JP6581860B2 - 重油廃油混合装置及び同装置を使用した重油と廃油との混合方法 - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、
『[請求項1]燃料油と、ポンプにより送出される廃油とを攪拌、混合するミキサと、このミキサから送出された燃料油と廃油との混合油を燃焼するバーナとを備え、前記バーナの起動後は、前記重油に対する燃料油の混合割合が前記混合油の最適燃焼状態が得られる所定値となるように、前記ポンプが駆動制御されることを特徴とする燃焼装置。』
が開示されている。
そして明細書には、実施の形態として概略次のような記述がなされている。即ち
『この実施形態による燃焼装置は、重油タンク1と、廃油タンク7と、廃油供給用のポンプ12と、バーナ13とを備え、さらに小型のミキサ17が備えられている。これらのうち重油タンク1は重油を貯蔵し、この重油を重油攪拌用のモータ1aによって回転する攪拌翼1bにより攪拌し供給管2、開閉バルブ3、4を通じてミキサ17へ供給する。
また、廃油タンク7では、投入された廃油を一時貯留し、廃油攪拌用のモータ7aによって回転する攪拌翼7bにより攪拌する。この攪拌を行った廃油はポンプ12により給油管8および開閉バルブ9〜11を通じてミキサ17へ供給する。このミキサ17への廃油の供給量は、ポンプ12において後述のように制御される。また、流量計15は給油管8を流れる廃油の流量を(供給量)を自動監視している。
前記ミキサ17はフジノスパイラル(濾材)が収納され、このフジノスパイラルの物理的ろ過機能を利用して廃油と重油との均等な混合促進力を高め、品質の安定した燃料油を精製可能にしている。また、このようにして生成された燃料油は、さらに十分に攪拌、混合して、所定値以下の粘度を維持し、バーナ13へ供給可能にしている。』
と記載されている。
本発明は上記発明の問題点に鑑みてなされたもので、重油と廃油との混合液体を攪拌槽内に1個のノズルで噴射させて混合攪拌して混合燃料を製造し、製造された混合燃料を貯留槽に貯留するという攪拌機能と貯留機能を分離することによって、混合燃料の製造量の増加を図り、大型ボイラーや複数のボイラーへの混合燃料の供給を可能にするとともに、貯留によって生じる重油と廃油との分離を貯留槽から攪拌槽への混合燃料を間欠的に循環させることによって再攪拌して再生させ、常に均質な混合燃料をバーナーに供給できる混合燃料の製造装置、及び製造方法を提供するものである。
(1)重油と廃油とを混合して得られる混合燃料をバーナーに供給して燃焼させる際に使用される混合燃料の製造用の重油廃油混合装置であって、
重油と廃油との混合液体を加圧して上部のノズルから噴射して攪拌・混合させて混合燃料にする攪拌槽と、
前記攪拌槽で製造された混合燃料を貯留する貯留槽と、
前記攪拌槽で製造された混合燃料を貯留槽に送る複数の連結管と、
前記貯留槽に取り付けられ、混合燃料をバーナーに供給するための供給管と、
前記貯留槽に貯留された混合燃料が、重油と廃油との比重差による経時変化で分離することを考慮して貯留槽の上部と底部とからそれぞれれ組成比率が異なった混合燃料油を取り出し、前記攪拌槽に還流させる圧送ポンプと、
貯留槽に貯留された混合燃料を供給管を介してバーナーに供給して燃焼させることによって減少する混合燃料の残量を、液面の高さで検知する液面検知機構と、
前記液面検知機構が、前記連結管の内の混合燃料の液面が所定下限高さに達したのを検知したとき、新たに一定量の重油と廃油とを前記貯留槽から還流される混合燃料に加えて攪拌槽に送り、減少した混合燃料の量を回復させるための定量重油タンク及び定量廃油タンクと、
で構成されてなることを特徴とする重油廃油混合装置。
(5)前記液面高下限センサーが、前記液体量調整部の液面高が下限値まで低下したのを検知して発する信号によって、予め一定量の重油と廃油とをそれぞれ蓄えてなる定量重油タンク及び定量廃油タンクの供給口に設けられた電磁弁が開放され、重油と廃油とが圧送ポンプよって、貯留槽から還流される混合燃料とともに攪拌槽に圧送されて減少した分の混合燃料を製造して補給するよう構成されてなることを特徴とする(4)に記載の重油廃油混合装置。
新規運転時には
a.貯留槽上部に設けられた原料注入口)から重油と廃油とを一定比率で注入して貯留槽(3)を満たす第1ステップと
b.液体量調整部の上部に設けられた捕給口から前記流体量調整部内に一定量の重油のみを補給する第2ステップと、
c.貯留槽の上方側壁に設けられた開閉弁及び該貯留槽の底部に設けられた開閉弁(23)と、圧送ポンプ(5)の入力側に設けられた開閉弁を開き、圧送ポンプの稼働によって貯留槽内に分離状態で注入されている重油と廃油とを貯留槽の上部側壁と底部に設けられた液取出管を介して吸引して取り出して攪拌槽に圧送し、導入管に設けたノズルから攪拌槽内に噴出させて攪拌・混合し、連結管を介して貯留槽に還流する第3ステップと、
d.前記第3ステップを繰り返し行って、当初貯留槽内に分離した状態で注入された重油と廃油とを順次混合燃料化して貯留槽に均質な混合燃料を充満させ、混合燃料のバーナーへの供給を可能状態に保持する第4ステップと、
で構成されてなることを特徴とする重油と廃油との混合方法。
(8)第4ステップによって貯留槽に満たされた混合燃料が、貯留槽の外壁に設けられた供給管からバーナーに供給されるのに伴って液体量調整部の液面高が所定の下限値まで低下したとき、それを検知した液面高下限センサーの発する信号によって、予め一定量の重油及び一定量の廃油を貯留した定量重油タンク及び定量廃油タンクの電磁弁が時間差を持って交互に開かれ、重油と廃油とが交互に圧送ポンプを介して攪拌槽に送られ、かつ、両電磁弁は一定時間経過後に閉じられるよう制御され、さらに貯留した重油及び廃油の排出により空になった定量重油タンク及び定量廃油タンクに外部からそれぞれ一定量の重油及び廃油が外部から補給される第6ステップを併せ有してなることを特徴とする(6)又は(7)に記載の重油と廃油との混合方法。
〈1〉本発明の重油廃油混合装置が、
重油と廃油との混合液体を加圧して上部のノズルから噴射して攪拌・混合させて混合燃料にする攪拌槽と、
前記攪拌槽で製造された混合燃料を貯留する貯留槽と、
前記攪拌槽で製造された混合燃料を貯留槽に送る複数の連結管と、
前記貯留槽に取り付けられ、混合燃料をバーナーに供給するための供給管と、
前記貯留槽に貯留された混合燃料が、重油と廃油との比重差による経時変化で分離することを考慮して貯留槽の上部と底部とからそれぞれれ組成比率が異なった混合燃料油を取り出し、前記攪拌槽に還流させる圧送ポンプと、
貯留槽に貯留された混合燃料を供給管を介してバーナーに供給して燃焼させることによって減少する混合燃料の残量を、前記液体量調整部の液面高さが所定の下限値まで低下誌田のを検知する液面高検知センサーとで構成される液面検知機構と、
前記液面高検知センサーが、液体量調整部の混合燃料の液面高が所定の下限値まで低下したのを検知したとき、新たに一定量の重油と廃油とを前記貯留槽から還流される混合燃料に加えて攪拌槽に送り、減少した混合燃料の量を回復させるための定量重油タンク及び定量廃油タンクと、
で構成されているので、
本装置一体で混合燃料の効率的な製造と、製造された混合燃料の均質性を維持しての貯留、及び均質な混合燃料のバーナーへの供給が可能となる。また、攪拌槽と貯留槽とを分離配設したことから、従来バーナーに直結されバーナー使用時に限って運転されていた重油廃油混合装置が、バーナー不使用時にも運転可能となり、かつより大量の混合燃料を製造、貯留することが可能になり、大型バーナーや複数のバーナーへの混合燃料の供給が可能になる。
重油と廃油との混合液体が導入管に設けられたノズルから攪拌槽内に噴射されて攪拌槽内で攪拌・混合され、半球形状の底面で反射されて吹き上げられ、前記整流筒体と導入管との間の空隙を通して円滑に前記二重の整流板間内の空間に導出されることから攪拌槽内部の圧力も高まり混合燃料化が促進され、比較的簡便な構造で効率よく混合燃料が製造できる。
製造直後の混合燃料は貯留槽の有効貯留深さの中央近傍に注入され、その位置から供給管を介してバーナーに供給でき、また貯留によって重油と廃油とが分離して重油と廃油との組成比が変化した貯留槽の上部と下部とから一定時間ごとに取り出されて攪拌槽に還流されて攪拌・混合され、常に均質な混合燃料に再生・維持され、バーナーの安定した燃焼が確保される。
貯留槽内に混合燃料が常に充満されているか否かを目視で監視、調整できるよう、貯留槽の側面上端の一部から立ち上げられた管体の一部が拡径されてなる液体量調整部と、前記貯留槽に貯留された混合燃料のバーナーへの供給による減少によって前記液体量調整部の液面が所定の下限高さまで低下したことを検知して信号を発する液面高下限センサーとで構成され、かつ、前記液面高下限センサーが、前記液体量調整部の液面高が所定の下限値まで低下したのを検知して発する信号によって、予め一定量の重油と廃油とをそれぞれ蓄えてなる定量重油タンク及び定量廃油タンクの供給口に設けられた電磁弁が開放され、重油と廃油が圧送ポンプによって、貯留槽から還流される混合燃料とともに攪拌槽に圧送され、減少した量の混合燃料を製造して補給するよう構成されているので、
前記液体量調整部の液面高が下限値まで低下した場合には液面高下限センサーの発する信号によって自動的に一定量の重油と廃油とが定量重油タンク、及び定量廃油タンクから補給されて混合燃料の増加が図れ、また前記液体量調整部の目視によって 貯留槽内に混合燃料が満たされているか否かの確認が随時容易にでき、万一、液面高下限センサーの不具合によって信号が発せられない場合であっても的確に対応でき、混合燃料の安定供給が可能な重油廃油混合装置が提供できる。
a.貯留槽上部に設けられた原料注入口から重油と廃油とを一定比率で注入してして貯留槽を満たす第1ステップと、
b.流体量調整部の上部に設けられた捕給口から前記液体量調整部内に一定量の重油のみを補給する第2ステップと、
c.貯留槽の上方側壁に設けられた開閉弁及び該貯留槽の底部に設けられた開閉弁と、圧送ポンプの入力側に設けられた開閉弁を開き、圧送ポンプの稼働によって貯留槽内に分離状態で注入されている重油と廃油とを貯留槽の上部側壁と底部に設けられた液取出管を介して吸引して取り出して攪拌槽に圧送し、導入管に設けたノズルから攪拌槽内に噴出させて攪拌・混合し、連結管を介して貯留槽に還流する第3ステップと、
d.前記第3ステップを繰り返し行って、当初貯留槽に分離した状態で注入された重油と廃油とを順次混合燃料化して貯留槽に均質な混合燃料を充満させ、混合燃料のバーナーへの供給を可能状態に保持する第4ステップとで構成され、
かつ、第4ステップによって貯留槽に満たされた混合燃料が、経時変化によって重油と廃油との分離が進み、均質な混合燃料のバーナーへの供給が確保できなくなるのを防止するため、第4ステップ終了後に停止された圧送ポンプを、停止後一定時間経過するごとに駆動して、ステップ3と同様に、重油と廃油との組成比が異なった上層と下層の混合燃料を吸引して取り出し、攪拌槽へ循環させてその均質性を回復、維持する第5ステップを併せ有し、
さらに、第4ステップによって貯留槽に満たされた混合燃料が、貯留槽の外壁に設けられた供給管からバーナーに供給されるのに伴って液体量調整部の液面高が低下し、所定の下限値まで低下したとき、液面高下限センサーの発する信号によって、予め一定量の重油及び一定量の廃油を貯留した定量重油タンク及び定量廃油タンクの電磁弁が時間差を持って交互に開かれ、重油と廃油とが交互に圧送ポンプを介して攪拌槽に送られ、かつ、両電磁弁は一定時間経過後に閉じられるよう制御され、さらに貯留した重油及び廃油の排出により空になった定量重油タンク及び定量廃油タンクに外部からそれぞれ一定量の重油及び廃油が補給される第6ステップをも併せ有しているので、
第1ステップと第2ステップ以外は、液体量調整部での液面監視を除き、予めタイマーに設定された時間間隔によって各ステップの進行が行え、大幅な自動化による重油と廃油との混合方法が提供でき、作業効率の向上に寄与する。
図1は本発明の重油廃油混合装置の構造を説明するための断面図、図2は本発明の重油廃油混合装置の上面図及び上整流板の上面図、図3は本発明の重油廃油混合装置の攪拌槽上部の構造と作用を説明するための断面図、図4−1及び図4−2は本発明の重油廃油混合装置を使用した重油と廃油との混合方法における各ステップでの混合液化される流れを示す説明図である。
図において1は重油廃油混合装置、2は攪拌槽、3は貯留槽、4は連結管、5は圧送ポンプ、6は定量重油タンク、7は定量廃油タンク、8は上整流板、8aは切り込み、9は下整流板、9aは攪拌槽取付部、10は導入管、11はノズル、12は整流筒体、13は注入管、14、14’は液取出管、15は供給管、16は液体量調整部、17は液面高下限センサー、18、19は電磁弁、20は原料注入口、21は補給口、22、23、24は開閉弁、25、26は調整弁、27通気管、28はバーナー、29はガイドを示す。
前記攪拌槽2で製造された混合燃料を貯留する貯留槽3と、
前記攪拌槽2で製造された混合燃料を貯留槽3に送る複数の連結管4と、
前記貯留槽3に貯留された混合燃料が、重油と廃油との比重差による経時変化で分離することを考慮して貯留槽3の上部と底部とからそれぞれれ組成比率が異なった混合燃料を取り出し、前記攪拌槽2に還流させる圧送ポンプ5と、
貯留槽3に貯留された混合燃料を供給管15を介してバーナー28に供給して燃焼させることによって減少する混合燃料の残量を液面の高さで検知する液面検知機構と、
前記液面検知機構が、混合燃料の液面高が所定下限値まで低下したとき、新たに一定量の重油と廃油とを、前記貯留槽3から還流される混合燃料に加えて攪拌槽2に送り、減少した混合燃料の量を回復させるための定量重油タンク6と定量廃油タンク7と、で構成されている。
これによって圧送ポンプ5で送られてきた重油と廃油との混合液が、ノズル11から攪拌槽2内に噴射され、噴出された液体の圧力とその流れによる衝撃や摩擦、乱流によって攪拌・混合されて混合燃料化され、かつ製造された混合燃料を貯留槽3から攪拌槽2に循環還流して重油と廃油との分離が進む混合燃料の均質性の維持を可能にしている。
また、導入管10に配設されるノズル11は、圧送ポンプ5の性能、及びノズルが配設された部分の導入管10の絞り具合によって噴射する重油と廃油との混合液体の流速や流量が異なってくるので、重油廃油混合装置1の大きさや利用目的に応じて適宜選択して使用することが好ましく、また、ノズル11の先端位置によっても攪拌槽2内の液体の流れや混合具合が異なってくるので、導入管10へのノズル11の配設が、前記ノズル11の先端位置が上下に調節できる機構を介して行われることも好ましい。
また、攪拌槽2内での重油と廃油との混合が不完全であった場合には、比重の大きい方が攪拌槽2の半球形底面の中央付近に集まることになるが、ノズル11から噴射される液体の圧力によって前記攪拌槽2の底部に留まることなく吹き上げられて攪拌・混合されることから、均質な混合燃料が得られる。
さらに攪拌槽2を覆う下整流板9に整流筒体12が設けられているので、攪拌槽2内に噴射された液体は、攪拌槽2外に円滑に流出せず圧力を伴って留まり流れを複雑にして重油と廃油とが攪拌・混合する機会を増やしている。なお、前記攪拌槽2内の圧力は、整流筒体12と導入管10との間の空隙の断面積とノズル11の噴射口の断面積の比によって変化すことから、使用する圧送ポンプ5の性能等も含めて適宜設定することが好ましく、また前記整流管12と導入管10との間の空隙間隔が、該空隙を流れ出る液体によって生じる圧力によって不均一になるのを防止する円柱状のガイド29を設けてある[図3(b)参照]。
なお、上整流板8の上方は通気管27につながっており、前記上整流板8の略半円形の切り込み8aは、本重油廃油混合装置の新規運転時に、前記攪拌槽2内に充満していた空気を前記通気管27を介して排出し、混合燃料の安定した製造に寄与している。
また、攪拌槽2と貯留槽3とを結ぶ連結管4は、本実施例では4本を90度間隔で配設した(図2参照)が、その数や配置はこれに限定されるものではない。しかし、連結管4の本数が少ないと連結管4内の混合燃料の流れが速くなり、気泡も発生しやすくなるので、少なくとも4本以上等間隔で設けるのが好ましい。
この貯留槽3の構造は、混合燃料が経時変化によって重油と廃油とが分離して、貯留槽3の上層部から前記液体量調整部16にかけて比重の小さい方が移動し、比重の大きい方は貯留槽3の下層部に移動することを考慮して構成されたものであって、攪拌槽2で攪拌・混合された混合燃料は、連結管4と注入管13を介して貯留槽3の中層域に注入されるとともに、この中層域の分離が進んでいない混合燃料をバーナー28に供給できるよう、供給管15もこの中層域に設けている。
なお、貯留槽3の底部には小径のセラミックボールを複数層に敷き詰めこの敷き詰め量によって比重の大きい成分の多い混合燃料の液取出口14’への流速を制御し、貯留槽3の上層部から取り出した比重の小さい成分の多い混合燃料と混合する際、その構成比率が適切になるようにしておくことが好ましい。
なお、図示されてはいないが、貯留槽3には脚又は架台が設けられており、脚の下、又は架台には液漏れセンサーを備えたパンが設置され、液漏れの監視と、漏れた液の周辺への漏出防止対策が施されている。
また、定量重油タンク6と定量廃油タンク7の内底にはメッシュが敷かれ、その上に複数のセラミックボールが載置され、混合燃料の重油と廃油との混合比を変更する場合には前記セラミックボールの数を変え、定量重油タンク6と定量廃油タンク7に蓄えられる重油と廃油の容量を変更することによって行う。なお、この定量重油タンク6と定量廃油タンク7に蓄えられる重油と廃油との容量の合計は、前記液体量調整部16の液面の上限値と下限値間の体積に略等しくされている。したがって、前記液体量調整部16の液面はその上限値を超えて上昇することがないので、前記定量重油タンク6と定量廃油タンク7とをこの液体量調整部16の上限値以上の高さに配設しておけば、重油及び廃油の逆流が防止できるので好ましい。
a.まず第1ステップで、貯留槽3上部に設けられた原料注入口20から重油と廃油とを2:7〜3:7の比率で注入して貯留槽3を満たし[図4−1(a)参照]、
b.次いで第2ステップとして、液体量調整部16の上部に設けられた捕給口21から前記液体量調整部16内に一定量の重油のみを補給する[図4−1(b)参照]。この補給量は、定量重油タンク6と定量廃油タンク7に蓄えられる重油と廃油との容量の合計値と等しい量とする。
c.ステップ3として、貯留槽3の上方側壁及び底部に設けられた開閉弁22、23と、圧送ポンプ5の入力側に設けられた開閉弁とを開き、圧送ポンプ5が稼働して、貯留槽3内に注入されその比重差によって上層と下層に分離している重油と廃油とが貯留槽3の上部側壁と底部に設けた液取出管14、14’を介して吸引されて取り出され、重油と廃油との混合液体として攪拌槽2に圧送され、導入管10に設けたノズル11から攪拌槽2内に噴出される。しかし、新規運転時には前記攪拌槽2内は空の状態であり、噴出される重油と廃油との混合液体が攪拌槽2を満たすまではその混合活動は活発でなく、そして液体量調整部17の液面は下降し続け、下限値を超えることになる。下限値を超えれば液面高下限センサー17が信号を発し、定量重油タンク6及び定量廃油タンク7から重油及び廃油が補給されるが、攪拌槽2の容量によってはこの補給によっては追いつかず、下限値を下回った状態が継続するおそれもある。したがってこの間は前記補給口21から重油の補給を継続することが好ましい。なお、この場合には重油と廃油との比率が所定値から外れるので、最初に貯留槽3に注入する重油と廃油との比率を貯留槽3の容積のみならず攪拌槽2の容積をも加えた容積量によって配分し、貯留槽3には、後で補給される重油に対応する分、廃油の量を多くして注入しておくことが好ましい。
そして前記攪拌槽2に液体が充満すると、前記ノズル11から攪拌槽2内に噴出される重油と廃油との混合液体は攪拌・混合されて順次均等に混じり合わされ、連結管4を介して貯留槽3に戻される。
d.上記cの工程、即ち、貯留槽3に蓄えられた液体を圧送ポンプ5によって攪拌槽2に送って攪拌・混合して混合燃料化して貯留槽3に戻すという操作を繰り返えすことによって、貯留槽3に当初分離した状態で注入された重油と廃油とが均質な混合燃料となって貯留槽3を満たすと、圧送ポンプ5が停止し、バーナーへの供給が可能な状態となる[図4−2(c)参照]。
なお図4−2(d)は、定量重油タンク6と定量廃油タンク7から供給される重油と廃油とが一定の時間差を持って交互に補給されるのを模式的に示したものであり、実際の重油や廃油の落下、供給形態を示したものではない。
2:攪拌槽
3:貯留槽
4:連結管
5:圧送ポンプ
6:定量重油タンク
7:定量廃油タンク
8:上整流板
8a:切り込み
9:下整流板
9a:攪拌槽取付部
10:導入管
11:ノズル
12:整流筒体
13:注入管
14、14’:液取出管
15:供給管
16:液体量調整部
17:液面高下限センサー
18、19:電磁弁
20:原料注入口
21:補給口
22、23、24:開閉弁
25、26:調整弁
27:通気管
28:バーナー
29:ガイド
Claims (8)
- 重油と廃油とを混合して得られる混合燃料をバーナー(28)に供給して燃焼させる際に使用される混合燃料の製造用の重油廃油混合装置(1)であって、
重油と廃油との混合液体を加圧して上部のノズル(11)から噴射して攪拌・混合させて混合燃料にする攪拌槽(2)と、
前記攪拌槽(2)で製造された混合燃料を貯留する貯留槽(3)と、
前記攪拌槽(2)で製造された混合燃料を貯留槽(3)に送る複数の連結管(4)と、
前記貯留槽(3)に取り付けられ、混合燃料をバーナー(28)に供給するための供給管(15)と、
前記貯留槽(3)に貯留された混合燃料が、重油と廃油との比重差による経時変化で分離することを考慮して貯留槽(3)の上部と底部とからそれぞれれ組成比率が異なった混合燃料油を取り出し、前記攪拌槽(2)に還流させる圧送ポンプ(5)と、
貯留槽(3)に貯留された混合燃料を供給管(15)を介してバーナー(28)に供給して燃焼させることによって減少する混合燃料の残量を、液面の高さで検知する液面検知機構と、
前記液面検知機構が、前記連結管(4)の内の混合燃料の液面が所定下限高さに達したのを検知したとき、新たに一定量の重油と廃油とを前記貯留槽(3)から還流される混合燃料に加えて攪拌槽(2)に送り、減少した混合燃料の量を回復させるための定量重油タンク(6)及び定量廃油タンク(7)と、
で構成されてなることを特徴とする重油廃油混合装置。 - 前記攪拌槽(2)は底面が半球形状の円筒体であって、該攪拌槽(2)の蓋体を形成する上下二重の整流板(8、9)の下整流板(9)に吊設され、その上部中央部には前記上下二重の整流板(8、9)を貫通して、前記圧送ポンプ(5)から送られる重油と廃油との混合液体を導入する導入管(10)が垂設されてなり、そして前記下整流板(9)の穿設孔の径が前記導入管(10)の外径より大きくとられ、かつその穿設孔には下方に向けて両端部開口した短管の整流筒体(12)が設けられ、この整流筒体(12)と導入管(10)との間の空隙を通して攪拌槽(2)内で製造された混合燃料が前記二重の整流板(8、9)間の空間に導出されるよう構成されてなることを特徴とする請求項1に記載の重油廃油混合装置。
- 前記貯留槽(3)は下方が縮形した漏斗状の容器であって、該貯留槽(3)の上面中央には攪拌槽(2)から連結管(4)を介して送られてくる混合燃料を注入する注入管(14)が貯留槽(3)の有効貯留深さの中央近傍位置まで挿入されてなり、また前記貯留槽(3)の上部側壁及び底部には、貯留された混合燃料の経時変化による重油と廃油との分離によって上層と下層とでその組成比率が異なった混合燃料をそれぞれ取り出して圧送ポンプ(5)に送り、前記攪拌槽(2)に還流させて、均質な混合燃料油に再生するための液取出管(14、14’)が接続され、さらに前記貯留槽(3)の側壁で前記注入管(13)が挿入された深さ位置に相当する部分に、貯留された混合燃料をバーナー(28)に供給する供給管(15)が設けられてなることを特徴とする請求項1又は2に記載の重油廃油混合装置。
- 前記液面検知機構が、貯留槽(3)内の混合燃料の充満度を液面の高さで検知するものであって、その高さを目視で監視、調整できるよう、貯留槽(3)の側面上端の一部から立ち上げられた管体の一部が拡径されてなる液体量調整部(16)と、前記貯留槽(3)に貯留された混合燃料のバーナー(28)への供給による減少によって前記液体量調整部(16)の液面高が所定の下限値まで低下したことを検知して信号を発する液面高下限センサー(17)とで構成されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の重油廃油混合装置。
- 前記液面高下限センサー(17)が、前記液体量調整部(16)の液面高が下限値まで低下したのを検知して発する信号によって、予め一定量の重油と廃油とをそれぞれ蓄えてなる定量重油タンク(6)及び定量廃油タンク(7)の供給口に設けられた電磁弁(18、19)が開放され、重油と廃油とが圧送ポンプ(5)よって、貯留槽(3)から還流される混合燃料とともに攪拌槽(2)に圧送されて減少した量の混合燃料を製造して補給するよう構成されてなることを特徴とする請求項4に記載の重油廃油混合装置。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の重油廃油混合装置を用いた重油と廃油との混合方法であって、
新規運転時には
a.貯留槽(3)上部に設けられた原料注入口(20)から重油と廃油とを一定比率で注入して貯留槽(3)を満たす第1ステップと
b.液体量調整部(16)の上部に設けられた捕給口(21)から前記流体量調整部(16)内に一定量の重油のみを補給する第2ステップと、
c.貯留槽(3)の上方側壁5に設けられた開閉弁(22)及び該貯留槽(3)の底部に設けられた開閉弁(23)と、圧送ポンプ(5)の入力側に設けられた開閉弁(24)を開き、圧送ポンプ(5)の稼働によって貯留槽(3)内に分離状態で注入されている重油と廃油とを貯留槽(3)の上部側壁と底部に設けられた液取出管(14、14’)を介して吸引して取り出して攪拌槽(2)に圧送し、導入管(10)に設けたノズル(11)から攪拌槽(2)内に噴出させて攪拌・混合し、連結管(4)を介して貯留槽(3)に還流する第3ステップと、
d.前記第3ステップを繰り返し行って、当初貯留槽(3)内に分離した状態で注入された重油と廃油とを順次混合燃料化して貯留槽(3)に均質な混合燃料を充満させ、混合燃料のバーナー(28)への供給を可能状態にして保持する第4ステップと、
で構成されてなることを特徴とする重油と廃油との混合方法。 - 第4ステップによって貯留槽(3)に満たされた混合燃料が、経時変化によって重油と廃油との分離が進み、均質な混合燃料のバーナー(28)への供給が確保できなくなることを考慮し、第4ステップ終了後に停止された圧送ポンプ(5)を、停止後一定時間経過するごとに駆動して、ステップ3と同様に、重油と廃油との組成比が異なった上層と下層の混合燃料を吸引して取り出し、攪拌槽(2)へ循環させてその均質性を回復、維持する第5ステップを併せ有してなることを特徴とする請求項6に記載の重油と廃油との混合方法。
- 第4ステップによって貯留槽(3)に満たされた混合燃料が、貯留槽(3)の外壁に設けられた供給管(15)からバーナー(28)に供給されるのに伴って液体量調整部(16)の液面高が所定の下限値まで低下したとき、それを検知した液面高下限センサー(17)の発する信号によって、予め一定量の重油及び一定量の廃油を貯留した定量重油タンク(6)及び定量廃油タンク(7)の電磁弁(18、19)が時間差を持って交互に開かれ、重油と廃油とが交互に圧送ポンプ(5)を介して攪拌槽(2)に送られ、かつ、両電磁弁(18、19)は一定時間経過後に閉じられるよう制御され、さらに貯留した重油及び廃油の排出により空になった定量重油タンク(6)及び定量廃油タンク(7)に外部からそれぞれ一定量の重油及び廃油が外部から補給される第6ステップを併せ有してなることを特徴とする請求項6又は7に記載の重油と廃油との混合方法。
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