JP6583087B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、変速部を介してエンジンと連結されて第1回転機の運転状態が制御されることにより差動状態が制御される差動部と、駆動輪に動力伝達可能に連結された第2回転機とを備えた車両の制御装置に関するものである。
エンジンが動力伝達可能に入力回転部材に連結された変速部と、前記変速部の出力回転部材に連結された第1回転要素と第1回転機が動力伝達可能に連結された第2回転要素と駆動輪に連結された第3回転要素とを有する差動機構を備えて前記第1回転機の運転状態が制御されることにより前記差動機構の差動状態が制御される差動部と、前記駆動輪に動力伝達可能に連結された第2回転機とを備えた車両が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両がそれである。この特許文献1には、エンジンの動力を差動部へ伝達する変速部は、遊星歯車機構と、係合と解放とが油圧によって制御される摩擦係合装置とを含んで構成されて、その摩擦係合装置の係合によってギヤ段が形成されることが開示されている。
国際公開第2013/114594号
ところで、エンジンの動力を駆動輪へ伝達する動力伝達装置のコンパクト化又は低コスト化の為に、変速部を構成する摩擦係合装置をワンウェイクラッチへ置き換え、変速部のギヤ段をそのワンウェイクラッチの係合によって形成することが考えられる。このようにする場合、ワンウェイクラッチは、変速部において駆動輪側へ伝達されるエンジントルクを基にしたトルクが、変速部においてエンジン側へ伝達されるロードロードを基にしたトルクよりも大きな状態である駆動状態では係合状態とされる一方で、反対にエンジントルクを基にしたトルクが、ロードロードを基にしたトルクよりも小さな状態である被駆動状態では解放状態(非係合状態)とされる。その為、被駆動状態のときのアクセルオン時又はアクセル増大時には、ワンウェイクラッチが非係合状態から係合状態とされるまでエンジンの動力が駆動輪へ伝達されない。そうすると、ワンウェイクラッチを用いる場合には、被駆動状態でも係合状態とすることが可能な摩擦係合装置を用いる場合と比べて、アクセルオン等で要求された駆動トルクに対するトルク出力の応答性が低くなる可能性があった。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、被駆動状態から駆動状態へ切り替えられるときに、要求された駆動トルクに対するトルク出力の応答性を向上することができる車両の制御装置を提供することにある。
第1の発明の要旨とするところは、(a) エンジンが動力伝達可能に入力回転部材に連結された変速部と、前記変速部の出力回転部材に連結された第1回転要素と第1回転機が動力伝達可能に連結された第2回転要素と駆動輪に連結された第3回転要素とを有する差動機構を備えて前記第1回転機の運転状態が制御されることにより前記差動機構の差動状態が制御される差動部と、前記駆動輪に動力伝達可能に連結された第2回転機とを備えた車両の、制御装置であって、(b) 前記変速部は、係合状態とされることで所定のギヤ段を形成する一方で被駆動状態では非係合状態とされるワンウェイクラッチを備えており、(c) 前記被駆動状態のときには、前記変速部の出力回転部材の回転速度を前記ワンウェイクラッチの差回転速度が所定回転速度以下となる回転速度とするように、前記エンジンの回転速度と前記駆動輪の回転速度とに基づいて、前記第1回転機の運転状態を制御する差回転制御部を含むことにある。
前記第1の発明によれば、ワンウェイクラッチが非係合状態とされる被駆動状態のときには、ワンウェイクラッチの差回転速度を所定回転速度以下とする制御が実行されるので、再加速要求が為されたことに伴ってワンウェイクラッチが係合状態とされることで変速部にて所定のギヤ段が形成される場合に、ワンウェイクラッチの非係合状態から係合状態への切替えが速やかに行われ易くなる。よって、被駆動状態から駆動状態へ切り替えられるときに、要求された駆動トルクに対するトルク出力の応答性を向上することができる。
本発明が適用される車両の走行に関わる各部の概略構成を説明する図であると共に、その各部を制御する為の制御系統の要部を説明する図である。 エンジン走行とモータ走行との切替制御に用いる駆動力源切替マップの一例を示す図である。 各走行モードにおける各係合装置の各作動状態を示す図表である。 単独駆動EVモード時の共線図である。 両駆動EVモード時の共線図である。 HV走行モード時のロー状態での共線図である。 HV走行モード時のハイ状態での共線図である。 再加速要求時のトルクダウン量の算出に用いるトルクダウン量マップの一例を示す図である。 電子制御装置の制御作動の要部すなわち被駆動状態から駆動状態へ切り替えられるときに要求駆動トルクに対するトルク出力の応答性を向上する為の制御作動を説明するフローチャートである。 図9のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例である。 図10のタイムチャートにおけるt1時点以前での状態の一例を共線図上に示す図である。 図10のタイムチャートにおけるt1−t2時点での状態の一例を共線図上に示す図である。 図10のタイムチャートにおけるt2時点での状態の一例を共線図上に示す図である。 図10のタイムチャートにおけるt2時点以降での状態の一例を共線図上に示す図である。
好適には、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記差回転制御部は、前記ワンウェイクラッチの差回転速度が前記所定回転速度以下となる状態において前記差動部の動力伝達効率が最大となるように、前記第1回転機の運転状態を制御することにある。このようにすれば、被駆動状態のときには、ワンウェイクラッチの差回転速度が所定回転速度以下となる範囲で差動部の動力伝達効率が最大となるように、ワンウェイクラッチの差回転速度を所定回転速度以下とする制御が実行されるので、被駆動状態にあるときに、差動部の動力伝達効率の低下が抑制されると共に、被駆動状態から駆動状態へ切り替えられるときに、要求された駆動トルクに対するトルク出力の応答性を向上することができる。
また、好適には、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記差回転制御部は、前記ワンウェイクラッチの差回転速度を前記所定回転速度以下とする制御中には、前記第2回転機が出力可能なトルクが小さい程、前記ワンウェイクラッチの差回転速度が小さくなるように、前記第1回転機の運転状態を制御することにある。このようにすれば、第2回転機が出力可能なトルクが小さい程、再加速要求が為されたときの駆動トルクを第2回転機にて賄えるトルク分が小さくなってその駆動トルクをエンジンにて賄う必要があるトルク分が大きくなることに対して、第2回転機が出力可能なトルクが小さい程、ワンウェイクラッチの差回転速度が小さくなるように、ワンウェイクラッチの差回転速度を所定回転速度以下とする制御が実行されるので、再加速要求が為された場合に、ワンウェイクラッチの非係合状態から係合状態への切替えがより速やかに行われ易くなる。よって、被駆動状態から駆動状態へ切り替えられるときに、要求された駆動トルクに対するトルク出力の応答性をエンジンにて確保することができる。尚、第2回転機が出力可能なトルクが大きい場合には、小さい場合と比べて、再加速要求が為されたときの駆動トルクを第2回転機にて賄えるトルク分を大きくすることが可能であり、要求された駆動トルクに対するトルク出力の応答性を第2回転機にて確保し易くなる。その為、第2回転機が出力可能なトルクが大きい場合には、差動部での動力伝達効率の向上を重視しても良いという観点から、差回転制御部は、ワンウェイクラッチの差回転速度を所定回転速度以下とする制御中には、第2回転機が出力可能なトルクが大きい程、差動部の動力伝達効率が大きくなるように、第1回転機の運転状態を制御する。
また、好適には、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記差回転制御部は、燃費性能と動力性能とを両立させるノーマルモードと比べて燃費性能よりも動力性能を優先した状態で走行を行うスポーツモード時に、前記ワンウェイクラッチの差回転速度が前記所定回転速度以下となるように前記第1回転機の運転状態を制御することにある。このようにすれば、スポーツモード時に、ワンウェイクラッチの差回転速度を所定回転速度以下とする制御が実行されるので、トルク出力の応答性がより求められているときにおいて再加速要求が為された場合に、ワンウェイクラッチの非係合状態から係合状態への切替えがより速やかに行われ易くなる。見方を換えれば、スポーツモード時以外では、トルク出力の応答性よりも燃費性能を優先するという観点で、ワンウェイクラッチの差回転速度を所定回転速度以下とする制御を実行しないことで燃費が低下するのを抑制することができる。
また、好適には、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記車両に対して要求された駆動トルクを発生させる目標トルクが得られるように、前記エンジン及び前記第2回転機の出力制御を実行する出力制御部を更に含み、前記出力制御部は、前記ワンウェイクラッチの差回転速度を前記所定回転速度以下とする前記差回転制御部による制御中に再加速要求が為された場合には、前記ワンウェイクラッチの差回転速度が大きい程、前記目標トルクに対するトルクの低減量を大きくすることにある。このようにすれば、ワンウェイクラッチの係合に際してワンウェイクラッチの差回転速度が大きい場合は小さい場合よりも係合ショックが大きくなる可能性があることに対して、ワンウェイクラッチの差回転速度を所定回転速度以下とする制御中に再加速要求が為された場合には、ワンウェイクラッチの差回転速度が大きい程、目標トルクに対するトルクの低減量が大きくされるので、ワンウェイクラッチの差回転速度が大きい程、要求された駆動トルクに対するエンジン(或いはエンジン及び第2回転機)によるトルク出力の変化が緩やかにされて、再加速要求時のワンウェイクラッチの係合ショックを抑制することができる。
また、好適には、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記差回転制御部は、前記エンジンの作動中に、前記ワンウェイクラッチの差回転速度が前記所定回転速度以下となるように前記第1回転機の運転状態を制御することにある。このようにすれば、エンジンの作動中に、ワンウェイクラッチの差回転速度を所定回転速度以下とする制御が実行されるので、エンジン停止中と比べて燃費性能よりもトルク出力の応答性が優先されるときにおいて再加速要求が為された場合に、ワンウェイクラッチの非係合状態から係合状態への切替えがより速やかに行われ易くなる。
また、好適には、前記第1の発明に記載の車両の制御装置において、前記差回転制御部は、前記エンジンの動力を前記駆動輪へ伝達して走行するエンジン走行を行うエンジン走行モード時に、前記ワンウェイクラッチの差回転速度が前記所定回転速度以下となるように前記第1回転機の運転状態を制御することにある。このようにすれば、エンジン走行モード時に、ワンウェイクラッチの差回転速度を所定回転速度以下とする制御が実行されるので、第2回転機の動力を駆動輪へ伝達して走行するモータ走行を行うモータ走行モードと比べて燃費性能よりもトルク出力の応答性が優先されるときにおいて再加速要求が為された場合に、ワンウェイクラッチの非係合状態から係合状態への切替えがより速やかに行われ易くなる。
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明が適用される車両10の走行に関わる各部の概略構成を説明する図であると共に、その各部を制御する為の制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、走行用の駆動力源となり得る、エンジン12、第1回転機MG1、及び第2回転機MG2と、動力伝達装置14と、駆動輪16とを備えるハイブリッド車両である。
エンジン12は、例えばガソリンエンジンやディーゼルエンジン等、所定の燃料を燃焼させて動力を出力させる公知の内燃機関である。このエンジン12は、後述する電子制御装置80によってスロットル開度或いは吸入空気量、燃料供給量、点火時期等の運転状態が電気的に制御されることにより、エンジントルクTeが制御される。
第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、駆動トルクを発生させる電動機(モータ)としての機能及び発電機(ジェネレータ)としての機能を有する所謂モータジェネレータである。第1回転機MG1及び第2回転機MG2は、インバータ部や平滑コンデンサなどを有する電力制御ユニット18を介してバッテリユニット20に接続されており、後述する電子制御装置80によって電力制御ユニット18が制御されることにより、第1回転機MG1及び第2回転機MG2の各々の出力トルク(力行トルク又は回生トルク)であるMG1トルクTmg1及びMG2トルクTmg2が制御される。
動力伝達装置14は、エンジン12と駆動輪16との間の動力伝達経路に備えられており、車体に取り付けられる非回転部材であるケース22内に、第1回転機MG1及び第2回転機MG2と共に収容されている。動力伝達装置14は、第1動力伝達部24、第2動力伝達部26、第1動力伝達部24の出力回転部材であるドライブギヤ28と噛み合うドリブンギヤ30、ドリブンギヤ30を相対回転不能に固設するドリブン軸32、ドリブン軸32に相対回転不能に固設されたファイナルギヤ34(ドリブンギヤ30よりも小径のファイナルギヤ34)、デフリングギヤ36を介してファイナルギヤ34と噛み合うディファレンシャルギヤ38、ディファレンシャルギヤ38に連結された車軸40等を備えている。
第1動力伝達部24は、第1動力伝達部24の入力回転部材である入力軸42と同軸心に配置されており、変速部44と差動部46とを備えている。変速部44は、第1遊星歯車機構48、ワンウェイクラッチF1、及びブレーキB1を備えている。差動部46は、第2遊星歯車機構50を備えている。
第1遊星歯車機構48は、第1サンギヤS1、第1ピニオンギヤP1、第1ピニオンギヤP1を自転及び公転可能に支持する第1キャリヤCA1、第1ピニオンギヤP1を介して第1サンギヤS1と噛み合う第1リングギヤR1を有する公知のシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、差動作用を生じる差動機構として機能する。第1遊星歯車機構48は、第2遊星歯車機構50よりもエンジン12側に配置された入力側差動機構である。第1キャリヤCA1は、入力軸42に一体的に連結され、その入力軸42を介してエンジン12が動力伝達可能に連結された回転要素(例えば第1回転要素RE1)であり、変速部44の入力回転部材として機能する。第1サンギヤS1は、ブレーキB1を介してケース22に選択的に連結される回転要素(例えば第2回転要素RE2)である。第1リングギヤR1は、差動部46の入力回転部材(すなわち第2遊星歯車機構50の第2キャリヤCA2)に連結された回転要素(例えば第3回転要素RE3)であり、変速部44の出力回転部材として機能する。又、第1キャリヤCA1と第1サンギヤS1とは、ワンウェイクラッチF1を介して連結される。
ブレーキB1は、好適には湿式の摩擦係合装置であり、油圧アクチュエータによって係合制御される多板型の油圧式摩擦係合装置である。このブレーキB1は、車両10に備えられた油圧制御回路52が後述する電子制御装置80によって制御されることにより、その油圧制御回路52から供給されるB1油圧Pb1に応じて作動状態(係合や解放などの状態)が制御される。
ワンウェイクラッチF1は、第1キャリヤCA1が第1サンギヤS1よりも高回転となることを許容しつつ第1サンギヤS1が第1キャリヤCA1よりも高回転となることを阻止する。従って、ワンウェイクラッチF1は、変速部44において差動部46側(すなわち駆動輪16側)へ伝達されるエンジントルクTeを基にしたトルクが変速部においてエンジン12側へ伝達されるロードロードを基にしたトルクよりも大きな状態である駆動状態では係合状態とされ、その係合状態とされることで変速部44の所定のギヤ段(後述する直結状態となるローギヤ)を形成する。一方で、ワンウェイクラッチF1は、反対に、エンジントルクTeを基にしたトルクがロードロードを基にしたトルクよりも小さな状態である被駆動状態では解放状態(非係合状態)とされる。
ワンウェイクラッチF1及びブレーキB1が共に解放された状態においては、第1遊星歯車機構48の差動が許容される。よって、この状態では、第1サンギヤS1にてエンジントルクTeの反力トルクが取れない為、変速部44は機械的な動力伝達が不能な中立状態(ニュートラル状態)とされる。又、ワンウェイクラッチF1が係合され且つブレーキB1が解放された状態においては、第1遊星歯車機構48は各回転要素が一体回転させられる。よって、この状態では、エンジン12の回転は等速で第1リングギヤR1から第2キャリヤCA2へ伝達される。一方で、ワンウェイクラッチF1が解放され且つブレーキB1が係合された状態においては、第1遊星歯車機構48は第1サンギヤS1の回転が止められ、第1リングギヤR1の回転が第1キャリヤCA1の回転よりも増速される。よって、この状態では、エンジン12の回転は増速されて第1リングギヤR1から出力される。このように、変速部44は、直結状態(変速比=1.0)となるローギヤと、オーバードライブ状態(例えば変速比=0.7)となるハイギヤとに切り替えられる2段の有段変速機として機能する。又、ワンウェイクラッチF1及びブレーキB1が共に係合された状態においては、第1遊星歯車機構48は各回転要素の回転が止められる。よって、この状態では、変速部44の出力回転部材である第1リングギヤR1の回転が停止されることで、差動部46の入力回転部材である第2キャリヤCA2の回転が停止させられる。尚、ワンウェイクラッチF1が係合された状態は、駆動状態とされた駆動時におけるワンウェイクラッチF1の自動係合によるものである。
第2遊星歯車機構50は、第2サンギヤS2、第2ピニオンギヤP2、第2ピニオンギヤP2を自転及び公転可能に支持する第2キャリヤCA2、第2ピニオンギヤP2を介して第2サンギヤS2と噛み合う第2リングギヤR2を有する公知のシングルピニオン型の遊星歯車機構であり、差動作用を生じる差動機構として機能する。第2遊星歯車機構50は、第1遊星歯車機構48よりも駆動輪16側に配置された出力側差動機構である。第2キャリヤCA2は、変速部44の出力回転部材(すなわち第1遊星歯車機構48の第1リングギヤR1)に連結された入力要素としての回転要素(例えば第1回転要素RE1)であり、差動部46の入力回転部材として機能する。第2サンギヤS2は、第1回転機MG1のロータ軸54に一体的に連結されており、第1回転機MG1が動力伝達可能に連結された反力要素としての回転要素(例えば第2回転要素RE2)である。第2リングギヤR2は、ドライブギヤ28に一体的に連結されており、駆動輪16に連結された出力要素としての回転要素(例えば第3回転要素RE3)であり、差動部46の出力回転部材として機能する。
第2遊星歯車機構50は、第2キャリヤCA2に入力される動力を第1回転機MG1及び第2リングギヤR2へ分配する動力分配機構として機能する。すなわち、差動部46において、第2リングギヤR2へ分配される機械的な動力伝達に加え、第1回転機MG1に分配された動力で第1回転機MG1が発電され、その発電された電力が蓄電されたりその電力で第2回転機MG2が駆動される。これにより、差動部46は、後述する電子制御装置80によって電力制御ユニット18が制御されて第1回転機MG1の運転状態が制御されることにより変速比を制御する公知の電気式差動部(電気式無段変速機)として機能する。つまり、差動部46は、エンジン12に動力伝達可能に連結された差動機構としての第2遊星歯車機構50と、第2遊星歯車機構50に動力伝達可能に連結された差動用回転機としての第1回転機MG1とを有し、第1回転機MG1の運転状態が制御されることにより第2遊星歯車機構50の差動状態が制御される電気式変速機構である。
このように構成された第1動力伝達部24においては、エンジン12の動力や第1回転機MG1の動力はドライブギヤ28からドリブンギヤ30へ伝達される。従って、エンジン12及び第1回転機MG1は、第1動力伝達部24を介して駆動輪16に動力伝達可能に連結される。又、変速部44は、オーバードライブであるので、第1回転機MG1の高トルク化が抑制される。
第2動力伝達部26は、入力軸42とは別にその入力軸42と平行に配置された、第2回転機MG2のロータ軸56、及びドリブンギヤ30と噛み合うと共にそのロータ軸56に連結されたリダクションギヤ58(ドリブンギヤ30よりも小径のリダクションギヤ58)を備えている。これにより、第2動力伝達部26においては、第2回転機MG2の動力は第1動力伝達部24を介すことなくドリブンギヤ30へ伝達される。従って、第2回転機MG2は、第1動力伝達部24を介さずに駆動輪16に動力伝達可能に連結される。つまり、第2回転機MG2は、第1動力伝達部24を介さずに動力伝達装置14の出力回転部材である車軸40に動力伝達可能に連結された回転機である。尚、動力伝達装置14の出力回転部材としては、車軸40の他に、ファイナルギヤ34やデフリングギヤ36も同意である。
このように構成された動力伝達装置14は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)方式の車両に好適に用いられる。又、動力伝達装置14では、エンジン12の動力や第1回転機MG1の動力や第2回転機MG2の動力は、ドリブンギヤ30へ伝達され、そのドリブンギヤ30から、ファイナルギヤ34、ディファレンシャルギヤ38、車軸40等を順次介して駆動輪16へ伝達される。又、動力伝達装置14では、エンジン12、第1動力伝達部24、及び第1回転機MG1と、第2回転機MG2とが異なる軸心上に配置されることで、軸長が短縮化されている。又、第2回転機MG2の減速比を大きくとることができる。
車両10は、走行に関わる各部を制御する制御装置を含む電子制御装置80を備えている。電子制御装置80は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより車両10の各種制御を実行する。例えば、電子制御装置80は、エンジン12、第1回転機MG1、及び第2回転機MG2の各出力制御、後述する走行モードの切替制御等を実行するようになっており、必要に応じてエンジン制御用、回転機制御用、油圧制御用等に分けて構成される。
電子制御装置80には、車両10に設けられた各種センサ等(例えばエンジン回転速度センサ60、出力回転速度センサ62、レゾルバ等のMG1回転速度センサ64、レゾルバ等のMG2回転速度センサ66、第1サンギヤ回転速度センサ68、アクセル開度センサ70、スポーツモード選択スイッチ72、バッテリセンサ74など)による検出値に基づく各種信号(例えばエンジン回転速度Ne、車速Vに対応するドリブンギヤ30の回転速度である出力回転速度Nout、MG1回転速度Nmg1、MG2回転速度Nmg2、第1サンギヤS1の回転速度である第1サンギヤ回転速度Ns1、アクセル開度θacc、運転者によりスポーツモードが選択されたことを示す信号であるスポーツモードオンSPORTon、バッテリユニット20のバッテリ温度THbatやバッテリ充放電電流Ibatやバッテリ電圧Vbatなど)が供給される。又、電子制御装置80からは、車両10に備えられた各装置(例えばエンジン12、電力制御ユニット18、油圧制御回路52など)に各種指令信号(例えばエンジン制御指令信号Se、回転機制御指令信号Sm、油圧制御指令信号Spなど)が供給される。尚、電子制御装置80は、例えばバッテリ充放電電流Ibat及びバッテリ電圧Vbatなどに基づいてバッテリユニット20の充電状態(充電容量)SOCを算出する。又、上記スポーツモードは、ノーマルモードと比べて燃費性能よりも動力性能を優先した状態で運転可能なように走行を行う為の予め定められた制御様式である。又、スポーツモード選択スイッチ72によってスポーツモードが選択されていない通常時には、動力性能を引き出しつつ燃費の良い状態で運転可能なように走行を行う為の予め定められた制御様式であるノーマルモード(すなわち燃費性能と動力性能とを両立させるノーマルモード)とされている。
電子制御装置80は、車両10における各種制御の為の制御機能を実現する為に、ハイブリッド制御手段すなわちハイブリッド制御部82、及び動力伝達切替手段すなわち動力伝達切替部84を備えている。
ハイブリッド制御部82は、電子スロットル弁を開閉制御し、燃料噴射量や噴射時期を制御し、点火時期を制御するエンジン制御指令信号Seを出力して、エンジントルクTeの目標トルクが得られるようにエンジン12の出力制御を実行する。又、ハイブリッド制御部82は、第1回転機MG1や第2回転機MG2の作動を制御する回転機制御指令信号Smを電力制御ユニット18へ出力して、MG1トルクTmg1やMG2トルクTmg2の目標トルクが得られるように第1回転機MG1や第2回転機MG2の出力制御を実行する。
ハイブリッド制御部82は、アクセル開度θaccからそのときの車速Vにて要求される駆動トルク(要求駆動トルク)を算出し、充電要求値(充電要求パワー)等を考慮して低燃費で排ガス量の少ない運転となるように、エンジン12、第1回転機MG1、及び第2回転機MG2の少なくとも1つから要求駆動トルクを発生させる。このように、ハイブリッド制御部82は、車両10に対して要求された駆動トルクを発生させる目標トルクが得られるように、エンジン12、第1回転機MG1、及び第2回転機MG2の出力制御を実行する出力制御部として機能する。
ハイブリッド制御部82は、走行モードとして、モータ走行モード(EV走行モード)或いはエンジン走行モード(HV走行モード)を走行状態に応じて選択的に成立させる。EV走行モードは、エンジン12の運転を停止させると共に、第1回転機MG1及び第2回転機MG2のうちの少なくとも一方の回転機を走行用の駆動力源として走行するモータ走行(EV走行)を可能とする制御様式である。HV走行モードは、少なくともエンジン12を走行用の駆動力源として走行する(すなわちエンジン12の動力を駆動輪16へ伝達して走行する)エンジン走行を可能とする制御様式である。
ハイブリッド制御部82は、車速Vと要求駆動トルクとを変数としてエンジン走行領域とモータ走行領域(単駆動領域、両駆動領域)との境界線を有する予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された(すなわち予め定められた)図2に示すような関係(駆動力源切替マップ)に車速V及び要求駆動トルクを適用することで、走行状態がモータ走行領域とエンジン走行領域との何れにあるかを判断する。ハイブリッド制御部82は、モータ走行領域にあると判断した場合には、EV走行モードを成立させる一方で、エンジン走行領域にあると判断した場合には、HV走行モードを成立させる。尚、ハイブリッド制御部82は、EV走行モードを成立させたときであっても、充電容量SOCが予め定められた閾値未満となる場合やエンジン12の暖機が必要な場合などには、エンジン12を運転する。図2に示すように、モータ走行領域(単駆動領域、両駆動領域)は、エンジン走行領域と比較して、車速Vの低車速域、又は、要求駆動トルクの低トルク域にある。
ハイブリッド制御部82は、EV走行モードを成立させたときには、更に、図2に示すような駆動力源切替マップに車速V及び要求駆動トルクを適用することで、単駆動領域と両駆動領域との何れにあるかを判断する。例えば、ハイブリッド制御部82は、第2回転機MG2のみで要求駆動トルクを賄える場合には、単独駆動EVモードを成立させる一方で、第2回転機MG2のみでは要求駆動トルクを賄えない場合には、両駆動EVモードを成立させる。ハイブリッド制御部82は、単独駆動EVモードを成立させた場合には、第2回転機MG2のみを走行用の駆動力源とするEV走行を可能とする一方で、両駆動EVモードを成立させた場合には、第1回転機MG1及び第2回転機MG2の両方を走行用の駆動力源とするEV走行を可能とする。ハイブリッド制御部82は、第2回転機MG2のみで要求駆動トルクを賄えるときであっても、MG2回転速度Nmg2及びMG2トルクTmg2で表される第2回転機MG2の動作点が第2回転機MG2の効率を悪化させる動作点として予め定められた領域内にある場合には(換言すれば第1回転機MG1及び第2回転機MG2を併用した方が効率が良い場合には)、両駆動EVモードを成立させる。ハイブリッド制御部82は、両駆動EVモードを成立させた場合には、第1回転機MG1及び第2回転機MG2の運転効率に基づいて、第1回転機MG1及び第2回転機MG2にて要求駆動トルクを分担させる。
ハイブリッド制御部82は、HV走行モードを成立させた場合には、エンジン12の動力に対する反力を第1回転機MG1の発電により受け持つことでドライブギヤ28にエンジン直達トルクを伝達すると共に第1回転機MG1の発電電力により第2回転機MG2を駆動することで駆動輪16にトルクを伝達してエンジン走行を可能とする。すなわち、ハイブリッド制御部82は、HV走行モードを成立させた場合には、第1回転機MG1の運転状態を制御することによりエンジン12の動力を駆動輪16へ伝達して走行するエンジン走行を可能とする。ハイブリッド制御部82は、このエンジン走行では、公知のエンジン12の最適燃費線を考慮したエンジン動作点(すなわちエンジン回転速度NeとエンジントルクTeとで表されるエンジン動作点)にてエンジン12を作動させる。又、HV走行モードでは、バッテリユニット20からの電力を用いた第2回転機MG2の駆動トルクを更に付加して走行することも可能である。
動力伝達切替部84は、ハイブリッド制御部82により成立させられた走行モードに基づいて、ブレーキB1の係合作動を制御する。動力伝達切替部84は、ハイブリッド制御部82により成立させられた走行モードにて走行する為の動力伝達が可能となるように、ブレーキB1を係合及び/又は解放させる油圧制御指令信号Spを油圧制御回路52へ出力する。
ここで、車両10にて実行可能な走行モードについて図3、及び図4−図7を用いて説明する。図3は、各走行モードにおけるワンウェイクラッチF1及びブレーキB1の各作動状態を示す図表である。図3の図表中の○印は係合装置(F1,B1)の係合を示し、空欄は解放を示し、□印は駆動時のみ係合を示している。又、「G」は第1回転機MG1を主にジェネレータとして機能させることを示し、「M」は回転機(MG1,MG2)を駆動時には主にモータとして機能させ、回生時には主にジェネレータとして機能させることを示している。図3に示すように、車両10は、走行モードとして、EV走行モード及びHV走行モードを選択的に実現することができる。EV走行モードは、単独駆動EVモードと両駆動EVモードとの2つのモードを有している。
図4−図7は、第1遊星歯車機構48及び第2遊星歯車機構50の各々における3つの回転要素RE1,RE2,RE3の回転速度を相対的に表すことができる共線図である。この共線図において、第1遊星歯車機構48における各回転要素の回転速度を表す縦線Y1−Y3は紙面向かって左から順に、縦線Y1がブレーキB1を介してケース22に選択的に連結される第2回転要素RE2である第1サンギヤS1の回転速度を、縦線Y2がエンジン12に連結された第1回転要素RE1である第1キャリヤCA1の回転速度を、縦線Y3が第2キャリヤCA2に連結された第3回転要素RE3である第1リングギヤR1の回転速度をそれぞれ示している。又、第2遊星歯車機構50における各回転要素の回転速度を表す縦線Y4−Y6は紙面向かって左から順に、縦線Y4が第1回転機MG1に連結された第2回転要素RE2である第2サンギヤS2の回転速度を、縦線Y5が第1リングギヤR1に連結された第1回転要素RE1である第2キャリヤCA2の回転速度を、縦線Y6がドライブギヤ28に連結された第3回転要素RE3である第2リングギヤR2の回転速度をそれぞれ示している。
図4は、単独駆動EVモード時の共線図である。単独駆動EVモードは、図3に示すように、ワンウェイクラッチF1及びブレーキB1が共に解放された状態で実現される。単独駆動EVモードでは、図4に示すように、ワンウェイクラッチF1及びブレーキB1が解放されることで、第1遊星歯車機構48の差動が許容され、変速部44は中立状態とされる。変速部44が中立状態とされると、第1リングギヤR1に連結された第2キャリヤCA2にてMG1トルクTmg1の反力トルクが取れない為、差動部46は中立状態とされる。従って、ワンウェイクラッチF1及びブレーキB1が解放されることで、第1動力伝達部24は中立状態とされる。この状態で、ハイブリッド制御部82は、第2回転機MG2から走行用のMG2トルクTmg2を出力させる。後進時は、前進時に対して第2回転機MG2を逆回転させる。車両走行中には、駆動輪16の回転に連動してドライブギヤ28に連結された第2リングギヤR2が回転させられる。単独駆動EVモードでは、第1回転機MG1を空転させても良いが、第1回転機MG1における引き摺り損失等を低減する為に、ハイブリッド制御部82は、MG1回転速度Nmg1を零回転に維持する。例えば、ハイブリッド制御部82は、第1回転機MG1をジェネレータとして機能させて、フィードバック制御によりMG1回転速度Nmg1を零回転に維持する。或いは、ハイブリッド制御部82は、第1回転機MG1の回転が固定されるように第1回転機MG1に電流を流す制御(d軸ロック制御)を実行して、MG1回転速度Nmg1を零回転に維持する。或いは、MG1トルクTmg1を零トルクとしても第1回転機MG1のコギングトルクによりMG1回転速度Nmg1を零回転に維持できるときはMG1トルクTmg1を加える必要はない。尚、MG1回転速度Nmg1を零回転に維持する制御を行っても、第1動力伝達部24は中立状態であるので、駆動トルクに影響を与えない。
単独駆動EVモードでは、第1リングギヤR1は第2キャリヤCA2に連れ回されるが、変速部44は中立状態であるので、エンジン12は連れ回されず零回転で停止状態とされる。よって、単独駆動EVモードでの走行中に第2回転機MG2にて回生制御を行う場合、回生量を大きく取ることができる。単独駆動EVモードでの走行時に、バッテリユニット20が満充電状態となり回生エネルギーが取れない場合、エンジンブレーキを併用することが考えられる。エンジンブレーキを併用する場合は、図3に示すように、ブレーキB1が係合される。ブレーキB1が係合されると、エンジン12は連れ回し状態とされて、エンジンブレーキが作用させられる。MG1回転速度Nmg1を上昇させることで、エンジン12の連れ回し状態におけるエンジン回転速度Neを上昇させることができる。
図5は、両駆動EVモード時の共線図である。両駆動EVモードは、図3に示すように、ワンウェイクラッチF1及びブレーキB1を係合した状態で実現される。両駆動EVモードでは、図5に示すように、ワンウェイクラッチF1及びブレーキB1が係合されることで、第1遊星歯車機構48の差動が規制され、第1サンギヤS1の回転が停止させられる。その為、第1遊星歯車機構48は何れの回転要素も回転が停止させられる。これによって、エンジン12は零回転で停止状態とされ、又、第1リングギヤR1に連結された第2キャリヤCA2の回転も停止させられる。第2キャリヤCA2の回転が停止させられると、第2キャリヤCA2にてMG1トルクTmg1の反力トルクが取れる為、MG1トルクTmg1を第2リングギヤR2から機械的に出力させて駆動輪16へ伝達することができる。従って、ワンウェイクラッチF1及びブレーキB1が係合されることで、第1動力伝達部24は機械的な動力伝達が可能な非中立状態とされる。ハイブリッド制御部82は、第1回転機MG1及び第2回転機MG2から各々走行用のMG1トルクTmg1及びMG2トルクTmg2を出力させる。
図6は、HV走行モード時のロー状態での共線図である。ロー状態でのHV走行モードは、図3に示すように、ワンウェイクラッチF1を係合した状態、且つブレーキB1を解放した状態で実現される。ロー状態でのHV走行モードでは、図6に示すように、ワンウェイクラッチF1が係合されることで、第1遊星歯車機構48の差動が規制され、第1遊星歯車機構48の回転要素が一体回転させられる。その為、エンジン12の回転は等速で第1リングギヤR1から第2キャリヤCA2へ伝達される。
図7は、HV走行モード時のハイ状態での共線図である。ハイ状態でのHV走行モードは、図3に示すように、ブレーキB1を係合した状態、且つワンウェイクラッチF1を解放した状態で実現される。ハイ状態でのHV走行モードでは、図7に示すように、ブレーキB1が係合されることで、第1サンギヤS1の回転が停止させられる。その為、エンジン12の回転は増速されて第1リングギヤR1から第2キャリヤCA2へ伝達される。
HV走行モードでは、エンジン12の動力に対する反力を第1回転機MG1により受け持つことでエンジントルクTeの一部(エンジン直達トルク)を第2リングギヤR2から機械的に出力させて駆動輪16へ伝達することができる。従って、ワンウェイクラッチF1又はブレーキB1が係合されることで、第1動力伝達部24は機械的な動力伝達が可能な非中立状態とされる。動力伝達切替部84は、ブレーキB1を係合することで変速部44をハイギヤに切り替える。ハイブリッド制御部82は、エンジントルクTeに対する反力トルクとなるMG1トルクTmg1を第1回転機MG1の発電により出力させると共に、第1回転機MG1の発電電力により第2回転機MG2からMG2トルクTmg2を出力させる。ロー状態でのHV走行モードでは、前進時に対して第2回転機MG2を逆回転させて後進走行することも可能である。
ハイブリッド制御部82は、車速Vが予め定められた閾値以上の高車速時には、ハイ状態でのHV走行モードを成立させる一方で、車速Vが予め定められた閾値未満の中低車速時には、ロー状態でのHV走行モードを成立させる。ここで、MG1回転速度Nmg1が零回転とされてエンジン12の動力が電気パス(第1回転機MG1や第2回転機MG2の電力授受に関わる電気経路である電気的な動力伝達経路)を介することなく全て機械的にドライブギヤ28へ伝達される状態となる所謂メカニカルポイントでは、差動部46の動力伝達効率(出力されたパワー/入力されたパワー)の理論値(理論伝達効率)が最大の「1」となる。このメカニカルポイントは、図6,7の共線図における差動部46(縦線Y4−Y6参照)において、MG1回転速度Nmg1が零回転となる状態(すなわち第2サンギヤS2の回転速度が零回転となる状態)である。HV走行モードにおいてハイ状態(ハイギヤ)とロー状態(ローギヤ)とが切り替えられることでこのメカニカルポイントが2つとなり、ハイ状態でのHV走行モードを有することでメカニカルポイントが高車速側に増えることになり、高速燃費が向上する。
第1動力伝達部24において、変速部44と差動部46とは直列に接続されている。変速部44を変速すれば第1動力伝達部24の変速比も変化させられる。そこで、ハイブリッド制御部82は、変速部44の変速時に第1動力伝達部24の変速比の変化が抑制されるように、動力伝達切替部84による変速部44の変速に合わせて、差動部46の変速を実行する。例えば、ハイブリッド制御部82は、変速部44がローギヤからハイギヤへアップシフトされる場合、それと同時に、差動部46をダウンシフトする。これによって、第1動力伝達部24は、所謂電気的無段変速機として機能させられる。又、変速部44と差動部46とが直列に接続された第1動力伝達部24は変速比幅がワイドになるので、差動部46から駆動輪16までの動力伝達経路における変速比を比較的大きくとることができる。
ハイ状態でのHV走行モードはロー状態でのHV走行モードと比べて同じエンジン回転速度Neに対して第2キャリヤCA2の回転速度が高くされるので、エンジン走行では、高車速時に第1回転機MG1が負回転且つ負トルクの力行状態となって第1回転機MG1に電力が供給される動力循環状態となることが抑制される。
ハイブリッド制御部82は、エンジン12を始動させる指令Ssを車両10に備えられたスタータ76に出力してエンジン12を始動する。尚、単独駆動EVモードでは、上述したようにブレーキB1を係合することでエンジン回転速度Neを上昇させることができるので、単独駆動EVモードからエンジン12を始動するときには、ブレーキB1を係合し、必要に応じて第1回転機MG1によりエンジン回転速度Neを引き上げて点火しても良い。このとき、第2回転機MG2に反力キャンセルトルクを追加で出力させる。但し、スタータ76を使用する場合、オーバードライブ状態でエンジン始動する必要がなく、ブレーキB1を係合させずに済む為、エンジン始動に有利である。
動力伝達装置14では、ブレーキB1の係合作動や各部の潤滑や各部の冷却に用いられる作動油(オイル)を供給する為の機械式のオイルポンプ(図4−7のMOP参照)が第2キャリヤCA2に連結されており、第2キャリヤCA2の回転に伴って駆動される。尚、両駆動EVモードのように第2キャリヤCA2の回転が停止される場合、電動式のオイルポンプ(不図示)によりオイルが供給される。
ところで、エンジン走行中にアクセルペダルの戻し操作などによって被駆動状態とされると、ワンウェイクラッチF1が解放状態とされる。この状態で、アクセルペダルの踏み込み操作などによる再加速要求が為された場合、ワンウェイクラッチF1が係合状態とされるまでエンジントルクTeが駆動輪16へ伝達されない。そうすると、ワンウェイクラッチF1が配置されている経路に例えばエンジン走行領域で被駆動状態となったときに係合状態としておくことができる摩擦係合装置を用いる場合と比べて、アクセルペダルの踏み込み操作などによる要求駆動トルクに対するトルク出力の応答性が低くなる可能性があった。
そこで、電子制御装置80は、エンジン走行中に(又は走行状態がエンジン走行領域にあるときに)被駆動状態となっているときには、その後の再加速要求に備えて、駆動状態へ切り替えられるときにワンウェイクラッチF1が応答性良く係合されて(すなわちローギヤが応答性良く形成されて)要求駆動トルクに対するトルク出力の応答性が向上される為に、第1回転機MG1の運転状態を制御することによってワンウェイクラッチF1の差回転速度ΔNf1(以下、OWC差回転速度ΔNf1という)を所定回転速度Npre以下に制御する差回転抑制制御を実行する。OWC差回転速度ΔNf1は、ワンウェイクラッチF1の一方の回転部材の回転速度に相当する第1キャリヤCA1の回転速度(すなわちエンジン回転速度Ne)と、ワンウェイクラッチF1の他方の回転部材の回転速度に相当する第1サンギヤ回転速度Ns1との回転速度差(=Ne−Ns1)である。所定回転速度Npreは、例えば再加速要求時に要求駆動トルクに対するトルク出力の応答性が低くなることが抑制されるOWC差回転速度ΔNf1であることを判断する為の予め定められた閾値である。
電子制御装置80は、前記差回転抑制制御を実現する為に、車両状態判定手段すなわち車両状態判定部86、及び差回転制御手段すなわち差回転制御部88を更に備えている。
車両状態判定部86は、スポーツモードが選択されているか否かを、スポーツモードオンSPORTonの信号が入力されているか否かに基づいて判定する。又、車両状態判定部86は、被駆動状態であるか否かを、例えば第1サンギヤ回転速度Ns1が第1キャリヤCA1の回転速度(すなわちエンジン回転速度Ne)より低下しているか否か(すなわちOWC差回転速度ΔNf1がゼロより大きな値となっているか否か)に基づいて判定する。
差回転制御部88は、車両状態判定部86により被駆動状態であると判定されたときには、差回転抑制制御を実行する。具体的には、被駆動状態において、エンジン回転速度Neはアクセル開度θaccによって決定される。又、第2リングギヤR2の回転速度は、駆動輪16の回転速度(つまり車速V)に拘束される為、その駆動輪16の回転速度から一意に決定される。又、差動部46において、第2リングギヤR2の回転速度に対して、差動部46の差動作用によりMG1回転速度Nmg1を変化させれば、差動部46の入力回転部材の回転速度である第2キャリヤCA2の回転速度(すなわち変速部44の出力回転部材の回転速度である第1リングギヤR1の回転速度を変化させることができる(図4−7等の共線図を参照)。又、変速部44において、エンジン回転速度Neに対して、第1リングギヤR1の回転速度を変化させれば、第1サンギヤ回転速度Ns1を変化させてOWC差回転速度ΔNf1を変化させることができる(図4−7等の共線図を参照)。従って、被駆動状態において、MG1回転速度Nmg1を変化させれば、OWC差回転速度ΔNf1を変化させることができる。その為、差回転制御部88は、被駆動状態のときには、エンジン回転速度Neに基づいてOWC差回転速度ΔNf1が所定回転速度Npre以下となる変速部44の出力回転部材の回転速度(以下、目標R1回転速度)を算出し、車速Vに基づく第2リングギヤR2の回転速度に基づいて、変速部44の出力回転部材の回転速度をその目標R1回転速度に制御するMG1回転速度Nmg1を算出する。すなわち、差回転制御部88は、エンジン回転速度Neと車速Vとに基づいて、OWC差回転速度ΔNf1が所定回転速度Npre以下となるようにMG1動作点としてのMG1回転速度Nmg1(以下、目標MG1回転速度)を算出する。そして、差回転制御部88は、その目標MG1回転速度となるように第1回転機MG1を制御する(すなわち差動部46の動作点を制御する)。このように、差回転制御部88は、車両状態判定部86により被駆動状態であると判定されたときには、変速部44の出力回転部材の回転速度をOWC差回転速度ΔNf1が所定回転速度Npre以下となる回転速度(目標R1回転速度)とするように、エンジン回転速度Neと車速Vとに基づいて、第1回転機MG1の運転状態を制御する、差回転抑制制御を実行する。
この差回転抑制制御の実行時、OWC差回転速度ΔNf1が所定回転速度Npre以下とされれば良いので、好適には、OWC差回転速度ΔNf1が所定回転速度Npre以下となる範囲において、差動部46の動力伝達効率が最も良くなるMG1動作点で第1回転機MG1を制御しても良い。すなわち、差回転制御部88は、OWC差回転速度ΔNf1が所定回転速度Npre以下となる状態(範囲)において差動部46の動力伝達効率が最大となるように、第1回転機MG1の運転状態を制御する。前述したように、MG1回転速度Nmg1が零回転となるメカニカルポイントでは、差動部46の理論伝達効率が最大の「1」となる。従って、OWC差回転速度ΔNf1が所定回転速度Npre以下となるのであれば、MG1回転速度Nmg1は零回転とするのが良く、MG1回転速度Nmg1を零回転とできないのであれば、MG1回転速度Nmg1はできるだけ零回転に近い方が良い。その為、差回転制御部88は、OWC差回転速度ΔNf1が所定回転速度Npre以下となる状態(範囲)で、MG1回転速度Nmg1を零回転とするか又はMG1回転速度Nmg1をできるだけ零回転近傍の回転速度とするように、目標MG1回転速度を算出する。
第2回転機MG2が出力可能なトルク(MG2出力可能トルクTmg2p)が小さい程、再加速要求が為されたときの要求駆動トルクを第2回転機MG2にて賄えるトルク分が小さくなり、その要求駆動トルクをエンジン12にて賄う必要があるトルク分が大きくなる。そうすると、被駆動状態においてMG2出力可能トルクTmg2pが小さい程、駆動状態へ切り替えられるときにワンウェイクラッチF1が応答性良く係合されることが望ましい。その為、差回転制御部88は、OWC差回転速度ΔNf1を所定回転速度Npre以下とする制御中には、MG2出力可能トルクTmg2pが小さい程、OWC差回転速度ΔNf1が小さくなるように、第1回転機MG1の運転状態を制御する。つまり、差回転制御部88は、MG2出力可能トルクTmg2pが小さい程OWC差回転速度ΔNf1が小さくなるMG1回転速度Nmg1とするように、目標MG1回転速度を算出する。見方を換えれば、MG2出力可能トルクTmg2pが大きい場合には、小さい場合と比べて、再加速要求が為されたときの要求駆動トルクを第2回転機MG2にて賄えるトルク分を大きくすることが可能であり、要求駆動トルクに対するトルク出力の応答性を第2回転機MG2にて確保し易くなる。その為、MG2出力可能トルクTmg2pが大きい場合には、差動部46での動力伝達効率の向上を重視しても良いという観点から、差回転制御部88は、OWC差回転速度ΔNf1を所定回転速度Npre以下とする制御中には、MG2出力可能トルクTmg2pが大きい程、差動部46の動力伝達効率が大きくなるように、第1回転機MG1の運転状態を制御する。
ここで、バッテリユニット20は、充電容量SOCやバッテリ温度THbatに応じて放電可能な電力(パワー)すなわち出力制限Woutが変化する。第2回転機MG2は、バッテリユニット20の出力制限Woutを超える電力は供給されない為、出力制限Woutに応じて出力可能な出力(パワー)が変化する。従って、MG2出力可能トルクTmg2pは、出力制限Woutに応じた出力可能な出力(パワー)で現在のMG2回転速度Nmg2において出力できる最大のMG2トルクTmg2である。差回転制御部88は、充電容量SOCやバッテリ温度THbatに基づいてバッテリユニット20の出力制限Woutを算出し、バッテリユニット20の出力制限Woutに基づいてMG2出力可能トルクTmg2pを算出する。尚、第2回転機MG2は、第2回転機MG2の温度に応じて出力可能な出力(パワー)が変化する可能性もある。その為、差回転制御部88は、第2回転機MG2の温度に基づいてMG2出力可能トルクTmg2pを算出しても良い。
スポーツモードが選択されているときは、ノーマルモードのときと比較して、要求駆動トルクに対するトルク出力の応答性がより望まれていると考えられる。一方で、ノーマルモードのときは、トルク出力の応答性よりも燃費性能を優先する方が望ましい。その為、差回転制御部88は、車両状態判定部86によりスポーツモードが選択されていると判定されているときに、差回転抑制制御を実行する。
エンジン走行中には、再加速時に、要求駆動トルクに対するトルク出力の応答性がより望まれていると考えられる。その為、差回転制御部88は、ハイブリッド制御部82によりエンジン走行が行われているときに、差回転抑制制御を実行する。エンジン走行が行われているときとは、エンジン12の動力によって車両10が駆動されている駆動状態であるときはもちろんのこと、被駆動状態ではあるがエンジン走行モードが成立させられているとき(すなわち走行状態がエンジン走行領域にあるとき)も含んでいる。
ハイブリッド制御部82は、エンジン走行モードにおいて被駆動状態となった場合には、エンジン12の運転を停止しても良いし、エンジン12を例えばアイドル回転速度程度の回転速度で作動させて運転を継続しても良い。エンジン12の運転を停止する場合には、燃費の向上が期待できる。一方で、エンジン12の運転を継続する場合には、再加速時にエンジン12を始動する必要がないので、要求駆動トルクに対するトルク出力の応答性が向上する。エンジン運転中は、燃費優先の状態ではなく、ドライバビリティ(トルク出力の応答性)を向上するうれしさがある。その為、差回転制御部88は、ハイブリッド制御部82によるエンジン12の作動中に、差回転抑制制御を実行する。
再加速要求が為されたことに伴うワンウェイクラッチF1の係合に際してOWC差回転速度ΔNf1が大きい場合は小さい場合よりも係合ショックが大きくなる可能性がある。被駆動状態から駆動状態へ切り替わるときの駆動トルクの大きさが小さい方が係合ショックが抑制され易いと考えられる。その為、ハイブリッド制御部82は、差回転制御部88による差回転抑制制御の実行中にアクセル開度θaccに基づいて再加速要求が為されたか否かを判断し、再加速要求が為されたと判断した場合には、OWC差回転速度ΔNf1が大きい程、要求駆動トルクを発生させるエンジントルクTeの目標トルク(或いはエンジントルクTe及びMG2トルクTmg2の各目標トルク)に対するトルクの低減量(以下、トルクダウン量という)を大きくする。ハイブリッド制御部82は、例えば図8に示すような、OWC差回転速度ΔNf1が大きい程トルクダウン量が大きくなるように予め定められた関係(トルクダウン量マップ)に、OWC差回転速度ΔNf1を適用することでワンウェイクラッチF1係合時のトルクダウン量を算出する。
図9は、電子制御装置80の制御作動の要部すなわち被駆動状態から駆動状態へ切り替えられるときに要求駆動トルクに対するトルク出力の応答性を向上する為の制御作動を説明するフローチャートであり、繰り返し実行される。図10は、図9のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例である。図11−図14は、図10のタイムチャートにおける各時点での状態の一例を共線図上に示す図である。
図9において、先ず、ハイブリッド制御部82の機能に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S10において、エンジン走行中であるか否か(又は走行モードがエンジン走行モードであるか否か)が判定される。このS10の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられる。このS10の判断が肯定される場合は車両状態判定部86の機能に対応するS20において、スポーツモードが選択されているか否かが、スポーツモードオンSPORTonの信号が入力されているか否かに基づいて判定される。このS20の判断が肯定される場合は車両状態判定部86の機能に対応するS30において、被駆動状態であるか否かが、OWC差回転速度ΔNf1がゼロより大きな値となっているか否かに基づいて判定される。前記S20の判断が否定される場合又は前記S30の判断が否定される場合はハイブリッド制御部82の機能に対応するS40において、エンジン12の最適燃費線を考慮したエンジン動作点にてエンジン12が作動させられる(すなわち燃費最適となる、変速部44及び差動部46の各変速比、及びエンジントルクTeとなるように、エンジン12の動作点が制御される)。一方で、前記S30の判断が肯定される場合は差回転制御部88の機能に対応するS50において、エンジン回転速度Neと車速Vとに基づいて、OWC差回転速度ΔNf1が所定回転速度Npre以下となるようにMG1動作点(目標MG1回転速度)が算出される。このMG1動作点の算出では、OWC差回転速度ΔNf1が所定回転速度Npre以下となる範囲で差動部46の動力伝達効率が最大となる目標MG1回転速度が算出されても良い。及び/又は、このMG1動作点の算出では、MG2出力可能トルクTmg2pが小さい程OWC差回転速度ΔNf1が小さくなる目標MG1回転速度が算出されても良い。次いで、差回転制御部88の機能に対応するS60において、目標MG1回転速度となるように第1回転機MG1が制御される(すなわち差動部46の動作点が制御される)。次いで、ハイブリッド制御部82の機能に対応するS70において、アクセル開度θaccに基づいて再加速要求が為されたか否かが判断される。このS70の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられる。このS70の判断が肯定される場合はハイブリッド制御部82の機能に対応するS80において、OWC差回転速度ΔNf1に基づいて、要求駆動トルクを発生させるエンジントルクTe(或いはエンジントルクTe及びMG2トルクTmg2)の目標トルクに対するワンウェイクラッチF1係合時のトルクダウン量が算出される。OWC差回転速度ΔNf1が大きい程トルクダウン量が大きくされる。次いで、ハイブリッド制御部82の機能に対応するS90において、要求駆動トルクに応じた駆動力源(エンジン12、第2回転機MG2)の目標トルクを出力する出力制御が実行される。この出力制御の際、ワンウェイクラッチF1係合時(例えばOWC差回転速度ΔNf1が零回転に収束するとき)には、上記トルクダウン量にて上記目標トルクのトルクダウンが実施される。
図10において、t1時点以前は、エンジン走行中の状態(状態[1]とする)であり、例えば変速部44及び差動部46における各回転部材の回転速度は図11の共線図にて示される。この状態[1]は、図6の共線図の状態と同じ状態である。t1時点は、アクセルペダルの戻し操作が開始された時点を示している。このアクセルペダルの戻し操作によって被駆動状態に切り換えられた為、t1−t2時点では、差回転抑制制御が実行されてMG1回転速度Nmg1が低下させられている。このt1−t2時点は、差回転抑制制御が実行されている状態(状態[2]とする)であり、例えば変速部44及び差動部46における各回転部材の回転速度は図12の共線図にて示される。t2時点は、アクセルオフとされた時点を示している。このt2時点は、差回転抑制制御の実行中においてOWC差回転速度ΔNf1が所定回転速度Npre以下となるのでMG1回転速度Nmg1が零回転とされて差動部46の動力伝達効率が最大とされている状態(状態[3]とする)であり、例えば変速部44及び差動部46における各回転部材の回転速度は図13の共線図にて示される。t2時点以降、エンジン回転速度Neがアイドル回転速度まで低下させられて、エンジン12はアイドル回転速度にて運転が維持されている。OWC差回転速度ΔNf1が所定回転速度Npre以下となるのでMG1回転速度Nmg1の零回転が維持されている。このt2時点以降は、差回転抑制制御においてMG1回転速度Nmg1の零回転が維持されている状態(状態[4]とする)であり、例えば変速部44及び差動部46における各回転部材の回転速度は図14の共線図にて示される。
上述のように、本実施例によれば、ワンウェイクラッチF1が非係合状態とされる被駆動状態のときには、OWC差回転速度ΔNf1を所定回転速度Npre以下とする制御(差回転抑制制御)が実行されるので、再加速要求が為されたことに伴ってワンウェイクラッチF1が係合状態とされることで変速部44にて所定のギヤ段(ローギヤ)が形成される場合に、ワンウェイクラッチF1の非係合状態から係合状態への切替えが速やかに行われ易くなる。よって、被駆動状態から駆動状態へ切り替えられるときに、要求駆動トルクに対するトルク出力の応答性を向上することができる。
また、本実施例によれば、被駆動状態のときには、OWC差回転速度ΔNf1が所定回転速度Npre以下となる範囲で差動部46の動力伝達効率が最大となるように、差回転抑制制御が実行されるので、被駆動状態にあるときに、差動部46の動力伝達効率の低下が抑制されると共に、被駆動状態から駆動状態へ切り替えられるときに、要求駆動トルクに対するトルク出力の応答性を向上することができる。
また、本実施例によれば、MG2出力可能トルクTmg2pが小さい程、OWC差回転速度ΔNf1が小さくなるように、差回転抑制制御が実行されるので、再加速要求が為された場合に、ワンウェイクラッチF1の非係合状態から係合状態への切替えがより速やかに行われ易くなる。よって、被駆動状態から駆動状態へ切り替えられるときに、要求駆動トルクに対するトルク出力の応答性をエンジン12にて確保することができる。
また、本実施例によれば、スポーツモード時に、差回転抑制制御が実行されるので、トルク出力の応答性がより求められているときにおいて再加速要求が為された場合に、ワンウェイクラッチF1の非係合状態から係合状態への切替えがより速やかに行われ易くなる。見方を換えれば、スポーツモード時以外(ノーマルモード)では、トルク出力の応答性よりも燃費性能を優先するという観点で、差回転抑制制御を実行しないことで燃費が低下するのを抑制することができる。
また、本実施例によれば、差回転抑制制御中に再加速要求が為された場合には、OWC差回転速度ΔNf1が大きい程、目標トルクに対するトルクダウン量が大きくされるので、OWC差回転速度ΔNf1が大きい程、要求駆動トルクに対するエンジン12(或いはエンジン12及び第2回転機MG2)によるトルク出力の変化が緩やかにされて、再加速要求時のワンウェイクラッチF1の係合ショックを抑制することができる。
また、本実施例によれば、エンジン12の作動中に、差回転抑制制御が実行されるので、エンジン停止中と比べて燃費性能よりもトルク出力の応答性が優先されるときにおいて再加速要求が為された場合に、ワンウェイクラッチF1の非係合状態から係合状態への切替えがより速やかに行われ易くなる。
また、本実施例によれば、エンジン走行モード時に、差回転抑制制御が実行されるので、モータ走行モードと比べて燃費性能よりもトルク出力の応答性が優先されるときにおいて再加速要求が為された場合に、ワンウェイクラッチF1の非係合状態から係合状態への切替えがより速やかに行われ易くなる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、前述の実施例では、差回転抑制制御は、エンジン走行中(又はエンジン走行モードにあるとき)、スポーツモードが選択されているとき、及びエンジン12の作動中に実行されたが、この態様に限らない。例えば、差回転抑制制御は、モータ走行中(又はモータ走行モードにあるとき)に実行されても良いし、又は、ノーマルモードのときにも実行されても良いし、又は、エンジン走行モードにおいて被駆動状態となった場合にエンジン12の運転を停止するときにも実行しても良い。このような場合、図9のフローチャートにおいては、S10やS20は適宜除かれる。
また、前述の実施例では、差回転抑制制御中の再加速要求に際して、ワンウェイクラッチF1係合時にOWC差回転速度ΔNf1に応じてトルクダウンを実施したが、この態様に限らない。例えば、このトルクダウンは必ずしも実施しなくても良い。このような場合、図9のフローチャートにおいては、S70−S90は適宜除かれる。
また、前述の実施例では、車両10は、第2回転機MG2が第1動力伝達部24の軸心とは別の軸心上に配置されるような連結関係のギヤトレーンであったが、例えば第2回転機MG2が第1動力伝達部24の軸心と同じ軸心上に配置されるような連結関係のギヤトレーンなどであっても良い。そもそも、エンジン12と、変速部44と、差動部46と、駆動輪16に動力伝達可能に連結された第2回転機MG2とを備えた車両であれば、本発明を適用することができる。又、FF方式の車両10に好適に用いられる動力伝達装置14を用いて発明を説明したが、本発明は、例えばRR方式など他の方式の車両に用いられる動力伝達装置においても適宜適用することができる。
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
10:車両
12:エンジン
16:駆動輪
44:変速部
CA1:第1キャリヤ(変速部の入力回転部材)
R1:第1リングギヤ(変速部の出力回転部材)
46:差動部
50:第2遊星歯車機構(差動部の差動機構)
S2:第2サンギヤ(差動機構の第2回転要素)
CA2:第2キャリヤ(差動機構の第1回転要素)
R2:第2リングギヤ(差動機構の第3回転要素)
80:電子制御装置(制御装置)
88:差回転制御部
F1:ワンウェイクラッチ
MG1:第1回転機
MG2:第2回転機

Claims (1)

  1. エンジンが動力伝達可能に入力回転部材に連結された変速部と、前記変速部の出力回転部材に連結された第1回転要素と第1回転機が動力伝達可能に連結された第2回転要素と駆動輪に連結された第3回転要素とを有する差動機構を備えて前記第1回転機の運転状態が制御されることにより前記差動機構の差動状態が制御される差動部と、前記駆動輪に動力伝達可能に連結された第2回転機とを備えた車両の、制御装置であって、
    前記変速部は、係合状態とされることで所定のギヤ段を形成する一方で被駆動状態では非係合状態とされるワンウェイクラッチを備えており、
    前記被駆動状態のときには、前記変速部の出力回転部材の回転速度を前記ワンウェイクラッチの差回転速度が所定回転速度以下となる回転速度とするように、前記エンジンの回転速度と前記駆動輪の回転速度とに基づいて、前記第1回転機の運転状態を制御する差回転制御部を含むことを特徴とする車両の制御装置。
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