JP6585379B2 - すべり支承の仮固定治具 - Google Patents
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Description
すなわち、すべり支承体の中心位置が回転によりずれることを防止することと、取り扱い易さと、をバランスよく解決できる仮固定治具が求められており、その点で改善の余地があった。
本発明に係るすべり支承の仮固定治具は、下側部材の上面に形成されたすべり面に摺動自在に配設される弾性支承部を仮固定するすべり支承の仮固定治具であって、前記下側部材の上面と前記弾性支承部とを連結する複数の本体治具を備え、前記下側部材および前記弾性支承部と、前記本体治具と、は接続部材を介して連結され、前記本体治具は、1方向に延びる略帯板状で、前記弾性支承部に連結される内端部と、前記下側部材に連結される外端部と、前記内端部と前記外端部との間の中間部と、を有する1部材から構成され、前記接続部材は、前記内端部に1つ設けられ、前記外端部に2つ設けられていることを特徴としている。
したがって、施工時に再度の位置合わせを行う必要がなくなり、すべり支承とすべり面とのそれぞれにケガキ線を設けるといった手間のかかる作業が不要となるうえ、仮固定治具がずれる際にすべり面や弾性支承部の素地を傷めることを防ぐことができる。
この発明によれば、外端部の幅方向に沿って接続部材を2つ配置することができる。
また、上記本発明のすべり支承の仮固定治具は、前記外端部は、二股に分岐された分岐部を有し、前記外端部のうち分岐していない部分と前記分岐部には、それぞれ1つの前記接続部材が配置されていることを特徴としてもよい。
図1及び図2に示すように、本実施形態のすべり支承の仮固定治具10は、建物に用いられる支承構造1において、固定板3(下側部材)の上面3aに、すべり面4aに摺動自在に配設される支承体5(弾性支承部)を仮固定するためのものである。
すべり支承2は、下部構造Aと上部構造Bとの間に配設され下部構造Aに固定された固定板3と、固定板3上に固定され、固定板3を介して下部構造Aに固定されたすべり板4と、すべり板4上に摺動自在に配設され上部構造Bに固定された支承体(弾性支承部)5と、を備えている。
これらの4つの角部3bそれぞれには、前記アンカーボルト31が配設されており、アンカーボルト31は、各角部3bに周方向に間隔をあけて2つずつ配設されている。
また、4つの角部3bそれぞれには、周方向で一対のアンカーボルト31、31同士の間に1つの雌ねじ部(図示省略)が設けられている。
なお、すべり部材51は、例えばポリ4フッ化エチレンを重合した合成樹脂材料などで下面が平滑な円盤状に形成されており、積層ゴム52、すべり部材51、およびフランジ53は、この順に外径が大きくなっている。
フランジ53の下面53aには、仮固定治具10の固定位置に対応する位置おいて、周方向に間隔をあけて一対の雌ねじ部53bが設けられている。
そして、内端部11Aは、上面視で一対の第2貫通孔11bをフランジ53の一対の雌ねじ部53bに合わせた状態で下側から第2接続ボルト13を第2貫通孔11bに挿通させて前記雌ねじ部53bに螺合することでフランジ53(支承部5)に固定される。
具体的には、4つの仮固定治具10のそれぞれの内端部11Aおよび外端部11Bを、接続ボルト12、13を用いて固定板3および支承体5に連結する。この場合、第1接続ボルト12は固定板3の上方から仮固定治具10の外端部11Bの第1貫通孔11aに挿通させることができ、第2接続ボルト13はフランジ53の下方から仮固定治具10の内端部11Aの第2貫通孔11bに挿通させることができるので、仮固定治具10の着脱を容易に行うことができる。以上により、仮固定治具10の取り付けが終了する。
したがって、施工時に再度の位置合わせを行う必要がなくなり、すべり支承2とすべり面4aとのそれぞれにケガキ線を設けるといった手間のかかる作業が不要となるうえ、仮固定治具10がずれる際にすべり面4aや支承体5の素地を傷めることを防ぐことができる。
図4に示すように、第2の実施形態によるすべり支承の仮固定治具10Aは、内端部11Aの接続部材が1つであり、外端部11Bの接続部材を2つとした構成である。本体治具11は、上面視形状で内端部11A、外端部11B、および中間部11Cが全体にわたって同じ幅寸法に形成されている。外端部11Bには、径方向に間隔をあけて一対の第1貫通孔11a、11aが設けられ、二箇所で固定板3に連結される構成となっている。固定板3には、一対の第1貫通孔11aに対応する位置に雌ねじ部(図示省略)が設けられている。
本実施形態の場合には、第1貫通孔11aを径方向、すなわち仮固定治具10の長手方向に沿って配置させることができるので、上述した第1の実施の形態の内端部11Aのように中間部よりも幅寸法を大きくする必要なくなり、仮固定治具10の加工が容易になり簡略化を図ることができる。また、外端部11B側の第1接続ボルト12を2つとし、下方から連結する内端部11A側の第2接続ボルト13の数量を1つにできるので、施工性を向上させることができる。
本第3の実施形態の場合も、第2の実施形態と同様に外端部11B側の第1接続ボルト12を2つとし、下方から連結する内端部11A側の第2接続ボルト13の数量を1つにできるので、施工性を向上させることができる。
本第4の実施形態の場合も、第2、第3の実施形態と同様に外端部11B側の第1接続ボルト12を2つとし、下方から連結する内端部11A側の第2接続ボルト13の数量を1つにできるので、施工性を向上させることができる。
要は、仮固定治具において、1つの本体治具に対して3つの接続部材で連結されていれば良いのである。
さらに、固定板3上のすべり板4の範囲についても適宜設定することが可能である。
2 すべり支承
3 固定板(下側部材)
3a 上面
3b 角部
4 すべり板
4a すべり面
5 支承体(弾性支承部)
10 仮固定治具
11 本体治具
11A 内端部
11B 外端部
11C 中間部
11D 分岐部
12 第1接続ボルト(接続部材)
13 第2接続ボルト(接続部材)
51 すべり部材
52 積層ゴム
53 フランジ
53a 下面
A 下部構造
B 上部構造
O 軸線
Claims (4)
- 下側部材の上面に形成されたすべり面に摺動自在に配設される弾性支承部を仮固定するすべり支承の仮固定治具であって、
前記下側部材の上面と前記弾性支承部とを連結する複数の本体治具を備え、
前記下側部材および前記弾性支承部と、前記本体治具と、は接続部材を介して連結され、
前記本体治具は、1方向に延びる略帯板状で、前記弾性支承部に連結される内端部と、前記下側部材に連結される外端部と、前記内端部と前記外端部との間の中間部と、を有する1部材から構成され、
前記接続部材は、前記内端部に1つ設けられ、前記外端部に2つ設けられていることを特徴とするすべり支承の仮固定治具。 - 前記本体治具は、前記外端部が前記内端部よりも上面視形状で幅寸法が大きいことを特徴とする請求項1に記載のすべり支承の仮固定治具。
- 前記外端部に設けられる2つの前記接続部材は、前記本体治具における前記弾性支承部の中心軸線に直交する径方向に間隔をあけて配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のすべり支承の仮固定治具。
- 前記外端部は、二股に分岐された分岐部を有し、
前記外端部のうち分岐していない部分と前記分岐部には、それぞれ1つの前記接続部材が配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のすべり支承の仮固定治具。
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