状態)とおいて、横スライド後に上枠部材4が外容器3の図心と同心となるような構造を採用することも可能である。
2 内容器
3 外容器
4 上枠部材
5 蓋部材
7 口部
8 充填凹部
9 嵌合凹部
10 開口
11 中央口
12 雄ネジ
13 雌ネジ
15 フランジ部
20 係合凸部
20A 爪形凸部
20B ブロック形凸部
21 隙間
23 位置決め凹部
23A 爪受け凹部
23B ブロック受け凹部
25 環状平坦面
26 規制面
27 レール部
30 浮上防止部
33 リング壁
34 内鍔部
36 シャッター部
36A 爪用シャッター部
36B ブロック用シャッター部
37 挟持対壁
38 レールフック部
39 スライド部
42 切欠
45 立体表示
50 クリック感発生部
51 バネ脚
52 脚入れ部
55 段差
56 ストッパ部
60 自己復帰部材
Claims (4)
- 内容物を詰める充填凹部が設けられた内容器と、
前記内容器を嵌め入れる嵌合凹部が設けられた外容器と、
前記外容器上で当該外容器と離脱不能のまま直線状に横スライド自在に保持されて前記嵌合凹部を常に上方へ開放させる中央口が設けられた上枠部材と、を有し、
前記内容器には、前記外容器の嵌合凹部に嵌り込む外側面位置で横突出させた係合凸部又は外周面を凹ませた係合凹部が設けられており、
前記上枠部材には、前記外容器の嵌合凹部に嵌められた前記内容器の係合凸部又は係合凹部に対して横スライドの往動と復動とにより当該内容器の浮上を阻止する係合状態と係合を解除する非係合状態とに切り替わるシャッター部が設けられている
ことを特徴とする複合容器。 - 前記上枠部材は、前記係合状態で前記外容器の嵌合凹部と図心を一致させると共に前記非係合状態で前記嵌合凹部の図心から横方向へ位置ズレする構成とされており、
前記上枠部材が前記係合状態から前記非係合時状態へ横スライドするとき及び/又は前記非係合状態から前記係合状態へ横スライドするときに弾発性係合と解放とを行ってクリック感を発生させるクリック感発生部が当該上枠部材と前記外容器との間に設けられていることを特徴とする請求項1記載の複合容器。 - 前記外容器と前記上枠部材との両者間には、前記上枠部材が前記係合状態から前記非係合状態へ横スライドすることで押し返し方向へ向けた弾性力を強める自己復帰部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の複合容器。
- 前記内容器の充填凹部を開閉する蓋部材が前記外容器、前記内容器、前記上枠部材のうち一つに係合離脱自在に設けられており、
前記蓋部材には、前記内容器の充填凹部を閉鎖時において前記上枠部材又は前記外容器に係合することにより前記上枠部材の横スライドを邪魔するストッパ部が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の複合容器。
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