JP6583153B2 - 吸収性物品の加工装置及び加工方法並びに吸収性物品 - Google Patents
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Description
(a)ロールにより表面被覆シートをプレスした際に表面被覆シートが吸収体に食い込むのに応じて引張力を受けて破れるおそれがある。
(b)ロールにより表面被覆シートをプレスした際に表面被覆シートが破れなくても、プレス後にテンションが掛かった状態の表面被覆シートが吸収体を圧縮し、吸収体が締まって硬くなってしまうおそれがある。
(c)ロールにより表面被覆シートをプレスした際に表面被覆シートが破れなくても、プレス後はテンションが掛かった表面被覆シートが吸収体を圧縮するのに対して、表面被覆シートが吸収体の復元反力を受けるので、これによって表面被覆シートが破れるおそれがある。
吸収体の表面及びこの表面を覆う被覆シートに凹凸加工を行なう際には、吸収体及び被覆シートの走行速度を凹凸形状の加工ロールの外周の周速に合わせて加工ロールに供給し、加工ロールの凹凸によって吸収体の表面は収縮し被覆シートは伸張しながら凹凸形状に形成される。
このとき、被覆シートが破断せずに伸張できる範囲(伸張可能範囲)内で凹凸形状を形成できれば、被覆シートの破断は生じないため課題(a)は発生しない。
かかる吸収性物品の加工装置によれば、以下の効果を得ることができる。
吸収体の供給長さよりも長い被覆シートをプレスロール装置に供給して吸収性物品に凹凸形状を加圧形成するので、凹凸形状の加工に伴って、被覆シートの破断を招くことも、吸収体が締まって硬くなってしまうことも、被覆シートが吸収体の復元反力を受けて破断することも抑制しながら、必要な深さの凹凸形状を有する吸収性物品を得ることが可能になる。
1≦α<R ・・・(a)
R・L0<α・Lr ・・・(b)
1≦α<RR ・・・(c)
かかる構成によれば、エンボスロールの外周の隣接する凸部間に所定長さの被覆シートを送給するので、所定長さの被覆シートがエンボスロールの外周の凸部間に保持され、エンボスロールの最大外径における周長よりも長い被覆シートを弛ませることなくプレス加工部に供給することができる。
このように、案内ロールとエンボスロールと受けロールとを3連ロールとすることにより、装置をコンパクトに構成できる。
かかる吸収性物品の加工方法によれば、以下の効果を得ることができる。
吸収体の供給長さよりも長い被覆シートをプレスロール装置に供給して吸収性物品に凹凸形状を加圧形成するので、凹凸形状の加工に伴って、被覆シートの破断を招くことも、吸収体が締まって硬くなってしまうことも、被覆シートが吸収体の復元反力を受けて破断することも抑制しながら、必要な深さの凹凸形状を有する吸収性物品を得ることが可能になる。
1≦α<R ・・・(a)
R・L0<α・Lr ・・・(b)
1≦α<RR ・・・(c)
かかる構成によれば、エンボスロールの最大外径における周長よりも長い被覆シートを弛ませることなくプレス加工部に供給することができる。
R・L0<L・・・(A)
上記R・L0は、被覆シートを凹部間の距離L0と等しい長さだけ用いて被覆シートが破断しないように伸長限界で凹凸形状を形成した場合の製品長さに相当する。本吸収性物品(当然、被覆シートは破断していない)の製品長さLが、このR・L0よりも大きいことは、距離L0に対して距離L0よりも長い被覆シートが用いられたことを意味する。また、式(A)の関係にあると、被覆シートを凹部間の距離L0と等しい長さだけ用いた場合よりも、深さのある凹凸形状を得ることができる。
したがって、本吸収性物品によれば、被覆シートの破断を招くことも、吸収体が締まって硬くなってしまうことも、被覆シートが吸収体の復元反力を受けて破断することも抑制しながら、吸収体の表面及び被覆シートが必要な深さの凹凸形状を有するように構成することが可能になる。
何れの場合も、着用者の肌に触れる側(装着された状態で内側)を内側又は肌面側とし、その反対側(装着された状態で外側)を外側又は非肌面側とする。
そして、以下の説明では、上記の内側の面を表面とし、上記の外側の面を裏面とする。
さらに、「上」,「下」或いは「上方」,「下方」は、鉛直方向を基準にしたものであり、「上」又は「上方」とは鉛直方向上方を言い、「下」又は「下方」とは鉛直方向上方を言う。
まず、本実施形態の吸収性物品の加工装置について説明する。
この加工装置は、吸収性物品の製造装置の上流部分に装備される。
図1に示すように、吸収性物品の製造装置の上流部分には、下コアラップシート1上にマット本体(吸収体本体)2を積層する第1積層パートP1と、この下コアラップシート1上にマット本体2が積層形成された積層シートの上に、上コアラップシート3を積層する第2積層パートP2と、コアラップシート1,3でマット本体2の両面を包まれて形成されたマット(吸収体)4を、所定の長さに断裁して凹凸加工前のマット4を形成する断裁パートCPとが備えられる。
本加工装置20は、断裁パートCPの下流側の第3積層パートP3に装備される。
しかし、トップシート5の限界伸び率Rは1.05程度と小さいため、隣接する凹部6a間の距離L0と等しい長さのトップシート5を加工部24に供給したのでは、トップシート5の限界伸び率Rまで伸長させても凹凸マット6に十分な深さ(凹部6aと凸部6bとの高低差)の凹凸形状6cを形成することはできない。
R・L0<L・・・(A)
1<α<R・・・(a)
1<α<RR・・・(c)
破断しない限界伸び率Rが例えば1.05であれば、柔軟性を確保しうる許容伸び率RRは例えば1.03となり、シート伸び率αは式(c)を満たすように、例えば1.02と設定することができる。
R・L0<α・Lr・・・(b)
本実施形態に係る吸収性物品及び吸収性物品の加工装置はこのように構成されているので、以下のように加工方法を実施して吸収性物品を製造することができ、これによって、以下のような作用,効果を得ることができる。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記の実施形態を適宜変更して実施することができる。
2 マット本体(吸収体本体)
3 上コアラップシート(上ティッシュ)
4 マット(吸収体)
5 トップシート(被覆シート又は表面シート)
6 凹凸マット
6a 凹凸形状6cの凹部
6b 凹凸形状6cの凸部
6c 凹凸マット6の凹凸形状(吸収性物品の凹凸形状)
20 加工装置
11 フォーミングドラム
11a フォーミングドラム1の外周
12 スカート
20A プレスロール装置
20B マット供給装置(吸収体供給装置)
20C トップシート供給装置(被覆シート供給装置)
21P エンボスロール21の外周部
21a 凹凸外形21cの凹部
21b 凹凸外形21cの凸部
21c 凹凸外形
21 エンボスロール
22 受けロール
23 案内ロール
23P 案内ロール23の外周部
23a 凹凸外形23cの凸部
23b 凹凸外形23cの凹部
23c 案内ロール23の凹凸外形
24 プレス加工部
25 噛合部
30a,30b 送り出しロール
31 断裁ナイフ
CP 断裁パート
P1 第1積層パート
P2 第2積層パート
P3 第3積層パート
L 製品長さ
L0 隣接する凹部間の距離(圧搾点間距離、単位長さ)
Lr 供給長さ
R 限界伸び率
RR 許容伸び率
Claims (11)
- 吸収体の表面及び被覆シートに凹部及び凸部が連続した凹凸形状を加圧形成する吸収性物品の加工装置であって、
外周に周方向に凹部及び凸部が連続した凹凸外形を備えたエンボスロールと、前記エンボスロールと対向する受けロールとを備え、前記エンボスロールと前記受けロールとの間のプレス加工部に前記吸収体及び前記被覆シートを挟んで圧縮するプレスロール装置と、
前記吸収体を前記プレス加工部に供給する吸収体供給装置と、
前記エンボスロールの最大外径における周長よりも長い前記被覆シートを前記プレス加工部に供給する被覆シート供給装置と、を備え、
前記凹凸形状における隣接する前記凹部間の距離をL0とし、前記凹部間に供給される前記被覆シートの供給長さをLrとし、前記吸収性物品における隣接する前記凹部間に配設される前記被覆シートの製品長さをLとし、前記製品長さLと前記供給長さLrとの比であるシート伸び率をα(=L/Lr)とし、前記被覆シートが破断せずに伸長する限界に応じた伸び率である限界伸び率をRとすると、前記シート伸び率αは下式(a)を満たし、前記供給長さLrは下式(b)を満たす
ことを特徴とする吸収性物品の加工装置。
1≦α<R ・・・(a)
R・L0<α・Lr ・・・(b) - 前記被覆シートには不織布が用いられ、前記限界伸び率Rとして1.05を与える
ことを特徴とする請求項1記載の吸収性物品の加工装置。 - 前記被覆シートが前記凹凸形状の加工後の前記吸収性物品の表面の柔軟性を確保しうる限界に応じた伸び率である許容伸び率をRR(<R)とすると、前記シート伸び率αは下式(c)を満たす
ことを特徴とする請求項1又は2記載の吸収性物品の加工装置。
1≦α<RR ・・・(c) - 前記被覆シート供給装置は、
前記エンボスロールと、
前記エンボスロールに前記受けロールよりも回転方向上流側で噛み合い、前記エンボスロールの外周の前記凹凸外形の隣接する凸部間に所定長さの前記被覆シートを送給する案内ロールと、から構成されている
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の吸収性物品の加工装置。 - 前記案内ロールと、前記エンボスロールと、前記受けロールとは、同一平面上に互いに平行に回転軸心が配置された3連ロールである
ことを特徴とする請求項4記載の吸収性物品の加工装置。 - 外周に周方向に凹部及び凸部が連続した凹凸外形を備えたエンボスロールと、前記エンボスロールと対向する受けロールとを備え、前記エンボスロールと前記受けロールとの間のプレス加工部に吸収体及び被覆シートを挟んで圧縮するプレスロール装置を用いて、前記吸収体の表面及び前記被覆シートに、凹部及び凸部が連続した凹凸形状を加圧形成する吸収性物品の加工方法であって、
前記吸収体を前記プレス加工部に供給すると共に、前記エンボスロールの最大外径における周長よりも長い前記被覆シートを前記プレス加工部に供給する供給工程と、
前記プレス加工部で前記吸収体及び前記被覆シートを挟んで圧縮するプレス工程と、を備え、
前記凹凸形状における隣接する前記凹部間の距離をL0とし、前記凹部間に供給される前記被覆シートの供給長さをLrとし、前記吸収性物品における隣接する前記凹部間に配設される前記被覆シートの製品長さをLとし、前記製品長さLと前記供給長さLrとの比であるシート伸び率をα(=L/Lr)とし、前記被覆シートが破断せずに伸長する限界に応じた伸び率である限界伸び率をRとすると、前記シート伸び率αは下式(a)を満たし、前記供給長さLrは下式(b)を満たす
ことを特徴とする吸収性物品の加工方法。
1≦α<R ・・・(a)
R・L0<α・Lr ・・・(b) - 前記被覆シートには不織布が用いられ、前記限界伸び率Rとして1.05を与える
ことを特徴とする請求項6記載の吸収性物品の加工方法。 - 前記被覆シートが前記凹凸形状の加工後の前記吸収性物品の表面の柔軟性を確保しうる限界に応じた伸び率である許容伸び率をRR(<R)とすると、前記シート伸び率αは下式(c)を満たす
ことを特徴とする請求項6又は7記載の吸収性物品の加工方法。
1≦α<RR ・・・(c) - 前記供給工程では、前記エンボスロールに前記受けロールよりも回転方向上流側で噛み合う案内ロールによって、前記エンボスロールの外周の前記凹凸外形の隣接する凸部間に所定長さの前記被覆シートを送給して、前記被覆シートを前記エンボスロールの外周の凸部間の凹部に保持されて前記プレス加工部に供給する
ことを特徴とする請求項6〜8の何れか1項に記載の吸収性物品の加工方法。 - 吸収体の表面に被覆シートが重ねられ、前記吸収体の表面及び前記被覆シートに凹部及び凸部が連続した凹凸形状が加圧形成された吸収性物品であって、
隣接する前記凹部間の距離をL0とし、前記被覆シートが破断せずに伸長する限界に応じた伸び率である限界伸び率をRとすると、隣接する前記凹部間に配設された前記被覆シートの長さLが、次式(A)の関係にあることを特徴とする吸収性物品。
R・L0<L・・・(A) - 前記被覆シートには不織布が用いられ、前記限界伸び率Rとして1.05を与える
ことを特徴とする請求項10記載の吸収性物品。
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