JP6583955B2 - 微細セルロース繊維複合体 - Google Patents
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Description
〔1〕 微細セルロース繊維に芳香族炭化水素基がイオン結合を介して連結し導入されてなる、微細セルロース繊維複合体。
〔2〕 熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂と前記〔1〕記載の微細セルロース繊維複合体とを含有する、樹脂組成物。
本発明の微細セルロース繊維複合体は、微細セルロース繊維に芳香族炭化水素基がイオン結合を介して連結して導入されていることを特徴とする。なお、本明細書において、微細セルロース繊維に芳香族炭化水素基が導入されているとは、微細セルロース繊維表面のカルボキシ基に芳香族炭化水素基がイオン結合によって結合している状態のことを意味する。より詳しくは、微細セルロース繊維のカルボキシ基が脱プロトン化したところに、芳香族炭化水素基を有するアミンがイオン結合した状態を意味する。
(平均繊維径)
本発明で用いられる微細セルロース繊維複合体を構成する微細セルロース繊維は、平均繊維径が、均一な繊維径を持つ微細セルロース繊維複合体を製造する観点から、好ましくは0.1nm以上、より好ましくは0.2nm以上、さらに好ましくは0.5nm以上、さらに好ましくは0.8nm以上、よりさらに好ましくは1nm以上である。また、熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂に含有させて樹脂組成物(複合材料ともいう)とした時の機械的強度を十分に向上させると共に透明性を維持し、かつ、耐熱性を向上し、樹脂によっては、更に寸法安定性にも優れる観点から、好ましくは200nm以下、より好ましくは100nm以下、さらに好ましくは50nm以下、さらに好ましくは20nm以下、さらに好ましくは10nm以下、よりさらに好ましくは5nm以下である。なお、本明細書において、セルロース繊維の平均繊維径は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて測定することができ、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。一般に、高等植物から調製されるセルロースナノファイバーの最小単位は6×6の分子鎖がほぼ正方形の形でパッキングされていることから、AFMによる画像で分析される高さを繊維の幅と見なすことができる。
微細セルロース繊維のカルボキシ基含有量は、安定な微細化及びイオン化の観点から、好ましくは0.1mmol/g以上、より好ましくは0.4mmol/g以上、さらに好ましくは0.6mmol/g以上、さらに好ましくは0.8mmol/g以上である。また、取り扱い性を向上させる観点から、好ましくは3mmol/g以下、より好ましくは2mmol/g以下、さらに好ましくは1.8mmol/g以下である。本発明で用いられる微細セルロース繊維に、カルボキシ基含有量がかかる範囲外である微細セルロース繊維が、意図せずに不純物として含まれることもあり得る。なお、「カルボキシ基含有量」とは、微細セルロース繊維を構成するセルロース中のカルボキシ基の総量を意味し、具体的には後述の実施例に記載の方法により測定される。
微細セルロース繊維の平均アスペクト比(繊維長/繊維径)は、樹脂に含有させて複合材料とした時の機械的強度を十分に向上させる観点から、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、さらに好ましくは50以上、よりさらに好ましくは100以上である。また、樹脂中の分散性低下に伴う機械的強度の低下を抑制する観点から、好ましくは1000以下、より好ましくは500以下、さらに好ましくは400以下、よりさらに好ましくは350以下である。平均アスペクト比が上記範囲にある微細セルロース繊維は、樹脂に配合した際に該樹脂中での分散性に優れ、機械的強度が高く、脆性破壊し難い樹脂組成物が得られる。なお、本明細書において、平均アスペクト比は、分散液中のセルロース繊維濃度と分散液の水に対する比粘度との関係から、下記式(1)によりセルロース繊維のアスペクト比を逆算して求める。なお、下記式(1)は、The Theory of Polymer Dynamics,M.DOI and D.F.EDWARDS,CLARENDON PRESS・OXFORD,1986,P312に記載の剛直棒状分子の粘度式(8.138)と、Lb2×ρ=M/NAの関係〔式中、Lは繊維長、bは繊維幅(セルロース繊維断面は正方形とする)、ρはセルロース繊維の濃度(kg/m3)、Mは分子量、NAはアボガドロ数を表す〕から導き出されるものである。また、上記の粘度式(8.138)において、剛直棒状分子をセルロース繊維とする。下記式(1)中、ηSPは比粘度、πは円周率、lnは自然対数、Pはアスペクト比(L/b)、γ=0.8、ρSは分散媒の密度(kg/m3)、ρ0はセルロース結晶の密度(kg/m3)、Cはセルロースの質量濃度(C=ρ/ρS)を表す。
微細セルロース繊維の結晶化度は、樹脂に含有させて複合材料とした時の機械的強度を向上させる観点から、好ましくは30%以上、より好ましくは35%以上、さらに好ましくは40%以上、よりさらに好ましくは45%以上である。また、反応効率を向上させる観点から、好ましくは95%以下、より好ましくは90%以下、さらに好ましくは85%以下、よりさらに好ましくは80%以下である。なお、本明細書において、セルロースの結晶化度は、X線回折法による回折強度値からSegal法により算出したセルロースI型結晶化度であり、下記計算式(A)により定義される。
セルロースI型結晶化度(%)=[(I22.6−I18.5)/I22.6]×100 (A)
〔式中、I22.6は、X線回折における格子面(002面)(回折角2θ=22.6°)の回折強度、I18.5は,アモルファス部(回折角2θ=18.5°)の回折強度を示す〕
なお、セルロースI型とは天然セルロースの結晶形のことであり、セルロースI型結晶化度とは、セルロース全体のうち結晶領域量の占める割合のことを意味する。
本発明の微細セルロース繊維複合体は、上記の微細セルロース繊維表面に芳香族炭化水素基が結合しているものを示すが、これは、例えば、微細セルロース繊維表面に既に存在するカルボキシ基を選択して、芳香族炭化水素基を有するアミンをイオン結合させることにより得られる。該アミンとしては、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミンのいずれでもよいが、反応性の観点から、第1級アミン又は第2級アミンが好ましく、第1級アミンがより好ましい。
本発明における芳香族炭化水素基としては、例えば、アリール基及びアラルキル基からなる群より選ばれる。アリール基及びアラルキル基としては、芳香族環そのものが置換されたものでも非置換のものであってもよい。
微細セルロース繊維複合体は、微細セルロース繊維に芳香族炭化水素基を導入できるのであれば、特に限定なく公知の方法に従って製造することができる。例えば、予め調製された微細セルロース繊維に芳香族炭化水素基を導入する反応を行ってもよいし、微細セルロース繊維を調製する際に芳香族炭化水素基を導入する反応を行ってもよい。なお、微細セルロース繊維は、公知の方法、例えば、特開2011−140632号公報に記載の方法により製造することができる。
工程(1):天然セルロース繊維をN−オキシル化合物存在下で酸化して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る工程
工程(2):工程(1)で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維と、芳香族炭化水素基を有するアミンとを混合する工程
なお、前記好適な製造方法としては、工程(1)の後に後述する微細化工程を行い、カルボキシ基含有微細セルロース繊維とした後に工程(2)を行う方法(第1の製造形態)、及び、工程(1)の後に工程(2)を行い、その後に微細化工程を行う方法(第2の製造形態)が挙げられる。
工程(1)は、天然セルロース繊維をN−オキシル化合物存在下で酸化して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る工程である。
次に、上記天然セルロース繊維を、N−オキシル化合物の存在下で酸化処理して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る(以下、単に「酸化処理」と称する場合がある)。
前記酸化反応で得られるカルボキシ基含有セルロース繊維は、触媒として用いるTEMPO等のN−オキシル化合物や副生塩を含む。そのまま次工程を行ってもよいが、精製を行って純度の高いカルボキシ基含有セルロース繊維を得ることもできる。精製方法としては、酸化反応における溶媒の種類、生成物の酸化の程度、精製の程度により最適な方法を採用することができる。例えば、良溶媒として水、貧溶媒としてメタノール、エタノール、アセトン等を用いた再沈殿、ヘキサン等の水と相分離する溶媒へのTEMPO等の抽出、及び塩のイオン交換、透析等による精製等が挙げられる。
第1の製造形態では、前記精製工程後、工程(1)で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維を微細化する工程を行う。微細化工程では、前記精製工程を経たカルボキシ基含有セルロース繊維を溶媒中に分散させ、微細化処理を行うことが好ましい。この微細化工程を行うことにより、平均繊維径及び平均アスペクト比がそれぞれ前記範囲にある微細セルロース繊維が得られる。
第1の製造形態において、工程(2)は、前記微細化工程を経て得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維と、芳香族炭化水素基を有するアミンとを混合して、微細セルロース繊維複合体を得る工程である。前記混合方法としては、原料が反応する程度のものであれば特に問題なく、具体的には、前記原料を溶媒中で混合し、カルボキシ基含有微細セルロース繊維に含有されるカルボキシ基に、芳香族炭化水素基を有するアミンの塩をイオン結合させる。
本発明の樹脂組成物は、熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂と前記微細セルロース繊維複合体とを含有する。前記微細セルロース繊維複合体により、前記樹脂の機械的強度等を向上することができる。
樹脂成形体は、前記樹脂組成物を押出成形、射出成形、プレス成形、注型成型又は溶媒キャスト法等の公知の成形方法を適宜用いることによって調製することができる。例えば、硬化性樹脂の場合はパッケージや基板などに、注入あるいは塗布してした後、乾燥し硬化させることで用途に応じた成形体を得ることができる。
微細セルロース繊維に水を加えて、その濃度が0.0001質量%の分散液を調製し、該分散液をマイカ(雲母)上に滴下して乾燥したものを観察試料として、原子間力顕微鏡(AFM、Nanoscope III Tapping mode AFM、Digital instrument社製、プローブはナノセンサーズ社製Point Probe (NCH)を使用)を用いて、該観察試料中のセルロース繊維の繊維高さを測定する。その際、該セルロース繊維が確認できる顕微鏡画像において、微細セルロース繊維を5本以上抽出し、それらの繊維高さから平均繊維径を算出する。
乾燥質量0.5gの微細セルロース繊維又は微細セルロース繊維複合体を100mLビーカーにとり、イオン交換水もしくはメタノール/水=2/1の混合溶媒を加えて全体で55mLとし、そこに0.01M塩化ナトリウム水溶液5mLを加えて分散液を調製し、微細セルロース繊維又は微細セルロース繊維複合体が十分に分散するまで該分散液を攪拌する。この分散液に0.1M塩酸を加えてpHを2.5〜3に調整し、自動滴定装置(東亜ディーケーケー社製、商品名「AUT−50」)を用い、0.05M水酸化ナトリウム水溶液を待ち時間60秒の条件で該分散液に滴下し、1分ごとの電導度及びpHの値を測定し、pH11程度になるまで測定を続け、電導度曲線を得る。この電導度曲線から、水酸化ナトリウム滴定量を求め、次式により、微細セルロース繊維又は微細セルロース繊維複合体のカルボキシ基含有量を算出する。
カルボキシ基含有量(mmol/g)=水酸化ナトリウム滴定量×水酸化ナトリウム水溶液濃度(0.05M)/セルロース繊維の質量(0.5g)
アミン塩の結合量を次のIR測定方法により求め、下記式によりその平均結合量及び導入率を算出する。IR測定は、具体的には、乾燥させた微細セルロース繊維又は微細セルロース繊維複合体を赤外吸収分光装置(IR)Nicolet 6700(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)を用いATR法にて測定し、次式により、アミン塩の平均結合量及び導入率を算出する。
アミン塩の結合量(mmol/g)=1.6×[(微細セルロース繊維(調製例2)の1720cm−1のピーク強度 − アミン塩導入後の微細セルロース繊維複合体の1720cm−1のピーク強度)÷微細セルロース繊維(調製例2)の1720cm−1のピーク強度]
1720cm−1のピーク強度:カルボン酸のカルボニル基に由来するピーク強度
アミン塩の導入率(%)={アミン塩の結合量(mmol/g)/導入前の微細セルロース繊維中のカルボキシ基含有量(mmol/g)}×100
針葉樹の漂白クラフトパルプ(フレッチャー チャレンジ カナダ社製、商品名「Machenzie」、CSF650ml)を天然セルロース繊維として用いた。TEMPOとしては、市販品(ALDRICH社製、Free radical、98質量%)を用いた。次亜塩素酸ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。臭化ナトリウムとしては、市販品(和光純薬工業社製)を用いた。
ビーカーに調製例1で得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液4088.75g(固形分濃度1.3質量%)にイオン交換水4085gを加え0.5質量%の水溶液とし、メカニカルスターラーにて室温下(25℃)、30分攪拌した。続いて1M塩酸水溶液を245g仕込み室温下、1時間反応させた。反応終了後、アセトンで再沈し、ろ過、その後、アセトン/イオン交換水にて洗浄を行い、塩酸及び塩を除去した。最後にアセトンを加えろ過し、アセトンにカルボキシ基含有微細セルロース繊維が膨潤した状態のアセトン含有酸型セルロース繊維分散液(固形分濃度5.0質量%)を得た。反応終了後、ろ過し、その後、イオン交換水にて洗浄を行い、塩酸及び塩を除去した。アセトンで溶媒置換した後、DMFで溶媒置換し、カルボキシ基含有微細セルロース繊維が膨潤した状態のDMF含有酸型セルロース繊維分散液(固形分濃度5.0質量%)を得た。この微細セルロース繊維の平均繊維径は3.3nm、カルボキシ基含有量は1.6mmol/gであった。
マグネティックスターラー、攪拌子を備えたビーカーに、微細セルロース繊維の調製例2で得られたカルボキシ基含有微細セルロース繊維分散液40g(固形分濃度5.0質量%)を仕込んだ。続いて、表1に示す種類のアミン(いずれも市販品)を、いずれも、微細セルロース繊維のカルボキシ基1molに対してアミン基1.2molに相当する量を仕込み、エタノール 300gで溶解させた。反応液を室温(25℃)で6時間反応させた。反応終了後ろ過し、DMFで洗浄および溶媒置換することで、微細セルロース繊維にアミンがイオン結合を介して連結した微細セルロース繊維複合体を得た。
特許文献2(特開2011−47084)の[実施例1]に記載されている方法で、微細セルロース繊維にピリジニウム基がイオン結合で導入された微細セルロース繊維複合体を得た。
得られた微細セルロース繊維複合体分散液を、デジタルマイクロスコープVHX−1000(KEYENCE社製)で透過光を用いクロスニコルで観測した。WINROOF(三谷商事社製)を用いて画像解析を行い凝集物の面積を算出した。具体的には、得られた画像をモノクロ化した後に、二値化し、白い部分の面積を算出した。数値が低いほど、透明性に優れることを示す。
紫外可視分光光度計(UV−VISIBLE SPECTROMETER UV−2550 島津製作所社製)を用いて、得られた微細セルロース繊維複合体分散液の600nmでの透過率を測定し、これを透明度の指標とした。数値が高いほど透明性に優れることを示す。
表2に示す種類の微細セルロース繊維複合体をDMFで固形分濃度3%に調整した。この微細セルロース繊維複合体分散液を微細セルロース繊維換算量が樹脂100質量部に対して10質量部となる量と、エポキシ樹脂であるjER828(三菱化学社製)2.0gを混合し、高圧ホモジナイザーを用いて、100MPaで1パス、150MPaで1パス微細処理させた。得られた溶液に対して、硬化剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール(和光純薬工業社製)を0.1g加え、自転公転式攪拌機 あわとり練太郎(シンキー社製)を用いて7分間攪拌した。得られたワニスをバーコーターを用いて表2に示す塗布厚で塗工した。80℃で90分乾燥し、溶媒を除去した後、150℃60分熱硬化させて、厚さ約0.1mmのシート状の複合材料を製造した。なお、比較例2は乾燥後の塗膜が脆く、物性評価をすることができなかった。
実施例1で用いた微細セルロース繊維複合体を微細セルロース繊維(調製例2)に変更したこと以外は実施例1と同様の方法で複合材料を製造した。
微細セルロース繊維複合体を添加しない以外は実施例1と同様の方法で複合材料を製造した。
微細セルロース繊維量(g)=微細セルロース繊維複合体(g)/[1+アミンの分子量(g/mol)×アミン結合量(mmol/g)×0.001]
なお、ここでいうアミンの分子量とは、アミン化合物全体の分子量のことである。
引張圧縮試験機(SHIMADZU社製、商品名「Autograph AGS−X」)を用いて、JIS K7113に準拠して、成形体の引張弾性率及び引張降伏強度をそれぞれ引張試験によって測定した。2号ダンベルで打ち抜いたサンプルを支点間距離80mmでセットし、クロスヘッド速度50mm/minで測定した。引張弾性率が高い方が機械的強度に優れていることを示す。
熱応力歪測定装置(セイコー電子社製、商品名「EXSTAR TMA/SS6100」)を用いて、幅3mm、長さ40mmの短冊型サンプルを窒素雰囲気下1分間に5℃の割合で温度を上昇させて引張モードで荷重を50gで計測した。線熱膨張係数は室温(25℃)から、150℃までの温度範囲での平均線熱膨張係数を算出して得た。線熱膨張係数が低い方が寸法安定性に優れていることを示す。
動的粘弾性装置(SII社製、商品名「DMS6100」)を用いて、幅5mm、長さ40mmの短冊型サンプルを、窒素雰囲気下、周波数1Hzで、−20℃から160℃まで、1分間に2℃の割合で温度を上昇させて、引張モードで計測した。貯蔵弾性率数は100℃の値を用いた。貯蔵弾性率が高い方が耐熱性に優れていることを示す。
ヘイズメーター(HM−150型 村上色彩技術研究所社製)を用いて、Haze値を測定し、これを透明度の指標とした。数値が低いほど透明性に優れることを示す。
Claims (6)
- 微細セルロース繊維に芳香族炭化水素基がイオン結合を介して連結し導入されてなる、微細セルロース繊維複合体であって、芳香族炭化水素基の結合量が、0.5〜3mmol/gであり、芳香族炭化水素基がアリール基及びアラルキル基からなる群より選ばれるものである、微細セルロース繊維複合体。
- 芳香族炭化水素基がアラルキル基より選ばれるものである、請求項1記載の複合体。
- 微細セルロース繊維の平均繊維径が0.1〜200nmである、請求項1又は2記載の複合体。
- 芳香族炭化水素基の結合量が、0.9〜3mmol/gである、請求項1〜3いずれか記載の複合体。
- 微細セルロース繊維複合体が、下記工程(1)及び工程(2)を含む製造方法により得られるものである、請求項1〜4いずれか記載の複合体。
工程(1):天然セルロース繊維をN−オキシル化合物存在下で酸化して、カルボキシ基含有セルロース繊維を得る工程
工程(2):工程(1)で得られたカルボキシ基含有セルロース繊維と、芳香族炭化水素基を有するアミンとを混合する工程 - 熱可塑性樹脂又は硬化性樹脂と請求項1〜5いずれか記載の微細セルロース繊維複合体とを含有する、樹脂組成物。
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