以下、本発明の一実施形態について説明する。図1は本発明の実施形態に係る電子機器1の斜視図である。図2は電子機器1の分解斜視図である。図3は支持部材Bに取り付けられている回路基板10の下側を示す図である。図4は下外装カバー60の前側を示す斜視図である。図5は電子機器1の断面図であり、その切断面は図3のV−V線で示されている。
以下の説明では、これらの図に示すY1及びY2をそれぞれ前方向及び後方向とし、X1及びX2はそれぞれ右方向及び左方向とする。また、Z1及びZ2はそれぞれ上方向及び下方向とする。
電子機器1は例えばゲーム装置や、パーソナルコンピュータ、オーディオ・ビジュアル機器などである。本発明は他の電子機器に適用されてもよい。
図2に示すように、電子機器1の本体2は回路基板20を有している。回路基板20には、例えばCPU(Central Processing Unit)として機能する集積回路や、コネクタ22などが実装されている。コネクタ22は、例えばUSBコネクタや、HDMI(登録商標)コネクタ、Ethernet(登録商標)コネクタである。本体2はさらに回路基板10を有している。回路基板10には、後において詳説するスイッチ11が実装されている。回路基板10には、スイッチ11とともに、集積回路やコネクタなどの部品が実装されてもよい。回路基板10は請求項の「第1の回路基板」に対応し、回路基板20は請求項の「第2の回路基板」に対応している。以下の説明では、回路基板10を第1回路基板と称し、回路基板20を第2回路基板と称する。本明細書の例では、第1回路基板10のサイズは第2回路基板20のサイズよりも小さい。第1回路基板10のサイズは第2回路基板20のサイズよりも大きくてもよい。
本体2は、第1回路基板10と第2回路基板20が上下方向において取り付けられる支持部材Bを有している。支持部材Bはフレーム12を有している。図2に示すように、フレーム12には、電源ユニットや、記録メディアのドライブ装置などの他の装置15が取り付けられてよい(以下では、このような装置15をフレーム固定部品と称する)。本明細書で開示する例では、本体2はフレーム固定部品15としてドライブ装置を有している(図5参照)。フレーム固定部品15は螺子やボルトなどの固定具によってフレーム12に固定され、第1回路基板10と第2回路基板20が取り付けられる支持部材Bをフレーム12とともに構成する。フレーム固定部品15は螺子やボルトなどの固定具によってフレーム12に固定され、電子機器1の骨組みの一部と見なせる部品である。したがって、フレーム固定部品15はドライブ装置や電源ユニットに限定されない。
本明細書の例では、フレーム12は下方に開いた箱状に形成された部分を有している。そして、フレーム固定部品15であるドライブ装置は、フレーム12のこの部分に嵌められ、螺子等の固定具によってフレーム12に固定されている(図5参照、図5ではフレーム固定部品15の内部構造は省略されている)。フレーム12は例えば樹脂によって一体的に成型される。フレーム12は金属によって形成されてもよい。
第1回路基板10と第2回路基板20は支持部材Bを挟んで互いに反対側に配置されている。例えば、図2に示すように、第1回路基板10と第2回路基板20は支持部材Bの下側と支持部材Bの上側とにそれぞれ取り付けられる。第1回路基板10と第2回路基板20は、FPCなどの配線19(図3参照)によって、互いに接続されている。したがって、配線19は支持部材Bの下側から上側に向かって伸びている。後において詳説するように、第1回路基板10にはスイッチ11が実装されている。スイッチ11の信号は配線19を通して第2回路基板20に入力される。回路基板10、20はフレーム12に直接取り付けられてもよいし、フレーム固定部品15に取り付けられてもよい。本明細書の例では、第1回路基板10はフレーム固定部品15の筐体に取り付けられ(図5参照)、第2回路基板20はフレーム12に取り付けられている。第1回路基板10と第2回路基板20は、支持部材Bに対して同じ側に配置され、双方がフレーム固定部品15に取り付けられてもよい。
図1に示すように、電子機器1は、本体2の上側を覆い且つ電子機器1の外面を構成する上外装カバー50を有している。また、電子機器1は本体2の下側を覆い且つ電子機器1の外面を構成する下外装カバー60を有している。上外装カバー50は電子機器1の上面を構成する上壁部50aと、上壁部50aの縁に接続しており電子機器1の前面を構成する前壁部51を有している。同様に、下外装カバー60は電子機器1の下面を構成する底壁部60a(図5参照)と、底壁部60aの縁に接続しており電子機器1の前面を構成する前壁部61とを有している。上外装カバー50と下外装カバー60は、電子機器1の側面を構成する側壁部52、62、及び電子機器1の背面を構成する後壁部を有してもよい。図1に示すように、上外装カバー50の壁部51、52と、下外装カバー60の壁部61、62との間に隙間が形成され、その隙間から本体2が露出してもよい。例えば、本体2を構成している第2回路基板20に実装されているコネクタ22が、上外装カバー50の前壁部51と、下外装カバー60の前壁部61との間から露出してもよい。外装カバー50、60は例えば螺子によって本体2に取り付けられる。
図1に示すように、電子機器1はその前面に操作部材65を有している。操作部材65は、例えば電源ボタンや、記録メディアの取り出しボタンなどとして機能する操作ボタンである。操作部材65は下外装カバー60に設けられている。本明細書の例では、操作部材65は板状の部材であり、その厚さ方向に対して直交する方向に向いた面が電子機器1の前面で露出するように配置されている。具体的には、図4に示すように、下外装カバー60の前壁部61にスリット(開口)61bが形成されている。操作部材65はスリット61bに嵌められている。
操作部材65は前後方向に動くことができるように支持されている。図5に示すように、前壁部61はスリット61bの内側に形成されているガイド62を有している。ガイド62は上下方向及び左右方向おいて対向する部分を有している(図5では、上下方向で対向する部分に符号62a、62bが付されている)。操作部材65はガイド62の内側に配置される部分を有し、ガイド62によって案内されて前後方向に動くことができる。前壁部61による操作部材65の支持構造は、ここで説明するものに限られない。例えば、操作部材65の前後方向での厚さが薄い場合には、前壁部61のガイド62は必ずしも形成されていなくてもよい。
操作部材65は、操作部材65の前方への移動(スリット61bからの抜け)を規制する係合部65b、65cを有している。例えば、図5に示すように、前壁部61に被係合部(爪部)61cが形成される。係合部65bはこの被係合部61cに引っ掛かり、操作部材65のスリット61bからの抜けを規制する。また、係合部65cは、後述する第1回路基板10のスイッチ11を超えて後方に伸び、スイッチ11の後側に引っ掛かり、操作部材65のスリット61bからの抜けを規制する。操作部材65の抜けを防止する構造は、適宜変更されてよい。
係合部65b、65cは、後方に伸びているアーム部65e、65fの端部にそれぞれ形成されている。アーム部65e、65fは、係合部65b、65cが上下方向に動くように弾性変形可能である。操作部材65は前壁部61の前側からスリット61bにはめ込まれる。そのとき、係合部65bはアーム部65eの弾性変形により被係合部61cを乗り越え、被係合部61cの後側に移動し、被係合部61cに引っ掛かる。係合部65cはアーム部65fの弾性変形によりスイッチ11を乗り越え、スイッチ11の後側に移動し、スイッチ11に引っ掛かる。図5に示すように、操作部材65をスリット61bにはめ込む際に係合部65bが被係合部61cを容易に乗り越えることができるように、係合部65b及び被係合部61cには斜面が形成されてもよい。また、操作部材65をスリット61bにはめ込む際に係合部65cがスイッチ11を容易に乗り越えることができるように、係合部65cには斜面が形成されてもよい。
アーム部65eとアーム部65fは、被係合部61cとスイッチ11とに対して互いに反対側に位置している。具体的には、アーム部65eは被係合部61cの上側に位置し、アーム部65fはスイッチ11の下側に位置している。こうすることにより、操作部材65を前壁部61の前側からスリット61bにはめ込むときに、アーム部65e、65fに作用する力が互いに反対向きとなるので、操作部材65のはめ込み作業を容易に行うことができる。
上述したように、支持部材Bと第1回路基板10は上下方向において互いに取り付けられている。図5に示すように、第1回路基板10にはスイッチ11が取り付けられている。操作部材65はスイッチ11に対して、上下方向に対して直交する方向に位置している。具体的には、操作部材65は、スイッチ11の前方に位置している。スイッチ11は例えばプッシュ式のスイッチである。操作部材65は、スイッチ11の前方に位置する操作部65dを有している。操作部65dはスイッチ11を操作する。すなわち操作部65dはスイッチ11の可動部を押す。スイッチ11は図3に示すように、例えば第1回路基板10の前端に配置される。また、スイッチ11は第1回路基板10の左右方向の端部に設けられてもよい。
第1回路基板10と支持部材Bとが互いに取り付けられる方向に対して直交する方向における第1回路基板10の位置変化が許容されるように、第1回路基板10は支持部材Bに取り付けられている。言い換えると、第1回路基板10は、前後方向や左右方向など、第1回路基板の厚さ方向に対して垂直な方向での位置変化、すなわち操作部材65の可動方向に沿った面内での位置変化が許容される。一例では、第1回路基板10の前後方向での位置変化が許容されるように、第1回路基板10は支持部材Bに取り付けられる。すなわち、操作部材65がスイッチ11に対して位置している方向(操作部材65の可動方向)における第1回路基板10の位置変化が許容されている。下外装カバー60は、前後方向での第1回路基板10の位置を決める位置決め部63を有している(図5参照)。この構造によると、スイッチ11と操作部材65との相対的な位置関係への、支持部材Bと下外装カバー60の公差の影響を、第1回路基板10の位置変化によって吸収できる。その結果、操作部材65の可動範囲を適切な大きさに設定できる。
下外装カバー60は一体的に成型されるのが好ましい。本明細書の例では、下外装カバー60は電子機器1の下面を構成する底壁部60aを有している。操作部材65は、底壁部60aの縁に接続されている前壁部61で支持されている。一方、位置決め部63は底壁部60aに形成されている(図5参照)。底壁部60aと前壁部61は一体的に成型されるのが好ましい。こうすることにより、操作部材65の可動範囲をさらに適切に管理できる。底壁部60aは請求項の「第1壁部」に対応している。前壁部61は請求項の「第2壁部」に対応している。
上述したように、第1回路基板10と第2回路基板20は配線19によって互いに接続される。第1回路基板10と第2回路基板20の双方が支持部材Bに取り付けられるので、電子機器1の組み付け作業が容易となる。例えば、第2回路基板20を支持部材Bに取り付ける一方で、第1回路基板10を下外装カバー60に取り付ける場合には、配線を通して2つの回路基板10、20を接続する作業が行い難くなる。また、2つの回路基板10、20を配線で互いに接続した状態で、下外装カバー60を本体2に取り付ける作業が行い難くなる。電子機器1では、第1回路基板10と第2回路基板20の双方が支持部材Bに取り付けられるので、配線を通して2つの回路基板10、20を接続する作業や、下外装カバー60を本体2に取り付ける作業が容易となる。
図5に示すように、支持部材Bには第1回路基板10に向かって突出している取付部15aが形成されている。本明細書の例では、取付部15aはフレーム固定部品15に形成されている。具体的には、取付部15aはフレーム固定部品15の下面に形成されている。取付部15aはフレーム固定部品15から下側に向かって突出し、第1回路基板10に形成されている穴10aに嵌まっている。そして、螺子13及びワッシャー14が取付部15aに取り付けられ、第1回路基板10と取付部15aの上下方向での分離が規制されている。第1回路基板10の穴10aは取付部15aの外形に比して前後方向に大きくなっている。これにより、第1回路基板10の前後方向での移動は許容されている。
第1回路基板10の取付構造はここで説明したものに限定されない。例えば、第1回路基板10の左縁及び右縁を挟む取付部(爪部)がフレーム12或いはフレーム固定部品15に形成されてもよい。そして、この取付部が、第1回路基板10の前後方向での移動を許容し、且つ上下方向での移動を規制するように構成されてもよい。この場合、第1回路基板10には穴10aは形成されなくてよい。他の例では、フレーム12或いはフレーム固定部品15に、前後方向に移動可能な部材が取り付けられ、この部材に第1回路基板10が固定されてもよい。上述したように、フレーム固定部品15は記録メディアのドライブ装置である。図5では、ドライブ装置内にメディアを挿入するためのスロット15d、12dがフレーム固定部品15とフレーム12とにそれぞれ形成されている。
支持部材Bには複数の取付部15aが形成されてもよい。図3に示すように、複数の取付部15aの位置は前後方向と左右方向の双方において互いに離れているのが好ましい。こうすることにより、第1回路基板10の姿勢を安定させ易くなる。本明細書の例では、支持部材Bには、前後方向及び左右方向において離れて位置している2つの取付部15aが形成されている。取付部15aの数は2つよりも多くてもよい。
図5に示すように、位置決め部63は下外装カバー60から第1回路基板10に向けて突出している。本明細書の例では、位置決め部63は下外装カバー60の底壁部60aから上側に向かって突出している。第1回路基板10には穴10bが形成され、位置決め部63はこの穴10bに嵌まっている。穴10bのサイズは位置決め部63の外形に対応している。これにより、第1回路基板10の前後方向での位置が決められている。位置決め部63の外面と穴10bの縁との間には僅かなクリアランスが設けられてもよい。この場合、クリアランスは、支持部材Bの取付部15aの外面と穴10aとの間の間隔よりも小さく設定される。位置決め部63の外面と穴10bの縁との間のクリアランスは、スイッチ11の可動部(操作部材65によって押される部分)の可動量よりも小さいことが望ましい。こうすることにより、操作部材65の力をスイッチ11に確実に作用させることができる。
位置決めの構造は、ここで説明するものに限られない。例えば、位置決め部63は下外装カバー60から第1回路基板10に向かって突出し、第1回路基板10の後縁を前方に付勢してもよい。反対に、位置決め部63は下外装カバー60から第1回路基板10に向かって突出し、第1回路基板10の前縁を後方に付勢してもよい。
図5に示すように、位置決め部63は、その端部に、斜面63aを有してもよい。すなわち、位置決め部63の太さは位置決め部63の先端に向かって徐々に小さくなっていてもよい。この形状によると、第1回路基板10の位置が正しい位置からずれている場合でも、位置決め部63を第1回路基板10の穴10bに嵌めることができる。
位置決め部63は、図5に示すように、支持部材B(具体的には、フレーム固定部品15)の取付部15aよりも太くてもよい。すなわち、前後方向及び左右方向での位置決め部63の幅は取付部15aより大きくてもよい。これによると、位置決め部63の強度を増すことができる。そのため、操作部材65を押したときに位置決め部63が撓むことを、抑えることができる。
位置決め部63は、図5に示すように、上下方向での幅(高さ)に関して、取付部15aよりも大きくてもよい。位置決め部63の高さを増し、且つ、位置決め部63の太さを大きくすることで、上述した斜面63aが確保し易くなる。本明細書の例では、支持部材B、より具体的には、フレーム固定部品15は、位置決め部63に対応する位置に凹部15bを有し、位置決め部63はその凹部15bに位置している。これにより、位置決め部63の高さを確保することができている。このような凹部15bは必ずしも無くてもよい。
位置決め部63は下外装カバー60の前壁部61から後方に離れた位置に形成されてもよい。具体的には、図5に示すように、位置決め部63は支持部材Bの取付部15aよりも後方に位置してもよい。すなわち、前壁部61から位置決め部63までの距離は、前壁部61から取付部15aまでの距離よりも大きくてもよい。こうすることにより、前壁部61の設計の自由度を増すことができる。例えば、前壁部61と底壁部60aとの間の角度が鋭角になるように、前壁部61を形成することができる。
下外装カバー60を成型する工程では、前壁部61の内面に沿って金型を配置する必要がある。前壁部61と下壁部60aとの間の角度が鋭角である場合、外装カバー60と金型とを分離する工程において、金型は前壁部61から後方にスライドさせる必要がある。ところが、位置決め部63が前壁部61に近接していると、位置決め部63が金型のスライドの障害となる。位置決め部63が下外装カバー60の前壁部61から後方に離れた位置に形成されると、金型のスライドが可能となる。
位置決め部63の位置はここで説明するものに限られない。例えば、複数の取付部15aがフレーム12に形成される場合には一部の取付部15aは位置決め部63よりも前方に位置し、残りの取付部15aは位置決め部63よりも後方に位置してもよい。すなわち、複数の取付部15aが形成される場合、位置決め部63は全ての取付部15a又は一部の取付部15aよりも後方に位置してよい。
本明細書の例では、第1回路基板10は左右方向における位置変化も許容されるように支持部材Bに取り付けられている。具体的には、第1回路基板10の穴10aの左右方向でのサイズが、支持部材Bの取付部15aの外形よりも僅かに大きい。これにより、第1回路基板10の左右方向での位置も位置決め部63によって決めることができる。その結果、スイッチ11と操作部材65との間の左右方向での位置ずれも低減できる。上述したように、操作部材65は左右方向の幅が小さい部材である。このような、左右方向の幅が小さい部材を操作部材として使用する場合であっても、スイッチ11と操作部材との相対位置を適正化できる。
本明細書の例では、図3に示すように、第1回路基板10に形成されている穴10b(位置決め部63が嵌まる穴)は、僅かに前後方向に細長い。すなわち、前後方向での穴10bの幅が左右方向での穴10bの幅よりも大きい。位置決め部63も穴10bの形状に対応している。このような穴10b及び位置決め部63によると、第1回路基板10が右方向又は左方向に傾くことを位置決め部63によって防ぐことができる。すなわち、スイッチ11が操作部材65に対して右方向又は左方向に傾斜して配置されることを防ぐことができる。なお、穴10bの形状は、上述したものに限られない。例えば、前後方向での穴10bの幅が左右方向での幅よりも小さくてもよい。そして、位置決め部63もその穴10bの形状に対応してもよい。穴10bは、位置決め部63が穴10bに嵌まった時に、第1回路基板10の向きが正しい向きに変えられる形状であれば、他の形状でもよい。すなわち、穴10bの形状は真円以外であれば、他の形状でもよい。
なお、左右方向での第1回路基板10の移動が規制されるように、第1回路基板10は支持部材Bに取り付けられてもよい。すなわち、操作部材65がスイッチ11に対して位置している方向(操作部材65の可動方向)に対して直交する方向においては、第1回路基板10の移動が規制されてもよい。また、第1回路基板10は、左右方向での移動が許容され、前後方向での移動が規制されるように、支持部材Bに取り付けられてもよい。例えば、前後方向での第1回路基板10の穴10aのサイズは取付部15aの外形に対応し、左右方向での第1回路基板10の穴10aのサイズは取付部15aの外形に比して大きくてもよい。
以上説明したように、電子機器1では、第1回路基板10と支持部材Bは上下方向において互いに取り付けられている。第1回路基板10は上下方向に対して直交する方向、具体的には前後方向での動きが許容されるように支持部材Bに取り付けられている。電子機器1は、第1回路基板10を覆う下外装カバー60を有している。下外装カバー60は前後方向での第1回路基板10の位置を固定する位置決め部63を有している。この構造によると、第1回路基板10に実装されている電子部品(上で説明した例では、スイッチ11)と、下外装カバー60に設けられている部材(上で説明した例では、操作部材65)との相対的な位置関係への、支持部材Bと下外装カバー60の公差の影響を低減できる。
本発明は以上説明した実施形態に限られず、種々の変更が可能である。
例えば、電子機器1は回路基板10、20が取り付けられた支持部材Bを有する本体2を備えている。そして、本体2の下側が下外装カバー60によって覆われ、下外装カバー60に位置決め部63が形成されていた。このような構造に替えて、電子機器1は上下方向において互いに組み合わされる2つのハウジング半体(外装部材)を有してもよい。そして、2つのハウジング半体のうち一方(例えば、下側のハウジング半体)に回路基板10、20が取り付けられ、2つのハウジング半体の他方(例えば、上側のハウジング半体)に位置決め部が設けられてもよい。
また、電子機器1では、第1回路基板10にスイッチ11が実装され、下外装カバー60に操作部材65が設けられていた。このような構造に替えて、第1回路基板10にコネクタ22(図1及び図2)が実装され、下外装カバー60にコネクタ22を露出させる開口が形成されてもよい。この場合、前後方向及び/又は左右方向での第1回路基板10の移動が許容されるように第1回路基板10は支持部材Bに取り付けられてもよい。そして、前後方向及び/又は左右方向での第1回路基板10の位置を決める位置決め部が下外装カバー60に形成されてもよい。こうすることにより、下外装カバー60の開口に対するコネクタの位置を厳密に管理することができる。また、第1回路基板10に赤外線などの受光素子が実装され、下外装カバー60に受光素子を露出させる開口が形成されてもよい。この場合、下外装カバー60の開口に光を透過するカバーが取り付けられてもよい。この場合も、前後方向及び/又は左右方向での第1回路基板10の移動が許容されるように第1回路基板10は支持部材Bに取り付けられてもよい。そして、前後方向及び/又は左右方向での第1回路基板10の位置を決める位置決め部が下外装カバー60に形成されてもよい。
また、電子機器1では、スイッチ11としてプッシュ式のスイッチが設けられ、操作部材65としてボタンが設けられていた。しかしながら、第1回路基板10には電子部品としてロータリスイッチや可変抵抗器が設けられ、操作部材65として回転式のつまみが設けられてもよい。
上述したように、電子機器1は上外装カバー50を有している。以下では、上外装カバー50及び上外装カバー50が有している導光部材55について説明する。
図6及び図7は上外装カバー50の分解斜視図である。図6は上外装カバー50の上側を示し、図7は上外装カバー50の下側を示している。図8Aは上外装カバー50の底面図であり、導光部材55が示されている。図8Bは図8Aの領域Bを拡大する図である。図9は図8Aに示すIX−IX線での断面図である。
図6に示すように、上外装カバー50は左右方向において分離可能な右カバー53と左カバー54とを有している。右カバー53と左カバー54は、互いに対向する縁をそれぞれ有している。すなわち、右カバー53の左縁と左カバー54の右縁とが互いに対向している。図7に示すように、右カバー53の内面(下面)には、その左縁に沿って配置される導光部材55が取り付けられている。右カバー53の左縁と左カバー54の右縁との間には隙間が設けられている(図9参照)。導光部材55はカバー53、54の隙間から露出する部分を有し、その露出している部分から光を出す。導光部材55は右カバー53の前端から後端まで伸びている。すなわち、導光部材55は右カバー53の前壁部53aから後壁部53bまで伸びている。
導光部材55は右カバー53の下面に螺子59(図7)で固定されている。また、導光部材55は、右カバー53の下面にテープで取り付けられてもよい。また、導光部材55の端部は右カバー53に形成された係合部に引っかけられてもよい。導光部材55の取付構造はこれらに限定されず、適宜変更されてよい。
図8Bに示すように、導光部材55はその外周面の一部に入射面55bを有している。電子機器1はLED(Light Emitting Diode)56を有している。LED56は入射面55bに対向し、LED56の光は入射面55bから導光部材55に入る。LED56は、例えば上述した第2回路基板20に実装されている。後述するように、導光部材55は、右カバー53の左縁に沿って形成されている発光面55cと、同じく右カバー53の左縁に沿って形成され、導光部材55内を進む光を発光面55c側に反射する反射面55dとを有している(図9参照)。入射面55bは反射面55dとは反対側に設けられている。導光部材55の一例では、入射面55bは、反射面55dとは反対側の面における端部(本明細書の例では前端)に設けられる。入射面55bの位置はここで示すものに限られない。例えば、入射面55bは反射面55dとは反対側の面における中央部に設けられてもよい。
図8Bに示すように、入射面55bには複数のLED56が対向してもよい。この場合、複数のLED56の発光色は互いに異なっていてもよい。入射面55bはその中途部で屈曲している。すなわち、入射面55bは第1の部分55eと第1の部分55eに対して屈曲している第2の部分55fとを有している。第1の部分55eと第2の部分55fのそれぞれにLED56が対向している。こうすることにより、発光面55cから出る光の色を発光面55cの位置によって変えることができる。
入射面55bには、入射面55bを粗面化する表面処理(例えば、サンドブラスト処理)が施されてもよい。こうすることにより、入射面55bから入射する光が導光部材55の全域に広がりやすくなる。その結果、発光面55cから出る光の均一化を図ることができる。
また、導光部材55の外周面における、入射面55b以外の部分にも、外周面を粗面化する表面処理が施されてもよい。こうすることにより、入射面55bから入射した光が意図しない部分から導光部材55の外側に出ることを抑えることができる。
導光部材55は、図7及び図8Aに示すように、左カバー54に形成されている複数の係合部54dとそれぞれ係合する複数の係合部57aを有している。この係合部54d、57aの係合によって、2つのカバー53、54が合体する。本明細書で開示する例では、導光部材55は、左カバー54に向かって張り出し且つ左カバー54の下側に位置する複数の張り出し部57を有している。係合部57aは張り出し部57の前側と後側のそれぞれに形成されている。2つの係合部57aの間に左カバー54の係合部54dが嵌まる。複数の張り出し部57は、本体2に螺子などの固定具で取り付けられる取付部57bを有する張り出し部57を含んでいる。図7に示す例では、2つの張り出し部57が取付部57bを含んでいる。2つのカバー53、54を合体する構造は、ここで説明する例に限られない。例えば、左カバー54の下面に突起が形成され、右カバー53には、係合部として、左カバー54の突起に引っ掛かる弾性変形可能な爪部が形成されてもよい。張り出し部57及び係合部57aは、導光部材55の他の部分を構成する材料と同じでもよいし、異なっていてもよい。張り出し部57及び係合部57aと、他の部分との材料が異なっている場合、導光部材55は例えば2色成型(double molding)によって形成できる。
図9に示すように、導光部材55は、2つのカバー53、54が合体している状態でそれらの縁の間に位置する発光面55cを有している。導光部材55は、発光面55cに沿って形成されている、すなわち、右カバー53の縁に沿って伸びている反射面55dを有している。反射面55dは発光面55cの下方に位置し、図9に示すように、張り出し部57よりも入射面55b側に位置している。
本明細書で開示する例では、導光部材55は発光面55cとは反対側の面に溝55gが形成されている。溝55gは前後方向に伸びている。溝55gは、その内面における入射面55b側に反射面55dを有している。反射面55dは、入射面55bから入った光が発光面55cから出るように傾斜している。反射面55dには、反射面55dを粗面化する表面処理(例えば、サンドブラスト処理)が施されてもよい。こうすることにより、反射面55dで反射する光を増すことができる。