JP6585579B2 - インプラント - Google Patents

インプラント Download PDF

Info

Publication number
JP6585579B2
JP6585579B2 JP2016244032A JP2016244032A JP6585579B2 JP 6585579 B2 JP6585579 B2 JP 6585579B2 JP 2016244032 A JP2016244032 A JP 2016244032A JP 2016244032 A JP2016244032 A JP 2016244032A JP 6585579 B2 JP6585579 B2 JP 6585579B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
implant
male screw
fixture
post
hole
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016244032A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018094280A (ja
Inventor
卓哉 畑中
卓哉 畑中
謙次 藤川
謙次 藤川
Original Assignee
東海部品工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 東海部品工業株式会社 filed Critical 東海部品工業株式会社
Priority to JP2016244032A priority Critical patent/JP6585579B2/ja
Publication of JP2018094280A publication Critical patent/JP2018094280A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6585579B2 publication Critical patent/JP6585579B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Dental Prosthetics (AREA)

Description

本発明は、例えば、歯科用のインプラントに係り、特に、接着剤の粘膜側への流出を防止し、接着剤中で繁殖している細菌に起因したインプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎のリスクを減少させることができるように工夫したものに関する。
従来のインプラントを開示するものとして、例えば、特許文献1、等がある。
特許文献1に記載されたインプラントは、人工歯根部と、この人工歯根部に固着されるアバットメントと、から構成されている。
上記人工歯根部は、例えば、チタン製であり、顎骨に螺合される雄ネジ部が形成された歯根部本体と、この歯根部本体の基端側から軸方向に突出される支柱部と、この支柱部の基端部に設けられた略器形状の受部と、から構成されている。
上記アバットメントは、例えば、レジン製であり、上記人工歯根部の支柱部によって貫通される貫通孔が形成されている。また、上記アバットメントの下端側は上記受部に対応した形状となっている。上記アバットメントには、人工の歯であるクラウンが固着される。
特許文献1に記載されたインプラントは、次のようにして用いられる。
まず、顎骨に下穴をあけ、この下穴に上記人工歯根部を螺合・設置する。それにより上記人工歯根部の支柱部と受部が粘膜を貫通した状態となる。
次に、上記人工歯根部に上記アバットメントを取り付ける。すなわち、上記アバットメントの貫通孔に上記人工歯根部の支柱部を圧入させ、上記アバットメントの下端と上記人工歯根部の受部が当接するまで押し込む。
なお、特許文献1には記載されていないが、上記人工歯根部に上記アバットメントを確実に固定するために接着剤が塗布されていて、その状態で上記アバットメントが上記人工歯根部に圧入される。
次に、上記アバットメントに人工の歯であるクラウンを被冠させる。
特許第5487415号公報
上記従来の構成によると次のような問題があった。
上記したように、上記人工歯根部と上記アバットメントを確実に固定するために接着剤を用いるが、上記アバットメントを上記人工歯根部に圧入する際、余剰の接着剤がアバットメントに掻き出されて粘膜側に流出してしまうことが懸念される。上記接着剤は吸水性であり細菌が繁殖しやすく、上記接着剤が粘膜側に流出するとそこに含まれている細菌によってインプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎のリスクが高まってしまうという問題があった。
本願発明はこのような点に基づいてなされたもので、その目的とするところは、接着剤の粘膜側への流出を防止し、接着剤中で繁殖している細菌に起因したインプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎のリスクを減少させることができるインプラントを提供することにある。
上記課題を解決するべく請求項1記載のインプラントは、顎骨に螺合される雄ネジ部と粘膜を貫通し外部に突出される支柱部とからなるフィクスチャと、上記支柱部により貫通される貫通孔が形成され該貫通孔の雄ネジ部側部分上記支柱部の雄ネジ部側部分圧入されることにより上記フィクスチャに固定されるインプラントポストと、を具備し、上記フィクスチャの支柱部の反雄ネジ部側部分と上記インプラントポストの貫通孔の反雄ネジ部側部分との間には接着剤充填用隙間が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項2記載のインプラントは、請求項1記載のインプラントにおいて、上記接着剤充填用隙間の少なくとも一部は凸凹状に形成されていることを特徴とするものである。
又、請求項3記載のインプラントは、請求項2記載のインプラントにおいて、上記フィクスチャの支柱部の反雄ネジ部側部分と上記インプラントポストの貫通孔の反雄ネジ部側部分の少なくとも一方には凹凸が形成されていることを特徴とするものである。
又、請求項4記載のインプラントは、請求項1〜請求項3の何れかに記載のインプラントにおいて、上記フィクスチャの支柱部は多角柱形状を成しており、上記インプラントポストの貫通孔の断面形状は多角形形状をなしていることを特徴とするものである。
又、請求項5記載のインプラントは、請求項4記載のインプラントにおいて、上記フィクスチャの支柱部の反雄ネジ部側部分は雄ネジ部側部分以上の角数の多角形状であり、上記インプラントポストの貫通孔の反雄ネジ部側部分の断面形状雄ネジ部側部分の断面形状の角数以上の多角形形状であることを特徴とするものである。
又、請求項6記載のインプラントは、請求項1〜請求項5の何れかに記載のインプラントにおいて、上記フィクスチャの上記雄ネジ部と上記支柱部との間には治具によって把持される被把持部が設けられていることを特徴とするものである。
又、請求項7記載のインプラントは、請求項6記載のインプラントにおいて、上記被把持部の雄ネジ部側には雄ネジ部より大径の円柱形状部が形成されていることを特徴とするものである。
以上述べたように、請求項1記載のインプラントは、顎骨に螺合される雄ネジ部と粘膜を貫通し外部に突出される支柱部とからなるフィクスチャと、上記支柱部により貫通される貫通孔が形成され該貫通孔の少なくともフィクスチャ側部分が上記支柱部の雄ネジ部側部分に圧入されることにより上記フィクスチャに固定されるインプラントポストと、を具備し、上記フィクスチャの支柱部の反雄ネジ部側部分と上記インプラントポストの貫通孔の反フィクスチャ側部分との間には接着剤充填用隙間が設けられているので、上記フィクスチャの支柱部が上記インプラントポストの貫通孔に圧入された部分によって上記インプラントポスト側から粘膜側への上記接着剤の流出を防止でき、これにより粘膜側に流出した接着剤に繁殖する細菌に起因するインプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎のリスクを減少させることができる。また、上記インプラントポストを設置した後に上記インプラントポストの貫通孔と上記フィクスチャの支柱部の間の隙間に反雄ネジ部側から容易に接着剤を充填させることができる。このことによって、インプラントポスト設置前にフィクスチャに接着剤を塗布した後に上記インプラントポストを取り付ける場合に生じるような接着剤の漏れがない構成となっている。
又、請求項2記載のインプラントは、請求項1記載のインプラントにおいて、上記接着剤充填用隙間の少なくとも一部は凸凹状に形成されているので、これら凹凸部の隙間に浸入し固化された接着剤によって上記フィクスチャと上記インプラントポストを強固に固定できる。
又、請求項3記載のインプラントは、請求項2記載のインプラントにおいて、上記フィクスチャの支柱部の反雄ネジ部側部分と上記インプラントポストの貫通孔の反フィクスチャ側部分の少なくとも一方には凹凸が形成されているので、簡易な構成により上記フィクスチャと上記インプラントポストを強固に固定できる。
又、請求項4記載のインプラントは、請求項1〜請求項3の何れかに記載のインプラントにおいて、上記フィクスチャの支柱部と上記インプラントポストの貫通孔は多角形形状をなしているので、簡易な構成により上記フィクスチャと上記インプラントポストの回り止めを実現できる。
又、請求項5記載のインプラントは、請求項4記載のインプラントにおいて、上記フィクスチャの支柱部の反雄ネジ部側部分は雄ネジ部側部分以上の角数の多角形形状であり、上記インプラントポストの貫通孔の反フィクスチャ側部分はフィクスチャ側部分以上の角数の多角形形状であるので、上記フィクスチャの支柱部の反雄ネジ部側部分をその径に対して横断面面積が大きくなり、強度を高めることができる。
又、請求項6記載のインプラントは、請求項1〜請求項5の何れかに記載のインプラントにおいて、上記フィクスチャの上記雄ネジ部と上記支柱部との間には治具によって把持される被把持部が設けられているので、上記フィクスチャを容易に設置又は除去することができる。
又、請求項7記載のインプラントは、請求項6記載のインプラントにおいて、上記被把持部の雄ネジ部側には雄ネジ部より大径の円柱形状部が形成されているので、この円柱形状部において顎骨との隙間を小さくし、上記顎骨と上記雄ネジ部との間の隙間に上記顎骨の再生を阻害する軟組織が侵入してしまうことを防止できる。
本発明の一実施の形態を示す図で、インプラントの使用状態を示す正面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図2(a)はフィクスチャの正面図、図2(b)は図2(a)のIIb−IIb矢視図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図3(a)はインプラントポストの正面図、図3(b)は図3(a)のIIIb−IIIb断面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、顎骨に螺合させたフィクスチャにインプラントポストを設置した状態を示す図で、上記インプラントポストを上記フィクスチャの支柱部に目一杯圧入した状態を示す図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、顎骨に螺合させたフィクスチャにインプラントポストを設置した状態を示す図で、上記インプラントポストを上記フィクスチャの支柱部の先端部に圧入した状態を示す図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図6(a)はフィクスチャの支柱部にインプラントポストを設置した状態を示す断面図、図6(b)は図6(a)のVIb部の拡大図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図7(a)はインプラントポストの変形例を示す正面図、図7(b)はインプラントポストの変形例を示す正面図、図7(c)はインプラントポストの変形例を示す正面図である。
以下、図1乃至図7を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。
この一実施の形態によるインプラント1は、図1に示すように、フィクスチャ3と、このフィクスチャ3に取り付けられるインプラントポスト5と、から構成されている。上記フィクスチャ3は、例えば、顎骨7に形成された下穴9の雌ねじ部に螺合され、そこに上記インプラントポスト5が取り付けられ、さらに、そのインプラントポスト5に人工の歯であるクラウン(図1中仮想線で示す)11が被冠・固定される。
上記フィクスチャ3は、例えば、チタン製であり、図2(a)に示すように、雄ねじ部13を有していて、この雄ねじ部13が上記顎骨7に形成された下穴9の雌ねじ部に螺合される。
なお、上記雌ねじ部は下穴9に予め形成されていることになるが、上記雄ねじ部13にセルフタップ機能を持たせるようにしてもよい。
上記雄ねじ部13の図2(a)中上側にはテーパ部14を挟んで円柱形状部15が形成されている。この円柱形状部15の外径は上記雄ねじ部13の外径以上に設定されている。上記下穴9の上端には若干大径に形成されておりそこに上記円柱形状部15が着座される。それによって、上記下穴9内への軟組織の侵入を防止している。仮に、上記軟組織が上記下穴9内に侵入してしまうと、上記軟組織によって上記下穴9内での上記顎骨7の再生が阻害されてしまう。
また、上記円柱形状部15の図2(a)中上側には被把持部17が形成されている。この被把持部17は、図2(b)に示すように、多角柱(この一実施の形態の場合は6角柱)形状をなしていて、上記フィクスチャ3を上記顎骨7に螺合させる際や、上記フィクスチャ3を上記顎骨7から撤去する際に、図示しない治具によって把持される。
また、上記被把持部17の図2(a)中上側には、支柱部19が形成されている。この支柱部19は、図2(b)に示すように多角柱(例えば、この一実施の形態の場合は6角柱)形状をなしている。また、図2(a)に示すように、上記支柱部19の基端側(図2(a)中下端側)の外周面は、凹凸が設けられていない滑面部21となっており、一方、先端側(図2(a)中上端側)の外周面は、複数の環状の凹凸が形成された粗面部23となっている。上記支柱部19は上記雄ネジ部13よりも小径となっている。また、上記滑面部21よりも上記粗面部23の方が、僅かに小径となっている。
なお、上記フィクスチャ3の寸法は、一例として、全長(図2(a)中上下方向の大きさ)が18mm、雄ネジ部13の外径が3mm、上記支柱部19の高さ(図2(a)中上下方向の大きさ)が8mm、上記支柱部19の粗面部23は先端(図2(a)中上端)から4mmまでの範囲となっている。
上記インプラントポスト5は、例えば、PEEK(Poly Ether Ether Ketone、ポリエーテルエーテルケトン)製であり、図3(a)に示すように、基端部25と、この基端部25の上に形成されたクラウン装着部27と、から構成されている。上記基端部25は基端側(図3中下側)に向かって縮径されていて、上記クラウン装着部27との境界部は鍔部25aとなっている。上記クラウン装着部27は先端側(図3(a)中上側)に向かって縮径される略円錐台形状をなしている。
また、図3(b)に示すように、上記インプラントポスト5には、軸方向(図3(b)中上下方向)に延長された貫通孔29が形成されている。この貫通孔29は、上記フィクスチャ3の支柱部19の横断面形状に対応した多角形(この一実施の形態の場合は六角形)の横断面形状をなしている。
また、図3(b)に示すように、上記貫通孔29の基端側(図3(b)中下側)の内周面は凹凸が設けられていない滑面部31となっており、上記貫通孔29の先端側(図3(b)中上側)の内周面は複数の環状の凹凸が形成された粗面部33となっている。上記滑面部31よりも、上記粗面部33の方が僅かに大径となっている。
上記インプラントポスト5が上記支柱19に取り付けられる際、図1に示すように、上記貫通孔29の上記滑面部31に上記支柱19の上記滑面部21が圧入されて、上記インプラントポスト5が上記支柱19に取り付けられることになる。
なお、上記粗面部33は、例えば、先端(図3(b)中上端)から4mmまでの範囲となっている。
また、例えば、図1に示すように、上記支柱部19と上記貫通孔29との間の先端側(図1中上側)には接着剤充填用隙間34が形成される。
また、図4、図5に示すように、上記フィクスチャ3を上記顎骨7に螺合させる深さや粘膜35の厚さ等によって、上記インプラントポスト5の滑面部31に対する上記支柱19の滑面部21の圧入量が異なる。
ちなみに、図4、図5に示す場合は粘膜35の厚さが異なっている。
図4に示すように、上記インプラントポスト5を目一杯圧入する場合には、上記支柱部19の先端側(図4中上側)が上記インプラントポスト5の図4中上側に突出されてしまうが、その突出された部分(図4中仮想線で示す)は、例えば、切削によって除去される。一方、図5に示すように、上記スンプラントポスト5の滑面部31を支柱部19の滑面部21に目一杯圧入しない場合には、上記インプラントポスト5の貫通孔29の図5中上側に空間39が生じることになる。
上記フィクスチャ3に上記インプラントポスト5を取り付けた後、上記接着剤充填用隙間34内に接着剤37が充填される。その後所定の養生期間を経て確実に固定される。
なお、図5に示す場合には、上記空間39にも上記接着剤37が充填される。
上記接着剤37は、図示しない2種類の液体材料を混合して、所定の時間が経過することで固化されるものである。また、上記図示しない2種類の液体材料の混合比率によって、その粘性を調整することができる。この一実施の形態の場合は、固化していない状態の上記接着剤37の流動性が高くなるように調整される。これにより、接着剤充填用隙間34に上記接着剤37を確実に充填することができる。
なお、上記支柱部19の滑面部21に上記インプラントポスト5の滑面部31が圧入された部分には隙間がなく、よって、上記接着剤充填用隙間34に充填された接着剤37がその圧入された側に流入することはない。これにより、上記接着剤37の粘膜35側への漏れを防止している。
上記支柱部19と上記インプラントポスト5の間から粘膜35側への上記接着剤37の漏れを防止することで、漏れ出した上記接着剤37に歯周病菌等が繁殖することに起因する粘膜35側でのインプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎のリスクを減少させることができる。
また、圧入部分には隙間がないことから、歯周病菌等のインプラント1内部への進入を防止することができる。
また、インプラントポスト5の形状には、図7(a)乃至図7(c)に示すように様々な変形例が考えられる。何れも上記貫通孔29内の構成及び上記支柱部19との隙間の大きさについては、前記したものと同様となっている。
次に、この一実施の形態による作用を説明する。
インプラント1の顎骨7への設置作業は、次のようにして行われる。
まず、上記顎骨7に、図示しないドリルによって下穴9が穿孔される。
次に、上記下穴9にフィクスチャ3の雄ネジ部13を螺合させて、上記顎骨7に上記フィクスチャ3を設置する。このとき、図示しない治具によって被把持部17を掴み、上記フィクスチャ3を回転させることで、上記雄ネジ部13の螺合を行う。
次に、インプラントポスト5を上記フィクスチャ3の支柱部19に設置する。このとき、上記インプラントポスト5の貫通孔29の滑面部31内に上記フィクスチャ3の支柱部19の滑面部21を圧入し、図4、図5に示すように、所定の高さ(図4又は図5中上下方向の位置)に設置する。
次に、上記支柱部19の先端側が上記インプラントポスト5から突出すれば、この突出した部分を切削して除去する。
次に、図示しない2種類の液体材料を所定の比率で混合して、流動性の高い接着剤37を調製する。
次に、上記接着剤37を図4、図5中上側から上記フィクスチャ3の支柱部19と上記インプラントポスト5の貫通孔29との間の接着剤充填用隙間34に充填する。図5に示すように、上記インプラントポスト5の貫通孔29の上側に空間39が生じる場合は、この空間39にも上記接着剤37を充填する。
上記貫通孔29の滑面部31に上記支柱部19の滑面部21を圧入しているので、充填した接着剤37が上記圧入側に流入することはなく、また、プラントポスト5の図4、図5中下側から粘膜35側へと漏れ出てしまうこともない。当然のことながら、歯周病菌等がインプラント1内部への進入することもない。
次に、所定期間養生した後、上記インプラントポスト5のクラウン装着部27に、図示しない接着剤を塗布し、クラウン11を装着する。
次に、この一実施の形態による効果を説明する。
まず、フィクスチャ3にインプラントポスト5を固定する際、上記インプラントポスト5の貫通孔29の滑面部31に上記フィクスチャ3の支柱部19の滑面部21を圧入するようにし該圧入部への接着剤37の流入を規制しているので、上記支柱部19と上記インプラントポスト5のとの間の接着剤充填用隙間34に充填された接着剤37が粘膜35側へ漏れ出ることを防止することができ、それによって、接着剤37に繁殖する歯周病菌等に起因するインプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎のリスクを減少させることができる。
そもそも、本願発明の場合には、従来のように、支柱部19に接着剤37を塗布した後、インプラントポスト5を圧入するのではなく、圧入後に、接着剤充填用隙間34に接着剤37を充填するようにしているので、余分な接着剤37が粘膜35側に掻き出されるようなこともない。
また、上記フィクスチャ3の支柱部19の径は、図6(b)中下側に配置されている滑面部21よりも、図6(b)中上側に配置されている粗面部23の方が小さく設定されていて、上記インプラントポスト5の貫通孔29の径は、図6(b)中下側に配置されている滑面部31よりも、図6(b)中上側に配置されている粗面部33の方が大きく設定されているので、簡易な構成により上記接着剤充填用隙間34を形成することができる。
また、上記支柱部19と上記貫通孔29との間の隙間の大きさが2段階に変化するように構成されているため、簡易な構成により、インプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎のリスクを減少させることができる。
また、上記支柱部19と貫通孔29は、多角形(この一実施の形態の場合は六角形)の横断面形状となっているので、簡易な構成により上記フィクスチャ3と上記インプラントポスト5の回り止めを実現できる。
また、上記支柱部19の先端側(図2(a)中上端側)は、複数個の環状の凹凸が形成された粗面部23となっており、上記貫通孔29の先端側(図3(b)中上側)も複数の環状の凹凸が形成された粗面部33となっているので、上記粗面部23と上記粗面部33との隙間に接着剤37が浸入して固化することで上記フィクスチャ3と上記インプラントポスト5を強固に固定することができる。
また、上記フィクスチャ3には被把持部17が形成されているので、図示しない治具によって上記フィクスチャ3を容易に設置又は除去することができる。
また、上記支柱部19は上記雄ネジ部13よりも小径となっているので、上記支柱部19に応力が集中し、仮に上記フィクスチャ3が破損したとしても上記支柱部19が破損するだけとなり、顎骨7に螺合された上記雄ネジ部13の破損が防止され、これにより、破損した場合であっても上記フィクスチャ3の撤去を容易に行うことができる。上記被把持部17は、上記支柱部19が破損した際の上記フィクスチャ3の撤去においても効果的である。
また、上記フィクスチャ3には円柱形状部15が形成されているので、この円柱形状部15において顎骨7の下穴9との隙間を小さくし、上記下穴9内での上記顎骨7の再生を阻害する軟組織の侵入を防止できる。
なお、本願発明は、前記一実施の形態に限定されない。
支柱部の基端側よりも先端側をより角数の多い多角柱形状とすることも考えられる。例えば、基端側を六角柱、先端側を十二角柱とすることが考えられる。このような構成とすると、上記支柱部の先端側は、その径に対して横断面面積が大きくなるので、強度を高めることができる。
また、接着剤充填用隙間が、図6(a)中下側から上側に向かって徐々に広くなるように構成する、或いは、段階的に広くなるように構成する、場合も考えられる。
また、圧入部についてもテーパ状にする等様々な構成が考えられる。
また、フィクスチャの支柱部の先端側の径を小さくすることのみによって接着剤充填用隙間を形成する場合や、インプラントポストの貫通孔の先端側の径を大きくすることのみによって接着剤充填用隙間を形成する場合も考えられる。
また、凹凸がフィクスチャの支柱部とインプラントポストの貫通孔の何れか一方に設けられている場合も考えられる。この場合は、構成がより簡易なものとなる。
また、インプラントポストの材質は、様々な場合が考えられる。特に、高分子ポリマーで弾性のあるものは、フィクスチャの支柱部への圧入が容易である。
その他、各構成要素の形状、大きさ、材質などは一例であり、上記一実施の形態に記載されるものではない。
本発明は、例えば、歯科用のインプラントに係り、特に、接着剤の粘膜側への流出を防止し、接着剤中で繁殖している細菌に起因したインプラント周囲粘膜炎やインプラント周囲炎のリスクを減少させることができるように工夫したものに係り、例えば、ヒトの顎骨に装着されるインプラントに好適である。
1 インプラント
3 フィクスチャ
5 インプラントポスト
13 雄ネジ部
15 円柱形状部
17 被把持部
19 支柱部
21 滑面部(支柱部の雄ネジ部側部分)
23 粗面部(支柱部の反雄ネジ部側部分)
29 貫通孔
31 滑面部(貫通孔のフィクスチャ側部分)
33 粗面部(貫通孔の反フィクスチャ側部分)
34 接着剤充填用隙間

Claims (7)

  1. 顎骨に螺合される雄ネジ部と粘膜を貫通し外部に突出される支柱部とからなるフィクスチャと、
    上記支柱部により貫通される貫通孔が形成され該貫通孔の雄ネジ部側部分上記支柱部の雄ネジ部側部分圧入されることにより上記フィクスチャに固定されるインプラントポストと、
    を具備し、
    上記フィクスチャの支柱部の反雄ネジ部側部分と上記インプラントポストの貫通孔の反雄ネジ部側部分との間には接着剤充填用隙間が設けられていることを特徴とするインプラント。
  2. 請求項1記載のインプラントにおいて、
    上記接着剤充填用隙間の少なくとも一部は凸凹状に形成されていることを特徴とするインプラント。
  3. 請求項2記載のインプラントにおいて、
    上記フィクスチャの支柱部の反雄ネジ部側部分と上記インプラントポストの貫通孔の反雄ネジ部側部分の少なくとも一方には凹凸が形成されていることを特徴とするインプラント。
  4. 請求項1〜請求項3の何れかに記載のインプラントにおいて、
    上記フィクスチャの支柱部は多角柱形状を成しており、上記インプラントポストの貫通孔の断面形状は多角形形状をなしていることを特徴とするインプラント。
  5. 請求項4記載のインプラントにおいて、
    上記フィクスチャの支柱部の反雄ネジ部側部分は雄ネジ部側部分以上の角数の多角形状であり、
    上記インプラントポストの貫通孔の反雄ネジ部側部分の断面形状雄ネジ部側部分の断面形状の角数以上の多角形形状であることを特徴とするインプラント。
  6. 請求項1〜請求項5の何れかに記載のインプラントにおいて、
    上記フィクスチャの上記雄ネジ部と上記支柱部との間には治具によって把持される被把持部が設けられていることを特徴とするインプラント。
  7. 請求項6記載のインプラントにおいて、
    上記被把持部の雄ネジ部側には雄ネジ部より大径の円柱形状部が形成されていることを特徴とするインプラント。
JP2016244032A 2016-12-16 2016-12-16 インプラント Active JP6585579B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016244032A JP6585579B2 (ja) 2016-12-16 2016-12-16 インプラント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016244032A JP6585579B2 (ja) 2016-12-16 2016-12-16 インプラント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2018094280A JP2018094280A (ja) 2018-06-21
JP6585579B2 true JP6585579B2 (ja) 2019-10-02

Family

ID=62634161

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016244032A Active JP6585579B2 (ja) 2016-12-16 2016-12-16 インプラント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6585579B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7427244B2 (ja) * 2020-05-25 2024-02-05 医療法人社団アイ・ティー 歯科インプラント用フィクスチャー
CN115105233B (zh) * 2022-07-06 2023-12-01 广东中科安齿生物科技有限公司 一种基台螺丝通道填充柱及其制备方法

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US20080206709A1 (en) * 2007-02-27 2008-08-28 Lannan William G Gingival support sleeve
US8038442B2 (en) * 2007-04-23 2011-10-18 Nobel Biocare Services Ag Dental implant and dental component connection
JP5514972B2 (ja) * 2009-12-10 2014-06-04 株式会社ナントー精密 インプラント
EP2347729A1 (de) * 2010-01-21 2011-07-27 Camlog Biotechnologies AG Zahnimplantat, Abutment für ein Zahnimplantat und Kombination davon sowie ein Implantations-Set
JP2013244216A (ja) * 2012-05-25 2013-12-09 Nanto Precision Co Ltd インプラント及びアバットメント体

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018094280A (ja) 2018-06-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20100055646A1 (en) Bionic dental implant
WO2006081815A2 (de) Zahnimplantat
JP6585579B2 (ja) インプラント
FR2814058A1 (fr) Jeu d'implants et implants correspondants
WO2014026706A1 (de) Sekundärteil, set, dentalimplantat, gingivaformer, abformteil, dentalimplantatsystem und verfahren zur herstellung eines implantats
PT1529497E (pt) Componente de implante dentário
CN101357080A (zh) 一种螺纹状种植体
JP2010519995A (ja) 歯科インプラント、橋脚歯構造および歯科インプラントを移植する方法
WO2010106777A1 (ja) 歯科用インプラント及び歯科用インプラントのアバットメントスクリュー緩み止め方法
EP1704830A1 (de) Implantatanalog
KR102534609B1 (ko) 덴탈 임플란트의 볼트 체결 구조
EP2008612A1 (en) Improved dental implant
KR101028617B1 (ko) 임플란트용 어버트먼트
KR102262184B1 (ko) 골 소실의 방지를 위한 골내 치과용 임플란트 및 어버트먼트
JP2005270334A (ja) 歯科用インプラント
EP3721831B1 (de) Dentalimplantat und dentalimplantatsystem
DE4443051A1 (de) Implantat
EP2491888B1 (de) Verankerungsvorrichtung zum Befestigen von orthodontischen Drähten für eine kieferorthopädische Korrekturvorrichtung
DE102006036020A1 (de) Enossales Zahnimplantat
EP3777755B1 (de) Dentalimplantat und dentalimplantatsystem
ITMI971906A1 (it) Impianto dentale osteointegrato
JP2010136943A (ja) インプラント
DE202006011844U1 (de) Enossales Zahnimplantat
KR101597151B1 (ko) 치과용 임플란트
CN106559981B (zh) 基台以及基台组装体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170104

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180424

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190517

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190830

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190905

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6585579

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250