JP6585402B2 - 炉心監視システム及び炉心監視方法 - Google Patents

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Description

本発明の実施形態は、沸騰水型原子力発電プラントにおける、炉心監視技術に関する。
一般に、沸騰水型原子力発電プラント(BWR)では、燃料の健全性を保つために、線出力密度(LHGR)及び限界出力比(CPR)という2つの熱的状態値が制限値を超えないように、監視する必要がある。
ここでLHGRとは、燃料集合体内の燃料棒に対する単位長さあたりの熱出力であり、CPRとは、遷移沸騰が起こる燃料集合体出力と実際の燃料集合体出力との比である。
これら熱的状態値は通常、1時間周期又は運転員のオンデマンドにより起動される多群3次元炉心性能計算により求められる。
このように求められたLHGRやCPRが、制限値に達していなければ、運転員は、原子炉出力を上昇させることが可能と判断し、この判断に基づいて制御棒操作や炉心流量操作が継続される。
また、改良型沸騰水型原子力発電プラント(ABWR)では、運転の省力化やプラントの高速起動による経済性向上を目的として、自動出力調整装置が使用されている。
このようなABWRにおいては、簡易計算により、熱的状態値の簡易値を短周期で計算し、リアルタイムで得られるこの簡易値に基づき炉心監視を行っている。
特公平7−69451号公報 特開平3−128485号公報
一般的なBWRにおいて、熱的状態値は、1時間周期又は運転員のオンデマンドにより起動される多群3次元炉心性能計算により求められている。
しかし、この多群3次元炉心性能計算は、計算結果を得るのに現状では長時間(例えばおおよそ5分)要するため、炉心をリアルタイムで監視する用途に適さない。
また、上述したABWRでは、熱的状態値の簡易値を、平均出力モニタ(APRM)、局所出力領域モニタ(LPRM)、炉心流量、制御棒位置等のデータに基づいて簡易計算により求めている。
しかし、この熱的状態値の簡易値は、炉心のリアルタイム監視には適しているが、精度が低いため、係数等を設け評価が厳しくなる側に誤差が出るように簡易値が演算される。このため熱的状態値の簡易値が制限値に到達しないように、制御棒や炉心流量を操作するとなると、監視が過度に保守的となる問題がある。
この問題を解決するために、多群3次元炉心性能計算装置により炉心の燃焼度管理を行うとともに、それとは別個に、高速計算が可能な修正1群3次元炉心性能計算装置を設け、熱的状態値をリアルタイムで導く方法がある。
しかし、多群3次元炉心性能計算装置により長周期間隔で出力される熱的状態値と、修正1群3次元炉心性能計算装置により短周期間隔で出力される熱的状態値とでは、それぞれの計算で使用するデータの取得タイミングが相違するため、同じ出力タイミングであっても両者が乖離してしまう場合があるという課題が存在した。
本発明の実施形態はこのような事情を考慮してなされたもので、取得タイミングの一致したデータを計算で使用することにより、出力周期の異なる別々の装置から同じタイミングで出力される熱的状態値を、略一致させることができる炉心監視技術を提供することを目的とする。
実施形態に係る炉心監視システムにおいて、少なくとも原子炉熱出力及び原子炉圧力を計算するプロセス計算装置と、中性子エネルギーを3つ以上の群に分けてそれぞれに拡散方程式を立てて原子炉の出力分布を計算しさらにTIP走査により得たTIPデータから導いたベース分布学習に基づき長周期状態値を長周期毎に出力する多群3次元炉心性能計算装置と、少なくともAPRM値及びLPRM値に基づき炉心流量及び制御棒位置を制御するプラント制御装置と、中性子は高速中性子群及び熱中性子群のみが存在するものとし更にこれらの存在比率は一定であるとして計算を行う修正1群3次元炉心性能計算装置とを備え、前記修正1群3次元炉心性能計算装置は、前記ベース分布学習が終了したことを示すTIPトリガを前記多群3次元炉心性能計算装置から受信するTIPトリガ受信部と、前記多群3次元炉心性能計算装置における前記ベース分布学習を導いた前記TIPデータを取得して前記TIPトリガの受信を契機にベース分布を計算するベース分布計算部と、少なくとも前記原子炉熱出力、前記原子炉圧力、前記APRM値、前記LPRM値、前記炉心流量及び前記制御棒位置を取得して理論状態値を計算し、前記TIPトリガを受信した場合は新たに更新された前記ベース分布を用いて前記理論状態値を補正し、前記TIPトリガを受信しない場合は前回使用した前記ベース分布を用いて前記理論状態値を補正して短周期状態値を計算し前記長周期状態値よりも短周期で出力する短周期状態値計算部と、前記短周期状態値と比較するための制限値を記憶する記憶部と、前記短周期状態値が前記制限値を超えないように前記炉心流量及び前記制御棒位置の制御を調整する調整信号を前記プラント制御装置に出力する比較調整部と、を備えることを特徴とする。
本発明の実施形態により、取得タイミングの一致したデータを計算で使用することにより、出力周期の異なる別々の装置から同じタイミングで出力される熱的状態値を、略一致させることができる炉心監視技術が提供される。
本発明の第1実施形態に係る炉心監視システムを示すブロック図。 第1実施形態における修正1群3次元炉心性能計算装置の動作を説明するフローチャート。 第2実施形態に係る炉心監視システムを示すブロック図。 第2実施形態における修正1群3次元炉心性能計算装置の動作を説明するフローチャート。 第3実施形態に係る炉心監視システムを示すブロック図。 第4実施形態に係る炉心監視システムを示すブロック図。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように第1実施形態に係る炉心監視システム10A(10)は、少なくとも原子炉熱出力31及び原子炉圧力32を計算するプロセス計算装置11と、TIP走査により得たTIPデータ33から導いたベース分布学習に基づき長周期状態値を長周期毎に出力する多群3次元炉心性能計算装置12と、少なくともAPRM値35及びLPRM値36に基づき炉心流量37及び制御棒位置38を制御するプラント制御装置13と、修正1群3次元炉心性能計算装置20とから構成されている。
そして、修正1群3次元炉心性能計算装置20は、ベース分布学習が終了したことを示すTIPトリガ34を多群3次元炉心性能計算装置12から受信するTIPトリガ受信部21と、多群3次元炉心性能計算装置12におけるベース分布学習を導いたTIPデータ33を取得してTIPトリガ34の受信を契機にベース分布42を計算するベース分布計算部22と、少なくともベース分布42、原子炉熱出力31、原子炉圧力32、APRM値35、LPRM値36、炉心流量37及び制御棒位置38を取得して出力分布計算により短周期状態値43を前記長周期状態値よりも短周期で出力する短周期状態値計算部23と、短周期状態値43と比較するための制限値41を記憶する記憶部24と、短周期状態値43が制限値41を超えないように炉心流量37及び制御棒位置38の制御を調整する調整信号44をプラント制御装置13に出力する比較調整部25と、を備えている。
プロセス計算装置11は、原子炉のヒートバランス計算により原子炉熱出力31を計算する。この原子炉熱出力31は、単位時間あたりの原子炉内部での核反応により生じる熱量を表す物理量である。
そしてプロセス計算装置11は、プロセス計装からの入力に基づいて原子炉圧力32を計算する。この原子炉圧力32は、原子炉圧力容器の圧力を表す物理量である。
さらにプロセス計算装置11は、炉心の熱的状態値の監視に必要なFLPD制限値、FLCPR制限値を、修正1群3次元炉心性能計算装置20内の記憶部24に送信する。
この送信は長周期毎に(例えば10分周期)行われる。
FLPDとは、線出力密度(LHGR)と運転管理基準で定義された熱的制限値との比で表される。この線出力密度(LHGR)は、通常、その値そのもののではなく、FLPDによって監視される。このように定義されたFLPDは、1.0を超えないように監視されることになるが、更に余裕を見込み1.0よりも小さい値に設定されたFLPD制限値により監視が行われる。
線出力密度(LHGR)は、燃料集合体内の燃料棒の単位長さ当りの熱出力であり、それぞれの燃料集合体において複数の高さ(通常24か所)毎に計算されている。
線出力密度(LHGR)は、炉心内のどの箇所においても、運転管理基準にて規定された制限値を上回ってはならない。
FLCPRとは、限界出力比(CPR)と運転管理基準で定義された熱的制限値との比で表される。限界出力比(CPR)は、遷移沸騰が起こる燃料集合体熱出力と実際の燃料集合体熱出力との比であり、運転管理基準にて規定された制限値を上回ってはならない。
この限界出力比(CPR)は、通常、その値そのもののではなく、FLCPRによって監視されている。このように定義されたFLCPRは、1.0を超えないように監視されることになるが、更に余裕を見込み1.0よりも小さい値に設定されたFLCPR制限値により監視が行われる。
多群3次元炉心性能計算装置12は、中性子エネルギーを3つ以上の群(例えば、高速中性子群、熱中性子群、それらの中間の群など)に分け、それぞれに拡散方程式を立てて原子炉の出力分布(中性子束分布)を計算する。
この多群3次元炉心性能計算は、修正1群3次元炉心性能計算よりも計算精度が高いが、同等の計算能力を有する計算機を使用する場合、計算時間を多く要する。
ところで、修正1群3次元炉心性能計算や多群3次元炉心性能計算は、いずれも理論計算であるため、計算された中性子束分布と実測された中性子束分布との間には誤差が存在する。
そこで、TIP走査により定期的に(例えば月に1回)実測されるTIPデータ33と理論計算による計算値との比(以下、ベースという)を保存する。
そして多群3次元炉心性能計算装置12は、長周期毎に計算される中性子束分布の理論計算値に、補正のためのベースを乗算した長周期状態値を出力する。
ここでTIP走査とは、移動式炉心内計装系(TIP:Traversing Incore Probe)において原子炉内に挿入した稼働検出器により、原子炉の出力分布を実測することである。
この炉心性能計算結果を補正するための比をベースといい、このベースの炉内における分布をベース分布という。
移動式炉心内計装系(TIP)によりTIP走査が実施される度に、多群3次元炉心性能計算装置12おいてベース分布が更新される。
なお、多群3次元炉心性能計算装置12におけるベース分布の計算とは別に、修正1群3次元炉心性能計算装置20におけるベース分布42の計算が、同じTIPデータ33に基づき独自に実行される。
プラント制御装置13は、少なくともAPRM値35及びLPRM値36に基づき炉心流量37及び制御棒位置38を制御する
ここで、局部出力領域モニタ(LPRM:Local Power Range Monitor)とは、原子炉内の燃料集合体間に均等に多数設けられている中性子センサであり、LPRM値36とは、これら中性子センサの各々における中性子束の測定値である。
また平均出力領域モニタ(APRM:Average Power Range Monitor)とは、複数のLPRMを、配列の規則性に則っていくつかのグループに分類し、各々のグループに含まれる複数のLPRMの測定値を平均したAPRM値35を出力する。
修正1群3次元炉心性能計算装置20は、原子炉の出力分布の計算を、多群3次元炉心性能計算装置12よりも簡易的にかつ短周期で実行する。具体的に修正1群3次元炉心性能計算装置20は、中性子は高速中性子群及び熱中性子群のみが存在するものとし、更に、これらの存在比率は一定であるとして計算を行う。
図2のフローチャートに基づき、修正1群3次元炉心性能計算装置20Aの動作説明をする(適宜、図1参照)。
TIPトリガ受信部21が、多群3次元炉心性能計算装置12からTIPトリガ34を受信しない場合(S11 No)、短周期状態値計算部23は、短周期(例えば200ms周期)毎に、プラント制御装置13からAPRM値35、LPRM値36、炉心流量37及び制御棒位置38を取得し、プロセス計算装置11から原子炉熱出力31及び原子炉圧力を取得し、理論状態値を計算する。
さらに、短周期状態値計算部23は、前回使用したベース分布42を用いて、この理論状態値を補正した短周期状態値43を計算する(S13)。
一方において、TIPトリガ受信部21が、多群3次元炉心性能計算装置12からTIPトリガ34を受信した場合は(S11 Yes)、多群3次元炉心性能計算装置12からTIPデータ33を取得して、計算部22においてベース分布42の更新が行われる(S12)。
この場合、短周期状態値計算部23は、新たに更新されたベース分布42を用いて、理論状態値を補正し短周期状態値43を計算する(S13)。
なお計算された短周期状態値43は、上述したFLPD及びFLCPRに変換され、短周期毎に比較調整部25へ送られる。
比較調整部25は、短周期状態値計算部23から送られたFLPD及びFLCPRと、記憶部24に記憶されているFLPD制限値及びFLCPR制限値とを比較し、炉心流量37及び制御棒位置38の制御を調整する調整信号44をプラント制御装置13に出力する。
第1実施形態によれば、多群3次元炉心性能計算により出力される長周期状態値と、修正1群3次元炉心性能計算により出力される短周期状態値とでは、同じタイミングで取得したTIPデータ33がそれぞれの計算で使用されているため、同じタイミングで出力される両者は略一致している。
これにより、炉心の熱的状態値の監視を短周期でかつ高精度で行うことができ、過度に保守的にならない監視が可能となる。また、短周期による監視を継続しながら、TIP走査によるベース分布の学習を行うことが可能であり、監視を長時間継続することが可能となる。
(第2実施形態)
図3を用いて第2実施形態に係る炉心監視システム10B(10)を説明する。なお図1と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
LPRMは、炉心内に常時配置されているため、中性子照射を受け、感度が経年劣化する。そのため、増幅器のゲイン調整を行い、LPRMゲインを較正するという作業が定期的に行われる。このLPRMゲイン較正作業は手作業で行われ、すべてのLPRMゲイン較正が完了するのに長時間(例えば、数時間)要する。
このLPRMゲイン較正作業中は、増幅器のゲイン調整に伴い、急激にLPRM値が不連続変化するといった事象が発生する。
このため、修正1群3次元炉心性能計算装置20は、通常、LPRM値を使用して計算しているため、LPRMゲイン較正中は、通常とは異なる動作をする必要がある。
そこで第2実施形態の修正1群3次元炉心性能計算装置20Bは、LPRMゲインが較正中である場合、そのことを通知するフラグ51を多群3次元炉心性能計算装置12から受信する。
この修正1群3次元炉心性能計算装置20Bは、装置20A(図1)の構成に加えさらに、フラグ51を受信している期間中バイパス判定信号45を送信し、短周期状態値計算部23がLPRM値36を取得してもバイパス処理させるバイパス判定処理部26と、LPRMゲインの較正が完了しフラグ51の受信が停止したタイミングでLPRM値の較正定数の再計算及び更新を行うLPRM較正定数計算部27と、をさらに備えている。
ここで、バイパス処理とは、具体的には、短周期状態値計算部23における短周期状態値43の計算を停止させ炉心の監視を一時中断する処理である。
LPRM較正定数の計算とは、炉心性能計算により求まったLRPMの理論値とLPRM実測値の比を計算するというもので、この値に基づきプラント制御装置13にてLPRMのゲインが較正される。較正実施後は、プラント制御装置13より、較正済みのLPRM値が伝送されることとなるため、較正実施が完了したことを正しく認識できないと、短周期状態値計算部23における処理に対し誤った計算結果を出力してしまうという影響を及ぼす。
図4のフローチャートに基づき、修正1群3次元炉心性能計算装置20Bの動作説明をする(適宜、図3参照)。
バイパス判定処理部26が、多群3次元炉心性能計算装置12からLPRMゲイン較正中フラグ51を受信しない場合(S21 No)、短周期状態値計算部23は、通常通りプラント制御装置13からAPRM値35、LPRM値36、炉心流量37及び制御棒位置38を取得し、プロセス計算装置11から原子炉熱出力31及び原子炉圧力を取得し、さらにベース分布42を用いて、短周期状態値43を計算する(S25)。
一方において、バイパス判定処理部26が、多群3次元炉心性能計算装置12からLPRMゲイン較正中フラグ51を受信した場合は(S21 Yes)、取得されるLPRM値36が不安定な為、このフラグ51の受信が終了するまでバイパス処理がなされ実質的に炉心の監視が一時的に中断される(S22,S23 No)。
そして、フラグ51の受信が終了したところで(S23 Yes)、LPRM較正定数を更新し(S24)、短周期状態値43の計算を再開する(S25)。
第2実施形態によれば、LPRMゲイン較正作業中はFLPD、FLCPR(短周期状態値43)の計算を中止するため、誤った比較結果をプラント制御装置13に出力することを防止することができる。また、LPRMゲイン較正作業が終了したタイミングを検知し、LPRM較正定数を更新することで、それ以降受信するLPRM値を正しく認識することができ、次回以降のLPRM値を用いた修正1群3次元炉心性能計算を正しく再開することが可能となる。
(第3実施形態)
図5を用いて第3実施形態に係る炉心監視システム10C(10)を説明する。なお図1と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
第3実施形態は、第2実施形態におけるバイパス判定処理部26(図3)の構成に替えて、LPRMゲイン較正中フラグ51を受け取ると短周期状態値計算部23を、LPRM値を使用せずに熱的状態値を計算させるモードに切り替える計算モード切替部29をさらに備えている。
多群3次元炉心性能計算装置12は、LPRMゲイン較正中には計算モード切替部29に対して、LPRMゲイン較正中フラグ51を送信する。
修正1群3次元炉心性能計算装置20Cは、計算モード切替部29がLPRMゲイン較正中フラグ51を受信した場合と、その受信が終了した場合とにおいて、次のような異なる処理を行う。
計算モード切替部29が、多群3次元炉心性能計算装置12からLPRMゲイン較正中フラグ51を受信しない場合、短周期状態値計算部23は、通常通りプラント制御装置13からAPRM値35、LPRM値36、炉心流量37及び制御棒位置38を取得し、プロセス計算装置11から原子炉熱出力31及び原子炉圧力を取得し、さらにベース分布42を用いて、短周期状態値43を計算する。
一方において、計算モード切替部29が、多群3次元炉心性能計算装置12からLPRMゲイン較正中フラグ51を受信した場合は、取得されるLPRM値36が不安定な為、短周期状態値計算部23は、LPRM値は使わず、ベース分布を用いた計算を行う。
そして、フラグ51の受信が終了したところで、LPRM較正定数を更新し(S24)、通常の単周期状態値の計算を再開する。
通常、プラント運転中には定期的にLPRMゲイン較正作業を行う必要がある。しかし、LPRMゲイン較正作業は手作業で行われ、較正作業実施中は、LPRM値の示す値が突然変化するといった事象が起こる。
そのため、LPRMゲイン較正作業中にLPRM値を使用して短周期状態値43を計算すると、正しい計算結果を得られず、その結果、誤った比較結果をプラント制御装置13に出力する恐れがある。
このような事態を防止するために、従来では監視を一時中断していたが、この場合、LPRMゲイン較正中は炉心の監視ができないという課題が残る。
そこで第3実施形態によれば、LPRMゲイン較正作業中も、ベース分布から短周期状態値43の予測計算が可能となり、切れ目なく監視を継続することができる。また、LPRMゲイン較正作業が終了したタイミングを検知し、LPRM較正定数を更新することで、それ以降受信するLPRM値を正しく認識することができ、次回以降のLPRM値及びベース分布を用いた修正1群3次元炉心性能計算を正しく再開することが可能となる。
(第4実施形態)
図6を用いて第4実施形態に係る炉心監視システム10D(10)を説明する。なお図1と同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
第4実施形態における修正1群3次元炉心性能計算装置20Dは、第1実施形態の構成に加え、多群3次元炉心性能計算装置12で得られた高精度な補正データ52(例えばLPRM熱中性子照射量データ、制御棒照射量データ、ノード毎燃焼度データ)の受信を行う補正データ受信部28を備えている。
多群3次元炉心性能計算装置12は長周期毎(例えば1時間周期)に多群炉心性能計算を行い、補正データ52(例えば、LPRM熱中性子照射量データ、制御棒照射量データ、ノード毎燃焼度データ)を計算する。
この補正データ52が求まると、多群3次元炉心性能計算装置12は、補正データ52を、修正1群3次元炉心性能計算装置20Dの補正データ受信部28に送信する。その後、補正データ受信部28は、受信した補正データ52を、短周期状態値計算部23が内部保持する対応データに上書きする。
従来では、多群3次元炉心性能計算装置12も修正1群3次元炉心性能計算装置20も、独自にLPRM熱中性子照射量データ、制御棒照射量データ、ノード毎燃焼度データ等のデータを計算し、内部に保持しており、これらに基づいてそれぞれ3次元炉心性能計算を実施している。
しかし、多群3次元炉心性能計算と修正1群3次元炉心性能計算の精度には違いがあり、これらデータは両者の間で次第にずれていき、その結果求まる炉心性能計算結果にもずれが生じることとなる。
第4実施形態によれば、多群3次元炉心性能計算装置12が保持しているデータと修正1群3次元炉心性能計算装置20が保持しているデータを定期的に合わせこむことができ、両装置間で保持しているデータにずれが生じるのを防止するとともに、修正1群3次元炉心性能計算の精度を維持することが可能となる。
上述した第1実施形態から第4実施形態において、図示を省略するが、短周期状態値計算部23によって計算された各種データを履歴として記憶する履歴データ記憶装置、及びこの履歴データ記憶装置にて記憶したデータを表示する履歴データ表示装置をさらに備えている。
これにより、履歴データ記憶装置にアクセスし、任意の時刻の計算データを履歴として閲覧することができ、炉心の監視機能を向上させることができる。
以上述べた少なくともひとつの実施形態の炉心監視システムによれば、熱的状態値の計算に必要なベース分布を、同じタイミングで取得したTIPデータから導き出すことで、出力周期の異なる別々の装置から同じタイミングで出力される熱的状態値を、略一致させることが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10(10A,10B,10C,10D)…炉心監視システム、11…プロセス計算装置、12…次元炉心性能計算装置、13…プラント制御装置、20(20A,20B,20C,20D)…次元炉心性能計算装置、21…TIPトリガ受信部、22…ベース分布計算部、23…短周期状態値計算部、24…記憶部、25…比較調整部、26…バイパス判定処理部、27…LPRM較正定数計算部、28…補正データ受信部、29…計算モード切替部、31…原子炉熱出力、32…原子炉圧力、33…TIPデータ、34…TIPトリガ、35…APRM値、36…LPRM値、37…炉心流量、38…制御棒位置、41…制限値、42…ベース分布、43…短周期状態値、44…調整信号、45…期間中バイパス判定信号、51…LPRMゲイン較正中フラグ(フラグ)、52…補正データ。

Claims (5)

  1. 少なくとも原子炉熱出力及び原子炉圧力を計算するプロセス計算装置と、中性子エネルギーを3つ以上の群に分けてそれぞれに拡散方程式を立てて原子炉の出力分布を計算しさらにTIP走査により得たTIPデータから導いたベース分布学習に基づき長周期状態値を長周期毎に出力する多群3次元炉心性能計算装置と、少なくともAPRM値及びLPRM値に基づき炉心流量及び制御棒位置を制御するプラント制御装置と、中性子は高速中性子群及び熱中性子群のみが存在するものとし更にこれらの存在比率は一定であるとして計算を行う修正1群3次元炉心性能計算装置とを備え、
    前記修正1群3次元炉心性能計算装置は、
    前記ベース分布学習が終了したことを示すTIPトリガを前記多群3次元炉心性能計算装置から受信するTIPトリガ受信部と、
    前記多群3次元炉心性能計算装置における前記ベース分布学習を導いた前記TIPデータを取得して前記TIPトリガの受信を契機にベース分布を計算するベース分布計算部と、
    少なくとも前記原子炉熱出力、前記原子炉圧力、前記APRM値、前記LPRM値、前記炉心流量及び前記制御棒位置を取得して理論状態値を計算し、前記TIPトリガを受信した場合は新たに更新された前記ベース分布を用いて前記理論状態値を補正し、前記TIPトリガを受信しない場合は前回使用した前記ベース分布を用いて前記理論状態値を補正して短周期状態値を計算し前記長周期状態値よりも短周期で出力する短周期状態値計算部と、
    前記短周期状態値と比較するための制限値を記憶する記憶部と、
    前記短周期状態値が前記制限値を超えないように前記炉心流量及び前記制御棒位置の制御を調整する調整信号を前記プラント制御装置に出力する比較調整部と、を備えることを特徴とする炉心監視システム。
  2. 請求項1に記載の炉心監視システムにおいて、
    前記LPRM値のゲイン較正中である旨を通知するフラグを受信している期間中、バイパス判定信号を送信し、前記短周期状態値計算部が前記LPRM値を取得してもバイパス処理させるバイパス判定処理部と、
    前記ゲイン較正が完了し前記フラグの受信が停止したタイミングで前記LPRM値の較正定数の再計算及び更新を行うLPRM較正定数計算部と、をさらに備えることを特徴とする炉心監視システム。
  3. 請求項2に記載の炉心監視システムにおいて、
    前記バイパス判定処理部に替えて、前記フラグを受け取ると前記短周期状態値計算部を、前記LPRM値を使用せずに熱的状態値を計算させるモードに切り替える計算モード切替部を、さらに備えることを特徴とする炉心監視システム。
  4. 請求項1に記載の炉心監視システムにおいて、
    前記多群3次元炉心性能計算装置で得られたLPRM熱中性子照射量データ、制御棒照射量データ及びノード毎燃焼度データのうち少なくとも一つの補正データを受信し、前記短周期状態値計算部に内部保持させる補正データ受信部を、さらに備えることを特徴とする炉心監視システム。
  5. 少なくとも原子炉熱出力及び原子炉圧力を計算するプロセス計算装置と、中性子エネルギーを3つ以上の群に分けてそれぞれに拡散方程式を立てて原子炉の出力分布を計算しさらにTIP走査により得たTIPデータから導いたベース分布学習に基づき長周期状態値を長周期毎に出力する多群3次元炉心性能計算装置と、少なくともAPRM値及びLPRM値に基づき炉心流量及び制御棒位置を制御するプラント制御装置と、中性子は高速中性子群及び熱中性子群のみが存在するものとし更にこれらの存在比率は一定であるとして計算を行う修正1群3次元炉心性能計算装置とを備えるシステムの炉心監視方法であって、
    前記修正1群3次元炉心性能計算装置における処理が、
    前記ベース分布学習が終了したことを示すTIPトリガを前記多群3次元炉心性能計算装置から受信するステップと、
    前記多群3次元炉心性能計算装置における前記ベース分布学習を導いた前記TIPデータを取得して前記TIPトリガの受信を契機にベース分布を計算するステップと、
    少なくとも前記原子炉熱出力、前記原子炉圧力、前記APRM値、前記LPRM値、前記炉心流量及び前記制御棒位置を取得して理論状態値を計算し、前記TIPトリガを受信した場合は新たに更新された前記ベース分布を用いて前記理論状態値を補正し、前記TIPトリガを受信しない場合は前回使用した前記ベース分布を用いて前記理論状態値を補正して短周期状態値を計算し前記長周期状態値よりも短周期で出力するステップと、
    前記短周期状態値と比較するための制限値を記憶するステップと、
    前記短周期状態値が前記制限値を超えないように前記炉心流量及び前記制御棒位置の制御を調整する調整信号を前記プラント制御装置に出力するステップと、を含むことを特徴とする炉心監視方法。
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